JPH0716136Y2 - 歯車式動力伝達装置 - Google Patents

歯車式動力伝達装置

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JPH0716136Y2
JPH0716136Y2 JP1986142600U JP14260086U JPH0716136Y2 JP H0716136 Y2 JPH0716136 Y2 JP H0716136Y2 JP 1986142600 U JP1986142600 U JP 1986142600U JP 14260086 U JP14260086 U JP 14260086U JP H0716136 Y2 JPH0716136 Y2 JP H0716136Y2
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JP
Japan
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gear
lubricating oil
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tank
case
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康 竹村
弘 木村
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は内燃エンジンの動力を駆動車輪に伝達するトラ
ンスアクスル等の歯車式動力伝達装置に関する。
トランスミッション(変速機)とアクスル(駆動軸)と
が一体に作られた装置であるトランスアクスル等の歯車
式動力伝達装置においては、歯車ケース内に設けた歯車
機構の各歯車噛合面部及び軸受部等の油潤滑を必要とす
る。この場合、前記歯車ケース内に充填した潤滑油を、
前記歯車機構の歯車の回転力を利用して、該歯車機構の
潤滑すべき部位へ供給するようになっている。そして、
油潤滑の状態は歯車機構の各歯車の回転状態によって異
なる関係上、各歯車の回転状態によって潤滑に必要な油
量は異なる。
しかし、従来の歯車動力伝達装置においては各歯車の回
転状態に関係なく歯車ケース内の油量が常に一定である
ため、各歯車の回転状態において、潤滑油は攪拌抵抗を
生み出し、動力伝達損失を生じる。即ち、歯車機構の出
力歯車(デファレンシャル・ギヤ)が回転していない、
所謂ニュートラル時に必要とする油量を基準として、潤
滑油を歯車ケース内に充填しているため、出力歯車が回
転している、所謂ドライブ時には必要とする油量より多
過ぎて、攪拌抵抗が大となり、ドライブ時の動力伝達損
失が大きい。更に、潤滑油攪拌抵抗が大きくなるのに伴
い潤滑油温度が高くなり、潤滑油が劣化する等の問題が
あった。
本考案は上記事情に鑑みてなされたもので、歯車機構の
各歯車の回転状態に応じて歯車ケース内の油量を変化さ
せて、潤滑油攪拌抵抗による動力伝達損失を低減させる
と共に、潤滑油の温度上昇を低減させて、その劣化を防
止し得るようにした歯車式動力伝達装置を提供すること
を目的とする。
(問題点を解決するための手段) 上記目的を達成するために本考案に依れば、エンジンの
動力を駆動車輪に伝達する変換機の歯車ケース内に設け
られ、少なくとも入力歯車と、車速に比例して回転する
出力歯車とを備える歯車機構の歯車の回転力を利用して
該歯車ケース内の潤滑油を前記歯車機構の潤滑すべき部
位へ供給するようにした歯車式動力伝達装置において、
前記歯車ケースの上部に潤滑油タンクを設け、一端が該
潤滑タンクに開口し、他端が前記出力歯車による潤滑油
の跳上げ方向に対向するように前記歯車ケース内に臨む
連通路を設けると共に、前記潤滑油タンク底面近傍と前
記歯車ケース内とは連通し、前記連通路を介して前記潤
滑油タンク内に流入した潤滑油を前記歯車ケース内に戻
す油戻し孔を設け、該油戻し孔の開口面積を、前記出力
歯車の回転時における前記歯車ケース内の潤滑油量が前
記出力歯車の非回転における潤滑油量より減少するよう
に設定すると共に、前記潤滑油タンクの外面に放熱フィ
ンを設けたことを特徴とする歯車式動力伝達装置が提供
される。
(作用) 歯車機構の出力歯車が回転していないニュートラル時に
おいては、歯車ケース内の潤滑油は潤滑油タンク内へ移
動しない。前記出力歯車が回転しているドライブ時にお
いては、該出力歯車の回転によって跳上げられた歯車ケ
ース内の潤滑油の一部が連通路を介して潤滑油タンク内
へ移動する。このとき、油戻し孔の開口面積が、出力歯
車の回転時における歯車ケース内の潤滑油量が出力歯車
の非回転時におけるそれより減少するように、即ち、連
通路を介して流入する潤滑油量より流出油量が少なくな
るように設定されているので、出力歯車の回転時におけ
る歯車ケース内の潤滑油の一部が潤滑油タンク内に蓄え
られ、歯車ケース内の潤滑油量が減少する。
特に、本考案装置に依れば、車速に比例して回転する出
力歯車による潤滑油の跳ね上げ方向に対向するように連
通路を設けているために、車速が高いほど多くの潤滑油
が潤滑油タンクに流入して歯車ケース内の潤滑油量が減
少することになる。このため、車速に応じて潤滑油攪拌
抵抗が減少される。また、潤滑油タンクの外面には放熱
フィンを設けているため、高速走行時に潤滑油タンク内
に跳ね上げられた潤滑油がそこで効率よく冷却される一
方、潤滑油タンク内に潤滑油が跳ね上げられなければ、
放熱フィンが設けられた潤滑油タンク内での冷却がされ
ず、潤滑油が不必要に冷却されることが防止される。
(実施例) 以下、本考案の一実施例を図面に基づき説明する。第1
図は本考案の歯車式動力伝達装置(トランスアクスル)
の断面を示し、同図中1は歯車ケース(トランスアクス
ルケース)で、その内部には歯車機構2が設けられてい
る。該歯車機構2は入力歯車3と、該入力歯車3に噛合
したアイドル歯車4と、出力歯車(デファレンシャル歯
車)6と、該出力歯車6及びアイドル歯車4に噛合可能
に配設され、これらの歯車との噛合時に入力歯車3の回
転を出力歯車6に伝達するトランスファ歯車5とからな
る。歯車ケース1の上面にはタンク7が設置されてい
る。タンク7の周側壁下部に設けられた流入口7aには連
通路8の一端が接続され、連通路8の他端は、出力歯車
6の回転時に該出力歯車6が跳ね上げる潤滑油の跳上げ
方向に対向するように出力歯車6上方の歯車ケース1内
に臨んで接続されている。タンク7の底壁に設けられた
流出口7bは歯車ケース1の上面壁に設けられた流入口1a
に直接連通接続されている。タンク7内には仕切板9が
設けられている。該仕切板9は、タンク7内を流入口7a
が開口する流入側室7cと流出口7bが開口する流出側室7d
とに2分するものである。仕切板9の上端面とタンク7
の上端面との間には間隙10が設けられ、該間隙10を介し
て流入側室7cと流出側室7dとが互いに連通しており、従
って、仕切板9にて堰が構成されている。該仕切板9の
下端側には流入側室7cと流出側室7dとを連通する、油戻
し孔としての連通孔11が穿設されている。なお、図中12
は歯車ケース1の内側壁に、出力歯車6の前部上方に位
置して設けられたガイドで、一端が連通路8の歯車ケー
ス1内部開口端近傍に位置し、他端側は漸次上方に向か
って傾斜している。そして、出力歯車6の回転により跳
ね上げられた歯車ケース1内の潤滑油の一部がガイド12
に案内されて、最も遠い位置にある入力歯車3に向けて
送り込まれるようになっている。タンク7の周側壁外面
には多数の放熱フィン7eが突設されている。
次に、上記構成になる歯車式動力伝達装置の作用を説明
する。まず、出力歯車6が回転していないニュートラル
時において必要とする量の潤滑油を歯車ケース1内に充
填する。この時その油面Lは例えば図中二点鎖線に示す
位置であり、且つ、タンク7内は空となっている。斯か
るニュートラル時においては出力歯車6とトランスファ
歯車5が回転せず、アイドル歯車4と入力歯車3が回転
している。トランスファ歯車5は潤滑油中に完全に没入
し、出力歯車6とアイドル歯車4はそれぞれ略半分が潤
滑油中に没入し、入力歯車3はその全体が潤滑油の油面
Lより上方に位置している。
従って、このニュートラル時においては歯車ケース1内
の潤滑油はタンク7内に流入せず、アイドル歯車4の回
転により該アイドル歯車4と入力歯車3との噛合部及び
軸受部に対して潤滑油が跳ね上げ供給される。
一方、各変速段を選択してドライブ中は、出力歯車6及
びトランスファ歯車5が入力歯車3及びアイドル歯車4
と共に図中矢印方向に回転する。該出力歯車6の回転力
により歯車ケース1内の潤滑油の一部が跳ね上げられ、
この跳ね上げられた潤滑油が歯車ケース1の内壁に沿っ
て出力歯車6の接線方向に流出され、流出された潤滑油
の一部が連通路8に流入する。すると、この潤滑油は連
通路8を介してタンク7の流入側室7c内に流入し、流入
側室7c内に溜められる。流入側室7c内に溜まった潤滑油
はその一部が連通孔11,流出口7b,流入口1aを介して歯車
ケース1に戻されるが、連通孔11の開口面積が小さいの
で流入側室7c内の潤滑油量は増加して仕切板9上部位置
まで溜まる。そして、溜まった分だけ歯車ケース1内の
潤滑油の油量が減少するので、油面Lが低下する。更に
潤滑油量が増加すると、仕切板9の上端とタンク7の上
面壁との間の間隙10からオーバーフローして、タンク7
の流出側室7d内に流入した後流出口7b及び歯車ケース1
の流入口1aを介して該歯車ケース1内に戻る。このと
き、流入口1aから落下する潤滑油が入力歯車3に降りか
かるようになっている。
尚、タンク7内に溜める潤滑油量及び循環油量はタンク
7の容積及び仕切板9の高さ、連通孔11の開口面積等に
より決められる。また、前記タンク7内への潤滑油の流
入量は出力歯車6の回転数に比例するもので、該出力歯
車6の高速回転に伴って歯車ケース1内の油面Lが低下
することによって、潤滑油の攪拌抵抗が減少する。ま
た、歯車ケース1内の油面Lが低下しても、出力歯車6
の高速回転により潤滑油の跳ね上げ力が増大し、トラン
スファ歯車5は勿論入力歯車3及びアイドル歯車4に対
して潤滑油が確実に供給される。
上記各変速段の選択によるドライブ状態から再びニュー
トラル状態に戻した場合、出力歯車6及びトランスファ
歯車5の回転が停止することにより、歯車ケース1内の
潤滑油のタンク7への流入が停止する。そして、タンク
1の流入側室7c内に一時的に溜められた潤滑油は、仕切
板9の連通孔11から流出側室7dを通り、流出口7b及び歯
車ケース1の流入口1aから該歯車ケース1内に戻る。
上記実施例においては、タンク7の周側壁外面に放熱フ
ィン7eを設けたことにより、該タンク7内に流入した潤
滑油が積極的に冷却され、その温度上昇を抑制すること
ができる。
なお、タンク7を歯車ケース1に対して別体に設けれ
ば、いかなる構成の歯車ケースにも適用可能である。な
た、タンクを歯車ケース内に組み込んでもよい。
また、本考案は上述のトランスアクスルに限らず、歯車
式動力伝達装置として幅広く適用可能である。
(考案の効果) 上述の如く本考案の歯車式動力伝達装置は、エンジンの
動力を駆動車輪に伝達する変速機の歯車ケース内に設け
られ、少なくとも入力歯車と、車速に比例して回転する
出力歯車とを備える歯車機構の歯車の回転力を利用して
該歯車ケース内の潤滑油を歯車機構の潤滑すべき部位へ
供給するようにした歯車式動力伝達装置において、歯車
ケースの上部に潤滑油タンクを設け、一端が該潤滑タン
ク内に開口し、他端が出力歯車による潤滑油の跳上げ方
向に対向するように歯車ケース内に臨む連通路を設ける
と共に、潤滑油タンク底面近傍と歯車ケース内とを連通
し、連通路を介して潤滑油タンク内に流入した潤滑油が
歯車ケース内に戻す油戻し孔を設け、該油戻し孔の開口
面積を、出力歯車の回転時における歯車ケース内の潤滑
油量が出力歯車の非回転時における潤滑油量より減少す
るように構成した設定すると共に、潤滑油タンクの外面
に放熱フィンを設けてものである。
従って、歯車機構の歯車の回転力を利用して車速に応じ
て歯車ケース内の潤滑油量を変化させることができるの
で、高速走行時の潤滑油攪拌抵抗による動力伝達損失を
低減させることができ、これに伴って潤滑油の温度上昇
をも低減できるので、その潤滑油の劣化を防止できる。
また、潤滑油タンクを歯車ケースに接続するだけで、他
のデバイスを必要としないので構成が簡単である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の一実施例を示す歯車式動力伝達装置の
断面図である。 1…歯車ケース、2…歯車機構、3…入力歯車、4…ア
イドル歯車、5…トランスファ歯車、6…出力歯車(デ
ファレンシャル歯車)、7…潤滑油タンク、7a…流入
口、7b…流出口、11…連通孔(油戻し孔)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−95307(JP,A) 実開 昭58−65492(JP,U) 実開 昭61−75203(JP,U)

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンの動力を駆動車輪に伝達する変速
    機の歯車ケース内に設けられ、少なくとも入力歯車と、
    車速に比例して回転する出力歯車とを備える歯車機構の
    歯車の回転力を利用して該歯車ケース内の潤滑油を前記
    歯車機構の潤滑すべき部位へ供給するようにした歯車式
    動力伝達装置において、前記歯車ケースの上部に潤滑油
    タンクを設け、一端が該潤滑油タンクに開口し、他端が
    前記出力歯車による潤滑油の跳ね上げ方向に対向するよ
    うに前記歯車ケース内に臨む連通路を設けると共に、前
    記潤滑油タンク底面近傍と前記歯車ケース内とは連通
    し、前記連通路を介して前記潤滑油タンク内に流入した
    潤滑油を前記歯車ケース内に戻す油戻し孔を設け、該油
    戻し孔の開口面積を、前記出力歯車の回転時における前
    記歯車ケース内の潤滑油量が前記出力歯車の非回転時に
    おける潤滑油量より減少するように設定すると共に、前
    記潤滑油タンクの外面に放熱フィンを設けたことを特徴
    とする歯車式動力伝達装置。
JP1986142600U 1986-09-19 1986-09-19 歯車式動力伝達装置 Expired - Lifetime JPH0716136Y2 (ja)

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JPS6349052U JPS6349052U (ja) 1988-04-02
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