JPH07161537A - 静止誘導電気機器 - Google Patents

静止誘導電気機器

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JPH07161537A
JPH07161537A JP5310304A JP31030493A JPH07161537A JP H07161537 A JPH07161537 A JP H07161537A JP 5310304 A JP5310304 A JP 5310304A JP 31030493 A JP31030493 A JP 31030493A JP H07161537 A JPH07161537 A JP H07161537A
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winding
refrigerant
induction electric
static induction
electric device
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JP5310304A
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Shin Yamada
慎 山田
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 巻線の絶縁信頼性及び機械的強度を高めると
共に、通電時の振動を吸収した、低騒音の静止誘導電気
機器を提供する。 【構成】 鉄心(図示せず)の周りに、内周側巻線3a
と外周側巻線3bとが巻回されている。また、巻線3の
上部及び下部には、冷媒を効率的に巻線3内に導入する
ための上部冷媒止め12及び下部冷媒止め13がそれぞ
れ設けられ、タンクの上部から、あるいはタンクの下部
から、交互に巻線3に冷媒を導入することができるよう
に構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、変圧器等の静止誘導電
気機器に係り、特に、巻線の絶縁耐力及び機械的強度の
向上と騒音の低減を図った静止誘導電気機器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から用いられている静止誘導電気機
器の一例を、図9に基づいて説明する。即ち、鉄心(図
示せず)の周りには、巻線に対して内側に配置される内
側絶縁筒2と、巻線に対して外側に配置される外側絶縁
筒1が、所定の間隔をおいて配設されている。また、前
記内側絶縁筒2の外周側及び外側絶縁筒1の内周側に
は、軸方向に沿って、ダクト用レール(図示せず)が固
定されている。そして、絶縁紙や絶縁フィルムあるいは
絶縁被覆などによって絶縁処理された導体を、外側のダ
クト用レールには外側から内側へ、また、内側のダクト
用レールには、内側から外側へと巻回することにより、
巻線3が構成されている。また、巻線3の各巻回層(セ
クション)の間には、周方向に等間隔にスペーサ(図示
せず)が配置され、その間隙が保持されるように構成さ
れている。なお、このスペーサは、その両端が前記両ダ
クト用レールに溝係合されている。
【0003】また、前記巻線3は、油あるいはSF6
ス等の液体や気体、あるいは固体の絶縁媒体と共にタン
ク内に収納され、この絶縁媒体が巻線3の各セクション
の間を流れることにより、巻線3を冷却する冷媒として
働くように構成されている。なお、巻線3の間には、前
記絶縁媒体による冷却効率を向上させるために、数セク
ションごとに閉塞栓4が配置されている。この閉塞栓4
は、その一端が前記ダクト用レールの一方に固定され、
他端が他方のダクト用レールと所定の間隔をあけて位置
するように水平方向に配設され、また、隣接する閉塞栓
4が交互に巻線内に突出するように配設されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この様な構成を有する
従来の静止誘導電気機器においては、図9に示した様
に、冷媒(絶縁媒体)は巻線3の下方から流入し、巻線
3の中を閉塞栓4に遮られて蛇行するように流れ、上方
に流出する。この場合、巻線3中の温度分布は、図10
に示した様になる。即ち、閉塞栓4の上側(図中A点,
D点)では、冷媒の流速が遅いため、巻線の温度が高く
なり、反対に、閉塞栓4の下側(図中C点,F点)で
は、冷媒がより多く流れ、流速も早くなるので、巻線の
温度は低くなる。 この様に、隣接する閉塞栓の間の巻
線には、図10に示した様な温度勾配が生じ、巻線3の
半径方向の長さ(外径と内径の差)が大きいほど、この
温度差は大きくなる。また、図11は巻線3の上面図で
あるが、冷媒は巻線3の内側から外側に(図中A方向)
あるいは外側から内側に(図中B方向)流れ、スペーサ
10が配設された部位には冷媒は流れない。スペーサ1
0が四角形状の場合は、冷媒が接する巻線3の面積は、
巻線内側の方が巻線外側よりも小さくなる。従って、冷
媒が巻線内側から外側に流れる場合(図中A方向)の巻
線の半径方向の温度差は、冷媒が巻線外側から内側に流
れる場合(図中B方向)よりも大きくなる。
【0005】一方、静止誘導電気機器で用いられる絶縁
物は、図12に示した様に、使用温度が高いほどその寿
命は短くなる傾向がある。そのため、巻線の平均温度と
しては、使用寿命に対して十分余裕があるにもかかわら
ず、巻線内のある部位の絶縁物の最高使用温度で、その
静止誘導電気機器全体の寿命が決定されるため、経済的
に非常に不利なものとなっていた。さらに、巻線内の高
温部に配設される一部の絶縁物が、熱により他の絶縁物
よりも早く劣化するため、長時間にわたる運転中に絶縁
物の枯れが生じて、絶縁物間に隙間が生じ、導体と絶縁
物間の寸法が変化することがあり、絶縁信頼性に乏しい
ものとなっていた。また、この様な隙間が生ずることに
より冷却効率が低下し、巻線の締付力や短絡機械力等の
機械的強度が低下する原因ともなっていた。
【0006】本発明は、上述した様な従来技術の問題点
を解決するために提案されたもので、その目的は、巻線
の冷却効率を向上させることにより絶縁信頼性を高め、
巻線の機械的強度を高めると共に、通電時の振動をも吸
収した、低騒音の静止誘導電気機器を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、鉄心の周りに配置した基礎絶縁筒の周囲に導体を巻
回して巻線を形成し、前記巻線の各巻回層の間に、その
周方向に等間隔にスペーサを配置し、さらに、前記巻線
の複数巻回層ごとに、巻線冷却用の冷媒の流路を規制す
るための閉塞栓を配置して成る静止誘導電気機器におい
て、前記巻線の上下両方向から、交互に冷媒を導入する
ように構成したことを特徴とするものである。
【0008】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の発明において、前記巻線を、鉄心の周りに配置
した内側基礎絶縁筒の周囲に巻回した内側巻線と、外側
基礎絶縁筒の周囲に巻回した外側巻線とに2分割して構
成し、また、前記閉塞栓を、前記巻線の両サイドから中
央部へ配置される閉塞栓と、巻線の配設部位に対応する
位置に配置される閉塞栓とを軸方向に交互に配置して構
成したことを特徴とするものである。
【0009】請求項3に記載の発明は、鉄心の周りに配
置した基礎絶縁筒の周囲に導体を巻回して巻線を形成
し、前記巻線の各巻回層の間に、その周方向に等間隔に
スペーサを配置し、さらに、前記巻線の複数巻回層ごと
に、巻線冷却用の冷媒の流路を規制するための閉塞栓を
配置して成る静止誘導電気機器において、前記冷媒を、
巻線の側面部から導入するように構成したことを特徴と
するものである。
【0010】また、請求項4に記載の発明は、上記請求
項1又は請求項2又は請求項3に記載の発明において、
巻線の周方向に等間隔に配設されるスペーサを、その平
面形状が略台形となるように構成し、また、冷媒導入側
の巻線の面積が導出側の面積より大きくなるように、巻
線の各巻回層の間に配設したことを特徴とするものであ
る。
【0011】
【作用】請求項1に記載の発明によれば、巻線の上下両
方向から、交互に冷媒を導入するように構成したことに
より、巻線内の温度勾配を交互に変化させることができ
るので、巻線全体の温度が平均化される。
【0012】また、請求項2に記載の発明によれば、巻
線を半径方向に2分割することにより、冷媒により冷却
される巻線断面積が減少するため、巻線の半径方向の温
度勾配を小さくすることができる。また、冷媒が各巻線
内を通過する距離が減少するので、巻線全体の温度が平
均化される。
【0013】さらに、請求項3に記載の発明によれば、
冷媒を巻線中央部より導入することにより、冷媒が巻線
内を通過する距離が減少するので、巻線全体の温度が平
均化される。
【0014】また、請求項4に記載の発明によれば、冷
媒に接する巻線の面積を、冷媒の導入側を導出側よりも
さらに大きくすることができるので、導入側の冷却効率
を若干低下させると共に、導出側の冷却効率を上げるこ
とにより、巻線の半径方向の温度勾配を減少させること
ができる。
【0015】この様に、本発明によれば、巻線内の温度
勾配が小さくなり、絶縁物が均等に劣化するため、絶縁
物の一部分が枯れて隙間が生じたり、絶縁的な弱点にな
ることがなく、巻線の絶縁信頼性及び機械的強度が高く
なる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1乃至図8に基づ
いて具体的に説明する。なお、図9及び図11に示した
従来型と同一の部材には同一の符号を付して、説明は省
略する。
【0017】(第1実施例)本実施例においては、図1
に示した様に、鉄心(図示せず)の周りに、内周側巻線
3aと外周側巻線3bとが巻回されている。また、巻線
3の上部及び下部には、冷媒を効率的に巻線3内に導入
するための上部冷媒止め12及び下部冷媒止め13がそ
れぞれ設けられ、タンクの上部から、あるいはタンクの
下部から、交互に巻線3に冷媒を導入することができる
ように構成されている。なお、前記巻線3は、図9に示
した従来型と同様に構成されている。
【0018】また、図2乃至図4は、本実施例のタンク
外部の冷却系統図を示したものである。即ち、図2に示
した様に、タンク11の外部には、巻線3の下部から冷
媒を供給するための第1の冷却器50aと第1のポンプ
51aを備えた第1の冷却配管Aと、巻線3の上部から
冷媒を供給するための第2の冷却器50bと第2のポン
プ51bを備えた第2の冷却配管Bが形成されている。
【0019】この様な冷却系を備えた静止誘導電気機器
は、以下の様に作用する。即ち、巻線下部から冷媒を導
入する場合には、第1のポンプ51aを稼働すれば良
く、反対に、巻線上部から冷媒を導入する場合には、第
2のポンプ51bを稼働すれば良いため、冷媒が流れる
方向の切り替えを容易に行うことができる。
【0020】次に、図3に示した様に、単一の冷却器5
0には、タンク11と接続される冷却配管Cが形成さ
れ、この冷却配管には、冷媒を互いに反対方向へ送る第
1のポンプ51aと第2のポンプ51bとが設けられて
いる。また、前記第1のポンプ51aの前後には、2つ
のバルブV12とV13とが取り付けられ、さらに、第1の
ポンプ51aにはバイパス52aが設けられ、このバイ
パス52aにもバルブV23が取り付けられている。一
方、前記第2のポンプ51bの前後には、2つのバルブ
21とV22とが取り付けられ、さらに、第2のポンプ5
1bにはバイパス52bが設けられ、このバイパス52
bにもバルブV11が取り付けられている。
【0021】この様な冷却系を備えた静止誘導電気機器
は、以下の様に作用する。即ち、巻線下部から冷媒を導
入する場合には、第1のポンプ51aを稼働し、また、
バルブV11,V12及びV13を開き、バルブV21,V22
びV23を閉めて運転すれば良い。一方、巻線上部から冷
媒を導入する場合には、第2のポンプ51bを稼動し、
また、バルブV21,V22及びV23を開き、バルブV11
12及びV13を閉めて運転すれば良いので、タンク11
に接続する冷却配管が1系統ですむ。
【0022】また、図4に示した様に、冷却器50及び
ポンプ51はそれぞれ1台とし、タンク11に接続され
る冷却配管を2系統にしても良い。即ち、冷却器50の
上流側には、分岐路を有し、両分岐路にそれぞれバルブ
21とバルブV12が設けられた第1の冷却配管Dが形成
されている。一方、ポンプ51の下流側には、分岐路を
有し、両分岐路にそれぞれバルブV11とバルブV22が設
けられた第2の冷却配管Eが形成されている。
【0023】この様な冷却系を備えた静止誘導電気機器
は、以下の様に作用する。即ち、巻線下部から冷媒を導
入する場合には、バルブV11とV12を閉め、バルブ
21,V22を開けて運転すれば良い。一方、巻線上部か
ら冷媒を導入する場合には、バルブV21,V22を閉め、
バルブV11とV12を開けて運転すれば良いので、冷却器
50及びポンプ51はそれぞれ1台ですみ、経済的に有
利な静止誘導電気機器とすることができる。
【0024】なお、巻線の上部あるいは下部に交互に冷
媒を導入する場合、その切り替えは、ある一定時間ごと
に行っても良く、また、静止誘導電気機器の負荷によっ
て、切り替える間隔を調整しても良い。また、上記の様
に、上部及び下部の両方から冷媒を導入できる構造の巻
線は、複数の単位変圧器で構成される静止誘導電気機器
の内の一つの単位変圧器の巻線でも良く、全ての単位変
圧器に用いても良い。さらに、上部及び下部の両方から
冷媒を導入できる構造は、巻線3を構成する全ての巻線
に設けても良く、一部の巻線のみとしても良い。
【0025】この様な構成を有する本実施例の静止誘導
電気機器は、以下に述べる様に作用する。即ち、従来、
巻線の軸方向に適宜配設される閉塞栓4の間の巻線にお
いては、巻線の下部から上部に、また内径側から外径側
に冷媒が流れる場合に、閉塞栓の上側に位置する巻線の
温度の方が、閉塞線の下側に位置する巻線の温度よりも
高く、また、巻線の内側の温度の方が、巻線の外側の温
度よりも高くなる温度勾配であった。しかし、本実施例
においては、閉塞栓4の配置をそのままにして、冷媒の
巻線3への導入方向を、巻線の下部から上部へと交換す
ることにより、巻線内の温度勾配が、冷媒を下部から導
入した場合の逆になり、巻線全体の温度が平均化され
る。なお、この効果は、冷媒の導入方向を交互に交換す
れば、さらに、良くなる。
【0026】その結果、静止誘導電気機器に用いられる
絶縁物の最高温度が低下し、絶縁物の寿命が長くなるだ
けでなく、従来の静止誘導電気機器で絶縁物寿命の判断
基準であった突出した高温の部位がなくなり、より経済
的に絶縁物を配置し、使用することができる。また、絶
縁物の一部分が熱により劣化することも防止できるの
で、絶縁物の熱劣化が均等に進行し、均等に枯れが生じ
るため、絶縁物の一部分が枯れたことによる絶縁物間の
隙間が生じにくく、絶縁物の寸法の変化も少なくなり、
絶縁信頼性が高くなる。さらに、絶縁物の劣化を防止で
きることから、絶縁物の強度を維持できるので、巻線に
ガタが生じることを防止でき、巻線全体が強固に巻線構
造材に固定され、機械的強度も向上する。また、通電時
の振動をも吸収するので、振動低減、ひいては騒音低減
の効果も有する。
【0027】(第2実施例)本実施例においては、図5
に示した様に、各セクションの巻線3が、それぞれ2分
割され、内側ダクト用レール(図示せず)に巻回された
内側巻線31と、外側ダクト用レール(図示せず)に巻
回された外側巻線32とから構成されている。また、従
来型と同様に、巻線3には数セクションごとに閉塞栓4
が配置されるが、本実施例においては、巻線3の両サイ
ドから中央部へ配置される閉塞栓4aと、巻線3の配設
部位に対応する位置に配置される閉塞栓4bとが、軸方
向に交互に配置されている。
【0028】この様な構成を有する本実施例の静止誘導
電気機器は、以下に述べる様に作用する。即ち、巻線3
が内側巻線31と外側巻線32とに分割され、各巻線の
間から冷媒が導入されるように構成されており、また、
閉塞栓4が上記の様に互い違いに配置されているため、
冷媒は図5に示した様な流路で巻線3内を流れる。
【0029】この様に、本実施例においては、巻線3を
半径方向に2分割することにより、冷媒により冷却され
る巻線断面積が減少するため、巻線の半径方向の温度勾
配が小さくなる。また、冷媒が各巻線内を通過する距離
が減少するので、巻線全体の温度が平均化される。その
結果、静止誘導電気機器に用いられる絶縁物の最高温度
が平均的に低下し、絶縁物の寿命が長くなるだけでな
く、従来の静止誘導電気機器で絶縁寿命の判断基準であ
った突出した高温の部位がなくなり、より経済的に絶縁
物を配置し、使用することができる。
【0030】また、絶縁物の一部分のみが熱により劣化
するということがなく、均等に劣化し、均等に枯れが生
じるため、絶縁物の一部分のみが枯れたことによる絶縁
物間の隙間が生じにくく、絶縁物寸法の変化も小さく、
絶縁信頼性が向上する。さらに、絶縁物の劣化を防止で
きることから、絶縁物の強度を維持できるので、巻線に
ガタが生じることを防止でき、巻線全体が強固に巻線構
造材に固定され、その機械的強度も向上する。また、通
電時の振動をも吸収することができるので、振動低減、
ひいては騒音低減も可能となる。
【0031】なお、本発明は上述した実施例に限定され
るものではなく、内側巻線31及び外側巻線32は、巻
線3の半径方向中央部から均等に2分割しても良く、ま
た、断面積を考慮して、外側巻線32の半径方向寸法
を、内側巻線31の半径方向寸法よりも大きくしても良
い。また、図5においては、外側巻線32と内側巻線3
1は下部と上部の半径方向寸法が同一であるが、巻線下
部を上部より大きく、または、巻線上部を下部よりも大
きくなるように構成しても良い。さらに、冷媒の導入方
向は、図5に示した様に、巻線3の下部より上部方向だ
けでなく、上部から下部に導入しても良い。
【0032】(第3実施例)本実施例においては、図6
に示した様に、巻線3内への冷媒導入口40が、巻線3
の側面中央部に設けられ、導入された冷媒が巻線3の上
下、両方向へ流れるように構成されている。なお、他の
部分は、図9に示した従来型と同様に構成されている。
【0033】この様な構成を有する本実施例の静止誘導
電気機器は、以下に述べる様に作用する。即ち、冷媒導
入口40が巻線3の側面中央部に設けられているため、
冷媒は図6に示した様な流路で、巻線3内を上下方向に
流れる。
【0034】この様に、本実施例においては、冷媒を巻
線中央部より導入することにより、冷媒が巻線内を通過
する距離が減少するので、巻線全体の温度が平均化され
る。これにより、静止誘導電気機器に用いられる絶縁物
の最高温度が平均的に低下し、絶縁物の寿命が長くな
り、経済的に絶縁物を配置し、使用することができる。
また、絶縁物の一部分のみが熱により劣化するというこ
とがなく、均等に劣化し、均等に枯れが生じるため、絶
縁物の一部分のみが枯れたことによる絶縁物間の隙間が
生じにくく、絶縁物寸法の変化も小さく、絶縁信頼性が
向上する。さらに、絶縁物の劣化を防止できることか
ら、絶縁物の強度を維持できるので、巻線にガタが生じ
ることを防止でき、巻線全体が強固に巻線構造材に固定
され、その機械的強度も向上する。また、通電時の振動
をも吸収することができるので、振動低減、ひいては騒
音低減も可能となる。
【0035】なお、本発明は上述した実施例に限定され
るものではなく、一般に、巻線は上部の温度が高いの
で、これを効率良く冷却するために、上部巻線側の冷媒
の冷却距離が短くなるように、冷媒導入口40を巻線3
の側面中央部より上部に設けても良い。
【0036】(第4実施例)本実施例においては、図7
及び図8に示した様に、巻線の各セクション間の間隙を
保持するために配設されるスペーサ10を、その平面形
状が略台形となるように構成し、冷媒に接する巻線の面
積が、冷媒の導入側の方が導出側よりも大きくなるよう
に構成されている。なお、この様に構成したスペーサ1
0は、巻線全体のセクションに配置しても良く、一部分
のセクションに配置しても良い。また、セクション全体
に配置しても良く、セクションの一部分のスペーサに適
用しても良い。
【0037】この様な構成を有する本実施例の静止誘導
電気機器は、以下に述べる様に作用する。即ち、図11
に示した様な従来の構成では、閉塞栓間の巻線において
は、冷媒の導入側の温度が導出側よりも低くなるため、
巻線の半径方向に温度勾配が生じていたが、本実施例に
おいては、冷媒に接する巻線の面積を、冷媒の導入側を
導出側よりもさらに大きくして、導入側の冷却効率を若
干低下させると共に、導出側の冷却効率を相対的に上げ
ることにより、巻線の半径方向の温度勾配を減少させる
ことができる。これにより、巻線の冷却を効率良く行え
るので、静止誘導電気機器に用いられる絶縁物の最高温
度を低下させることができ、絶縁物の寿命を長くするこ
とができ、経済的に絶縁物を配置し、使用することがで
きる。
【0038】また、絶縁物の一部分のみが熱により劣化
するということがなく、均等に劣化し、均等に枯れが生
じるため、絶縁物の一部分のみが枯れたことによる絶縁
物間の隙間が生じにくく、絶縁物寸法の変化も小さく、
絶縁信頼性が向上する。さらに、絶縁物の劣化を防止で
きることから、絶縁物の強度を維持できるので、巻線に
ガタが生じることを防止でき、巻線全体が強固に巻線構
造材に固定され、その機械的強度も向上する。また、通
電時の振動をも吸収することができるので、振動低減、
ひいては騒音低減も可能となる。
【0039】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、巻
線の上部及び下部から交互に冷却媒体を流入させたり、
巻線を2分割しその間から冷却媒体を導入したり、巻線
側面より冷却媒体を導入したり、あるいはスペーサの寸
法を冷媒導入方向で変化させたりすることにより、巻線
の冷却効率を向上させて絶縁信頼性を高め、巻線の機械
的強度を高めると共に、通電時の振動をも吸収した、低
騒音の静止誘導電気機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の静止誘導電気機器の第1実施例の構成
を示す概略断面図
【図2】本発明の第1実施例に用いられるタンク外部の
冷却系統図の一例を示す図
【図3】本発明の第1実施例に用いられるタンク外部の
冷却系統図の他の例を示す図
【図4】本発明の第1実施例に用いられるタンク外部の
冷却系統図の他の例を示す図
【図5】本発明の第2実施例の構成を示す概略断面図
【図6】本発明の第3実施例の構成を示す概略断面図
【図7】本発明の第4実施例の構成を示す巻線半径方向
断面図
【図8】本発明の第4実施例の構成を示す巻線半径方向
断面図
【図9】従来の静止誘導電気機器の構成を示す概略断面
【図10】従来の静止誘導電気機器の巻線内の温度分布
を示す図
【図11】従来の静止誘導電気機器の巻線半径方向断面
【図12】従来の静止誘導電気機器の絶縁材料の耐熱寿
命の概念図
【符号の説明】 1…外側絶縁筒 2…内側絶縁筒 3…巻線 4…閉塞栓 10…スペーサ 11…タンク 12…上側冷媒止め 13…下側冷媒止め 31…内側巻線 32…外側巻線 40…冷媒導入口

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄心の周りに配置した基礎絶縁筒の周囲
    に導体を巻回して巻線を形成し、前記巻線の各巻回層の
    間に、その周方向に等間隔にスペーサを配置し、さら
    に、前記巻線の複数巻回層ごとに、巻線冷却用の冷媒の
    流路を規制するための閉塞栓を配置して成る静止誘導電
    気機器において、 前記巻線の上下両方向から、交互に冷媒を導入するよう
    に構成したことを特徴とする静止誘導電気機器。
  2. 【請求項2】 前記巻線を、鉄心の周りに配置した内側
    基礎絶縁筒の周囲に巻回した内側巻線と、外側基礎絶縁
    筒の周囲に巻回した外側巻線とに2分割して構成し、ま
    た、前記閉塞栓を、前記巻線の両サイドから中央部へ配
    置される閉塞栓と、巻線の配設部位に対応する位置に配
    置される閉塞栓とを軸方向に交互に配置して構成したこ
    とを特徴とする請求項1記載の静止誘導電気機器。
  3. 【請求項3】 鉄心の周りに配置した基礎絶縁筒の周囲
    に導体を巻回して巻線を形成し、前記巻線の各巻回層の
    間に、その周方向に等間隔にスペーサを配置し、さら
    に、前記巻線の複数巻回層ごとに、巻線冷却用の冷媒の
    流路を規制するための閉塞栓を配置して成る静止誘導電
    気機器において、 前記冷媒を、巻線の側面部から導入するように構成した
    ことを特徴とする静止誘導電気機器。
  4. 【請求項4】 巻線の周方向に等間隔に配設されるスペ
    ーサを、その平面形状が略台形となるように構成し、ま
    た、冷媒導入側の巻線の面積が導出側の面積より大きく
    なるように、巻線の各巻回層の間に配設したことを特徴
    とする請求項1又は請求項2又は請求項3記載の静止誘
    導電気機器。
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