JPH0715768B2 - キヤプスタン装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、所定の速度で磁気テープを駆動するキャプス
タン装置に関するものである。

従来の技術 以下、図面を参照しながら、上述したキャプスタン装置
を備えた従来の磁気記録再生装置の一例について説明す
る。

第４図は、従来の磁気記録再生装置におけるキャプスタ
ン装置の断面図を示すものである。第４図において、１
はキャプスタン２を２つのメタル軸受３を介して回転自
在に保持するキャプスタンハウジングである。４はキャ
プスタン２の上端部を受けるスラストネジ、５は厚さ方
向に着磁された円板状のマグネット、６はマグネット５
を保持する磁性体製のロータープレートで、これはロー
ターボス８を介してキャプスタン２に固定されている。
９はマグネット５と対向する面部に固定子巻線である複
数のコイル７を接着して固定した鉄板をベースとした基
板である。10は主基板であって、キャプスタンハウジン
グ１を複数の取付ネジ11によって固定している。

第５図は、映像信号磁気記録再生装置（ビデオテープレ
コーダ）の概略のテープパスを示すものである。同図に
おいて、12は磁気テープ13を所定角度巻付けた状態で信
号を記録再生する回転ヘッドシリンダーである。14a〜1
4iは磁気テープ13を回転ヘッドシリンダー12の外周面部
に螺旋上に形成されているリード面に沿わせる働きをす
るテープガイドポストである。15は傾斜ポスト、17はテ
ンションポスト、16は磁気テープ13を第４図に示したキ
ャプスタン２に押圧するピンチローラーである。18は磁
気テープ13を巻回するリール（図示せず）を内蔵したカ
セットである。

以上のように構成された磁気記録再生装置について、そ
の動作を説明する。第４図および第５図において、磁気
テープ13は周知の適当なローディング手段によって、カ
セット18内より引き出され、主基板10に配置された回転
ヘッドシリンダー12に巻付けられている。記録再生モー
ドに切換えられた時、ピンチローラー16がキャプスタン
２に圧着されると同時に、キャプスタン２が回転するこ
とにより、磁気テープ13を所定の速度で駆動する。

発明が解決しようとする問題点 しかしながら、上記のような構成ではテープガイドポス
ト14gおよび14hの巻付角が小さく、磁気テープ13の上下
方向の規正力には限界が有る。そのため、キャプスタン
の倒れ精度をきびしくするため、主基板10やキャプスタ
ンハウジング１等の部品精度を向上させなければ、安定
なテープ走行を実現できなくなるという問題を有してい
た。

本発明は、上記問題点に鑑み、キャプスタンの倒れ角度
（垂直度）精度を確保するために簡単な構成でキャプス
タンの倒れを調整可能にすることにより、テープ走行性
を安定なものにするようにしたキャプスタン装置を提供
するものである。

問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するために本発明のキャプスタン装置
は、所定の速度で回転するキャプスタンと、そのキャプ
スタンを回転自在に保持するキャプスタンハウジング
と、外周にネジ部を有すると共に連結部材によって前記
キャプスタンハウジングに回転自在に取付けられた調整
ネジと、その調整ネジのネジ部に螺合するキャプスタン
ハウジング取付部とを含めてなり、前記調整ネジを回動
することによりキャプスタンハウジングをキャプスタン
ハウジング取付部に対して接近および離間しうるように
移動自在とした構成を備えたものである。

作 用 本発明は、上記した構成によって、調整ネジを回転させ
ることで、その外周部に形成したネジ部により高さ方向
の微調整が行なえ、その結果、キャプスタンの倒れ角度
（垂直度）の調整が簡易に行なえることになる。

実施例 以下、本発明の実施例に係るキャプスタン装置につい
て、図面を参照しながら説明する。

第１図は本発明の一実施例のキャプスタン装置の断面図
を示すものである。なお、従来例と同じ構成要素につい
ては、同一番号を付与して説明を省略する。19は基板装
置10に形成されたキャプスタンハウジング取付部であ
る。このキャプスタンハウジング取付部19は、基板装置
10に樹脂でアウトサート成形する様に構成され、さらに
成形の際、外周面にネジ部20bを形成した調整ネジ20
は、成形金型内にインサートされている。また調整ネジ
20には、第２図に示すマイナスドライバー用の溝部20a
とビス穴20cが形成されている。さらに、調整ネジ20は
連結部材である皿ビス21によってキャプスタンハウジン
グ１に対して回転自在に取付けられている。

第３図は、キャプスタンハウジング１を上から見た図
で、磁気テープ13に対して直角方向および平行方向に、
キャプスタン２の倒れを調整できるように調整ネジ20が
配置されている。

以上のように構成されたキャプスタン装置について、以
下にその動作の説明する。

第１図において、キャプスタン２を取付ネジ11の方向に
倒し、キャプスタン２の垂直度を調整しようとする時に
は、調整ネジ20の溝部20aをドライバー等によって係合
し、調整ネジ20を回動させる。この時、皿ビス21は締結
されていない。キャプスタンハウジング取付部19と調整
ネジ20との両者の間にはネジ部20bが形成されている
為、キャプスタンハウジング取付部19に対して調整ネジ
20が突出する。ここで、キャプスタンハウジング取付部
19のネジ部20bはインサート成形されている為、ガタツ
キはない。次に、皿ビス21を締結することによって、キ
ャプスタンハウジング１は調整ネジ20の方向に移動し、
キャプスタンハウジング１とキャプスタンハウジング取
付部19が当接する。従って、キャプスタン２は取付ネジ
11の方向に傾斜することになる。調整ネジ20を逆方向に
回動すれば、キャプスタン２は前記と逆方向に傾斜する
ことになる。

以上の説明のように、調整ネジ20を回すことにより、キ
ャプスタンの倒れ角度である垂直度の精度を調整するこ
とが出来、従って、テープ走行性を安定にすることが出
来る。また、調整ネジ20のネジ部20bが螺合されるキャ
プスタンハウジングのネジ部はインサート成形により形
成されている為、両者のネジ間でガタツキがなく、精度
よく調整ネジ20の高さを決定することが出来る。

発明の効果 以上のように本発明によれば、調整ネジを回転させるこ
とで、調整ネジの外周部に形成したネジ部により高さ方
向の微調整が行なえ、その結果、キャプスタンの倒れ角
度（垂直度）精度を簡単に設定することが可能となり、
テープ走行性を安定なものにすることが出来るものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の一実施例のキャプスタン装置を示す
断面図、第２図は同装置の要部断面図、第３図は同装置
の要部平面図、第４図は従来のキャプスタン装置を示す
断面図、第５図は従来の磁気記録再生装置を示す概略平
面図である。 １……キャプスタンハウジング、２……キャプスタン、
19……キャプスタンハウジング取付部、20……調整ネ
ジ、20b……ネジ部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】所定の速度で回転するキャプスタンと、前
   記キャプスタンを回転自在に保持するキャプスタンハウ
   ジングと、外周にネジ部を有する調整ネジと、前記調整
   ネジの外周ネジ部をガタのない状態で保持するため、成
   形時金型内に前記調整ネジを挿入して行なうインサート
   成形法により前記外周ネジ部に噛合う雌ネジを形成した
   キャプスタンハウジング取付部と、前記キャプスタンハ
   ウジングに前記調整ネジが前記キャプスタンハウジング
   取付部に噛合った状態で前記調整ネジを固定する連結部
   材とを有することを特徴とするキャプスタン装置。