JP3261189B2 - 醗酵液の処理方法 - Google Patents

醗酵液の処理方法

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淳一 高橋
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12MAPPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
    • C12M41/00Means for regulation, monitoring, measurement or control, e.g. flow regulation
    • C12M41/02Means for regulation, monitoring, measurement or control, e.g. flow regulation of foam

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、消泡剤を含む醗酵液の
処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】醗酵分野における固液分離、すなわち菌
体等の固形分と醗酵生産物とを分離するための手段とし
ては、低コストで濾過性能の高いケイソウ土濾過が従来
広く用いられてきた。しかし、ケイソウ土は基本的に使
い捨てであり、大規模プロセスにおいては大量の廃棄物
を生じるため近年問題視されるようになってきている。
また粉塵を生じ作業環境が悪い、人手を要し自動化でき
ないなど、プロセスの合理化と相容れない面をもってい
る。
【0003】こうした問題点を解決する画期的なプロセ
スとして膜分離法が注目されている。すなわち膜分離法
は、ケイソウ土等の助剤を用いないため廃棄物が極めて
少ない、作業環境のクリーン化が可能、自動運転可能な
ど多くの特長を持っている。しかしながら膜分離法にも
下記の如き問題点がある。すなわち、膜の素材は従来よ
りポリエチレンやポリスルホンなどの疎水性高分子やセ
ラミックの焼結体などが用いられているが、目的物が特
に高分子タンパクである場合、その分子表面はしばしば
疎水性であることから膜に疎水的に吸着し、透過率やf
luxの低下を起こすことが多かった。
【0004】この問題を解決するために採られた手段
が、膜素材表面の改質である。すなわち、膜素材表面に
ポリビニルアルコールなどの親水性物質を化学的修飾、
グラフト重合その他の手段により導入することで、疎水
性タンパクの吸着の抑制をねらったものである。しかし
ながら依然として、タンパクの透過率が改善されず回収
に支障を来すケースは多かった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】したがって、タンパク
の透過率やfluxの低下が起こるには疎水的吸着以外
に何らかの原因があるのだが、これについては従来明ら
かでなかった。そこで本発明者らは原因の解析を行な
い、その結果、醗酵液中に含まれる消泡剤、殊にシリコ
ーン系消泡剤が原因であることをつきとめた。すなわち
本発明の目的は、消泡剤を効率的に取り除き、タンパク
の透過率やfluxの低下を抑制することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、消泡剤を含む
醗酵液を濾過して菌体等の固形分と醗酵生産物とを膜に
よって分離するに際し、あらかじめ消泡剤を除去する工
程を含むことを特徴とする醗酵液の処理方法である。本
発明でいう消泡剤とは、処理の対象となる醗酵液に、処
理前、または処理中随時添加することにより、泡の発生
を抑制し、または発生した泡を速やかに破壊する作用を
持つ物質である。具体的には、ポリジメチルシロキサン
に代表される通称シリコーンオイルを有効成分とするシ
リコーン系消泡剤と、有機化合物を有効成分とする有機
系消泡剤の2種に大別できる。
【0007】さらに、シリコーン系消泡剤は、上記有効
成分に添加物や化学的修飾をほどこすことで特性に若干
の差を生じ、オイル型、変性オイル型、エマルジョン型
に分けられる。オイル型とはシリコーンオイルそのも
の、変性オイル型とはシリコーンオイルにポリエーテル
等の界面活性物質を化学的修飾し水に分散しやすくした
もの、エマルジョン型とはシリコーンオイルに脂肪酸エ
ステル等の乳化剤を添加し水に分散させたものである。
【0008】有機系消泡剤には、ポリプロピレングリコ
ール等のポリエーテル系、脂肪酸グリセリンエステルな
どのエステル系、またポリエーテルやエステルの誘導体
など数多くの種類がある。いずれの消泡剤にせよ、液中
に分散しているときの粒子大きさは0.5μm〜10
0μmの範囲にあると考えてさしつかえない。
【0009】本発明でいう醗酵液とは、細菌やその他生
体の細胞もしくは酵素を用いて所期の目的物を醗酵生産
するために調製された液体であり、細胞、酵素、培地な
どの成分を問わない。本発明に用いるフィルターは、実
質的に0.5μm以上の粒子を除去できるものであれ
ば、材質、孔径を問わないが、絶対精度で1μm〜10
0μmの範囲のフィルターを効果的に用いることができ
る。ただし、醗酵に細菌他の生体細胞を用いるばあい、
フィルターの早期の目詰まりを防ぎ寿命を長く保つた
め、フィルターの孔径は細胞の大きさに比べ十分大きい
ことが好ましい。また、液中の消泡剤は必ずしも100
%除去しなくても本発明の効果は発現しうるが、フィル
ターの孔径は消泡剤の粒子径に比べ十分小さいことが好
ましい。細胞の大きさが消泡剤の粒子径に近づき、また
はこれを上回ると、フィルターを通過する消泡剤の割合
は増え、本発明の効果は低下する。
【0010】したがって、生体細胞の大きさが0.5μ
m〜10μm、消泡剤の粒子径が0.5μm〜100μ
mの範囲にあることを考慮に入れ、フィルターの絶対精
度の範囲は3μm〜50μmがより好ましい。ここでい
う絶対精度とは、各種の粒子大きさのユニフォームラテ
ックス球(例えばダウケミカル社製)を懸濁した水溶液
のそれぞれを該フィルターで濾過したときに、その透過
率が0.1%である粒子の大きさをいう。また、ここで
いう透過率とは、フィルターの濾液中に含まれる粒子の
濃度をもとの液の粒子の濃度で除した値である。
【0011】フィルターの材質、構造としては、有機繊
維もしくは無機繊維よりなる織布もしくは不織布を効果
的に用いることができる。また、消泡剤を物理的又は化
学的に吸着することのできる高分子薄層シートを醗酵液
の中へ浸漬することにより消泡剤を効果的に除去するこ
ともできる。
【0012】
【実施例】以下に実施例を用いて本発明をより詳細に説
明する。
【0013】
【実施例1】リン酸バッファ(名称PBS、(株)日本
抗体研究所製、25倍濃縮品を蒸留水にて25倍希釈し
て用いた、以下同じ)にシリコーン系消泡剤(型番F−
18、ダウコーニング(株)製、シリコーンエマルジョ
ン型)0.1%を分散させた。この液の800nmの吸
光度を測定したところ、0.30であった。続いてこの
液の20リットルを絶対精度30μmのポリプロピレン
極細繊維不織布フィルター(山信工業(株)製、型番N
P−30、カートリッジタイプ、濾過面積0.42m2 )で
濾過した。
【0014】フィルター濾過装置の概略図を図1に示
す。この濾過条件は、フィルターハウジング入口圧力
0.2kg/cm2 、液温25℃とした。この濾液にお
いては、800nmの吸収は認められなかった。なお、
リン酸バッファにおいては、800nmの吸収は認めら
れなかった。
【0015】
【実施例2】リン酸バッファに牛血清アルブミン(BS
A)0.1%を溶解し、根粒菌(Rhizobium
属)を乾燥重量2.0%懸濁し、さらにシリコーン系消
泡剤(F−18)0.1%を分散させた液の20リット
ルを、実施例1に用いたのと同じフィルター装置で、か
つ同じ濾過条件で濾過した。
【0016】この濾液の500ミリリットルを、精密濾
過膜モジュール(型番EMP−013、旭化成工業
(株)製、親水化処理したポリオレフィン製中空糸膜、
公称孔径0.25μm、膜面積80cm2 )を用いて除
菌濾過操作を行なった。精密濾過装置の概略図を図2に
示す。この濾過条件は、モジュール入口圧力0.6kg
/cm2 、出口圧力0.4kg/cm2 、液温25℃と
した。精密濾過開始60分後の積算濾液量は120ミリ
リットル、BSAの膜透過率は85%であった。
【0017】ここでBSAの膜透過率とは、同時に採取
した濾液と原液のBSA濃度をそれぞれ定量し、前者の
値を後者の値で除したものである。なお、BSAの定量
は高速液体クロマトグラフ法によった。ただし、保持液
については遠心処理(2000×g、30分)を行な
い、その上清をクロマトグラフの試料とした。
【0018】
【実施例3】フィルターとしてポリプロピレン極細繊維
不織布の代わりに絶対精度25μmのステレンススチー
ル(sus304)織布(山信工業(株)製、SU−1
0M、カートリッジタイプ、濾過面積0.15m2 )で
あること、また、フィルターで濾過する試料溶液の量が
20リットルでなく7リットルであることを除いては、
実施例2と全く同様のテストを実施した。
【0019】その結果、精密濾過開始60分後の積算濾
液量は120ミリリットル、BSAの膜透過率は83%
であった。
【0020】
【比較例1】実施例1に用いたと同じフィルター装置で
の濾過を行なわないことを除いては、実施例2と全く同
様のテストを実施した。その結果、精密濾過開始60分
後の積算濾液量は90ミリリットル、BSAの膜透過率
は62%であった。
【0021】
【発明の効果】以上のように、本発明方法によれば、比
較例に比べ明らかに濾液量(flux)の増加およびタ
ンパクの透過率の上昇がみられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフィルター濾過に用いた装置の概略図
である。
【図2】除菌濾過操作に用いた精密濾過装置の概略図で
ある。
【符号の説明】
1 試料溶液 2 試料溶液の容器 3 原液流路 4 ポンプ 5 カートリッジフィルター 6 フィルターハウジング 7 フィルターハウジング入口圧力測定用の圧力計 8 圧力調節バルブ 9 濾液流路 10 濾液 11 濾液の容器 21 試料溶液 22 試料溶液の容器 23 原液流路 24 循環ポンプ 25 精密濾過膜モジュール 26 モジュール入口圧力測定用の圧力計 27 モジュール出口圧力測定用の圧力計 28 圧力調節バルブ 29 圧力調節バルブ 30 濃縮液流路 31 濾液流路 32 濾液 33 濾液の容器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 1/00 - 5/28 B01D 61/16 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG) JICSTファイル(JOIS)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 消泡剤を含む醗酵液を濾過して菌体等の
    固形分と醗酵生産物とを膜によって分離するに際し、あ
    らかじめ消泡剤を除去する工程を含むことを特徴とする
    醗酵液の処理方法。
  2. 【請求項2】 消泡剤を除去する方法が絶対精度1μm
    〜100μmの有機繊維もしくは無機繊維よりなる織布
    もしくは不織布による濾過除去であることを特徴とする
    請求項1の処理方法。
  3. 【請求項3】 消泡剤を除去する方法が高分子薄層シー
    トの醗酵液中への浸漬による吸着除去であることを特徴
    とする請求項1の処理方法。
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