JPH0716133Y2 - ベルト式変速装置 - Google Patents

ベルト式変速装置

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JPH0716133Y2
JPH0716133Y2 JP8713291U JP8713291U JPH0716133Y2 JP H0716133 Y2 JPH0716133 Y2 JP H0716133Y2 JP 8713291 U JP8713291 U JP 8713291U JP 8713291 U JP8713291 U JP 8713291U JP H0716133 Y2 JPH0716133 Y2 JP H0716133Y2
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fixed
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torque cam
sheave
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浩 宮崎
英樹 松本
清春 木山
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、伝動ベルトが巻き掛け
られた可変プーリのプーリ径を変化させて変速するベル
ト式変速装置に関し、特に、回転軸との間のトルク差の
利用により可動シーブを軸方向に移動させるトルクカム
機構を備えたものの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種のベルト式変速装置
は、例えば農業機械や軽車両における変速装置等、比較
的低負荷の動力伝達系に広く採用されている。この変速
装置は、例えば回転軸に回転一体にかつ軸方向に移動不
能に固定された固定シーブと、回転軸に回転可能にかつ
軸方向に移動可能に支持され、上記固定シーブとの間
に、ベルトが巻き掛けられる断面V字状のベルト溝を形
成する可動シーブとからなる変速プーリを備え、変速機
構により可動シーブを固定シーブに対し接離させてプー
リ径(ベルト溝の有効半径)を変化させることにより、
変速比を低速状態ないし高速状態に切り換えるようにし
たものである。
【0003】このようなベルト式変速装置において、回
転軸とそれに対し相対回転可能な可動シーブとの間のト
ルク差を利用して、可動シーブを固定シーブに接近する
方向に付勢し、その分だけ、変速機構により外部から加
える推力を低減して、操作力を小さくできるようにした
トルクカム機構が知られている。
【0004】このトルクカム機構は、例えばプーリにお
ける可動シーブのボス部内面(又は回転軸外面に、回転
軸心に対し螺旋状に傾斜するトルクカム溝を形成する一
方、該可動シーブのボス部内面に対応する回転軸外面
(又は可動シーブのボス部内面)には、トルクカム溝に
摺動可能に係合するトルクピンを突設し、回転軸と可動
シーブとがトルク差によって所定方向に相対回転するの
に伴い、トルクピンがトルクカム溝のカム面(溝側面)
を押圧して可動シーブを固定シーブに接近する方向に移
動させるようになっている。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】しかし、上記可動シー
ブが例えば硬度の低い鋳鉄材料であると、そのボス部に
形成されたトルクカム溝に摩耗が発生するのは避けられ
ず、強度上の問題がある。そこで、上記可動シーブのボ
ス部内側に鋳鉄材料よりも高硬度の例えば焼入鋼からな
るトルクカムカラーを配置して両者を一体接合し、この
トルクカムカラーにトルクカム溝を形成することが考え
られ、そうすることで耐摩耗性や強度上の問題を解消す
ることができる。
【0006】ところが、その反面、可動シーブのボス部
とトルクカムとが異種材料であるので、溶接により接合
すると、溶接熱によりトルクカムカラーの歪みや焼入れ
の戻り等が生じる虞れがあり、実際には溶接による両者
の一体接合はできない。
【0007】本考案は斯かる諸点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、上記可動シーブのボ
ス部とその内側のトルクカムカラーとの接合構造を改良
することで、両者を溶接による歪みの問題等を招くこと
なく簡単かつ容易に接合できるようにし、トルクカムカ
ラーによるトルクカム溝の耐摩耗効果を有効に得ること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、請求項1の考案では、トルクカムカラー外面に有底
の孔を、また可動シーブのボス部には上記有底の孔より
も大径の貫通孔をそれぞれ形成して、ボス部外周から貫
通孔を通してトルクカムカラーの有底の孔に固定部材を
打込み嵌合し、その固定部材で両者を一体接合するよう
にした。
【0009】すなわち、この考案では、回転軸に回転一
体にかつ軸方向に移動不能に固定された固定シーブと、
回転軸に回転可能にかつ軸方向に移動可能に支持され、
上記固定シーブとの間に、ベルトが巻き掛けられる断面
V字状のベルト溝を形成する可動シーブとからなる変速
プーリを備えたベルト式変速装置が前提である。
【0010】上記可動シーブのボス部内側で回転軸との
間に、可動シーブとは異種材料のトルクカムカラーが配
設され、このトルクカムカラーの外面には有底の固定孔
が形成されている。一方、可動シーブのボス部には上記
固定孔よりも大径の貫通孔が固定孔に対応して形成され
ている。上記固定孔には貫通孔に亘って延びる固定部材
がボス部外周側から嵌合されていて、該固定部材により
可動シーブのボス部とトルクカムカラーとが円周方向及
び軸方向に移動一体に接合されている。
【0011】また、上記トルクカムカラーの内面に、回
転軸心に対し螺旋状に配置されたトルクカム溝が形成さ
れている一方、回転軸外面には、トルクカム溝に摺動可
能に係合する係合部材が突設されていて、回転軸と可動
シーブとの所定方向の相対回転に伴い係合部材がトルク
カム溝のカム面を押圧して可動シーブが固定シーブに接
近する方向に移動するように構成されていることを特徴
とする。
【0012】請求項2の考案では、上記固定部材と可動
シーブのボス部における貫通孔との間の間隙に、充填材
を充填する。
【0013】
【作用】上記の構成により、請求項1の考案では、トル
クカムカラー外面の有底の固定孔に固定部材が可動シー
ブのボス部外周側からボス部の貫通孔を通って嵌合され
ていて、該固定部材はボス部の貫通孔に亘って延びてい
るので、その固定部材により可動シーブのボス部とトル
クカムカラーとを円周方向及び軸方向に移動一体に接合
することができる。こうしてボス部とトルクカムカラー
とを固定部材により接合することで、溶接による歪み等
の問題は生ぜず、両部材を確実に接合することができ
る。
【0014】また、上記固定部材をボス部外側から貫通
孔を通して固定孔に打ち込む場合において、可動シーブ
のボス部の貫通孔はトルクカムカラー外面の固定孔より
も大径であるので、貫通孔と固定孔との位置合せをボス
部外側から容易に行うことができる。しかも、トルクカ
ムカラー外面の固定孔は有底であるので、固定部材をト
ルクカムカラーへの貫通を懸念することなく固定孔の底
部まで容易に嵌合することができ、貫通孔が固定孔より
も大径であることと相俟って、固定部材の打込みも容易
に行うことができる。また、可動シーブの貫通孔がトル
クカムカラーの固定孔よりも大径であるので、製作時の
公差を緩くすることができ、製作加工が容易となる。
【0015】請求項2の考案では、固定部材と可動シー
ブの貫通孔との間の間隙に充填材が充填されているの
で、トルクの作用により可動シーブとトルクカムカラー
とがずれても、固定部材が貫通孔の周囲面に衝撃的に当
たることがなく、固定部材の折損等を確実に防止して、
効果を安定させることができる。
【0016】
【実施例】以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明
する。図1及び図2は本考案の実施例の全体構成を示
し、1はベルト式変速装置における駆動側の回転軸で、
この回転軸1は回転軸本体2と、その先端に配置された
円筒状のローラ取付台支持部3と、回転軸本体2とロー
ラ取付台支持部3との間に同心状に外嵌合された円筒状
スリーブ4と、ローラ取付台支持部3を回転軸本体2に
回転一体に取り付けるボルト5とからなる。
【0017】上記回転軸1の先端部には変速プーリ6が
支持されている。この変速プーリ6は回転軸1上で互い
に対向するように配置されたフランジ状の固定及び可動
シーブ7,9を有し、これらシーブ7,9は鋳鉄材料か
らなる。固定シーブ7は回転軸本体2の基端側にボス部
7aにてキー8により回転一体にかつ摺動不能に固定さ
れている。一方、回転軸1の先端側に位置するスリーブ
4は上記キー8により回転不能に外嵌合され、このスリ
ーブ4外周に円筒状のトルクカムカラー10を介して可
動シーブ9が結合支持されている。トルクカムカラー1
0は上記シーブ7,9よりも高硬度の焼入鋼からなって
いて、可動シーブ9のボス部9aと一体的に接合されて
いる。図3及び図4にも示す如く、上記トルクカムカラ
ー10の内周面には直径方向に対向した部位に1対のト
ルクカム溝10a,10aが形成されている。一方、図
1に示すように、スリーブ4の外周には直径方向に対向
した部位に1対のトルクピン11,11が突設されてお
り、このトルクピン11,11をそれぞれ上記トルクカ
ムカラー10のトルクカム溝10a,10aに係合させ
ることで、トルクカムカラー10及びそれと一体の可動
シーブ9を軸方向に摺動可能にかつ回転軸1と相対回転
可能に結合支持している。そして、上記トルクカムカラ
ー10の各トルクカム溝10aは回転軸心に対し螺旋状
に配置され、その一側にカム面10bを有しており、回
転軸1がトルクカムカラー10(可動シーブ9)に対し
駆動方向に相対回転するのに伴い、トルクピン11がト
ルクカム溝10aのカム面10bを押圧して可動シーブ
9を固定シーブ7に接近する方向に移動させるように構
成されている。
【0018】上記両シーブ7,9間には断面V字状のベ
ルト溝12が形成され、このベルト溝12にはVベルト
Bが巻き掛けられており、プーリ6の可動シーブ9を固
定シーブ7に対して接離させてプーリ径を変更すること
で、変速比を変える。
【0019】上記両シーブ7,9間のスリーブ4上には
ベアリング14が取り付けられ、このベアリング14の
アウタレースにより、ベルト溝12底部に配置されてス
リーブ4(回転軸1)に対し回転自在な空転体15が構
成されており、プーリ6が最大近くまで開いたときに、
この空転体15にベルトBを乗り移らせることで、ベル
トBとプーリ6との伝動を遮断するニュートラル状態と
するようになっている。13はプーリ6が閉じたときに
ベアリング14と干渉しないように可動シーブ9のベル
ト溝12内周側に形成された凹部である。
【0020】上記プーリ6における可動シーブ9の背面
側には、該可動シーブ9を固定シーブ7に対して接離さ
せるためのカム機構16が設けられている。このカム機
構16は、可動シーブ9のボス部9a外周にベアリング
17を介して相対回転可能にかつ軸方向に移動一体に外
嵌合支持された円筒カム18を有する。このカム18の
プーリ6と反対側の端面には1対のカム面19,19が
円周方向に等角度間隔(180°間隔)をあけて形成さ
れ、この各カム面19は、回転軸1の回転方向に向かっ
てプーリ6から離れるように傾斜している。また、カム
18の外周には回動レバー20が回転一体に突設されて
おり、この回動レバー20の操作によりカム18が回転
軸1回りに回転するようなっている。
【0021】また、上記回転軸1におけるローラ取付台
支持部3先端には円環状のローラ取付台21がベアリン
グ22を介して回転軸1に対し相対回転可能に支持され
ている。このローラ取付台21の外周には半径方向に延
びる固定アーム23が一体に固定され、この固定アーム
23の先端は図外の固定体(例えば変速装置のケース
等)により締結されており、この構造によりローラ取付
台21は回転軸1回りに回転不能にかつ軸方向に移動不
能に固定されている。ローラ取付台21の外周にはその
半径方向に延びる1対のピン24,24がそれぞれ上記
円筒カム18のカム面19,19に対応して一体的に取
り付けられている。該各ピン24のヘッド側はローラ取
付台21から突出していて、その突出部分に、カム18
の各カム面19に当接して転動するカム用ローラ25が
回転自在に支持されている。そして、上記回動レバー2
0により円筒カム18を回転軸1回りにその回転方向と
逆方向に回転させて、その各カム面19上でカム用ロー
ラ25を転動させることにより、可動シーブ9を軸方向
に移動させて固定シーブ7に対し接近させ、そのベルト
溝12の有効半径つまりプーリ6のプーリ径を大きくす
るように構成されている。
【0022】本考案の特徴は、上記可動シーブ9のボス
部9aとその内側のトルクカムカラー10との一体接合
構造にある。すなわち、図1に示すように、上記トルク
カムカラー10の外面には直径方向に対向する部位に有
底の固定孔10cが形成されている。一方、可動シーブ
9のボス部9aには同様に直径方向に対向する部位に貫
通孔9bが上記固定孔10cに軸方向に対応して形成さ
れ、図5に示すように、この貫通孔9bは固定孔10c
よりも大径とされている。そして、上記固定孔10cに
は固定孔10cよりも若干小径の固定ピン30がボス部
9a外周側からその貫通孔9bを通して嵌合され、この
固定ピン30はその外端部が貫通孔9b内に臨むように
貫通孔9bに亘って延びていて、外端はボス部9a外面
よりも内側になるよう貫通孔9b内に没入しており、こ
の固定ピン30により可動シーブ9のボス部9aとトル
クカムカラー10とが円周方向及び軸方向に移動一体に
接合されている。
【0023】さらに、図5にも示すように、上記可動シ
ーブ9のボス部9aにおける貫通孔9bとトルクカムカ
ラー10の固定孔10cとの孔径の違いにより固定ピン
30の外端部と貫通孔9bとの間に間隙が形成される
が、この間隙にはセメント等の硬化材からなる充填材3
1が充填されている。
【0024】したがって、この実施例では、カム機構1
6における回動レバー20を操作して円筒カム18を回
転軸1回りに回転させることで、その端面のカム面1
9,19上をそれぞれローラ25,25が転動し、この
カム面19とローラ25とのカム接触により可動シーブ
9が軸方向に移動して固定シーブ7に接離し、プーリ6
のプーリ径が変更されて変速比が切り換えられる。
【0025】つまり、プーリ6を閉じてプーリ径を大き
くする高速状態にするには、回動レバー20を図2に示
すHi位置に向けて回転させる。このカム18の回転に
伴い、各カム面19がローラ25により押されること
で、カム18及びそれにベアリング17を介して連結さ
れている可動シーブ9が軸方向に移動して固定シーブ7
に接近し、可動シーブ9が固定シーブ7に最大に接近し
てプーリ6が閉じ、高速状態となる。
【0026】また、プーリ6を開いてプーリ径を小さく
する低速状態にするには、回動レバー20を図2に示す
Lo位置に向けて回転させると、このカム18の回転に
より、各カム面19に対するローラ25の押圧力がなく
なり、ベルトBからの推力により可動シーブ9が軸方向
に移動して固定シーブ7から離れ、可動シーブ9が固定
シーブ7に最大近くまで離隔してプーリ6が開き、低速
状態となる。
【0027】このような伝動負荷状態では、回転軸1と
可動シーブ9との間にトルク差が作用しており、このト
ルク差により回転軸1が可動シーブ9に対し駆動方向に
相対回転するのに伴い、トルクピン11がトルクカムカ
ラー10における各トルクカム溝10aのカム面10b
を押圧して、トルクカムカラー10と一体の可動シーブ
9を固定シーブ7に接近する方向に移動させ、この付勢
力により、カム機構16による外部からの推力が低減さ
れる。
【0028】尚、プーリ6とベルトBとの接続を遮断す
るためにクラッチをOFF状態にするときには、回動レ
バー20を図2に示すN位置(ニュートラル位置)に位
置付ける。この回転操作に伴い、可動シーブ9がベルト
Bからの推力により固定シーブ7からさらに離れて、ベ
ルトBが両シーブ7,9間の空転体15に乗り上げ、ベ
ルトBとプーリ6との接続が遮断されるニュートラル状
態となる。
【0029】この実施例においては、トルクカムカラー
10が鋳鉄材料からなる可動シーブ9とは異なる高硬度
の焼入鋼からなるので、上記トルクカム作用におけるト
ルクカムカラー10の耐摩耗性及び強度を向上させるこ
とができる。
【0030】また、こうしてトルクカムカラー10が可
動シーブ9とは異なる焼入鋼であるので、両者を一体的
に接合する場合、まず、トルクカムカラー10の外側に
可動シーブ9のボス部9aを、トルクカムカラー10の
固定孔10cとボス部9aの貫通孔9bとを合致させた
状態で嵌合する。次いで、ボス部9aの外側から固定ピ
ン30をその先端が固定孔10cの底部に届くように打
ち込み、しかる後、固定ピン30と可動シーブ9の貫通
孔9bとの間の間隙に充填材31を充填する。こうする
ことで、固定孔10cから貫通孔9bに亘って延びる固
定ピン30により、可動シーブ9のボス部9aとトルク
カムカラー10とを円周方向及び軸方向に移動一体に接
合することができる。このような固定ピン30によるボ
ス部9aとトルクカムカラー10との接合により、溶接
による接合の場合のような歪み等の問題は生ぜず、両部
材を確実に接合することができ、上記トルクカムカラー
10によるトルクカム溝10aの耐摩耗効果を有効に得
ることができる。
【0031】その際、上記可動シーブ9のボス部9aの
貫通孔9bはトルクカムカラー10外面の固定孔10c
よりも大径であるので、貫通孔9bと固定孔10cとの
位置合せをボス部9a外側から容易に行うことができ
る。しかも、トルクカムカラー10外面の固定孔10c
は有底であるので、固定ピン30をトルクカムカラー1
0への貫通を懸念することなく固定孔10cの底部まで
容易に嵌合することができ、上記貫通孔9bが固定孔1
0cよりも大径であることと相俟って、固定ピン30の
打込みも容易に行うことができる。また、可動シーブ9
の貫通孔9bがトルクカムカラー10の固定孔10cよ
りも大径であるので、製作時の公差を緩くすることがで
き、製作加工が容易となる。
【0032】また、上記貫通孔9bが固定孔10cより
も大径であるので、固定ピン30と可動シーブ9の貫通
孔9bとの間に間隙が形成され、この間隙により、トル
クの作用により可動シーブ9とトルクカムカラー10と
がずれて、固定ピン30が貫通孔9bの周囲面に衝突す
ると、その衝撃により固定ピン30が折損する虞れがあ
る。しかし、この実施例では、上記間隙に充填材31が
充填されているので、固定ピン30が貫通孔9bの周囲
面に衝撃的に当たることはなく、その折損等を確実に防
止して、上記効果を安定して得ることができる。
【0033】
【考案の効果】以上説明したように、請求項1の考案に
よると、変速プーリにおける可動シーブと回転軸との相
対回転により可動シーブを固定シーブに押圧してプーリ
が閉じる方向に推力を発生させるトルクカム機構を有す
るベルト式変速装置において、可動シーブのボス部内側
に可動シーブとは異種材料のトルクカムカラーを配設し
て、その内面にトルクカム溝を形成し、トルクカムカラ
ーに有底の固定孔を、また可動シーブのボス部には上記
固定孔よりも大径の貫通孔をそれぞれ形成して、ボス部
外周から貫通孔を通してトルクカムカラーの固定孔に固
定部材を打込み嵌合し、その固定部材で両者を一体接合
するようにしたので、ボス部とトルクカムカラーとを、
溶接による歪みの問題等を招くことなく簡単かつ容易に
接合することができ、トルクカムカラーによるトルクカ
ム溝の耐摩耗効果を有効に得ることができる。
【0034】請求項2の考案によると、固定部材と可動
シーブの貫通孔との間の間隙に充填材を充填したことに
より、トルクの作用により可動シーブとトルクカムカラ
ーとがずれたときに、固定部材が貫通孔の周囲面に衝撃
的に当たるのを防いで固定部材の折損等を確実に防止で
き、上記効果を安定確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例におけるベルト式変速装置の一
部破断正面図である。
【図2】ベルト式変速装置の側面図である。
【図3】トルクカムカラーの側面図である。
【図4】図3のIV―IV線断面図である。
【図5】可動シーブのボス部とトルクカムカラーとの接
合部分を示す拡大平面図である。
【符号の説明】
1…回転軸 6…変速プーリ 7…固定シーブ 9…可動シーブ 9a…ボス部 9b…貫通孔 10…トルクカムカラー 10a…トルクカム溝 10c…固定孔 11…トルクピン(係合部材) 16…カム機構(変速機構) 30…固定ピン 31…充填材

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸に回転一体にかつ軸方向に移動不
    能に固定された固定シーブと、回転軸に回転可能にかつ
    軸方向に移動可能に支持され、上記固定シーブとの間
    に、ベルトが巻き掛けられる断面V字状のベルト溝を形
    成する可動シーブとからなる変速プーリを備えたベルト
    式変速装置において、 上記可動シーブのボス部内側で回転軸との間に、可動シ
    ーブとは異種材料のトルクカムカラーが配設され、この
    トルクカムカラーの外面には有底の固定孔が形成されて
    いる一方、可動シーブのボス部には上記固定孔よりも大
    径の貫通孔が固定孔に対応して形成され、上記固定孔に
    は貫通孔に亘って延びる固定部材がボス部外周側から嵌
    合されていて、該固定部材により可動シーブのボス部と
    トルクカムカラーとが円周方向及び軸方向に移動一体に
    接合されており、 上記トルクカムカラーの内面に、回転軸心に対し螺旋状
    に配置されたトルクカム溝が形成されている一方、回転
    軸外面には、トルクカム溝に摺動可能に係合する係合部
    材が突設されていて、回転軸と可動シーブとの所定方向
    の相対回転に伴い係合部材がトルクカム溝のカム面を押
    圧して可動シーブが固定シーブに接近する方向に移動す
    るように構成されているベルト式変速装置。
  2. 【請求項2】 固定部材と可動シーブのボス部における
    貫通孔との間の間隙に、充填材が充填されている請求項
    1記載のベルト式変速装置。
JP8713291U 1991-10-24 1991-10-24 ベルト式変速装置 Expired - Lifetime JPH0716133Y2 (ja)

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