JP2001044501A - 電流狭窄型面発光ダイオードおよびその製造方法 - Google Patents

電流狭窄型面発光ダイオードおよびその製造方法

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JP2001044501A
JP2001044501A JP21067499A JP21067499A JP2001044501A JP 2001044501 A JP2001044501 A JP 2001044501A JP 21067499 A JP21067499 A JP 21067499A JP 21067499 A JP21067499 A JP 21067499A JP 2001044501 A JP2001044501 A JP 2001044501A
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upper electrode
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light
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JP21067499A
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English (en)
Inventor
Toshinori Sone
豪紀 曽根
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Daido Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 目的とするところは、一層高い取出効率が得
られる電流狭窄型面発光ダイオードを提供する。 【解決手段】 第1不純物ドーピング領域42は、LE
Dチップ10の厚み方向において上部電極18とは重な
らない大きさで形成され、且つその第1不純物ドーピン
グ領域42は第2不純物ドーピング領域44を介して上
部電極18と電気的に導通させられるので、活性層30
のうち上記第1不純物ドーピング領域42の外径d2
対応する部分(図1の破線の斜線部分)に電流が局所的
に流されてそこから光が放射され、その光は上部電極1
8によって遮られない。したがって、本実施例のLED
チップ10によれば、その活性層30において発生させ
られた光は効率よく外部へ出力されるので、黒丸印のデ
ータポイントに示す従来の値に比較して一層高い取出効
率が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発光層のうちの上
部電極の下に位置していない部分に電流を集中させるこ
とにより発光出力を高める形式の電流狭窄型面発光ダイ
オードに関するものである。
【0002】
【従来の技術】面発光ダイオードは、基板上に発光層を
含む半導体層が積層され、その基板の裏面および光取出
面に下部電極および上部電極がそれぞれ備えられ、且
つ、その発光層のうちの上部電極の下に位置していない
部分に電流を導くために上部電極下の半導体層の極性を
反転させる不純物が光取出面である半導体層の上面側か
ら反転後の極性と同じ極性の半導体層に到達する深さま
でドーピングされた不純物ドーピング領域が設けられる
ことにより構成されている。このような面発光ダイオー
ドでは、上部電極と下部電極との間で流される駆動電流
は上記不純物ドーピング領域を介して、上記発光層のう
ちのその上部電極の下に位置していない部分に局所的に
流されることから、その発光層で局所発光させられた光
は、上部電極に邪魔されないで光取出面から外部へ出力
されるので、比較的高い発光出力が得られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な面発光ダイオードにおいては、光取出面において固着
された上部電極とその直下に形成された不純物ドーピン
グ領域との間の接触面積を確保するために、光取出面の
うちの上部電極が設けられない面積よりも広い面積から
内部に向かって不純物拡散が行われることにより不純物
ドーピング領域が形成されることから、発光層のうち上
記上部電極が設けられない面積よりも広い面積に電流が
流されてそこから光が放射されるので、その光の一部が
上部電極によって遮られて、必ずしも十分な取出効率が
得られている訳ではなかった。
【0004】本発明は以上の事情を背景として為された
ものであり、その目的とするところは、一層高い取出効
率が得られる電流狭窄型面発光ダイオードを提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための第1の手段】かかる目的を達成
するための本発明の要旨とするところは、基板上に発光
層および電流ブロック層を含む半導体層が積層され、そ
の基板の裏面および光取出面であるそれら半導体層の上
面側に下部電極および上部電極がそれぞれ備えられ、且
つ、その発光層のうちの上部電極の下に位置していない
部分に電流を導くためにその上部電極下の電流ブロック
層の極性を反転させる不純物が光取出面からその電流ブ
ロック層を貫通して反転後の極性と同じ極性の半導体層
に到達する深さまでドーピングされた不純物ドーピング
領域が設けられた形式の面発光型ダイオードであって、
前記不純物ドーピング領域は、(a) 前記光取出面のうち
の上部電極の開口内から深さ方向に向かい、且つ前記電
流ブロック層下のその電流ブロック層とは極性が反転し
た半導体層との交差面積が前記上部電極の開口面積より
も小さい第1不純物ドーピング領域と、(b) その第1不
純物ドーピング領域の深さ方向の前記光取出面側の一部
からその上部電極の裏面に沿ってその裏面に平行な方向
に延びるその第1不純物ドーピング領域よりも浅い第2
不純物ドーピング領域とから成ることにある。
【0006】
【第1発明の効果】このようにすれば、不純物ドーピン
グ領域が、光取出面のうちの上部電極の開口内から深さ
方向に向かい、且つ前記電流ブロック層下のその電流ブ
ロック層とは極性が反転した半導体層との交差面積が前
記上部電極の開口面積よりも小さい第1不純物ドーピン
グ領域と、その第1不純物ドーピング領域の深さ方向の
前記光取出面側の一部からその上部電極の裏面に沿って
その裏面に平行な方向に延びるその第1不純物ドーピン
グ領域よりも浅い第2不純物ドーピング領域とから構成
されていることから、上記第1不純物ドーピング領域は
上部電極とは重ならない大きさで形成され、且つその第
1不純物ドーピング領域は第2不純物ドーピング領域を
介して上部電極と電気的に導通させられるので、発光層
のうち上記交差面積に対応する部分に電流が局所的に流
されてそこから光が放射されて、その光は上部電極によ
って遮られない。したがって、本発明の電流狭窄型発光
ダイオードによれば、その発光層において発生させられ
た光は効率よく外部へ出力されるので、一層高い取出効
率が得られる。
【0007】
【課題を解決するための第2の手段】また、上記第1発
明の電流狭窄型発光ダイオードを好適に実施するための
第2発明の要旨とするところは、基板上に発光層および
電流ブロック層を含む半導体層が積層され、その基板の
裏面および光取出面であるそれら半導体層の上面側に下
部電極および上部電極がそれぞれ備えられ、且つ、その
発光層のうちの上部電極の下に位置していない部分に電
流を導くためにその上部電極下の電流ブロック層の極性
を反転させる不純物が光取出面からその電流ブロック層
を貫通して反転後の極性と同じ極性の半導体層に到達す
る深さまでドーピングされた不純物ドーピング領域が設
けられた形式の面発光型ダイオードであって、前記不純
物ドーピング領域は、(a) 前記光取出面のうちの上部電
極の開口内から深さ方向に向かい、且つ前記電流ブロッ
ク層下のその電流ブロック層とは極性が反転した半導体
層との交差面積が前記上部電極の開口面積よりも小さい
第1不純物ドーピング領域を形成する第1不純物ドーピ
ング領域形成工程と、(b) その第1不純物ドーピング領
域の深さ方向の前記光取出面側の一部からその上部電極
の裏面に沿ってその裏面に平行な方向に延びるその第1
不純物ドーピング領域よりも浅い第2不純物ドーピング
領域を形成する第2不純物ドーピング領域形成工程と
を、含むことにある。
【0008】
【第2発明の効果】このようにすれば、第1不純物ドー
ピング領域形成工程により、前記光取出面のうちの上部
電極の開口内から深さ方向に向かい、且つ前記電流ブロ
ック層下のその電流ブロック層とは極性が反転した半導
体層との交差面積が前記上部電極の開口面積よりも小さ
い第1不純物ドーピング領域が形成され、第2不純物ド
ーピング領域形成工程により、その第1不純物ドーピン
グ領域の深さ方向の前記光取出面側の一部からその上部
電極の裏面に沿ってその裏面に平行な方向に延びるその
第1不純物ドーピング領域よりも浅い第2不純物ドーピ
ング領域が形成される。このため、不純物ドーピング領
域が、光取出面のうちの上部電極の開口内から深さ方向
に向かい、且つ前記電流ブロック層下のその電流ブロッ
ク層とは極性が反転した半導体層との交差面積が前記上
部電極の開口面積よりも小さい第1不純物ドーピング領
域と、その第1不純物ドーピング領域の深さ方向の前記
光取出面側の一部からその上部電極の裏面に沿ってその
裏面に平行な方向に延びるその第1不純物ドーピング領
域よりも浅い第2不純物ドーピング領域とから構成され
ていることから、上記第1不純物ドーピング領域は上部
電極とは重ならない大きさで形成され、且つその第1不
純物ドーピング領域は第2不純物ドーピング領域を介し
て上部電極と電気的に導通させられるので、発光層のう
ち上記交差面積に対応する部分に電流が局所的に流され
てそこから光が放射されて、その光は上部電極によって
遮られない。したがって、本発明の電流狭窄型発光ダイ
オードによれば、その発光層において発生させられた光
は効率よく外部へ出力されるので、一層高い取出効率が
得られる。
【0009】
【発明の好適な実施の形態】以下、本発明の一例を図面
を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例におい
て、各図の寸法比等は必ずしも正確に描かれていない。
【0010】図1および図2は、本発明の一実施例であ
る電流狭窄型面発光ダイオード(以下、LEDチップと
いう)10の構成を拡大して示す縦断面図であり、図2
はそのLEDチップ10の平面を示す図である。図1に
おいて、LEDチップ10は、図示しない半導体ウエハ
から分割されたチップ状を成し、その上面すなわち光取
出面12の略中央部には、比較的小さな円形の発光領域
14が設けられている。この発光領域14は、後述の活
性層30における発光領域に対応するものである。ま
た、このLEDチップ10は、その小さな発光領域14
が点光源としても用いられるので、点光源LEDチップ
とも称される。
【0011】上記LEDチップ10は、たとえばGaA
s半導体単結晶基板24の一面上に、例えば有機金属化
学気相成長(MOCVD:Metal Organic Chemical Vap
or Deposition )法や分子線エピタキシー(MBE:Mo
lecular Beam Epitaxy)法、気相エピタキシー(VP
E:Vapor Phase Epitaxy )法、或いは液相エピタキシ
ー(LPE:Liquid Phase Epitaxy)法等によって、複
数種類の単結晶の化合物半導体層が順次結晶成長により
積層されることにより基本的に構成されている。上記L
EDチップ10の下面および上面すなわち光取出面12
には、下部電極16および上部電極18がそれぞれ蒸着
されて構成されている。
【0012】上記下部電極16および上部電極18は何
れもオーミック電極であり、下部電極16は、LEDチ
ップ10の下面側から順にたとえばAu−Ge合金、N
i、およびAuが積層され、上部電極18は光取出面1
2側からたとえばAu−Zn合金とAuが積層されてい
る。上記上部電極18の中央部には、光を取り出すため
にたとえば100μmφ程度の円形の開口20が形成さ
れている。
【0013】上記LEDチップ10は、300乃至50
0μm程度の厚みを備えたn−GaAs半導体単結晶基
板24を備えており、そのn−GaAs半導体単結晶基
板24の上には、たとえばλ/4n(但し、λは発光波
長、nは屈折率)程度の厚みのn−GaAs/AlAs
から成る1対の層が多数対(本実施例では、30対)積
層された反射層26と、たとえば2μm程度のn−Al
0.45GaAsから成る第1クラッド層28と、たとえば
0.5μm程度のp−GaAsから成り、波長λがたと
えば880nm程度の赤外光を放射する発光層すなわち
活性層30と、たとえば2μm程度のp−Al0.4 Ga
Asから成る第2クラッド層32と、たとえば2μm程
度の厚みのp−Al0.1 GaAsから成る拡散ストップ
層34と、たとえば2μm程度のn−Al0.1 GaAs
から成る電流ブロック層36とが順次結晶成長させられ
ている。
【0014】そして、LEDチップ10の上面から亜鉛
などの不純物が拡散させられることによってp型に反転
させられた不純物ドーピング領域40が、LEDチップ
10の中央部において上記拡散ストップ層34まで到達
する深さとなり、且つ電流ブロック層36下のその電流
ブロック層36とは極性が反転した拡散ストップ層34
との交差面積が上部電極18の開口20の面積よりも小
さくなるように形成されている。これにより、上部電極
18から下部電極16へ向かう駆動電流は、LEDチッ
プ10の外周部において電流ブロック層36により阻止
されるが、LEDチップ10の中央部において上記不純
物ドーピング領域40に導かれることにより狭窄され
て、専ら活性層30の中央部を通過させられるようにな
っている。したがって、その活性層30のうち上記駆動
電流が通過させられた中央部が前記開口20の内径d1
よりも小径の発光領域となるので、前記開口20を通し
て光取出面12から外部へ効率よく出力されるようにな
っている。すなわち、内部量子効率が同じであっても取
出効率が高められることにより、全体としての発光効率
が高められる。
【0015】上記不純物ドーピング領域40は、図3に
も拡大して示すように、光取出面12のうちの上部電極
18の開口20内から深さ方向に向かい、且つ電流ブロ
ック層36下の電流ブロック層36とは極性が反転した
拡散ストップ層34との交差面積が上部電極18の開口
20の面積よりも小さい第1不純物ドーピング領域42
と、その第1不純物ドーピング領域42の深さ方向の光
取出面12側の一部から上部電極18の裏面に沿ってそ
の裏面に平行な方向に延びる、第1不純物ドーピング領
域42よりも浅い第2不純物ドーピング領域44とから
構成されている。
【0016】上記第1不純物ドーピング領域42は、専
ら駆動電流を開口20のよりも小径の断面積で拡散スト
ップ層34まで導く機能を有するものであるために、上
部電極18の開口20の内径d1 よりも十分に小さな外
径d2 内の断面積と、光取出面12から拡散ストップ層
34までの深さD1 以上の深さD2 とを備えている。上
記第1不純物ドーピング領域42の外径d2 は、本実施
例では、電流ブロック層36と拡散ストップ層34との
間の境界面上に現れた断面の外径として定義されてい
る。この外径d2 を有する上記境界面上の面積が前記交
差面積である。
【0017】また、上記第2不純物ドーピング領域44
は、専ら十分に大きな接触面積で上部電極18と電気的
に導通して駆動電流をその第1不純物ドーピング領域4
2へ導く機能を有するものであるために、上部電極18
の開口20の内径d1 よりも十分に大きな外径d3 と、
上記第1不純物ドーピング領域42および光取出面12
から拡散ストップ層34まで深さD1 よりも小さな最大
深さD3 とを備えている。上記第2不純物ドーピング領
域44と上部電極18とは、開口20の内径d 1 を内径
とし且つ第2不純物ドーピング領域44の外径d3 を外
径とする円環状の面積、すなわち図2の開口20を示す
実線とその外周側の破線で囲まれた面積で互いに導通し
ている。また、上記第2不純物ドーピング領域44の深
さは、外周側に向かうにしたがってその最大深さD3
ら順次減少するように構成されている。
【0018】上記不純物ドーピング領域40は、LED
チップ10の断面に、たとえば薬品中で光を照射しつつ
エッチングを行うよく知られたステインエッチングを施
し、そのステインエッチングにより極性反転部分に表れ
たライン状の段差を倍率100〜1000倍の光学顕微
鏡などで観察することができる。極性反転部分とはn型
のキャリヤ濃度よりもp型のキャリヤ濃度が多くなった
場所であり、たとえば電流ブロック層36内のn型のキ
ャリヤ濃度が1×1018であったとすると、亜鉛の拡散
濃度がその1×1018以上となった場所が極性反転部分
となる。
【0019】以下、上記不純物ドーピング領域40を形
成するための製造工程の一部を図4および図5を用いて
説明する。先ず、エピウエハ作成工程50では、結晶成
長が完了したエピウエハ52すなわち前記LEDチップ
10の中間製品であって、上部電極18および下部電極
16が形成される前の分割されていない一体的な多数の
チップが、前記MOCVD、MBE、VPE、LPEな
どの手法を用いて作成される。
【0020】次いで、バリア膜形成工程54では、結晶
成長が完了した上記エピウエハ52すなわち上部電極1
8および下部電極16が形成される前のチップの上面に
対して、PECVD(プラズマenhancedCV
D)を用いてバリア膜56が形成される。このPECV
Dでは、たとえばチャンバー内の圧力が0.5torr、温
度300℃、高周波出力100W、シランガス5cc/mi
n、窒素ガス150cc/min、アンモニアガス5cc/minと
いう膜形成条件が用いられる。図5の(a) はこの状態を
示している。このバリア膜56は、拡散される不純物た
とえば亜鉛Znを阻止するバリア膜として機能するもの
であり、たとえば屈折率nが1.9以下の窒化珪素膜S
x y z である。
【0021】このバリア膜56では、上記P−CVDで
用いられるシランガス、窒素ガス、アンモニアガスのう
ち、たとえばアンモニアガスの流量が調節されることに
よりバリア膜56の屈折率nが調節される。この屈折率
nは、窒化珪素膜Six yz 中のSi−Nという化
学結合とSi−Hという化学結合とN−Hという化学結
合との割合に対応するものであり、バリア膜56の膜質
を表現している。このバリア膜56の膜質とは、密着性
や熱膨張差に対応するとともに、深さ方向の拡散速度と
横方向の拡散速度との割合に対応している。上記Si−
H結合、N−H結合のHが多くなる方向に変化すると横
方向の拡散速度が高められて、不純物ドーピング領域4
0を形成するために都合のよい傾向となる。
【0022】図6に示すように、エピウエハ52の上面
すなわち光取出面12において、その光取出面12から
の不純物の深さ方向の拡散距離をa、バリア膜56の開
口縁からの横方向すなわち光取出面12に沿った面方向
の拡散距離をbとすると、拡散距離比b/aは、バリア
膜56の膜質に従って、すなわち屈折率nが低くなるに
従って大きくなるという現象がある。本発明者は、前述
の形状の不純物ドーピング領域40を形成するために、
そのような現象を利用し、バリア膜56の膜質を表す指
標である屈折率nを1.9以下に設定したのである。拡
散距離比b/aとバリア膜56の屈折率nとの関係は図
7に示すように実験的に求められ、バリア膜56の屈折
率nとアンモニアガスの流量(sccmすなわちcc/min)と
の関係は図8に示すように実験的に求められ、拡散距離
比b/aとアンモニアガスの流量との関係は図9に示す
ように実験的に求められるから、たとえば、図8或いは
図9の関係から実際に形成するバリア膜56の目標屈折
率或いは目標拡散距離比に基づいて、上記バリア膜形成
工程54におけるアンモニアガスの流量が10cc/min以
上の値に決定される。
【0023】次に、バリア膜パターニング工程58で
は、通常のホトリソグラフィを用いて、たとえばRIE
(reactive ion etching)を用いたドライエッチング法
或いは熱燐酸を用いたウエットエッチング法により、上
記バリア膜56に円形の開口60が形成される。図5
(b) はこの状態を示している。この開口60は前記上部
電極18の開口20と同心に位置させられているが、そ
の径d4 は、その開口20の径d1 よりも十分に小さく
されている。
【0024】続く亜鉛拡散工程62では、上記のように
してバリア膜56に円形の開口60が形成されたエピウ
エハ52が、拡散源となる砒化亜鉛と共に石英アンプル
内に封止され、その石英アンプルにたとえば600度で
12時間保持する熱処理が施されることにより、バリア
膜56の開口60を通してのみ亜鉛がエピウエハ52内
に拡散され、前述の形状の不純物ドーピング領域40が
形成される。図5(c)はこの状態を示している。この亜
鉛拡散工程62では、不純物ドーピング領域40を構成
する、光取出面12から深さ方向に向かう第1不純物ド
ーピング領域42と、その第1不純物ドーピング領域4
2の深さ方向の光取出面12側の一部からその上部電極
18の裏面に沿ってその裏面に平行な方向に延びる第2
不純物ドーピング領域44とが、同時に構成されるの
で、上記亜鉛拡散工程62は、第1不純物ドーピング領
域形成工程および第2不純物ドーピング領域形成工程に
対応している。
【0025】続いて、バリア膜除去工程64では、たと
えばRIE(reactive ion etching)を用いたドライエ
ッチング法を用いてバリア膜56が除去される。図5の
(d)はこの状態を示している。そして、電極形成工程6
6では、上記エピウエハ52の下面および上面に下部電
極16および上部電極18が形成される。次いで、図示
しないダイシング工程において、上記エピウエハ52が
個々のLEDチップ10にダイシングにより分割され
る。図5の(e) はこの状態を示している。
【0026】上記のLEDチップ10の製造工程では、
第1不純物ドーピング領域形成工程(亜鉛拡散工程6
2)により、光取出面12のうちの上部電極18が設け
られていない開放面から深さ方向に向かう第1不純物ド
ーピング領域42が形成され、第2不純物ドーピング領
域形成工程(亜鉛拡散工程62)により、その第1不純
物ドーピング領域42の深さ方向の光取出面12側の一
部から上部電極18の裏面に沿ってその裏面に平行な方
向に延びる、その第1不純物ドーピング領域42よりも
浅い第2不純物ドーピング領域44が形成される。この
ため、不純物ドーピング領域40が、光取出面12のう
ちの上部電極18が設けられていない開放面から深さ方
向に向かう第1不純物ドーピング領域42と、その第1
不純物ドーピング領域42の深さ方向の光取出面12側
の一部からその上部電極18の裏面に沿ってその裏面に
平行な方向に延びる第2不純物ドーピング領域44とか
ら構成されていることから、上記第1不純物ドーピング
領域42は、LEDチップ10の厚み方向において上部
電極18とは重ならない大きさで形成され、且つその第
1不純物ドーピング領域42は第2不純物ドーピング領
域44を介して上部電極18と電気的に導通させられる
ので、活性層30のうち上記第1不純物ドーピング領域
42の外径d2 に対応する部分(図1の破線の斜線部
分)に電流が局所的に流されてそこから光が放射され、
その光は上部電極18によって遮られない。したがっ
て、本実施例のLEDチップ10によれば、その活性層
30において発生させられた光は効率よく外部へ出力さ
れるので、図10の白丸印のデータポイントに示すよう
に、黒丸印のデータポイントに示す従来の値に比較して
一層高い取出効率が得られる。図10の発光径とは、活
性層30における発光領域の外径を示している。
【0027】因みに、図11および図12は、従来のL
EDチップ80の構成を示す縦断面図および平面図であ
る。このLEDチップ80は、前記LEDチップ10に
比較して、その不純物ドーピング領域82の形状が相違
する他は同様に構成されている。この不純物ドーピング
領域82は、上部電極18下の電流ブロック層36の極
性を反転させる亜鉛が光取出面12から反転後の極性と
同じ極性の拡散ストップ層34に到達する深さまでドー
ピングされているのであるが、深さ方向において略一様
に形成されている。すなわち、光取出面12のうちの上
部電極18が設けられていない開放面から上部電極18
の開口20の径よりも大径の面積で略一様の深さに形成
され、その不純物ドーピング領域82の外周縁において
上部電極18が接続されている。図12の破線は、上記
不純物ドーピング領域82の外周を示している。このよ
うな従来のLEDチップ80によれば、活性層30のう
ち上記不純物ドーピング領域82の水平断面に対応する
大きさの部分、すなわち図11の破線の斜線に示す部分
から光が局所的に出力されることから、図10の黒丸印
のデータポイントに示すようにその光の一部が上部電極
18によって遮られるので、取出効率が十分に得られな
いのである。
【0028】以上、本発明の一実施例を図面を参照して
詳細に説明したが、本発明は、更に別の態様でも実施さ
れる。
【0029】例えば、前述の実施例のLEDチップ10
では、上部電極18から下部電極16に向かって駆動電
流が流される形式であったが、逆方向に駆動電流が流さ
れる形式であってもよい。この場合には、LEDチップ
10の各層のp型とn型とが反転させられる。
【0030】また、前述の図4の製造工程においては、
バリア膜56として窒化珪素が用いられていたが、酸化
アルミニウム(Al2 3 )などの他の材料が用いられ
てもよい。
【0031】また、前述のLEDチップ10は、上部電
極18の開口20内において微小領域で発光させられる
点光源型のLEDであったが、、上部電極18の外周側
で発光させられる形式の面発光型LEDであってもよ
い。
【0032】また、前述のLEDチップ10において、
活性層30から赤外光が放射される点光源LEDチップ
18が用いられていたが、赤色光、オレンジ色光、緑色
光、青色光、紫外光などの他の波長の光を放射するもの
であってもよい。
【0033】また、前述のLEDチップ10は、AlG
aAs系の化合物半導体から構成されていたが、InG
aAs系、InGaP系、AlInGaP系、GaN系
などの他の化合物半導体が用いられたものであってもよ
い。
【0034】また、前述のLEDチップ10は、その発
光領域は矩形であってもよいし、円形や楕円形であって
もよい。発光領域30が矩形、楕円形、トラック型形状
である場合には、その長手方向の中心線とそれに直角な
短辺或いは短軸に平行な方向の中心線との交点が発光中
心として定められる。
【0035】また、LEDチップ10の一面に設けられ
た発光領域14は、必ずしもその一面の中央でなく、一
方に偏った位置に設けられていてもよい。
【0036】その他、一々例示はしないが、本発明はそ
の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得るものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の電流狭窄型面発光ダイオー
ドの構成を説明する断面図である。
【図2】図1の電流狭窄型面発光ダイオードの構成を説
明する平面図である。
【図3】図1の電流狭窄型面発光ダイオードに設けられ
た不純物ドーピング領域の構成を説明するために要部を
拡大した断面図である。
【図4】図1の電流狭窄型面発光ダイオードの製造工程
の要部を説明するための工程図である。
【図5】図4の各製造工程における加工状態をそれぞれ
説明する図であって、(a) はバリア膜が設けられたエピ
ウエハを、(b) はバリア膜に開口が形成されたエピウエ
ハを、(c) はバリア膜に開口を通して不純物が拡散され
たエピウエハを、(d) はバリア膜が除去されたエピウエ
ハを、(e) は上部電極および下部電極が固着されたエピ
ウエハをそれぞれ示している。
【図6】電流狭窄型面発光ダイオードに設けられた不純
物ドーピング領域の深さ寸法aと横方向寸法bとを説明
する図である。
【図7】バリア膜の膜質の指標である屈折率と拡散距離
比b/aとの関係を示す図である。
【図8】バリア膜の屈折率とそれをPECVDを用いて
形成するときのアンモニアガス流量との関係を示す図で
ある。
【図9】バリア膜を用いたときの拡散距離比b/aとそ
のバリア膜をPECVDを用いて形成するときのアンモ
ニアガス流量との関係を示す図である。
【図10】図1の電流狭窄型面発光ダイオードの発光出
力を従来の電流狭窄型面発光ダイオードの発光出力と対
比して示す図である。
【図11】従来の電流狭窄型面発光ダイオ─ドの構成を
説明する断面図である。
【図12】図11の電流狭窄型面発光ダイオ─ドの構成
を説明する平面図である。
【符号の説明】
10:LEDチップ(電流狭窄型面発光ダイオード) 12:光取出面(上面) 16:下部電極 18:上部電極 24:n−GaAs半導体単結晶基板(基板) 26:反射層(半導体層) 28:第1クラッド層(半導体層) 30:活性層(発光層、半導体層) 32:第2クラッド層(半導体層) 34:拡散ストップ層(半導体層) 36:電流ブロック層(半導体層) 42:第1不純物ドーピング領域 44:第2不純物ドーピング領域

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に発光層および電流ブロック層を
    含む半導体層が積層され、該基板の裏面および光取出面
    である該半導体層の上面側に下部電極および上部電極が
    それぞれ備えられ、且つ、該発光層のうちの該上部電極
    の下に位置していない部分に電流を導くために該上部電
    極下の電流ブロック層の極性を反転させる不純物が光取
    出面から該電流ブロック層を貫通して反転後の極性と同
    じ極性の半導体層に到達する深さまでドーピングされた
    不純物ドーピング領域が設けられた形式の面発光型ダイ
    オードであって、前記不純物ドーピング領域は、 前記光取出面のうちの上部電極の開口内から深さ方向に
    向かい、且つ前記電流ブロック層下の該電流ブロック層
    とは極性が反転した半導体層との交差面積が前記上部電
    極の開口面積よりも小さい第1不純物ドーピング領域
    と、 該第1不純物ドーピング領域の深さ方向の前記光取出面
    側の一部から該上部電極の裏面に沿って該裏面に平行な
    方向に延びる該第1不純物ドーピング領域よりも浅い第
    2不純物ドーピング領域とから成ることを特徴とする電
    流狭窄型面発光ダイオード。
  2. 【請求項2】 基板上に発光層および電流ブロック層を
    含む半導体層が積層され、該基板の裏面および光取出面
    である該半導体層の上面側に下部電極および上部電極が
    それぞれ備えられ、且つ、該発光層のうちの該上部電極
    の下に位置していない部分に電流を導くために該上部電
    極下の電流ブロック層の極性を反転させる不純物が光取
    出面から該電流ブロック層を貫通して反転後の極性と同
    じ極性の半導体層に到達する深さまでドーピングされた
    不純物ドーピング領域が設けられた形式の面発光型ダイ
    オードの製造方法であって、 前記光取出面のうちの上部電極の開口内から深さ方向に
    向かい、且つ前記電流ブロック層下の該電流ブロック層
    とは極性が反転した半導体層との交差面積が前記上部電
    極の開口面積よりも小さい第1不純物ドーピング領域を
    形成する第1不純物ドーピング領域形成工程と、 該第1不純物ドーピング領域の深さ方向の前記光取出面
    側の一部から該上部電極の裏面に沿って該裏面に平行な
    方向に延びる該第1不純物ドーピング領域よりも浅い第
    2不純物ドーピング領域を形成する第2不純物ドーピン
    グ領域形成工程とを、含むことを特徴とする電流狭窄型
    面発光ダイオードの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8044439B2 (en) 2005-10-03 2011-10-25 Dowa Electronics Materials Co., Ltd. Light-emitting device and manufacturing method of the same
JP2012256635A (ja) * 2011-06-07 2012-12-27 Denso Corp 半導体レーザ及びその製造方法
US9130126B2 (en) 2013-04-30 2015-09-08 Rohm Co., Ltd. Semiconductor light emitting device

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