JP2022145489A - 円筒状金属コイルの誘導加熱装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】誘導加熱によって円筒状金属コイルを均一に、かつ効果的に加熱する。【解決手段】金属帯板が円筒状に巻回された円筒状金属コイルの外周面または内周面の少なくともいずれかに対向し、円筒状金属コイルの全幅にわたって表層に渦電流を発生させるように配置された誘導コイルと、円筒状金属コイルを巻回方向に回転させる回転駆動手段とを備える、円筒状金属コイルの誘導加熱装置が提供される。【選択図】図1
Description
本発明は、円筒状金属コイルの誘導加熱装置に関する。
金属帯板が円筒状に巻回された円筒状金属コイルを効率よく、均一に短時間で加熱する方法として、特許文献1には、金属帯板の巻き層(以下、「金属帯板の巻き層」を単に「巻き層」ともいう。)間が絶縁するように巻いた円筒状金属コイルの内側を貫通する鉄心と、一次側誘導コイル(以下、一次コイルともいう。)を巻いた鉄心とを円筒状金属コイルの外で連結してリング状トランスを構成するとともに、円筒状金属コイルをトランスの二次側誘導コイル(以下、二次コイルともいう。)とするとともに、最外周部の金属帯板と最内周部の金属帯板とを導電部材で短絡して二次閉回路を構成する技術が記載されている。この場合、一次コイルに電圧を加えることによって、円筒状金属コイルに二次電流が流れて加熱される。
また、他の加熱方法として、誘導加熱を利用した方法も提案されている。特許文献2には、円筒状金属コイルの表面を局所的に誘導加熱するトランスバース磁束誘導子を移動させながら加熱を実施する技術が記載されている。特許文献3には、巻き取り後の円筒状金属コイルを回転駆動させながら、円筒状金属コイルの断面を囲むように巻回されたソレノイドコイルを用いて誘導加熱する技術が記載されている。また、特許文献4には、円筒状金属コイルの幅方向端部に対向配置された誘導加熱コイルを用いて円筒状金属コイルの全体を加熱する技術が記載されている。
上記の特許文献1に記載されたようなトランスの効果を利用した加熱方法では、円筒状金属コイルの巻き層間の絶縁が必要になる。円筒状金属コイルの巻き取り時に巻き層間に絶縁材を介挿したり、圧延工程で金属帯板の表面に生成しているスケールを利用したりすることによって巻き層間の絶縁が可能である。しかしながら、絶縁材の挿入には別途の装置が必要であり、また絶縁材の耐久性も確保する必要があることから、絶縁材を利用する方法にはコスト増の問題がある。また、金属帯板のスケールは必ずしも均一に生成せず、剥離する場合もあることから、スケールを利用する場合は安定した巻き層間の絶縁が難しい場合がある。
また、特許文献2に記載された技術のように円筒状金属コイルの表面を局所的に誘導加熱する方法でも、円筒状金属コイルの巻き層間はスパーク回避のために絶縁する必要があるうえ、被加熱材である円筒状金属コイルのサイズが大きいため、加熱効率が低いという問題がある。特許文献3に記載された技術は、円筒状金属コイルの断面全体を囲むように誘導コイルを巻き付けるのは容易ではなく、また、円筒状金属コイルの幅や積層厚さ(金属帯板が巻き回されて積層された径方向の寸法)が変更された場合の対応が困難である。また、巻回されている金属帯板の幅の変化や巻き取り時の幅方向位置ずれによって円筒状金属コイルの端面には凹凸が生じることが多いため、特許文献4に記載された技術では端面から飛び出た部分の過加熱が生じやすく、均一な加熱は困難である。
そこで、本発明は、誘導加熱によって円筒状金属コイルを均一に、かつ効果的に加熱することが可能な誘導加熱装置を提供することを目的とする。
[1]金属帯板が円筒状に巻回された円筒状金属コイルの外周面または内周面の少なくともいずれかに対向し、円筒状金属コイルの全幅にわたって表層に渦電流を発生させるように配置された誘導コイルと、円筒状金属コイルを巻回方向に回転させる回転駆動手段とを備える、円筒状金属コイルの誘導加熱装置。
[2]誘導加熱装置は、円筒状金属コイルの中心部を貫通する鉄心をさらに備え、誘導コイルは、鉄心の回りに巻回されて内周面に対向する誘導コイルを含む、[1]に記載の円筒状金属コイルの誘導加熱装置。
[3]鉄心の少なくとも一方の端部に接続され、円筒状金属コイルの円筒軸に交差する方向に延びる第1の部分と、第1の部分の先端が円筒状金属コイルの幅方向端面に対向するように曲げられた第2の部分とを含む延長鉄心をさらに含む、[2]に記載の円筒状金属コイルの誘導加熱装置。
[4]延長鉄心は、第1の延長鉄心と、第1の部分が第1の延長鉄心の第1の部分に交差する方向に延びる第2の延長鉄心とを含む、[3]に記載の円筒状金属コイルの誘導加熱装置。
[5]第2の部分が円筒状金属コイルの幅方向両端面に対向する位置が、円筒状金属コイルの積層厚さ方向について、円筒状金属コイルの幅方向両側で異なる、[3]または[4]に記載の円筒状金属コイルの誘導加熱装置。
[6]第2の部分の回りに巻回される追加の誘導コイルをさらに備える、[3]から[5]のいずれか1項に記載の円筒状金属コイルの誘導加熱装置。
[7]延長鉄心は、鉄心に対して円筒状金属コイルの積層厚さ方向または幅方向に移動自在である、[3]から[6]のいずれか1項に記載の円筒状金属コイルの誘導加熱装置。
[8]鉄心が、回転駆動手段に対して相対的に移動自在である、[2]から[7]のいずれか1項に記載の円筒状金属コイルの誘導加熱装置。
[9]回転駆動手段が、鉄心に対して相対的に移動自在である、[2]から[7]のいずれか1項に記載の円筒状金属コイルの誘導加熱装置。
[10]円筒状金属コイルの巻き層間は絶縁されており、誘導加熱装置は、円筒状金属コイルの外周面をなす金属帯板および内周面をなす金属帯板に接続される短絡手段をさらに備える、[2]から[9]のいずれか1項に記載の円筒状金属コイルの誘導加熱装置。
[11]誘導コイルは、円筒状金属コイルの幅方向について分割された複数の誘導コイルを含み、誘導加熱装置は、複数の誘導コイルのそれぞれに供給される電力を制御する制御手段をさらに備える、[1]から[10]のいずれか1項に記載の円筒状金属コイルの誘導加熱装置。
[12]誘導コイルに対して円筒状金属コイルの外周面または内周面とは反対側に配置される磁性体コアをさらに備える、[1]から[11]のいずれか1項に記載の円筒状金属コイルの誘導加熱装置。
[13]磁性体コアは、円筒状金属コイルの幅方向について分割された複数の磁性体コアを含み、誘導加熱装置は、複数の磁性体コアの少なくとも一部を円筒状金属コイルの幅方向に移動させる磁性体コア移動手段をさらに備える、[12]に記載の円筒状金属コイルの誘導加熱装置。
[14]誘導コイルを円筒状金属コイルの径方向に移動させる誘導コイル移動手段をさらに備える、[1]から[13]のいずれか1項に記載の円筒状金属コイルの誘導加熱装置。
[15]誘導コイルは、円筒状金属コイルの幅方向について分割された複数の誘導コイルを含み、誘導加熱装置は、複数の誘導コイルの少なくとも一部を円筒状金属コイルの幅方向に移動させる誘導コイル移動手段をさらに備える、[1]から[14]のいずれか1項に記載の円筒状金属コイルの誘導加熱装置。
[16]渦電流の浸透深さが円筒状金属コイルの所定の数の巻き層に対応するように誘導コイルに供給する交流電流の周波数を制御する制御手段をさらに備える、[1]から[15]のいずれか1項に記載の円筒状金属コイルの誘導加熱装置。
[2]誘導加熱装置は、円筒状金属コイルの中心部を貫通する鉄心をさらに備え、誘導コイルは、鉄心の回りに巻回されて内周面に対向する誘導コイルを含む、[1]に記載の円筒状金属コイルの誘導加熱装置。
[3]鉄心の少なくとも一方の端部に接続され、円筒状金属コイルの円筒軸に交差する方向に延びる第1の部分と、第1の部分の先端が円筒状金属コイルの幅方向端面に対向するように曲げられた第2の部分とを含む延長鉄心をさらに含む、[2]に記載の円筒状金属コイルの誘導加熱装置。
[4]延長鉄心は、第1の延長鉄心と、第1の部分が第1の延長鉄心の第1の部分に交差する方向に延びる第2の延長鉄心とを含む、[3]に記載の円筒状金属コイルの誘導加熱装置。
[5]第2の部分が円筒状金属コイルの幅方向両端面に対向する位置が、円筒状金属コイルの積層厚さ方向について、円筒状金属コイルの幅方向両側で異なる、[3]または[4]に記載の円筒状金属コイルの誘導加熱装置。
[6]第2の部分の回りに巻回される追加の誘導コイルをさらに備える、[3]から[5]のいずれか1項に記載の円筒状金属コイルの誘導加熱装置。
[7]延長鉄心は、鉄心に対して円筒状金属コイルの積層厚さ方向または幅方向に移動自在である、[3]から[6]のいずれか1項に記載の円筒状金属コイルの誘導加熱装置。
[8]鉄心が、回転駆動手段に対して相対的に移動自在である、[2]から[7]のいずれか1項に記載の円筒状金属コイルの誘導加熱装置。
[9]回転駆動手段が、鉄心に対して相対的に移動自在である、[2]から[7]のいずれか1項に記載の円筒状金属コイルの誘導加熱装置。
[10]円筒状金属コイルの巻き層間は絶縁されており、誘導加熱装置は、円筒状金属コイルの外周面をなす金属帯板および内周面をなす金属帯板に接続される短絡手段をさらに備える、[2]から[9]のいずれか1項に記載の円筒状金属コイルの誘導加熱装置。
[11]誘導コイルは、円筒状金属コイルの幅方向について分割された複数の誘導コイルを含み、誘導加熱装置は、複数の誘導コイルのそれぞれに供給される電力を制御する制御手段をさらに備える、[1]から[10]のいずれか1項に記載の円筒状金属コイルの誘導加熱装置。
[12]誘導コイルに対して円筒状金属コイルの外周面または内周面とは反対側に配置される磁性体コアをさらに備える、[1]から[11]のいずれか1項に記載の円筒状金属コイルの誘導加熱装置。
[13]磁性体コアは、円筒状金属コイルの幅方向について分割された複数の磁性体コアを含み、誘導加熱装置は、複数の磁性体コアの少なくとも一部を円筒状金属コイルの幅方向に移動させる磁性体コア移動手段をさらに備える、[12]に記載の円筒状金属コイルの誘導加熱装置。
[14]誘導コイルを円筒状金属コイルの径方向に移動させる誘導コイル移動手段をさらに備える、[1]から[13]のいずれか1項に記載の円筒状金属コイルの誘導加熱装置。
[15]誘導コイルは、円筒状金属コイルの幅方向について分割された複数の誘導コイルを含み、誘導加熱装置は、複数の誘導コイルの少なくとも一部を円筒状金属コイルの幅方向に移動させる誘導コイル移動手段をさらに備える、[1]から[14]のいずれか1項に記載の円筒状金属コイルの誘導加熱装置。
[16]渦電流の浸透深さが円筒状金属コイルの所定の数の巻き層に対応するように誘導コイルに供給する交流電流の周波数を制御する制御手段をさらに備える、[1]から[15]のいずれか1項に記載の円筒状金属コイルの誘導加熱装置。
上記の構成によれば、回転駆動手段が円筒状金属コイルを巻回方向に回転させるため、円筒状金属コイルの外周面または内周面に対向する誘導コイルは円筒状金属コイルの全幅にわたって表層に渦電流を発生させることが可能なサイズであればよい。従って、円筒状金属コイルの断面全体を囲むような大きな誘導コイルは必要なく、また円筒状金属コイルの幅や積層厚さの変更への対応も容易である。円筒状金属コイルの外周面および内周面は端面に比べて平滑な面であるため、誘導加熱による過加熱は生じにくい。また、円筒状金属コイルの積層厚さは幅に比べて小さいことが多いため、外周面または内周面、もしくはその両方からの伝熱によって円筒状金属コイルを内部の巻き層まで均一に加熱することは比較的容易である。従って、上記の構成によれば、誘導加熱によって円筒状金属コイルを均一に、かつ効果的に加熱することができる。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省略する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る円筒状金属コイルの誘導加熱装置の構成を示す、円筒軸に垂直な断面図である。本実施形態に係る誘導加熱装置10は、金属帯板が円筒状に巻回された円筒状金属コイル11の外周面に対向する誘導コイル12Aと、円筒状金属コイル11の内周面に対向する誘導コイル12Bと、円筒状金属コイル11を巻回方向に回転させる回転駆動手段13とを含む。誘導コイル12A,12Bは、いずれも円筒状金属コイル11の全幅にわたって表層に渦電流を発生させるように配置される。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る円筒状金属コイルの誘導加熱装置の構成を示す、円筒軸に垂直な断面図である。本実施形態に係る誘導加熱装置10は、金属帯板が円筒状に巻回された円筒状金属コイル11の外周面に対向する誘導コイル12Aと、円筒状金属コイル11の内周面に対向する誘導コイル12Bと、円筒状金属コイル11を巻回方向に回転させる回転駆動手段13とを含む。誘導コイル12A,12Bは、いずれも円筒状金属コイル11の全幅にわたって表層に渦電流を発生させるように配置される。
ここで、渦電流は誘導コイル12A,12Bによって発生させられる磁束によって発生し、磁束は誘導コイル12A,12Bの外側にも発生する。従って、誘導コイル12A,12B自体が円筒状金属コイル11の全幅にわたって配置される必要はない。例えば円筒状金属コイル11の幅方向における誘導コイル12A,12Bの寸法が円筒状金属コイル11の全幅よりも短い場合であっても、誘導コイル12A,12Bが発生させる磁束によって円筒状金属コイル11の全幅にわたって表層に渦電流を発生させることができる。
なお、誘導コイル12A,12Bは、例えば円筒状金属コイル11の幅方向に磁束を発生させるように配置されるソレノイド状のコイルであってもよいし、あるいは円筒状金属コイル11の径方向に磁束を発生させるように配置される平巻状のコイルであってもよい。後述するようにここでの磁束は、渦電流の浸透深さに対応する円筒状金属コイル11の外周面または内周面を含む限られた範囲の表層にしか影響を及ぼさないため、誘導コイル12A,12Bが発生させる磁束の向きは特に限定されない。図示された例では円筒状金属コイル11の外周面に対向する誘導コイル12Aが円筒状金属コイル11を囲んで周方向に3つ配置されているが、1つの誘導コイル12A、2つの誘導コイル12A、または4つ以上の誘導コイル12Aを配置することも可能である。また、図示された例では単一のソレノイド状のコイルが円筒状金属コイル11の内周面に対向する誘導コイル12Bを構成するが、例えば外周面に対向する誘導コイル12Aと同様に円筒状金属コイル11の内周面に沿って複数の分割された誘導コイル12Bを配置してもよい。
回転駆動手段13としては、例えば円筒状金属コイルの巻緩みの除去や梱包の際に用いられているクレードルロールを利用することができるが、この例には限られない。
本実施形態では、誘導コイル12A,12Bを円筒状金属コイル11の外周面および内周面にそれぞれ対向させて配置し、さらに回転駆動手段13が円筒状金属コイル11を巻回方向に回転させることによって、円筒状金属コイル11の巻回方向について、誘導コイル12A,12Bが円筒状金属コイル11の外周面および内周面を均等に加熱することができる。誘導コイル12A,12Bは円筒状金属コイル11の全幅にわたって表層に渦電流を発生させるように配置されるため、円筒状金属コイル11の幅方向についても、円筒状金属コイル11の外周面および内周面は均等に加熱される。渦電流によって発生した熱は円筒状金属コイル11の外周面および内周面からそれぞれ内部の金属帯板の巻き層へと伝達され、時間をかけて円筒状金属コイル11の全体が加熱される。
なお、円筒状金属コイル11の積層厚さ、すなわち金属帯板が巻き回されて積層された径方向の寸法は幅に比べると小さいことが多いため、外周面または内周面の一方のみを誘導加熱し、渦電流によって表層に発生した熱を外周面または内周面から内部の巻き層へ、さらに内部の巻き層から反対側の表面へと伝達させることによって円筒状金属コイル11の全体を加熱することも可能である。従って、本発明の実施形態では必ずしも円筒状金属コイルの内周面および外周面の両方に対向する誘導コイルを配置しなくてもよく、内周面のみ、または外周面のみに対向する誘導コイルを配置してもよい。
ここで、誘導コイル12A,12Bによって円筒状金属コイル11の外周面および内周面の表層に発生させられる渦電流の浸透深さδ[mm]は、誘導加熱の周波数f[Hz]、被加熱材の抵抗率ρ[Ω・m]および被加熱材の比透磁率μrを用いて以下の式(1)で表される。渦電流の電流密度は被加熱体の表面から離れるにつれて指数関数的に低下し、浸透深さδの位置では表面の1/eになる。式(1)に示されるように浸透深さδは周波数fに反比例するため、高周波で誘導加熱する場合において浸透深さδは小さくなる。従って、例えば円筒状金属コイルの巻き層間が絶縁されていない場合であっても、高周波による誘導加熱が巻き層間短絡によって品質に与える影響は限定的である。表1に、普通鋼が常温(20℃)の場合および高温(750℃)の場合について、誘導加熱の周波数f[Hz]と浸透深さδ[mm]との関係を示す。なお、普通鋼は常温では磁性を示すが750℃以上の高温では非磁性になり、この場合の浸透深さδは例えばステンレス鋼(SUS304)などの非磁性材と同等になる。
表1の例に示されるように、誘導加熱の周波数fを適切に設定することによって、浸透深さδを例えば0.1mm以下、または10mm以下といったような範囲に制御することができる。例えば板厚が厚い磁性材の円筒状金属コイル、具体的には2mm厚の熱延鋼板の場合、表1に示された磁性材の浸透深さが2mm以下となるように、誘導加熱の周波数fを例えば50Hz以上とすれば、渦電流の実質的な影響を受けるのを最表層の金属帯板1層に限定することができる。同じ板厚の非磁性材の円筒状金属コイルの場合、誘導加熱の周波数を例えば50kHz(50000Hz)以上とすれば浸透深さが板厚に近くなり、1層目に大部分の電流が入るため、2層目との間での巻き層間短絡によるスパークの発生を実質的に抑制できる。上記の非磁性材の場合において、3層目程度までの巻き層間短絡によるスパークが許容可能であれば、誘導加熱の周波数を例えば10kHz(10000Hz)まで下げてもよい。このように、誘導加熱の周波数を適切に設定することによって、円筒状金属コイルの巻き層間が絶縁されていない場合であっても、巻き層間短絡によるスパークの発生を抑制するか、またはスパークの影響範囲を限定することができる。
上述のように、誘導加熱によって発生する渦電流の浸透深さは、円筒状金属コイルの材質や温度によって異なる。そこで、図1に示された例において、誘導加熱装置10は、渦電流の浸透深さが円筒状金属コイルの所定の数の巻き層に対応するように、誘導コイル12A,12Bに供給する交流電流の周波数を制御する制御手段(図示せず)をさらに含んでもよい。この場合において、制御手段は、上記の例のように渦電流の浸透深さに対応して影響を受ける範囲が円筒状金属コイルの巻き層単位で最表層のみ、または最表層を含む3層程度になるように周波数を制御してもよい。また、制御手段は、円筒状金属コイルの巻き層間が絶縁されていない場合には浸透深さを小さくして巻き層間短絡による影響を低減し、円筒状金属コイルの巻き層間が絶縁されていて巻き層間短絡が生じない場合には浸透深さを大きくして加熱効率を向上させてもよい。
(第2の実施形態)
図2は、本発明の第2の実施形態に係る円筒状金属コイルの誘導加熱装置の構成を示す、円筒軸に垂直な断面図である。図3は、図2に示す円筒状金属コイルの誘導加熱装置の円筒軸を含む水平断面図である。図2および図3は、それぞれ互いのIII-III線およびII-II線に沿った断面図である。本実施形態に係る誘導加熱装置20は、円筒状金属コイル11の外周面に対向する誘導コイル12Aと、円筒状金属コイル11の内周面に対向する誘導コイル22Bおよび誘導コイル22Bが巻回される鉄心24と、円筒状金属コイル11を巻回方向に回転させる回転駆動手段13とを含む。なお、誘導コイル22Bおよび鉄心24以外について、本実施形態の構成は上記の第1の実施形態と同様であるため、重複した詳細な説明は省略する。
図2は、本発明の第2の実施形態に係る円筒状金属コイルの誘導加熱装置の構成を示す、円筒軸に垂直な断面図である。図3は、図2に示す円筒状金属コイルの誘導加熱装置の円筒軸を含む水平断面図である。図2および図3は、それぞれ互いのIII-III線およびII-II線に沿った断面図である。本実施形態に係る誘導加熱装置20は、円筒状金属コイル11の外周面に対向する誘導コイル12Aと、円筒状金属コイル11の内周面に対向する誘導コイル22Bおよび誘導コイル22Bが巻回される鉄心24と、円筒状金属コイル11を巻回方向に回転させる回転駆動手段13とを含む。なお、誘導コイル22Bおよび鉄心24以外について、本実施形態の構成は上記の第1の実施形態と同様であるため、重複した詳細な説明は省略する。
本実施形態において、鉄心24は円筒状金属コイル11の中心部を貫通して配置され、誘導コイル22Bは鉄心24の回りに巻回されて円筒状金属コイル11の内周面に対向する。誘導コイル22Bを鉄心24の回りに巻回されるソレノイド状のコイルにすることによって、誘導コイル22Bで発生する磁束の大部分が外部に漏れることなく円筒状金属コイル11の内周側に入り、加熱効率が向上する。円筒状金属コイル11がタイトコイルである場合、内周面の径は巻取装置のマンドレルの径に応じてほぼ一定になるため、鉄心24に巻回されたソレノイド状の誘導コイル22Bで安定的に円筒状金属コイル11の内周面を誘導加熱することができる。
(第3の実施形態)
図4は、本発明の第3の実施形態に係る円筒状金属コイルの誘導加熱装置の構成を示す、円筒軸に垂直な断面図である。図5は、図4に示す円筒状金属コイルの誘導加熱装置の円筒軸を含む水平断面図である。図4および図5は、それぞれ互いのV-V線およびIV-IV線に沿った断面図である。本実施形態に係る誘導加熱装置30は、円筒状金属コイル31の外周面に対向する誘導コイル12Aと、円筒状金属コイル31の内周面に対向する誘導コイル22Bおよび誘導コイル22Bが巻回される鉄心24と、鉄心24の両端に着脱可能に接続されるU字形の鉄心34と、円筒状金属コイル31を巻回方向に回転させる回転駆動手段13と、円筒状金属コイル31の外周面をなす金属帯板および内周面をなす金属帯板に接続される短絡手段35とを含む。なお、円筒状金属コイル31、鉄心34および短絡手段35以外について、本実施形態の構成は上記の第2の実施形態と同様であるため、重複した詳細な説明は省略する。
図4は、本発明の第3の実施形態に係る円筒状金属コイルの誘導加熱装置の構成を示す、円筒軸に垂直な断面図である。図5は、図4に示す円筒状金属コイルの誘導加熱装置の円筒軸を含む水平断面図である。図4および図5は、それぞれ互いのV-V線およびIV-IV線に沿った断面図である。本実施形態に係る誘導加熱装置30は、円筒状金属コイル31の外周面に対向する誘導コイル12Aと、円筒状金属コイル31の内周面に対向する誘導コイル22Bおよび誘導コイル22Bが巻回される鉄心24と、鉄心24の両端に着脱可能に接続されるU字形の鉄心34と、円筒状金属コイル31を巻回方向に回転させる回転駆動手段13と、円筒状金属コイル31の外周面をなす金属帯板および内周面をなす金属帯板に接続される短絡手段35とを含む。なお、円筒状金属コイル31、鉄心34および短絡手段35以外について、本実施形態の構成は上記の第2の実施形態と同様であるため、重複した詳細な説明は省略する。
本実施形態において、円筒状金属コイル31は、絶縁材の介挿、または金属帯板の表面における絶縁性スケールの生成によって、巻き層間が絶縁されている。一方、鉄心24,34は例えば電磁鋼板などの良磁性体で形成され、リング状トランスを構成する。この場合において、誘導コイル22Bはトランスの一次コイルとしても機能する。円筒状金属コイル31は、巻き層間が絶縁され、かつ短絡手段35によって内周面をなす金属帯板と外周面をなす金属帯板との間が接続されていることによって鉄心24に巻回されたトランスの二次コイルを構成し、金属帯板の各巻き層と短絡手段35とによって構成される二次回路に二次電流が流れることによってジュール熱が発生する。これによって、上記の第2の実施形態と同様の誘導加熱に、トランスの効果を利用したジュール熱による加熱が加わることによって、円筒状金属コイル31をより効率的に加熱することができる。
(第4の実施形態)
図6は、本発明の第4の実施形態に係る円筒状金属コイルの誘導加熱装置の構成を示す、円筒軸を含む水平断面図である。本実施形態に係る誘導加熱装置40は、円筒状金属コイル11の外周面に対向する誘導コイル42Aと、円筒状金属コイル11の内周面に対向する誘導コイル42Bと、円筒状金属コイル11を巻回方向に回転させる回転駆動手段(図示せず)と、後述する制御手段(図示せず)とを含む。なお、誘導コイル42A,42B以外について、本実施形態の構成は上記の第1の実施形態と同様であるため、重複した詳細な説明は省略する。本実施形態における誘導コイル42A,42Bの構成は、上記の第2および第3の実施形態にも適用可能である。
図6は、本発明の第4の実施形態に係る円筒状金属コイルの誘導加熱装置の構成を示す、円筒軸を含む水平断面図である。本実施形態に係る誘導加熱装置40は、円筒状金属コイル11の外周面に対向する誘導コイル42Aと、円筒状金属コイル11の内周面に対向する誘導コイル42Bと、円筒状金属コイル11を巻回方向に回転させる回転駆動手段(図示せず)と、後述する制御手段(図示せず)とを含む。なお、誘導コイル42A,42B以外について、本実施形態の構成は上記の第1の実施形態と同様であるため、重複した詳細な説明は省略する。本実施形態における誘導コイル42A,42Bの構成は、上記の第2および第3の実施形態にも適用可能である。
本実施形態において、誘導コイル42A,42Bは、円筒状金属コイル11の幅方向について分割された複数の誘導コイルを含む。これらの複数の誘導コイルのそれぞれに供給される電力は、図示しない制御手段によって制御される。具体的には、例えば、誘導コイル42Aに含まれる複数の誘導コイル42A1,42A2,42A3について、円筒状金属コイル11の幅が小さい場合には幅方向中心付近に位置する誘導コイル42A1だけに電力を供給し、円筒状金属コイル11の幅が中程度の場合には誘導コイル42A1の外側に位置する誘導コイル42A2にも電力を供給し、円筒状金属コイル11の幅が最大の場合には最も外側に位置する誘導コイル42A3を含むすべての誘導コイルに電力を供給してもよい。このような構成によって、円筒状金属コイル11の幅が変動する場合に、誘導コイル42A,42Bが幅の小さい円筒状金属コイル11に対して不必要に広い範囲に磁束を発生させるのを防止し、誘導加熱に用いられる電力を節減することができる。また、例えば、誘導加熱による温度上昇が円筒状金属コイル11の幅方向について不均一である場合、温度上昇を均一化するように、誘導コイル42A1,42A2,42A3に供給される電力を調節してもよい。
(第5の実施形態)
図7は、本発明の第5の実施形態に係る円筒状金属コイルの誘導加熱装置の構成を示す、円筒軸に垂直な断面図である。本実施形態に係る誘導加熱装置50は、円筒状金属コイル11の外周面に対向する誘導コイル12Aと、円筒状金属コイル11の内周面に対向する誘導コイル12Bと、円筒状金属コイル11を巻回方向に回転させる回転駆動手段13と、磁性体コア56Aとを含む。なお、磁性体コア56A以外について、本実施形態の構成は上記の第1の実施形態と同様であるため、重複した詳細な説明は省略する。本実施形態における磁性体コア56Aの構成は、上記の第2から第4の実施形態にも適用可能である。
図7は、本発明の第5の実施形態に係る円筒状金属コイルの誘導加熱装置の構成を示す、円筒軸に垂直な断面図である。本実施形態に係る誘導加熱装置50は、円筒状金属コイル11の外周面に対向する誘導コイル12Aと、円筒状金属コイル11の内周面に対向する誘導コイル12Bと、円筒状金属コイル11を巻回方向に回転させる回転駆動手段13と、磁性体コア56Aとを含む。なお、磁性体コア56A以外について、本実施形態の構成は上記の第1の実施形態と同様であるため、重複した詳細な説明は省略する。本実施形態における磁性体コア56Aの構成は、上記の第2から第4の実施形態にも適用可能である。
本実施形態において、磁性体コア56Aは、誘導コイル12Aに対して、誘導コイル12Aが対向している円筒状金属コイル11の外周面とは反対側に配置される。磁性体コア56Aを誘導コイル12Aに対して円筒状金属コイル11とは反対側に配置することによって、磁性体コアを配置しない場合に比べて円筒状金属コイル11に磁束が入りやすくなり、円筒状金属コイル11をより効果的に誘導加熱することができる。
なお、例えば円筒状金属コイル11の内周面に対向する誘導コイル12Bが図示されたようなソレノイド状ではなく、円筒状金属コイル11の外周面に対向する誘導コイル12Aのような形態の場合には、誘導コイル12Bに対しても同様に、円筒状金属コイル11の内周面とは反対側に磁性体コアを配置してもよい。
上記のような磁性体コア56Aの配置によって、十分な加熱が可能な範囲で誘導コイル12Aと円筒状金属コイル11との間の隙間を大きくすることができ、例えば誘導コイル12Aを移動させなくても円筒状金属コイル11の積層厚さの変化に対応することができる。また、本実施形態では、磁性体コア56Aの配置によって誘導コイル12Aの裏側(円筒状金属コイル11に対向していない側)に向かう漏洩磁束が低減されるため、例えば磁性体コアを支持する部材や、周辺に設置された機器などが加熱されてしまうことによって焼損が発生するのを防止できる。
(第6の実施形態)
図8は、本発明の第6の実施形態に係る円筒状金属コイルの誘導加熱装置の構成を示す平面図である。本実施形態に係る誘導加熱装置60は、円筒状金属コイル11の外周面に対向する誘導コイル12Aと、円筒状金属コイル11を巻回方向に回転させる回転駆動手段(図示せず)と、磁性体コア66Aと、後述する磁性体コア移動手段(図示せず)とを含む。なお、磁性体コア66Aおよび磁性体コア移動手段以外について、本実施形態の構成は上記の第1の実施形態と同様であるため、重複した詳細な説明は省略する。本実施形態における磁性体コア66Aおよび磁性体コア移動手段の構成は、上記の第2から第4の実施形態にも適用可能である。
図8は、本発明の第6の実施形態に係る円筒状金属コイルの誘導加熱装置の構成を示す平面図である。本実施形態に係る誘導加熱装置60は、円筒状金属コイル11の外周面に対向する誘導コイル12Aと、円筒状金属コイル11を巻回方向に回転させる回転駆動手段(図示せず)と、磁性体コア66Aと、後述する磁性体コア移動手段(図示せず)とを含む。なお、磁性体コア66Aおよび磁性体コア移動手段以外について、本実施形態の構成は上記の第1の実施形態と同様であるため、重複した詳細な説明は省略する。本実施形態における磁性体コア66Aおよび磁性体コア移動手段の構成は、上記の第2から第4の実施形態にも適用可能である。
本実施形態において、磁性体コア66Aは、上記の第5の実施形態における磁性体コアと同様に、誘導コイル12Aに対して円筒状金属コイル11とは反対側に配置される。さらに、磁性体コア66Aは、円筒状金属コイル11の幅方向に分割された複数の磁性体コアを含み、これらの複数の磁性体コアは例えば図示しないエアシリンダや電動シリンダのような磁性体コア移動手段によって円筒状金属コイル11の幅方向に移動させられる。具体的には、例えば、磁性体コア66Aに含まれる複数の磁性体コア66A1,66A2,66A3について、円筒状金属コイル11の幅が小さい場合には互いの間隔を小さくして集中配置し、円筒状金属コイル11の幅が大きい場合には互いに間隔を大きくして分散配置してもよい。このような構成によって、円筒状金属コイル11の幅が変動する場合に、円筒状金属コイル11の幅に対応した領域に磁性体コア66Aを配置して磁束を集中させることができ、円筒状金属コイル11をより効果的に誘導加熱することができる。
なお、例えば円筒状金属コイル11の内周面に対向する誘導コイルが配置される場合には、内周面側の誘導コイルに対しても上記の磁性体コア66Aと同様に円筒状金属コイル11の幅方向に分割された複数の磁性体コアを配置してもよい。
(第7の実施形態)
図9は、本発明の第7の実施形態に係る円筒状金属コイルの誘導加熱装置の構成を示す、円筒軸に垂直な断面図である。本実施形態に係る誘導加熱装置70は、円筒状金属コイル11の外周面に対向する円筒状金属コイル11の外周面に対向する誘導コイル12Aと、円筒状金属コイル11の内周面に対向する誘導コイル12Bと、円筒状金属コイル11を巻回方向に回転させる回転駆動手段13と、誘導コイル12Aを円筒状金属コイル11の径方向に移動させる誘導コイル移動手段77Aとを含む。なお、誘導コイル移動手段77A以外について、本実施形態の構成は上記の第1の実施形態と同様であるため、重複した詳細な説明は省略する。本実施形態における誘導コイル移動手段77Aの構成は、上記の第2から第4の実施形態にも適用可能である。また、誘導コイル移動手段77Aを上記の第5および第6の実施形態にも適用し、誘導コイルとその裏側に配置された磁性体コアとをセットで円筒状金属コイルの径方向に移動させてもよい。
図9は、本発明の第7の実施形態に係る円筒状金属コイルの誘導加熱装置の構成を示す、円筒軸に垂直な断面図である。本実施形態に係る誘導加熱装置70は、円筒状金属コイル11の外周面に対向する円筒状金属コイル11の外周面に対向する誘導コイル12Aと、円筒状金属コイル11の内周面に対向する誘導コイル12Bと、円筒状金属コイル11を巻回方向に回転させる回転駆動手段13と、誘導コイル12Aを円筒状金属コイル11の径方向に移動させる誘導コイル移動手段77Aとを含む。なお、誘導コイル移動手段77A以外について、本実施形態の構成は上記の第1の実施形態と同様であるため、重複した詳細な説明は省略する。本実施形態における誘導コイル移動手段77Aの構成は、上記の第2から第4の実施形態にも適用可能である。また、誘導コイル移動手段77Aを上記の第5および第6の実施形態にも適用し、誘導コイルとその裏側に配置された磁性体コアとをセットで円筒状金属コイルの径方向に移動させてもよい。
本実施形態では、誘導コイル12Aが、例えばエアシリンダや電動シリンダのような誘導コイル移動手段77Aによって円筒状金属コイル11の径方向に移動させられる。これによって、例えば円筒状金属コイル11の積層厚さが変化しても円筒状金属コイル11の外周面と誘導コイル12Aとの間の距離を維持し、円筒状金属コイル11をより効果的に誘導加熱することができる。
(第8の実施形態)
図10は、本発明の第8の実施形態に係る円筒状金属コイルの誘導加熱装置の構成を示す、円筒軸を含む水平断面図である。図11は、図10のXI-XI線に沿った部分断面図である。本実施形態に係る誘導加熱装置80は、円筒状金属コイル11の外周面に対向する誘導コイル82Aと、円筒状金属コイル11の内周面に対向する誘導コイル82Bと、円筒状金属コイル11を巻回方向に回転させる回転駆動手段(図示せず)と、誘導コイル移動手段87A,87Bとを含む。なお、誘導コイル移動手段87A,87B以外について、本実施形態の構成は上記の第1の実施形態と同様であるため、重複した詳細な説明は省略する。本実施形態における誘導コイル82A,82Bおよび誘導コイル移動手段87A,87Bの構成は、上記の第2から第7の実施形態にも適用可能である。
図10は、本発明の第8の実施形態に係る円筒状金属コイルの誘導加熱装置の構成を示す、円筒軸を含む水平断面図である。図11は、図10のXI-XI線に沿った部分断面図である。本実施形態に係る誘導加熱装置80は、円筒状金属コイル11の外周面に対向する誘導コイル82Aと、円筒状金属コイル11の内周面に対向する誘導コイル82Bと、円筒状金属コイル11を巻回方向に回転させる回転駆動手段(図示せず)と、誘導コイル移動手段87A,87Bとを含む。なお、誘導コイル移動手段87A,87B以外について、本実施形態の構成は上記の第1の実施形態と同様であるため、重複した詳細な説明は省略する。本実施形態における誘導コイル82A,82Bおよび誘導コイル移動手段87A,87Bの構成は、上記の第2から第7の実施形態にも適用可能である。
本実施形態において、誘導コイル82A,82Bは、円筒状金属コイル11の幅方向について分割された複数の誘導コイルを含む。これらの誘導コイルは、例えばエアシリンダや電動シリンダのような誘導コイル移動手段87A,87Bによって円筒状金属コイル11の幅方向に移動させられる。具体的には、例えば、誘導コイル82Aに含まれる複数の誘導コイル82A1,82A2,82A3のうち、円筒状金属コイル11の幅方向で中心付近に位置する誘導コイル82A1は固定されている一方で、その外側に位置する誘導コイル82A2、および最も外側に位置する誘導コイル82A3にはそれぞれ個別の誘導コイル移動手段87A2,87A3が取り付けられ、それぞれ独立して円筒状金属コイル11の幅方向に移動させられる。このような誘導コイル82A,82Bを構成する複数の誘導コイルについて、円筒状金属コイル11の幅が小さい場合には互いに間隔を小さくして集中配置し、円筒状金属コイル11の幅が大きい場合には互いに間隔を大きくして分散配置してもよい。図11に示されるように、誘導コイル移動手段87A2,87A3が互いに干渉しないような形状にすることによって、複数の誘導コイル(図示された例では誘導コイル82A2,82A3)の可動域を重複させることも可能である。このような構成によって、円筒状金属コイル11の幅が変動する場合に、円筒状金属コイル11の幅に対応した領域に誘導コイル82A,82Bを構成する複数の誘導コイルを配置することができ、円筒状金属コイル11をより効果的に誘導加熱することができる。
(加熱効果の検証)
図12は本発明の実施形態において円筒状金属コイルを加熱する効果を検証するための解析条件を示す図であり、図13は解析結果を示すグラフである。図12に示されるように、円筒状金属コイル11の径方向の両側2か所、断面の中心角にしてそれぞれ30°の範囲で外周面および内周面にそれぞれ対向するように誘導コイル12A,12Bを配置した。円筒状金属コイルはSUS304材の幅1050mm、板厚3mmの帯板を巻回したものであり、重量は12tonである。回転駆動手段を用いて円筒状金属コイルを10rpmで回転させながら、円筒状金属コイルの表面からの浸透深さが3mmになるように周波数を調節した交流電流をそれぞれの誘導コイルに250kWで供給して、1時間(3600sec)にわたって誘導加熱を実施した。図13のグラフに示されるように、加熱終了時には円筒状金属コイル11の内周面および外周面と内部の巻き層との間で約210℃の温度偏差があったが、加熱終了後に1時間の均熱工程を実施することによって温度偏差は約30℃まで縮小し、円筒状金属コイルの積層厚さ方向についてもほぼ均一な加熱が実現された。
図12は本発明の実施形態において円筒状金属コイルを加熱する効果を検証するための解析条件を示す図であり、図13は解析結果を示すグラフである。図12に示されるように、円筒状金属コイル11の径方向の両側2か所、断面の中心角にしてそれぞれ30°の範囲で外周面および内周面にそれぞれ対向するように誘導コイル12A,12Bを配置した。円筒状金属コイルはSUS304材の幅1050mm、板厚3mmの帯板を巻回したものであり、重量は12tonである。回転駆動手段を用いて円筒状金属コイルを10rpmで回転させながら、円筒状金属コイルの表面からの浸透深さが3mmになるように周波数を調節した交流電流をそれぞれの誘導コイルに250kWで供給して、1時間(3600sec)にわたって誘導加熱を実施した。図13のグラフに示されるように、加熱終了時には円筒状金属コイル11の内周面および外周面と内部の巻き層との間で約210℃の温度偏差があったが、加熱終了後に1時間の均熱工程を実施することによって温度偏差は約30℃まで縮小し、円筒状金属コイルの積層厚さ方向についてもほぼ均一な加熱が実現された。
(延長鉄心に関する変形例)
図14は、本発明の実施形態で延長鉄心が設けられる変形例を示す、円筒軸を含む水平断面図である。図示された例では、上記で図2および図3を参照して説明したような鉄心24を含む誘導加熱装置20Aにおいて、鉄心24の両端部に接続して延長鉄心24A,24Bが設けられる。延長鉄心24A,24Bの少なくともいずれかは、鉄心24に対して着脱可能である。延長鉄心24A,24Bは、鉄心24の両端部から円筒状金属コイル11の円筒軸に交差する方向(つまり、円筒状金属コイル11の積層厚さ方向)に延びる第1の部分24A1,24B1と、第1の部分24A1,24B1の先端が円筒状金属コイル11の幅方向端面11A,11Bに対向するように曲げられた第2の部分24A2,24B2とを含む。
図14は、本発明の実施形態で延長鉄心が設けられる変形例を示す、円筒軸を含む水平断面図である。図示された例では、上記で図2および図3を参照して説明したような鉄心24を含む誘導加熱装置20Aにおいて、鉄心24の両端部に接続して延長鉄心24A,24Bが設けられる。延長鉄心24A,24Bの少なくともいずれかは、鉄心24に対して着脱可能である。延長鉄心24A,24Bは、鉄心24の両端部から円筒状金属コイル11の円筒軸に交差する方向(つまり、円筒状金属コイル11の積層厚さ方向)に延びる第1の部分24A1,24B1と、第1の部分24A1,24B1の先端が円筒状金属コイル11の幅方向端面11A,11Bに対向するように曲げられた第2の部分24A2,24B2とを含む。
図15は、図14の例における磁束の流れを示す図である。図示されているように、誘導コイル22Bで発生して鉄心24内を流れる磁束は、延長鉄心24Aを経由して円筒状金属コイル11の幅方向端面11Aに入り、円筒状金属コイル11の表層または内部を貫通して反対側の幅方向端面11Bから延長鉄心24Bに入り、鉄心24に戻る。このような鉄心24および延長鉄心24A,24Bを含む磁束の循環経路が構成されることによって、誘導コイル22Bで発生した磁束が周囲に漏れ、周辺の部材等に意図しない加熱を生じることが防止される。また、誘導コイル22Bで発生する磁束が円筒状金属コイル11の内周面側の表層を加熱するのに加えて、延長鉄心24A,24Bを経由して循環する磁束が円筒状金属コイル11の幅方向端面11A,11Bおよびその近傍を加熱することによって、円筒状金属コイル11の全体をより効率的に昇温させることができる。
ここで、磁束が漏れるのをより効果的に防止する観点からは円筒状金属コイル11の両側に延長鉄心24A,24Bを設けることが好ましいが、例えば鉄心24の一方の端部に延長鉄心24Aのみ、または延長鉄心24Bのみが接続されてもよい。一方の延長鉄心のみが設けられる場合、この延長鉄心は必ずしも鉄心24に対して着脱可能ではなくてもよい。一方の延長鉄心のみが設けられる場合も磁束の漏れを防止する効果は得られるのに加えて、鉄心24を円筒状金属コイル11の内周部に挿入するために延長鉄心を取り外す必要がないため、作業が容易になる。なお、延長鉄心24A,24Bの両方を設ける場合も、例えば図5に示されたようなU字形の鉄心34を用いる場合に比べれば、円筒状金属コイル11を誘導加熱装置に装着する作業は容易である。
図16は、図14に示した例の円筒軸に垂直な断面図の例である。図16に示された例では、上記で説明した延長鉄心24A,24B(第1の延長鉄心)に加えて、延長鉄心24C,24D(第2の延長鉄心)が設けられる。延長鉄心24C,24Dは、延長鉄心24A,24Bと同様に鉄心24の両端部から円筒状金属コイル11の円筒軸に交差する方向に延びる第1の部分24C1,24D1を含む。ここで、延長鉄心24C,24Dの第1の部分24C1,24D1は、延長鉄心24A,24Bの第1の部分24A1,24B1に交差する方向に延びている。延長鉄心24C,24Dでも、第1の部分24C1,24D1の先端が円筒状金属コイル11の幅方向端面11A,11Bに対向するように曲げられた第2の部分(図16には示されていない)が形成されるのは延長鉄心24A,24Bと同様である。このように、円筒状金属コイル11の円筒軸に交差する方向について異なる方向に延びる2つ以上(図示された例のように円筒状金属コイル11の両側に延長鉄心を配置する場合は、2対以上)の延長鉄心を配置することによって、鉄心24および延長鉄心を経由した磁束の循環経路が複数形成され、上述したような磁束の漏れの防止、および円筒状金属コイル11の効率的な昇温の効果を高めることができる。
図17は、図16に示された例において、さらに円筒状金属コイルの外周面側に誘導コイルおよび磁性体コアを追加配置した例を示す図である。誘導コイル12Aと、磁性体コア56Aとは、上記で図7を参照して説明した誘導コイル12Aおよび磁性体コア56Aと同様に機能する。つまり、誘導コイル12Aは円筒状金属コイル11の外周面側で表層に渦電流を発生させ、磁性体コア56Aは誘導コイル12Aが発生させた磁束が円筒状金属コイル11に入ることを促進する。このように、図14から図16で説明したような延長鉄心が設けられる変形例は、上記で説明した本発明の各実施形態と組み合わせることが可能である。例えば、図4を参照して説明した第3の実施形態のように、円筒状金属コイル31の巻き層間が絶縁されており、円筒状金属コイル31の内周面をなす金属帯板と外周面をなす金属帯板との間が短絡手段35によって接続されてもよい。
図18は、図14に示された例において、さらに延長鉄心が段違いに配置される例を示す図である。図18に示された例では、延長鉄心24A,24Bのそれぞれの第2の部分24A2,24B2が円筒状金属コイル11の幅方向端面11A,11Bに対向する位置が、円筒状金属コイル11の積層厚さ方向について、円筒状金属コイル11の幅方向両側で異なる。つまり、図18に示したような円筒軸を含む水平断面図で見た場合、延長鉄心24A,24Bは、互いに段違いになるように配置されている。例えば、図中の上側では、延長鉄心24Aの第2の部分24A2が円筒状金属コイル11の外周面寄りの位置に対向し、延長鉄心24Bの第2の部分24B2が円筒状金属コイル11の内周面寄りの位置に対向する。図中の下側では逆に、延長鉄心24Aの第2の部分24A2が円筒状金属コイル11の内周面寄りの位置に対向し、延長鉄心24Bの第2の部分24B2が円筒状金属コイル11の外周面寄りの位置に対向する。このような構成によって、延長鉄心24A,24Bを経由して循環する磁束が円筒状金属コイル11の幅方向端面11A,11Bの外周面側および内周面側の両方を貫通するため、円筒状金属コイル11の全体をより効率的に昇温させることができる。
図19は、図14に示された例において、さらに延長鉄心が円筒状金属コイルの積層厚さ方向に移動自在である例を示す図である。図19に示された例では、延長鉄心24A,24Bのそれぞれと鉄心24との接続部分が、鉄心24に対して垂直な方向、すなわち円筒状金属コイル11の積層厚さ方向に摺動可能に形成される。これによって、延長鉄心24A,24Bは、鉄心24と接触を維持しながら円筒状金属コイル11の積層厚さ方向に移動自在であり、第2の部分24A2,24B2が円筒状金属コイル11の幅方向端面11A,11Bに対向する位置を調節することができる。例えば、図示された例のように図中の上側では延長鉄心24A,24Bの第2の部分24A2,24B2をそれぞれ円筒状金属コイル11の外周面寄りに配置し、図中の下側では第2の部分24A2,24B2をそれぞれ円筒状金属コイル11の内周面寄りに配置することができる。このような構成によって、延長鉄心24A,24Bを経由して循環する磁束が円筒状金属コイル11の外周面側および内周面側の表層を貫通するようにし、放熱しやすい円筒状金属コイル11の表層部をより効率的に昇温させることができる。
図20は、図14に示された例において、さらに延長鉄心の第2の部分の回りに追加の誘導コイルが巻回される例を示す図である。図20に示された例では、延長鉄心24A,24Bの第2の部分24A2,24B2の回りに、追加の誘導コイル28A,28Bが巻回される。追加の誘導コイル28A,28Bを設けることによって、延長鉄心24A,24Bの第2の部分24A2,24B2からさらに外部に磁束が漏れることを防止することができる。
図21および図22は、図20に示された例において、さらに延長鉄心が円筒状金属コイルの幅方向に移動自在である例を示す図である。図21および図22に示された例では、延長鉄心24Aと鉄心24との接続部分が、鉄心24の延長方向、すなわち円筒状金属コイル11の幅方向に摺動可能に形成される。これによって、延長鉄心24Aは、鉄心24との接触を維持しながら円筒状金属コイル11の幅方向に移動自在であり、円筒状金属コイル11を間に挟む第2の部分24A2と第2の部分24B2との間隔を調節することができる。例えば、図21に示すように相対的に狭い幅w1の円筒状金属コイル11の場合には第2の部分24A2,24B2の間隔d1を設定し、図22に示すように相対的に広い幅w2(w2>w1)の円筒状金属コイル11の場合には第2の部分24A2,24B2の間隔d2(d2>d1)を設定することができる。つまり、上記の例では、円筒状金属コイル11の幅に合わせて、第2の部分24A2,24B2を適切なクリアランスで円筒状金属コイル11の幅方向端面11A,11Bに対向させることができる。
なお、図21および図22の例では延長鉄心24A,24Bの第2の部分24A2,24B2の回りに追加の誘導コイル28A,28Bが巻回されているが、追加の誘導コイル28A,28Bが設けられない例でも図21および図22の例と同様に延長鉄心を円筒状金属コイルの幅方向に移動自在にすることができる。
また、円筒状金属コイル11の積層厚さ(金属帯板が巻き回されて積層された径方向の寸法)に対応して鉄心24を適切な位置に配置するために、鉄心24がクレードルロールなどの回転駆動手段13に対して相対的に移動自在であってもよい。あるいは、回転駆動手段13が、鉄心24に対して相対的に移動自在であってもよい。これらの構成は、例えば図1から図13を参照して説明したように延長鉄心が設けられない例でも、図14から図22に示したように延長鉄心が設けられる例でも、どちらでも適用することが可能である。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はこれらの例に限定されない。本発明の属する技術の分野の当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
10,20,20A,30,40,50,60,70,80…誘導加熱装置、11,31…円筒状金属コイル、11A,11B…幅方向端面、12A,12B,22B,42A,42A1,42A2,42A3,42B,82A,82A1,82A2,82A3,82B…誘導コイル、13…回転駆動手段、24,34…鉄心、24A,24B,24C,24D…延長鉄心、24A1,24B1,24C1,24D1…第1の部分、24A2,24B2…第2の部分、35…短絡手段、56A,66A,66A1,66A2,66A3…磁性体コア、77A,87A,87A2,87A3,87B…誘導コイル移動手段。
Claims (16)
- 金属帯板が円筒状に巻回された円筒状金属コイルの外周面または内周面の少なくともいずれかに対向し、前記円筒状金属コイルの全幅にわたって表層に渦電流を発生させるように配置された誘導コイルと、
前記円筒状金属コイルを巻回方向に回転させる回転駆動手段と
を備える、円筒状金属コイルの誘導加熱装置。 - 前記誘導加熱装置は、前記円筒状金属コイルの中心部を貫通する鉄心をさらに備え、
前記誘導コイルは、前記鉄心の回りに巻回されて前記内周面に対向する誘導コイルを含む、請求項1に記載の円筒状金属コイルの誘導加熱装置。 - 前記鉄心の少なくとも一方の端部に接続され、
前記円筒状金属コイルの円筒軸に交差する方向に延びる第1の部分と、
前記第1の部分の先端が前記円筒状金属コイルの幅方向端面に対向するように曲げられた第2の部分と
を含む延長鉄心をさらに含む、請求項2に記載の円筒状金属コイルの誘導加熱装置。 - 前記延長鉄心は、第1の延長鉄心と、前記第1の部分が前記第1の延長鉄心の第1の部分に交差する方向に延びる第2の延長鉄心とを含む、請求項3に記載の円筒状金属コイルの誘導加熱装置。
- 前記第2の部分が前記円筒状金属コイルの幅方向両端面に対向する位置が、前記円筒状金属コイルの積層厚さ方向について、前記円筒状金属コイルの幅方向両側で異なる、請求項3または請求項4に記載の円筒状金属コイルの誘導加熱装置。
- 前記第2の部分の回りに巻回される追加の誘導コイルをさらに備える、請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の円筒状金属コイルの誘導加熱装置。
- 前記延長鉄心は、前記鉄心に対して前記円筒状金属コイルの積層厚さ方向または幅方向に移動自在である、請求項3から請求項6のいずれか1項に記載の円筒状金属コイルの誘導加熱装置。
- 前記鉄心が、前記回転駆動手段に対して相対的に移動自在である、請求項2から請求項7のいずれか1項に記載の円筒状金属コイルの誘導加熱装置。
- 前記回転駆動手段が、前記鉄心に対して相対的に移動自在である、請求項2から請求項7のいずれか1項に記載の円筒状金属コイルの誘導加熱装置。
- 前記円筒状金属コイルの巻き層間は絶縁されており、
前記誘導加熱装置は、前記円筒状金属コイルの前記外周面をなす金属帯板および前記内周面をなす金属帯板に接続される短絡手段をさらに備える、請求項2から請求項9のいずれか1項に記載の円筒状金属コイルの誘導加熱装置。 - 前記誘導コイルは、前記円筒状金属コイルの幅方向について分割された複数の誘導コイルを含み、
前記誘導加熱装置は、前記複数の誘導コイルのそれぞれに供給される電力を制御する制御手段をさらに備える、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の円筒状金属コイルの誘導加熱装置。 - 前記誘導コイルに対して前記円筒状金属コイルの前記外周面または前記内周面とは反対側に配置される磁性体コアをさらに備える、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の円筒状金属コイルの誘導加熱装置。
- 前記磁性体コアは、前記円筒状金属コイルの幅方向について分割された複数の磁性体コアを含み、
前記誘導加熱装置は、前記複数の磁性体コアの少なくとも一部を前記円筒状金属コイルの幅方向に移動させる磁性体コア移動手段をさらに備える、請求項12に記載の円筒状金属コイルの誘導加熱装置。 - 前記誘導コイルを前記円筒状金属コイルの径方向に移動させる誘導コイル移動手段をさらに備える、請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の円筒状金属コイルの誘導加熱装置。
- 前記誘導コイルは、前記円筒状金属コイルの幅方向について分割された複数の誘導コイルを含み、
前記誘導加熱装置は、前記複数の誘導コイルの少なくとも一部を前記円筒状金属コイルの幅方向に移動させる誘導コイル移動手段をさらに備える、請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の円筒状金属コイルの誘導加熱装置。 - 前記渦電流の浸透深さが前記円筒状金属コイルの所定の数の巻き層に対応するように前記誘導コイルに供給する交流電流の周波数を制御する制御手段をさらに備える、請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の円筒状金属コイルの誘導加熱装置。
Applications Claiming Priority (2)
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JP2021043755 | 2021-03-17 | ||
JP2021043755 | 2021-03-17 |
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JP2022145489A true JP2022145489A (ja) | 2022-10-04 |
Family
ID=83460406
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021211252A Pending JP2022145489A (ja) | 2021-03-17 | 2021-12-24 | 円筒状金属コイルの誘導加熱装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2022145489A (ja) |
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2021
- 2021-12-24 JP JP2021211252A patent/JP2022145489A/ja active Pending
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