JPH07159258A - 磁歪式トルクセンサ - Google Patents

磁歪式トルクセンサ

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JPH07159258A
JPH07159258A JP34081493A JP34081493A JPH07159258A JP H07159258 A JPH07159258 A JP H07159258A JP 34081493 A JP34081493 A JP 34081493A JP 34081493 A JP34081493 A JP 34081493A JP H07159258 A JPH07159258 A JP H07159258A
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JP
Japan
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torque
signal
magnetostrictive
circuit
difference
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Application number
JP34081493A
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English (en)
Inventor
Akinori Takeda
彰憲 竹田
Yoichi Katahira
洋一 片平
Kazunori Senzaki
一徳 千崎
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
Original Assignee
Unisia Jecs Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁歪式トルクセンサにおいて、経時劣化によ
る変動を除去し、磁歪シャフトに加わるトルクを高精度
に検出することができる。 【構成】 磁歪シャフトに加わるトルクが零のときに、
出力電圧VA と初期状態のトルク零時の初期電圧値VS
との電圧差VH を演算する。そして、ステップ3以降の
トルク検出時においては、この電圧差VH をトルクに対
応した出力電圧VA から減算することにより補正電圧V
0 を得る。これにより、経時劣化等によって変動した場
合でも、常時電圧差VH を更新して補正電圧V0 を得る
ようにしているから、正確なトルクを検出することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば自動車内のエン
ジンの出力軸トルク等を検出するのに用いて好適な磁歪
式トルクセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】自動変速機を備えたオートマチック車等
では、変速タイミングを適正化する目的でアウトプット
シャフト等に磁歪式トルクセンサを設けることが提案さ
れている。
【0003】そして、かかる従来技術による磁歪式トル
クセンサは、一対の磁気異方性部が形成された磁歪シャ
フトと、前記各磁気異方性部に対向して該磁歪シャフト
の外周側に設けられ、調整抵抗と共にフルブリッジ回路
に組まれた一対の検出コイルと、該各検出コイルからの
検出信号を比較して増幅する差動増幅器と、該差動増幅
器で増幅された信号を位相検波する位相検波回路等とか
ら構成されている。
【0004】しかし、この種の磁歪式トルクセンサで
は、予め調整抵抗の値を微調整等してブリッジの平衡を
保持する必要があるから、この調整作業に手間がかかる
上に、走行中に生じる温度変化の影響を受け易く、温度
特性が著しく低いという問題がある。
【0005】そこで、本発明者達は、かかる従来技術に
よる磁歪式トルクセンサの問題に鑑み、特願平5−32
678号(以下「先行技術」という)として、図9ない
し図11に示す如く、各検出コイルをハーフブリッジ回
路に組み、その両端から180°位相の異なる三角波を
印加する磁歪式トルクセンサを提案した。
【0006】図において、1はトルクセンサ本体を構成
するケーシングを示し、該ケーシング1は非磁性材料に
より段付筒状に形成され、自動変速機のケース(図示せ
ず)等に固定されるようになっている。
【0007】2はケーシング1内に軸受3,3を介して
回転自在に配設された磁歪シャフトを示し、該磁歪シャ
フト2はクロムモリブデン鋼等の磁歪材料によって棒状
に形成され、その両端側2A,2Bはケーシング1外に
突出してアウトプットシャフトを構成している。また、
該磁歪シャフト2の軸方向中間部はケーシング1内に位
置してスリット形成部2Cとなり、該スリット形成部2
Cの外周面には斜め下向きに45°、斜め上向きに45
°の角度をもってそれぞれスリット溝4,4,…、5,
5,…が刻設されている。
【0008】ここで、該各スリット溝4,5は磁歪シャ
フト2の軸方向に所定間隔をもって離間し、スリット形
成部2Cの外周面に全周に亘り等間隔をもって形成され
ている。そして、磁歪シャフト2のスリット形成部2C
には各スリット溝4間に第1の磁気異方性部6が形成さ
れると共に、各スリット溝5間に第2の磁気異方性部7
が形成され、これらの磁気異方性部6,7には表面磁界
による磁路が形成されるようになっている。
【0009】8はケーシング1の内周面に固着され、磁
歪シャフト2のスリット形成部2Cを径方向外側から取
囲んだコア部材を示し、該コア部材8は鉄等の磁性材料
により段付筒状に形成され、その内周側には後述の各検
出コイル9,10が軸方向に離間して配設されている。
【0010】9,10は磁歪シャフト2の磁気異方性部
6,7に対向して磁歪シャフト2の外周面に設けられた
検出コイルをそれぞれ示し、該検出コイル9,10はコ
ア部材8の内周側にそれぞれコイルボビン(図示せず)
を介して設けられ、後述の交流発生回路13により交流
電圧Vが印加されて励磁作用と検出作用とを行う。ま
た、該検出コイル9,10は自己インダクタンスL1 ,
L2 を有している。
【0011】次に、図10中の11はハーフブリッジ回
路を示し、該ハーフブリッジ回路11は検出コイル9,
10を直列に接続することによって形成され、交流発生
回路13から例えば30kHz程度の三角波が検出コイ
ル9,10に印加されると、この周波数に応じた磁束を
発生し、この磁束をコア部材8の端部から磁歪シャフト
2に加える励磁作用を行う。一方、磁歪シャフト2に加
わったトルクによって各磁気異方性部6,7の磁気抵抗
(透磁率)が変化すると、磁歪シャフト2からコア部材
8に亘る磁気回路中の磁束変化を検出し、この磁束変化
に応じた検出電圧を出力する検出作用を行なうものであ
る。
【0012】12は前記ハーフブリッジ回路11からの
検出信号を処理する信号処理回路を示し、該信号処理回
路12は後述する交流発生回路13、増幅回路14、位
相検波回路15、LPF16,17および差動増幅回路
18等によって構成されている。
【0013】13は交流発生回路を示し、該交流発生回
路13は前記ハーフブリッジ回路11の両端A,Bに位
相が180°異なる三角波を例えば30kHz程度の周
波数をもった交流電圧Vを印加するものである。
【0014】14は前記ハーフブリッジ回路11の中点
Cに接続された増幅回路、15は位相検波回路をそれぞ
れ示している。
【0015】16,17は位相検波回路15の後段に設
けられた平滑回路としてのローパスフィルタ(以下「L
PF16,17」という)を示し、該LPF16,17
は例えばコンデンサおよび抵抗をL型またはπ型に接続
することにより同一の回路構成をもってそれぞれ形成さ
れ、位相検波回路15から出力された信号を直流化する
ものである。
【0016】18はLPF16,17の後段に設けられ
た差動増幅回路を示し、該差動増幅回路18はLPF1
6,17からの直流電圧の減算を行いトルクに対応した
直流の出力電圧VA を出力するようになっている。
【0017】このように構成される従来技術の磁歪式ト
ルクセンサでは、交流発生回路13からの交流電圧Vを
検出コイル9,10に印加すると、磁歪シャフト2のス
リット形成部2Cには各スリット溝4,5間の磁気異方
性部6,7に沿ってそれぞれ表面磁界による磁路が形成
され、磁歪シャフト2に作用するトルクが零の状態で差
動増幅回路18からの出力電圧VA は予め初期値として
の初期電圧値VS (例えば2.5V)となるように設定
されている。
【0018】そして、この状態で磁歪シャフト2に図9
中の矢示T方向にトルクが作用すると、磁歪シャフト2
のスリット形成部2Cでは各スリット溝4間の磁気異方
性部6に沿って引張り応力+σが作用し、各スリット溝
5間の磁気異方性部7に沿って圧縮応力−σが作用する
から、磁歪シャフト2に正の磁歪材を用いている場合、
磁気異方性部6では引張り応力+σによって透磁率μが
増加し、磁気異方性部7では圧縮応力−σによって透磁
率μが減少する。
【0019】これにより、磁歪シャフト2の磁気異方性
部6と対向配設された検出コイル9は透磁率μの増加に
基づき自己インダクタンスL1 が増大し、検出コイル9
を流れる電流i1 が減少する。一方、磁気異方性部7と
対向配設された検出コイル10は透磁率μの減少に基づ
き自己インダクタンスL2 が減少し、検出コイル10を
流れる電流i2 が増大する。
【0020】この結果、ハーフブリッジ回路11の中点
Cの平衡が崩れて増幅回路14で所定の増幅率をもって
増幅される。
【0021】一方、位相検波回路15では交流発生回路
13からの基準波に基づいて増幅回路14からの電圧信
号を位相検波し、この電圧信号を正,負の半波整流信号
に変換してLPF16,17に出力する。
【0022】そして、LPF16,17では正,負の半
波整流信号を直流化し、差動増幅回路18でこの信号の
差を演算し、この差分を増幅して最終的な出力電圧VA
として出力する。なお、この出力電圧VA は磁歪シャフ
ト2に加わるトルクを直流電圧の高さとして示したもの
である。
【0023】そして、上述した先行技術による磁歪式ト
ルクセンサでは、検出コイル9,10を直列接続してハ
ーフブリッジ回路11を形成し、該ハーフブリッジ回路
11に180°位相の異なる三角波を印加するように構
成したから、温度依存性を低減してトルクの検出精度を
向上することができる。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した先
行技術による磁歪式トルクセンサにおいても、検出コイ
ル9,10等のセンサ部および信号処理回路12を構成
する各電子部品の経年劣化等により、図11のように、
初期時の特性線19が経時劣化後の特性線19′または
19″のように上,下方向に経時的に変動し、トルク零
時の零点、即ち初期電圧値VS も上,下に変動してしま
い正確なトルク検出を行うことができないという問題が
ある。
【0025】また、従来技術においても検出コイル9,
10および調整抵抗によってフルブリッジ回路を構成
し、かつ温度補償用回路または温度補償抵抗等を用いて
零点における電圧変動を防止した場合でも、経年劣化に
より必ず初期電圧値VS が変動してしまうという問題が
ある。
【0026】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明は経年劣化による零点の出力変動
を防止し、正確なトルク検出を行うことができる磁歪式
トルクセンサを提供することを目的としている。
【0027】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために本発明が採用する構成の特徴は、信号処理回路の
後段には、磁歪シャフトにトルクが加わっていないトル
ク零時の出力信号から初期値として予め有しているトル
ク零時の出力信号との差を演算する信号差演算手段と、
該信号差演算手段により演算された信号差を記憶する記
憶手段と、トルク検出時には前記信号処理回路から出力
される出力信号から該記憶手段によって記憶された信号
差を減算して出力信号を補正する補正演算手段とを備え
た補正回路を設けたことにある。
【0028】また、前記信号差演算手段は、磁歪シャフ
トにトルクの加わっていないときの出力信号または信号
差を加算平均して算出することが望ましい。
【0029】
【作用】補正回路内に備えた信号差演算手段により磁歪
シャフトにトルクが加わっていないときの信号処理回路
からの出力信号と初期値として予め有しているトルク零
時の出力信号との差を演算し、この信号差を記憶する。
そして、トルク検出時には補正演算手段により出力信号
からこの信号差を減算することにより、初期のトルク検
出時に近い状態のトルク検出を行うことができる。
【0030】また、信号差演算手段は、磁歪シャフトに
トルクの加わっていないときの出力信号または信号差を
加算平均して算出することにより、より正確な信号差を
演算することができる。
【0031】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1ないし図8に基
づき説明する。なお、実施例では前述した従来技術と同
一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略する
ものとする。
【0032】まず、図1ないし図4に基づいて本発明の
第1の実施例について示す。
【0033】図中、21は本実施例による補正回路とし
ての演算処理回路を示し、該演算処理回路21は従来技
術で述べた信号処理回路12の後段に接続され、該演算
処理回路21は入出力制御回路22、処理回路23およ
び記憶回路24等を含むマイクロコンピュータにより構
成され、図2に示すように、前記入出力制御回路22の
入力側には信号処理回路12およびミッションスイッチ
25等が接続され、出力側には変速タイミング等を制御
するコントロールユニット26が接続されている。そし
て、該演算処理回路21はRAM,ROM等の記憶回路
24内に図3および図4に示すプログラム等を格納し、
初期電圧値VS を記憶する初期電圧値記憶エリア24A
と電圧差VH を記憶する電圧差記憶エリア24Bを有し
ている。
【0034】ここで、前記ミッションスイッチ25はミ
ッションに組込まれ、ニュートラル位置,パーキング位
置および各ギアポジションを検出するもので、ミッショ
ンがニュートラル位置またはパーキング位置にある時に
は、エンジンの回転は出力軸に伝達されていないから、
トルクセンサの磁歪シャフト2にはトルクが加わってい
ない状態であるから、前記演算処理回路21にトルク零
信号を出力するようになっている。
【0035】本実施例による磁歪式トルクセンサは上述
の如く構成されるが、その基本的動作については従来技
術によるものと格別差異はない。
【0036】次に、図3および図4に示す処理プログラ
ムにより本実施例を説明する。
【0037】まず、ステップ1では、ミッションスイッ
チ25からの信号に基づいてトルク0であるか否かを判
定し、ステップ1で「YES」と判定した場合(即ち、
磁歪シャフト2にトルクが加わっていないと判定した場
合)には、ステップ2に移り後述する電圧差VH 演算処
理を実行した後に、ステップ3に移る。
【0038】一方、ステップ1で「NO」と判定した場
合(即ち、磁歪シャフト2にトルクが加わっていると判
定した場合)には、ステップ3以降の処理を実行する。
【0039】ステップ3では信号処理回路12からの出
力電圧VA を読込み、ステップ4では電圧差記憶エリア
24B内に記憶された電圧差VH を読出す。
【0040】そして、ステップ5では補正電圧V0 を下
記の数1によって演算する。
【0041】
【数1】V0 =VA −VH
【0042】さらに、ステップ6ではステップ5で演算
された補正電圧V0 をコントロールユニット26に出力
する。
【0043】ここで、図4に示す電圧差VH 演算処理に
ついて説明する。
【0044】ステップ11で前述したステップ1と同様
に、ミッションスイッチ25からの信号に基づいてトル
ク0であるか否かを判定し、「NO」と判定した場合に
はステップ20に移ってリターンし、図3中のステップ
2以降の処理を実行する。
【0045】一方、ステップ11で「YES」と判定し
た場合にはステップ12に移り、ステップ12では「N
=0,VB =0」とし、ステップ13では信号処理回路
12から出力電圧VA を読込み、ステップ14で加算電
圧VB を数2のように演算する。
【0046】
【数2】VB =VB +VA
【0047】そして、ステップ15でNを「1」ずつ歩
進する。
【0048】さらに、ステップ16ではステップ11と
同様にミッションスイッチ25からの信号に基づいてト
ルク0であるか否かを再判定し、「YES」と判定した
場合にはステップ13に移り、ステップ13以降の処理
を繰返す。
【0049】一方、ステップ16で「NO」と判定した
場合には、ステップ17で加算電圧VB を検出回数Nで
除算することにより、出力電圧VA の平均値VM を演算
し、ステップ18では、数3に示すように、出力電圧V
A から予め初期時に初期電圧値記憶エリア24Aに記憶
したトルク零時の初期電圧値VS を減算することにより
電圧差VH を演算する。
【0050】
【数3】VH =VM −VS
【0051】そして、ステップ19でこの電圧差VH を
電圧差記憶エリア24B内に記憶し、ステップ20によ
り図3のプログラムのステップ2にリターンする。
【0052】このように、本実施例による磁歪式トルク
センサにおいては、ミッションスイッチ25からの信号
によって磁歪シャフト2に加わるトルクが零の状態にお
ける出力電圧VA の加算平均となる平均値VM を求め、
この平均値VM から予め記憶したトルク零時の初期値電
圧VS を減算して電圧差VH を演算し、電圧差記憶エリ
ア24Bに記憶する。そして、トルク検出時には、信号
処理回路12からの出力電圧VA から電圧差VH を減算
することにより、補正電圧V0 をコントロールユニット
26に出力するようになっている。
【0053】この結果、経時劣化により、トルクに対応
した出力電圧VA が図11に示すように経時劣化後の特
性線19′,19″のように上,下に変動した場合で
も、初期時の特性線19に近づけることができ、正確な
トルク検出を行うことができる。
【0054】また、電圧差VH の演算処理は磁歪シャフ
トに加わるトルクが零になったときに電圧差VH を更新
するようにしているから、経時劣化によって初期電圧値
VSと出力電圧VA との間に差が発生したときから、直
ちに補正を行うことができ、常に電圧差VH を更新し
て、正確なトルク検出を行うことができる。
【0055】さらに、電圧差VH は加算平均によって算
出することにより、出力電圧VA のバラツキを最小限に
抑えることができる。
【0056】従って、本実施例による磁歪式トルクセン
サをオートマチック車等の変速タイミング制御に用いた
場合には、正確なトルク検出により最良なシフトチェン
ジを行うことができ、運転性を向上させることができ
る。
【0057】なお、前記第1の実施例では、図4中のス
テップ11〜ステップ18までが信号差演算手段の具体
例であり、図4中のステップ19が記憶手段の具体例で
あり、図3中のステップ3〜6が補正演算手段の具体例
である。
【0058】次に、本発明の第2の実施例を図5ないし
図8に示すに、本実施例の特徴は電圧差VH を算出する
減算処理をハード回路によって行うようにしたものであ
る。なお、本実施例では前述した第1の実施例と同一の
構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するもの
とする。
【0059】図中、31は本実施例による補正回路を示
し、該補正回路31は演算処理回路32と差動増幅回路
33とから構成されている。
【0060】ここで、前記演算処理回路32は第1の実
施例で述べた演算処理回路21とほぼ同様に図6に示す
ように、入出力制御回路34、処理回路35および記憶
回路36等を含むマイクロコンピュータにより構成さ
れ、前記入出力制御回路34の入力側には信号処理回路
12,差動増幅回路33およびミッションスイッチ25
等が接続され、出力側には変速タイミング等を制御する
コントロールユニット26が接続されている。そして、
該演算処理回路32はRAM,ROM等の記憶回路36
内に図3および図8に示すプログラム等を格納し、その
電圧差記憶エリア36A内には電圧差VH が記憶されて
いる。
【0061】さらに、前記差動増幅回路33はオペアン
プ37と、該オペアンプ37の非反転入力端子に接続さ
れた入力抵抗38と、非反転入力端子とアースとの間に
接続された短絡抵抗39と、予め設定された一定の初期
電圧値VS と反転入力端子との間に接続されたプルアッ
プ抵抗40と、反転入力端子と出力端子との間に接続さ
れた帰還抵抗41とから構成されている。そして、入力
抵抗38には信号処理回路12からの出力電圧VA が入
力されている。また、抵抗38,39,40,41は全
て同一の抵抗値を有するように構成されているから、増
幅率は「1」になっている。
【0062】このように、差動増幅回路33の入力抵抗
38に入力された出力電圧VA と初期電圧値VS とに差
がある場合には、該差動増幅回路33により電圧差VHA
をオペアンプ37の出力端子から演算処理回路32に出
力する。
【0063】次に、本実施例による磁歪式トルクセンサ
の補正処理について図3および図8に基づいて説明する
に、図3におけるメインルーチンは第1の実施例と同一
であるのでその説明を省略する。
【0064】まず、ステップ21では、ミッションスイ
ッチ25からの信号に基づいてトルク0であるか否かを
判定し、「NO」と判定した場合にはステップ29に移
ってリターンし、図3中のステップ2以降の処理を実行
する。
【0065】一方、ステップ21で「YES」と判定し
た場合にはステップ22に移り、ステップ22では「N
=0,VHB=0」とし、ステップ23では差動増幅回路
33から電圧差VHAを読込み、ステップ24で加算電圧
差VHBを数4のように演算する。
【0066】
【数4】VHB=VHB+VHA
【0067】そして、ステップ25でNを「1」ずつ歩
進する。
【0068】さらに、ステップ26ではステップ21と
同様にミッションスイッチ25からの信号に基づいてト
ルク0であるか否かを再判定し、「YES」と判定した
場合にはステップ23に移り、ステップ23以降の処理
を繰返す。
【0069】一方、ステップ26で「NO」と判定した
場合には、ステップ27で加算電圧差VHBを検出回数N
で除算することにより、電圧差VHAの平均値VH を演算
し、ステップ28でこの平均値VH を電圧差VH として
電圧差記憶エリア36A内に記憶し、ステップ29によ
り図3のプログラムのステップ2にリターンする。
【0070】このように構成される磁歪式トルクセンサ
においても第1の実施例とほぼ同様の作用効果を得るこ
とができるものの、電圧差VH の演算処理を差動増幅回
路33によって行うこともできる。
【0071】なお、前記第2の実施例では、図7に具体
的に示す差動増幅回路33および図8中のステップ21
〜ステップ27が信号差演算手段の具体例であり、図8
中のステップ28が記憶手段の具体例である。
【0072】また、前記各実施例では、電圧差VH を加
算平均して算出するようにしたが、本発明はこれに限ら
ず、1回の検出によって行うようにしてもよい。また、
電圧差VH を加算平均するときの検出回数Nは磁歪シャ
フト2に加わるトルクが零である間に亘って検出するも
のとして述べたが、これに替えて、検出回数Nの上限を
設定して平均値を算出するようにしてもよい。
【0073】さらに、前記各実施例では、ブリッジ回路
にハーフブリッジ回路11を用いるようにしたが、本発
明はこれに限らず、フルブリッジ回路に用いても良いこ
とは勿論である。
【0074】
【発明の効果】以上詳述した如く、本発明によれば、信
号処理回路の後段に補正回路を設け、該補正回路は磁歪
シャフトにトルクが加わっていないときの出力信号から
初期値として予め有しているトルク零時の出力信号との
差を演算する信号差演算手段と、該信号差演算手段によ
り演算された信号差を記憶する記憶手段と、トルク検出
時には前記信号処理回路から出力される出力信号から該
記憶手段によって記憶された信号差を減算して出力信号
を補正する補正演算手段とから構成したから、経時劣化
によりトルクに対する出力信号の特性が上,下に変動す
るのを補正回路によって補正することができ、トルクに
対応した出力信号を正確に得ることができる。
【0075】また、トルク零時に常に信号差を更新する
ことができ、より正確なトルク検出を行うことができ
る。
【0076】さらに、信号差演算手段は、磁歪シャフト
にトルクの加わっていないときの出力信号または信号差
を加算平均して算出することにより、信号差の変動を少
なくでき、正確なトルク検出を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による磁歪式トルクセン
サを示すブロック図である。
【図2】演算処理回路の制御ブロック図である。
【図3】演算処理回路内に格納された出力電圧の補正処
理を示す流れ図である。
【図4】電圧差VH 演算処理を示す流れ図である。
【図5】本発明の第2の実施例による磁歪式トルクセン
サを示すブロック図である。
【図6】演算処理回路の制御ブロック図である。
【図7】図5中の差動増幅回路を示す回路構成図であ
る。
【図8】第2の実施例による電圧差VH 演算処理を示す
流れ図である。
【図9】従来技術による磁歪式トルクセンサの縦断面図
である。
【図10】従来技術による磁歪式トルクセンサを示すブ
ロック図である。
【図11】経時劣化によるトルクに対する出力電圧VA
の変動を示す特性線図である。
【符号の説明】
2 磁歪シャフト 9,10 検出コイル 11 ハーフブリッジ回路 12 信号処理回路 21,32 演算処理回路 25 ミッションスイッチ 31 補正回路 33 差動増幅回路
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年1月31日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図10
【補正方法】変更
【補正内容】
【図10】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸方向に離間して外周側に一対の磁気異
    方性部を有する磁歪シャフトと、前記各磁気異方性部に
    対向して該磁歪シャフトの外周側にそれぞれ設けられ、
    ブリッジ回路を形成する一対の検出コイルと、該各検出
    コイルによって検出されるトルクを出力信号に変換する
    信号処理回路とからなる磁歪式トルクセンサにおいて、
    前記信号処理回路の後段には、磁歪シャフトにトルクが
    加わっていないトルク零時の出力信号から初期値として
    予め有しているトルク零時の出力信号との差を演算する
    信号差演算手段と、該信号差演算手段により演算された
    信号差を記憶する記憶手段と、トルク検出時には前記信
    号処理回路から出力される出力信号から該記憶手段によ
    って記憶された信号差を減算して出力信号を補正する補
    正演算手段とを備えた補正回路を設けたことを特徴とす
    る磁歪式トルクセンサ。
  2. 【請求項2】 前記信号差演算手段は、磁歪シャフトに
    トルクの加わっていないときの出力信号または信号差を
    加算平均して算出してなる請求項1記載の磁歪式トルク
    センサ。
JP34081493A 1993-12-09 1993-12-09 磁歪式トルクセンサ Pending JPH07159258A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10983019B2 (en) 2019-01-10 2021-04-20 Ka Group Ag Magnetoelastic type torque sensor with temperature dependent error compensation
US11486776B2 (en) 2016-12-12 2022-11-01 Kongsberg Inc. Dual-band magnetoelastic torque sensor
US11821763B2 (en) 2016-05-17 2023-11-21 Kongsberg Inc. System, method and object for high accuracy magnetic position sensing

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US11486776B2 (en) 2016-12-12 2022-11-01 Kongsberg Inc. Dual-band magnetoelastic torque sensor
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