JPH07161644A - p型半導体薄膜の製造方法 - Google Patents

p型半導体薄膜の製造方法

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JPH07161644A
JPH07161644A JP5309987A JP30998793A JPH07161644A JP H07161644 A JPH07161644 A JP H07161644A JP 5309987 A JP5309987 A JP 5309987A JP 30998793 A JP30998793 A JP 30998793A JP H07161644 A JPH07161644 A JP H07161644A
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JP
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gas
bubbling
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gases
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JP5309987A
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Takayuki Yuasa
湯浅貴之
Haruhisa Takiguchi
瀧口治久
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Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 有機金属気相成長法(MOCVD)を用い
て、II族元素及びVI族元素が主成分であるp型半導体
を製造する。 【構成】 p型ドーピング原料としてアジド基を有する
有機物材料を用い、その原料を不活性ガスを用いてバブ
リングするという方法を用いる。 【効果】 製造膜中に取り込まれる水素原子が抑えら
れ、p型ドーパントとして働く窒素原子を活性化し、よ
り高いp型キャリア濃度の製造膜を提供することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は有機金属気相成長法(M
OCVD法)を用いたII−VI族化合物半導体の製造方法
のうち、特にp型半導体薄膜の製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】MOCVD法は組成制御性及び量産性に
富むことから、化合物半導体の製造において、有効な手
段として用いられており、活発に研究が行なわれている
技術である。これは、原料をバブリング用のガスで気化
し、キャリアガスで搬送し基板上で製膜する方法であ
り、キャリアガス及びバブリング用のガスとしては、安
価で純化しやすい水素ガスが一般的に用いられている。
【0003】近年、このMOCVD法を用いて、短波長
発光素子材料として注目されているII族及びVI族を主成
分とする化合物半導体を製造する試みがなされている。
しかるに、これらの材料を用いたデバイスはまだほとん
ど実用化されていない。これは主として、実用に適する
p型伝導特性を示す薄膜が実現していないことに起因す
る。
【0004】一般にp型ドーピング原料としては、V族
元素がよく用いられており、なかでも窒素原子は比較的
浅い不純物レベルを形成することから、特に有効な元素
とされている。MOCVD法では、窒素をドーピングす
る際、アンモニアやターシャルブチルアミン等、窒素を
含む原料を水素ガスでバブリングして、その混合気体を
水素ガスのキャリアで反応管に搬送、主原料と混合する
方法をとるのが一般的なものであった。
【0005】しかし、前述の方法では、製造膜中に窒素
原子は取り込まれるが、活性化が十分になされず、製造
膜がp型伝導特性を示さない傾向にあった。近年の研究
で、この原因は水素原子の製造膜中への取り込まれによ
るものと考えられるようになってきた。即ち、窒素のド
ーピング原料であるアンモニア(NH3)やターシャル
ブチルアミン(t−BuNH2)では原料中に含まれる
窒素原子に、直接水素原子が結合しており、この結合が
分解されずに製膜中に取り込まれる場合がある。そこ
で、窒素原子に水素が直接結合していないアジド基をも
つ有機物材料をドーピング原料として用いる方法が提案
されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述のような
窒素原子に直接水素原子は結合していないアジド基を持
つような有機物材料でも、水素ガス雰囲気中では、窒素
原子と水素原子が結合して製膜中に取り込まれてしまう
場合があることがわかった。そして、アンモニアなどを
用いた場合と同様に水素原子の製膜中への取り込まれに
よって、不純物レベルが形成され、窒素原子の供給する
p型の伝導キャリアを相殺してしまうという現象を生じ
ることがわかった。この傾向は、バブリング用に水素ガ
スを使った場合には、バブラーから基板近傍まで運ばれ
てくる間に水素ガスとドーピング原料が十分に混ざって
しまうために特に顕著となる。
【0007】本発明は上記の問題点を解決するもので、
基板近傍でドーピング原料中の窒素と水素の反応を防ぐ
事により、製造膜中への水素原子の取り込まれを抑え、
よりp型キャリア濃度の高いII−VI族化合物半導体を製
造するところにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のp型半導体薄膜
の製造方法は、有機金属気相成長法(MOCVD法)に
よるII−VI族化合物半導体の製造方法において、アジド
基を有する有機物材料をp型ドーピング原料としてを用
い、該p型ドーピング原料は希ガスあるいは窒素ガス
(以下、不活性ガスという)を用いてバブリングするこ
とにより供給されることを特徴とする。
【0009】さらに好ましくは、上記のp型半導体薄膜
の製造方法は、キャリアガスを不活性ガスとすることを
特徴とする。
【0010】
【作用】本発明のp型半導体薄膜の製造方法において
は、アジド基を有する有機物材料をドーピング原料とし
て用い、かつ、ドーピング原料バブリング用のガスとし
て不活性ガスを用いることで、窒素ドーピング原料とバ
ブリング用の不活性ガスが基板近傍まで運ばれてくるま
でに十分に混合され、基板近傍において窒素ドーピング
原料の周りには不活性ガスの存在確立が高く、基板近傍
の高温になる領域で、窒素ドーピング用原料ガスと水素
ガスとの反応を抑えることができる。
【0011】さらに、キャリアガスにも不活性ガスを用
いることにより、反応管内に水素ガスが存在しなくなる
ため、ドーピング用原料中の窒素原子と水素ガスの反応
は、完全に防ぐことができ、膜中に取り込まれた窒素原
子はすべてp型キャリアとして働くことができる。
【0012】
【実施例】図1に本実施例で用いたMOCVD装置の概
略図を示す。反応管1の内部にサセプタ2がセットされ
その上部に基板3が置かれている。サセプタは加熱器4
で加熱されその温度は熱電対でモニターされ制御され
る。今回の測定では反応管として石英、サセプタはカー
ボングラファイト、加熱器は高周波を用いたが、通常、
MOCVD装置で使用される他のものを使用しても何ら
支障は生じない。反応管はニードルバルブ5、ロータリ
ーポンプ6を通じて廃ガス処理システム7へ接続されて
いる。14、15には異なった種類のガスが充填されて
おり、バルブ11を選択することにより、バブリングガ
ス用または、キャリアガス用にそれぞれ選択して使い分
けられるようになっている。14及び/または15のガ
スは減圧弁13を用いて減圧され、マスフローコントロ
ーラー12で流量を調整され、キャリアガスあるいはバ
ブリング用ガスとして反応管またはバブラー8、9、1
0に導入される。バブラー8にはII族原料が、バブラー
9にはVI族原料が封入されていてバブリングにより気化
されて反応管に導入される。また、バブラー10にはア
ジド基をもつ窒素ドーピング用原料が封入されていて、
気化された原料は反応管の中で基板に向かって噴射でき
る構造になっている。反応管の圧力はニードルバルブお
よびロータリーポンプを用いて調整することができる。
【0013】以下、実施例としてGaAs基板上への窒
素ドープZnSe膜の製造方法について具体的に説明す
る。本実験では、基板としてエッチングにより表面処理
したGaAsを用い、また、II族原料としてジエチル亜
鉛(DEZn)、VI族原料としてジエチルセレン(DE
Se)、窒素ドーピング用原料としてエチルアジド(C
253)を用いた。また、バブリング用及びキャリア
用の不活性ガスとしては窒素、またはヘリウムを使用し
た。基板を反応管内にセットした後、真空引きを行な
い、反応管内の余分な酸素、残留水分などを除去する。
キャリアガスを毎分1〜2リットル程度流し、サセプタ
温度が500℃程度になるように加熱器で調整した。ま
た、成長時の圧力は、100Torr程度に調整した。[D
ESe]/[DEZn]モル比が5前後となるようにマ
スフローコントローラーを調整してZnSe薄膜の製造
を開始した。窒素ドーピング原料であるエチルアジドは
[C253]/[DESe]モル比をマスフローコン
トローラーで調整し、ZnSe膜成長開始直後から反応
管内に流し始めた。製造膜の膜厚が適当な厚さになるよ
うに成長した後、反応管内を窒素ガスでパージし、室温
付近まで冷却し、試料の取り出しを行なった。製造した
ZnSe薄膜中のp型キャリア濃度を測定して評価とし
た。キャリア濃度の測定はCV法(Capacitan
ce−Voltage法)により測定した。実験は表1
に示す条件で行なった。なお、表には窒素原料ドーピン
グ用のバブリングガスとキャリアガスのみ記載している
が、II族原料、VI族原料のバブリング用ガスは、各試料
番号に対応した2種類のガスどちらを使っても結果は同
じであった。これは、キャリアガスは毎分1〜2リット
ル流すのに対し、バブリングガスには毎分0.05リッ
トル程度しか流さないため、ドーピング原料と直接混ざ
らない、II族原料、VI族原料のバブリング用ガスは影響
が少ないためである。
【0014】
【表1】
【0015】これらの実験をまとめると以下の結果が得
られた。窒素原料ドーピング用のバブリングガス、キャ
リアガスの両方に不活性ガスを用いた場合(試料1、
2、3、4)は、[C253]/[DESe]モル比
によって、ドーピング量を調整することにより1×1017c
m-3以上の高キャリア濃度が得られた。また、エチルア
ジドの量が0<[C253]/[DESe]<10の
範囲で特に高いキャリア濃度を示したが、多すぎた場合
はp型キャリア濃度が減少する傾向を示した。
【0016】窒素原料ドーピング用のバブリングガスに
不活性ガスを、キャリアガスにH2を用いた場合(試料
6、8)は、1×1016cm-3程度のキャリア濃度が得られ
た。さらに、装置の窒素原料の吹き出し口を基板に近づ
け、ドーピング原料のエチルアジドと水素との接触を抑
えることによりその特性は向上した。
【0017】キャリアガスとして窒素ガスを使用する
と、膜厚の均一性が若干乱れた(試料1、2、5)。ヘ
リウムガスを用いた場合はこのような傾向は見られなか
った。これは、窒素ガスはHeガスに比べて重く反応管
内で乱流となるため、製膜状態も乱れるためである。
【0018】窒素原料ドーピング用のバブリングガスに
2を、キャリアガスに不活性ガス用いた場合(試料
5、7、9)はキャリア濃度が1×1015cm-3以下の高抵
抗のものしか得られなかった。
【0019】これらの傾向はメチルアジドなどエチルア
ジド以外のアジド基を有する有機物材料でも確認され
た。
【0020】ドーピング原料にt−BuNH2、アンモ
ニアを用いた場合(試料10、11)は窒素原料ドーピ
ング用のバブリングガス、キャリアガスの両方に不活性
ガスを用いても、キャリア濃度が1×1015cm-3以下の高
抵抗のものしか得られなかった。
【0021】以上の結果により、p型のドーピング原料
にはアジド基を有する有機物材料が適していること、さ
らにその原料をバブリングするガスには不活性ガスが適
していることがわかる。また、キャリアガスとして、不
活性ガスを使用した場合、高いキャリア濃度が得られた
が、水素ガスを使用した場合においてもMOCVD装置
を改良し、反応が基板表面でのみ起こるようにすると、
その特性は改善できる。
【0022】また、本実施例においては基板の温度は5
00℃と設定されているが、450℃に設定した場合
は、膜の成長速度は500℃の時の1/5程度となり、
400℃でほぼ0となる。600℃を越えると、GaA
s基板中のAsが抜けたり、ZnSeが蒸発してしまう
などの問題が起こり、良質なZnSe膜成長を行うこと
ができない。したがって、基板温度は400℃以上60
0℃以下で本発明を実施すること好ましい。
【0023】本実験においてはZnSe膜の製造につい
て記したが、これらの現象は、ZnSSe、ZnCdS
e、ZnMgSSe、ZnTe、HgTe等のII−VI族
化合物半導体全般にみられ、本発明を使用することによ
り同様の効果が得られる。
【0024】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、II−VI族
半導体へのp型ドーピングに際し、アジド基を有する有
機物材料を使用し、バブリング用ガスとして、不活性ガ
スを用いることにより1×1016cm-3程度のキャリア濃度
の試料が得られた。
【0025】さらに、キャリアガスとしても不活性ガス
を用いることにより、ドーパントの活性化率が向上し、
1×1017cm-3以上のキャリア濃度をもつp型半導体薄膜
を製造することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例で用いたMOCVD装置の概略
図である。
【符号の説明】 1 反応管 2 サセプタ 3 基板 4 加熱器 5 ニードルバルブ 6 ロータリーポンプ 7 廃ガス処理システム 8 II族原料の入ったバブラー 9 VI 族原料の入ったバブラー 10 窒素ドーピング原料の入ったバブラー 11 バルブ 12 マスフローコントローラー 13 減圧弁 14 不活性ガス1 15 不活性ガス2 16 VI族原料の入ったボンベ 17 流量可変のバルブ 18 キャリアガスライン

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機金属気相成長法によるp型II−VI族
    化合物半導体の製造方法において、アジド基を有する有
    機物材料をp型ドーピング原料としてを用い、該p型ド
    ーピング原料は希ガスあるいは窒素ガスを用いてバブリ
    ングすることにより供給されることを特徴とするp型半
    導体薄膜の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のII−VI族化合物半導体
    の製造方法において、キャリアガスを希ガスあるいは窒
    素ガスとすることを特徴とするp型半導体薄膜の製造方
    法。
JP5309987A 1993-12-10 1993-12-10 p型半導体薄膜の製造方法 Pending JPH07161644A (ja)

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