JPH07162034A - 発光ダイオードおよびその製造方法 - Google Patents

発光ダイオードおよびその製造方法

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JPH07162034A
JPH07162034A JP30823593A JP30823593A JPH07162034A JP H07162034 A JPH07162034 A JP H07162034A JP 30823593 A JP30823593 A JP 30823593A JP 30823593 A JP30823593 A JP 30823593A JP H07162034 A JPH07162034 A JP H07162034A
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block layer
conductivity type
electrode
emitting diode
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Application number
JP30823593A
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English (en)
Inventor
Toshinori Sone
豪紀 曽根
Toshihiro Kato
俊宏 加藤
Takashi Saka
貴 坂
Masumi Hiroya
真澄 廣谷
Mitsuru Imaizumi
充 今泉
Yoshiyuki Mizuno
義之 水野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daido Steel Co Ltd
Original Assignee
Daido Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高い発光効率が得られると共に、動作電圧が
低く、且つ製造が容易な発光ダイオードを提供する。 【構成】 LED(発光ダイオード)10は、第2クラ
ッド層18上に導電型が異なるブロック層20が設けら
れて構成されている。LED10は、中央部26はブロ
ック層20の厚さよりも大きい深さまで、他の部分はそ
の厚さよりも小さい深さまでZnが拡散されて、図の斜
線に示す範囲はブロック層20の導電型が第2クラッド
層18と同じ導電型に反転されている。これにより、中
央部26のみが通電されて発光させられると共に、上部
電極24が大きな接触面積をもって中央部26を覆わな
い位置に配置され、コンタクト抵抗が小さく且つ発生し
た光が電極に遮蔽されない。このLED10は、ブロッ
ク層20上の中央部26を除く範囲に拡散バッファ膜を
形成した後に、Zn拡散処理を行うことによって得られ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発光ダイオードおよび
その製造方法に関し、特に、発光効率を高め、動作電圧
を低くすると共に、製造を容易とする技術に関する。
【0002】
【従来の技術】基板上に第1クラッド層、活性層、第2
クラッド層、およびその第2クラッド層とは異なる導電
型のブロック層が順次積層され、その基板とブロック層
上の一部に固着された電極との間に動作電流が通電され
ることによって上記活性層内で発生した光を、そのブロ
ック層側から取り出す面発光型ダブルヘテロ構造の発光
ダイオードが知られている。このような構造の発光ダイ
オードでは、上記ブロック層の所定の微小面積を、その
表面から前記第2クラッド層に到達する深さまでZn
(亜鉛)等の不純物を拡散させることによって導電型を
反転して電流狭窄構造を形成し、その微小面積のみに通
電して発光させることが可能であるため、点光源が必要
なコリメータや干渉計等の光源として好適に用いられ
る。
【0003】
【発明が解決すべき課題】ところが、上記構造の発光ダ
イオードにおいては、上述のようにブロック層の導電型
が第2クラッド層とは異なるものとされているため、通
電させるための電極は、上記の不純物が拡散されて導電
型が反転され、第2クラッド層と同じ導電型にされた微
小面積の少なくとも一部を覆って設ける必要がある。こ
のため、活性層内で発生した光の一部が上記電極によっ
て遮蔽されて取り出し不能となり、高い発光効率が得ら
れなかったのである。なお、電極と微小面積との接触面
積を小さくすれば比較的高い発光効率が得られることと
なるが、その場合には電極と微小面積とのコンタクト抵
抗(接触抵抗)が大きくなって動作電圧、すなわち発光
ダイオードの順方向電圧が高くなるという問題が生じ
る。
【0004】そこで、上記不具合を解消するため、ブロ
ック層の上記微小面積(すなわち必要な発光面積)より
もやや小さい面積をエッチング処理して除去し、その
後、ブロック層側の表面全面から、その厚さよりも小さ
い範囲で前記不純物を拡散させることが提案されてい
る。このようにすれば、基板と第2クラッド層との間に
おいては上記微小面積のみが通電可能になると共に、ブ
ロック層の表面においてはその全面が通電可能となるた
め、高い発光効率が得られると共に、微小面積から離れ
た位置に電極を設けても十分な接触面積が得られ、動作
電圧を低減することが可能である。しかしながら、ブロ
ック層および第2クラッド層は一般に数μmの厚さに構
成されるものであり、上記エッチング処理は、通常ウェ
ットエッチングが行われてその深さのばらつきを数μm
以下に制御することが困難であるため、この構造の発光
ダイオードの製造は困難であった。
【0005】本発明は、以上の事情を背景として為され
たものであって、その目的は、高い発光効率が得られる
と共に、動作電圧が低く、且つ製造が容易な発光ダイオ
ードを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための第1の手段】斯かる目的を達成
するために、本発明の発光ダイオードの要旨とするとこ
ろは、基板上に第1クラッド層、活性層、第2クラッド
層、およびその第2クラッド層とは異なる導電型のブロ
ック層が順次積層され、その基板とブロック層上の一部
に固着された電極との間に動作電流が通電されることに
よって上記活性層内で発生した光を、そのブロック層側
から取り出す面発光型ダブルヘテロ構造の発光ダイオー
ドであって、前記ブロック層のうち、そのブロック層の
前記電極が固着されていない領域の少なくとも一部は表
面から前記第2クラッド層に到達する深さまで導電型が
反転され、前記電極が固着された領域は表面からそのブ
ロック層の厚さよりも小さい深さまで導電型が反転され
て、それぞれ前記第2クラッド層と同じ導電型にされて
いることにある。
【0007】
【作用および第1発明の効果】このようにすれば、前記
ブロック層のうち、電極が固着されていない領域の少な
くとも一部は、前記第2クラッド層に到達する深さまで
その導電型が反転されて、その第2クラッド層と同じ導
電型にされているため、上記一部の表面と基板との間の
動作電流の通電が可能になる。一方、他の部分は第2ク
ラッド層上に導電型の異なる層が存在するため、その導
電型の異なる層によって動作電流の通電が妨げられる。
このため、基板と第2クラッド層との間においては上記
一部のみが動作電流を通電されて発光させられ、電極に
光の取り出しが妨げられる範囲は発光させられない。し
かも、前記電極が固着された領域は、ブロック層の厚さ
よりも小さい深さまで導電型が反転されて第2クラッド
層と同じ導電型、すなわち上記一部と同じ導電型にされ
ているため、その電極のブロック層側の全面が通電のた
めの接触面として働いて接触抵抗が低くなり、上記電極
が固着された領域と上記一部とをブロック層のうち導電
型が反転された部分で連続させることにより、前記基板
と上記電極との間は上記一部を介して通電される。した
がって、活性層で発生した光が電極に妨げられることな
く全て取り出されて高い発光効率が得られると共に、動
作電圧が低い発光ダイオードが得られる。
【0008】
【課題を解決するための第2の手段】また、前記目的を
達成するための、本発明の発光ダイオードの製造方法の
要旨とするところは、基板上に第1クラッド層、活性
層、第2クラッド層、およびその第2クラッド層とは異
なる導電型のブロック層が順次積層され、その基板とブ
ロック層上の一部に固着された電極との間に動作電流が
通電されることによってその活性層内で発生した光を、
そのブロック層側から取り出す面発光型ダブルヘテロ構
造の発光ダイオードの製造方法であって、(a) 前記ブロ
ック層のうち、前記電極が固着される領域はその電極が
固着されない領域よりも、不純物の前記積層方向の拡散
速度を遅くする制御膜を形成する膜形成工程と、(b) 前
記ブロック層上の制御膜を通して不純物を拡散させるこ
とにより、そのブロック層のうち、そのブロック層の前
記電極が固着されない領域の少なくとも一部は表面から
前記第2クラッド層に到達する深さまで導電型を反転さ
せ、前記電極が固着される領域は表面からそのブロック
層の厚さよりも小さい深さまで導電型を反転させる熱拡
散工程と、(c) 前記制御膜を除去する除去工程とを含む
ことにある。
【0009】
【作用および第2発明の効果】このようにすれば、膜形
成工程において、電極が固着される領域の不純物の拡散
速度を遅くする制御膜が形成され、熱拡散工程におい
て、その制御膜を通して不純物が拡散されるため、その
熱拡散条件を適宜設定することによって、ブロック層の
前記電極が固着されない領域の少なくとも一部は表面か
ら前記第2クラッド層に到達する深さまで導電型が反転
され、前記電極が固着される領域は表面からそのブロッ
ク層の厚さよりも小さい深さまで導電型が反転されて、
それぞれ前記第2クラッド層と同じ導電型にされる。し
たがって、除去工程によって、上記制御膜を薬品処理な
どで除去し、その後、基板およびブロック層上に電極を
固着することにより、上記第1発明のようにブロック層
の導電型が選択的に反転された構造を有し、高い発光効
率が得られると共に動作電圧が低い発光ダイオードが容
易に得られる。
【0010】
【実施例】図1は、本発明の一実施例である点発光用L
ED(発光ダイオード)10の構成を示す図である。こ
のLED10は、基板12上に、例えば有機金属化学気
相成長(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor D
eposition )法や分子線エピタキシー(MBE:Molecu
lar Beam Epitaxy)法、気相エピタキシー(VPE:Va
por Phase Epitaxy )法、或いは液相エピタキシー(L
PE:Liquid PhaseEpitaxy)法等によって、第1クラ
ッド層14、活性層16、第2クラッド層18、および
ブロック層20が順次結晶成長させられた後、基板12
の下面およびブロック層20の上面に、下部電極22お
よび上部電極24がそれぞれ蒸着されて構成されてい
る。
【0011】上記基板12は例えば350μm程度の厚
さのn−GaAs単結晶から成る化合物半導体、第1ク
ラッド層14は例えば4μm程度の厚さを備えた、n−
Al 0.4 Ga0.6 As単結晶から成る化合物半導体、活
性層16は例えば1μm程度の厚さのp−GaAs単結
晶から成る化合物半導体、第2クラッド層18は例えば
4μm程度の厚さのp−Al0.4 Ga0.6 As単結晶か
ら成る化合物半導体、ブロック層20は例えば2μm程
度の厚さのn−Al0.1 Ga0.9 As単結晶から成る化
合物半導体である。また、下部電極22および上部電極
24は何れもオーミック電極であり、下部電極22は、
基板12側から順にAu−Ge合金、NiおよびAuが
積層形成され、上部電極24はブロック層20側にAu
−Zn合金が、その上にAuが積層形成されている。
【0012】LED10には、図において斜線で示され
る領域、すなわち、その中央部26は表面から上記ブロ
ック層20の厚さよりも大きく第2クラッド層18に到
達する深さまで、その中央部26の周囲の他の領域は表
面から上記ブロック層20の厚さよりも小さい深さま
で、p型のドーパントである不純物、例えばZnが拡散
させられている。これにより、図の斜線の範囲ではブロ
ック層20の導電型が反転されて、p型半導体すなわち
第2クラッド層18と同じ導電型にされている。なお、
上記中央部26は例えば直径100μm程度の微小な円
形領域であるが、図1においては比較的大きく示されて
いる。また、基板12、および各層14,16,18,
20および電極22,24等の大きさは、必ずしも正確
な比率で示されていない。
【0013】上記LED10は、例えば図2の(a)〜
(d)の工程に従って製造される。(a)の工程におい
て、基板12上に第1クラッド層14乃至ブロック層2
0を結晶成長させて、半導体ウェハ28を作製し、
(b)の工程において、化学気相成長(CVD:Chemic
al Vapor Deposition )法やスパッタ法、或いはスピン
コート法等によって、例えば150nm(1500Å)
程度の厚さのSiO2 薄膜から成る拡散バッファ膜30
をブロック層20上の全面に形成した後、ホトリソグラ
フィによって、その中央部31(図2(b)において斜
線で示す部分)を直径100μm程度の円形に除去す
る。次いで、(c)の工程において、拡散バッファ膜3
0上から、熱拡散によってZnの拡散処理を行う。この
拡散処理は、例えばZnAs2 と共に半導体ウェハ28
を石英アンプル内に真空封入して650℃程度の温度で
加熱(封管法)したり、Znを混合したSOG(スピン
オングラス)膜を半導体ウェハ28の上面に塗布して加
熱する等、良く知られた種々の拡散手法が用いられ、拡
散深さは、図2(c)に斜線で示すように、中央部31
の直下においては第2クラッド層18に到達する深さ、
例えば3μm程度に、その外側においてはブロック層2
0の厚さよりも小さい深さ、例えば1μm程度である。
この後、(d)の工程において、BHF(バッファード
・フッ酸)等の薬品処理によって上記拡散バッファ膜3
0のみを選択的に除去して、更に、図示しない工程にお
いて下部電極22および上部電極24を設けることによ
って、図1に示されるLED10が製造される。なお、
本実施例においては、上記拡散バッファ膜30が制御膜
に相当する。
【0014】ここで、本実施例においては、第2クラッ
ド層18がp型半導体、ブロック層20がn型半導体か
ら構成されているが、ブロック層20の図1の斜線で示
す範囲はZnが拡散させられることによってその導電型
が反転されて、p型半導体となっている。そのため、中
央部26以外の領域では、第2クラッド層18とブロッ
ク層20の表面との間の導電型が順にp型−n型−p型
となって、下部電極22と上部電極24との間に動作電
圧を印加した際にも通電されない。一方、上部電極24
が固着されていない中央部26の範囲では、ブロック層
20がその深さ方向全域に亘ってp型半導体に反転され
て第2クラッド層18と同じ導電型になり、基板12と
ブロック層20の表面との間の導電型が順にn型−n型
−p型−p型−p型となっているため、通電が可能であ
る。すなわち、LED10においては、上部電極24が
固着されていない直径100μm程度と微小な中央部2
6の範囲のみが通電可能となっている。したがって、L
ED10に動作電圧が印加されたとき、活性層16の微
小な中央部26の直下のみから光が発生して微小な光が
得られ、上部電極24に遮蔽される部分からは光が発生
しない。しかも、上部電極24が固着されている領域
は、ブロック層20の厚さよりも小さい深さまではp型
半導体に反転されているため、上部電極24のブロック
層20側の全面が通電のための接触面として働いて接触
抵抗が低くなり、その上部電極24が固着されている領
域と中央部26との間の領域も導電型が反転されている
ため、上部電極24と下部電極22との間は、中央部2
6を介して通電される。したがって、活性層16で発生
した光が上部電極24に妨げられることなく全て取り出
されて、高い発光効率が得られると共に、動作電圧が低
くなるのである。
【0015】また、上述の製造方法によれば、Znを拡
散させてブロック層20の導電型を反転する際に、ブロ
ック層20の表面に拡散バッファ膜30が形成されてい
るため、拡散速度が中央部26(すなわち図2(b)の
工程において除去された中央部31の部分)においては
通常の速度であるが、その外側においては比較的遅い速
度に制御される。すなわち、例えば上述の工程において
封管法で650℃で熱処理を行う場合に、図3に示され
るように、拡散バッファ膜30が設けられている部分と
設けられていない部分とでは、所定時間経過後の拡散深
さに大きな差が生じる。したがって、本実施例のよう
に、拡散深さを中央部26は例えば3μm程度に、その
外側は例えば1μm程度にする場合にも、拡散処理時間
を例えば8.4時間程度に設定することで容易に制御で
きて、高い発光効率が得られると共に動作電圧が低いL
ED10が容易に得られる。
【0016】ところで、図4に示すような従来のLED
32においては、発光させる中央部26のみのブロック
層20の導電型が反転されて、第2クラッド層18と同
一にされていたため、その中央部26の外側には通電さ
れず、上部電極34はその中央部26の一部を覆うよう
に設ける必要があった。したがって、上部電極34と通
電部すなわち中央部26との接触面積36を大きく確保
すれば、活性層16の中央部26の直下で発生した光
は、その接触面積36に一部が遮られて開口部38の部
分からのみ光が取り出されるため、高い発光効率が得ら
れず、反対に高い発光効率を得るために開口部38を大
きく確保すると、接触面積36が小さくなって上部電極
34のコンタクト抵抗が大きくなり、動作電圧が高くな
ってしまったのである。
【0017】なお、上記不具合を解消するために、図5
に示すように、ブロック層20の中央部26(すなわち
発光部の面積)よりもやや小さい面積40をエッチング
処理して除去し、その後、ブロック層20側の表面全面
から、その厚さよりも小さい範囲でZn等を拡散させて
LED42のような構造とすることが提案されている。
このような構造にすれば、本実施例のLED10と同様
に、高い発光効率を得ると共に低い電圧で動作させるこ
とが可能であるが、上記エッチング処理は、その深さの
ばらつきを数μm以下に制御する(すなわち、除去され
る厚さをブロック層20の厚さ程度にする)ことが困難
であるため、このような構造のLED42は製造が困難
であったのである。
【0018】また、本実施例によれば、中央部26すな
わち発光部の大きさは、拡散バッファ膜30の中央の一
部を除去する際にその大きさを任意に設定することによ
って、ホトリソグラフィの精度の範囲内(数μm〜10
00μm程度)で比較的自由に設定可能である。したが
って、用途に応じた種々の大きさの光源を容易に得るこ
とができる。
【0019】なお、図2の工程においては、拡散バッフ
ァ膜30の中央の一部を除去した後、直ちにZnの拡散
処理を行ったが、図6に示すように、拡散バッファ膜3
0の上に更に同様な材料から成る第2拡散バッファ膜4
4を形成し、その後、図2(c)の工程のZnの拡散処
理を行っても良い。このようにすれば、全体の拡散速度
を一層遅くできるため、制御が一層容易になると共に、
拡散処理時のブロック層20の表面の荒れを緩和するこ
とが可能である。
【0020】図7は、本発明の他の実施例であるLED
46の構成を示す図である。このLED46において
は、基板12と第1クラッド層14との間に光反射層4
8が備えられている。この光反射層48は、例えば、本
願出願人が先に出願した特開平3−163882号公報
に開示されているような、光波干渉によって光を反射し
且つ波長選択特性が相互に異なる3種類の反射層から構
成されたもの等が用いられ得る。このLED46におい
ては、その内部での屈折や散乱によって取り出されなか
った光が、光反射層48によって反射されて取り出さ
れ、一層高い発光効率が得られる。
【0021】以上、本発明の一実施例を図面を参照して
詳細に説明したが、本発明は更に別の態様でも実施され
る。
【0022】例えば、前述の実施例においては、GaA
s/AlGaAsダブルヘテロ構造の面発光型LED1
0について説明したが、そのAlとGaとの組成比は適
宜設定されると共に、GaP,InP,InGaAsP
等から成るダブルヘテロ構造のLEDや、単なるpn接
合から成るLEDにも本発明は同様に適用され得る。ま
た、基板12には、例えばAlGaAs等の他の半導体
が用いられても良い。
【0023】また、拡散バッファ膜30として、Si3
4 ,SiONやAl2 3 等を用いることも可能であ
る。但し、これらは比較的Znを通しにくい材料である
ため、その膜厚は100nm(1000Å)以下に留め
る必要があり、また、膜形成方法としては、CVD法や
スパッタ法が好適である。これらの拡散バッファ膜30
を用いた場合にも、拡散速度は異なるが、図3に示した
SiO2 の場合と同様な拡散速度の制御効果が得られ、
本発明の効果が十分に得られる。なお、拡散速度は、拡
散バッファ膜30の材料や厚さ、ブロック層20の組成
や混晶比によって異なるため、拡散処理時間はそれらの
条件に応じて適宜定められるものである。
【0024】また、前述の実施例においては、ブロック
層20の導電型を反転するために不純物としてZnを拡
散させたが、拡散させる不純物の種類は、LED10を
構成する半導体の種類等を考慮して適宜定められる。
【0025】また、前述の実施例においては、基板12
側にn型半導体が、第2クラッド層18側にp型半導体
が用いられ、上部電極24から下部電極22に向かって
動作電流が流れるようにされていたが、p型,n型を反
対にして動作電流の流れる方向を反対にしても良い。な
お、この場合は、第2クラッド層18がn型に、ブロッ
ク層20がp型になるため、ブロック層20に拡散させ
る不純物はn型のドーパントが用いられる。
【0026】また、前述の実施例においては、ブロック
層20の中央部26の導電型を反転して、その範囲に通
電して発光させるようにしたが、その発光部の位置は適
宜設定されるものである。例えば、半導体ウェハ28の
中央部31の部分のみに拡散バッファ膜30を残し、そ
の周囲を除去して拡散処理を行えば、中央部においてブ
ロック層20の厚さよりも小さい深さまで導電型が反転
され、その周囲において第2クラッド層18に到達する
深さまで導電型が反転された構造とすることができる。
この場合には、上記拡散バッファ膜30が残された部分
に上部電極24を固着することによって、上部電極24
に遮蔽されることなく、周辺部から光を取り出すことが
できるLEDが得られる。
【0027】また、上部電極24の配置や大きさは、図
1等に示した位置に限られず、中央部26を覆わない範
囲で自由に設定され得るものであり、発光部の位置が変
更された場合には、それに応じて適宜変更され、中央部
26以外の領域の一部だけではなく、その全面に固着さ
れていても良い。また、上部電極24の一部が中央部2
6に僅かにかかっていても、本発明の効果は十分に得ら
れる。何れにしても、上部電極24が光が発生する領域
を遮蔽することなく、大きな接触面積をもってブロック
層20上に固着されていれば、本発明の効果が得られる
のである。したがって、上部電極24の大きさが十分に
大きく、その全面が接触していなくも十分にコンタクト
抵抗が小さい場合には、必ずしも上部電極24の固着さ
れている領域全面の導電型が反転されていなくとも良
い。
【0028】また、上部電極24が固着される領域と発
光させられる領域を除く、他の領域は、必ずしもその全
体に不純物が拡散されて導電型が反転される必要はな
く、上部電極24と発光させられる領域との間の導電型
が反転させられていれば十分である。例えば、前述の実
施例において、上部電極24の外周側に位置する領域は
導電型が反転されてなくとも良い。
【0029】その他、一々例示はしないが、本発明はそ
の主旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得るものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である発光ダイオードの構成
を示す図であり、図2の製造方法によって得られたもの
である。
【図2】本発明の一実施例である発光ダイオードの製造
方法を示す図である。
【図3】図2の工程における拡散速度の制御原理を示す
図である。
【図4】従来の発光ダイオードの構成を示す図である。
【図5】従来の発光ダイオードの他の例を示す図であ
る。
【図6】本発明の製造方法の他の例を説明する図であ
る。
【図7】本発明の発光ダイオードの他の例を示す図であ
る。
【符号の説明】
10:LED(発光ダイオード) 12:基板 14:第1クラッド層 16:活性層 18:第2クラッド層 20:ブロック層 24:上部電極 26:中央部 30:拡散バッファ膜(制御膜)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今泉 充 愛知県一宮市中町二丁目9番38の302号 (72)発明者 水野 義之 愛知県名古屋市名東区高社二丁目194番地

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に第1クラッド層、活性層、第2
    クラッド層、および該第2クラッド層とは異なる導電型
    のブロック層が順次積層され、該基板と該ブロック層上
    の一部に固着された電極との間に動作電流が通電される
    ことによって該活性層内で発生した光を、該ブロック層
    側から取り出す面発光型ダブルヘテロ構造の発光ダイオ
    ードであって、 前記ブロック層のうち、該ブロック層の前記電極が固着
    されていない領域の少なくとも一部は表面から前記第2
    クラッド層に到達する深さまで導電型が反転され、前記
    電極が固着された領域は表面から該ブロック層の厚さよ
    りも小さい深さまで導電型が反転されて、それぞれ前記
    第2クラッド層と同じ導電型にされていることを特徴と
    する発光ダイオード。
  2. 【請求項2】 基板上に第1クラッド層、活性層、第2
    クラッド層、および該第2クラッド層とは異なる導電型
    のブロック層が順次積層され、該基板と該ブロック層上
    の一部に固着された電極との間に動作電流が通電される
    ことによって該活性層内で発生した光を、該ブロック層
    側から取り出す面発光型ダブルヘテロ構造の発光ダイオ
    ードの製造方法であって、 前記ブロック層のうち、前記電極が固着される領域は該
    電極が固着されない領域よりも、不純物の前記積層方向
    の拡散速度を遅くする制御膜を形成する膜形成工程と、 前記ブロック層上の制御膜を通して不純物を拡散させる
    ことにより、該ブロック層のうち、該ブロック層の前記
    電極が固着されない領域の少なくとも一部は表面から前
    記第2クラッド層に到達する深さまで導電型を反転さ
    せ、前記電極が固着される領域は表面から該ブロック層
    の厚さよりも小さい深さまで導電型を反転させる熱拡散
    工程と、 前記制御膜を除去する除去工程とを含むことを特徴とす
    る発光ダイオードの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011507261A (ja) * 2007-12-14 2011-03-03 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 半導体発光デバイス用コンタクト
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