JPH07161225A - 電力ケーブルの半導電層用組成物 - Google Patents

電力ケーブルの半導電層用組成物

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JPH07161225A
JPH07161225A JP31026793A JP31026793A JPH07161225A JP H07161225 A JPH07161225 A JP H07161225A JP 31026793 A JP31026793 A JP 31026793A JP 31026793 A JP31026793 A JP 31026793A JP H07161225 A JPH07161225 A JP H07161225A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 剥離性、耐熱性、押出加工性のいずれも満た
す電力ケーブルの外部電層用組成物の提供を目的として
いる。 【構成】 酢酸ビニル含有量が40%以上で、メルトフ
ローレート値が5dg/min以上で25dg/min
以下であるエチレン−酢酸ビニル共重合体をベース樹脂
とし、このベース樹脂100重量部に対し、ジブチルフ
タレート吸油量が120ml/100g以上で160m
l/100g以下で、かつ比表面積が70m2 /g以下
である導電性カーボンブラックが40重量部以上含有す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、架橋ポリエチレン高圧
絶縁ケーブルの半導電層用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、架橋ポリエチレン高圧絶縁ケーブ
ル等の電力ケーブルの構造は、中心部に導体があり、こ
の導体の上に内部半導電層が設けられていて、その上に
架橋ポリエチレンからなる絶縁層、更に外部半導電層が
設けられているものが多い。ケーブルの施工時におい
て、ケーブル同士を接続する場合やケーブルを接続箱に
接続する場合には、端末処理をする必要があり、その際
にはケーブルの外部半導電層部分を取り除かねばならな
い。このため、近年、高圧絶縁ケーブルとして、施工時
の作業性を考慮し、絶縁層から外部半導電層が剥がれ易
いものが求められてきている。
【0003】樹脂同士の剥離性はSP(溶解性パラメー
タ)値に関係しており、一般的にはSP値の差が大きい
樹脂同士ほど剥離し易いことがわかっている。半導電層
用の樹脂材料としては、ポリエチレンに酢酸ビニルを共
重合させたエチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、EV
Aという。)が一般的に使用されている。EVAにおい
ては、酢酸ビニル含有量(以下、VA含量という。)が
高くなるほどSP値が高くなり、ポリエチレンとのSP
値の差が大きくなる。したがって、半導電層の絶縁層と
の剥離性を向上させるには、VA含量の多いEVAを使
用することが考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ケーブ
ルの被覆として要求される性能として、剥離性の他に耐
熱性と押出加工性等があり、半導電層の剥離性向上のた
め極端にVA含量の高いEVAを使用すると、軟化点が
低くなり耐熱性が劣ってしまう。また、ケーブル被覆の
耐熱性はベース樹脂のVA含量とともにメルトフローレ
ート値(以下、MFR値という。)にも関係している。
耐熱性を向上させるためには、MFR値を低く調整した
硬いグレードのEVAをベース樹脂として使用すること
が望ましいが、導電性フィラーとして添加するカーボン
ブラックの種類によっては組成物の粘度が高くなってし
まい押出加工性が低下してしまう。
【0005】本発明は、剥離性、耐熱性、押出加工性の
いずれも満たす電力ケーブルの半導電層用組成物を提供
することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る電力ケーブ
ルの半導電層用組成物は、酢酸ビニル含有量が40%以
上で、MFR値が5dg/min以上で25dg/mi
n以下であるエチレン−酢酸ビニル共重合体をベース樹
脂とし、このベース樹脂100重量部に対し、ジブチル
フタレート吸油量が120ml/100g以上で160
ml/100g以下で、かつ比表面積が70m2 /g以
下である導電性カーボンブラックが40重量部以上含有
されていることを特徴としている。
【0007】
【作用】本発明に係る電力ケーブルの半導電層用組成物
は、上述のように構成されており、この半導電層用組成
物を用いて乾式架橋にて製造された6kV−CVケーブ
ルの外部半導電層について長さ方向に12.7mm間隔
を有する切れ目を入れ、この外部半導電層を端部より適
当な長さ剥ぎ取り、その部分をつかんで試料長さ方向と
ほぼ垂直な方向に毎分500mmの速さで剥ぎ取りに要
する力が、電力会社等で一般的に規定されている値4k
gf/12.7mm以下であることを満足している。
【0008】また、JISC−3005加熱変形の試験
方法により、120℃での厚さの減少率が40%以下に
抑えられている。
【0009】また、製造時の押出加工性も充分に満足し
ていることがわかった。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。 (実施例)この実施例における電力ケーブルの半導電
層用組成物は、下記の表1に示すVA含量が41%で、
MFR値が22.9dg/minであるEVAをベース
樹脂1として、このベース樹脂100重量部に対して物
理化学特性として、下記の表2に示すジブチルフタレー
ト(DBP)吸油量が153ml/100gで比表面積
62m2 /gの導電性カーボンブラック(ファーネスブ
ラック1)を50重量部添加したものである。
【0011】
【表1】
【0012】
【表2】
【0013】また、架橋剤として、2,5−ジメチル−
2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)−ヘキシン−3
を1.0重量部添加するとともに、酸化防止剤を2.0
重量部、加工助剤を0.5重量部添加している。なお、
MFR値は、通常、10分単位で計測するが、ここでは
1分単位としたのでグラム(g)をデシグラム(dg)
に変更している。
【0014】(実施例)この実施例における電力ケー
ブルの半導電層用組成物は、VA含量が41%で、MF
R値が22.9dg/minであるEVAをベース樹脂
1として、このベース樹脂100重量部に対して物理化
学特性として、ジブチルフタレート(DBP)吸油量が
133ml/100gで比表面積49m2 /gの導電性
カーボンブラック(ファーネスブラック2)を50重量
部添加したものである。また、架橋剤として、先の実施
例と同様に2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチ
ルパーオキシ)−ヘキシン−3を1.0重量部添加する
とともに、酸化防止剤を2.0重量部、加工助剤を0.
5重量部添加している。
【0015】上述した実施例で用いた導電性カーボンブ
ラックに相当するものとしては、具体的にはブラックパ
ール3500(キャブラック株式会社製)あるいはトー
カブラック(東海カーボン株式会社製)等があげられ
る。また、導電性カーボンブラックの物理化学特性を、
上述の値としたのは、DBP吸油量が120ml/10
0g以下では充分な導電性を付与することができず、ま
た160ml/100g以上では組成物の粘度が高くな
り押出加工性が低下してしまうからである。
【0016】また、導電性カーボンブラックの比表面積
を70m2 /g以下としたのは、これ以上では外部半導
電層の剥離強度が高くなってしまうからであり、カーボ
ンブラック添加量を40重量部以上としたのは、これ以
下では充分な導電性を付与することができないからであ
る。また、ベース樹脂であるEVAのMFR値を上述の
値としたのは、5dg/min以下ではカーボンブラッ
クを添加した際に組成物の粘度が高くなり押出加工性が
低下してしまうからであり、25dg/min以上では
耐熱性が低下してしまうからである。なお、架橋剤とし
て、上記の他にジクミルパーオキサイド等でもよく、ま
た上記成分以外に酸化防止剤、加工助剤等を必要に応じ
て添加することができる。
【0017】実施例,は、このように構成されてい
るので、その作用効果は下記の表3に示すように、 (1)剥離強度低減を満足している。本実施例に係る半
導電層用組成物を用いて乾式架橋にて製造された6kV
−CVケーブルの外部半導電層は、剥ぎ取りに要する力
が、電力会社等で一般的に規定されている値4kgf/
12.7mm以下であることを満足している。その理由
は、VA含量が40%以上であるEVAをベース樹脂と
したことと、DBP吸油量が120ml/100g以
上、比表面積が70m2 /g以下の導電性カーボンブラ
ックを使用したためである。なお、表3の剥離性では、
剥ぎ取りに要する力が4kgf/12.7mm以下の場
合には〇を、4kgf/12.7mmを超える場合には
×を記入している。
【0018】(2)耐熱性を満足している。JISC−
3005加熱変形の試験方法により、120℃での厚さ
の減少率が40%以下に抑えられている。なお、半導電
層についての規定は特に無いがJISC−3606「高
圧架橋ポリエチレンケーブル」の架橋ポリエチレンの特
性に準じた。120℃での厚さの減少率が40%以下に
抑えられた理由は、MFR値の低い25dg/minで
あるEVAをベース樹脂としたためである。なお、表3
では、その減少率が40%以下の場合には〇を、40%
を超える場合には×を記入しいてる。
【0019】(3)押出加工性を満足している。その理
由は、DBP吸油量が160ml/100g以下である
導電性カーボンブラックを使用したので、ベース樹脂の
MFR値を22.9dg/minとしても、半導電層用
組成物の粘度があがらないことによる。なお、カーボン
ブラックはDBP吸油量が大きくなるほど増粘効果が大
きい。
【0020】
【表3】
【0021】なお、表3では、押出作業時の作業性、押
出外観が良好な場合には〇を、悪い場合には×を記入し
ている。
【0022】以上の実施例,に対し、表3に比較例
,,,を掲げる。 (比較例)実施例と異なるところは、ベース樹脂の
VA含量を41%から33%に変えたベース樹脂2を用
いた点にある。この場合、耐熱性と押出加工性は満足し
ているが、剥離強度の低減は満足していない。
【0023】(比較例)実施例と異なるところは、
ベース樹脂のMFR値を22.9dg/minから31
dg/minに変えたベース樹脂3を用いた点である。
この場合、剥離強度の低減と押出加工性は満足している
が、耐熱性は満足していない。MFR値が高くなったた
めである。
【0024】(比較例)実施例と異なるところは、
カーボンブラックを、物理化学特性がDBP吸油量が1
60ml/100g以上のファーネスブラック3に変更
したものである。この場合、耐熱性と剥離強度低減は満
足しているが、押出加工性を満足していない。
【0025】(比較例)実施例と異なるところは、
カーボンブラックをアセチレンブラックに変えた点であ
る。この場合、耐熱性は満足しているが、剥離強度低減
は満足していない。比表面積が70m2 /gを超えてい
るからである。また、押出加工性も満足していない。D
BP吸油量が160ml/100gを超えていることに
よる。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
耐熱性、押出加工性および剥離性のいずれも満足する電
力ケーブルの半導電層用組成物を得ることができるの
で、電力ケーブルの外部半導電層として好適な材料とな
る。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年3月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、架橋ポリエチレン高圧
絶縁ケーブルの外部半導電層用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、架橋ポリエチレン高圧絶縁ケーブ
ル等の電力ケーブルの構造は、中心部に導体があり、こ
の導体の上に内部半導電層が設けられていて、その上に
架橋ポリエチレンからなる絶縁層、更に外部半導電層が
設けられているものが多い。ケーブルの施工時におい
て、ケーブル同士を接続する場合やケーブルを接続箱に
接続する場合には、端末処理をする必要があり、その際
にはケーブルの外部半導電層部分を取り除かねばならな
い。このため、近年、高圧絶縁ケーブルとして、施工時
の作業性を考慮し、絶縁層から外部半導電層が剥がれ易
いものが求められてきている。
【0003】樹脂同士の剥離性はSP(溶解性パラメー
タ)値に関係しており、一般的にはSP値の差が大きい
樹脂同士ほど剥離し易いことがわかっている。半導電層
用の樹脂材料としては、ポリエチレンに酢酸ビニルを共
重合させたエチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、EV
Aという。)が一般的に使用されている。EVAにおい
ては、酢酸ビニル含有量(以下、VA含量という。)が
高くなるほどSP値が高くなり、ポリエチレンとのSP
値の差が大きくなる。したがって、半導電層の絶縁層と
の剥離性を向上させるには、VA含量の多いEVAを使
用することが考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ケーブ
ルの被覆として要求される性能として、剥離性の他に耐
熱性押出加工性等があり、半導電層の剥離性向上のた
め極端にVA含量の高いEVAを使用すると、軟化点が
低くなり耐熱性が劣ってしまう。また、ケーブル被覆の
耐熱性はベース樹脂のVA含量とともにメルトフローレ
ート値(以下、MFR値という。)にも関係している。
耐熱性を向上させるためには、MFR値を低く調整した
硬いグレードのEVAをベース樹脂として使用すること
が望ましいが、導電性フィラーとして添加するカーボン
ブラックの種類によっては組成物の粘度が高くなってし
まい押出加工性が低下してしまう。
【0005】本発明は、剥離性、耐熱性、押出加工性の
いずれも満たす電力ケーブルの半導電層用組成物を提供
することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る電力ケーブ
ルの半導電層用組成物は、酢酸ビニル含有量が40%以
上で、MFR値が5dg/min以上で25dg/mi
n以下であるエチレン−酢酸ビニル共重合体をベース樹
脂とし、このベース樹脂100重量部に対し、ジブチル
フタレート吸油量が120ml/100g以上で160
ml/100g以下で、かつ比表面積が70m2 /g以
下である導電性カーボンブラックが40重量部以上含有
されていることを特徴としている。
【0007】
【作用】本発明に係る電力ケーブルの半導電層用組成物
は、上述のように構成されており、この半導電層用組成
物を用いて乾式架橋にて製造された6kV−CVケーブ
ルの外部半導電層について長さ方向に12.7mm間隔
を有する切れ目を入れ、この外部半導電層を端部より適
当な長さ剥ぎ取り、その部分をつかんで試料長さ方向と
ほぼ垂直な方向に毎分500mmの速さで剥ぎ取りに要
する力が、電力会社等で一般的に規定されている値4k
gf/12.7mm以下であることを満足している。
【0008】また、JISC−3005加熱変形の試験
方法により、120℃での厚さの減少率が40%以下に
抑えられている。
【0009】また、製造時の押出加工性も充分に満足し
ていることがわかった。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。 (実施例)この実施例における電力ケーブルの半導電
層用組成物は、下記の表1に示すVA含量が41%で、
MFR値が22.9dg/minであるEVAをベース
樹脂1として、このベース樹脂100重量部に対して物
理化学特性として、下記の表2に示すジブチルフタレー
ト(DBP)吸油量が153ml/100gで比表面積
62m2 /gの導電性カーボンブラック(ファーネスブ
ラック1)を50重量部添加したものである。
【0011】
【表1】
【0012】
【表2】
【0013】また、架橋剤として、2,5−ジメチル−
2,5−(t−ブチルパーオキシ)−ヘキシン−3を
1.0重量部添加するとともに、酸化防止剤を0.5
量部、加工助剤を2.0重量部添加している。なお、M
FR値は、通常、10分単位で計測するが、ここでは1
分単位としたのでグラム(g)をデシグラム(dg)に
変更している。
【0014】(実施例)この実施例における電力ケー
ブルの半導電層用組成物は、VA含量が41%で、MF
R値が22.9dg/minであるEVAをベース樹脂
1として、このベース樹脂100重量部に対して物理化
学特性として、ジブチルフタレート(DBP)吸油量が
133ml/100gで比表面積49m2 /gの導電性
カーボンブラック(ファーネスブラック2)を50重量
部添加したものである。また、架橋剤として、先の実施
例と同様に2,5−ジメチル−2,5−(t−ブチルパ
ーオキシ)−ヘキシン−3を1.0重量部添加するとと
もに、酸化防止剤を0.5重量部、加工助剤を2.0
量部添加している。
【0015】上述した実施例で用いた導電性カーボンブ
ラックに相当するものとしては、具体的にはブラックパ
ールズ(キャブラック株式会社製)あるいはトーカブラ
ック(東海カーボン株式会社製)等があげられる。ま
た、導電性カーボンブラックの物理化学特性を、上述の
値としたのは、DBP吸油量が120ml/100g以
下では充分な導電性を付与することができず、また16
0ml/100g以上では組成物の粘度が高くなり押出
加工性が低下してしまうからである。
【0016】また、導電性カーボンブラックの比表面積
を70m2 /g以下としたのは、これ以上では外部半導
電層の剥離強度が高くなってしまうからであり、カーボ
ンブラック添加量を40重量部以上としたのは、これ以
下では充分な導電性を付与することができないからであ
る。また、ベース樹脂であるEVAのMFR値を上述の
値としたのは、5dg/min以下ではカーボンブラッ
クを添加した際に組成物の粘度が高くなり押出加工性が
低下してしまうからであり、25dg/min以上では
耐熱性が低下してしまうからである。なお、架橋剤は、
上記の他にジクミルパーオキサイド等でもよい。
【0017】実施例,は、このように構成されてい
るので、その作用効果は下記の表3に示すように、 (1)剥離強度低減を満足している。本実施例に係る半
導電層用組成物を用いて乾式架橋にて製造された6kV
−CVケーブルの外部半導電層は、剥ぎ取りに要する力
が、電力会社等で一般的に規定されている値4kgf/
12.7mm以下であることを満足している。その理由
は、VA含量が40%以上であるEVAをベース樹脂と
したことと、比表面積が70m2 /g以下の導電性カー
ボンブラックを使用したためである。なお、表3の剥離
性では、剥ぎ取りに要する力が4kgf/12.7mm
以下の場合には〇を、4kgf/12.7mmを超える
場合には×を記入している。
【0018】(2)耐熱性を満足している。JISC−
3005加熱変形の試験方法により、120℃での厚さ
の減少率が40%以下に抑えられている。なお、半導電
層についての規定は特に無いがJISC−3606「高
圧架橋ポリエチレンケーブル」の架橋ポリエチレンの特
性に準じた。120℃での厚さの減少率が40%以下に
抑えられた理由は、MFR値の低い25dg/min
であるEVAをベース樹脂としたためである。なお、
表3では、その減少率が40%以下の場合には〇を、4
0%を超える場合には×を記入しいてる。
【0019】(3)押出加工性を満足している。その理
由は、DBP吸油量が160ml/100g以下である
導電性カーボンブラックを使用したので、ベース樹脂の
MFR値を25dg/min以下としても、半導電層用
組成物の粘度があがらないことによる。なお、カーボン
ブラックはDBP吸油量が大きくなるほど増粘効果が大
きい。なお、表3では、押出作業時の作業性、押出外観
が良好な場合には〇を、悪い場合には×を記入してい
る。
【0020】
【表3】
【0021】以上の実施例,に対し、表3に比較例
,,,を掲げる。 (比較例)実施例と異なるところは、ベース樹脂の
VA含量を41%から33%に変えたベース樹脂2を用
いた点にある。この場合、耐熱性と押出加工性は満足し
ているが、剥離強度の低減は満足していない。
【0022】 (比較例)実施例と異なるところは、
ベース樹脂のMFR値を22.9dg/minから31
dg/minに変えたベース樹脂3を用いた点である。
この場合、剥離強度の低減と押出加工性は満足している
が、耐熱性は満足していない。MFR値が高くなったた
めである。
【0023】 (比較例)実施例と異なるところは、
カーボンブラックを、物理化学特性がDBP吸油量が1
60ml/100g以上のファーネスブラック3に変更
したものである。この場合、耐熱性と剥離強度低減は満
足しているが、押出加工性を満足していない。
【0024】 (比較例)実施例と異なるところは、
カーボンブラックをファーネスブラックからアセチレン
ブラックに変えた点である。この場合、耐熱性は満足し
ているが、剥離強度低減は満足していない。比表面積が
70m2 /gを超えているからである。また、押出加工
性も満足していない。DBP吸油量が160ml/10
0gを超えていることによる。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
耐熱性、押出加工性および剥離性のいずれも満足する電
力ケーブルの半導電層用組成物を得ることができるの
で、電力ケーブルの外部半導電層として好適な材料とな
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酢酸ビニル含有量が40%以上で、メル
    トフローレート値が5dg/min以上で25dg/m
    in以下であるエチレン−酢酸ビニル共重合体をベース
    樹脂とし、このベース樹脂100重量部に対し、ジブチ
    ルフタレート吸油量が120ml/100g以上で16
    0ml/100g以下で、かつ比表面積が70m2 /g
    以下である導電性カーボンブラックが40重量部以上含
    有されていることを特徴とする電力ケーブルの半導電層
    用組成物。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100387955B1 (ko) * 1996-10-02 2003-06-18 보레알리스 에이/에스 반도전성 중합체 조성물 및 이를 포함하는 케이블 외장
JP2020012097A (ja) * 2018-07-05 2020-01-23 キヤノン株式会社 樹脂組成物、樹脂成形体、樹脂積層体、カートリッジ、画像形成装置、樹脂成形体の製造方法、樹脂積層体の製造方法およびカートリッジの製造方法
JP2021518450A (ja) * 2018-03-28 2021-08-02 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー 極性有機コポリマーおよび超低湿潤性カーボンブラックの複合物
JP2021518457A (ja) * 2018-03-28 2021-08-02 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー 非極性有機ポリマー、極性有機ポリマー、および超低湿潤性カーボンブラックの複合物

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