JPH0716433A - 膜分離精製方法 - Google Patents

膜分離精製方法

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JPH0716433A
JPH0716433A JP18668093A JP18668093A JPH0716433A JP H0716433 A JPH0716433 A JP H0716433A JP 18668093 A JP18668093 A JP 18668093A JP 18668093 A JP18668093 A JP 18668093A JP H0716433 A JPH0716433 A JP H0716433A
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JP
Japan
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membrane
filtration
deterioration
rate
lipophilic component
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JP18668093A
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English (en)
Inventor
Mutsumi Funai
睦 船井
Koichi Wada
紘一 和田
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Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 濾過に際して濾過能力に低下あるいは濾過膜
の劣化を惹起するノニオン系油状物質を含む液の精密濾
過あるいは限外濾過において、これの防止および濾過能
力の低下した濾過膜の再生方法。 【構成】 濾過膜を親油性成分処理して膜分離操作を行
い、使用済みの能力が低下した濾過膜をアルカリ性溶液
で洗浄し再生する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は調整した孔径を有する分
離膜を使用する精密濾過、限外濾過等の膜分離精製法に
関する。更に詳しくは、発酵等による酵素、医薬品等の
生産において、生産工程中で使用された消泡剤等の分離
膜に悪影響を及ぼす物質を含んだ液の膜分離処理を効率
よく行う分離精製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】酵素や他のたんぱく質を含む溶液の無菌
化あるいは発酵液からの代謝物の回収及び無菌化等のプ
ロセスに、酵素等の溶液は通すが各種のバクテリアを通
さない精密濾過膜を用いる精密濾過法が広く採用されて
いる。また酵素液の脱塩濃縮には低分子の塩類は通す
が、酵素を通さない限外濾過膜が用いられる。
【0003】このような分離精製に使用される多孔質分
離膜(濾剤)はシャープな孔径分布のきわめて小さな孔
径を有するポリオレフィン、ポリビニルアルコール、ポ
リスルホン、ポリエーテルスルホン、酢酸セルロース等
の合成樹脂製の膜あるいはセラミック製の膜が市販され
ているが、一般には溶媒可溶性ポリマーが主に使用され
ている。
【0004】精密濾過膜あるいは限外濾過膜は、濾過に
際し発酵液などに含まれる不純物、例えば消泡剤として
使用されているノニオン系等の油状物質の影響を受け、
濾過能力の低下を引き起こす。特にポリスルホン系の膜
に関しては、ノニオン系油状物質と接触するときは濾過
膜面の溶解現象を含む膜表面構造の変化が著しく、濾過
速度の低下および阻止率の低下という問題が生じてく
る。
【0005】従ってこれらの物質と接して濾過速度の低
下および阻止率の低下した濾過膜を再生するため、濾過
膜をエタノール等の水溶性有機溶媒に浸漬させることで
油状物質の脱離はある程度可能であり劣化速度は抑えら
れるが完全ではなく、また浸漬洗浄の手間、および洗浄
溶媒のコストが高い面から見ても有効な手段とは言い難
く、問題の根本的な解決とはなっていない。
【0006】このため通常膜劣化防止の手段としては、
精密濾過または限外濾過を行う前処理として、濾過前の
被処理液に吸着剤を添加して膜の濾過能力、性能に悪影
響を与える汚染物質の除去が行われるが、この方法では
吸着剤に目的とする生産物も吸着してしまい、回収率の
低下が避けられなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は濾過膜面に付
着あるいは吸着して、濾過能力の低下あるいは濾過膜の
劣化を惹起する油状物質を含む液を精密濾過あるいは限
外濾過を行うに際し、濾過膜の濾過能力低下の防止、濾
過膜の劣化防止並びに濾過能力が低下した濾過膜を効率
的に再生する膜分離精製方法の開発を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、膜に対し
て吸着はするが、一般的な洗浄条件(例えば、水洗後苛
性ソーダ洗浄等)によって容易に脱離可能な脂肪、高級
アルコール、脂肪酸、またはその塩等の親油性成分を含
む液で処理、即ち濾過処理前に濾過膜に吸着させるか、
または濾過処理液中に共存させることにより膜に悪影響
を与えるノニオン系油状物質の膜への直接接触を低減さ
せることにより濾過能力の低下防止並びに膜の劣化を抑
える方法を見いだし、本発明を完成させるに到った。
【0009】即ち本発明は、膜分離精製方法において、
濾過膜をあらかじめ親油性成分を含む液で処理するかま
たは濾過液中に親油性成分を添加することを特徴とする
膜分離精製方法、および上記の方法により親油性成分処
理した使用済の濾過膜を、アルカリ性溶液で洗浄し、再
生する膜分離精製方法を開発し、上記の目的を達成し
た。
【0010】本発明方法に用いる濾過膜は特に限定しな
い。本発明方法を適用したとき、濾過速度の低下防止に
は、膜の材質が有機化合物あるいは無機化合物のいずれ
の材質においても有効である。特にノニオン系の油状物
質により影響を受け易い親油性膜、例えばポリスルホ
ン、ポリオレフィン、ポリエーテルスルホン等の濾過膜
に対して特に有効である。阻止率の低下防止には有機化
合物、特にポリスルホン系材質の膜において有効と考え
られる。
【0011】膜の形態についても特に限定されず、平
膜、中空子膜、スパイラル状膜等、どのような膜でも使
用できる。膜の分画分子量も特に限定しないが、膜の劣
化を引き起こす油状物質の分子量が約500以上のもの
であれば、分画分子量3000〜2000付近の膜につ
いて特に有効であると考えられる。
【0012】本発明の方法において、濾過原水の性状を
示すpH、温度等の物性に関しては回収しようとしてい
る対象物が影響を受けない範囲であれば良く、特に限定
するものではないが、膜劣化を引き起こす油状物質の性
質(曇点、分子量)を考慮して、油状物質の溶解度が高
い条件、あるいは低い条件を選定するほうが膜劣化防止
には効果的である。
【0013】本発明に使用される膜保護作用を持つ親油
性成分としては、実液通液pHでは濾過膜に吸着する
が、洗浄条件では脱離可能な物質であれば特に制限はな
いが、好ましくは脂肪酸エステル、高級アルコール、脂
肪酸またはその塩を挙げることができる。膜再生の際に
目的能力まで脱離回復するものであれば、特に限定する
ものではない。
【0014】脂肪酸エステルとしては広い範囲の脂肪酸
エステルが使用できるが、価格、入手性、取り扱い易さ
等から大豆油、牛脂、魚油、菜種油、パーム油等の動物
性脂肪、植物性脂肪が挙げられる。高級アルコールとし
てはオクチルアルコール、デシルアルコール、ラウリル
アルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコー
ル、オレイルアルコール等、大体炭素数8以上位の高級
脂肪族アルコールが挙げられる。また脂肪酸としてはこ
れに限定されるわけでないが、大豆脂肪酸、ヤシ脂肪
酸、牛脂脂肪酸、オレイン酸、カプリル酸、カプリン
酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸等が挙げられる。
【0015】脂肪酸塩の種類としては、アルカリ金属イ
オン塩、アンモニウム塩なら特に制限はない。ほかの多
価金属、重金属塩等では溶解性が低下するので取り扱い
が難しくなる。
【0016】濾過膜に対し保護作用を持つ親油性成分は
単独で使用しても、またそれらをいくつかの組み合わせ
で使用しても良い。選定に当たっては、親油性成分の性
質を考慮して所定の洗浄条件で脱離しやすいものを選ぶ
のが良い。親油性成分の添加濃度としては、特に指定す
るものではないが、被処理液に含まれる膜劣化を引き起
こす油状物質の濃度の5〜10倍程度が適当である。
【0017】親油性物質を含む液による処理は、あらか
じめ親油性物質を溶剤に溶解しておき膜に塗布、吹付な
どの処理方法、あるいは水性液(懸濁液、好ましくは溶
液の形)中に浸漬、あるいは濾過するなどの方法または
被処理液中に添加した形で濾過を行う方法などによるこ
とができる。このような処理された濾過膜(親油性物質
処理を同時に行う場合も含めて)通常の膜分離操作をす
れば良い。
【0018】膜分離して濾過速度あるいは阻止率が低下
した膜は、稀薄アルカリ性溶液(pH9〜14、好まし
くはpH11〜14、NaOHとして通常0.1〜4重
量%くらい)で洗浄する。
【0019】洗浄温度は膜の材質により限定できない
が、最高40℃位で行えば良い。なお、添加した親油性
成分が曇点をもち、温度が上がるほど水への溶解度が低
下するような場合においては、アルカリ洗浄工程の前に
低温の水(なるべく曇点以下)で洗浄をすることが良
い。洗浄時間は除去ができれば良いので特に限定されな
い。
【0020】
【作用】本発明は、精密濾過または限外濾過等に使用す
る濾過膜に対し、脂肪、高級アルコール、高級脂肪酸ま
たはそれらの塩等の物質が吸着または付着し易いこと、
更にそれら吸着または付着した物質は稀薄アルカリ性溶
液、例えば苛性ソーダ水溶液等で洗浄すると、そのほと
んどが除去可能であって、更にこの洗浄することにより
容易に初期能力を回復することができることに基づいて
なされたものである。
【0021】本発明はこのように洗浄、除去し易い親油
性成分をあらかじめ濾過膜に吸着または付着させておく
ことにより濾過膜の濾過能力低下、濾過膜を劣化させる
消泡剤のごとく油状物質から保護させるが、あるいは油
状物質より多量の保護剤である親油性成分を共存させる
ことにより競争吸着(または付着)させ、濾過膜に対し
有害成分である油状物質の吸着をできるだけ抑制するメ
カニズムを有するものと推定している。
【0022】この結果濾過膜は脱離しにくい油状物質の
吸着(付着)量は極めて少量になるのでその悪影響を大
幅に低減できるものである。
【0023】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明は以下の例によって限定されるものでは
ない。
【0024】(実施例1)消泡剤(CA−123日本油
脂製)10ppmを1%炭酸ソーダ−硫酸緩衝液(pH
8)に溶解した濾過液を用い、7日間限外濾過膜による
循環運転(濾液は循環側に戻される)を行った。用いた
限外濾過膜としては、旭化成SEP−1013(0.2
2 膜、分画分子量3000)を使用した。
【0025】7日間循環後、それぞれ水洗2回(各1時
間)、1%苛性ソーダ洗浄1回(1時間)を行い、再度
純水における濾過速度を測定、循環実験実施前の濾過速
度との比較を行った。
【0026】表1に上記濾過液に更にオレイン酸ナトリ
ウム50ppmを共存させた以外は同一条件で濾過を行
った系との比較を示す。
【0027】なお阻止率は下記の式により求めた。 阻止率=[1−(濾過液側の目的回収物濃度/濃縮液側
の目的回収物濃度)]×100
【0028】
【表1】
【0029】オレイン酸ナトリウム共存系では、消泡剤
の入っているときには共存系のほうが濾過速度比は、消
泡剤に比べて低いが、再生後濾過速度比はオレイン酸ナ
トリウム共存系のほうが回復している。
【0030】なお、上記膜について、リゾチーム(分子
量14300、シグマ社製)の阻止率を評価したところ
消泡剤のみの系は阻止率は90%であり、阻止能力が低
下しているのに対し、オレイン酸ナトリウム共存系の膜
は99%以上阻止しており阻止率の低下は見られなかっ
た。
【0031】(実施例2)αアミラーゼ(大和化成
(株)、枯草菌由来)を0.5%重炭酸ナトリウム水溶
液に重量比1%相当量溶解し、pH6に調整し、消泡剤
CC−118(日本油脂製)を20ppm添加した液を
60リットル調製し、30リットルずつにわけてそれぞ
れ次の条件にて限外濾過を行った。
【0032】用いた限外濾過膜としては、旭化成SEP
−1013(0.2m2 膜、分画分子量3000)を使
用した。入口圧力1.5kg/cm2 、出口圧力0.5
kg/cm2 、温度15℃の条件で30リットルを3リ
ットルまで減容処理を行った。
【0033】もう一方の30リットルは200ppmオ
レイルアルコールを添加調製した液として上記と同様の
条件にて減容し、能力比較を行ったその結果を表2に示
す。
【0034】
【表2】
【0035】オレイルアルコール共存系では、消泡剤の
入っているときには共存系のほうが濾過速度比は、消泡
剤に比べて低いが、再生後濾過速度比は、オレイルアル
コール共存系の方が回復している。
【0036】なお、上記膜について、アミラーゼの阻止
率を評価したところ消泡剤のみの系は92%であり阻止
率が低下しているのに対し、脂肪酸ナトリウム共存系の
膜は99%以上阻止しており阻止率の低下は見られなか
った。
【0037】
【発明の効果】本発明は精密濾過または限外濾過等の膜
分離精製または濃縮法において問題となっているノニオ
ン系油状物質、例えば消泡剤等の分離膜に影響を及ぼす
物質を含んだ被処理液体を効率よく膜分離を行う方法で
ある。
【0038】精密濾過、限外濾過に使用する濾過膜は、
ノニオン系の油状物質の影響を受け、濾過速度の低下、
濾過膜の劣化、阻止率の低下など濾過能力を著しく阻害
する。
【0039】これに対し濾過膜をあらかじめ親油性成分
を含む溶液で前処理するか、または被処理液に親油性成
分を添加する親油性成分処理を行うことにより簡単な再
生操作で濾過能力を回復させると共に阻止率を高く維持
できる優れた膜分離精製方法を提供できた。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 膜分離精製方法において、濾過膜をあら
    かじめ親油性成分を含む液で前処理するかまたは被処理
    液中に親油性成分を添加することを特徴とする膜分離精
    製方法。
  2. 【請求項2】 請求項1の方法により親油性成分処理し
    た使用済の濾過膜を、アルカリ性溶液で洗浄し再生する
    請求項1記載の膜分離精製方法。
  3. 【請求項3】 親油性成分が脂肪、高級アルコール、高
    級脂肪酸またはその塩である請求項1記載の膜分離精製
    方法。
JP18668093A 1993-06-30 1993-06-30 膜分離精製方法 Pending JPH0716433A (ja)

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