JPH07165711A - N− エチルカルバゾールの製造方法 - Google Patents

N− エチルカルバゾールの製造方法

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JPH07165711A
JPH07165711A JP6171290A JP17129094A JPH07165711A JP H07165711 A JPH07165711 A JP H07165711A JP 6171290 A JP6171290 A JP 6171290A JP 17129094 A JP17129094 A JP 17129094A JP H07165711 A JPH07165711 A JP H07165711A
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diethyl carbonate
carbazole
carbonate
mol
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JP6171290A
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English (en)
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Peter Dr Koch
ペーター・コッホ
Johannes Dr Becherer
ヨハネス・ベヒエレル
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Cassella AG
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D209/00Heterocyclic compounds containing five-membered rings, condensed with other rings, with one nitrogen atom as the only ring hetero atom
    • C07D209/56Ring systems containing three or more rings
    • C07D209/80[b, c]- or [b, d]-condensed
    • C07D209/82Carbazoles; Hydrogenated carbazoles
    • C07D209/86Carbazoles; Hydrogenated carbazoles with only hydrogen atoms, hydrocarbon or substituted hydrocarbon radicals, directly attached to carbon atoms of the ring system

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 N- エチルカルバゾールの製造方法 【構成】 本発明は、カルバゾール又はN- エトキシカ
ルボニルカルバゾールとジエチルカルボナートとの反応
によってN- エチルカルバゾールを製造する方法に関す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般式II
【0002】
【化5】
【0003】(式中Rは水素原子又はエトキシカルボニ
ル基を示す。)なるカルバゾールからジエチルカルボナ
ートとの反応によって、式I
【0004】
【化6】
【0005】なるN- エチルカルバゾールの製造方法す
る方法に関する。
【0006】
【従来の技術】N- エチルカルバゾールは、価値ある染
料を製造するための重要な中間体であ(“ウルマンス
エンサイクロベディア デア テクニッシエン ヘミ
ー”(UllmansEncyklopadie der technischen Chemie)、
第3版、第5巻、第80頁、第4版、第9巻、第120
頁参照)。カルバゾールと水酸化カリウム又は炭酸カリ
ウムの反応によってカルバゾールのカリウム塩となし、
次いでこれをエチルハロゲニドで(たとえばBIOSフ
ァイナルリポート986、第197頁参照)又はジエチ
ルスルフアート(たとえばドイツ特許公告第21329
61号公報参照)でエチル化して、N- エチルカルバゾ
ールを工業的に製造する。カルバゾールからN- エチル
カルバゾールを製造する他の方法は、たとえばベンゼン
スルホン酸エチルエステル(ケミカルアブストラクト(C
hemical Abstracts)、第82巻、Abstr. No. 4500
3(1975))、ジエチル -N-(o- トリル)ホスホ
ルアミダート(ジャーナル オブ ヘテロサイクリック
ケミストリー(Journalof HeterocyclicChemistry)、
第18巻、第315頁(1981))又は1,1- ジエ
トキシエチリウムテトラフルオロボラート(リービッグ
ス アンナーレンデア ヘミー(LiebigsAnnalen der Ch
emie) 、1987、第509頁)を使用するが、これら
は技術上重要ではない。
【0007】公知の工業的製造方法はすべて次の欠点を
有する。それは、無機塩の多量が生じ、その塩を作業及
びエネルギーに関して費用をかけて廃水蒸発によって処
理廃水から除去し、次いで貯蔵しなければならないか又
は廃水と共に、浄化施設を通して最終的に河川に達して
しまう。たとえばBIOS最終レポート986、第19
7頁に記載された方法に従って処理した場合、産生する
N- エチルカルバゾール1トンあたり塩化カリウム約2
20kgを含有する廃水が生じ。しかもドイツ特許公告
第2132961号公報に記載された方法によれば、N
- エチルカルバゾール1トンあたり硫酸カリウム約49
0kgが廃水中に再び存在する。エチルハロゲニドをエ
チル化剤として使用する方法は、更に別に欠点を有す
る。それは有機ハロゲン化合物の流出を避けるために、
極めて費用のかかる廃ガス処理を実施しなければならな
いことである。というのは簡単な廃ガス分離がハロゲン
含有のゆえに不可能であるからである。更にこの方法で
反応混合物を水性後処理する場合、廃水中に有機ハロゲ
ン化合物(AOX)の含有を回避することができない。
更に、エチルハロゲニド及びジエチルスルフアートの使
用は、毒性及び発癌性性質のゆえにこれらの物質に関連
する特別な処理を必要とする。したがって生態学上及び
労働衛生上の理由からN- エチルカルバゾールの改良製
造方法が望まれている。
【0008】アルキルハロゲニド又はジアルキルスルフ
アートの代わりにアミンのアルキル化で部分的にジアル
キルカルボナートを使用することができる。たとえばジ
メチルカルボナートを相間移動触媒、たとえばジメチル
スルフアートの代わりにクローネンエーテルの存在下に
イミダゾールのメチル化に使用することが Liedigs Ann
alen der Chemie 1987、第77頁に記載されてい
る。この文献中で、ジメチルカルボナートとジエチルカ
ルボナートとの際立った反応性の相異について示され、
すなわちジエチルカルボナートを用いた場合、一定の生
成物が全く得られないと指摘されている。ジメチル- 及
びジエチルカルボナートの種々の性質及びジエチルカル
ボナートを用いて生じるより一層悪い結果については、
たとえば“合成”(Synthesis) 1986、第382頁中
にも言及されている。ジエチルカルボナートによるアミ
ド基の窒素原子へのエチル化は可能であり、したがって
ヨーロッパ特許公開第410214号公報中に、ウレタ
ンとジエチルカルボナートとを少なくとも当量の炭酸-
アルカリ又は -アルカリ金属及び更に相間移動触媒の存
在下に反応させることが記載されている。しかしながら
アミドの比較的高い酸性度のゆえに、この反応挙動はア
ミンの反応挙動と同等ではない。
【0009】アミンとジエチルカルボナートとを反応さ
せ、一般にカルボアミド酸エステルとなし(ホウベン-
ヴェイル(Houben-Weyl) 、有機化学の方法(Methoden de
rorganischen Chemie) 、第E4巻、第159頁;ウル
マンス エンサイクロペディエ デア テクニッション
ヘミー、第4版、第14巻、第591頁;ドイツ特許
公告第2160111号公報参照)、その場合エチル化
は副反応としてしか観察されない(米国特許第4550
188号明細書)。
【0010】僅かな場合にしか、芳香族アミンとエチル
カルボナートとの反応で、エチル化が主反応として生じ
ない。ドイツ特許公開第2618033号公報中に、種
々のアニリン誘導体とジメチルカルボナートとの反応の
他にp- フエニレンジアミン及びp- トルイジン、環で
の電子供与置換基(elektronenschiebende) によって活
性化されたモノアリールアミン2種とジエチルカルボナ
ートとの反応が行われ、その際窒素がモノ- 及びビスエ
チル化された生成物の混合物を生じることが記載されて
いる。ポリエチレングリコールと炭酸カリウムを含有す
る触媒の存在下に、アニリン、すなわち比較的易揮発性
芳香族アミンとジエチルカルボナートとをガス相反応さ
せることは、56.5%N- エチルアニリン、19.7
%N- エトキシカルボニル -N- エチルアニリン及び2
4.4%アニリンから成る混合物(“有機化学ジャーナ
ル”(Journal of Organic Chemistry)、第52巻、第1
300頁(1987))、すなわち、未反応出発化合物
の高い割合を生じる。難揮発性アミンにこの方法を転用
することはできない。触媒として有機ヨウ化物の存在下
にジアルキルカルボナートを用いて芳香族アミンをアル
キル化することは、ドイツ特許第3007196号中に
記載されている。しかしこの方法の工業的実施は、有機
ヨウ化物を添加するために、再び費用のかかる廃ガス精
製を必要とし、水性後処理の際に廃水中に有機ハロゲン
化合物の含有を生じる。更に、ここにはN- メチル- 及
びN,N- ジメチルアニリンから成る混合物を生じる、
ジメチルカルボナートとの反応しか開示されていない。
ジエチルカルボナートがジメチルカルボナートと同様な
結果を生じ、それは──上述した様に──周知の様に著
しく改良されたアルキル化を生じることは指摘されてい
ない。炭酸エステル中のメチル- 及びエチル基の著しく
異なるアルキル化能力も、ヨーロッパ特許第10460
1号明細書から明らかである。そこにはビス(2,4,
6- トリブロモフエニル)アミンの所望されるN,N-
ビス-(2,4,6- トリブロモフエニル)メチルアミン
へのN- メチル化に関して、ジメチルカルボナートの使
用と共に、メチル- 及び高級アルキル基、たとえば好ま
しくはエチル基を有する混合された炭酸エステルの使用
も記載されている。メチル化と共に進行するアルキル
化、特にエチル化──これはジアリールアミンのN- ア
ルキル化反応タイプ中でのメチル- 及びエチル基の同等
な反応挙動を示唆する──について述べられている。
【0011】しかし更にジメチルカルボナートとの完全
な反応は行われず、それによって出発化合物及び生成物
の分離が不可欠である。最後にドイツ特許第11957
56号明細書中に、芳香族- ヘテロ環状第二アミン、た
とえばカルバゾールとビス(ジアルキルアミノアルキ
ル)カルボナートとの反応が記載されている。この反応
の特異性が明確に述べられており、特にこの特別なアル
キル化法は、炭酸のエステルに通常有効ではなく、2-
又は3- 位に第三アミノ基を有する脂肪族アルコールの
炭酸エステルに特に有効であることが明らかである。こ
のアミノ基は、中間でアルコール炭素原子に作用し、こ
の反応の関与が注目される挙動を決定する。したがって
この場合も3- ジメチルアミノプロパノールとエタノー
ルから成る、混合された炭酸エステルを用いてエチル化
は行われない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】アミンとジエチルカル
ボナートとのエチル化に対する従来技術の説明を考慮す
れば公知方法の、上述された生態学的かつ労働衛生上の
欠点を簡単に回避する、N- エチルカルバゾールの新規
工業的製造方法を見い出さねばならない。しかもこの課
題は、カルバゾール又はN- エトキシカルバゾールとジ
エチルカルボナートとを反応させることによって解決さ
れることは極めて驚くべきことである。
【0013】
【課題を解決するための手段】したがって本発明の対象
は、一般式II
【0014】
【化7】
【0015】(式中Rは水素原子又はエトキシカルボニ
ル基を示す。)なるカルバゾールとジエチルカルボナー
トを反応させることを特徴とする、式I
【0016】
【化8】
【0017】なるN- エチルカルバゾールの製造方法で
ある。有機副生成物として、本発明による方法では二酸
化炭素の他にエタノールしか生じない。廃ガスは二酸化
炭素の他にエタノール並びにジエチルカルボナートを含
有し、これを廃ガスから水洗浄器を用いて又は廃ガス燃
焼によって除去することができる。洗滌された有機化合
物はハロゲンを含有せず、極めて良好に生物学的に分解
される。したがって洗浄器内容物を夫々の生物学的廃水
精製装置によって容易に廃水処理をすることができる。
ジエチルカルボナートの毒性は、明らかにジエチルスル
フアートの毒性よりも小さく、発癌性も僅かである。更
に塩化エチルに比してジエチルカルボナートは、比較的
僅かな揮発性を有する点で労働衛生上の利点を有する。
また本発明による方法の利点は、反応の平滑なかつ完全
な進行であり、良好な収率及び高い空時収率で、次の工
程で付加的な精製処理をすることなく使用できる、清澄
な生成物を生じる。
【0018】本発明による方法を次の様に実施する;一
般式IIなるカルバゾール誘導体とジエチルカルボナー
トを他の添加物を使用することなく、たとえば所望の温
度に加熱し、かつ所望の反応処理法で反応させる。しか
し添加物の存在下でも実施することができる。たとえば
少なくとも当量の適する塩基の添加によって一般式II
のカルバゾールをRが水素である場合その塩に変えるこ
とができる(又はこの場合もまた一般式IIのカルバゾ
ールの代わりにまず第一に製造される塩をジエチルカル
ボナートとの反応に使用する。)。しかし本発明によれ
ば、反応をたとえば当量より少ない量の塩を添加して実
施するがRが水素である一般式IIなるカルバゾールは
その塩に完全に移行しない。その反応経過は、触媒量の
塩基性化合物によってのみ有利に左右される。したがっ
て好ましい実施形態では一般式IIなる化合物の本発明
による反応を、塩基 -触媒下に実施する。多数の無機及
び有機塩基性化合物は、触媒として単独で又は他の塩基
との混合物の形であるのが適当である。
【0019】使用されうる化合物の広い範囲を示す、適
する塩基の例は、水素化リチウム、水素化ナトリウム、
水素化カリウム、水素化マグネシウム、水素化カルシウ
ム、メチルリチウム、ブチルリチウム、フエニルリチウ
ム、オルガノマグネシウムハロゲニド、ジメチルナトリ
ウム、テトラアルキル- 及びララルキルトリアルキルア
ンモニウムヒドロオキシド、たとえばテトラメチル- 、
テトラエチル- 、テトラブチル- 、ベンジルトリメチル
- 又はベンジルトリエチルアンモニウムヒドロオキシ
ド、カルボン酸の塩、たとえば酢酸ナトリウム、酢酸カ
リウム、酢酸リチウム、プロピオン酸ナトリウム、プロ
ピオン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリ
ウム、フタル酸カリウム、有機窒素化合物、たとえばイ
ミダゾール、アルキルイミダゾール、たとえばメチルイ
ミダゾール又はジアザビシクロノン又はジアザビシクロ
ウンデセン、水酸化ランタン、酸化ランタン、炭酸ラン
タン、ホウ酸- リチウム、 -ナトリウム及び -カリウ
ム、ケイ酸- リチウム、 -ナトリウム及び -カリウム、
塩基性イオン交換体、ビニルピリジンの使用下に製造さ
れるピリジリル残基を含有するポリマーである。
【0020】触媒として、第三アミン、ピリジン誘導
体、アミンのアルカリ金属塩、カルバゾールのアルカリ
- 又はアルカリ土類金属塩、アルカリ金属アルコラー
ト、アルカリ土類金属アルコラート又はアルカリ金属又
はアルカリ土類金属の水酸化物、酸化物、炭酸塩又はリ
ン酸塩又はこれらの物質の混合物である。
【0021】触媒として使用される第三アミンは、分枝
状及び非分枝状脂肪族、脂環式、芳香脂肪族及び芳香族
残基、たとえばメチル- 、エチル- 、n- プロピル- 、
i-プロピル- 、n- ブチル- 、i- ブチル- 、ヘキシ
ル- 、オクチル- 、デシル-、ドデシル- 、ヘキサデシ
ル- 、オクタデシル- 、シクロペンチル- 、シクロヘキ
シル- 、ベンジル- 、フエネチル- 、フエニル- 、ナフ
チル- 、ビフエニル基を含有し、この基中で炭素原子も
窒素- 又は酸素- 原子によって置き代えることができ、
置換基、たとえばアルキル基又はアルコキシ基又は他の
第三アミノ基を含有することもできる。第三アミンの窒
素原子は、環、たとえば5- 又は6員環又は二- 又は三
環状系の構成要素であってもよい。適する第三アミンの
例は、トリアルキルアミン、たとえばトリエチルアミ
ン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、トリデシ
ルアミン、エチルジイソプロピルアミン又はデシルジメ
チルアミン、アラルキルアミン、たとえばベンジルジメ
チルアミン又はベンジルジエチルアミン、アリールジア
ルキルアミン、たとえばN,N- ジメチルアニリン、
N,N- ジエチルアニリン又はN,N- ジブチルアニリ
ン、他の置換されたアミン、たとえばN,N,N',N'-
テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N',N'-テト
ラメチルプロピレンジアミン、1,8- ビス(ジメチル
アミノ)ナフタリン又はトリス(2-(( 2- メトキシ)
エトキシ)エチル)アミン又は環状アミン、たとえばN
- メチル- ピロリジン、N- フエニルピロリジン、N-
エチルピペリジン、1,2,2,6,6- ペンタメチル
ピペリジン、N- エチルモルホリン又は1,4- ジアザ
ビシクロ(2,2,2)オクタンである。
【0022】ピリジン誘導体として、たとえばピリジン
それ自体又は置換されたピリジン、たとえばピコリン又
はルチジン又はたとえば4- ジメチルアミノピリジン又
はアネレート化されたピリジン、たとえばキノリン、キ
ナルジン、アクリジン、9-ジメチルアミノアクリジン
又はフエナンチロリン、たとえば1,10- フエナンチ
ロリンを使用することができる。
【0023】たとえば触媒として使用することができる
アミンのアルカリ金属塩の例は、ナトリウムアミド、カ
リウムアミド、リチウムアミド、リチウム- 、ナトリウ
ム-及びカリウム- ジメチル- 、 -ジエチル- 、- ジイ
ソプロピル- 及び -ビストリメチル- シリルアミド、カ
リウム(3- アミノプロピル) アミド又はリチウムシク
ロヘキシルアミドである。塩基性触媒として使用するこ
とができるカルバゾールのアルカリ- 又はアルカリ土類
金属塩の例は、カルバゾールのリチウム塩、ナトリウム
塩、カリウム塩、セシウム塩、マグネシウム塩、カルシ
ウム塩又はバリウム塩である。
【0024】触媒としてアルカリ金属アルコラート又は
アルカリ金属アルコラートを使用する場合、金属として
たとえば金属として、たとえばリチウム、ナトリウム、
カリウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム又はバ
リウムを含有し、第一、第二又は第三アルコール、たと
えばメタノール、エタノール、n- プロパノール、i-
プロパノール、n- ブタノール、i- ブタノール、t-
ブタノール、アミルアルコール、ベンジルアルコール、
シクロペンタノール、シクロヘキサノール又は多価アル
コール、たとえばエチレングリコール、プロピレングリ
コール、又はポリエチレン- 又はポリプロピレングリコ
ールから導かれる。適するアルコラートは、たとえばリ
チウムエチラート、ナトリウムエチラート、カリウムエ
チラート、マグネシウムエチラート、カルシウムエチラ
ート、バリウムエチラート、リチウムエチラート、ナト
リウムエチラート、カリウムエチラート、セシウムメチ
ラート、マグネシウムエチラート、カルシウムエチラー
ト、バリウムメチラート、リチウムイソプロピラート、
ナトリウムイソプロピラート、カリウムイソプロピラー
ト、リチウム -t- ブチラート、ナトリウム -t- ブチ
ラート又はカリウム-t- ブチラートである。
【0025】触媒として使用することができる、アルカ
リ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、酸化物、炭酸
塩及びリン酸塩の例は、水酸化リチウム、酸化リチウ
ム、炭酸リチウム、リン酸リチウム、水酸化ナトリウ
ム、酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリ
ウム、リン酸ナトリウム、水酸化カリウム、酸化カリウ
ム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、リン酸カリウ
ム、水酸化セシウム、炭酸セシウム、水酸化マグネシウ
ム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素マ
グネシウム、リン酸マグネシウム、水酸化カルシウム、
酸化カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、
水酸化バリウム、酸化バリウム、炭酸バリウム、リン酸
バリウムであり、この場合リン酸塩とは塩基性で反応す
る、モノリン酸、ジリン酸及びポリリン酸の塩を意味
し、その際水素原子の一部のみ又は全部をアルカリ金属
又はアルカリ土類金属で置き換えられる。上記化合物を
無水形で、水含有形、たとえばその水和物の形で、又は
溶液の形で使用することができる。
【0026】添加される触媒の量は、その触媒活性に及
び選ばれた他の反応成分に左右され、広い範囲で変化す
ることができる。より一層大きい触媒量を使用しても、
反応を損なわない。上述した様に、塩基を当量でも添加
できるが、過剰でも使用することができる。したがって
溶剤として触媒的に作用する塩基の同時使用も可能であ
る。触媒を、使用される一般式IIなるカルバゾールに
対して0.05〜20モル%の量で使用するのが好まし
い。0.1〜10モル%の触媒量が特に好ましい。触媒
を再使用しない場合、この量は、無機塩基を生態学的に
有利な方法で副生成物として無機塩の僅かな生成を生じ
る。
【0027】一般式IIなるカルバゾール誘導体とジエ
チルカルボナートとを反応させる温度は、触媒の添加及
び反応媒体に依存する。適する塩基又は塩基混合物の添
加にあたり反応はすでに室温で又はたとえば130℃に
までの加熱下に進行する。反応を130〜320℃の温
度で実施するのが好ましい。たとえばピリジン誘導体を
触媒として使用した場合、より一層低い温度で処理する
ことができる。本発明による反応を180〜300℃、
更に220〜280℃で実施するのが、特に好ましい。
【0028】反応を加過圧下に実施することができる。
この際ガス定流量換気装置(Druckhalteventils) によっ
て一定の加過圧を調節して、たとえば最高3バール又は
最高6バールの加過圧を保つことができるか又は生じる
圧力下に、たとえば特に低沸点溶剤を使用する場合オー
トクレーブ中で高圧で処理することができる。一般式I
Iなるカルバゾールとジエチルカルボナートの反応を常
圧で又は最高3バールの加過圧下に実施するのが好まし
い。
【0029】反応を溶剤中で又は溶剤無添加で実施する
ことができる。溶剤を使用しない場合、一般式IIなる
カルバゾールを式Iなるエチルカルバゾールへ転位する
のに使用する量のジエチルカルボナートと、場合により
塩基性触媒の添加下に所望の温度で反応させる。転位に
必要な量のジエチルカルボナートよりも多量に添加した
場合、この過剰量は溶剤としても作用する。過剰のジエ
チルカルボナートを、反応の終了後回収し、再び使用す
る。更に溶剤としてすべての化合物を使用することがで
きる。その化合物は、反応条件下に所望の温度で及び場
合により添加される塩基性触媒に対して安定であり、た
とえば脂肪族及び芳香族炭化水素、たとえばベンジン留
分、トルエン、キシレン、また塩化炭化水素、たとえば
クロルベンゼン又はo- ジクロルベンゼン、エーテル、
たとえばジブチルエーテル、エチレングリコールエーテ
ルたとえばジエチレングリコールジメチルエーテル又は
トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジオキサ
ン、アザ芳香物、たとえばピリジン、ピコリン、ルチジ
ン、キノリン──この際これらの物質は同時に塩基性触
媒として作用する──、アミド、たとえばジメチルホル
ムアミド又はN- メチルピロリドン、又はたとえばジメ
チルスルホキシド又はスルホランである。溶剤として好
ましい方法で溶融されたN- エチルカルバゾールでも使
用することができ、これを反応の終了後新たに生じるN
- エチルカルバゾールと一緒に再び単離することができ
る。溶剤は、2種又は数種の成分から成る混合物であっ
てよい。
【0030】本発明による方法は、一般式IIなるカル
バゾールとジエチルカルボナート及び場合により塩基性
触媒及び場合により溶剤とを所望の温度で、一般式II
なるカルバゾールの含有量がN- エチルカルバゾールに
対して達成される限界値以下、たとえば1%又は0.1
%以下になるまで維持する。反応の間、二酸化炭素を遊
離する。反応の間に遊離するエタノールを、反応混合物
から蒸留することができる。必要な反応温度及び反応時
間は、触媒の種類及び量に依存する。反応温度が溶剤の
又は反応混合物の沸点以上にある場合、加圧下に処理し
なければならない。ジエチルカルボナートの沸点以上で
処理する場合、分離蒸留塔又は本来の分縮器によってそ
の温度を、次の様に選ぶのが有利である。すなわち、沸
騰するジエチルカルボナートがバッチ中に逆流するが、
しかし生じるエタノールの蒸気はコンデンサー中を通過
することができ、エタノールを蒸留することができる。
エタノール蒸気及び場合により移行したジエチルカルボ
ナートを連結された冷却器中に凝縮し、この際この留出
物を場合により蒸留によって再び使用できるジエチルカ
ルボナートとその他の使用できるエタノールに分けるこ
とができる。
【0031】本発明による方法の好ましい実施形態に於
て、ジエチルカルボナート量の一部、たとえば5−50
%のみを一般式IIなるカルバゾール、場合により触媒
及び場合により溶剤と共に予め加え、残りの量を先ず反
応温度でそれが使い果たされる程度に徐々に配量添加す
るか又は一般式IIなるカルバゾールのみ、場合により
触媒及び場合により溶剤を予め加え、ジエチルカルボナ
ートの全量を反応温度で徐々に配量添加する。この際ジ
エチルカルボナートの沸騰温度以上で処理する場合、適
する温度で作動する還流冷却器から還流液を消費の尺度
として使用することができる。
【0032】反応の終了後、場合により固形触媒を、適
する温度で濾過する及び(又は)場合により揮発性成
分、たとえば溶剤、揮発性触媒、ジエチルカルボナート
及びエタノールを適当な圧力、たとえば常圧で又は減圧
下に蒸留して分離する様にして行うことができる。残存
する生成物を一般にそのまま次の加工処理に使用するこ
とができる。必要な場合には、場合により再度溶融物の
濾過によって少量の塩から除去するか又はたとえば抽
出、たとえば塩を生成物から熱水で抽出によって、結晶
化によって又は蒸留によって精製することができる。回
収されたジエチルカルボナート及び溶剤及び回収された
触媒を次のバッチで再使用することができる。
【0033】N- エチルカルバゾールの本発明による製
造方法は、式IIa
【0034】
【化9】
【0035】なるカルバゾールとジエチルカルボナート
を反応させ、この際触媒としてアルカリ金属の又はアル
カリ土類金属の水酸化物、酸化物、炭酸塩、リン酸塩又
はエチラート又はこれらの金属とカルバゾールから生じ
る塩又はこれらの化合物の混合物を使用し、そして反応
を溶融されたN- エチルカルバゾール中で又はジエチル
カルボナート中で又はこれらの混合物中で実施する様に
して行うのが好ましい。例中に記載されかつ反応後濾過
によって回収されうる上記触媒の使用は、同様に触媒と
して使用することができる他の塩基性有機化合物の使用
に比して格別な利点を有する。その利点は最後に反応混
合物中に生成物及び必ず生じる揮発性の、蒸留によって
容易に分離できる成分の他に、エタノール及びジエチル
カルボナート並びに場合により、使用されるカルバゾー
ルから生じる妨げとならない不純物が、更なる有機成分
を含有しないことである。これは費用のかかる後処理-
及び精製操作を省くことができる。同様な理由から過剰
に使用されるN- エチルカルバゾール又はジエチルカル
ボナートの使用は、反応媒体として特に有利である。反
応も実施できる他の溶剤は、より高い再後処理費用を要
求する。特に好ましい処理方法で、N- エチルカルバゾ
ールを反応媒体として使用する場合、反応の終了後、反
応混合物の一部、たとえば30−70%、好ましくは5
0−70%のみをエチル化容器から除去し、後処理し、
一方残部をエチル化容器中の次の反応混合物に対する反
応媒体として残存させる。その際後処理される、反応混
合物の部分を取り出す前に、触媒の沈殿によって触媒を
十分に反応容器中で維持し、それによって数回これを使
用することができる。このことは塩の量が廃水中でより
一層減少することを示す。
【0036】式IIのなるカルバゾールとジエチルカル
ボナートとを反応させる、この好ましい実施形態の上記
触媒のうち、水酸化カリウム、炭酸カリウム及びカリウ
ムエチラートが特に好ましく、そのうち水酸化カリウム
及び炭酸カリウムが、特に好ましく、夫々を単独で又は
相互に混合して使用する。好ましい実施形態を130〜
320℃、特に好ましくは180〜300℃、特に22
0〜280℃の温度範囲で実施するのが特に有利であ
る。N- エチルカルバゾールを反応媒体として、特に好
ましくは使用される式IIaなるカルバゾールに対して
1.1〜2.5モル、特に好ましくは1.1〜1.8モ
ルの量で使用する場合、ジエチルカルボナートを好まし
い実施形態で過剰で使用するのが有利である。消費され
ない部分を、反応の終了後に蒸留によって回収すること
ができる。
【0037】N- エチルカルバゾールの本発明による製
造方法を、式IIb
【0038】
【化10】
【0039】なるN- エトキシカボニルカルバゾールと
ジエチルカルボナートを反応させ、この際炭酸ジエチル
を使用される式IIbなるカルバゾールに対して0.1
〜1.0モル、好ましくは0.3〜0.8モルの量で使
用し、そして反応を、更に溶剤を添加することなく実施
することによって行うのが好ましい。塩基- 触媒下に処
理するこの実施形態の特に好ましい処理方法の場合、相
応して上述の配慮が触媒の選択に適用される。また反応
の好ましい実施はN- エトキシカルボニルカルバゾール
の溶融物中での又はジエチルカルボナート中での反応を
省いて、反応を実施することもできる、溶剤の更なる添
加をやめることは、より一層大きい後処理費用を節約す
る。この好ましい実施形態の出発化合物、すなわちN-
エトキシカルボニルカルバゾールの製造は、米国特許第
2089985号明細書中に記載されている。
【0040】
【実施例】次の例は、本発明による方法を説明するため
のものである。 〔例1〕90℃の水で作動し、氷水で作動するリービッ
ヒ- 冷却器に取り付けられた還流冷却器を有する250
ml- 多頚フラスコ中で、N- エチルカルバゾール81
g(工業用96.5%製品)を融解する。100−13
0℃の温度で、カルバゾール69.5g(工業用96%
製品)及びカリウムエチラート3gを十分な撹拌下に加
える。懸濁液を、230−240℃に1時間かけて加熱
し、その際180−200℃の内部温度でジエチルカル
ボナートの滴下を始める。内部温度を24時間230−
240℃で保ち、ジエチルカルボナートを、これが一定
に還流沸騰する様にジエチルカルボナートを滴下する。
全体で約70gを消費する。反応の間二酸化炭素が消散
し、少量のジエチルカルボナート及びメタノールで汚染
されたエタノールを蒸留する。反応が終了するやいな
や、減圧の装置によって過剰のジエチルカルボナートを
蒸留し、残存する生成物溶融物を70−100℃の温度
で水と十分に撹拌する。残存水分の蒸発によって有機相
を乾燥後、96%N- エチルカルバゾール161gが得
られる。これは使用された量を考慮して、理論値の98
%の収率に相当する。廃水は、塩酸での中和後、塩化カ
リウム3.2gを含有し、これは製造されるN- エチル
カルバゾール1トンあたり塩化カリウム42kgに相当
する。
【0041】〔例2〕例1と同様に処理するが、反応混
合物を約100℃の温度で生成物の溶融物の濾過によっ
て触媒から分離すると、N- エチルカルバゾール158
gが得られる。これは使用された量を考慮して95%の
収率に相当する。その際濾過残留物に付着する生成物は
考慮されない。
【0042】〔例3〕例1と同様に処理するが、触媒と
してカリウムエチラートの代わりにカリウムブチラート
4gを加えると、N- エチルカルバゾールが同一収量及
び品質で得られる。
【0043】〔例4〕例1と同様に処理するが、250
−260℃の反応温度で触媒としてカリウムエチラート
の代わりにカルバゾールのカリウム塩7gを加えると、
20時間の反応の後に、96.5%の純度のN- エチル
カルバゾール162gが得られる。
【0044】〔例5〕例1と同様に処理するが、触媒と
してカリウムエチラートの代わりに4- ジメチルアミノ
ピリジン2gを加え、24時間160−170℃に加熱
し、減圧蒸留によって後処理すると、ジメチルアミンピ
リジン及びN- エチルカルバゾールから成り、場合によ
り次の反応混合物中に再び使用することができる前留出
物の分離後、96%N- エチルカルバゾール155gが
得られる。これは91%の収率に相当し、その際前留出
物中に含有される生成物は考慮されない。
【0045】〔例6〕例1に記載した装置中で、予め加
えられたo- ジクロルベンゼン50ml中に96%カル
バゾール35gを加え、溶解する。ジエチルカルボナー
ト36g及び4- ジメチルアミノピリジン1gを加え、
すべて還流加熱する。約150℃の内部温度が生じ、こ
の温度は時間の経過と共に約167−170℃に上昇す
る。約48時間の還流後、反応を終了し、例5と同様に
蒸留によって後処理する。
【0046】〔例7〕例4と同様に処理するが、カルバ
ゾールのカリウム塩の代わりに触媒としてN,N- ジメ
チルアニリン5gを加えると、反応は約40時間後に終
了する。
【0047】〔例8〕例1と同様に処理するが、全く触
媒を加えず、270−310℃の温度で行うと、反応は
約40時間後に終了する。
【0048】〔例9〕90℃の水で作動し、氷水で作動
するリービッヒ- 冷却器に取り付けられた還流冷却器を
有する2l - 多頚フラスコ中で、N- エチルカルバゾー
ル505g(工業用96.5%製品)を融解する。10
0−130℃の温度で、カルバゾール1044g(工業
用96%製品)及び90%水酸化カリウム30gを十分
に撹拌しながら加える。懸濁液を1時間かけて230−
240℃に加熱し、その際180−200℃の内部温度
でジエチルカルボナートの滴下を始める。内部温度を2
4時間230−240℃で保ち、ジエチルカルボナート
をこれが一定に還流沸騰する様に滴下する。全体で約1
000gを消費する。反応の間、二酸化炭素を消散し、
エタノールを少量のジエチルカルボナートと共に留出す
る。反応が終了するやいなや、減圧装置によって過剰の
ジエチルカルボナートを蒸留し、残存する生成物溶融物
を約100℃の温度で触媒の濾過によって除去する。濾
過残留物を熱水で処理し、その際無機成分;二酸化カリ
ウム及び炭酸カリウムを溶解する。付着生成物を、熱時
に有機相として分離するか又は冷却後濾過によって単離
する。全体で96.5%N- エチルカルバゾール170
6gが得られ、これは使用された量を考慮して99%の
収率であり、そのうち1630gが濾過された溶融物と
して、残りが濾過残留物の水性後処理から得られる。不
純物として、生成物はすでに工業用カルバゾール中に含
有される副生成物のみを含有する。
【0049】塩酸で中和後、濾過残留物の後処理で生じ
る廃水は塩化カリウム約36gを含有する。これは製造
される100%N- エチルカルバゾール1トンあたり3
1kgに相当する。
【0050】〔例10〕例9と同様に処理するが、N-
エチルカルバゾール505g、カルバゾール1044g
及び水酸化カリウム30gの代わりにN- エチルカルバ
ゾール500g、カルバゾール800g及び水酸化カリ
ウム2.5gを使用する。内部温度を約4時間230−
240℃で保ち、次いで260−270℃に高める。ジ
エチルカルボナート約650gを消費する。反応は、ジ
エチルカルボナート添加の開始約16時間で終了する。
例9と同様に後処理後、96.5%N- エチルカルバゾ
ール1420gが得られる。そのうち1415gが濾過
された溶融物として得られる。中和された廃水は、塩化
カリウム約3gを含有する。これは製造される100%
N- エチルカルバゾール4トンあたり約3−4kgに相
当する。
【0051】〔例11〕先ず反応混合物を、例10と同
様に行うが、触媒として水酸化カリウム10gを用いて
実施する。反応の終了後、撹拌器を止め、触媒を沈殿さ
せる。次いで反応混合物を500gまでフラスコからサ
イフォンで吸引分離し、後処理する。
【0052】フラスコ中に残存する触媒を含めて粗混合
物を、次のバッチに対する反応媒体として使用する。そ
のバッチ中で新たに上記処理を行う。全体で、更なる触
媒の添加を行わずに、全体で5個の後続バッチでこの方
法を実施する。この時点まで触媒活性の減少は確認する
ことはできない。
【0053】廃水を塩酸で中和しない場合、N- エチル
カルバゾール1トンあたり2−2.5kg塩化カリウム
又は水酸化カリウム及び炭酸カリウムから成る混合物の
対応する量まで平均して塩を産生する。触媒活性の減少
確認できるまで、更なる後続ハッチによって生成物1ト
ンあたりの平均塩産生を更に減少することができる。
【0054】〔例12〕例11と同様に処理するが、触
媒として水酸化カリウム0.3gのみを使用すると、反
応は完全な変換を達成し、同一収率かつ同一生成物品質
を得るまでに約30時間かかる。
【0055】〔例13〕例9と同様に処理するが、反応
温度260−270℃で、触媒として水酸化カリウムの
代わりに炭酸カリウム60gを使用すると、20時間の
反応時間の後、N- エチルカルバゾールが同一収率及び
品質で得られる。
【0056】〔例14〕例4と同様に処理するが、触媒
としてリン酸トリカリウム3gを使用すると、反応は約
50時間後に終了する。
【0057】〔例15〕例4と同様に処理するが、触媒
として水酸化バリウム- 10水和物12gを使用する
と、反応は約70時間後に終了する。
【0058】〔例16〕例4と同様に処理するが、触媒
として炭酸カリウム10gを使用すると、約20時間の
反応時間後、N- エチルカルバゾールが同一収率及び9
6.5%の純度で得られる。
【0059】〔例17〕例1と同様に処理するが、26
0−270℃の反応温度で触媒としてカリウムメチラー
トの代わりにナトリウムメチラート5gを使用すると、
約40時間の反応時間後、N- エチルカルバゾールが同
等な収率で、純度95%で得られる。
【0060】〔例18〕例1中に記載された装置中で、
96%カルバゾール87gと水酸化カリウム0.3gを
溶融する(溶融範囲約245℃)。溶融物中で、温度2
45−265℃でジエチルカルボナートを、これが完全
に還流煮沸する様に滴下する。初めの時間内で昇華され
るカルバゾールをその時々に溶解しなければならない。
約20時間後、反応は終了し、後処理後例9と同様に純
度96.5%のN- エチルカルバゾールが生じる。
【0061】〔例19〕90℃の水で作動し、氷水で作
動するリービッヒ- 冷却器を取り付けた還流冷却器を有
する2l - 多頚フラスコ中に、ジエチルカルボナート8
30gを予め加え、96%カルバゾール1044g及び
カリウムエチラート40Gを加える。懸濁液を加熱す
る。約130℃の内部温度で、バッチの還流沸騰を開始
する。反応の経過で、内部温度は上昇し、約4時間後に
230℃に達する。バッチを更に24時間230−24
0℃で保つ。この際別のジエチルカルボナートを、これ
が常に還流煮沸する様な量で加える。反応の終了後、例
9と同様に後処理する。濾過された生成物溶融物114
0g及び濾過残留物の後処理から更に生成物70gが得
られる。収度95%、収量は理論値の98%。
【0062】〔例20〕還流冷却器を有する100ml
- フラスコ中でカルバゾール -N- カルボン酸エステル
47.8gを溶融し、水酸化カリウム1g及びジエチル
カルボナート5gを加え、230−240℃に加熱す
る。この際更にジエチルカルボナート10gを、内部温
度230−240℃でジエチルカルボナートが一定に弱
く還流煮沸する様に滴下する。二酸化炭素を消散する。
24時間後、反応は収量する。ジエチルカルボナートの
減圧蒸留及び溶融物の濾過による触媒の除去後、N- エ
チルカルバゾール37gが得られ、これはカルバゾール
及びカルバゾール -N- カルボン酸エチルエステルを含
有しない。
【0063】〔例21〕例20と同様に処理するが、反
応温度250−260℃で触媒として水酸化カリウムの
代わりにカリウムエチラート1gを使用すると、5時間
の反応及び通常の後処理の後に純度97%のN- エチル
カルバゾールが得られる。
【0064】
【発明の効果】本発明による方法は、毒性の少ないジエ
チルカルボナートを使用することによって生態学的に又
は労働衛生上極めて安全であり、また更に溶剤を添加す
ることがないために、後処理工程の費用を節約すること
ができる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式II 【化1】 (式中Rは水素原子又はエトキシカルボニル基を示
    す。)なるカルバゾールとジエチルカルボナートを反応
    させることを特徴とする、式I 【化2】 なるN- エチルカルバゾールの製造方法。
  2. 【請求項2】 反応を塩基- 触媒作用下に反応を実施
    し、この際触媒が好ましくは第三アミン、ピリジン誘導
    体、アミンのアルカリ金属塩、カルバゾールのアルカリ
    金属- 又はアルカリ土類金属塩、アルカリ金属アルコラ
    ート、アルカリ土類金属アルコラート又はアルカリ金属
    の又はアルカリ土類金属の水酸化物、酸化物、炭酸塩又
    はリン酸塩もしくはこれらの化合物の混合物である、請
    求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 触媒を、使用される一般式IIなるカル
    バゾールに対して0.05〜20モル%、好ましくは
    0.1〜10モル%の量で使用する、請求項1又は2記
    載の方法。
  4. 【請求項4】 反応を130〜320℃、好ましくは1
    80〜300℃、特に好ましくは220〜280℃で実
    施する、請求項1ないし3のいずれかに記載の方法。
  5. 【請求項5】 一般式IIなるカルバゾール、場合によ
    り触媒、場合により溶剤及び場合によりジエチルカルボ
    ナートの一部を予め加え、ジエチルカルボナート又は場
    合により残りのジエチルカルボナートを反応の間、反応
    温度で配量添加する、請求項1ないし4のいずれかに記
    載の方法。
  6. 【請求項6】 式IIa 【化3】 なるカルバゾールとジエチルカルボナートを反応させ、
    この際触媒としてアルカリ金属の又はアルカリ土類金属
    の水酸化物、酸化物、炭酸塩、リン酸塩又はエチラート
    又はこれらの金属とカルバゾールから生じる塩又はこれ
    らの化合物の混合物を使用し、そして反応を溶融された
    N- エチルカルバゾール中で又はジエチルカルボナート
    中で又はこれらの混合物中で実施する、請求項1ないし
    5のいずれかに記載の方法。
  7. 【請求項7】 触媒として水酸化カリウム、炭酸カリウ
    ム又はカリウムエチラート又はこれらの化合物の混合物
    を使用する、請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 反応を130〜320℃で実施する、請
    求項6又は7記載の方法。
  9. 【請求項9】 ジエチルカルボナートを使用される式I
    Iaのカルバゾールに対して1.1〜2.5モル、好ま
    しくは1.1〜1.8モルの量で使用する、請求項6な
    いし8のいずれかに記載の方法。
  10. 【請求項10】 式IIb 【化4】 なるN- エトキシカルボニルカルバゾールとジエチルカ
    ルボナートを反応させ、この際ジエチルカルボナートを
    使用される式IIbなるカルバゾールに対して0.1〜
    1.0モル、好ましくは0.3〜0.8モルの量で使用
    し、そして反応を、更に溶剤を添加することなく実施す
    る、請求項1ないし5のいずれかに記載の方法。
JP6171290A 1993-07-23 1994-07-22 N− エチルカルバゾールの製造方法 Withdrawn JPH07165711A (ja)

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