JPH0715845U - 組立マンホ−ル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 施工性のよい組立マンホ−ルを提供する。 【構成】円板状底板ブロック１の上に、流入管17と流出
管を取付ける躯体ブロック３と直壁ブロック４、斜壁ブ
ロック５、調整リング６等を順次積み重ねるようにした
組立マンホ−ルにおいて、上記各部材１，３，４，５，
６どうしを、接合溝７と接合突条８により係合するとと
もに、各重ね合わせた接合部を、防水性接着剤と急結セ
メントとの混合物による接着材９を用いて結合する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、複数のコンクリ−トブロックを積み重ねて構築される組立式マンホ −ルに関し、特に、コンクリ−ト部材相互の結合方式の改良に係るものである。

【０００２】

【従来の技術及び考案が解決しようとする課題】

下水道等に用いられるマンホ−ルは、一般に、掘削した地盤の底部に栗石基礎 等を打設し、その上に、流入、流出管を取付ける躯体ブロックを設置し、さらに その上に直壁ブロック、斜壁ブロック等の複数のコンクリ−ト製ブロックを積み 重ねて構築される。

【０００３】 上記の各ブロックは、積み重ねにあたって、接合個所にシ−ル材を施すととも に、互いに金具類を用いて結合することが行なわれている。各ブロックの結合は 、例えば、特開昭59−150831号公報に記載されているように、ブロックどうしを 締付プレ−トと締付ボルトを用いて結合するか、或は、特開昭61−165425号公報 に記載されているように、一方のブロックにコネクトボックスを設け、他方のブ ロックに緊締ボルトを埋設しておき、コネクトボックスと緊締ボルトとの係合、 緊付けによって結合する方法が採られている。

【０００４】 このように、従来の組立式マンホ−ルでは、コンクリ−トブロック等を互いに 金具やボルト類を用いて結合するようにしており、したがって、設置の作業が面 倒で多くの労力と経費を要するばかりでなく、結合強度も不十分である等の欠点 を有していた。

【０００５】 本考案は、上記従来の欠点を解決するためになされたもので、各コンクリ−ト ブロック等の相互の結合を、金具やボルト類によらず、接着剤を利用して簡易か つ強固にできるようにし、作業能率の向上、労力、経費の低減を図ろうとするも のである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するための本考案の構成について、実施例に対応する図面を 参照して説明すると、本考案は、円板状底板ブロック１の上に、流入管17および 流出管18の挿入孔10, 11を設けた円筒状の躯体ブロック３、円筒状の直壁ブロッ ク４、載頭円錐筒状の斜壁ブロック５および調整リング６を、互いに端面に形成 した接合溝７と接合突条８を係合して順次積み重ねるとともに、それら各積み重 ねの接合部を、２液型反応タイプの水性エポキシ系の防水性接着剤と急結セメン トとを混合しなる接着材９により結合したことを特徴とするものである。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の実施例について図面を参照して説明する。本考案のマンホール は複数のコンクリート製ブロック、例えば図１に示すように、底板ブロック１、 躯体ブロック３、直壁ブロック４、斜壁ブロック５、調整リング６等を順次積み 重ねて構築される。

【０００８】 底板ブロック１は、円板状に形成され、上面には環状の接合溝７が設けられて おり、栗石基礎２の上に敷モルタルを介して設置される。また、躯体ブロック３ は、円筒状に形成され、下端面には上記接合溝７と対応する環状の接合突条８が 設けられ、上端面には環状の接合溝７が設けられているとともに、側壁部には流 入管の挿入孔10および流出管の挿入孔11が設けられており、接合突条７を接合溝 ８に係合して積み重ねられる。

【０００９】 また、直壁ブロック４は、円筒状に形成され、下端面には環状の接合突条８が 、上端面には環状の接合溝７が設けられており、接合突条８を接合溝７に係合し て躯体ブロック１上に載置される。また、斜壁ブロック５は、上端側を偏心させ た略載頭円錐形の筒状に形成されており、上端面には環状の接合溝７が、下端面 には環状の接合突条８が設けられており、接合突条８を接合溝７に係合して直壁 ブロック４上に載置される。

【００１０】 調整リング６は、下端面に環状の接合突条８が設けられているとともに、周方 向に間隔をおいて複数の締結ボルト12，12が、上端面より突出して設けられてお り、接合突条８を接合溝７に係合して斜壁ブロック５上に載置される。そして、 調整リング６の突出した締結ボルト12，12には、それぞれ調整ワッシャ13，13が 所要の高さに重ねて嵌合された後、蓋受枠15が嵌合、載置され、締結ボルト12， 12にナット14，14を締め込んで固着される。この蓋受枠15には、蓋体16が載置さ れる。また、躯体ブロック３の挿入孔10，11には、流入管17と流出管18が結合さ れる。

【００１１】 上記の底板１、各ブロック３，４，５調整リング６は、図２にも示すように、 互いに接合溝７と接合突条８を係合するとともに、それら各部材の接合面が接着 材９を介して結合される。また、締結ボルト12，12は、図３にも示すように、調 整リング６に設けられた竪孔19内に締結ボルト12の下部を挿入し、接着材９を充 填して固定される。また、流入管17および流出管18は、図４にも示すように、そ れぞれ、端部に所要厚さのリング20を接着材９で取り付けておき、それを挿入孔 10，11に挿入して接着材９を用いて結合することになる。

【００１２】 上記の接着材９としては、２液型反応タイプの水性エポキシ系の防水性接着剤 と急結セメントとの混合物が使用される。上記防水性接着剤は、化学反応タイプ のため、硬化時間が長いという性質であるため、これをそのまま使用したのでは 、施工に多くの時間を要するとともに、水密保持にも不都合が生じることにもな る。本考案では、その欠点を解決するために研究を進めた結果、単にコンクリー トの接着強度が大であるばかりでなく、短時間で硬化し、水密保持も確実にでき る接着材を案出したのである。

【００１３】 接着材となる防水性接着剤と急結セメントとの配合割合については、各種の試 験を行ってきたが、その代表例を次に示す。なお、試験では防水性接着剤として ユニコートスーパー（ハイウッド株式会社製）を使用した。

【００１４】 (1)接着材の配合割合（容量比） ユニコートスーパー ： 急結セメント １ ： 0.3 １ ： 0.5 １ ： 0.7

【００１５】 (2)試験結果 配合割合 接着力 圧縮強度 硬化状態 （96時間後） （４日後） １：0.3 28kgf/cm² 410kgf/cm² 12時間後硬化したが、内部に 柔らかさが残っている。 １：0.5 25kgf/cm² 410kgf/cm² 12時間後に硬化した。 １：0.7 24kgf/cm² 410kgf/cm² 180分後硬化した。

【００１６】 また、施工性については、１： 0.1： 0.3、１： 0.5の場合は注入機で簡単に シールできたが、１： 0.7の場合は、注入機に入れてシールを開始しているうち に粘度が高くなり、注入機の中で固まり始めた。

【００１７】 (3)以上の結果から、ユニコートスーパーと急結セメントとの配合割合は１： 0.5のものが好適と思われる。

【００１８】

【考案の結果】

以上のように、本考案によれば、マンホールの構成部材である、底板ブロック 、躯体ブロック、直壁ブロック、斜壁ブロック等のコンクリート製の各部材は、 従来のように金具類を使用することなく、接着材を用いて結合するので、各部材 のコストが低減できるとともに、組立てが容易にできる。また、接着材は、水性 エポキシ系の防水接着剤と急結セメントとを混合したものであるから、強固に結 合できるとともに、硬化時間が短く、施工が能率よく行え、施工中および施工後 の水密保持も確実にできることになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す側断面図である。

【図２】図１のａ部の拡大図である。

【図３】同ｂ部の拡大図である。

【図４】同ｃ部の拡大図である。

【符号の説明】

１ 底板ブロック ２ 栗石基礎 ３ 躯体ブロック ４ 直壁ブロック ５ 斜壁ブロック ６ 調整リング ７ 係合溝 ８ 係合突条 ９ 接着材 10，11 挿入孔 12 緊締ボルト 15 蓋受枠 16 蓋体 17 流入管 18 流出管 20 リング

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 円板状底板ブロックの上に、流入管および流出管の挿入
   孔を設けた円筒状の躯体ブロック、円筒状の直壁ブロッ
   ク、載頭円錐筒状の斜壁ブロックおよび調整リングを、
   互いに端面に形成した接合溝と接合突条を係合して順次
   積み重ねるとともに、それら各積み重ねの接合部を、２
   液型反応タイプの水性エポキシ系の防水性接着剤と急結
   セメントとを混合してなる接着材により結合したことを
   特徴とする、組立マンホ−ル。