JPH07161461A - 誘導加熱コイル - Google Patents

誘導加熱コイル

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JPH07161461A
JPH07161461A JP31194193A JP31194193A JPH07161461A JP H07161461 A JPH07161461 A JP H07161461A JP 31194193 A JP31194193 A JP 31194193A JP 31194193 A JP31194193 A JP 31194193A JP H07161461 A JPH07161461 A JP H07161461A
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heating coil
peripheral wall
heated
inner peripheral
induction heating
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Yoshimasa Tanaka
嘉昌 田中
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、筒体の内周壁の任意の箇所を部分
分割して一括加熱焼入する処理を容易にする加熱コイル
を提供することを目的とする。 【構成】 加熱コイル1のケーブル接続部5a,5bに
接続されるケーブルを介して図外の電源装置から供給さ
れる交流電流により、加熱コイル1の外周壁7に対向し
て設置される被加熱部材11の内周壁面12との間に発
生される交番磁束により発生される磁束Φの強さは、凸
部1a部分では弱くなり、凹部4部分では強くなること
によって、同じ加熱時間内に、各凹部4の形成位置に対
向する被加熱部材11の内周壁12は、より強く加熱さ
れ、被加熱部材11の内周壁12の周方向に部分的に焼
入層12aを一括して形成することがが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、円筒状被加熱部材の内
周表面を分割して加熱焼入れ処理する際に利用する誘導
加熱コイルに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の円筒状被加熱部材の内周壁を全周
にわたって焼入れする際に利用される加熱コイルとして
は、例えば、本出願人により先に出願された特開昭58
−73990号公報に記載された「誘導加熱コイル」等
がある。
【0003】この誘導加熱コイルでは、被加熱部材とな
る小径筒体の内周壁に等間隔で横縞条焼入層を形成する
ように各巻回導体部を交互に巻回方向を変更するように
形成するとともに、その各巻回導体部において発生する
交番磁束が対向する被加熱部材となる小径筒体の所定内
周壁にのみ集中するように、各巻回導体部に磁性体から
なるコアを付加している。
【0004】したがって、この誘導加熱コイルを利用し
て加熱焼入れ処理される小径筒体内壁には、従来の全周
焼入れによる歪みを発生させることなく、横縞状焼入層
を形成して、被加熱部材となる小径筒体の所定内壁に耐
摩耗性を付与している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな上記従来の誘導加熱コイルにあっては、被加熱部材
となる小径筒体の内周壁に等間隔で横縞条焼入層を形成
するように複数の巻回導体部を交互に巻回方向を変更す
るように形成するとともに、その各巻回導体部において
発生する交番磁束が対向する被加熱部材となる小径筒体
の所定内周壁にのみ集中するように、各巻回導体部に磁
性体からなるコアを付加するという構成となっていたた
め、その誘導加熱コイルの構成が複雑になって製造コス
トを上昇させるという問題点があった。
【0006】また、その誘導加熱コイルの構成上、小径
筒体あるいは大径筒体の内周壁に等間隔で横縞条焼入層
を形成することにしか利用できないため、例えば、筒体
の内周壁に対して任意の箇所を分割し、かつ一括で加熱
焼入処理するといった要求に対しては、応ずることがで
きないという問題点もあった。
【0007】さらに、誘導加熱コイルが複数の巻回導体
部により構成されるため、その誘導加熱コイルに供給す
る電力が増大し、各巻回導体部における供給電力を一定
に制御することも難しくなる。
【0008】〔目的〕本発明は、筒体の内周壁の任意の
箇所を部分分割して一括加熱焼入する処理を容易にする
加熱コイルを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の手段は次の通り
である。
【0010】本発明は、略円筒状導体部材により形成さ
れた誘導子と、この誘導子に所定間隔をおいて設置した
円筒状被加熱部材の内周壁に誘導電流を発生させ、当該
被加熱部材の内周壁に焼入層を形成する誘導加熱コイル
であって、前記誘導子を形成する円筒状誘導体部材の内
周壁の周方向に所定間隔をおいて、部分的に凹部を複数
形成することにより、当該各凹部に対向する前記円筒状
被加熱部材の内周壁を分割加熱し、当該円筒状被加熱部
材の内周壁の周方向に部分分割焼入層を一括して形成す
ることを特徴としている。
【0011】
【作用】本発明の手段の作用は次の通りである。
【0012】本発明によれば、略円筒状導体部材により
形成された誘導子と、この誘導子に所定間隔をおいて設
置した円筒状被加熱部材の内周壁に誘導電流を発生さ
せ、当該被加熱部材の内周壁に焼入層を形成する誘導加
熱コイルであって、前記誘導子を形成する円筒状誘導体
部材の内周壁の周方向に所定間隔をおいて、部分的に凹
部を複数形成することにより、当該各凹部に対向する前
記円筒状被加熱部材の内周壁が分割加熱され、当該円筒
状被加熱部材の内周壁の周方向に部分分割焼入層が一括
して形成される。
【0013】したがって、筒体内周壁の周方向の任意の
位置を部分分割して加熱焼入れする処理を一括して行う
ことができ、より多くの焼入れパターンの要求に容易に
対応することができる。
【0014】また、その構造が単純であるため、電源装
置からの供給電流量を少なくし、かつ供給電流量の制御
も容易にでき、電源装置における電力負担及び制御負担
を軽減することができ、この誘導加熱コイルを利用する
システムの低コスト化を図ることができる。このため、
誘導加熱コイル自身の消耗度合も低減し、長寿命化を実
現することができ、メンテナンスコストも低減すること
ができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例を図を参照して
説明する。
【0016】図1〜図8は、本発明に係る誘導加熱コイ
ルの一実施例を示す図である。
【0017】図1は、誘導加熱コイル1(以下、加熱コ
イル1という)の外観斜視図である。図1において、加
熱コイル1は、円筒状導体部材2により形成され、その
内周壁3に、当該円筒状導体部材2の肉厚を部分的に薄
くする凹部4,4,…が周方向に、約30゜づつ間隔を
おいて12箇所に形成されるとともに、加熱コイル1に
外部のインバータ電源装置(図示せず)との間に接続さ
れる供給電流用ケーブルを接続するためのケーブル接続
部5a,5bが形成されている。
【0018】このケーブル接続部55a,5bの間に絶
縁部材6を挟むことによって、1ターンの加熱コイルが
形成されている。
【0019】本実施例の加熱コイル1は、円筒状の被加
熱部材の内壁を一括して加熱焼入れするためのものであ
り、図2に示す平面図のように、円筒状の被加熱部材1
1の内周壁12から所定間隔をおいた位置に加熱コイル
1が設置される。この図2では、加熱コイル1の平面上
で被加熱部材11をカットした断面を示しており、加熱
コイル1の各凹部4が形成された位置に対向する被加熱
部材11の内周壁12に焼入層が形成される様子を示し
ている。
【0020】すなわち、図2の一部を拡大して示す図3
において、被加熱部材11と加熱コイル1の凹部4が形
成されていない凸部1aとのA−A線矢視断面図と、被
加熱部材11と加熱コイル1の凹部4とのB−B線矢視
断面図を図3に示して着目すると、円筒状導体部材を流
れる高周波電流は、高周波電流の特徴である近接効果に
より被加熱部材により近い側を流れる性質がある。この
ため、図4に示すように円筒状導体部材の外側を流れる
電流路として流れる。
【0021】ここで、円筒状導体部材の電流路を図4に
示す仮想的な電流路O1 と考えた場合、円筒状導体部材
に流れる電流により発生する磁束Φは、図3に示したよ
うになる。但し、図3において、磁束Φの添え字番号
は、A−A、B−B断面では等間隔である。この時、円
筒状導体部材のA−A、B−B断面の周方向厚さをt
a、tb とした場合、“tb <ta ”となっている。
【0022】高周波電流O1 により発生する磁束Φは、
それぞれの導体面上に示すと図4のようになるが、図3
の磁束Φ5 、磁束Φ6 の場合、B−B断面の周方向厚さ
tbは、導体部材の一方端よりはずれるが、A−A断面
の周方向厚さta の場合は、導体部材を導体厚み方向で
切るように発生することになる。これは磁束Φ5 、磁束
Φ6 は、A−A断面の周方向厚さta の場合、導体部材
の一部を自己加熱(ローカルヒーティング)する結果と
なり、得られる磁束Φの強さは、B−B断面の周方向厚
さtb の場合に比べ弱くなる。このため、被加熱部材に
流れる誘導電流の近接効果が弱くなり、B−B断面の周
方向厚さtb に比べA−A断面の周方向厚さta の加熱
効果は弱くなる。
【0023】これに対し、B−B断面の周方向厚さtb
の磁束は強くなり、誘導電流の近接効果が強くなり、結
果として円筒状導体部材凹部に対応する部分の被加熱部
材の内周壁は、より強く加熱され、図2に示すように、
被加熱部材11の内周壁12の周方向に部分的に焼入層
12aを一括して形成することがが可能となる。また、
その加熱焼入処理された被加熱部材11の内周壁12の
表面を、図5(a)に示すように展開すると、その焼入
層12aが、内周壁12の周方向を部分分割するように
形成されている。
【0024】また、加熱コイル1を被加熱部材11の軸
上を移動しながら加熱焼入処理を繰り返し行うことによ
って、図5(b)に示すように、2条に部分分割焼入層
を形成することもできるし、さらに、その軸上を移動す
る際に、加熱コイル1を所定角度回転させることによっ
て、図5(c)に示すように、2条の部分分割焼入層を
千鳥状に形成することもできる。
【0025】本実施例の加熱コイル1による筒体の被加
熱部材11の内周壁12に対する焼入れパターンは、こ
の図5(b)及び図5(c)に示すように2条にわたっ
て形成する場合に限らず、より多くの複数条にわたって
形成することが可能であることは勿論である。また、加
熱コイル1に形成する凹部4の間隔は、その加熱焼入れ
間隔が重ならない程度に任意に変更可能であり、顧客の
要求する多くの部分加熱焼入れパターンに充分に応じる
ことができる。
【0026】また、加熱コイル1の各凹部4,4,…に
コア21,21,…を取り付けた場合の外観図を図6に
示す。また、図7に、この図7の加熱コイル1に被加熱
部材11をセットした場合の平面図を示す。
【0027】このように、各凹部4にコア21を取り付
けることによって、図8に示すように、凹部4に対向す
る被加熱部材11の内周壁12との間に発生する交番磁
束Φ3は、前方に集中するようになり、その内周壁12
に形成する部分分割焼入層12aをより深く形成するこ
とができる。
【0028】したがって、より深い部分分割焼入層の形
成を望む顧客に対しては、コア21を取り付けることで
容易に対応することができる。
【0029】但し、コア21を取り付けた場合は、加熱
の進行する速度が早まり、部分焼入層を形成する間隔が
狭すぎると、各部分焼入層がつながってしまう可能性が
あるため、コア21を取り付けない場合に比べて凹部4
を形成する間隔を広げる必要がある。
【0030】以上のように、本実施例の加熱コイル1
は、その円筒状導体部材2により形成され、その内周壁
3に、当該円筒状導体部材2の肉厚を部分的に薄くする
凹部4,4,…を周方向に、所定間隔をおいて複数箇所
に形成するようにしただけであるため、加熱コイル1の
構造が単純化されて従来の誘導加熱コイルに比べて低コ
ストで製作することができる。
【0031】また、その加熱コイル1の構造上、被加熱
部材である筒体内周壁との間隔を周方向で一定に保つよ
うに調整することが容易にでき、筒体内周壁の周方向の
任意箇所を加熱焼入する処理を一括して容易にできる。
【0032】このため、例えば、フランジ付シャフトの
一発焼きにおいて、本発明の誘導加熱コイルを利用すれ
ば、従来の誘導加熱コイルのようにコアを使用しなくて
も、焼入れ深さを容易に調整することができる。
【0033】さらに、本実施例の加熱コイル1は、1タ
ーン構成であるため、外部の電源装置からの供給電流量
を少なくし、かつ供給電流量の制御も容易にでき、イン
バータ電源装置における電力負担及び制御負担を軽減す
ることができる。このため、加熱コイル1自身の消耗度
合も低減し、長寿命化を実現することができ、メンテナ
ンスコストも低減することができる。
【0034】以上本発明者によってなされた発明を実施
例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例に
限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で
種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、上
記加熱コイル1に形成する凹部4の間隔を、その加熱焼
入層が重ならない程度に任意に変更可能である。
【0035】
【発明の効果】本発明の誘導加熱コイルによれば、筒体
内周壁の周方向の任意の位置を部分分割して加熱焼入れ
する処理を一括して行うことができ、より多くの焼入れ
パターンの要求に容易に対応することができる。
【0036】また、その構造が単純であるため、電源装
置からの供給電流量を少なくし、かつ供給電流量の制御
も容易にでき、電源装置における電力負担及び制御負担
を軽減することができ、この誘導加熱コイルを利用する
システムの低コスト化を図ることができる。このため、
誘導加熱コイル自身の消耗度合も低減し、長寿命化を実
現することができ、メンテナンスコストも低減すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の誘導加熱コイルの一実施例の外観斜視
図。
【図2】図1の誘導加熱コイルに筒体被加熱部材をセッ
トした場合の平面図。
【図3】図4のA−A線及びB−B線矢視断面図。
【図4】図2の誘導加熱コイルと被加熱部材の内周壁と
の間に発生する交番磁束の状態を示す図。
【図5】(a)は図2の被加熱部材の内周壁を展開して
焼入層の形成パターンを示す図。(b)は本発明の誘導
加熱コイルによるその他の焼入層の形成パターンを示す
図。(c)は本発明の誘導加熱コイルによるその他の焼
入層の形成パターンを示す図。
【図6】図1の誘導加熱コイルにコアを取り付けた場合
の外観斜視図。
【図7】図6の誘導加熱コイルに筒体被加熱部材をセッ
トした場合の平面図。
【図8】図7の凹部被加熱部材の内周壁との間に発生す
る交番磁束の状態を示す図。
【符号の説明】
1 誘導加熱コイル 2 円筒状導体部材 3 内周壁 4 凹部 5a,5b ケーブル接続部 6 絶縁部材 7 外周壁 11 被加熱部材 12 内周壁 12a 焼入層 21 コア

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】略円筒状導体部材により形成された誘導子
    と、この誘導子に所定間隔をおいて設置した円筒状被加
    熱部材の内周壁に誘導電流を発生させ、当該円筒状被加
    熱部材の内周壁に焼入層を形成する誘導加熱コイルであ
    って、 前記誘導子を形成する円筒状誘導体部材の内周壁の周方
    向に所定間隔をおいて、部分的に凹部を複数形成するこ
    とにより、当該各凹部に対向する前記円筒状被加熱部材
    の内周壁を分割加熱し、当該円筒状被加熱部材の内周壁
    の周方向に部分分割焼入層を一括して形成することを特
    徴とする誘導加熱コイル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20000001250A (ko) * 1998-02-03 2000-01-15 오타니 시게히사 정밀유도가열형 담금질장치와 담금질방법
US6673304B2 (en) * 2001-02-21 2004-01-06 Neturen Co., Ltd. Apparatus for heat-treating a V-type cylinder block by induction heating

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