JPH071609U - 無線通信機のアンテナ構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 所定方向にアンテナを回転させた場合にも確
実に固定され、振動によって回転角が変化することのな
い無線通信機のアンテナ構造を提供する。 【構成】 横断面が円形で長アームと短アームとを有す
るＬ字円筒状のカバー１２と、長アーム内に収納される
アンテナ部１１と、短アームの開口端に軸方向に垂直な
向きに回転可能に係合する固定部１３とを有する無線通
信機のアンテナ構造において、短アームの固定部１３と
接触する壁面先端部近傍に複数の凹部２１ａ，２１ｂ
（又は凸部）を形成し、固定部１３にこの凹部２１ａ，
２１ｂ（又は凸部）に係合する凸部（又は凹部）を設
け、カバー１２の回転角度に応じて凹部２１ａ，２１ｂ
と凸部とを係合させ、カバー１２を固定部１３に対して
所定の角度に保持するようにする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は無線通信機のアンテナ構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来のこの種の構造には図２に示す様なものが知られている。

【０００３】 図２ (Ａ）は従来のアンテナ構造の斜視図を、（Ｂ）は矢視線Ａ₂ から見た方 向の正面図、（Ｃ）は図２ (Ｂ）のＢ₂ −Ｂ₂ 断面における断面構造を示す図で ある。アンテナ部１１は横断面が円形のＬ字円筒状のカバー１２の長アーム内に 収納されている。カバー１２は電磁波を透過するモールド材等で形成され一端は 閉塞し、他端はＬ字状に折れ曲がって開口している。カバー１２の開口端にはア ンテナを無線機本体に固定するための固定部１３が軸方向に摺動回転可能に取り 付けられている。

【０００４】 固定部１３の開口端から同軸ケーブル１４が導入されアンテナ部１１に接続さ れる。カバー１２の短アームの内壁面には凹部１７が形成され固定部１３の外壁 面に形成された凸部１８と係合し、このカバー１２が軸方向に沿って摺動可能と なるように形成されている。固定部１３も円筒状に形成され、その表面に軸方向 に向かってアンテナを無線機本体に固定するための穴１９を有する板１５が取付 けられている。この取付板１５の穴１９にネジ等を通して図示しない無線機本体 にアンテナを固定する。

【０００５】 カバー１２は固定部１３と凹部１７および凸部１８で円周方向に摺動可能に嵌 合されており、固定部１３の円筒の中心軸と直角をなす面Ｃ₂ の方向に回転可能 である。またカバー１２の短アームの先端部には突起１６が形成されており、カ バー１２が回転した際に取付け板１５にこの突起１６が接触して回転が制限され るようになっている。アンテナを所定方向に回転させて固定するに際しては、係 合する凹部１７と凸部１８との摩擦により所定角度だけ傾けた位置で保持する。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、図２に示すような従来のアンテナ構造ではアンテナをＣ₂ 方向に回転 させた時アンテナを所定の角度で固定する機構は、カバーと固定部との間の摩擦 によってしか行われていなかったため、回転に対する固定が必ずしも充分でない という問題があった。

【０００７】 本考案はアンテナの回転に対する固定が充分でないという問題点を解消するた めになされたもので、所定方向にアンテナを回転させた場合にも確実に固定され 、振動によって回転角が変化することのない無線通信機のアンテナ構造を提供す ることを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案はＬ字円筒状のカバーの短アームの固定部と接触する壁面先端部近傍に 複数の凹部（又は凸部）を形成し、固定部にこの凹部（又は凸部）に係合する凸 部（又は凹部）を設け、カバーの回転角度に応じて凹部と凸部とを係合させカバ ーを固定部に対して所定の角度に保持するようにしたものである。

【０００９】

【作用】

本考案ではカバーの内壁面に設けた凹部と固定部の先端部に設けた凸部とを係 合させ、アンテナを所定角度に固定する。アンテナの角度を変更するときにはカ バーを軸方向に引いて一旦この係合をとき、所定角度だけ回転させてカバーを固 定部に押しつけるようにし、対応する凹部と凸部とを係合させて再び固定する。

【００１０】

【実施例】

図１は本考案の一実施例に係る無線通信機のアンテナ構造を示す図である。（ Ａ）は全体構成を示す斜視図、（Ｂ）は（Ａ）において矢視線Ａ₁ 方向から見た 詳細図、（Ｃ）は破断線Ｂ₁ −Ｂ₁ での断面構造を示す図、（Ｄ）はカバー１２ の端部の構造を示す図、（Ｅ）は固定部１３の端部の構造を示す図、（Ｆ）はア ンテナの角度を固定する時の状態を説明する図、（Ｇ）は角度変更を説明するた めの図である。

【００１１】 なお、図中に示す符号は図２に示す従来の構造と同一部分には同一符号を付し 、その詳細な説明は省略する。本実施例ではカバー１２の短アームの内壁先端部 近傍に複数の係止溝２１ａ，２１ｂを設ける。また固定部１３の先端部にも図１ (Ｅ）に示すようにこの係止溝２１ａ，２１ｂに係合する係止爪２０を設ける。 この係止溝２１ａ，２１ｂと係止爪２０とは固定部１３をカバー１２に挿入した 際に先端部で係合するように構成されている。通常この係止爪２０は複数の係止 溝２１ａ，２１ｂのいずれかに係合されているため、軸方向には回転ができない 状態となっている。

【００１２】 そこでアンテナ設定角度を変更する場合には、固定部１３の係止爪２０を嵌合 しているカバー１２の係止溝２１ａから係止を解除するためカバー１２を固定部 １３から図１ (Ｃ）に示すＰ方向へ引っ張る。すると、係止爪２０と係止溝２１ ａとの嵌合が解除される。その状態でアンテナを設定する角度方向にカバー１２ を回転させ係止溝２１ｂに係止爪２０を係合させてその状態でカバー１２をＱ方 向に押し戻す。すると係止爪２０が係止溝２１ｂに嵌合されてアンテナの回転が 阻止される。

【００１３】 なお本実施例では係止爪２０が一個だけ設けられており回転した時に複数設け られた係止溝に係合するように構成されているが、係止爪２０を複数個設けて複 数の位置で係止溝に係合するようにしてもよい。このようにすれば係合時にアン テナの回転の阻止機能がより強化される。またカバー１２に係止爪を形成し固定 部に係止溝を形成してもよい。

【００１４】

【考案の効果】

以上実施例に基づいて説明したように、本考案ではカバーの壁面及び固定部の 先端部に係止溝と係止爪とを設けてアンテナの角度設定を行うようにしたためア ンテナの角度設定が確実に行え振動等の影響で回転角がずれることがなくなる。 従ってダイバーシチ受信等のように複数のアンテナを使用して種々のアンテナ設 定角度を必要とする場合、設定角度の設定が確実に行なえ受信感度を向上させる ことができるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す図。

【図２】従来のアンテナ構造を示す図。

【符号の説明】

１１ アンテナ部 １２ カバー １３ 固定部 １４ 同軸ケーブル １５ 取付け板 １６ 突起 ２０ 係止爪 ２１ａ，２１ｂ 係止溝

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 横断面が円形で長アームと短アームとを
   有するＬ字円筒状のカバーと、前記長アーム内に収納さ
   れるアンテナ部と、前記短アームの開口端に軸方向に垂
   直な向きに回転可能に係合する固定部とを有する無線通
   信機のアンテナ構造において、 前記短アームの前記固定部と、前記固定部と接触する壁
   面先端部のうち、一方に複数の凹部を形成し、他方に前
   記凹部に係合する凸部を設け、前記カバーの回転角度に
   応じて前記凹部と前記凸部とを係合させ前記カバーを前
   記固定部に対して所定の角度に保持するようにした事を
   特徴とする無線通信機のアンテナ構造。