JP6854160B2 - 斜板式液圧回転機械 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、油圧ショベル、油圧クレーン、及びホイールローダ等の建設機械において、油圧ポンプ又は油圧モータとして用いられる斜板式液圧回転機械に関する。
一般に、可変容量型又は固定容量型の斜板式液圧回転機械は、例えば、油圧ショベル等の建設機械において、その油圧源を構成する斜板式の油圧ポンプとして用いられる。また、油圧アクチュエータとして用いる場合には、それは、例えば、旋回用又は走行用油圧モータ等を構成するものである。
この種の斜板式液圧回転機械の従来技術の1つとして、シューの摺動端部が、潤滑剤供給穴の一方の開口を取り囲むように位置すると共に、被摺動面上を摺動する環状のシール部と、シール部よりも基準面からの高さが低いと共に、開口の一部を取り囲むように同一円周上に位置し、かつ、シール部の径方向の内方側に存在する環状溝を介してシール部に径方向に対向する第1パッド部と、シール部よりも基準面からの高さが低いと共に、上記開口の一部を取り囲むように同一円周上に位置し、かつ、シール部の径方向の外方側に存在する環状溝を介してシール部に径方向に対向する第2パッド部とを有するようにした液圧回転装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2015−151897号公報
上述した特許文献1に開示された従来技術の液圧回転装置は、シューの摺動端部において、シール部の径方向の外方側に第2パッド部をランド部として追加し、このランド部で発生した動圧により、互いに摺動するシューと斜板の損傷を防止するようにしている。このようなランド部は、シューが斜板の摺動面に対して傾く現象、すなわち、シューに方向性が生じることを防止する目的で円環状に設けられるのが一般的である。
シューは、シール部とその径方向の内方側の凹部とから成る静圧軸受構造によってピストンからの押し付け力と均一に釣り合うように設計されるので、シューの摺動面の圧力分布が大きく変化しないように、シール部の外方側のランド部には少なくとも一箇所、当該ランド部を径方向に横断する溝部が形成されている。この溝部を潤滑剤が流れることにより、シール部が二重になることを防止している。
しかしながら、ランド部の溝部は、シューの表面からピストン側へ窪んでいるため、当該溝部が形成されていない領域よりも斜板との距離(間隔)が大きくなり、ランド部のうち溝部が形成されている領域では動圧が発生し難い。そのため、液圧回転装置の動作時にシューがどの方向を向いているかによってシューの摺動面の圧力分布が変化することにより、シューの浮上量が影響を受けるので、場合によっては特定の方向でシューが斜板と接触し、シューの摺動面に偏摩耗が生じることが懸念されている。
本発明は、このような従来技術の実情からなされたもので、その目的は、シューの摺動面の偏摩耗を抑制でき、高い信頼性を得ることができる斜板式液圧回転機械を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明の斜板式液圧回転機械は、中空なケーシングと、前記ケーシング内に回転可能に設けられた回転軸と、前記回転軸と一体に回転するように前記ケーシング内に設けられ、前記回転軸の周方向に離間して軸方向に伸長する複数のシリンダが形成されたシリンダブロックと、前記シリンダブロックの前記各シリンダ内に往復動可能に挿嵌され、軸方向の一端側が前記シリンダから突出した複数のピストンと、前記複数のピストンの突出端部に球面継手を介して揺動自在にそれぞれ装着された複数のシューと、前記シリンダブロックと対向するように前記ケーシング内に設けられ、前記シリンダブロックと対向する面に前記各シューが摺動する摺動面が形成された斜板とを備え、前記各ピストンには、軸方向の他端側から一端側へ向けて軸方向に通油孔が穿設されると共に、前記各シューには、前記通油孔から前記斜板の摺動面と前記各シューとの間に潤滑用の油液を供給する供給孔が穿設され、前記シリンダブロックと前記斜板とが同軸上で相対的に回転することにより、前記各シューが前記斜板の摺動面上を摺動するように構成された斜板式液圧回転機械において、前記各シューは、前記斜板の摺動面に静圧軸受となって摺接し、前記供給孔から供給された前記潤滑用の油液を前記斜板との間でシールする円環状のシールランド部と、前記シールランド部の内周側に形成された凹部から成り、前記供給孔と連通して前記潤滑用の油液を貯留する静圧ポケットと、前記シールランド部の径方向外側に当該シールランド部と離隔して設けられ、前記斜板の摺動面と前記各シューとの間に前記潤滑用の油液による油圧反力を発生させて前記シールランド部の面圧を緩和する円環状の外側ランド部と、前記外側ランド部の内周側であって前記シールランド部と前記外側ランド部との間に形成された凹部から成り、かつ前記シールランド部によって前記静圧ポケットから分離されて前記潤滑用の油液が流入する環状溝と、前記シューの内部に穿設され、前記環状溝と前記ケーシング内の前記シリンダブロックの収容空間とを連通する第1の連通孔と、前記シールランド部の径方向内側に当該シールランド部と離隔して設けられ、前記斜板の摺動面と前記各シューとの間に前記潤滑用の油液による油圧反力を発生させて前記シールランド部の面圧を緩和する円環状の内側ランド部と、を含み、前記静圧ポケットは、前記内側ランド部の内周側に配置され、前記供給孔の出口が位置する内周側静圧ポケットと、前記内側ランド部の外周側であって前記シールランド部と前記内側ランド部との間に配置され円環状の外周側静圧ポケットとから構成され、前記各シューは、さらに前記シューの内部に穿設され、前記シューの内部を経由して前記内周側静圧ポケットと前記外周側静圧ポケットとを連通する第2の連通孔を含むことを特徴としている。
本発明の斜板式液圧回転機械は、シューの偏摩耗を抑制でき、高い信頼性を得ることができる。前述した以外の課題、構成、及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の第1実施形態に係る斜板式液圧回転機械が備えられる建設機械の一例として挙げた油圧ショベルの構成を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る斜板式液圧回転機械の構成を示す図である。 図2に示すピストン及びシューの基本構成を示す図であり、左図はピストンとシューの接続状態を示す断面図、右図はシューを斜板側から見た図である。 本発明の第1実施形態に係るシューの構成を示す図であり、左図はシューの断面図、右図はシューの底面図である。 本発明の第2実施形態に係るシューの構成を示す図であり、左図はシューの断面図、右図はシューの底面図である。 本発明の第3実施形態に係るシューの構成を示す図であり、左図はシューの断面図、右図はシューの底面図である。 本実施形態に係るピストン及びシューの基本構成の他の例を示す図であり、左図はピストンとシューの接続状態を示す断面図、右図はシューを斜板側から見た図である。
以下、本発明に係る斜板式液圧回転機械を実施するための形態を図に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1は本発明の第1実施形態に係る斜板式液圧回転機械101が備えられる建設機械の一例として挙げた油圧ショベル100の構成を示す図である。
本発明の第1実施形態に係る斜板式液圧回転機械101は、建設機械、例えば、図1に示す掘削等の作業を行うクローラ式の油圧ショベル100に備えられる。この油圧ショベル100は、走行体11と、この走行体11の上側に配置され、旋回フレーム12aを有する旋回体12と、これらの走行体11と旋回体12との間に介在され、旋回体12を旋回させる旋回装置12Aと、旋回体12の前方に取り付けられて上下方向に回動するフロント作業機13とから構成されている。
このフロント作業機13は、基端が旋回フレーム12aに回動可能に取り付けられて上下方向に回動するブーム13Aと、旋回体12とブーム13Aとを接続し、伸縮することによってブーム13Aを回動させるブームシリンダ13aと、ブーム13Aの先端に回動可能に取り付けられたアーム13Bと、ブーム13Aの上側に配置されると共にブーム13Aとアーム13Bとを接続し、伸縮することによってアーム13Bを回動させるアームシリンダ13bと、アーム13Bの先端に回動可能に取り付けられたバケット13Cと、アーム13Bとバケット13Cとを接続し、伸縮することによってバケット13Cを回動させるバケットシリンダ13cとから構成されている。
上述の旋回体12は、例えば、車体の後方に配置され、車体のバランスを保つカウンタウェイト14と、車体の前方左側に配置され、フロント作業機13を操作する操作者が搭乗するキャブ15と、これらカウンタウェイト14とキャブ15との間に配置されたエンジンルーム16と、このエンジンルーム16の上部に設けられ、車体の上部の外装を形成する車体カバー17とを備えている。なお、図示されないが、エンジンルーム16内には、車体の動作の駆動源となるエンジン(例えば、ディーゼルエンジン)、各シリンダ13a〜13cへ供給する作動油の流量及び方向を制御するコントロールバルブ、及び作動油を貯蔵する作動油タンク等が搭載されている。
図2は本発明の第1実施形態に係る斜板式液圧回転機械101の構成を示す図である。
図2に示すように、斜板式液圧回転機械101は、外殻を形成する中空なケーシング21と、このケーシング21の中央部において軸周りに回転可能に設けられた回転軸22と、この回転軸22の回転に伴って回転し、例えば、球状黒鉛鋳鉄(FCD材)によって形成されるシリンダブロック23と、このシリンダブロック23の各シリンダ24内にそれぞれ往復動可能に挿嵌され、軸方向の一端側がシリンダ24から突出した複数のピストン25とを備えている。
ケーシング21は、筒状に形成され、回転軸22及びシリンダブロック23等の各部材を収容する有底のフロントケーシング21Aと、このフロントケーシング21Aの開口を閉塞するリアケーシング21Bとから成っている。そして、リアケーシング21Bは、シリンダブロック23内に作動油を供給あるいは排出する一対の給排通路31A,31Bを有している。これらの給排通路31A,31Bは、作動油の吸込側及び吐出側に設けられた図示しない配管等に接続されている。
回転軸22は、フロントケーシング21Aとリアケーシング21Bとの間に軸受32,33等を介して回転可能に支持されている。また、回転軸22は、フロントケーシング21Aから中心軸方向に突出する突出端22Aが形成されており、この突出端22A側が、例えば、エンジン等の図示しない原動機によって回転駆動される。シリンダブロック23は、回転軸22の外周側にスプライン結合されており、回転軸22と共に一体となって回転する。そして、シリンダブロック23は、両端面のうちフロントケーシング21A側の一端が後述の斜板34に対向して配置され、両端面のうちリアケーシング21B側の他端は後述の弁板35に摺接する。
シリンダブロック23は、内部に各ピストン25を包含する上述の複数のシリンダ24を有しており、これらの各シリンダ24は、回転軸22を中心としてシリンダブロック23の中心軸周りに一定の間隔をおいて離間され、シリンダブロック23の中心軸方向、すなわち回転軸22の軸方向に対して平行に伸長するように配置されている。そして、各シリンダ24の一端には、後述の弁板35を介してリアケーシング21Bの給排通路31A,31Bに対して間欠的に連通又は遮断されるシリンダポート24Aが形成されている。
また、斜板式液圧回転機械101は、各ピストン25の突出端部に揺動自在にそれぞれ装着され、シリンダブロック23と共に回転する複数のシュー41と、シリンダブロック23と対向するようにケーシング21のうちフロントケーシング21A側に傾転可能に設けられ、シリンダブロック23と対向する面に各シュー41が摺動する斜板34と、リテーナガイド42Aを介して各シュー41を各ピストン25の押し付け力によって斜板34側にそれぞれ押し付けた状態で保持し、斜板34に対する各シュー41の摺接状態を安定させるリテーナ42と、フロントケーシング21Aに設けられ、斜板34を揺動可能に支持するクレイドル43と、ケーシング21のうちリアケーシング21B側に配置され、リアケーシング21Bとシリンダブロック23との間に設けられた弁板35と、斜板34を傾転駆動する傾転アクチュエータ(図示せず)とを備えている。
斜板34は、クレイドル43によって傾転可能に支持される斜板本体34Aと、回転軸22を挿通する軸挿通穴34Bとから成っており、斜板34の表面側には、各シュー41を摺動可能に案内する摺動面となる平滑面が形成されている。また、斜板34は、シュー41の母材よりも硬質な金属材料である母材、例えば、球状黒鉛鋳鉄(FCD材)又は軸受鋼(SUJ2)等の鉄系金属材料から成る母材を用いて形成されている。そして、斜板34の平滑面は、母材の表面側に硬化処理を含めた仕上げ加工が施されて、凹凸の少ない滑らかな面が形成されている。なお、軸挿通穴34Bの大きさは、回転軸22を挿通した状態において回転軸22が斜板34の傾転動作の妨げとならないように設定されている。
クレイドル43は、斜板34の裏面側に配置され、ケーシング21のフロントケーシング21Aに固定されている。また、クレイドル43には、回転軸22を挟んで左右あるいは上下に離間した一対の傾転摺動面が設けられており、この傾転摺動面は、斜板34を傾転可能に支持するように凹湾曲状の円弧面に形成されている。そして、斜板本体34Aがフロントケーシング21A側にクレイドル43の傾転摺動面を介して傾転可能に取り付けられている。なお、傾転アクチュエータは、外部から傾転制御圧が給排されることにより、この傾転制御圧に応じて斜板34の傾転角を可変に制御している。
各シュー41は、各ピストン25からの押し付け力でリテーナ42等を介して斜板34の表面にそれぞれ押し付けられた状態で保持されている。弁板35は、シリンダブロック23の両端面のうちリアケーシング21B側の端面に摺接し、シリンダブロック23を回転軸22と共に回転可能に支持している。また、弁板35には、眉形状を有する一対の給排ポート35Aが形成されており、これらの給排ポート35Aは、リアケーシング21Bの給排通路31A,31Bに連通され、シリンダブロック23が回転軸22の周りに回転したときに各シリンダ24のシリンダポート24Aに間欠的に連通するようになっている。
ここで、エンジン等の原動機によって回転軸22を回転駆動させると、シリンダブロック23が回転軸22の周りに回転軸22と一体となって一定方向へ回転する。このとき、斜板34は、傾転アクチュエータによってフロントケーシング21Aに対して傾いているので、シリンダブロック23のシリンダ24内に収容されたピストン25は、シリンダブロック23の回転に伴ってシリンダ24内を上死点から下死点へ向けて摺動する吸入工程と、シリンダ24内を下死点から上死点へ向けて摺動する吐出工程とを繰り返す。
したがって、ピストン25の吸入工程では、例えば、給排通路31Bからシリンダ24内に作動油が吸込まれ、ピストン25の吐出工程では、シリンダ24内から給排通路31Aへ作動油が高圧の圧油として吐出される。なお、回転軸22の軸方向に対する斜板34の傾転角に応じてピストン25のストローク長が増減されるので、傾転アクチュエータが斜板34の傾転角を制御することにより、シリンダ24内における作動油の吸入量及び吐出量が調整される。
図3は本発明の第1実施形態に係るピストン25及びシュー41の基本構成を示す図である。
図3に示すように、ピストン25には、軸方向の一端側(突出端側)に位置する球形凹部25Aと、当該ピストン25の軸方向の他端側から一端側の球形凹部25A内に向けて軸方向に延びる内孔としての通油孔25Bとが設けられている。そして、ピストン25の球形凹部25Aには、シュー41が取り付けられている。また、ピストン25の通油孔25Bは、シリンダ24内に流入した作動油の一部をシュー41側に向けて潤滑用の油液(潤滑油)として供給するものである。
シュー41は、リテーナ42の挿通穴よりも大径な円板状に形成され、斜板34の平滑面上に摺接する摺接部としての円板状の台座部41Aと、この台座部41Aよりも小径となって当該台座部41Aに一体形成され、リテーナ42の挿通穴内に挿入される円形の段差部41Bと、この段差部41Bと共にリテーナ42の挿通穴内に挿通され、ピストン25の突出端側の球形凹部25Aに収容されて揺動可能に取り付けられる球面継手としての球形部41Cとから少なくとも構成されている。
これらのシュー41の台座部41A、段差部41B、及び球形部41Cは、例えば、機械構造用炭素鋼(S45C)又はクロム・モリブデン鋼(SCM435)等の鉄系金属材料から成る母材を用いて一体的に形成されている。そして、シュー41の台座部41Aのうち斜板34の平滑面との摺接部は、静圧軸受を形成するための静圧ポケット51が設けられている。さらに、静圧ポケット51の周囲には、斜板34の平滑面に静圧軸受となって摺接し、後述の供給孔41Dから供給された作動油を斜板34との間でシールする円環状のシールランド部52が設けられている。このシールランド部52は、静圧ポケット51を取り囲むことにより、作動油が外部へ漏出するのを抑えるものである。
一方、シュー41内には、球形部41C側から台座部41Aの静圧ポケット51と連通するように略直線状に延びる作動油の油路としての前述の供給孔41Dが穿設されている。この供給孔41Dは、シリンダ24内に流入した作動油の一部がピストン25の通油孔25Bを介して導かれることにより、これを潤滑油としてシュー41の台座部41A(正確には静圧ポケット51)と斜板34の平滑面との間に供給するものである。
シュー41の台座部41Aは、ピストン25からの押し付け力(油圧力)でリテーナ42等を介して斜板34の平滑面に押し付けられた状態で保持される。そして、各シュー41は、この状態で回転軸22、シリンダブロック23、及びピストン25が斜板34に対して同軸上で相対的に回転することにより、回転軸22を中心としたリング状軌跡を描くように斜板34の平滑面上を摺動する。
このとき、ピストン25の通油孔25Bとシュー41の供給孔41Dを通って供給された作動油の圧力が静圧ポケット51全体に伝達し、ピストン25からの押し付け力と均一に釣り合うことにより、適正な厚みの油膜がシュー41の摺動面と斜板34の平滑面との間に形成され、斜板34の平滑面上におけるシュー41の摺動を円滑に行うことができる。
図4は本発明の第1実施形態に係るシュー41の構成を示す図である。なお、同図は、本発明の内容を分かり易くするために、図3に示すシュー41をより拡大して図示している。
図4に示すように、シュー41は、シールランド部52の径方向外側に当該シールランド部52と離隔して設けられ、斜板34の平滑面とシュー41との間に作動油による油圧反力を発生させてシールランド部52の面圧を緩和する円環状の外側ランド部53と、シュー41の摺動面において、外側ランド部53の内周側、すなわち、シールランド部52と外側ランド部53との間に形成された凹部から成り、作動油が流入する環状溝54とを含んでいる。外側ランド部53は、例えば、シュー41の台座部41Aよりも軟質な銅合金等の金属材料を用いて形成されている。環状溝54は静圧ポケット51よりも大径に設定されている。
静圧ポケット51は、シールランド部52の内周側に形成された凹部から成り、シュー41の供給孔41Dと連通してシュー41の摺動面と斜板34の平滑面との間に高圧の作動油を貯留する。シールランド部52が、高圧の作動油のシュー41の外周側方向への流れをせき止めることでシュー41が静圧軸受として作用する。
このような構成のシュー41の摺動面においては、シールランド部52以外に外側ランド部53でも油膜のせん断による動圧が発生することにより、斜板34の平滑面上で摺動するシュー41の動作の安定性を高めることができる。
ここで、シュー41の台座部41Aの外周側は、シュー41が静圧軸受として安定して機能するように、シュー41の摺動面と斜板34の平滑面との間の圧力がケーシング21内の圧力と一致するように設計されることが一般的である。本発明の第1実施形態では、シュー41の台座部41Aに外側ランド部53が設けられているので、シュー41の摺動面と斜板34の平滑面との間では、外側ランド部53の外周側の圧力がケーシング21内の圧力と同じになり、外側ランド部53よりも内周側にあるシールランド部52の外周側の圧力、すなわち、環状溝54内の圧力がケーシング21内の圧力よりも高くなることが予想される。
この環状溝54内の圧力を抑制するために、仮に従来技術の構成を本発明に適用した場合には、外側ランド部53を径方向に沿って切り欠くことで、当該外側ランド部53にシュー41の最外周部を連通する溝部を設け、この溝部によって作動油の流路を形成してシールランド部52の外周側の圧力がシュー41の最外周部と同じ圧力となるようにする。これにより、シールランド部52が二重に設置されることを防止し、シュー41の静圧軸受性能を従来と同様に維持することが可能となる。
しかしながら、外側ランド部53のうち溝部を設けた場所のみ斜板34の平滑面との隙間が大きくなることから、シュー41の向きによって摺動特性が変化する可能性がある。特に、摺動時に上述した切り欠かれた部分が、斜板との接触面に嵌り込むことにより、集中的に切り欠かれた部分が斜板と接触した状態で摺動し、結果として切り欠かれた部分の偏摩耗が進行する可能性がある。そこで、本発明の第1実施形態は、シュー41の内部に穿設され、環状溝54とケーシング21内のシリンダブロック23の収容空間とを連通する第1の連通孔55を設けている。
このように構成した本発明の第1実施形態に係る斜板式液圧回転機械101によれば、シュー41の外側ランド部53を径方向に沿って切り欠くことなく、シュー41の内部に第1の連通孔55を穿設するようにしたので、環状溝54内の作動油をケーシング21内へ逃がすことができる。これにより、環状溝54内の圧力をケーシング21内の圧力と一致した状態に保ちつつも、斜板との接触時に、集中的に偏摩耗を起こす可能性のある切り欠かれた部分を無くすことができ、シュー41の摺動動作に対して優れた安定性を確保することができる。また、シュー41がどの方向を向いていても均等に動圧が発生するため、シュー41が斜板34の平滑面から安定して浮上し易くなる。これにより、シュー41の摺動面の偏摩耗を抑制できるので、高い信頼性を得ることができる。
[第2実施形態]
図5は本発明の第2実施形態に係るシュー41の構成を示す図である。
本発明の第2実施形態に係る斜板式液圧回転機械101は、第1実施形態の構成に加え、例えば図5に示すように、シュー41の内部に穿設され、環状溝54とケーシング21内のシリンダブロック23の収容空間とを連通する第1の連通孔55を複数(例えば、3つ)設けて構成されている。これらの第1の連通孔55は、例えば、シールランド部52の周方向において等間隔(本実施例では、120°の間隔)で配置されている。その他の第2実施形態の構成は、上述した第1実施形態と同様であり、第1実施形態と同一又は対応する部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
このように構成した本発明の第2実施形態に係る斜板式液圧回転機械101によれば、上述した第1実施形態と同様の作用効果が得られる他、シュー41の内部において、環状溝54とケーシング21内のシリンダブロック23の収容空間とを連通する複数の第1の連通孔55が穿設されているので、作動油が環状溝54からケーシング21内へ流通する面積が増大することにより、環状溝54内の圧力とケーシング21内の圧力との伝達が行われ易くなるので、環状溝54全体の圧力を迅速に低下させることができる。これにより、シュー41の摺動性能を向上させることができる。
[第3実施形態]
図6は本発明の第3実施形態に係るシュー41の構成を示す図である。
本発明の第3実施形態に係る斜板式液圧回転機械101は、第1実施形態の構成に加え、例えば図6に示すように、シュー41が、シールランド部52の径方向内側に当該シールランド部52と離隔して設けられ、斜板34の平滑面とシュー41との間に作動油による油圧反力を発生させてシールランド部52の面圧を緩和する円環状の内側ランド部56を含んでいる。この内側ランド部56は、例えば、シュー41の台座部41Aよりも軟質な銅合金等の金属材料を用いて形成されている。
また、静圧ポケット51は、内側ランド部56の内周側に配置され、シュー41の供給孔41Dの出口が位置する円形状の内周側静圧ポケット51Aと、内側ランド部56の外周側に配置された円環状の外周側静圧ポケット51Bとから構成されている。そして、本発明の第3実施形態は、シュー41の内部に穿設され、内周側静圧ポケット51Aと外周側静圧ポケット51Bとを連通する第2の連通孔57を設けている。
なお、本発明の第3実施形態では、図6の右図において、内周側静圧ポケット51Aに存在する第2の連通孔57の一端、外周側静圧ポケット51Bに存在する第2の連通孔57の他端、環状溝54に存在する第1の連通孔55の一端、及びシュー41の供給孔41Dの出口がシールランド部52の径方向に一直線に並んで配置されている。その他の第3実施形態の構成は、上述した第1実施形態と同様であり、第1実施形態と同一又は対応する部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
上述のように構成した本発明の第3実施形態に係る斜板式液圧回転機械101によれば、上述した第1実施形態と同様の作用効果が得られる他、内側ランド部56の内周側と外周側にそれぞれ位置する内周側静圧ポケット51Aと外周側静圧ポケット51Bとを連通する第2の連通孔57を、シュー41の内部を経由して穿設するようにしたので、ピストン25の通油孔25Bとシュー41の供給孔41Dから供給された潤滑用の油液としての作動油の圧力を静圧ポケット51全体に伝達することができる。これにより、静圧ポケット51内の作動油によってシュー41の摺動面を十分に保護できるので、シュー41が斜板34の平滑面に対して傾いて方当たりするのを抑制でき、シュー41の摩耗や焼き付き等の発生を防止することができる。
なお、上述した本実施形態は、本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。
本実施形態では、図3に示すように、ピストン25には、軸方向の突出端側に位置する球形凹部25Aが設けられ、シュー41は、台座部41A及び段差部41Bの他、球面継手としての球形部41C等から構成された場合について説明したが、本発明はこの場合に限定されるものではない。例えば、図7に示すように、シュー41は、球形部41Cの代わりに、ピストン25の球形凹部25Aと同様の球形凹部41Eを含み、ピストン25には、球形凹部25Aの代わりに、シュー41の球形凹部41Eに収容される球面継手としての球形部25Cが設けられてもよい。
21…ケーシング、21A…フロントケーシング、21B…リアケーシング、22…回転軸、22A…突出端、23…シリンダブロック、24…シリンダ、24A…シリンダポート、25…ピストン、25A…球形凹部、25B…通油孔、25C…球形部(球面継手)
31A,31B…給排通路、32,33…軸受、34…斜板、34A…斜板本体、34B…軸挿通穴、35…弁板、35A…給排ポート、41…シュー、41A…台座部、41B…段差部、41C…球形部(球面継手)、41D…供給孔、41E…球形凹部、42…リテーナ、42A…リテーナガイド、43…クレイドル
51…静圧ポケット、51A…内周側静圧ポケット、51B…外周側静圧ポケット、52…シールランド部、53…外側ランド部、54…環状溝、55…第1の連通孔、56…内側ランド部、57…第2の連通孔、100…油圧ショベル(建設機械)、101…斜板式液圧回転機械

Claims (1)

  1. 中空なケーシングと、前記ケーシング内に回転可能に設けられた回転軸と、前記回転軸と一体に回転するように前記ケーシング内に設けられ、前記回転軸の周方向に離間して軸方向に伸長する複数のシリンダが形成されたシリンダブロックと、前記シリンダブロックの前記各シリンダ内に往復動可能に挿嵌され、軸方向の一端側が前記シリンダから突出した複数のピストンと、前記複数のピストンの突出端部に球面継手を介して揺動自在にそれぞれ装着された複数のシューと、前記シリンダブロックと対向するように前記ケーシング内に設けられ、前記シリンダブロックと対向する面に前記各シューが摺動する摺動面が形成された斜板とを備え、
    前記各ピストンには、軸方向の他端側から一端側へ向けて軸方向に通油孔が穿設されると共に、前記各シューには、前記通油孔から前記斜板の摺動面と前記各シューとの間に潤滑用の油液を供給する供給孔が穿設され、前記シリンダブロックと前記斜板とが同軸上で相対的に回転することにより、前記各シューが前記斜板の摺動面上を摺動するように構成された斜板式液圧回転機械において、
    前記各シューは、
    前記斜板の摺動面に静圧軸受となって摺接し、前記供給孔から供給された前記潤滑用の油液を前記斜板との間でシールする円環状のシールランド部と、
    前記シールランド部の内周側に形成された凹部から成り、前記供給孔と連通して前記潤滑用の油液を貯留する静圧ポケットと、
    前記シールランド部の径方向外側に当該シールランド部と離隔して設けられ、前記斜板の摺動面と前記各シューとの間に前記潤滑用の油液による油圧反力を発生させて前記シールランド部の面圧を緩和する円環状の外側ランド部と、
    前記外側ランド部の内周側であって前記シールランド部と前記外側ランド部との間に形成された凹部から成り、かつ前記シールランド部によって前記静圧ポケットから分離されて前記潤滑用の油液が流入する環状溝と、
    前記シューの内部に穿設され、前記環状溝と前記ケーシング内の前記シリンダブロックの収容空間とを連通する第1の連通孔と、
    前記シールランド部の径方向内側に当該シールランド部と離隔して設けられ、前記斜板の摺動面と前記各シューとの間に前記潤滑用の油液による油圧反力を発生させて前記シールランド部の面圧を緩和する円環状の内側ランド部と、を含み、
    前記静圧ポケットは、
    前記内側ランド部の内周側に配置され、前記供給孔の出口が位置する内周側静圧ポケットと、
    前記内側ランド部の外周側であって前記シールランド部と前記内側ランド部との間に配置され円環状の外周側静圧ポケットとから構成され、
    前記各シューは、さらに前記シューの内部に穿設され、前記シューの内部を経由して前記内周側静圧ポケットと前記外周側静圧ポケットとを連通する第2の連通孔を含むことを特徴とする斜板式液圧回転機械。
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