JPH07157624A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JPH07157624A
JPH07157624A JP30440393A JP30440393A JPH07157624A JP H07157624 A JPH07157624 A JP H07157624A JP 30440393 A JP30440393 A JP 30440393A JP 30440393 A JP30440393 A JP 30440393A JP H07157624 A JPH07157624 A JP H07157624A
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JP
Japan
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weight
copolymer
graft
monomer
component
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Pending
Application number
JP30440393A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Niimura
哲也 新村
Kenichi Naruge
健一 成毛
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Denka Co Ltd
Original Assignee
Denki Kagaku Kogyo KK
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Publication date
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた耐熱性、耐衝撃性、成形性を有し、か
つ塗装密着性に優れた熱可塑性樹脂組成物を提供するも
のである。塗装を必要とする各種成形品、特に食品容器
に好適に用いられるものとなる。 【構成】 特定のマレイミド系共重合体10〜25重量
%、異なったグラフト率を有するグラフト共重合体を各
々5〜20重量%及び15〜25重量%、並びに芳香族
ビニル単量体とシアン化ビニル単量体との共重合体40
〜60重量%とからなり、かつ組成物中のゴム状重合体
成分含有量が15〜20重量%である熱可塑性樹脂組成
物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた耐熱性、耐衝撃
性、成形性を有し、かつ塗装密着性に優れた熱可塑性樹
脂組成物に関するものであり、本発明の組成物は、塗装
を必要とする各種成形品、特に食品容器に好適に用いる
ことが出来る。
【0002】
【従来の技術】従来より、スチレンーマレイミド系共重
合体とABS樹脂のブレンド組成物(マレイミド系AB
S樹脂組成物)は、熱安定性に優れ、かつ良好な耐熱性
を有していることが知られている(USP3,651,
171号、USP3,652,726号、特開昭57−
98,536号、特開昭57−125,242号、58
−101,141号、特開昭58−129,043
号)。
【0003】また、マレイミド系ABS樹脂組成物は熱
安定性、耐熱性及び成形性においてα−メチルスチレン
ーアクリロニトリル共重合体とABS樹脂のブレンド組
成物(α−メチルスチレン系ABS樹脂組成物)に比べ
て優れているが、耐衝撃性に劣っていた。その耐衝撃性
が改善されたマレイミド系ABS樹脂組成物についても
知られている(特開昭59−232,138号、特開昭
61−73,755号、特開昭61−101547
号)。
【0004】しかし、従来提案されているマレイミド系
ABS樹脂組成物は、α−メチルスチレン系ABS樹脂
組成物に比べて、上記のような諸物性に優れているにも
かかわらず塗装密着性に劣っていたため、塗装密着性の
要求される用途には不適であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、特定のマレ
イミド系共重合体、限定されたグラフト率を有する特定
のグラフト共重合体、及び芳香族ビニル単量体とシアン
化ビニル単量体との共重合体を特定のブレンド比率でブ
レンドすることによって、マレイミド系ABS樹脂組成
物の優れた耐熱性、耐衝撃性、成形性を犠牲にせず、塗
装密着性を向上させようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、耐熱性、耐衝
撃性、成形性に優れ、かつ塗装密着性に優れた下記マレ
イミド系ABS樹脂組成物を提供するものである。すな
わち本発明は、 (A)成分;ゴム状重合体5〜20重量%と、芳香族ビ
ニル単量体残基40〜70重量%、不飽和ジカルボン酸
イミド誘導体残基30〜60重量%、その他共重合可能
なビニル単量体残基0〜30重量%からなる共重合体8
0〜95重量%とを含有してなるマレイミド系共重合体
10〜25重量%と、 (B)成分;ゴム状重合体35〜65重量%に、芳香族
ビニル単量体50〜80重量%、シアン化ビニル単量体
20〜40重量%、その他共重合可能なビニル単量体0
〜30重量%からなる単量体混合物35〜65重量%を
グラフト共重合せしめた共重合体で、そのグラフト率が
15%以上30%未満であることを特徴とするグラフト
共重合体5〜20重量%と、 (C)成分;ゴム状重合体35〜65重量%に、芳香族
ビニル単量体50〜80重量%、シアン化ビニル単量体
20〜40重量%、その他共重合可能なビニル単量体0
〜30重量%からなる単量体混合物35〜65重量%を
グラフト共重合せしめた共重合体で、そのグラフト率が
30〜100%であることを特徴とするグラフト共重合
体15〜25重量%と、 (D)成分;芳香族ビニル単量体残基60〜80重量
%、シアン化ビニル単量体残基20〜40重量%、その
他共重合可能なビニル単量体残基0〜20重量%からな
る共重合体40〜60重量%と、からなり、組成物中の
ゴム状重合体成分含有量が15〜20重量%であること
を特徴とする熱可塑性樹脂組成物である。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。先ず、A
成分のマレイミド系共重合体およびその製法を説明す
る。第1の製法とし、ゴム状重合体の存在下、芳香族ビ
ニル単量体、不飽和ジカルボン酸イミド誘導体およびこ
れらと共重合可能なビニル単量体混合物を共重合させる
方法、第2の製法として、芳香族ビニル単量体、不飽和
ジカルボン酸無水物およびびこれらと共重合可能なビニ
ル単量体混合物を共重合させた後、アンモニアおよび/
または第1級アミンを反応させて酸無水物基をイミド基
に変換させる方法が挙げられ、いずれの方法によっても
マレイミド系共重合体を得ることができる。
【0008】A成分の共重合体製造に使用される芳香族
ビニル単量体としては、スチレン、α−メチルスチレ
ン、ビニルトルエン、p−メチルスチレン、t−ブチル
スチレン、クロロスチレン等のスチレン単量体およびそ
の置換単量体であり、これらの中で特にスチレンが好ま
しい。
【0009】不飽和ジカルボン酸イミド誘導体として
は、マレイミド,N−メチルマレイミド、N−ブチルマ
レイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のN−アル
キルマレイミド、およびN−アリールマレイミド(アリ
ール基としては、例えばフェニル、クロロフェニル、メ
チルフェニル、メトキシフェニル、トリブロモフェニル
等が挙げられる)等のマレイミド誘導体が挙げらる。ま
たこれらの誘導体は二種以上混合して用いることもでき
る。
【0010】不飽和ジカルボン酸無水物としては、マレ
イン酸無水物が挙げられる。
【0011】また、これらと共重合可能なビニル単量体
としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の
シアン化ビニル単量体、メチルアクリル酸エステル、エ
チルアクリル酸エステル等のアクリル酸エステル単量
体、メチルメタクリル酸エステル、エチルメタクリル酸
エステル等のメタクリル酸エステル単量体、アクリル
酸、メタクリル酸等のビニルカルボン酸単量体、アクリ
ル酸アミド、メタクリル酸アミド等が挙げられる。また
第1の製法では無水マレイン酸が挙げられる。第2の製
法では、マレイミド基へ転換されずに残った無水マレイ
ン酸基として、共重合体中に導入することができる。
【0012】また、第2の製法で用いるアンモニアや第
1級アミンは無水または水溶液のいずれの状態であって
もよく、第1級アミンの例としては、メチルアミン、エ
チルアミン、ブチルアミン、シクロヘキシルアミン等の
アルキルアミン、アニリン、トルイジン、クロルアニリ
ン、メトキシアニリン、トリブロモアニリン等の芳香族
アミンが挙げられる。
【0013】ゴム状重合体としては、ブタジエン重合
体、ブタジエンと芳香族ビニルとの共重合体、エチレン
−プロピレン共重合体、アクリル酸エステル重合体等が
挙げられる。
【0014】第1の製法の場合は、懸濁重合、乳化重
合、溶液重合、塊状重合等いずれも公知の重合法を用い
ることができる。第2の製法の場合は、塊状−懸濁重
合、溶液重合、塊状重合等を好適に採用できる。
【0015】A成分の共重合体は、ゴム状重合体5〜2
0重量%と、芳香族ビニル単量体残基40〜70重量
%、不飽和ジカルボン酸イミド誘導体残基30〜60重
量%、およびその他共重合可能なビニル単量体残基0〜
30重量%からなる共重合体80〜95重量%とを含有
してなるマレイミド系共重合体である。
【0016】ゴム状重合体の量が、5重量%未満である
と塗装密着性に劣り、20重量%を越えると、成形性が
損なわれる。ゴム状重合体以外の成分中の芳香族ビニル
単量体残基の量が40重量%未満であると成形性に劣
り、70重量%を越えると耐熱性が損なわれる。不飽和
ジカルボン酸イミド誘導体残基の量が30重量%未満で
あると耐熱性に劣り、60重量%を越えると成形性や衝
撃強度が損なわれる。これらの基以外のビニル単量体残
基の量が40重量%を越えると、耐熱性や他成分との相
容性が損なわれる。
【0017】次にB成分およびC成分ならびに製法につ
いて説明する。B成分およびC成分に用いられるゴム状
重合体は、A成分のゴム状重合体と同じ重合体を用いる
ことができる。芳香族ビニル単量体はA成分の芳香族ビ
ニル単量体と同じ単量体を用いることができる。その他
共重合可能なビニル単量体はA成分のその他共重合可能
なビニル単量体と同じ単量体および不飽和ジカルボン酸
イミド誘導単量体を用いることができる。シアン化ビニ
ル単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニト
リル等があり、特にアクリロニトリルが好ましい。
【0018】B成分およびC成分のグラフト共重合体の
製法は、ゴム状重合体35〜65重量%存在下に芳香族
ビニル単量体50〜80重量%、シアン化ビニル単量体
20〜40重量%およびその他共重合可能なビニル単量
体0〜30重量%からなる単量体混合物35〜65重量
%をグラフト共重合して得られる。
【0019】重合は公知のいずれの重合技術も採用可能
であって、例えば懸濁重合、乳化重合のごとき水性不均
一重合、塊状重合、溶液重合および生成重合体の貧溶媒
中での沈澱重合等がある。ゴム粒径を制御しやすいとい
う点から乳化重合が好ましい。
【0020】B成分のグラフト共重合体のグラフト率は
15%以上30%未満であり、C成分のグラフト共重合
体のグラフト率は30〜100%である。B成分のグラ
フト率が15%未満であると衝撃強度が低下し、30%
以上であると塗装密着性が損なわれる。C成分のグラフ
ト率が30%未満であると衝撃強度が低下する。
【0021】グラフト共重合体中のゴム状重合体の粒径
には特に制限はないが、数平均粒径で、0.1μm〜
1.5μmが好ましい。塗装密着性向上の目的で配合す
るB成分の場合は、0.1μm〜0.5μmが特に好ま
しく、衝撃強度向上の目的で配合するC成分の場合は、
特に0.1μm〜0.5μmの粒径と0.5μm〜1.
5μmの粒径を有したゴム状重合体が混合されているこ
とが好ましい。
【0022】次にD成分およびその製法について説明す
る。D成分に用いられる芳香族ビニル単量体としては、
A成分と同じ単量体が挙げられる。これらの中でα−メ
チルスチレンおよびスチレンが特に好ましい。シアン化
ビニル単量体としては、BおよびC成分で用いられるシ
アン化ビニル単量体と同じものを用いることができ、特
にアクリロニトリルが好ましい。その他共重合可能なビ
ニル単量体としては、BおよびC成分で用いられるその
他共重合可能なビニル単量体と同じ単量体を用いること
ができる。
【0023】本発明の組成物は前記したA成分、B成
分、C成分およびD成分を混合したものであるが、その
混合方法に特に制限はなく、公知の手段を用いることが
できる。その手段としては、例えばバンバリーミキサ
ー、混合ロール、単軸・多軸押出機等が挙げられる。ま
た、押出機にて混練する前の予備混合には、ヘンシェル
ミキサーやタンブラーミキサー等公知の装置を用いるこ
とができる。また、組成物中の揮発分を減らす目的で、
脱揮装置付きの単軸、2軸押出機等を好適に用いること
ができる。
【0024】各成分を混合する割合はA成分が10〜2
5重量%、B成分が5〜20重量%、C成分が15〜2
5重量%、D成分が40〜60重量%であり、かつ組成
物中のゴム状重合体含有量が15〜20重量%になるよ
う混合比率を決める必要がある。
【0025】このようにブレンド比率およびゴム成分含
有量を限定した理由は、マレイミド系ABS樹脂組成物
の本来の特性である耐熱性を保持しながら、成形性の低
下を防止し、かつ衝撃強度、塗装密着性を向上させ、他
の物性もバランスよく保持するために、適性な配合比で
ブレンドすることが必要である。
【0026】また本発明の組成物にさらに酸化防止剤、
難燃剤、可塑剤、滑剤、ガラス繊維、カーボン繊維、炭
酸カルシウム、タルク、マイカ等の充填剤、着色剤、紫
外線吸収剤等を、目的に合わせ添加することができる。
ただし、可塑剤、滑剤等で成形品の表面にブリードアウ
トするようなものは、塗装密着性を損ねる場合があるの
で、添加量を制限する必要がある。
【0027】本発明の組成物は押出成形、射出成形、圧
縮成形等の成形法により成形することができ、得られた
成形品は、耐熱性、耐衝撃性、塗装密着性に優れてい
る。このため、塗装の必要な家庭電気製品、自動車部品
等に有用であり、さらには熱安定性や熱水安定性に優れ
ているため、食品容器に特に有用である。
【0028】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるも
のではない。実施例中の部、%はいずれも重量基準で表
した。
【0029】実験例1:マレイミド系共重合体の製造−
1 撹拌機を備えた反応缶中にスチレン100部、メチルイ
ソブチルケトン50部、α−メチルスチレンダイマー
0.1部、および小片状に切断したポリブタジェン24
部を仕込み、反応缶内を窒素置換し、室温で10時間撹
拌し、ポリブタジェンを溶解した。温度を83℃に昇温
した後、無水マレイン酸67部とベンゾイルパーオキサ
イド0.2部、アゾイソブチロニトリル0.2部をメチ
ルイソブチルケトン400部に溶解した溶液を8時間で
添加した。添加後さらに3時間83℃に保ち、重合を完
了した。続いて、アニリン60部、トリエチルアミン2
部を加えて140℃で7時間反応させた。反応液を押出
機にて脱揮処理しマレイミド共重合体A−1を得た。
【0030】実験例2:マレイミド系共重合体の製造−
2 撹拌機を備えた反応缶中にスチレン50部、メチルイソ
ブチルケトン50部、α−メチルスチレンダイマー0.
1部、および小片状に切断したポリブタジェン11部を
仕込み、反応缶内を窒素置換し、室温で10時間撹拌
し、ポリブタジェンを溶解した。温度を83℃に昇温し
た後、N−フェニルマレイミド50部、ベンゾイルパ−
オキサイド0.15部をメチルイソブチルケトン250
部に溶解した溶液を8時間で添加した。添加後さらに3
時間83℃に保ち、重合を完了した。反応液を押出機に
て脱揮処理しマレイミド共重合体A−2を得た。
【0031】実験例3:マレイミド系共重合体の製造−
3 撹拌機を備えた反応缶中にスチレン60部、メチルイソ
ブチルケトン50部、α−メチルスチレンダイマー0.
1部を仕込み、反応缶内を窒素置換し、温度を83℃に
昇温した後、無水マレイン酸40部、ベンゾイルパ−オ
キサイド0.15部をメチルイソブチルケトン250部
に 溶解した溶液を8時間で添加した。添加後さらに3
時間83℃に保ち、重合を完了した。続いて、アニリン
36部、トリエチルアミン1部を加えて140℃で7時
間反応させた。反応液を押出機にて脱揮処理しマレイミ
ド共重合体A−3を得た。
【0032】実験例4:グラフト共重合体の製造 撹拌機を備えた反応缶中にポリブタジェンラテックス8
0部(固形分50%、平均粒径0.35μm)ステアリ
ン酸ソーダ1部、ソジウムホルムアルデヒドスルホキシ
レート0.1部、テトラソジウムエチレンジアミンテト
ラアセッチクアシッド0.03部、硫酸第一鉄0.00
3部および水200部を仕込み、65℃に加熱し、これ
にアクリロニトリル30%およびスチレン70%よりな
る単量体混合物40部、t−ドデシルメルカプタン0.
3部、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド
0.2部を4時間で添加し、さらに添加終了後65℃で
2時間重合した。得られた反応液に酸化防止剤を添加し
た後、塩化カルシュウムで凝固し、水洗、乾燥後白色微
粉末のグラフト共重合体B−1を得た。
【0033】上記の製造条件において、ジイソプロピル
ベンゼンハイドロパーオキサイドをターシャリーパーオ
キシアセテートに置き換えた以外は同様の操作を行い、
グラフト共重合体C−1を得た。また、前記共重合体B
−1の製造条件において、t−ドデシルメルカプタン
0.3部、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサ
イド0.2部を4時間で添加することを、t−ドデシル
メルカプタン0.2部、ジイソプロピルベンゼンハイド
ロパーオキサイド0.3部を5時間で添加することに置
き換えた以外は同様の操作を行い、グラフト共重合体C
−2を得た。また、前記B−1の製造条件において、ポ
リブタジェンラテックス80部をポリブタジェンラテッ
クス60部(固形分50%、平均粒径0.35μm)と
ポリスチレンーブタジェンラテックス20部(固形分5
0%、平均粒径0.8μm)に、ジイソプロピルベンゼ
ンハイドロパーオキサイドをターシャリーパーオキシア
セテートに置き換えた以外は同様の操作を行い、グラフ
ト共重合体C−3を得た。
【0034】実験例5:α−メチルスチレンーアクリロ
ニトリル共重合体の製造 撹拌機を備えた反応缶中に、純粋100部と第三リン酸
カルシウム2部仕込み続いて、α−メチルスチレン70
部、アクリロニトリル30部、2−ターシャリーブチル
アゾー2−シアノプロパン0.9を仕込み、80℃に昇
温し、20時間重合をおこなった。得られた反応液を塩
酸にて中和し、脱水した後、乾燥し粒状重合体D−1を
得た。
【0035】実験例1から実験例5で得られた共重合体
の組成および特性を表−1、表−2、および表−3にそ
れぞれ示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】実施例1〜6および比較例1〜5 実験例1から実験例5で得られた共重合体を、表−4お
よび表−5に示す割合でブレンドして40mmφのベン
ト付き単軸押出機を用い、温度260℃にて溶融混練
し、ペレットを作成した。このペレットを250℃で射
出成形して試験片を作成し、その物性を評価した。評価
結果を表−4および表−5に示す。
【0040】評価方法は次の通りである。 (1) 耐熱性;ビカット軟化点(VSP)をJIS K7
206に準拠し、5kg荷重で測定した。 (2) 耐衝撃性;アイゾット衝撃強度(IZOD)をAS
TM D256に準拠し、厚み1/8”でノッチ付きの
試験片を温度23℃の標準状態で測定した。 (3) 成形性;メルトフローレート(MFR)をJIS
K6874に準拠し、温度265℃、10kg荷重で測
定した。 (4) 塗装密着性;碁盤目剥離試験:塗料はポリエステル
ーウレタン系塗料を使用、塗膜厚30μm、乾燥後1週
間室温にて保存し、剥離試験を実施した。剥離した碁盤
目の比率を表−4および表−5に示した。 なお、表中の数値の意味は、例えば塗装密着性0%は1
00個のます目ができるように切り傷をつけた碁盤目
が、剥離試験で全く剥離しないことを、また塗装密着性
80%は80箇所の剥離が生じたことを示す。その他の
数値も同様に解釈する。
【0041】
【表4】
【0042】
【表5】
【0043】表−4に示す結果から明らかなように、実
施例1〜6の組成物は優れた塗装密着性を有しており、
しかも優れた耐熱性、耐衝撃性、成形性を有している。
【0044】これに対して、表−5に示すように、比較
例1の組成物は、マレイミド共重合体の組成が本発明の
範囲外であり、かつ特定のグラフト共重合体を併用して
いないため、塗装密着性が極めて劣る。
【0045】比較例2および比較例3の組成物は、マレ
イミド共重合体の組成が本発明の範囲外であり、塗装密
着性に劣る。
【0046】比較例4および比較例5の組成物は、特定
のグラフト共重合体を併用していないため衝撃強度と塗
装密着性の両方を満足させることができていない。
【0047】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、特定の
マレイミド系共重合体の配合、特定のグラフト率を有す
るグラフト共重合体の併用により、塗装密着性が大幅に
改善されている。しかも、耐熱性、耐衝撃性、成形性に
優れており、塗装の必要な家庭電気製品や自動車部品、
特に食品容器に適しており、工業的価値が極めて大きい
ものである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 55/02 LME

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)成分;ゴム状重合体5〜20重量%
    と、芳香族ビニル単量体残基40〜70重量%、不飽和
    ジカルボン酸イミド誘導体残基30〜60重量%、その
    他共重合可能なビニル単量体残基0〜30重量%からな
    る共重合体80〜95重量%とを含有してなるマレイミ
    ド系共重合体10〜25重量%と、 (B)成分;ゴム状重合体35〜65重量%に、芳香族
    ビニル単量体50〜80重量%、シアン化ビニル単量体
    20〜40重量%、その他共重合可能なビニル単量体0
    〜30重量%からなる単量体混合物35〜65重量%を
    グラフト共重合せしめた共重合体で、そのグラフト率が
    15%以上30%未満であることを特徴とするグラフト
    共重合体5〜20重量%と、 (C)成分;ゴム状重合体35〜65重量%に、芳香族
    ビニル単量体50〜80重量%、シアン化ビニル単量体
    20〜40重量%、その他共重合可能なビニル単量体0
    〜30重量%からなる単量体混合物35〜65重量%を
    グラフト共重合せしめた共重合体で、そのグラフト率が
    30〜100%であることを特徴とするグラフト共重合
    体15〜25重量%と、 (D)成分;芳香族ビニル単量体残基60〜80重量
    %、シアン化ビニル単量体残基20〜40重量%、その
    他共重合可能なビニル単量体残基0〜20重量%からな
    る共重合体40〜60重量%と、からなり、組成物中の
    ゴム状重合体成分含有量が15〜20重量%であること
    を特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
JP30440393A 1993-12-03 1993-12-03 熱可塑性樹脂組成物 Pending JPH07157624A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP4227362A4 (en) * 2020-10-07 2024-04-10 Denka Company Limited HEAT-RESISTANT RESIN COMPOSITION

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