JPH07158906A - 空気調和機の室外ユニット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 プロペラファンの外周端部と室外ユニットの
内壁との間にて生じる風切り音を低減できる空気調和機
の室外ユニットを提供する。 【構成】 空気調和機の室外ユニット１内に、室外熱交
換器８に送風するためのプロペラファン９を設け、該プ
ロペラファン９の外周端部１７が近接する室外ユニット
１の内壁１６に、ファン外周端部１７とユニット内壁１
６との間を流れる気流を吸込側２０ａと排出側２０ｂと
に分ける半円柱状の整流ビード２０を設けたことを特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、空気調和機の室外ユニ
ットに係り、特にプロペラファンの風切り音を低減した
空気調和機の室外ユニットに関する。

【０００２】

【従来の技術】セパレート型空気調和機の室外ユニット
の概要を図３に示す。図示するように、室外ユニットａ
の外郭を形成する筐体ｂ内には、室外熱交換器ｃに送風
するためのプロペラファンｄが設けられている。プロペ
ラファンｄは、ファンモータｅにより回転駆動され、外
気を熱交換器ｃを通じて筐体ｂ内に吸い込み、熱交換
後、前面パネルｆから排出するものである。

【０００３】図中、ｇはベルマウス、ｈは熱交換器ｃに
接続された配管等を収容する部屋である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで近年、省スペ
ース化の観点から室外ユニットａのコンパクト化が進
み、横幅ｉの狭い室外ユニットａが多くなってきてい
る。かかる室外ユニットａにおいては、図３に示すよう
にプロペラファンｄの外周端部ｄ₁ と室外ユニットａの
内壁ａ₁ との距離ｊが短くならざるを得ない。

【０００５】このように、ファン外周端部ｄ₁ とユニッ
ト内壁ａ₁ との間隔ｊが狭いと、この間を通過する気流
が滞留しやすく、プロペラファンｄの前縁部ｄ₂ 近くで
気流の乱れによる音が発生し、騒音が大きくなる。

【０００６】特に、配管等を収容する部屋ｈの後方にお
いては、気流の通路となる熱交換器ｃがないため、気流
がファン外周端部ｄ₁ とユニット内壁ａ₁ との間を流れ
ずらく、このため気流がこれらの間に滞留して、ファン
ｄの回転によってその滞留に乱れが生じ、風切り音が発
生しやすい。

【０００７】以上の事情を考慮して創案された本発明の
目的は、プロペラファンの外周端部と室外ユニットの内
壁との間にて生じる風切り音を低減できる空気調和機の
室外ユニットを提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、空気調和機の
室外ユニット内に、室外熱交換器に送風するためのプロ
ペラファンを設け、該プロペラファンの外周端部が近接
する室外ユニットの内壁に、ファン外周端部とユニット
内壁との間を流れる気流を吸込側と排出側とに分ける半
円柱状の整流ビードを設けて構成されている。‥‥ また上記整流ビードが、吸込側が丸く排出側が直線状に
切り落とされた１／４円柱体からなっていてもよい。‥
‥

【０００９】

【作用】の構成によれば、ファン外周端部とユニット
内壁との間を流れる気流は、整流ビードの前側すなわち
吸込側で高圧となり、後側すなわち排出側で低圧とな
る。よって、当該気流は、高圧の吸込側から低圧の排出
側へ速やかに押し出され、その間に滞留することはな
い。この結果、風切り音が低減する。

【００１０】の構成によれば、整流ビードが吸込側が
丸く排出側が直線状に切り落とされた１／４円柱体であ
るので、整流ビードの取り付けスペースが略半分にな
る。よって、プロペラファンの軸方向に沿った奥行幅の
狭い室外ユニットにも容易に取付けることができる。

【００１１】

【実施例】本発明の一実施例を添付図面に基づいて説明
する。

【００１２】本実施例に係る室外送風機を備えた室外ユ
ニットの全体構造を図６に示す。図示するように、この
室外ユニット１は、設置スペース等の観点からその外郭
が縦長・横狭の直方体からなり、内部が仕切板２によっ
て上下に熱交換室３と機械室４とに分けられている。機
械室４内には、基板となる底板５上に、冷凍サイクルの
一部を構成するコンプレッサ６やアキュームレータ７な
どが収容されている。

【００１３】他方、熱交換室３内には、室外熱交換器８
やプロペラファン９などが収容され、天板１０で蓋され
ている。室外熱交換器８は、その面積を稼ぐためにＬ字
型に湾曲成形されており、ファン９の正面の部分が二段
重ねになっている。プロペラファン９は、仕切板２に設
けられたブラケット１０に支持されたファンモータ１１
により回転駆動される。プロペラファン９の周りには、
リング状のベルマウス１２が設けられている。かかる熱
交換室３は、その背面がバックキャビネット１３で覆わ
れ、正面が前面パネル１４で覆われている。また、熱交
換室３内の上部には、電気部品が収容された電気部品箱
１５が設けられている。

【００１４】上記熱交換室３の断面を図１に示す。図示
するように、熱交換室３内に収容されるプロペラファン
９は、Ｌ字型の熱交換器８と前面パネル１４とユニット
内壁１６とによって囲まれている。プロペラファン９の
ファン外周端部１７とユニット内壁１６との隙間１８
は、室外ユニット１の横幅１９が狭いため、小さくなっ
ている。上記プロペラファン９は、吸込ファンであり、
外気を熱交換器８を介して熱交換室３内に吸い込み、熱
交換後の空気を前面パネル１４から吹き出すものであ
る。プロペラファン９の外周端部１７は、そのファン翼
の捩じれにより、側方からみたときファン軸方向に長く
形成されている。そして、そのファン後縁側１７ａに前
述のベルマウス１２が設けられている。

【００１５】本実施例の特長とするところは、ファン外
周端部１７が近接するユニット内壁１６に、ファン外周
端部１７とユニット内壁１６との間を流れる気流を吸込
側と排出側とに分ける半円柱状の整流ビード２０を、フ
ァン前縁側１７ｂに位置させて設けた点にある。上記整
流ビード２０は、熱交換器８の端部に設けられた配管カ
バー２１に一体的に設けられている。詳しくは、配管カ
バー２１はユニット内壁１６に沿ってファン９側に延長
されており、その延長部２１ａに上記整流ビード２０が
一体的に形成されている。その様子を図４に示す。図示
するように、整流ビード２０は、配管カバー２１の延長
部２１ａの一部が湾曲されて成形されており、室外ユニ
ット１の上下方向に沿って設けられている。上記配管カ
バー２１は熱交換器８の端部から突出した配管（図示せ
ず）を覆うものである。

【００１６】整流ビード２０が形成された配管カバー２
１の延長部２１ａは、サイドキャビネット２２から僅か
に隙間２３を隔てて配置されている。この隙間２３は、
暖房運転時に低温となる室外熱交換器８の空気断熱層と
して機能し、サイドキャビネット２２への霜付を低減す
る。

【００１７】本実施例の作用について述べる。

【００１８】プロペラファン９が回転すると、外気が熱
交換器８を介して熱交換室３内に吸い込まれ、熱交換
後、前面パネル１４から排出される。ここで、上記配管
カバー２１の後方においては、気流がファン外周端部１
７とユニット内壁１６との間の空間（隙間１８）に滞留
しやすい。

【００１９】ところが、本実施例にあっては、その空間
部分に半円柱状の整流ビード２０が設けられているた
め、ファン外周端部１７とユニット内壁１６との間に滞
留した気流は、整流ビード２０の前側すなわち吸込側で
高圧となり、後側すなわち排出側で低圧となる。よっ
て、当該気流は、高圧の吸込側から低圧の排出側へ速や
かに押し出され、その間に滞留することはない。

【００２０】すなわち、整流ビード２０が気流の堰のご
とき機能を発揮し、熱交換室３を通過する気流が、その
内部で滞留しないように整流化される。この結果、気流
の通りにくい場所（ファン外周端部１７とユニット内壁
１６との極狭い隙間１８）での気流の滞留がなくなり、
その滞留がファンで乱されることによって生じる風切り
音が小さくなる。

【００２１】なお、本実施例では整流ビード２０をプロ
ペラファン９の直径の全域に亘って設けているが、これ
に限らずファン外周端部１７とユニット内壁１６とが近
接する部分のみに設けても整流効果はそれ程変わらな
い。

【００２２】以上説明したように本実施例によれば、フ
ァン外周端部１７とユニット内壁１６とが近接せざるを
得ない縦長・横狭のスリム型室外ユニット１において、
当該ユニット１内に設けられるプロペラファン９の気流
の乱れを低減することができ、風切り音の低騒音化を図
ることができる。

【００２３】変形実施例を図２および図５に示す。

【００２４】図示するようにこの変形例は、基本的な構
成を前実施例と共通とし、整流ビード２０が吸込側２０
ａが丸く排出側２０ｂが直線状に切り落とされた１／４
円柱体からなっている点のみが異なっている。

【００２５】この構成によれば、整流ビード２０が吸込
側２０ａが丸く排出側２０ｂが直線状に切り落とされた
１／４円柱体であるので、整流ビード２０の取り付けス
ペースが略半分になる。よって、プロペラファン９の軸
方向に沿った奥行幅２４の狭い室外ユニット１にも容易
に取付けることができる。また、整流ビード２０は、吸
込側２０ａが丸く排出側２０ｂが直線状であるので、気
流の堰としての機能もより高まることになる。

【００２６】なお、この変形実施例にあっても前実施例
と同様の作用を奏することは勿論である。

【００２７】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば次の
ような優れた効果を発揮できる。

【００２８】(1) プロペラファンの外周端部と室外ユニ
ットの内壁との間にて生じる風切り音を低減できる。

【００２９】(2) 上記効果は、縦長・横狭のスリム型室
外ユニットの室外送風機に、特に有効である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す室外ユニットの断面図
である。

【図２】変形実施例を示す室外ユニットの断面図であ
る。

【図３】従来例を示す室外ユニットの断面図である。

【図４】第１実施例の整流ビードの斜視図である。

【図５】第２実施例の整流ビードの斜視図である。

【図６】本発明の一実施例を示す室外ユニットの説明図
である。

【符号の説明】

１ 室外ユニット ８ 室外熱交換器 ９ プロペラファン １７ 外周端部 １６ 内壁 ２０ 整流ビード ２０ａ 吸込側 ２０ｂ 排出側

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 室外送風機を備えた空気調和機の室外ユ
   ニットにおいて、この室外ユニット内に、室外熱交換器
   に送風するためのプロペラファンを設け、該プロペラフ
   ァンの外周端部が近接する室外ユニットの内壁に、ファ
   ン外周端部とユニット内壁との間を流れる気流を吸込側
   と排出側とに分ける半円柱状の整流ビードを設けたこと
   を特徴とする空気調和機の室外ユニット。
2. 【請求項２】 上記整流ビードが、吸込側が丸く排出側
   が直線状に切り落とされた１／４円柱体からなることを
   特徴とする請求項１記載の空気調和機の室外ユニット。