JPH07156684A - 車両駆動出力制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 車両の定速走行中に運転者がアクセルペダル
を操作した瞬間に意志に反して車両が一旦減速するのを
回避する。 【構成】 定速走行要求手段と、アクセル非操作検出手
段と、検出するブレーキ非操作検出手段と、車速検出手
段とを有する。定速走行の要求が有り、アクセルペダル
及びブレーキが非操作の時に定速走行条件成立と判断
し、それ以外の時には定速走行条件非成立と判断する定
速走行条件判断手段と、条件非成立の時又は非成立から
成立に切り替わった瞬間に、現車速を目標車速に更新す
る目標車速更新手段と、目標車速に現車速を一致させる
出力制御量設定手段と、条件成立時には、出力制御量を
選択し、条件非成立時には、出力制御量設定手段で求め
られた出力制御量と運転者によるアクセルペダルの操作
量に基づく制御量との和を選択する制御対象切り替え手
段と、選択した制御量に基づき車両の駆動源を制御する
駆動源出力制御手段とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、車両を定速走行させ得
る定速走行機能をもつ車両駆動出力制御装置に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】近年、アクセルペダルを踏まなくても車
両を定速走行させる定速走行装置が知られている。この
装置は、所望の車両速度が電気信号として記憶され、こ
の所望値と車速検出センサにより検出された実際の車速
とが比較され、その結果に基づいてスロットル弁の開度
制御を行うものである。この装置は、アクセルペダルを
踏まなくても長時間定速走行するので、高速道路での走
行時には極めて有効である。しかしながら、このもので
は、定速車速の設定、加速、減速等は運転席のスイッチ
を運転者が操作することによって行われ、特にブレーキ
により定速走行がキャンセルされるため、混雑した道路
走行時においては定速走行に再セットが頻繁に必要にな
り、運転者の操作量が多くなる。

【０００３】そこで、上記操作量を軽減するための技術
としては、特開昭６０−２０６９５０号公報に示される
ものが知られている。これは、運転者によるアクセル踏
み込み量と車両の目標加速度との相関関係を予めメモリ
に記憶し、運転者が踏み込んだアクセル踏み込み量を走
行加速度の目標値に変換し、サンプリング時間における
車速の変化量から実際の加速度を演算し、実際の加速度
と目標加速度との間に差があるときには差を解消するよ
うにスロットル開閉速度を演算し、これに基づき目標ス
ロットル開度を演算してサーボ駆動手段に出力するもの
が開示されている。このものでは、アクセルペダル又は
ブレーキペダルの踏み込み量がゼロのときには、必然的
に定速走行を行うので、煩雑なスイッチ操作を不要にし
ている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このも
のでは、アクセルペダルの踏み込み量を車両の目標加速
度に変換する為、定速走行機能をもたない一般の車両即
ちアクセルペダルの踏み込み量に基づいてスロットル開
度が決定されるものと比較すると、アクセルペダルの踏
み込み量に対するスロットル弁の動き即ち運転者の足感
覚であるアクセルフィールが異なる。そのため、運転者
が前記定速走行機能をもたない一般の車両から前記アク
セルペダルの踏み込み量を車両の目標加速度に変換する
ものに乗り替えた場合又はその逆の場合には、アクセル
フィールの相違により運転者がとまどいを感じ易く、安
全性の面で不利である。

【０００５】又、ブレーキストロークが所定のストロー
クを超えた場合にのみ機械的なブレーキ制動力が車輪に
加えているので、運転者がブレーキペダルを踏み込んで
も、そのストロークが前記所定ストロークよりも小さけ
れば制動力が加わらない。そのため、ブレーキペダルを
軽く踏めばブレーキ制動力が車輪に加わる一般の車両と
比較して危険であるばかりか、ブレーキペダルの踏み込
み量に対するブレーキ制動力即ち運転者のブレーキフィ
ールが一般の車両とは異なる。従って、ブレーキペダル
を軽く踏めばブレーキ制動力が車輪に加わる一般の車両
から乗り替えた場合又はその逆の場合には、ブレーキフ
ィールの相違により運転者がとまどいを感じ易く、安全
性の面で充分ではない。

【０００６】故に、本発明は、運転者がアクセルペダル
の踏み込み量に基づいてスロットル開度が決定される従
来からの車両から乗り換えた場合又はその逆の場合にお
いて、アクセルフィールにおける運転者のとまどい，違
和感を軽減する共に、運転者がブレーキペダルを軽く踏
めばブレーキ制動力が車輪に加わる一般の車両から乗り
換えた場合又はその逆の場合において、ブレーキフィー
ルにおける運転者のとまどい，違和感を軽減すること
を、その技術的課題とするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記技術的課題を解決す
るために請求項１の発明において講じた技術的手段（以
下第１の技術的手段と称する）は、車両の定速走行を要
求する定速走行要求手段と、運転者がアクセルペダルを
操作していないことを検出するアクセル非操作検出手段
と、運転者がブレーキペダルを操作していないことを検
出するブレーキ非操作検出手段と、走行中の車両の現車
速を検出する車速検出手段と、定速走行の要求有り、ア
クセルペダル非操作、ブレーキ非操作のときに定速走行
条件成立と判断し、それ以外のときには定速走行条件非
成立と判断する定速走行条件判断手段と、条件非成立の
とき又は非成立から成立に切り替わった瞬間に、車速検
出手段に基づいて検出された現車速に目標車速を更新す
る目標車速更新手段と、目標車速更新手段により更新さ
れた目標車速に現車速を一致させるように出力制御量を
求める出力制御量設定手段と、条件成立時には、出力制
御量設定手段で求められた出力制御量を選択し、条件非
成立時には、出力制御量設定手段で求められた出力制御
量と運転者によるアクセルペダルの操作量に基づく制御
量との和を選択する制御対象切り替え手段と、制御対象
切り替え手段により選択された制御量に基づき車両の駆
動源を制御する駆動源出力制御手段とを備えたことであ
る。

【０００８】尚、クレーム対応図を図５に示す。

【０００９】定速走行要求手段は、運転者又は車載のコ
ントローラが車両の定速走行を要求するときに操作され
るものであり、押すたび毎に作動・非作動を繰り返す方
式でも、作動用と非作動用とを個別に備える方式でも良
い。アクセル非操作検出手段は、アクセルペダルの非操
作に関する物理量を直接又は間接的に検出するものであ
り、従ってポテンショメータ、オンオフスイッチ、踏力
センサ等の様にアクセルペダルの操作を直接検出する方
式でも、あるいはエンジン回転数、車速、吸入吸気量、
スロットル開度等の物理量を検出してアクセルペダルの
操作を間接的に検出する方式でも良い。ブレーキ非操作
検出手段は、ブレーキペダルの非操作に関する物理量を
直接又は間接的に検出するものであり、従ってポテンシ
ョメータ、オンオフスイッチ、踏力センサ等の様にブレ
ーキペダルの操作を直接検出する方式でも、あるいはブ
レーキランプの点灯を確認するセンサ、ブレーキ圧を検
出するセンサ、車速センサ等でブレーキペダルの操作を
間接的に検出する方式でも良い。車速検出手段は、車輪
の回転数を検出するセンサ、クランクシャフトの回転数
を検出するセンサ等である。

【００１０】制御対象切り替え手段は、条件成立時には
出力制御量設定手段で求められた出力制御量を選択し、
条件非成立時には出力制御量設定手段で求められた出力
制御量と運転者によるアクセルペダルの操作量に基づく
制御量との和を選択するものであり、選択にあたり、メ
カニカルなリンク機構を採用しても電子式であっても良
い。

【００１１】又、車両の駆動源には、ガソリン車やデイ
ーゼル車であればエンジン、電気自動車であれば走行用
モータが用いられ、従って、車両の駆動源を制御すると
は、ガソリンエンジンであればスロットル弁の開度、デ
イーゼルエンジンであれば燃料噴射量、電気自動車であ
ればモータ印加電圧や通電電流値等を制御することを意
味する。

【００１２】上記技術的課題を解決するために請求項２
の発明において講じた技術的手段（以下第２の技術的手
段と称する）は、車両の定速走行を要求する定速走行要
求手段と、アクセルペダルの操作量を検出するアクセル
操作量検出手段と、運転者がブレーキペダルを操作して
いないことを検出するブレーキ非操作検出手段と、走行
中の車両の現車速を検出する車速検出手段と、定速走行
の要求が有るとき且つアクセルペダルの操作量が定速走
行中の目標車速により決定される出力制御量に相当する
量を超えないとき且つブレーキペダルが操作されていな
いときに定速走行条件成立と判断し、それ以外のときに
は定速走行条件非成立と判断する定速走行条件判断手段
と、条件非成立のとき又は非成立から成立に切り替わっ
た瞬間に、車速検出手段に基づいて検出された現車速に
目標車速を更新する目標車速更新手段と、目標車速更新
手段により更新された目標車速に現車速を一致させるよ
うに出力制御量を求める出力制御量設定手段と、条件成
立時には、前記出力制御量設定手段で求められた出力制
御量を選択し、条件非成立時には、運転者によるアクセ
ルペダルの操作量に基づく制御量を選択する制御対象切
り替え手段と、制御対象切り替え手段により選択された
制御量に基づき車両の駆動源を制御する駆動源出力制御
手段とを備えたことである。

【００１３】ここで、定速走行中の目標車速により決定
される出力制御量に相当する値とは、例えば定速走行時
のスロットル開度に相当するアクセル操作量を意味す
る。

【００１４】

【作用】上記第１の技術的手段によれば、目標車速更新
手段により定速走行条件非成立のとき又は条件非成立か
ら成立に切り替わった瞬間に、車速検出手段に基づいて
検出された現車速に目標車速を更新するので、定速走行
要求手段により定速走行が要求されれば、アクセルペダ
ルを踏み込んで車両を加速し、加速したのちの車速で定
速走行可能になる。又、ブレーキペダルを操作して車両
を減速しても、定速走行機能はキャンセルされず、ブレ
ーキペダルの操作量を再びゼロにすれば、定速走行機能
は自動的に復帰し、減速したのちの車速で定速走行可能
になる。従って、混雑した道路であっても運転者の操作
量を低減できる。

【００１５】又、定速走行要求有りのときに運転者がア
クセルペダルを踏み込んだ場合には制御対象切り替え手
段によりアクセルペダルの操作量に基づく制御に切り替
えるようにしたので、定速走行中（定速走行要求有のと
き）に運転者がアクセルペダルを踏み込んだ場合におけ
るアクセルフィールが通常走行時（定速走行要求無りと
き）に運転者がアクセルペダルを踏み込んだ場合におけ
るアクセルフィールに等しくなる。従って、運転者がア
クセルペダルの操作量に基づく従来からの車両から上記
第１の技術的手段を用いた車両に乗り替えた場合又はそ
の逆の場合において、アクセルフィールにおける運転者
のとまどい，違和感を軽減できる。

【００１６】又、定速走行中に運転者がブレーキペダル
を軽く踏むだけでブレーキ制動力により車両が減速でき
るので、一般の車両から乗り換えた場合又はその逆の場
合において、ブレーキフィールにおける運転者のとまど
い，違和感を軽減できる。

【００１７】又、定速走行中には運転者はアクセルペダ
ルを操作していないので、その状態で運転者がアクセル
ペダルを操作すると、定速走行条件非成立のため車両の
出力制御量（例えばスロットル開度）はアクセルペダル
の操作量に応じて変化する。

【００１８】そのため、アクセルペダルが操作された瞬
間では車両の出力制御量は定速走行条件成立時の出力制
御量（例えば定速走行条件成立時のスロットル開度）よ
りも一旦小さくなり、運転者の加速要求に反して車両が
減速することとなり、運転者のアクセルフィールが良く
ない。

【００１９】そこで、上記第１の技術的手段によれば、
制御対象切り替え手段により条件非成立時には出力制御
量設定手段で求められた出力制御量と運転者によるアク
セルペダルの操作量に基づく制御量との和を選択するよ
うにしたので、定速走行中に運転者がアクセルペダルを
操作して定速走行条件非成立になった瞬間でも、車両の
出力制御量（例えばスロットル開度）は、条件成立時の
出力制御量（例えば定速走行条件成立時のスロットル開
度）とアクセルペダル操作量に基づく制御量（例えばア
クセルペダル操作量に基づくスロットル開度）との和に
なり、必ず条件成立時の出力制御量以上になる。その結
果、定速走行中にアクセルペダルが操作された瞬間でも
運転者の加速要求に反して車両が減速することが回避さ
れ、運転者のアクセルフィールが向上する。

【００２０】更に、上記第２の技術的手段によれば、ア
クセルペダルの操作量が定速走行中の目標車速により決
定される出力制御量に相当する量を超えたときには定速
走行条件判断手段により定速走行条件非成立と判断する
ので、定速走行中に運転者がアクセルペダルを操作して
その操作量が前記所定量を超えない範囲では定速走行条
件が成立するため車両の出力制御量は現状（条件成立時
の出力制御量）に維持される。その結果、定速走行中に
アクセルペダルが操作された瞬間でも運転者の加速要求
に反して車両が減速することが回避され、運転者のアク
セルフィールが向上する。尚、アクセルペダルの操作量
が前記所定量を超えると、定速走行条件非成立のため車
両の出力制御量がアクセルペダル操作量に基づく制御量
になり、運転者の加速要求に応じて車両が加速する。

【００２１】

【実施例】以下、本発明の一実施例を添付図面に基づい
て説明する。

【００２２】図１は本実施例に係る車両駆動出力制御装
置のブロック図である。

【００２３】図１に示す車両駆動出力制御装置におい
て、車両の定速走行を要求する定速走行要求手段として
のオンオフ式のメインスイッチ１、アクセルペダル２の
踏み込み量を検出するポテンショメータ式のアクセルセ
ンサ３、運転者がブレーキペダル４を操作していないこ
とを検出するブレーキ非操作検出手段としてのオンオフ
式のブレーキセンサ５、ブレーキペダル４の踏み込みに
より点燈するブレーキランプ６、車両の現車速を検出す
る車速検出手段としての車速センサ７が設けられてい
る。尚、スロットル弁９のスロットル開度はスロットル
センサ３０により検出されている。尚、メインスイッチ
１は運転席に装備されている。

【００２４】コントローラ１０は、アクセルセンサ３の
アナログ信号をデジタル信号に変換するＡ／Ｄ変換器３
１と、入力処理回路１１と、マイコン１２と、モータ駆
動回路１３と、スロットルセンサ３０のアナログ信号を
デジタル信号に変換するＡ／Ｄ変換器３２とを備えてい
る。ブレーキセンサ５、メインスイッチ１、車速センサ
７からの信号は入力処理回路１１を介してマイコン１２
に入力される。

【００２５】ここで、運転者によるアクセルペダル２の
踏み込み量を検出するアクセルセンサ３の信号に基づい
て、コントローラ１０はモータ２１を制御する。モータ
２１の回転力はスロットル弁９に伝達され、スロットル
弁９が開閉作動する。

【００２６】図２はコントローラ１０のマイコン１２が
実行するメインルーチンのフローチャートである。

【００２７】同図においてイグニッションスイッチのオ
ンによりスタートする。まずステップＳ１でイニシャラ
イズを行い、レジスタ等をリセットすると共に定速走行
条件フラグを０にセットする。ステップＳ３で１ルーチ
ンに要する時間を一定にするための内部タイマをスター
トする。ステップＳ５において各モードを選択し、各モ
ードの処理を実行する。ステップＳ７では通常アクセル
処理サブルーチン、ステップＳ９では加速スリップ処理
サブルーチン、ステップＳ１１ではアイドル処理サブル
ーチン、ステップＳ１３では定速走行処理サブルーチ
ン、ステップＳ１７ではトルク処理サブルーチン、ステ
ップＳ１９ではコーナリング処理サブルーチン、ステッ
プＳ２１では異状処理サブルーチン、更にステップＳ２
３ではその他の処理サブルーチンを実行する。そして、
ステップＳ２５で内部タイマの終了を待って、ステップ
Ｓ３に戻る。終了の際にはステップＳ１５に進み、ファ
イナル処理を行う。

【００２８】通常アクセル処理サブルーチンは、運転者
によるアクセルペダル２の踏み込み量に応じた目標スロ
ットル開度を設定する。加速スリップ処理サブルーチン
は、発進時等における駆動輪のスリップを検出し、スリ
ップを低減する様に目標スロットル開度を制御する。ア
イドル処理サブルーチンは、例えばエアコンの作動を変
化させた場合等の様に、内燃機関のアイドリング時にお
ける状況が変化しても、内燃機関のアイドル回転数を一
定に維持するように目標スロットル開度を制御する。ト
ルク処理サブルーチンは、変速時におけるショックを軽
減する様に目標スロットル開度を制御する。コーナリン
グ処理サブルーチンは、ステアリングの操舵角に応じて
目標スロットル開度を制御する。

【００２９】図３は第１実施例に係る定速走行処理サブ
ルーチンである。

【００３０】まずステップＢ３で車速センサ７からの信
号に基づき現車速を演算する。ステップＢ５でメインス
イッチ１がオンかオフかを判定する。メインスイッチ１
がオンであれば、ステップＢ７でアクセルペダル２がオ
フか判定する。アクセルペダル２がオフであれば、ステ
ップＢ９でブレーキペダル４がオフか判定する。ブレー
キペダル４がオフであれば、ステップＢ１１で定速走行
条件フラグを１にセットする。ここで、定速走行条件フ
ラグが１とは、定速走行の条件が成立していることを意
味する。定速走行条件フラグが０とは、定速走行の条件
が非成立であることを意味し、定速走行機能を解除する
ことを意味する。

【００３１】一方、ステップＢ５での判定の結果メイン
スイッチ１がオフ、ステップＢ７での判定の結果アクセ
ルペダル２がオン、ステップＢ９での判定の結果ブレー
キペダル４がオンのときはステップＢ１３に進み、定速
走行の条件が非成立のため定速走行条件フラグを０にセ
ットする。

【００３２】ステップＢ１１及びステップＢ１３からは
ステップＢ１５に進み、定速走行条件フラグが１か０か
を判定する。定速走行条件フラグが１であればステップ
Ｂ１７で目標車速や現車速から定速走行するためのスロ
ットル開度であるクルーズ開度（出力制御量）を演算す
る。その後、更新された目標車速で定速走行すべくステ
ップＢ１９で目標スロットル開度をクルーズ開度に設定
する。ステップＢ２１でこの目標スロットル開度にスロ
ットル弁９がなるようにモータ２１を制御し、メインル
ーチンにリターンする。この場合にはスロットルセンサ
３０で検出したスロットル開度と目標スロットル開度と
に差がある場合には、その差をなくす様にフィードバッ
ク制御され、現スロットル開度と目標スロットル開度と
が一致する様に制御される。

【００３３】ステップＢ１５での判定の結果定速走行条
件フラグが０であれば、ステップＢ２３で目標車速がス
テップＢ３で演算された現車速に更新される。その後、
ステップＢ２５でメインスイッチ１がオンかを判定す
る。メインスイッチ１がオフであればクルーズ開度がゼ
ロに設定され、ステップＢ２９に進む。又、メインスイ
ッチ１がオンであればステップＢ２９に進み、目標スロ
ットル開度をクルーズ開度と運転者によるアクセルペダ
ル２の踏み込み量に応じたスロットル開度との和に設定
した後、ステップＢ２１に進み、メインルーチンにリタ
ーンする。つまり、定速走行条件非成立のときには目標
スロットル開度がクルーズ開度と運転者によるアクセル
ペダル２の踏み込み量に応じたスロットル開度との和に
設定され、その状態でメインスイッチ１がオフであれば
目標スロットル開度が運転者によるアクセルペダル２の
踏み込み量に応じたスロットル開度に設定されることに
なる。

【００３４】以上示したように、一旦メインスイッチ１
をオン操作して定速走行を要求すれば、アクセルパダル
２のオフ、ブレーキペダル４のオフの条件が満足されれ
ば、定速走行条件フラグは１にセットされ、車両は定速
走行する。

【００３５】又、定速走行時に運転者がアクセルペダル
２を踏み込むと、定速走行条件非成立のため、定速走行
機能は実行されず、従って運転者によるアクセルペダル
２の踏み込み量に基づいて加速される。その後、アクセ
ルペダル２をオフにすると定速走行条件が成立して定速
走行が実行され、条件成立時点での車速となるように車
両が定速走行する。

【００３６】更に、定速走行時に運転者がブレーキペダ
ル４を踏み込めば、定速走行条件非成立のため、定速走
行機能は実行されず、従ってブレーキペダル４の踏み込
み量に基づいて車両は減速される。その後、ブレーキペ
ダル４をオフとすれば、定速走行条件が成立して定速走
行が実行され、条件成立時点での車速となるように車両
が定速走行する。

【００３７】このように、第１実施例では、メインスイ
ッチ１により定速走行が要求されれば、アクセルペダル
を踏み込んで車両を加速し、加速したのちの車速で定速
走行可能になる。又、ブレーキペダルを操作して車両を
減速しても、定速走行機能は完全にはキャンセルされ
ず、ブレーキペダルの操作量を再びゼロにすれば、定速
走行機能は自動的に復帰し、減速したのちの車速で定速
走行可能になる。従って、混雑した道路であっても運転
者の操作量を低減できる。

【００３８】又、定速走行要求有りのときに運転者がア
クセルペダル２を踏み込んだ場合にはアクセルペダル２
の操作量に基づく制御に切り替えるようにしたので、定
速走行中（定速走行要求有のとき）に運転者がアクセル
ペダル２を踏み込んだ場合におけるアクセルフィールが
通常走行時（定速走行要求無りとき）に運転者がアクセ
ルペダル２を踏み込んだ場合におけるアクセルフィール
に等しくなる。従って、運転者がアクセルペダル２の操
作量に基づく従来からの車両から上記第１の技術的手段
を用いた車両に乗り替えた場合又はその逆の場合におい
て、アクセルフィールにおける運転者のとまどい，違和
感を軽減できる。

【００３９】又、定速走行中に運転者がブレーキペダル
４を軽く踏むだけでブレーキ制動力により車両が減速で
きるので、一般の車両から乗り換えた場合又はその逆の
場合において、ブレーキフィールにおける運転者のとま
どい，違和感を軽減できる。

【００４０】更に、条件非成立時のスロットル開度が条
件成立時の現車速や目標車速に基づくスロットル開度と
運転者によるアクセルペダル２の操作量に基づくスロッ
トル開度との和に設定されているので、定速走行中に運
転者がアクセルペダル２を操作して条件非成立になった
瞬間でも、スロットル開度は必ず条件成立時のスロット
ル開度以上になる。その結果、定速走行中にアクセルペ
ダル２が操作された瞬間でも運転者の加速要求に反して
車両が減速することを回避でき、運転者のアクセルフィ
ールが向上する。

【００４１】図４は第２実施例に係る定速走行処理サブ
ルーチンのフローチャートである。

【００４２】尚、図４において第１実施例と同一のステ
ップについては同一番号を付した。まずステップＢ３で
車速センサ７からの信号に基づき現車速を演算する。ス
テップＢ５でメインスイッチ１がオンかオフかを判定す
る。メインスイッチ１がオンであれば、ステップＢ６で
アクセルペダル２の踏み込み量に基づくスロットル開度
が定速走行時の目標車速や現車速に基づくスロットル開
度（即ちクルーズ開度）以下であるかを判定する。アク
セルペダル２の踏み込み量に基づくスロットル開度がク
ルーズ開度以下であれば、ステップＢ９でブレーキペダ
ル４がオフか判定する。ブレーキペダル４がオフであれ
ば、ステップＢ１１で定速走行条件フラグを１にセット
する。ここで、定速走行条件フラグが１とは、定速走行
の条件が成立していることを意味する。定速走行条件フ
ラグが０とは、定速走行の条件が非成立であることを意
味し、定速走行機能を解除することを意味する。

【００４３】一方、ステップＢ５での判定の結果メイン
スイッチ１がオフ、ステップＢ６での判定の結果アクセ
ルペダル２の踏み込み量に基づくスロットル開度がクル
ーズ開度よりも大きい場合、ステップＢ９での判定の結
果ブレーキペダル４がオンのときはステップＢ１３に進
み、定速走行の条件が非成立のため定速走行条件フラグ
を０にセットする。

【００４４】ステップＢ１１及びステップＢ１３からは
ステップＢ１５に進み、定速走行条件フラグが１か０か
を判定する。定速走行条件フラグが０であればステップ
Ｂ２３に進み、目標車速が現車速に更新される。

【００４５】一方、ステップＢ１５で判定の結果、定速
走行条件フラグが１であればステップＢ１７で新たなク
ルーズ開度（出力制御量）を演算する。その後、ステッ
プＢ１８で定速走行条件フラグを判定する。そして定速
走行条件フラグが１であれば、更新された目標車速で定
速走行すべくステップＢ１９で目標スロットル開度をク
ルーズ開度に設定する。ステップＢ２１でこの目標スロ
ットル開度にスロットル弁９がなるようにモータ２１を
制御し、メインルーチンにリターンする。この場合には
スロットルセンサ３０で検出したスロットル開度と目標
スロットル開度とに差がある場合には、その差をなくす
様にフィードバック制御され、現スロットル開度と目標
スロットル開度とが一致する様に制御される。

【００４６】ステップＢ１８での判定の結果、定速走行
条件フラグが０であれば、ステップＢ３１に進み、運転
者によるアクセルペダル２の踏み込み量に基づいて検出
したアクセルセンサ３の信号に応じて、目標スロットル
開度を設定し、ステップＢ２１に進み、メインルーチン
にリターンする。

【００４７】以上示したように、第２実施例において
も、メインスイッチ１により定速走行が要求されれば、
アクセルペダル２を踏み込んで車両を加速し、加速した
のちの車速で定速走行可能になる。又、ブレーキペダル
４を操作して車両を減速しても、定速走行機能は完全に
はキャンセルされず、ブレーキペダル４の操作量を再び
ゼロにすれば、定速走行機能は自動的に復帰し、減速し
たのちの車速で定速走行可能になる。従って、混雑した
道路であっても運転者の操作量を低減できる。

【００４８】又、定速走行要求有りのときに運転者がア
クセルペダル２を踏み込んだ場合にはアクセルペダル２
の操作量に基づく制御に切り替えるようにしたので、定
速走行中（定速走行要求有のとき）に運転者がアクセル
ペダル２を踏み込んだ場合におけるアクセルフィールが
通常走行時（定速走行要求無りとき）に運転者がアクセ
ルペダル２を踏み込んだ場合におけるアクセルフィール
に等しくなる。従って、運転者がアクセルペダル２の操
作量に基づく従来からの車両から上記第１の技術的手段
を用いた車両に乗り替えた場合又はその逆の場合におい
て、アクセルフィールにおける運転者のとまどい，違和
感を軽減できる。

【００４９】又、定速走行中に運転者がブレーキペダル
４を軽く踏むだけでブレーキ制動力により車両が減速で
きるので、一般の車両から乗り換えた場合又はその逆の
場合において、ブレーキフィールにおける運転者のとま
どい，違和感を軽減できる。

【００５０】更に、アクセルペダル２の踏み込み量に基
づく目標スロットル開度がクルーズ開度を超えるまでア
クセルペダル２が踏み込まれたときに定速走行条件非成
立となるので、定速走行中に運転者がアクセルペダルを
操作してその操作量がクルーズ開度に相当する所定量を
超えない範囲では定速走行条件が成立するためスロット
ル開度は条件成立時のスロットル開度に維持される。そ
の結果、定速走行中にアクセルペダル２が操作された瞬
間でも運転者の加速要求に反して車両が減速することを
回避でき、運転者のアクセルフィールが向上する。尚、
アクセルペダル２の操作量が前記所定量を超えると、定
速走行条件非成立のためスロットル開度がアクセルペダ
ル２操作量に基づく制御量になり、運転者の加速要求に
応じて車両を加速させることができる。

【００５１】尚、上記した実施例では電子制御スロット
ル装置に適用した例について示したが、本発明はこれに
限定される必要は全くなく、従来からの定速走行装置に
適用すること可能である。又、上記した実施例はガソリ
ンエンジンに適用した場合であるが、本発明はこれに限
定される必要は全くなく、ディーゼルエンジンや電気自
動車に適用することもできる。電気自動車に適用して
も、条件が非成立のときには定速走行機能が自動的に解
除され、エンジンブレーキに相当する回生ブレーキがき
く。

【００５２】

【発明の効果】請求項１及び請求項２の発明は、以下の
如く効果を有する。

【００５３】定速走行要求有りのときに運転者がアクセ
ルペダルを踏み込んだ場合には制御対象切り替え手段に
よりアクセルペダルの操作量に基づく制御に切り替える
ようにしたので、定速走行中（定速走行要求有のとき）
に運転者がアクセルペダルを踏み込んだ場合におけるア
クセルフィールが通常走行時（定速走行要求無りとき）
に運転者がアクセルペダルを踏み込んだ場合におけるア
クセルフィールに等しくなる。従って、運転者がアクセ
ルペダルの操作量に基づく従来からの車両から上記第１
の技術的手段を用いた車両に乗り替えた場合又はその逆
の場合において、アクセルフィールにおける運転者のと
まどい，違和感を軽減できる。

【００５４】又、定速走行中に運転者がブレーキペダル
を軽く踏むだけでブレーキ制動力により車両が減速でき
るので、一般の車両から乗り換えた場合又はその逆の場
合において、ブレーキフィールにおける運転者のとまど
い，違和感を軽減できる。

【００５５】更に、請求項１の発明によれば、制御対象
切り替え手段により条件非成立時には出力制御量設定手
段で求められた出力制御量と運転者によるアクセルペダ
ルの操作量に基づく制御量との和を選択するようにした
ので、定速走行中に運転者がアクセルペダルを操作して
定速走行条件非成立になった瞬間でも、車両の出力制御
量（例えばスロットル開度）は、条件成立時の出力制御
量（例えば定速走行条件成立時のスロットル開度）とア
クセルペダル操作量に基づく制御量（例えばアクセルペ
ダル操作量に基づくスロットル開度）との和になり、必
ず条件成立時の出力制御量以上になる。その結果、定速
走行中にアクセルペダルが操作された瞬間でも運転者の
加速要求に反して車両が減速することを回避でき、運転
者のアクセルフィールが向上する。

【００５６】一方、請求項２の発明によれば、アクセル
ペダルの操作量が定速走行中の目標車速により決定され
る出力制御量に相当する量を超えたときに定速走行条件
判断手段により定速走行条件非成立と判断するようにし
たので、定速走行中に運転者がアクセルペダルを操作し
てその操作量が前記所定量を超えない範囲では定速走行
条件が成立するため車両の出力制御量は現状（条件成立
時の出力制御量）に維持される。その結果、定速走行中
にアクセルペダルが操作された瞬間でも運転者の加速要
求に反して車両が減速することを回避でき、運転者のア
クセルフィールが向上する。尚、アクセルペダルの操作
量が前記所定量を超えると、定速走行条件成立のため車
両の出力制御量がアクセルペダル操作量に基づく制御量
になり、運転者の加速要求に反して車両が減速すること
はない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施例に係る車両駆動出力制御装置のブロッ
ク図である。

【図２】コントローラのマイコンが実行する本実施例の
メインルーチンのフローチャートである。

【図３】第１実施例に係るコントローラのマイコンが実
行する定速走行処理サブルーチンのフローチャートであ
る。

【図４】第２実施例に係るコントローラのマイコンが実
行する定速走行処理サブルーチンのフローチャートであ
る。

【図５】クレーム対応図である。

【符号の説明】

１ メインスイッチ（定速走行要求手段） ２ アクセルペダル ３ アクセルセンサ（アクセル非操作検出手段） ５ ブレーキセンサ（ブレーキ非操作検出手段） ７ 車速センサ（車速検出手段） ９ スロットル弁（車両の駆動源）

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉 川 光 生 愛知県刈谷市朝日町２丁目１番地 アイシ ン精機株式会社内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車両の定速走行を要求する定速走行要求
   手段と、 運転者がアクセルペダルを操作していないことを検出す
   るアクセル非操作検出手段と、 運転者がブレーキペダルを操作していないことを検出す
   るブレーキ非操作検出手段と、 走行中の車両の現車速を検出する車速検出手段と、 定速走行の要求有り、アクセルペダル非操作、ブレーキ
   非操作のときに定速走行条件成立と判断し、それ以外の
   ときには定速走行条件非成立と判断する定速走行条件判
   断手段と、 条件非成立のとき又は非成立から成立に切り替わった瞬
   間に、前記車速検出手段に基づいて検出された現車速に
   目標車速を更新する目標車速更新手段と、 前記目標車速更新手段により更新された目標車速に現車
   速を一致させるように出力制御量を求める出力制御量設
   定手段と、 条件成立時には、前記出力制御量設定手段で求められた
   出力制御量を選択し、条件非成立時には、前記出力制御
   量設定手段で求められた出力制御量と運転者によるアク
   セルペダルの操作量に基づく制御量との和を選択する制
   御対象切り替え手段と、 前記制御対象切り替え手段により選択された制御量に基
   づき車両の駆動源を制御する駆動源出力制御手段とを備
   えたことを特徴とする車両駆動出力制御装置。
2. 【請求項２】 車両の定速走行を要求する定速走行要求
   手段と、 アクセルペダルの操作量を検出するアクセル操作量検出
   手段と、 運転者がブレーキペダルを操作していないことを検出す
   るブレーキ非操作検出手段と、 走行中の車両の現車速を検出する車速検出手段と、 定速走行の要求が有るとき且つアクセルペダルの操作量
   が定速走行中の目標車速により決定される出力制御量に
   相当する量を超えないとき且つブレーキペダルが操作さ
   れていないときに定速走行条件成立と判断し、それ以外
   のときには定速走行条件非成立と判断する定速走行条件
   判断手段と、 条件非成立のとき又は非成立から成立に切り替わった瞬
   間に、前記車速検出手段に基づいて検出された現車速に
   目標車速を更新する目標車速更新手段と、 前記目標車速更新手段により更新された目標車速に現車
   速を一致させるように出力制御量を求める出力制御量設
   定手段と、 条件成立時には、前記出力制御量設定手段で求められた
   出力制御量を選択し、条件非成立時には、運転者による
   アクセルペダルの操作量に基づく制御量を選択する制御
   対象切り替え手段と、 前記制御対象切り替え手段により選択された制御量に基
   づき車両の駆動源を制御する駆動源出力制御手段とを備
   えたことを特徴とする車両駆動出力制御装置。