JPS639858Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はテープレコーダのトラツキング機構に
関する。

ある種のテープレコーダにおいては、音声信号
または映像記号を磁気テープの幅方向に多段トラ
ツクに長手方向に記録しまたは多段トラツクに記
録されたこれらの信号を再生する方式がある。こ
の方式においては磁気ヘツドをテープの幅方向に
１トラツクずつ順次ずらせて移動させる必要があ
り、このための機構はトラツキング機構と呼ばれ
ている。一定の幅の磁気テープに記録されるトラ
ツクの数が多くなると磁気ヘツドの移動すなわち
トラツキングに高い精度が要求される。特にビデ
オテープレコーダのように、たとえば12.7mm（1/
２インチ）幅の磁気テープに200〜220本ものトラ
ツクで映像信号が記録されるものでは、１トラツ
クの幅が数10μｍ、トラツク間隔が10数μｍと極
めて狭いためにトラツキング機構に要求されるト
ラツクピンチ精度は著るしく高いものになる。

第１図は一例としてビデオテープレコーダのト
ラツキング機構およびテープ駆動機構の要部のみ
を示したビデオテープレコーダ本体の平面図で、
ベース１の上面に固定リール２とテープガイド３
とが取付けられ、磁気テープＴはこの固定リール
２の周囲をめぐり、引出口２′から引出され、ヘ
ツドガイド４の両側に植設されたガイドポール
５，６で上下を規制されてヘツドガイド４に沿い
キヤプスタン７とピンチローラ８との間を通つて
テープガイド３に案内されエンドレスに走行駆動
される。磁気ヘツド９はヘツドガイド４に設けら
れたスリツトからテープＴと接触するテープ走行
路に沿つて設けられた一対のテープガイド７，
７′の間に設けられている。

上記トラツキング機構の駆動機構を第２図に示
した。テープレコーダ本体のベース１に固定され
たステツプモータ１０の回転を伝達するための互
いに噛合するギヤ列１１，１２，１３が設けら
れ、ギヤ１３と一体のトラツキングねじ１４には
ねじ部１４ａが形成されている。一方、磁気ヘツ
ド１５はヘツド取付軸１６の上端に取付けられて
おり、その先端がヘツドガイド１７に形成した開
口１７ａから磁気テープＴに接触する。ヘツド取
付軸１６はフレーム１８に回転自在に支持され、
その下部にはトラツキングフレーム１９が固定さ
れており、このトラツキングフレーム１９に接着
剤等で固定されたトラツキング爪２０がトラツキ
ングねじ１４のねじ部１４ａと係合している。磁
気ヘツド１５は、ステツプモータ１０にパルスが
加えられると、１パルスに対して所定角度だけ回
転し、その回転がギヤ１１，１２，１３を介して
トラツキングねじ１４に伝達され、その結果ねじ
部１４ａが回転すると、ヘツド取付軸１６がトラ
ツキング爪２０を介して上下動されて１トラツク
分移動する。このように、磁気ヘツド１５は予め
定められた位置（零点位置という）を基準にして
ステツプモータ１０に加えられたパルス数に等し
いトラツク数だけ移動する。

一方、エンドレステープには銀紙などのエンド
マークが貼り付けられており、エンドマークの通
過を光学的または電気的に検出してテープが一周
走行したことすなわち１トラツクの記録または再
生が終了したことを検知する検出器が設けられて
いる。この検出器はすでに知られているので特に
説明はしない。

ところで上記従来のトラツキング機構において
はトラツキング爪２０はトラツキングフレーム１
９上に接着剤により固定して取付けられている。
このため破損時にトラツキング爪２０を交換する
ことはできない。またビデオテープレコーダにお
いては、トラツキング機構の構成部品やテープ上
下規制用ガイドポールなどの製作精度のばらつき
のために組立後テープと磁気ヘツドとの接触圧な
ど接触状態が微少に異なるための画質に影響を与
えるおそれがある。ところが上記した如き従来の
トラツキング機構では、トラツキング爪２０がト
ラツキングフレーム１９に固定されているために
ヘツドガイドに対するテープの巻付き角度を調整
することができないという問題がある。

本考案は上記の点にかんがみ、トラツキング爪
をトラツキングフレームに対して移動可能に取付
けたもので、このようにすることによりヘツドガ
イドに対するテープの巻付け角度を調整すること
ができるのでテープのヘツドに対する接触圧を均
等にすることができ画質を向上することができる
とともにトラツキング爪の交換が可能になる。

以下図面を参照して本考案を詳細に説明する。

第３図は本考案によるトラツキング機構の一実
施例であるネジ式トラツキング機構の斜視図で、
第２図と同じ参照数字は同じ構成部分を示す。フ
レーム１８には、上下方向の移動が抑制され回転
のみ可能なトラツキングねじ１４と、その回転に
より上下動するようにトラツキングねじ１４と係
合したトラツキングフレーム１９とが組み付けら
れている。このような機構においては、トラツキ
ングねじ１４と接しその回転運動を上下動に変換
するトラツキング爪２０は相当な強度でトラツキ
ングフレーム１９と係合されなければならない。

第４図は本考案によるトラツキング爪の取付方
法を詳細に示している。トラツキング爪２０はト
ラツキング爪２０を包み込むような形状の固定金
具２１によりねじ２２で固定される。固定金具２
１はステンレス板などの弾性板部材で作られ、ト
ラツキング爪２０が後方へズレるのを防止するた
めのストツプ部２１ａが設けられている。固定金
具５の厚さについては、第５図に示すように、固
定金具２１の内側深さｔはトラツキング爪２０の
厚さＴよりやや小さくしてある。これはトラツキ
ング爪２０と固定金具２１との間に間隙が生じな
いようにトラツキングねじ１４の回転を遊びなく
トラツキングフレーム１９の上下動に変換するた
めである。

第６図は固定金具２１の変形例を取付け状態で
示している。固定金具２１の背面には調整ねじ２
３が設けられており、トラツキング爪２０の固定
方法は前述のとおりである。第３図に示すように
組立後フレーム１８の背面に設けられた穴１８ａ
からこの調整ねじ２３を回転することによりトラ
ツキングフレーム１９は軸２４を支点として矢印
Ａ方向にテープのヘツドガイド１７への巻付け角
を調整することができる。その結果、テープ走行
時、テープが磁気ヘツド１５の先端に与える接触
圧を調整することができ、画質を均一にすること
ができるとともに磁気ヘツドの寿命を長くするこ
とができる。

以上説明したように、本考案においては、トラ
ツキングねじと係合する係合部材すなわちトラツ
キング爪を磁気ヘツド取付部材に対して移動可能
に取付けたので、トラツキング爪を磁気ヘツド取
付部材に対して前後に移動させることによりヘツ
ドガイドに対するテープの取付け角を調整するこ
とができるのでテープのヘツドに対する接触圧を
均等にすることができる。その結果ビデオテープ
レコーダでは画質を向上することができ、その他
のテープレコーダでもヘツドの寿命を長くするこ
とができる。またトラツキング爪の交換も簡単に
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はトラツキング機構を有するビデオテー
プレコーダ本体の平面図、第２図はトラツキング
機構の駆動機構の断面図、第３図は本発明による
トラツキング機構斜視図、第４図はトラツキング
爪の取付け方法を示す分解斜視図、第５図はトラ
ツキング爪の側面図、第６図はトラツキング爪固
定金具の他の実施例を示す。 １……ベース、２……固定リール、３……テー
プガイド、４……ヘツドガイド、５，６……ガイ
ドポール、７……キヤプスタン、８……ピンチロ
ーラ、１０……ステツプモータ、１４……トラツ
キングねじ、１５……磁気ヘツド、１６……ヘツ
ド取付軸、１８……フレーム、１９……トラツキ
ングフレーム、２０……トラツキング爪、２１…
…固定金具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. テープの走行面に対して回動可能に支持される
   磁気ヘツド取付部材が設けられたテープレコーダ
   本体と、該テープレコーダ本体に回転可能に支持
   されたトラツキングねじと、該トラツキングねじ
   を回転させる駆動源と、前記磁気ヘツド取付部材
   の回動中心から離れた位置において該磁気ヘツド
   取付部材に対して移動可能に取り付けられ、且つ
   前記トラツキングねじと係合してトラツキングね
   じの回転を磁気ヘツド取付部材の往復動に変換す
   る係合部材とを有することを特徴とするテープレ
   コーダのトラツキング機構。