JPH0715776U - 洗浄装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 洗浄槽内の洗浄液に浸漬された被洗浄物に向
かってノズルから洗浄液の噴流又は気泡を吹き付けて洗
浄する場合に、洗浄槽内でノズルを回転させることな
く、被洗浄物の全面に洗浄液の強い噴流を均一に吹き付
けて、洗浄ムラを生じないようにすることを目的とす
る。 【構成】 洗浄槽２内の洗浄液に浸漬された被洗浄物Ｗ
をその状態で上下方向に揺動させる昇降機構４と、被洗
浄物Ｗを前記状態で前後又は左右方向に揺動させる横送
り機構９とを備えた。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、洗浄液を貯留する洗浄槽内に、その槽内の洗浄液に浸漬された被洗 浄物に向かって洗浄液の噴流又は気泡を吹き付けるノズルが配設された洗浄装置 に関する。

【０００２】

【従来の技術】

例えば、熱処理炉で焼入処理又は焼戻処理等の熱処理をする後には、ワークの 表面に付着した油分やゴミを洗い落とすために、アルカリ溶液からなる洗浄液を 貯留した洗浄槽内にワークを浸漬し、槽内に配設されたノズルから洗浄液の噴流 をワークの表面に吹き付けるようにしている。

【０００３】 この場合に、ワークの表面を均一に洗浄処理できるように門型のフレームに多 数のノズルを内向きに形成し、このフレームを定置されたワークの周りに回転さ せて洗浄するものが知られている。 すなわち、各ノズルから洗浄液を噴射させながら、門型フレームを回転させる ことにより、ワークの周囲に均一に洗浄液を吹き付けるようになされている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、多数のノズルを形成した門型フレームは非常に重く、これを回 転させようとするとその支持機構及び駆動機構として頑丈なものを用いなければ ならず、設備費が嵩むという問題がある。 また、回転させたときの慣性力も非常に大きいので、重心と回転中心を完全に 一致させなければスムースに回転させることが困難であるが、フレームの内部に は洗浄液が流れているので重心位置が変化しやすく、したがって回転中心と重心 を完全に一致させることはできない。 そして、回転中心と重心がずれることにより、門型フレームを支持しきれない 場合には、回転している門型フレームが支持機構から脱落してしまい、修理不能 な程に洗浄装置が破損するという問題がある。

【０００５】 また、被洗浄物が円柱形又は立方体に近い形状であれば、フレームを回転させ て洗浄してもスペースに無駄がないが、被洗浄物が平面から見て例えば前後方向 に短い長方形の場合には、門型フレームの幅は、左右の長い部分に合わせなけれ ぱならないので、スペース的に無駄を生ずるだけでなく、正面及び背面とノズル の距離が離れるため均一に洗浄することができないという問題がある。

【０００６】 被洗浄物の形状に合わせてノズルを配置すればスペース的な無駄はなくなるが 、この場合は、ノズルから噴射された噴流が直接吹き付けられる部分とそうでな い部分とで洗浄ムラを生ずるという問題が残る。 そこで、本考案は、洗浄槽内でノズルを回転させることなく、被洗浄物の全面 に洗浄液の強い噴流を均一に吹き付けて、洗浄ムラを生じないようにすることを 技術的課題としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

この課題を解決するために、本考案は、洗浄液を貯留する洗浄槽内に、その槽 内の洗浄液に浸漬された被洗浄物に向かって洗浄液の噴流又は気泡を吹き付ける ノズルが配設された洗浄装置において、洗浄槽内の洗浄液に浸漬された被洗浄物 をその状態で上下方向に揺動させる昇降機構と、被洗浄物を前記状態で前後又は 左右方向に揺動させる横送り機構とを備えたことを特徴とする。

【０００８】

【作用】

本考案によれば、洗浄液に浸漬された被洗浄物に向かってノズルから洗浄液や 気泡が吹き付けられてその表面が洗浄される。 そして、被洗浄物に洗浄液や気泡を吹き付けながら、その被洗浄物は、昇降機 構によって上下に揺動されると共に、横送り機構によって前後左右に揺動される ので、噴流を吹き付ける位置が常に変化し、したがってノズルを固定していても 洗浄液の噴流が被洗浄物の表面に均一に吹き付けられる。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案を図面に示す実施例に基づいて具体的に説明する。 図１は本考案に係る洗浄装置を示す斜視図、図２はその正面図である。

【００１０】 図中１，１・・は、洗浄槽２内の洗浄液中に浸漬された被洗浄物Ｗの表面に洗 浄液の噴流を吹き付けるノズルであって、被洗浄物Ｗを囲むように洗浄槽２の側 壁２ａに沿って立設されたライザー管３Ａ〜３Ｄと、槽底２ｂに沿って配設され たライザー管３Ｅに被洗浄物Ｗと対向するように形成され、前後左右及び下の５ 方向から洗浄液を噴射できるように成されている。

【００１１】 ４は、洗浄開始時に被洗浄物Ｗを洗浄槽２内に浸漬させ、洗浄終了時には槽２ の外へ引き上げるシリンダであって、洗浄槽２の上方に配設されたＸ−Ｙテーブ ル５に取り付けられており、洗浄中は被洗浄物Ｗを浸漬させた状態でそのピスト ンロッド４ａが小刻みに伸縮されて被洗浄物Ｗを上下に揺動させる昇降機構とし て作用する。

【００１２】 ９は、被洗浄物Ｗを洗浄液に浸漬した状態で前後又は左右方向に揺動させる横 送り機構であって、洗浄槽２の前後方向及び左右方向に沿って摺動可能に配設さ れたＸ方向スライダ５Ｘ及びＹ方向スライダ５Ｙからなる前記Ｘ−Ｙテーブル５ と、前記各スライダ５Ｘ及び５Ｙを移動させる送りねじ６Ｘ，６Ｙと、送りねじ ６Ｘ，６Ｙを所定のタイミングで正逆回転させるモータ７Ｘ，７Ｙと、前記送り ねじ６Ｘ，６Ｙと平行に配設されて各スライダ５Ｘ，５Ｙを摺動自在に案内する ガイドレール８Ｘ，８Ｙとで形成されている。

【００１３】 なお、被洗浄物Ｗの周面及び底面に対向する各ノズル１，１・・・は、被洗浄 物の大きさ及び上下，前後，左右方向に揺動されるストロークに応じて、ノズル １，１・・に被洗浄物Ｗがぶつからないように所定のクリアランスをもって設置 されている。

【００１４】 以上が、本考案の一例構成であって、次にその作用について説明する。 まず、シリンダ４のピストンロッド４ａを伸長させると、被洗浄物Ｗが洗浄槽 ２内に貯留された洗浄液に浸漬される。 この状態で、各ライザー管３Ａ〜３Ｅに一斉に洗浄液を供給すると、各ライザ ー管３Ａ〜３Ｅに形成されたノズル１，１・・から洗浄液が噴射され、洗浄液の 噴流が被洗浄物Ｗの表面に吹き付けられる。

【００１５】 次いで、被洗浄物Ｗを洗浄液に完没させた浸漬させた状態のまま、シリンダ４ のピストンロッド４ａを小刻みに伸縮させ、これと同時に、横送り機構９のＸ方 向スライダ５Ｘ及びＹ方向スライダ５Ｙを前後方向及び左右方向に所定のストロ ークで移動させる。 このとき、前後，左右及び上下方向を全く同期させて駆動すると、被洗浄物Ｗ は往復直線運動しかしないので、多少タイミングをずらせたり、それぞれ別々の 周期で駆動させれば、被洗浄物Ｗが円運動したり不規則に揺動されるので、その 方がより均一に吹き付けることができる。

【００１６】 なお、洗浄中に被洗浄物Ｗを上下に揺動させる昇降機構として、被洗浄物Ｗを 洗浄液槽２内に浸漬させるシリンダ４を兼用した場合について説明したが、兼用 させることなく夫々別々に設けてもよい。ただし、シリンダ４を兼用すれば、駆 動機構が簡単になるというメリットがある。 また、横送り機構９として用いたＸ−Ｙテーブル５のＸ方向スライダ５ＸとＹ 方向スライダ５Ｙをねじ送りする場合について説明したが、その駆動機構は任意 のものを採用することができる。 さらに、横送り機構９としてＸ−Ｙテーブル５を用いる場合に限らず、前後及 び左右方向に揺動可能であれば、任意の機構を採用することができる。

【００１７】

【考案の効果】

以上述べたように、本考案によれば、洗浄液に浸漬された被洗浄物に向かって 洗浄液を吹き付けながら、被洗浄物が前後，左右及び上下方向に揺動されるので 、各ノズルから噴射された洗浄液の強い噴流が、吹き付け位置を変化させながら その周囲に均一に吹き付けられることとなるので、ノズルを回転しなくてもムラ なく洗浄することができるという大変優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る洗浄装置を示す斜視図。

【図２】その正面図。

【符号の説明】

Ｗ・・・・・・被洗浄物 １・・・・・・ノズル ２・・・・・・洗浄槽 ４・・・・・・シリンダ（昇降機構） ９・・・・・・横送り機構

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 洗浄液を貯留する洗浄槽（２）内に、そ
   の槽（２）内の洗浄液に浸漬された被洗浄物（Ｗ）に向
   かって洗浄液の噴流又は気泡を吹き付けるノズル（１，
   １・・）が配設された洗浄装置において、洗浄槽（２）
   内の洗浄液に浸漬された被洗浄物（Ｗ）をその状態で上
   下方向に揺動させる昇降機構（４）と、被洗浄物（Ｗ）
   を前記状態で前後又は左右方向に揺動させる横送り機構
   （９）とを備えたことを特徴とする洗浄装置。