JPH07159552A - 電子時計 - Google Patents

電子時計

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Publication number
JPH07159552A
JPH07159552A JP30826893A JP30826893A JPH07159552A JP H07159552 A JPH07159552 A JP H07159552A JP 30826893 A JP30826893 A JP 30826893A JP 30826893 A JP30826893 A JP 30826893A JP H07159552 A JPH07159552 A JP H07159552A
Authority
JP
Japan
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hand
rotor
step motor
rotating
drive circuit
Prior art date
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Pending
Application number
JP30826893A
Other languages
English (en)
Inventor
Susumu Aizawa
進 相澤
Hisaaki Yasukawa
尚昭 安川
Hajime Ugata
肇 宇賀田
Takashi Ikegami
隆 池上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP30826893A priority Critical patent/JPH07159552A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 秒針の1ステップ毎の回転条件を適正化し
て、低消費電力化が可能な電子時計を実現すること。 【構成】 電子時計1において、駆動回路30は、ステ
ップモータ40に対して秒針61を1ステップ毎に5m
sec.を越える時間をかけて回転させる櫛歯状の間欠
信号を送出して、ロータ42を低速回転させる。秒針6
1の基部612には、外乱による飛びを防止するための
錘部613が張り出している。ロータ42の慣性モーメ
ントと、それと反対方向に回転する五番車51の慣性モ
ーメントとは同等に調整して、外乱によるロータ42の
ずれを防止してある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子時計に関し、特
に、その低消費電力化技術に関する。
【0002】
【従来の技術】水晶振動子を時間基準として用いたいわ
ゆる水晶腕時計のうち、指針表示式のアナログ水晶腕時
計では、図1に示すように、ステップモータ40内に、
永久磁石製のロータ42を挟んでステータ43が配置さ
れ、駆動回路30から出力された信号によって、ステー
タ43は、N極、S極に励磁されて、ロータ42を18
0°ずつ回転させる。ロータ42には、輪列50が接続
しており、その四番車52に取り付けられている秒針6
1は、1秒毎に6°ずつ間欠的に回転する。この回転を
駆動するにあたって、駆動回路30は、図11に示すよ
うに、1秒毎に電流の流れが反転するパルス信号を送出
している。ここで、電子時計においては、外乱による針
の飛びなどを防止するために、ロータ42の引きトルク
を十分に大きな値に設定しているので、これに打ち勝っ
て、ロータ42を回転させるための駆動力も大きくする
必要がある。このため、従来では、ロータ42の駆動信
号の波高値を電源電圧である1.58Vに設定すると共
に、そのパルス幅を約2msec.に設定し、ロータ4
2を5msec.以下の速度で間欠的に高速回転させる
ようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように構成したア
ナログ水晶腕時計では、時計全体の消費電力の殆どが上
記の電気機械変換機構で消費されるにもかかわらず、そ
の駆動条件の適正化が十分に図られていないため、電子
時計の長寿命化、それに用いる電池の小型化・薄型化を
達成できないという問題点がある。すなわち、上記のよ
うに、外乱によって、秒針61に飛びが発生しないよう
に、ステップモータ40のロータ42に対する引きトル
クを高めてあるので、秒針61を高速で回転させて、大
きなトルクを与えており、ステップモータ40での消費
電力が高いという問題点があった。
【0004】以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、
秒針の1ステップ毎の回転条件を適正化して、低消費電
力化が可能な電子時計を実現することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係る電子時計では、計時信号に基づいて作
動する駆動回路と、この駆動回路から送出された駆動信
号によって駆動されるステップモータと、このステップ
モータからの回転駆動力を輪列を介して伝達して、秒針
を1ステップずつ間欠的に回転させる駆動力伝達系と、
秒針を1ステップ毎に約5msec.を越える時間をか
けて回転させる手段とを設けた構成にしてある。
【0006】ここで、駆動回路を、駆動信号として間欠
信号を送出する構成にして、秒針を1ステップ毎に約5
msec.を越える時間をかけて回転させる。また、駆
動回路には、間欠信号に代えて、電源電圧未満の低電圧
信号を駆動信号として送出するための降圧回路を設けて
もよい。
【0007】本発明の別の形態では、ステップモータと
して、ステータ側に形成された浅い内ノッチなどを利用
して、ロータに対する引きトルク低減手段を構成して、
秒針を1ステップ毎に約5msec.を越える時間をか
けて回転させる。
【0008】また、駆動信号を間欠信号または低電圧信
号とするとともに、引きトルク低減手段を組み合わせ
て、秒針を1ステップ毎に約5msec.を越える時間
をかけて回転させてもよい。
【0009】本発明では、外乱などによって、停止期間
中の秒針に飛びなどが発生しないように、輪列のうち、
秒針がその回転軸を介して直結された歯車と、秒針とか
らなる回転部材において、秒針の軸線方向における重心
位置を回転軸上に設定することが好ましい。この回転軸
上に重心位置を設定するためには、秒針本体の回転軸に
対する重心位置の偏りを、たとえば、秒針の基部側に設
けたバランサによって補正すればよい。また、秒針本体
の重心位置の偏りは、歯車側の重量バランスを調整する
ことによっても補正することができる。
【0010】本発明において、回転動作中に加わった外
乱などによって、ロータに位置ずれが発生しないよう
に、ステップモータのロータの慣性モーメントと、輪列
のうち、ロータと反対方向に回転するいずれかの歯車の
慣性モーメントとを同等の値に合わせることが好まし
い。
【0011】
【作用】本発明の作用を、秒針の間欠回転動作における
回転速度と、トルクとの関係、さらに、エネルギー効率
との関係から説明する。
【0012】まず、電子時計の秒針を1ステップ毎に所
定の時間で回転させるときのトルクTは、以下に示すと
おり、ロータの慣性I、エネルギーU、ロータの回転角
Θ、ロータが180°回転するのに要する時間tとして
表される。ここで、秒針を1ステップ毎に6°ずつ回転
させる動作は、ロータをπ/2の角度で回転駆動する動
作に相当する。なお、従来の一般的な駆動条件では、ロ
ータの慣性Iが0.6mgfmm2 、回転角Θがπ/
2、回転に要する時間tが5msec.である。
【0013】T = U/Θ U = I・ω2 /2 = I・Θ2 /2(t/2)2 T = 2I・Θ/t2 I=0.6mgfmm2 Θ=π/2 t=5msec. ∴ T = 0.75dyn・cm この条件で駆動効率を求めると、以下のとおりになる。
【0014】まず、入力エネルギーU1 (但し、駆動電
流iは、0.4μA)を求める。
【0015】U1 = W sec = V・A sec = 1.58v × 0.4μAsec = 0.623 μWsec. = 0.623 μJ 次に、出力エネルギーU2 (但し、慣性Iは、0.6m
gfmm2 、ロータが180°回転するのに要する時間
tは、5msec.)を求める。
【0016】U2 = I・ω2 /2 = I・(Θ/t)2 /2 = 0.118×10-6 N・m = 0.118 μJ よって、駆動効率ηは、U2 /U1 として求まり、約
0.19(19%)である。
【0017】ここで、効率ηが一定とした場合、出力エ
ネルギーU2 を小さくすれば、入力エネルギーU1 も少
なくて済む。そこで、本発明では、U=T・Θである出
力エネルギーを低減するため、トルクTを低減するにあ
たり、ロータの180°の回転に要する時間tを長く設
定する。たとえば、ロータの180°の回転に要する時
間tを2倍にすると、上記の式よりトルクTは、1/4
で済み、出力エネルギーが減少し、入力エネルギーも少
なくてすむため、結果として消費電流も少なくなりステ
ップモータの低消費電流化が実現できるものである。
【0018】ここで、ロータを遅く回転させるために
は、ロータに対する引きトルクを小さくしておけばよ
い。
【0019】一方、引きトルクを小さくすると、外乱の
影響を受けやすくなり、針の間欠回転が不安定化する。
すなわち、針の回転時および停止時の安定性が損なわれ
る。しかし、本発明では、秒針の重心バランスを調整し
て、停止時の安定性を確保し、またはステップモータの
ロータの慣性モーメントと、ロータと反対方向に回転す
る歯車の慣性モーメントとのバランスを調整しているの
で、回転中の安定性を確保できる。
【0020】
【実施例】つぎに、添付図面を参照して、本発明の実施
例を説明する。
【0021】(全体構成)図1は、本例の電子時計の全
体構成を示す概略構成図である。
【0022】この図において、本例の電子時計1は、指
針表示式のアナログ水晶腕時計であり、水晶振動子20
から送出された計時信号に基づいて、ステップモータ4
0に対し、1秒毎に電流の流れが反転する駆動信号を送
出する駆動回路30を有する。ステップモータ40は、
一体ステータ型のモータであって、2極に着磁された永
久磁石製のロータ42と、このロータ42が配置される
筒状の穴部を有する一体のステータ43と、コイル41
を巻いた継鉄44からなるコイルブロックとから構成さ
れている。
【0023】このような構成の電子時計1では、駆動回
路30が、秒針61を1ステップ毎に約5msec.を
越える時間をかけて回転させる手段として、後述すると
おり、櫛歯状の駆動信号、または電源電圧(約1.58
v)を降圧した低電圧信号を駆動信号として送出するよ
うになっている。また、秒針61が低速、低トルク回転
可能なように、ステップモータ40では、ロータ42に
対する引きトルクを低減するための手段として、内ノッ
チ433、434を浅くしてある。
【0024】ここで、ロータ42に対する引きトルクを
小さくすると、外乱の影響を受けて間欠回転動作が不安
定化する。この対策として、本例では、秒針61がその
軸521を介して直結された四番車52と、秒針61と
からなる回転部材60では、秒針61の軸線方向におけ
る重心位置が軸521上にあるように秒針61を設計し
てある。なお、回転部材60の重量バランスを四番車5
2の側で調整してもよい。あるいは、秒針61および四
番車52の双方で調整することもできる。さらに、本例
では、ステップモータ40のロータ42の慣性モーメン
トと、ロータ42と反対方向に回転する歯車としての五
番車51の慣性モーメントとのバランスを調整して、外
乱によって加わる力を打ち消してある。
【0025】(ステップモータの構成)ステータ43に
は、図2に示すように、ロータ42の中立点P1、静的
安定位置P2および動的安定位置P3を規定するため
に、磁気飽和部を形成する外ノッチ431、432と、
引きトルクを得るための内ノッチ433、434とが形
成されており、これらの内ノッチ433、434によっ
てロータ42に対する引き位置および引き方向が規定さ
れることになる。すなわち、ロータ42の径方向に形成
されている磁極N、Sの角度位置と、引きトルクの大き
さおよび方向とは、図3に示すような関係にあり、中立
点P1では、ロータ42に対する引きトルクが反時計回
りの方向CCWから時計回りの方向CCWへと反転し、
中立点P1では、ロータ42に対する引きトルクが0で
ある。従って、中立点P1の手前では、反時計回りの方
向CCWの引きトルクがロータ42を戻す力として作用
するのに対して、中立点P1を越えると、時計回りの方
向CWの引きトルクがロータ42を進める力として作用
する。なお、中立点P1では、ロータ42の磁極N、S
を内ノッチ433、434に対峙させても、ロータ42
は、そこで静止するが、この位置では、ロータ42にわ
ずかな回転力が加わっても、いずれかの静的安定位置P
2に向けて容易に回転する。
【0026】ここで、ロータ42に対する引きトルク
は、内ノッチ433、434の深さδが深い程、大き
い。従って、本例の電子時計1では、内ノッチ433、
434の深さδが深いと、秒針61を遅く回転させるこ
とができないので、ステップモータ40には、内ノッチ
433、434を浅くした低引きトルク構造(引きトル
ク低減手段)を採用してある。
【0027】静的安定位置P2は、内ノッチ433、4
34の形成位置に対して約90°の角度をなす位置であ
り、磁気抵抗が最小の位置であって、モータに組み込ん
だロータ42は、そこで停止する。
【0028】動的安定位置P3は、外ノッチ431、4
32の形成位置に対して約90°の角度をなす位置であ
って、コイル41に電流を流すと、ロータ42の磁極
N、Sは、動的安定位置P3に向かって回転する。ここ
で、ロータ42を回転可能にするためには、静的安定位
置P2と動的安定位置P3とが所定の角度距離を隔てた
位置にある必要がある。
【0029】また、ロータの磁力を弱めることにより、
引きトルクを低減してもよい。
【0030】(輪列および秒針細部の構成)図1および
図4に示すように、ロータ42には、かなを介して、五
番車51、四番車52、三番車53、二番車54、日の
裏車55、筒車56からなる輪列50を用いた駆動力伝
達系2が接続しており、そのうち、四番車52の軸52
1の先端には秒針61が固定され、二番車54の円筒軸
の先端には分針62が固定されている。また、筒車56
の円筒軸の先端には、時針63が固定されている。ここ
で、ロータ42に対する五番車51の減速比は、1/6
に設定され、この五番車51に対する四番車52の減速
比は、1/5に設定されている、このため、ロータ42
が1秒おきに180°ずつ間欠的に回転することによっ
て、秒針61は、6°ずつ間欠的に回転する。
【0031】本例では、図5に示すように、秒針61お
よび四番車52とからなる回転部材60では、秒針61
の軸線方向において、指示部611の側と基部612の
側との重量バランスの中心位置が軸521上にあるよう
に、秒針61の基部612の側に錘部613が側方に張
り出している。すなわち、秒針本体(錘部613を除い
た秒針61)は、重量が5mgfで、3mgfmmのア
ンバランスがあり、このアンバランスを、錘部613
は、補正している。
【0032】その目的は、外乱などによって、一方向の
回転モーメントが秒針61に加わっても、それを秒針6
1の両側で打ち消して、停止期間中の秒針61に飛びな
どが発生することを防止するためである。
【0033】なお、回転部材60の重心位置を調整する
にあたっては、図5に破線で示すように、四番車52の
側において、基部612に対応する側にバランサとして
の錘部610を設けてもよい。また、四番車52の側に
おいて、指示部611に対応する側に切り欠きなどを形
成して、その部分を軽くすることによって、バランスの
調整を行ってもよい。
【0034】(五番車とロータの慣性モーメントの関
係)本例では、ロータ42の慣性モーメントと、輪列5
0のうち、ロータ42と反対方向に回転する五番車51
の慣性モーメントとを同等の値になるように合わせてあ
る。すなわち、従来の輪列では、ロータ42、五番車5
1、四番車52および秒針61の慣性モーメントは、慣
性をI、減速比をZZとしたときに、I・(ZZ)2 で
表され、以下に示す値である。
【0035】 慣性I 減速比 I・(ZZ)2 (mgf ・mm2 ) ZZ (mgf ・mm2 ) 針 60 1/30 0.067 四番車 10 1/30 0.011 五番車 4 1/ 6 0.111 ロータ 0.7 1 0.70 ここで、慣性モーメントの総和は、0.89mgfmm
2 であるのに対して、四番車52および秒針61の慣性
モーメントは、極めて小さいので、慣性モーメントのバ
ランスに関し、影響を無視できる。また、分針62およ
び時針63は、秒針61に比して重いが、減速比が大で
あるため、その慣性モーメントも無視できる。それ故、
本例では、ロータ42と、それとは逆の方向に回転する
五番車51との関係のみに注目して、それらの慣性モー
メントを同等の値に設定してある。すなわち、ロータ4
2の慣性力をIa 、五番車51の慣性力をIb 、ロータ
42と五番車51との回転比をm:1としたときに、以
下の条件を満たすような部品を用い、場合によっては、
五番車51の側にバランサなどを追加する。
【0036】m2 ・Ia = Ib その目的は、回転動作中に外乱が加わって、一方向の回
転モーメントが加わっても、それをロータ42と五番車
51との間で打ち消して、ロータ42に位置ずれが発生
することを防止するためである。
【0037】なお、ロータ42と反対方向に回転する歯
車として、ロータ42と三番車53との間で慣性モーメ
ントのバランスを調整してもよい。
【0038】(駆動回路の構成)図6は、本例の電子時
計の駆動回路の要部の構成を示す回路図、図7は、駆動
回路における制御信号および駆動信号の波形図である。
【0039】駆動回路30には、2つのPchMOS・
FET31、33と、2つのNchMOS・FET3
2、34とが構成されており、それらのゲートが入力端
子311、321、331、341になっている。ここ
で、各MOS・FETの接続点に対してコイル41が接
続されている。この駆動回路30では、水晶振動子20
から送出された計時信号を分周、波形整形した制御信号
によって、PchMOS・FET31、33、NchM
OS・FET32、34を駆動する。すなわち、入力端
子311には、図7(a)に示す制御信号P1が印加さ
れ、入力端子321には、図7(b)に示す制御信号P
2が印加される。また、入力端子331には、図7
(c)に示す制御信号P3が印加され、入力端子341
には、図7(d)に示す制御信号P4が印加される。こ
こで、制御信号P1、P3は、1秒毎に電流の流れが反
転するパルス幅が2msec.よりもやや長いパルス信
号であり、いずれの制御信号も、送出周期が2秒であ
り、これらの制御信号に対して、制御信号P2、P4
は、同期している。
【0040】駆動回路30において、ステップモータ4
0の非駆動時(時刻t0〜t1)には、いずれの入力端
子もLowになっているため、コイル41には電流が流
れない。この状態から、時刻t1で、入力端子311、
321をHighにすると、コイル41に矢印Aの電流
が流れる。次に、時刻t2で、入力端子311、321
をLowに戻すと、コイル41に流れる電流が遮断さ
れ、以降、時刻t2〜t3では、いずれの入力端子もL
owになり、電流は、コイル41に流れない。次に、時
刻T3で、入力端子331、341をHighにする
と、コイル41に矢印Bの電流が流れ、ステップモータ
40を駆動可能である。
【0041】ここで、図7に示すように、制御信号P
2、P4は、パルス幅が0.5msec.の櫛歯状の間
欠信号になっており、この間欠信号に基づいて、コイル
41に印加される駆動電圧P5(駆動信号)は、図7
(e)に示すように、パルス幅が0.5msec.の櫛
歯状の間欠信号になっている。なお、駆動電圧P5の波
高値は、電池の出力電圧(VDDに相当する。)に相当
し、1.58vである。
【0042】(秒針の運針動作)このように構成した電
子時計1のステップモータ40では、コイル41に駆動
電圧P5が印加されて、ステータ42にN極、S極が励
磁されると、図8(a)に示すように、ロータ42の磁
極N、Sに対する反発力TD によって、ロータ42は、
回転して、磁極N、Sが静的安定位置P2から外ノッチ
431、432の形成位置に移動する。この間、磁極
N、Sに対する引き力(復元力)をKm とすると、反発
力TD は、引き力Km に比して大きい。
【0043】次に、図8(b)に示すように、ロータ4
2の磁極N、Sが外ノッチ431、432の形成位置か
ら中立点P1に移動する間では、ロータ42の磁極N、
Sに対する吸引力TD が磁極N、Sに対する引き力(復
元力)Km に比して大きい。次に、図8(c)に示すよ
うに、ロータ42の磁極N、Sが中立点P1から動的安
定位置P3に移動する間では、ロータ42の磁極N、S
に対する吸引力TDに、磁極N、Sに対する引き力(復
元力)Km が加わる。また、図8(d)に示すように、
ロータ42の磁極N、Sが動的安定位置P3から静的安
定位置P2に移動する間、引き力Km は、吸引力TD に
比して大きい。
【0044】ここで、ロータ42は、その磁極N、Sが
中立点P1を過ぎれば、外部からトルクを加えなくて
も、慣性力によって静的安定位置P2まで回転するた
め、ステップモータ40に加えられる駆動電圧P5は、
図7(e)に示したように、ロータ42の磁極N、Sが
静的安定位置P2から中立点P1に到達する90°の角
度範囲を移動するのに要する時間のみ印加すれば十分で
ある。
【0045】このような運針動作において、本例の電子
時計1では、コイル41に印加される駆動信号(駆動電
圧P5)は、櫛歯状の間欠的な信号であるため、そのパ
ルス比をn:1とすると、その実効的な電圧は、波高値
の1/n倍になる。従って、秒針61は、1ステップに
おいて従来の5msec.よりも長い時間をかけて低速
回転するため、そのトルクTが小さいので、消費電力が
小さくて済む。この場合でも、ロータ42に対する引き
トルクを低減してあるため、秒針61およびロータ42
の回転に支障がない。なお、秒針61の角速度が低くな
っても、従来の秒針の動きとの相違は、肉眼では感じら
れない程度である。
【0046】また、本例では、ロータ42への引きトル
クが小さく、また、秒針61が1ステップ毎に回転する
のに要する時間が長くなるため、ロータ42は、その間
に加わった外乱の影響を受けやすいことになるが、ロー
タ42と五番車51との間で慣性トルクのバランスを調
整してあるので、外乱に起因する回転モーメントを双方
が打ち消し合う。さらに、秒針61の基部612の側に
錘部613を形成して、秒針61の軸線方向におけるバ
ランスを調整してあるため、秒針61の停止中に外乱が
加わっても、外乱に起因する回転モーメントを秒針61
自身で打ち消す。それ故、本例の電子時計1は、低消費
電力化の弊害がなく、安定した機能を発揮する。
【0047】(駆動回路の変形例)なお、駆動回路つい
ては、図9に示す回路構成を採用してもよく、この駆動
回路からステップモータ40に送出される駆動信号の波
形図は、図10に示すとおりである。
【0048】図9に示す駆動回路30aも、2つのPc
hMOS・FET31、33と、2つのNchMOS・
FET32、34を有し、それらのゲートが入力端子3
01、302になっている。また、各MOS・FETの
接続点に対して、ステップモータ40のコイル41が接
続されている。
【0049】この駆動回路30aでは、入力端子301
に対し、図10(a)に示す制御信号P11が印加さ
れ、入力端子301には、図10(b)に示す制御信号
P12が印加される。ここで、制御信号P11と、制御
信号P12とは、1秒毎に電流の流れが反転するパルス
幅が2msec.よりもやや長いパルス信号であり、い
ずれの制御信号も、送出周期が2秒である。
【0050】さらに、本例の駆動回路30aには、2つ
のNchMOS・FET36、37と、3つの抵抗38
1、382、383とによって構成された降圧回路30
0が形成されており、NchMOS・FET36、37
のゲートが入力端子361、371になっている。ここ
で、入力端子361にも、図10(a)に示す制御信号
P11が印加され、入力端子371には、図10(b)
に示す制御信号P12が印加される。
【0051】従って、ステップモータ40には、図10
(c)に示す駆動信号が印加され、コイル41には、電
流Aと電流Bとが間欠的に交互に流れる。ここで、コイ
ル41には、降圧回路300が直列に構成されているた
め、コイル41に印加される駆動電圧P15(制御信
号)は、電池の出力電圧(VDDに相当する)である1.
58vから降圧された低電圧である。それ故、秒針61
は、遅く回転し、トルクが小さいので、消費電力が小さ
くて済む。
【0052】また、図11に示すような従来の一般的な
比較的高い電圧を持つ駆動信号を与える場合でも、本発
明の引きトルク低減手段を講じておけば、前述した中立
点までのCCWの引きトルクに打ち勝ってロータを回転
させるエネルギーも少なくて済むことになり、与える駆
動信号のパルスの幅を短くすることができ、中立点を越
えた後はロータを進める(引き寄せる)力も弱く働くた
め、ロータはゆっくり回転し、出力トルクが低減するこ
とになる。そのため、前述の式から明らかなように入力
エネルギーも少なくて済み、ステップモータの低消費電
流化を図ることができるものである。
【0053】
【発明の効果】以上のとおり、本発明に係る電子時計に
おいては、秒針を1ステップ毎に約5msec.を越え
る時間をかけて回転させる手段として、間欠信号または
低電圧信号を送出する駆動回路、またはロータに対する
引きトルク低減手段を有することに特徴を有する。従っ
て、本発明によれば、秒針を低速、低トルクで回転駆動
するため、低消費電力化を図ることができ、電子時計の
長寿命化、それに用いる電池の小型化・薄型化を達成で
きる。
【0054】本発明において、秒針とそれが接続する歯
車とからなる回転部材に対し、秒針の軸線方向における
重心位置を調整した場合には、低トルク化を図っても、
秒針の停止中に加わった外乱に起因する針飛びが発生し
ない。
【0055】また、ステップモータのロータの慣性モー
メントと、ロータと反対方向に回転する歯車の慣性モー
メントとのバランスを調整した場合には、低トルク化を
図っても、秒針の回転中に加わった外乱に起因するロー
タのずれが発生しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子時計の全体構成を示す概略構成図である。
【図2】電子時計に用いたステップモータの構成を示す
概略構成図である。
【図3】電子時計に用いたステップモータにおけるロー
タの角度位置と引きトルクとの関係を模式的に示すグラ
フ図である。
【図4】電子時計に用いた輪列の構成を示す概略構成図
である。
【図5】本発明の実施例に係る電子時計の秒針および歯
車の構成を示す斜視図である。
【図6】本発明の実施例に係る電子時計の駆動回路の要
部の構成を示す回路図である。
【図7】図6に示す駆動回路の制御信号および駆動信号
の波形図である。
【図8】電子時計に用いたステップモータの回転動作を
示す説明図である。
【図9】図6に示す駆動回路の変形例を示す回路図であ
る。
【図10】図9に示す駆動回路の制御信号および駆動信
号の波形図である。
【図11】従来の電子時計における駆動信号の波形図で
ある。
【符号の説明】
1・・・電子時計 30、30a・・・駆動回路 40・・・ステップモータ 41・・・コイル 42・・・ロータ 43・・・ステータ 50・・・輪列 31、33・・・PchMOS・FET 32、34・・・NchMOS・FET P5、P15・・・駆動電圧(駆動信号) 613・・・錘部 300・・・降圧回路 610・・・バランサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池上 隆 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 計時信号に基づいて作動する駆動回路
    と、この駆動回路から送出された駆動信号によって駆動
    されるステップモータと、このステップモータからの回
    転駆動力を輪列を介して伝達して、秒針を1ステップず
    つ間欠的に回転させる駆動力伝達系と、前記秒針を1ス
    テップ毎に約5msec.を越える時間をかけて回転さ
    せる手段とを備えていることを特徴とする電子時計。
  2. 【請求項2】 計時信号に基づいて作動する駆動回路
    と、この駆動回路から送出された駆動信号によって駆動
    されるステップモータと、このステップモータからの回
    転駆動力を輪列を介して伝達して、秒針を1ステップず
    つ間欠的に回転させる駆動力伝達系とを有し、前記駆動
    回路は、前記駆動信号として、前記秒針を1ステップ毎
    に約5msec.を越える時間をかけて回転させる間欠
    信号を送出することを特徴とする電子時計。
  3. 【請求項3】 計時信号に基づいて作動する駆動回路
    と、この駆動回路から送出された駆動信号によって駆動
    されるステップモータと、このステップモータからの回
    転駆動力を輪列を介して伝達して、秒針を1ステップず
    つ間欠的に回転させる駆動力伝達系とを有し、前記駆動
    回路は、前記駆動信号として、前記秒針を1ステップ毎
    に約5msec.を越える時間をかけて回転させる電源
    電圧未満の低電圧信号を送出するための降圧回路を備え
    ることを特徴とする電子時計。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3において、前記ステップ
    モータは、ロータに対する引きトルクを低減する引きト
    ルク低減手段を備えていることを特徴とする電子時計。
  5. 【請求項5】 計時信号に基づいて作動する駆動回路
    と、この駆動回路から送出された駆動信号によって駆動
    されるステップモータと、このステップモータからの回
    転駆動力を輪列を介して伝達して、秒針を1ステップず
    つ間欠的に回転させる駆動力伝達系とを有し、前記ステ
    ップモータは、ロータに対する引きトルクを低減して、
    前記秒針を1ステップ毎に約5msec.を越える時間
    をかけて回転させる引きトルク低減手段を備えているこ
    とを特徴とする電子時計。
  6. 【請求項6】 請求項4または5において、前記引きト
    ルク低減手段は、ステータ側に形成された浅い内ノッチ
    であることを特徴とする電子時計。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれかの項におい
    て、前記輪列のうち、前記秒針がその回転軸を介して直
    結された歯車と、前記秒針とからなる回転部材では、秒
    針の軸線方向における重心位置が前記回転軸上にあるこ
    とを特徴とする電子時計。
  8. 【請求項8】 請求項7において、前記回転部材の重心
    位置は、秒針本体の重心位置の偏りがその基部側に設け
    たバランサによって補正されて、前記回転軸上にあるこ
    とを特徴とする電子時計。
  9. 【請求項9】 請求項7において、前記回転部材の重心
    位置は、秒針本体の重心位置の偏りがその歯車側の重量
    バランスによって補正されて、前記回転軸上にあること
    を特徴とする電子時計。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし9のいずれかの項にお
    いて、前記ステップモータのロータの慣性モーメント
    と、前記輪列のうち、前記ロータと反対方向に回転する
    いずれかの歯車の慣性モーメントとは、同等の値である
    ことを特徴とする電子時計。
JP30826893A 1993-12-08 1993-12-08 電子時計 Pending JPH07159552A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000002099A1 (fr) * 1998-07-03 2000-01-13 Citizen Watch Co., Ltd. Horloge electronique analogique

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000002099A1 (fr) * 1998-07-03 2000-01-13 Citizen Watch Co., Ltd. Horloge electronique analogique
US6434086B1 (en) 1998-07-03 2002-08-13 Citizen Watch Co., Ltd. Analog electronic timepiece

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