JPH0715790Y2 - 自動変速機のロック装置 - Google Patents

自動変速機のロック装置

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JPH0715790Y2
JPH0715790Y2 JP1988060891U JP6089188U JPH0715790Y2 JP H0715790 Y2 JPH0715790 Y2 JP H0715790Y2 JP 1988060891 U JP1988060891 U JP 1988060891U JP 6089188 U JP6089188 U JP 6089188U JP H0715790 Y2 JPH0715790 Y2 JP H0715790Y2
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range
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学 瀬戸口
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は、自動変速機のシフトを所定条件のもとでロッ
クするシフトロック機構に装備するロック装置に関す
る。
(従来技術) 一般に自動変速機のシフトロック機構は、例えば特開昭
62−279146号公報に示されているごとく、自動変速機の
レンジを検出するレンジ検出装置と、ブレーキ装置の作
動を検出するブレーキング検出装置と、前記両検出装置
の検出結果に基づいて、自動変速機が停止レンジにシフ
トされている場合に前記自動変速機のシフトを不能とす
るロック装置とを備え、自動変速機を停止レンジから走
行レンジにシフトする際、ブレーキの制動操作を行って
いなければシフト操作することが出来ないようにしてい
る。
(考案が解決しようとする課題) しかして以上のシフトロック機構では、一般的に、前記
ロック装置としてソレノイドの励磁により動作するロッ
ク体を備えたいわゆる電磁作動式のものを用いている
が、以上のごとく電気的にロック動作させるものでは、
電気的トラブルにより、前記ロック装置やレンジ検出装
置が、自動変速機の動作とは別個に作動不能となる虞が
あり、場合によっては自動変速機を停止レンジから走行
レンジにシフトする際、シフトロック装置のみが作動し
なくなることも考えられる。
そこで本考案者は、自動変速機の制御油圧であるライン
油圧を利用し、該ライン油圧により動作してマニュアル
バルブの作動を不能とするロック体を備えたロック装置
を持つシフトロック装置を開発したのであるが、斯くの
ごとくライン油圧を作動源とした場合、従来の電磁作動
式のものに比較してロック体の作動が非常に強力とな
る。
そのため、例えばロック体が前記マニュアルバルブ側に
設けたロックプレートの嵌合部に対して少しずれた位置
で作動したような場合、該ロック体が前記嵌合部に嵌合
出来ずに前記ロックプレートに強く圧接し、そのため前
記ロック体を前記嵌合部に嵌合させるべく前記マニュア
ルバルブを作動させようとしても、該マニュアルバルブ
の切換操作が非常に重くなったり、場合によっては操作
不能となることも考えられる。
本考案は以上の実情に鑑みて開発したものであって、目
的とするところは、マニュアルバルブのロックを確実に
行えながら、しかも前記した不具合をも一挙に解決可能
なロック装置を提供するにある。
(課題を解決するための手段) しかして本考案は、自動変速機が停止レンジにシフトさ
れている場合で且つブレーキ装置が作動していない時、
前記自動変速機のマニュアルバルブの作動を不能とする
ロック装置であって、ケーシング内に、往動により前記
マニュアルバルブ側に係合して該バルブの作動を不能と
するロック体を往復動自由に設けると共に、このロック
体に、ピストンを、該ロック体の往復動方向と同方向に
相対移動可能に遊挿して、該ピストンの作動室に、前記
自動変速機のライン油圧を供給する供給油路を接続する
一方、前記ピストンの背面とロック体との間に、前記作
動室へのライン油圧の供給に伴う前記ピストンの往動
時、該ピストンの往動を前記ロック体に伝えて、該ロッ
ク体を前記マニュアルバルブ側と係合する方向に往動さ
せる往動伝達用スプリングを介装して、前記ロック体と
ピストンとの間に、該ピストンの復動時、前記ロック体
を、その往動位置から復動させる連動手段を設けると共
に、前記ピストンの背面とケーシングとの間に、前記ピ
ストンを復動させるリターンスプリングを介装したこと
を特徴とするものである。
(作用) 本考案によれば、前記ロック体の作動時に、該ロック体
がマニュアルバルブ側の設定位置に嵌合せずにマニュア
ルバルブ側に当接した場合、前記ロック体の往動が不可
能となるが、前記ピストンが往動して、前記往動伝達用
スプリングを圧縮するのであって、そして前記マニュア
ルバルブの移動で、該マニュアルバルブとロック体とが
所定位置で対向した時、前記ロック体が前記往動伝達用
スプリングのばね力により往動して、前記マニュアルバ
ルブ側に嵌合し、該マニュアルバルブをロックするので
ある。
(実施例) 以下本考案にかかる自動変速機のロック装置を図面に示
す実施例に従って説明する。
第3図は本考案にかかるロック装置を組み込んだ自動変
速機のシフトロック機構を示したものである。
このシフトロック機構は、マニュアルバルブの切換操作
によりシフト可能とした自動変速機を、所定条件のもと
でシフトロックするためのものであって、また前記自動
変速機は、トルクコンバータと複数のクラッチなどから
なる係合要素を有する遊星歯車機構とを備え、前記係合
要素を、シリンダと油圧作動式のピストンとからなるア
クチュエータを介して作動させて、シフトするようにし
た油圧作動型のものである。
以上の自動変速機は、停止レンジとして、駐車レンジ
(P)と、ニュートラルレンジ(N)とを持ち、また走
行レンジとして、ドライブレンジ(D)と、セカンドレ
ンジ(II)と、ローレンジ(L)と、リバースレンジ
(R)とを持ち、シフトパターンは、既知のごとく
(P)−(R)−(N)−(D)−(II)−(L)とし
ている。
しかして以上の自動変速機のシフトロック機構は、自動
変速機の制御油圧であるライン油圧と、自動変速機のガ
バナで生じるガバナ圧と、ブレーキ装置(1)のブレー
キ液圧とを利用したものであって、基本的には、 前記ブレーキ装置(1)で生じるブレーキ液圧を検出
信号として入力して、該ブレーキ液圧が所定の制動力を
得ることの出来る設定値以上であるか否かを検出するブ
レーキング検出装置(2)と、 自動変速機の走行レンジのうちドライブレンジ(D)
と、セカンドレンジ(II)と、ローレンジ(L)への切
換作動油圧を検出信号として入力して、該自動変速機の
シフトされているレンジを検出するレンジ検出装置
(3)と、 自動変速機のガバナで発生するガバナ油圧を検出する
ガバナ油圧検出装置(4)と、 本考案にかかるロック装置(5)と、 前記レンジ検出装置(3)とブレーキング検出装置
(2)とガバナ油圧検出装置(4)とによる検出結果に
基づいて、前記変速機が停止レンジにシフトされている
場合で且つガバナ油圧及びブレーキ液圧が設定値以下で
ある時に前記ロック装置(5)にライン油圧を供給し
て、該ロック装置(5)をロック動作させる制御装置
(6)とを備えている。
前記ブレーキ装置(1)は既知構造のもので、第3図に
概略的に示したごとく、ブレーキペダル(11)にマスタ
シリンダ(12)を連動連結して、このマスタシリンダ
(12)から延びる油圧管路(13)を、車輪(14)に組み
込んだホイールシリンダ(15)に接続して、前記ブレー
キペダル(11)の踏み込み操作により、前記マスタシリ
ンダ(12)のピストンで加圧したブレーキ液圧を前記ホ
イールシリンダ(15)に供給して、前記車輪(14)を制
動するように成している。
前記ブレーキング検出装置(2)は、前記マスタシリン
ダ(12)で発生するブレーキ液圧を入力して、該ブレー
キ液圧が所定の制動力を得ることの出来る設定値以上で
あるか否かを検出するためのものであって、具体的に
は、第4図に示すごとく、バルブ本体(21)の弁室(21
a)内に、ボール弁(22a)を背面側に組付けた弁体(2
2)を移動自由に内装すると共に、該弁室(21a)におけ
る前記バルブ本体(21)の作用面側には、ブレーキ液圧
の供給路(16)を接続するブレーキ液圧供給ポート(2
3)を、また前記弁体(21)における背面側には、第1
制御油路(L1)を接続する制御油圧の制御ポート(24)
と、オイルパンに延びるドレン通路(L2)を接続するド
レンポート(25)とをそれぞれ設けて、前記弁体(22)
の動作で前記制御ポート(23)を前記ボール弁(22a)
を介して開閉するように成す一方、前記弁室(21a)内
における前記弁体(22)の背面側には、該弁体(22)を
開方向(第2図右方向)に移動させるリターンスプリン
グ(26)を介装している。
以上のブレーキング検出装置(2)は、ブレーキペダル
(11)の踏み込み操作により、前記マスタシリンダ(1
2)で発生するブレーキ液圧が、前記車輪(14)を確実
に制動出来る値(設定値以上)となった時、前記リター
ンスプリング(26)に抗して、前記弁体(22)を第2図
左方向に往動させて、前記ボール弁(22a)により前記
制御ポート(24)を閉じ、一方、前記ブレーキペダル
(11)の踏み込みが行われていない場合、もしくは踏み
込みが行われている場合でも、マスタシリンダ(12)で
発生するブレーキ液圧が車輪(14)を確実に制動するこ
との出来ない値(設定値以下)である時には、該ブレー
キ液圧を抗して、前記リターンスプリング(26)のばね
力により前記弁体(22)を復動させて、前記制御ポート
(24)を前記ドレンポート(25)に連通し、前記第1制
御油路(L1)の制御油圧をオイルパンに開放するように
している。
しかして前記第1制御油路(L1)には、自動変速機の作
動を行うライン油圧を導入して、該ライン油圧を制御油
圧として用いている。
前記レンジ検出装置(3)は、第3図及び第6図に示す
ごとく、自動変速機の走行レンジへの切換作動油圧を導
入する第1入力ポート(31)と、前記第1制御油路(L
1)内の制御油圧を導入する第2入力ポート(32)と、
第1、第2入力ポート(31)(32)に入力する油圧を出
力する出力ポート(33)とを備えた弁体(34)の弁室
(35)内に、前記出力ポート(33)を開閉するチェック
ボール(36)を遊挿している。
図に示す実施例では、前記第1入力ポート(31)には、
ドライブレンジ(D)、セカンドレンジ(II)、ローレ
ンジ(L)のいずれに切換えた場合でも係合動作する係
合要素の切換作動油圧を導入するようにしている。
しかして以上のレンジ検出装置(3)は、前記自動変速
機がドライブレンジ(D)、セカンドレンジ(II)、ロ
ーレンジ(L)のいずれかに切換えられた場合、前記第
1入力ポート(31)を介して前記弁室(35)内に導入さ
れる作動油圧により、前記チェックボール(36)が第6
図右方向に移動して、前記第2入力ポート(32)を閉じ
ると共に、前記作動油圧を前記出力ポート(33)から出
力するのである。
そして前記自動変速機が駐車レンジ(P)、ニュートラ
ルレンジ(N)、及びリバースレンジ(R)のいずれか
に切換えられた場合においては、前記第1入力ポート
(31)には油圧が発生せず、そのため前記のごとくブレ
ーキペダル(11)の踏み込み操作により、ブレーキング
検出装置(2)の前記制御ポート(24)が閉じられた時
にのみ、前記制御油路(L1)内の制御油圧が前記第2入
力ポート(32)を介して前記弁室(35)内に導入され
て、前記チェックボール(36)を第6図左方向に移動さ
せ、前記第1入力ポート(31)を閉じると共に、前記制
御油圧を前記第1出力ポート(33)から出力するのであ
り、これに対し、前記ブレーキング検出装置(2)の前
記制御ポート(24)が開かれて、前記制御油路(L1)が
前記ドレン油路(L2)に開放されている時には、前記第
1制御油路(L1)の制御油圧がドレンパンに開放される
ため、前記第1出力ポート(33)からは制御油圧が出力
されないようになっている。
次に本考案にかかるロック装置(5)は、第1図及び第
2図に示すごとく、弁室(51a)を備えた弁ケース(5
1)に、該弁室(51a)と同軸状に延びる貫通孔(52)を
形成して、該貫通孔(52)及び前記弁室(51a)に、小
径軸部(53a)と大径軸部(53b)とを備えたロッド状の
ロック体(53)を往復動自由に設けると共に、該ロック
体(53)の小径軸部(53a)に、前記弁室(51a)内を摺
動して、前記ロック体(53)に対して該ロック体の往復
動方向と同方向に相対移動可能なピストン(54)を遊挿
するのである。そして前記小径軸部(53a)の遊端側
に、前記ピストンの復動時、前記ロック体を、その往動
位置から復動させる連動手段としての止め環(55)を設
けて、前記ピストン(54)を、前記大径軸部(53b)の
段部(53c)と前記止め環(55)との間でのみ軸方向移
動自由とする一方、前記ピストン(54)の作動面側に設
けられる作動室(56)に、前記レンジ検出装置(3)の
出力ポート(33)から出力される油圧を導入するように
成している。
また前記弁室(51a)における前記ピストン(54)の背
面とロック体(53)における大径軸部(53b)の段部(5
3c)との間には、、前記作動室(56)へのライン油圧の
供給に伴う前記ピストン(54)の往動時、該ピストン
(54)の往動を前記ロック体(53)に伝えて、該ロック
体(53)を後記する第1もしくは第2嵌合孔(72)(7
3)と嵌合する方向に往動させるばね力の弱い往動伝達
用スプリング(57)を介装すると共に、前記ピストン
(54)の背面と弁ケース(51)との間には、前記往動伝
達用スプリング(57)よりもばね力が強くて、前記ピス
トン(54)を復動させるリターンスプリング(58)を介
装している。
しかして以上のロック装置(5)により動作不能とされ
る自動変速機のマニュアルバルブ(7)は、第2図に示
すごとく、シフトレバー(図示せず)の手動操作に伴っ
て揺動するインナレバー(70)と連結ピン(70a)とを
介して連動連結されて、該インナレバー(70)の揺動に
より軸方向に動作するようにした既知構造のものであっ
て、図に示す実施例では、前記インナレバー(70)の上
端部にロックプレート(71)を一体形成して、該ロック
プレート(71)の一側方に前記ロック装置(5)を配設
する一方、前記ロックプレート(71)において、前記シ
フトレバーをパーキングレンジ(P)及びニュートラル
レンジ(N)に操作した時に前記ロック装置(5)のロ
ック体(53)の端面と対向する位置に、該ロック体(5
3)が嵌合する第1、第2嵌合孔(72)(73)を形成
し、前記ロック体(53)の前記第1もしくは第2嵌合孔
(72)(73)への嵌合により、前記インナレバー(70)
の揺動、換言すれば前記マニュアルバルブ(7)の作動
を阻止するように成している。
一方、前記ガバナ油圧検出装置(4)は、前記ロック装
置(5)をロック動作させる制御装置(6)に組込んで
いるのであって、次にこのガバナ油圧検出装置(4)を
組み込んでなる制御装置(6)を説明する。
この制御装置(6)は、第5図及び第6図に示すごと
く、バルブボディ(61)に形成した収容孔(61a)に、
第1、第2、第3ランド(62a)(62b)(62c)を備え
た3ランド形式のスプール(62)を内装して、該スプー
ル(62)における第1ランド(62a)の外側方に作動室
(S1)を、該スプール(62)における第3ランド(63
c)の外側方にスプリング室(S2)をそれぞれ設けて、
該スプリング室(S2)に、前記スプール(62)を前記作
動室(S1)側に付勢させるコイルスプリング(64)を介
装している。
尚、前記ランド(62a)(62b)(62c)の径は、前記第
2、第3ランド(62b)(62c)を同径とし、前記第1ラ
ンド(62a)を前記第2ランド(62b)よりも小径として
いる。
そして前記作動室(S1)には、自動変速機のガバナ
(G)で発生するガバナ油圧を導くガバナ油路(41)を
接続して、前記作動室(S1)と前記スプール(62)の第
1ランド(62a)とにより前記ガバナ油圧検出装置
(4)を構成する一方、前記第1ランド(62a)と第2
ランド(62b)との間に、前記レンジ検出装置(3)の
出力ポート(33)から延びる第2制御油路(L3)を接続
し、また前記第2ランド(62b)と第3ランド(62c)と
の間には、ライン油圧を前記ロック装置(5)の作動室
(56)に導入するための供給油路(L4)の一次側通路
(L4−1)と二次側通路(L4−2)とを接続し、また前
記スプリング室(S2)にはオイルパンに開放されるドレ
ン油路(L5)を接続している。
また図に示す実施例では、前記バルブボディ(61)内に
前記供給油路(L4)に導入される作動油を一時的に貯留
するためのアキュムレータ(8)を設けているのであっ
て、具体的には、第5図に示すごとく、前記バルブボデ
ィ(61)に、前記収容孔(61a)における前記第2、第
3ランド(62b)(62c)間に連通するアキュムレータ室
(81)を形成して、該アキュムレータ室(81)にアキュ
ムレータピストン(82)とリターンスプリング(83)と
を内装している。
しかして以上のアキュムレータ(6)は、前記ロック状
態(5)のロック動作時において、前記供給油路(L4)
の一次側通路(L4−1)から導入される作動油の圧力に
より、前記アキュムレータピストン(82)を前記リター
ンスプリング(83)に抗して往動させて、前記アキュム
レータ室(81)に前記作動油を一時的に貯留し、前記ロ
ック装置(5)のロック動作にタイムラグを生じさせる
ためのものである。
前記した制御装置(6)において、前記スプリング室
(S2)に内装するコイルスプリング(64)のばね力は、
前記作動室(S1)に導入されるガバナ油圧が時速12km以
下での走行時に発生する油圧よりも強く、時速12km以上
での走行時に発生する油圧よりも弱い値に設定している
のであって、従って車両が時速12km以上で走行している
場合には、前記スプール(62)は常に前記コイルスプリ
ング(64)に抗して往動して、前記第2ランド(62b)
により前記供給油路(L4)の一次側通路(L4−1)と二
次側通路(L4−2)との連通を遮断すると共に、前記二
次側通路(L4−2)及びアキュムレータ室(81)を前記
ドレン油路(L5)に開放している。
次に本考案のロック装置(5)を組み込んだ前記シフト
ロック機構の作用を説明する。
まず発進時において、自動変速機のシフトレバーをパー
キングレンジ(P)、もしくはニュートラルレンジ
(N)のいずれかにシフトしている場合には、前記レン
ジ検出装置(3)の前記第1入力ポート(31)に作動油
圧が導入されることはない。
しかしてかかる状態でブレーキペダルを踏まないか、も
しくは踏んでも前記マスタシリンダ(12)で発生するブ
レーキ液圧が車輪(14)を確実に制動することの出来な
い値(設定値以下)である時には、前記ブレーキ検出装
置(2)の弁体(22)が前記リターンスプリング(26)
のばね力により第2図右方向に復動して、前記制御ポー
ト(24)が前記ドレンポート(25)に連通しているの
で、前記第1制御油路(L1)の制御油圧はオイルパンに
開放される。
従って前記制御装置(6)におけるスプール(62)の第
1、第2ランド(62a)(62b)間には、作動油圧及び制
御油圧のいずれも導入されないし、また発進時であるた
め、前記作動室(S1)に導入されるガバナ油圧は前記コ
イルスプリング(64)のばね力よりも弱くなっているの
で、前記スプール(62)は第5図に示したごとく、コイ
ルスプリング(64)のばね力により復動した位置に位置
し、斯くのごとく該スプール(62)が復動位置に位置す
ることにより、前記供給油路(L4)の一次側通路(L4−
1)から二次側通路(L4−2)及びアキュムレータ室
(81)に作動油が供給され、該作動油の圧力により、前
記アキュムレータピストン(82)が前記リターンスプリ
ング(83)に抗して往動するのである。
そして、前記アキュムレータ室(81)に前記作動油が所
定量留まった後、本考案にかかるロック装置(5)の作
動室(56)に作動油圧が供給されて、前記ピストン(5
4)が前記リターンスプリング(58)に抗して往動(第
3図下方向)するのである。そして該ピストン(54)の
往動に伴い、前記往動伝達用スプリング(57)を介して
前記ロック体(53)も往動し、該ロック体(53)におけ
る大径軸部(53b)の端部が前記弁ケース(51)から突
出して、該大径軸部(53b)の突出端部が、パーキング
レンジであれば、前記第1インナレバー(70)のロック
プレート(71)に形成した第1嵌合孔(72)に、またニ
ュートラルレンジであれば、第2嵌合孔(72)にそれぞ
れ嵌合し、以降、前記インナレバー(70)の揺動、更に
はマニュアルバルブ(7)の作動を阻止するのである。
従って発進時、ブレーキ操作が確実に行われていない場
合には、自動変速機を停止レンジから走行レンジにシフ
トすることは出来ず、これにより車両が不用意に発進す
るのを防止することが出来るのである。
ところで前記ロック装置の動作時、例えば前記第2嵌合
孔(73)が前記ロック体(53)の端面と対向する位置に
位置していない場合には、前記ロック体(53)の端面が
前記ロックプレート(71)の側面に当接して往動するこ
とが不可能となるが、かかる状態に陥った時には、前記
ピストン(54)だけが所定ストローク往動して、前記往
動伝達用スプリング(57)を圧縮するのである。
斯くして前記ロック体(53)は、圧縮された前記往動伝
達用スプリング(57)のばね力に相当する弱い荷重で前
記ロックプレート(71)に圧接するだけであるので、シ
フトレバーの操作による前記インナレバー(70)の揺動
が前記ロック体(53)により阻害されるようなことはな
いのであって、かかる前記インナレバー(70)の揺動に
より、前記第2嵌合孔(73)が前記ロック体(53)の端
面と対向した段階で前記ロック体(53)が前記往動伝達
用スプリング(57)のばね力により往動して、前記大径
軸部(53b)が前記第2嵌合孔(73)に直ちに嵌合する
のである。
しかして以上の状態からブレーキペダル(11)の踏み込
み操作が行われて、前記マスタシリンダ(12)で発生す
るブレーキ液圧が、前記車輪(14)を確実に制動出来る
値(設定値以上)となると、前記ブレーキング検出装置
(2)の弁体(22)が前記ブレーキ液圧の作用によりリ
ターンスプリング(26)に抗して第2図左方向に往動し
て、前記ボール弁(22a)により前記制御ポート(24)
が閉じられて、前記第1制御油路(L1)内に制御油圧が
発生するのである。
そして該第1制御油路(L1)内に発生した制御油圧がレ
ンジ検出装置(3)の第2入力ポート(32)を介して前
記弁室(35)内に導入されて、前記チェックボール(3
6)に作用し、該チェックボール(36)を第6図左方向
に移動させて、前記第1入力ポート(31)を閉じると共
に、前記第2入力ポート(32)と出力ポート(33)とを
連通させ、これに伴い前記制御油圧が前記出力ポート
(33)及び第2制御油路(L3)を介して前記制御装置
(6)におけるスプール(62)の第1、第2ランド(62
a)(62b)間に導入され、第1、第2ランド(62a)(6
2b)の面積差に作用する前記制御油圧により、前記スプ
ール(62)を前記コイルスプリング(64)に抗して、第
5図右方向に往動させるのである。
そしてこのスプール(62)の往動に伴い、前記第2ラン
ド(62b)により前記供給油路(L4)の一次側通路(L4
−1)と二次側通路(L4−2)との連通が遮断されると
共に、前記二次側通路(L4−2)及びアキュムレータ室
(81)が前記ドレン油路(L5)に連通して、前記ロック
装置(5)の作動室(56)及びアキュムレータ室(81)
内の制御油圧がドレン油路(L5)に開放され、これによ
り、本考案にかかるロック装置(5)のピストン(54)
は、前記リターンスプリング(58)のばね力により即座
に復動し、該ピストン(54)の復動により前記止め環
(55)を介して前記ロック体(53)も復動することか
ら、前記大径軸部(53b)が前記ロックブレーキ(71)
の第1嵌合溝(72)もしくは第2嵌合孔(73)から離脱
して、前記インナレバー(70)のロックが解除されるの
である。従ってこれ以降、自動変速機を任意のレンジに
シフトすることが可能となる。
ところで、前記ロック体(53)の復動時、前記ロックプ
レート(71)が前記ロック体(53)に対しこぜて、前記
ロックプレート(71)に形成した嵌合孔(72)(73)の
内周面が前記ロック体(53)の外周面に圧接した場合で
も、前記ロック体(53)を復動させる前記リターンスプ
リング(58)のばね力が強く設定されていることから、
該ロック体(53)の復動が阻害される虞は極めて少な
い。
一方、自動変速機をドライブレンジ(D)、セカンドレ
ンジ(II)、ローレンジ(L)のいずれかにシフトして
いる場合には、前記レンジ検出装置(3)の第1入力ポ
ート(31)を介して前記弁室(35)内に作動油圧が導入
されて、前記チェックボール(36)の第6図右方向への
移動により、前記第1入力ポート(32)と出力ポート
(33)とが連通して、作動油圧が前記出力ポート(33)
及び第2制御油路(L3)を介して前記制御装置(6)に
おけるスプール(62)の第1、第2ランド(62a)(62
b)間に導入され、第1、第2ランプ(62a)(62b)の
面積差に作用する前記作動油圧により、前記スプール
(62)は前記コイルスプリングスプリング(64)に抗し
て、第5図右方向に往動するのである。
そしてこのスプール(62)の往動に伴い、前記第2ラン
ド(62b)により前記供給油路(L4)の一次側通路(L4
−1)と二次側通路(L4−2)との連通を遮断されて、
前記二次側通路(L4−2)及びアキュムレータ室(81)
が前記ドレン油路(L5)に開放されるため、前記ロック
装置(5)の作動室(56)には作動油圧が導入されず、
ロック装置(5)は非ロック状態で保たれるのである。
従って自動変速機がドライブレンジ(D)、セカンドレ
ンジ(II)、ローレンジ(L)のいずれかにある場合に
は、該自動変速機を他のレンジに自由にシフトすること
が可能である。
ところで例えば高速走行途中にあっては、前記作動室
(S1)に導入されるガバナ油圧が前記スプリング室(S
2)のコイルスプリング(64)のばね力よりも高くなっ
ているので、前記スプール(62)は前記ガバナ油圧の作
用で常に前記コイルスプリング(64)に抗して往動し
て、前述のごとく、前記供給油路(L4)の二次側通路
(L4−2)及びアキュムレータ室(81)が前記ドレン油
路(L5)に開放されているので、前記インナレバー(7
0)が本考案にかかるロック装置(5)によりロックさ
れることはないのである。
従って高速走行途中に自動変速機をドライブレンジ
(D)から誤ってニュートラルレンジ(N)にシフトし
た場合においては、発進時のようにその都度ブレーキ操
作を行わずとも前記自動変速機を例えばドライブレンジ
(D)に即座に戻すことが出来る。
また一方、車両の車庫入れ時や縦列駐車時において自動
変速機をドライブレンジ(D)からリバースレンジ
(R)、更にはリバースレンジ(R)からドライブレン
ジ(D)に切換えて、前進と後進を繰り返すような場
合、その都度ニュートラルレンジ(N)を通ることとな
り、ニュートラルレンジ(N)の通過時において、その
都度、前記制御装置(6)のスリーブ(62)が一次的に
復動して、前記供給油路(L4)の一次側通路(L4−1)
が二次側通路(L4−2)に連通することとなる。
しかしながら前述のごとく前記供給油路(L4)の一次側
通路(L4−1)が二次側通路(L4−2)に一次的に連通
しても、前記アキュムレータ(8)の作用により、前記
ロック装置(5)の作動室(56)に作動油圧が作用する
前に自動変速機がニュートラルレンジから他のレンジに
切り換えられるので、ニュートラルレンジ(N)の通過
時にその都度ブレーキ操作する必要がなく、従って車両
の車庫入れ時や縦列駐車がスムーズに行える。
また一方、前記自動変速機をリバースレンジ(R)にシ
フトした場合には、パーキングレンジにシフトした場合
と同様にブレーキが車輪(14)を確実に制動することの
出来ない値(設定値以下)てあると、前記ロック装置
(5)の作動室(56)に作動油圧が導入されて、前記ロ
ック体(53)が往動するが、前記ロック体(53)の端面
が前記ロックプレート(71)の側面に当接するだけで、
前記インナレバー(70)がロックされることはなく、従
ってリバースレンジ(R)から自由に他のレンジにシフ
トすることが出来る。
(考案の効果) 以上のごとく本考案は、ケーシング内に、往動により前
記マニュアルバルブ側に係合して該バルブの作動を不能
とするロック体を往復動自由に設けると共に、このロッ
ク体に、ピストンを、該ロック体の往復動方向と同方向
に相対移動可能に遊挿して、該ピストンの作動室に、前
記自動変速機のライン油圧を供給する供給油路を接続す
る一方、前記ピストンの背面とロック体との間に、前記
作動室へのライン油圧の供給に伴う前記ピストンの往動
時、該ピストンの往動を前記ロック体に伝えて、該ロッ
ク体を前記マニュアルバルブ側と係合する方向に往動さ
せる往動伝達用スプリングを介装して、前記ロック体と
ピストンとの間に、該ピストンの復動時、前記ロック体
を、その往動位置から復動させる連通手段を設けると共
に、前記ピストンの背面とケーシングとの間に、前記ピ
ストンを復動させるリターンスプリングを介装したこと
により、例えば前記ロック体の往動時に、該ロック体が
マニュアルバルブ側の設定位置に嵌合せずにマニュアル
バルブ側に当接して、前記ロック体の往動が不可能とな
っても、前記ピストンのみが往動して、前記往動伝達用
スプリングが圧縮され、前記ロック体には、圧縮された
前記往動伝達用スプリングのばね力に相当する弱い荷重
が作用して、該ロック体が前記マニュアルバルブ側に軽
く圧接するだけであり、従って前記マニュアルバルブの
動作が前記ロック体により阻害されるようなことはな
く、しかも該マニュアルバルブの動作で、該マニュアル
バルブとロック体とが所定位置で対向した時、前記ロッ
ク体が前記往動伝達用スプリングのばね力により往動し
て、前記マニュアルバルブ側に係合し、該マニュアルバ
ルブを確実にロックするのである。
また本考案によれば、前記作動室内に導入した作動油圧
を抜いて、前記ロック体のロック動作を解除する場合、
該ロック体は前記リターンスプリングにより復動させら
れるので、前記ロック体の復動が即座に行われ、安定し
たロック解除を行うことが出来る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案にかかるロック装置の一実施例を示す断
面図、第2図は同概略斜視図、第3図は本考案にかかる
ロック装置を組み込んだシフトロック機構の概略説明
図、第4図は前記シフトロック機構を構成するブレーキ
ング検出装置の断面図、第5図は同じくシフトロック機
構を構成する制御装置の断面図、第6図は第5図VI−VI
線断面図である。 (5)……ロック装置 (51)……ケーシング (53)……ロック体 (54)……ピストン (55)……止め環(連動手段) (56)……作動室 (57)……往動伝達用スプリング (58)……リターンスプリング

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】自動変速機が停止レンジにシフトされてい
    る場合で且つブレーキ装置が作動していない時、前記自
    動変速機のマニュアルバルブの作動を不能とするロック
    装置であって、ケーシング内に、往動により前記マニュ
    アルバルブ側に係合して該バルブの作動を不能とするロ
    ック体を往復動自由に設けると共に、このロック体に、
    ピストンを、該ロック体の往復動方向と同方向に相対移
    動可能に遊挿して、該ピストンの作動室に、前記自動変
    速機のライン油圧を供給する供給油路を接続する一方、
    前記ピストンの背面とロック体との間に、前記作動室へ
    のライン油圧の供給に伴う前記ピストンの往動時、該ピ
    ストンの往動を前記ロック体に伝えて、該ロック体を前
    記マニュアルバルブ側と係合する方向に往動させる往動
    伝達用スプリングを介装して、前記ロック体とピストン
    との間に、該ピストンの復動時、前記ロック体を、その
    往動位置から復動させる連動手段を設けると共に、前記
    ピストンの背面とケーシングとの間に、前記ピストンを
    復動させるリターンスプリングを介装したことを特徴と
    する自動変速機のロック装置。
JP1988060891U 1988-05-09 1988-05-09 自動変速機のロック装置 Expired - Lifetime JPH0715790Y2 (ja)

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