JPH07162256A - 弾性表面波装置及びその製造方法 - Google Patents

弾性表面波装置及びその製造方法

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JPH07162256A
JPH07162256A JP30494493A JP30494493A JPH07162256A JP H07162256 A JPH07162256 A JP H07162256A JP 30494493 A JP30494493 A JP 30494493A JP 30494493 A JP30494493 A JP 30494493A JP H07162256 A JPH07162256 A JP H07162256A
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JP
Japan
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thin film
film
surface acoustic
acoustic wave
wave device
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JP30494493A
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English (en)
Inventor
Takeshi Tada
剛 多田
Mitsutaka Hikita
光孝 疋田
Kengo Asai
健吾 浅井
Kazuyuki Sakiyama
和之 崎山
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Hitachi Ltd
Hitachi Consumer Electronics Co Ltd
Japan Display Inc
Original Assignee
Hitachi Device Engineering Co Ltd
Hitachi Ltd
Hitachi Consumer Electronics Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 Al薄膜櫛形電極の膜厚が15nm以下の場
合でも電極の断線のない弾性表面波装置およびその製造
方法を提供する。 【構成】 圧電基板上に非酸素雰囲気下でAl薄膜を形
成した後、Al薄膜上にこの膜が酸素に曝されるを防ぐ
役目を果たす金属膜を非酸素雰囲気下で形成する。ま
た、Al薄膜櫛形電極膜厚が15nm以下で比抵抗16
×10-8Ω−m以下の弾性表面波装置となす。 【効果】 GHz帯通信用高周波弾性表面波装置の実現
が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、弾性表面波装置、特に
通信用の弾性表面波装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のGHz帯弾性表面波装置は、例え
ば“高周波SAWデバイス用サブミクロンプロセスの検
討”,信学技報,US92−7(1992)に記載され
ているように、圧電基板上に膜厚50nm以下の純Al
あるいはAl合金薄膜(以下、Al薄膜という)からな
る櫛型状の電極が形成された構造をしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】弾性表面波装置の動作
帯域は高周波化の方向にあり、そのためには櫛型電極の
膜厚をより薄くする必要がある。ところが、膜厚をより
薄くしていくと、フォトレジストのベ−キング等の加熱
工程で、ピンホ−ルが発生し始める。特に、15nm以
下で顕著となる。例えば、Al−Cu合金薄膜の場合、
純Al薄膜の場合に比べてピンホ−ルが発生し難く、膜
厚が15nmを超える場合にはピンホ−ルは発生しな
い。しかし、膜厚が15nm以下になるとピンホ−ルの
発生を抑えることはできない。ピンホ−ルの直径は0.
5μm程度はあり、これはGHz帯弾性表面波装置の電
極線幅に相当する。そのため、電極が断線して電極形成
が不可能になるという問題がある。
【0004】本発明の目的は、Al薄膜櫛型電極の膜厚
が15nm以下の場合でも電極の断線のない弾性表面波
装置およびその製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的は、圧電基板上
に非酸素雰囲気下でAl薄膜を形成した後、Al薄膜上
にこの膜が酸素に曝されるを防ぐ役目を果たす金属膜を
非酸素雰囲気下で形成することにより達成できる。その
結果、Al薄膜櫛形電極膜厚が15nm以下の弾性表面
波装置を提供できる。
【0006】
【作用】まず、図4(a)〜図4(c)により、加熱工
程におけるピンホ−ルの発生過程を説明する。図4
(a)は、圧電基板1の上にAl薄膜2を形成した状態
である。図4(b)は、Al薄膜2上にフォトレジスト
5を塗布した状態である。この状態でフォトレジスト5
を露光、現像すると、現像前後のベ−キング時の空気中
での加熱により、図4(c)に示すように、Al薄膜2
の表面にAl酸化膜7が形成され、かつAl薄膜2にピ
ンホ−ル8が発生する。
【0007】また、このピンホ−ルはAl薄膜を空気中
に室温で(加熱をせず)放置しただけでも1週間から1
ヶ月の間に徐々に発生する。しかし、真空中で加熱した
場合には発生しない。
【0008】このことから、本発明者は、ピンホ−ルの
発生原因はAl薄膜の酸化にあると推定した。この考え
に基づき、Al薄膜上に上記の金属膜を形成した結果、
フォトリソグラフィ工程で加熱を行っても、Al薄膜は
酸化されず電極形成工程中にピンホ−ルが発生しないこ
とが分かった。
【0009】その結果、膜厚が15nm以下と薄い場合
でも、電極としての機能を十分に果たす、例えば膜厚8
nmで比抵抗16×10-8Ω−mのAl薄膜櫛形電極を
有する弾性表面波装置の実現が可能となる。
【0010】
【実施例】実施例1 本発明の実施例1を図1に示す。圧電基板として水晶基
板1を用い、抵抗加熱蒸着装置により水晶基板1上に、
真空度4×10-5Pa、基板温度45℃、蒸着レ−ト5
nm/sでAl薄膜2を13nm蒸着する(図1
(a))。次に、真空を解かずに連続してAl薄膜2の
上にCr薄膜3を蒸着レ−ト0.1nm/s以下で10
nm蒸着する(図1(b))。このとき、CrがAl薄
膜2と反応しCr薄膜3との間にAl−Cr合金層4が
形成される。次に、フォトリソグラフィ工程で線幅0.
5μm、線間隔0.5μmのフォトレジストパタ−ン5
を形成する(図1(c)〜(d))。次に、このフォト
レジストパタ−ン5をマスクとして、Cr薄膜3、Al
−Cr合金層4およびAl薄膜2をイオンミリングによ
りエッチングする(図1(e))。次に、硝酸第2セリ
ウムアンモニウム溶液に室温で10秒浸漬し、Cr薄膜
3およびAl−Cr合金層4を除去してAl薄膜櫛形電
極を形成し弾性表面波装置が完成する(図示せず)。こ
のときの電極膜厚は8nmであり、15nm以下の膜厚
の場合でも電極の形成が可能であることがわかる。ま
た、比抵抗は16×10-8Ω−mであり電極として十分
に機能するものであることがわかる。ここで、膜厚が厚
くなれば比抵抗がより小さくなることは云うまでもな
い。また、分析により、9wt%のCrが検出された。
また、この9wt%を単位面積当りの量(kg/m2
に換算するとが1.7×10-6kg/m2となり、この
値は電極膜厚によらず一定であった。このことは、Al
薄膜櫛形電極は、Al薄膜2の表面にAl−Cr合金層
4の一部が残留した構造となっていることを意味してい
る。
【0011】また、この状態で空気中に室温で1ヶ月以
上放置しても、ピンホ−ルは発生しなかった。これは、
時間の経過と共にAl薄膜2中のAl原子がAl−Cr
合金層4の表面に移動し表面にAl酸化膜7が形成され
るが(図1(f))、Al薄膜2自体は酸化されないた
めである。
【0012】また、本実施例のAl薄膜2は純Alで
も、Al−Cu合金等のAl合金薄膜を用いても構わな
い。例えば、Al−Cu合金の場合は弾性表面波装置の
耐電力性(耐ストレスマイグレ−ション)が向上する。
以下の実施例においても同様である。
【0013】また、本実施例では、Al薄膜2のイオン
ミリング時に、Al薄膜2は金属膜としてのCr薄膜3
で被覆された状態にあり、Al酸化膜が最表面にないの
で(図1(e))、Ar等のイオンミリングガスを導入
する前のチャンバの真空度を、Al酸化膜の場合(従
来)のように10-5Paと高くする必要はなく、10-4
Pa程度の低い真空度で良い。したがって、従来に比べ
イオンミリング装置チャンバ内の排気時間を約1/3に
短縮できスル−プットが大幅に向上する。
【0014】また、金属膜としてCrを用いる場合に
は、次のような副次的な効果がある。Crの反射率はA
lの約50%であるためフォトリソグラフィ工程での反
射防止膜が不要となる。Alはアルカリ系現像液でエッ
チングされるため、レジストパタ−ンの形成に失敗した
場合、Alから再び形成しなければならないが、Crは
現像液でエッチングされないためその必要がない。
【0015】実施例2 本発明の実施例2を図2に示す。実施例1と同様に、C
r薄膜3、Al−Cr合金層4およびAl薄膜2をイオ
ンミリングによりエッチングした後、ポリイミド樹脂、
フォトレジスト等6によって平坦化する(図2
(a))。次に、Cr薄膜3及びAl−Cr合金層4を
イオンミリングによってエッチバックしAl薄膜櫛形電
極を形成し弾性表面波装置が完成する(図2(b)また
は図2(b´))。イオンミリングはエッチング量の制
御が容易なので、Al−Cr合金層4の除去量を任意に
決めることができ、図2(b)の様に任意に量の合金層
4を残すことも、図2(b´)の様に合金層4をすべて
除去することもできる。
【0016】また、イオンミリングは、本発明の金属膜
としてAlと選択性のある適当なエッチング液が無い金
属を用いる場合に、金属膜を除去する有効な手段とな
る。
【0017】実施例3 本発明の実施例3を図3に示す。実施例1と同様にAl
薄膜2とCr薄膜3の2層膜を形成した後、Cr薄膜3
及びAl−Cr合金層4を硝酸第2セリウムアンモニウ
ム溶液で除去する(図3(a))。Al薄膜2の表面に
はAl−Cr合金層4の一部が残留している。次に、フ
ォトレジストパタ−ン5をマスクとして、一部残留した
Al−Cr合金層4およびAl薄膜2をイオンミリング
によりエッチングする(図3(b))。次に、フォトレ
ジストパタ−ン5を除去してAl薄膜櫛形電極を形成し
弾性表面波装置が完成する(図3(c))。
【0018】以上の実施例では、Al薄膜等の膜形成を
抵抗加熱蒸着装置により行ったが、他の真空蒸着法、ス
パッタリング法により行っても良い。
【0019】また、金属膜として、Cr,Mg、Pd、
Ti、Cu、Ni、BeおよびYからなる群の中から選
ばれた1種を用いる場合、Al薄膜の酸化防止の他に弾
性表面波装置の耐電力性を向上に有効である。
【0020】なお、本発明の電極技術は半導体素子にも
適用可能である。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、膜厚15nm以下でも
断線の無いAl薄膜櫛形電極を形成でき、GHz帯通信
用高周波弾性表面波装置の実現が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の製造工程図である。
【図2】本発明の実施例2の製造工程図である。
【図3】本発明の実施例3の製造工程図である。
【図4】従来の技術におけるピンホ−ルの発生過程の説
明図である。
【符号の説明】
1…圧電基板、2…Al薄膜、3…Cr薄膜、4…Al
−Cr合金層、5…フォトレジスト、6…ポリイミド樹
脂、フォトレジスト等、7…Al酸化膜、8…ピンホ−
ル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浅井 健吾 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 崎山 和之 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所AV機器事業部内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧電基板と、圧電基板上に形成されたAl
    薄膜櫛形電極を有する弾性表面波装置において、上記A
    l薄膜櫛形電極の膜厚は15nm以下であることを特徴
    とする弾性表面波装置。
  2. 【請求項2】上記Al薄膜櫛形電極の表面近傍部はAl
    合金化しており、該合金化のための金属の上記Al薄膜
    櫛形電極全体に対する含有量は9wt%以下である請求
    項1記載の弾性表面波装置。
  3. 【請求項3】上記Al薄膜櫛形電極の上記Al合金化部
    分の残部は、上記Al合金とは異なるAl合金で構成さ
    れている請求項2記載の弾性表面波装置。
  4. 【請求項4】圧電基板上AlまたはAl合金膜を形成す
    る工程と、該AlまたはAl合金膜上に該AlまたはA
    l合金膜が酸素に曝されるを防ぐ役目を果たす金属膜を
    非酸素雰囲気下で形成する工程と、該金属膜を除去する
    工程を有することを特徴とする弾性表面波装置の製造方
    法。
  5. 【請求項5】上記金属膜は、Cr、Mg、Pd、Ti、
    Cu、Ni、BeおよびYからなる群の中から選ばれた
    少なくとも1種からなる請求項4記載の弾性表面波装置
    の製造方法。
JP30494493A 1993-12-06 1993-12-06 弾性表面波装置及びその製造方法 Pending JPH07162256A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006109287A (ja) * 2004-10-08 2006-04-20 Alps Electric Co Ltd 弾性表面波素子及びその製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006109287A (ja) * 2004-10-08 2006-04-20 Alps Electric Co Ltd 弾性表面波素子及びその製造方法

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