JP3311137B2 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた耐熱性、耐衝撃
性を有し、かつ耐薬品性の改善された熱可塑性樹脂組成
物に関するものであり、本発明の組成物は、自動車内装
部品、家電部品、各種熱器具部品等に好適に用いること
が出来る。
【0002】
【従来の技術】従来より、スチレン−マレイミド系共重
合体とABS樹脂のブレンド組成物(マレイミド系AB
S樹脂組成物)は、熱安定性に優れ、かつ良好な耐熱性
を有していることが知られている(USP365117
1号明細書、USP3652726号明細書、特開昭5
7−98536号公報、特開昭57−125242号公
報、特開昭58−101141号公報、特開昭58−1
29043号公報)。
【0003】また、一般にマレイミド系ABS樹脂組成
物は、熱安定性、耐熱性及び成形性においてα−メチル
スチレン−アクリロニトリル共重合体とABS樹脂のブ
レンド組成物(α−メチルスチレン系ABS樹脂組成
物)に比べて優れているが、耐衝撃性に劣っていた。し
かし耐衝撃性が改善されたマレイミド系ABS樹脂組成
物についても知られるようになった(特開昭59−23
2138号公報、特開昭61−73755号公報、特開
昭61−101547号公報)。
【0004】また、マレイミド系ABS樹脂組成物は、
従来のABS樹脂や変性PPO樹脂に比べて耐ガソリン
性に優れていることも知られている(特開昭60−21
2449号公報)。しかし、従来提案されているマレイ
ミド系ABS樹脂組成物は、その用いらた成形品によっ
て耐薬品性が十分でなく、その成形品が薬品と接触した
場合、しばしば割れが発生してしまうという問題点があ
った。
【0005】そこで、マレイミド系ABS樹脂組成物
に、部分結晶性樹脂であるポリアミド樹脂やポリエステ
ル樹脂をブレンドし、耐薬品性が改善された組成物も知
られている(特開昭62−22844号公報、特開昭6
3−17949号公報)。しかしながらこれらの組成物
は、部分結晶性樹脂を含んでいるために、マレイミド系
ABS樹脂組成物の優れた特徴のひとつである寸法安定
性やそりの無い成形品が得られるという性能が失われて
しまうという問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に述べ
たようなマレイミド系ABS樹脂組成物の保有する優れ
た性能を失わず、かつ問題点を解決することを目的とす
るものである。すなわちマレイミド系ABS樹脂組成物
の優れた耐熱性、熱安定性、成形性、寸法安定性、低ソ
リ及び耐衝撃性を保持したまま、耐薬品性を向上させよ
うとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、特定のマレイ
ミド系共重合体を用いることによって、ABSグラフト
共重合体及びAS樹脂との相溶性を損なわず、耐熱性、
耐衝撃性に優れ、かつ耐薬品性の改善されたマレイミド
系ABS樹脂組成物を提供するものである。すなわち本
発明は、(A)成分;スチレン単位35〜65重量%、
パラメトキシフェニルマレイミド単位35〜65重量%
及びその他共重合可能なビニル単量体単位0〜10重量
%からなる共重合体10〜70重量%と、(B)成分;
ゴム状重合体35〜65重量%にスチレン単量体60〜
80重量%、アクリロニトリル単量体20〜40重量%
及びその他共重合可能なビニル単量体0〜10重量%か
らなる単量体混合物35〜65重量%を共重合せしめた
グラフト共重合体20〜60重量%と、(C)成分;ス
チレン単位60〜80重量%、アクリロニトリル単位2
0〜40重量%及びその他共重合可能なビニル単量体単
位0〜10重量%からなる共重合体0〜70重量%と、
からなる熱可塑性樹脂組成物である。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。まず、本
発明の(A)成分の共重合体及びその製法を説明する。
第1の製法として、スチレン単量体、無水マレイン酸単
量体及びその他共重合可能なビニル単量体混合物を共重
合させた後、パラメトキシアニリンを反応させて無水マ
レイン酸基をパラメトキシフェニルマレイミド基に変換
させて得る方法、第2の製法として、スチレン単量体、
パラメトキシフェニルマレイミド単量体及びその他共重
合可能なビニル単量体混合物を共重合させて得る方法が
挙げられ、いずれの方法によってもマレイミド系共重合
体を得ることが出来る。
【0009】その他共重合可能なビニル単量体として
は、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン
化ビニル単量体、メチルアクリル酸エステル、エチルア
クリル酸エステル等のアクリル酸エステル単量体、メチ
ルメタクリル酸エステル、エチルメタクリル酸エステル
等のメタクリル酸エステル単量体、アクリル酸、メタク
リル酸等のビニルカルボン酸単量体、N−フェニルマレ
イミド、N−メチルマレイミド等の不飽和ジカルボン酸
イミド誘導体化合物及びアクリル酸アミド、メタクリル
酸アミド等が挙げられる。また、第2の製法では、上記
記載の単量体にさらに無水マレイン酸が挙げられる。第
1の製法では、パラメトキシフェニルマレイミド基へ変
換されずに残った無水マレイン酸基として、共重合体中
に導入することが出来る。もちろんこれらの単量体は1
種又は2種以上を使用できる。
【0010】また、この共重合体は、ゴム状重合体の存
在下及び非存在下で共重合させることもできる。ゴム状
重合体としては、ブタジェン重合体、ブタジェン−スチ
レン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレ
ン−プロピレン−ジェン共重合体、アクリル酸エステル
重合体等が挙げられる。
【0011】第1の製法の場合は、塊状−懸濁重合、溶
液重合、塊状重合を、第2の製法の場合は、懸濁重合、
乳化重合、溶液重合、塊状重合等公知の重合法を用いる
ことが出来る。
【0012】(A)成分の共重合体は、スチレン単位3
5〜65重量%、パラメトキシフェニルマレイミド単位
35〜65重量%及びその他共重合可能なビニル単量体
単位0〜10重量%からなる。さらに好ましくは、スチ
レン単位40〜60重量%、パラメトキシフェニルマレ
イミド単位40〜60重量%及びその他共重合可能なビ
ニル単量体単位0〜10重量%からなる共重合体であ
る。
【0013】スチレン単位の量が35重量%未満である
と成形性に劣り、65重量%を越えると耐熱性が損なわ
れる。パラメトキシフェニルマレイミド単位の量が35
重量%未満であると耐熱性や耐薬品性に劣り、65重量
%を越えると成形性や衝撃強度が損なわれる。また、こ
れらの範囲を逸脱した場合、(B)成分及び(C)成分
との相溶性に乏しくなり衝撃強度の極端な低下や、剥離
現象を生じ、耐薬品性も低下する。
【0014】その他共重合可能なビニル単量体単位は、
(B)成分及び(C)成分との相溶性を損なわない範囲
で10重量%以下の量を共重合することが出来る。
【0015】次に、本発明の(B)成分のグラフト共重
合体及びその製法について説明する。(B)成分に用い
られるゴム状重合体としては、ブタジェン重合体、ブタ
ジェン−スチレン共重合体、エチレン−プロピレン共重
合体、エチレン−プロピレン−ジェン共重合体、アクリ
ル酸エステル重合体等が挙げられる。
【0016】その他共重合可能なビニル単量体として
は、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル単量体、メ
チルアクリル酸エステル、エチルアクリル酸エステル等
のアクリル酸エステル単量体、メチルメタクリル酸エス
テル、エチルメタクリル酸エステル等のメタクリル酸エ
ステル単量体、アクリル酸、メタクリル酸等のビニルカ
ルボン酸単量体、N−フェニルマレイミド、N−メチル
マレイミド等の不飽和ジカルボン酸イミド誘導体化合物
及びアクリル酸アミド、メタクリル酸アミド、無水マレ
イン酸等が挙げられる。
【0017】重合は公知のいずれの重合技術も採用可能
であって、例えば懸濁重合、乳化重合のごとき水性不均
一重合、塊状重合、溶液重合及び生成重合体の貧溶媒中
での沈殿重合等がある。ゴム粒径を制御し易いという点
から乳化重合が好ましい。
【0018】(B)成分のグラフト共重合体の製法は、
ゴム状重合体35〜65重量%存在下で、スチレン単量
体60〜80重量%、アクリロニトリル単量体20〜4
0重量%及びその他共重合可能なビニル単量体0〜10
重量%からなる単量体混合物35〜65重量%をグラフ
ト共重合して得られる。さらに好ましくは、ゴム状重合
体40〜60重量%存在下で、スチレン単量体65〜7
8重量%、アクリロニトリル単量体22〜35重量%及
びその他共重合可能なビニル単量体0〜10重量%から
なる単量体混合物をグラフト共重合体である。
【0019】(B)成分の組成は、上記範囲を逸脱する
と、(A)成分との相溶性に乏しくなり、衝撃強度の低
下や耐薬品性の低下が起こる。
【0020】次に、本発明の(C)成分の共重合体及び
その製法について説明する。(C)成分のその他共重合
可能なビニル単量体としては、(B)成分のグラフト共
重合体を得るのに使用したのと同じ単量体を用いること
が出来る。重合方法は懸濁重合、乳化重合、溶液重合、
塊状重合等公知の重合法を用いることができる。
【0021】(C)成分の共重合体は、スチレン単位6
0〜80重量%、アクリロニトリル単位20〜40重量
%、その他共重合可能なビニル単量体単位0〜10重量
%からなる。さらに好ましくは、スチレン単位65〜7
8重量%、アクリロニトリル単位22〜35重量%、そ
の他共重合可能なビニル単量体単位0〜10重量%から
なる共重合体である。この範囲を逸脱すると、(A)成
分との相溶性に乏しくなり、衝撃強度の低下や耐薬品性
の低下が起こる。
【0022】次に、本発明の熱可塑性樹脂組成物におい
て、各成分を混合する割合は(A)成分が10〜70重
量%、(B)成分が20〜60重量%及び(C)成分が
0〜70重量%である。好ましくは(A)成分が20〜
50重量%、(B)成分が30〜50重量%、(C)成
分が0〜50重量%である。混合比率は、必要な耐熱
性、衝撃強度、成形性及び耐薬品性に合わせて選択され
るが、(A)成分の量が10重量%より少ないと、耐熱
性が十分でなく、耐薬品性の向上も見られない。また、
70重量%より多いと、衝撃強度が著しく低下する。
【0023】本発明の熱可塑性樹脂組成物は前記した
(A)成分、(B)成分及び(C)成分を混合したもの
であるが、その混合方法には特に制限はなく、公知の手
段を用いることが出来る。その手段としては、押出機に
て混練する前の予備混合には、ヘンシェルミキサーやタ
ンブラーミキサー等公知の装置を用いることが出来、さ
らに、バンバリーミキサー、混合ロール、ニーダー、単
軸・多軸押出機等を用いて溶融混合する方法が挙げられ
る。また、樹脂組成物中の揮発分を減らす目的で、脱揮
装置付きの単軸、二軸押出機を好適に用いることが出来
る。
【0024】本発明の熱可塑性樹脂組成物に、さらに酸
化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、可塑剤、滑剤、着色
剤、ガラス繊維、カーボン繊維、炭酸カルシウム、タル
ク、マイカ等の充填材等を、目的に合わせて添加するこ
とが出来る。
【0025】本発明の熱可塑性樹脂組成物は押出成形、
射出成形、圧縮成形等の成形法により成形することが出
来、得られた成形品は、耐熱性、耐衝撃性及び耐薬品性
に優れているため、家庭電気製品、自動車部品、食品容
器等に有用である。
【0026】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるも
のではない。実施例中の部、%はいずれも重量基準で表
した。
【0027】実験例1 (A)成分:マレイミド系共重合体の製造−1 攪拌機を備えた反応缶中にスチレン100部、α−メチ
ルスチレンダイマー0.1部を仕込み、反応缶内を窒素
置換し、温度を83℃に昇温した後、無水マレイン酸6
7部とベンゾイルパーオキサイド0.2部をメチルエチ
ルケトン400部に溶解した溶液を8時間で添加した。
添加後さらに3時間83℃に保ち、重合を完了した。続
いて、パラメトキシアニリン84部をメチルエチルケト
ン150部に溶解した溶液235部及びトリエチルアミ
ン2部を加えて140℃まで昇温し、7時間反応させ
た。反応液を脱揮装置付き押出機にて脱揮処理し、マレ
イミド共重合体A−1を得た。
【0028】実験例2 (A)成分:マレイミド系共重合体の製造−2 攪拌機を備えた反応缶中にスチレン50部、アクリロニ
トリル5部、α−メチルスチレンダイマー0.1部を仕
込み、反応缶内を窒素置換し、温度を83℃に昇温した
後、パラメトキシマレイミド40部、N−フェニルマレ
イミド5部とベンゾイルパーオキサイド0.2部をメチ
ルエチルケトン400部に溶解した溶液を8時間で添加
した。添加後さらに3時間83℃に保ち、重合を完了し
た。続いて、反応液を脱揮装置付き押出機にて脱揮処理
し、マレイミド共重合体A−2を得た。
【0029】実験例3 (A)成分:マレイミド系共重合体の製造−3 攪拌機を備えた反応缶中にスチレン50部、アクリロニ
トリル5部、α−メチルスチレンダイマー0.1部を仕
込み、反応缶内を窒素置換し、温度を83℃に昇温した
後、パラメトキシマレイミド10部、N−フェニルマレ
イミド35部とベンゾイルパーオキサイド0.2部をメ
チルエチルケトン400部に溶解した溶液を8時間で添
加した。添加後さらに3時間83℃に保ち、重合を完了
した。続いて、反応液を脱揮装置付き押出機にて脱揮処
理し、マレイミド共重合体A−3を得た。
【0030】実験例4 (A)成分:マレイミド系共重合体の製造−4 攪拌機を備えた反応缶中にスチレン80部を仕込み、反
応缶内を窒素置換し、温度を83℃に昇温した後、パラ
メトキシマレイミド20部とベンゾイルパーオキサイド
0.3部をメチルエチルケトン400部に溶解した溶液
を8時間で添加した。添加後さらに3時間83℃に保
ち、重合を完了した。続いて、反応液を脱揮装置付き押
出機にて脱揮処理し、マレイミド共重合体A−4を得
た。表−1にA−1〜A−4のC−13NMR分析法に
よる組成分析、標準ポリスチレンを検量線としたゲルパ
−ミエーションクロマトグラフイ−(GPC)による重
量平均分子量及びDSC測定によるガラス転移温度を示
した。
【0031】実験例5 (B)成分:グラフト共重合体の製造 攪拌機を備えた反応缶中にポリブタジェンラテックス8
0部(固形分50%、平均粒径0.35μm)、ステア
リン酸ソーダ1部、ソジウムホルムアルデヒドスルホキ
シレート0.1部、テトラソジウムエチレンジアミンテ
トラアセチックアシッド0.03部、硫酸第一鉄0.0
03部及び純水200部を仕込み、65℃に加熱し、こ
れにアクリロニトリル25%及びスチレン75%よりな
る単量体混合物40部、t−ドデシルメルカプタン0.
3部、ターシャリーパーオキシアセテート0.2部を4
時間で添加し、さらに添加終了後65℃で2時間重合し
た。得られた反応液に酸化防止剤を添加した後、塩化カ
ルシウムで凝固し、水洗、乾燥後、白色粉末状のグラフ
ト共重合体B−1を得た。表−2にB−1のグラフト
率、組成分析及び未グラフト成分の重量平均分子量を示
した。
【0032】なお、B−1のグラフト率と未グラフトコ
ポリマーの分子量を測定する為に、一定量のB−1をメ
チルエチルケトン(MEK)溶液に膨潤させて、遠心分
離した上澄み溶液を未グラフトコポリマーのスチレン−
アクリロニトリル共重合体とし、GPCによる重量平均
分子量及びケルダール窒素定量分析により組成分析を行
った。また、遠心分離で沈降したMEK不溶分を用いて
ハロゲン付加法によりゴム成分重量を求め、下記の式よ
りグラフト率を求めた。グラフト率=〔(MEK不溶分
重量−ゴム分重量)/ゴム分重量)〕×100(%)
【0033】実験例6 (C)成分:共重合体の製造−1 攪拌機を備えた反応缶中に、純水100部と第三リン酸
カルシウム2部を仕込み、続いてスチレン75部、アク
リロニトリル25部、ベンゾイルパーオキサイド0.2
部を仕込み、反応缶内を窒素置換した後、80℃に昇温
し、8時間重合を行った。得られた反応液を塩酸にて中
和し、脱水、乾燥し共重合体C−1を得た。
【0034】実験例7 (C)成分:共重合体の製造−2 実験例6の製造においてスチレン80部、アクリロニト
リル20部とした以外は実験例6と同様の操作を行い、
共重合体C−2を得た。表−3にC−1及びC−2のケ
ルダール法窒素分析による組成分析及びGPCによる重
量平均分子量値を示した。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】実験例1から実験例7で得られた共重合体
を、表−4、表ー5及び表ー6に示す割合でタンブラー
ミキサーにて10分間混合した後、35mm径のベント
付き二軸押出機にて温度270℃にて溶融混練し、ペレ
ットを作成した。このペレットを温度260℃にて射出
成形して試験片を作成し、それぞれ下記の評価方法に従
って物性を評価した。耐薬品性試験用の試験片は成形歪
みの影響を排除するため、温度270℃にてペレットを
プレス成形して作成した。評価結果を表−4、表−5及
び表−6に示す。
【0039】
【表4】
【0040】
【表5】
【0041】
【表6】
【0042】評価方法は次の通り。 (1)耐熱性;ビカット軟化点(VSP)をJIS K
6874に準拠し、5kg荷重で測定した。 (2)耐衝撃性;アイゾット衝撃強度(IZOD)をA
STM D256に準拠し、厚み1/8インチのノッチ
付き試験片を温度23℃で測定した。 (3)耐薬品性;330×20×2mmの試験片を長半
径248mm・短半径148mmのベルゲン式1/4楕
円法により、薬品としてサラダ油及び灯油を用い、温度
23℃で24時間後の臨界歪量を測定した。 なお、臨界歪量は一般的に0.6%以上であれば、本発
明の樹脂組成物成形品の耐薬品性が良好と判断できる。 (4) そりの有無;200×200×2mmの角板を
射出成形した後、一昼夜平坦な試験台に置き、角板のそ
りの状態を観察した。
【0043】表−4に示す結果から明らかなように、実
施例1〜3の組成物は薬品に対する臨界歪量が大きく、
耐薬品性に優れており、しかも優れた耐熱性、耐衝撃性
を有している。
【0044】これに対して、表−5及び表−6に示すよ
うに、比較例1の組成物は、(A)成分のマレイミド共
重合体の組成が本発明の範囲外(パラメトキシフェニル
マレイミド単位が規定よりも少なく、その他共重合可能
なビニル単量体単位が多い)であり、耐薬品性が劣る。
【0045】比較例2の組成物は、(A)成分のマレイ
ミド共重合体の組成が本発明の範囲外(スチレン単位が
規定より多く、パラメトキシフェニルマレイミド単位が
規定よりも少ない)であり、耐熱性、衝撃強度及び耐薬
品性が劣る。
【0046】比較例3の組成物は、(C)成分のスチレ
ン−アクリロニトリル共重合体の組成が本発明の範囲外
(規定よりもスチレン単位が多く、アクリロニトリル単
位が少ない)であり、衝撃強度、耐薬品性に劣る。
【0047】比較例4の組成物は、(A)成分のマレイ
ミド共重合体の配合量が本発明の範囲より多く、衝撃強
度に劣る。
【0048】比較例5の組成物は、(A)成分のマレイ
ミド共重合体の配合量が本発明の範囲より少なく、耐熱
性及び耐薬品性に劣る。
【0049】比較例6の組成物は、ポリアミド6を含む
組成物であり、成形品にそりが発生する。
【0050】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、特定の
マレイミド共重合体とこれに相溶する特定な組成のグラ
フト共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体を
併用することにより、耐薬品性が改善されている。しか
も、耐熱性、耐衝撃性に優れており、これらの性能が要
求される自動車内装部品、家電部品、各種熱器具部品等
に適しており、工業的価値が極めて大きいものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−26645(JP,A) 特開 昭61−148267(JP,A) 特開 昭62−236844(JP,A) 特開 昭62−280250(JP,A) 特開 昭64−62313(JP,A) 特開 平4−318007(JP,A) 特開 平5−112692(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 35/06 C08L 25/04 - 25/12 C08L 51/04 C08L 55/02 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)成分;スチレン単位35〜65重
    量%、パラメトキシフェニルマレイミド単位35〜65
    重量%及びその他共重合可能なビニル単量体単位0〜1
    0重量%からなる共重合体10〜70重量%と、(B)
    成分;ゴム状重合体35〜65重量%にスチレン単量体
    60〜80重量%、アクリロニトリル単量体20〜40
    重量%及びその他共重合可能なビニル単量体0〜10重
    量%からなる単量体混合物35〜65重量%を共重合せ
    しめたグラフト共重合体20〜60重量%と、(C)成
    分;スチレン単位60〜80重量%、アクリロニトリル
    単位20〜40重量%及びその他共重合可能なビニル単
    量体単位0〜10重量%からなる共重合体0〜70重量
    %と、からなる熱可塑性樹脂組成物。
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