JPH07156573A - 印刷用オフセットブランケットおよびその製造方法 - Google Patents

印刷用オフセットブランケットおよびその製造方法

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JPH07156573A
JPH07156573A JP30677193A JP30677193A JPH07156573A JP H07156573 A JPH07156573 A JP H07156573A JP 30677193 A JP30677193 A JP 30677193A JP 30677193 A JP30677193 A JP 30677193A JP H07156573 A JPH07156573 A JP H07156573A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 支持体層上に、シリコーンゴムからなる表面
印刷層を積層した印刷用オフセットブランケットであっ
て、前記表面印刷層が、この表面印刷層を10kg/cm2
1分間圧着後のガラス表面における純水での接触角が0
〜30°の範囲にある。この表面印刷層は溶剤(水を除
く)で超音波洗浄することにより作製することができ
る。 【効果】 被印刷体表面でインキがはじかれるのが防止
され、また印刷後においても、印刷したパターン表面に
表面印刷層が接触することにより、パターン表面をコー
ティングする保護膜にピンホールができるのが防止され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、平版オフセット印刷や
グラビアオフセット印刷に使用される印刷用オフセット
ブランケットおよびその製造方法に関し、より詳細には
液晶カラーフィルター等の精細なパターンの印刷に適し
た印刷用オフセットブランケットおよびその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】非常に繊細なパターンを形成する技術に
は、フォトリソ法を代表として各種あるが、コストの面
で印刷法が一番有力視されている。しかし、印刷法は、
パターン精度や形状が劣り、また印刷精度も安定しない
などの品質上の問題がある。各種印刷法の中でも凹版を
使用した凹版オフセット(グラビヤオフセット)印刷は
凹版のインキをオフセットブランケットに転移させ、次
にブランケット上のインキパターンを100%ワークで
あるガラス基板に完全に転移させる。そのため、インキ
の分裂は凹版からの1回のみであり、通常のオフセット
印刷と比べて半分である。従って、パターン精度、形状
ともに通常のオフセットよりも良好である。
【0003】このとき、本発明者らは、インキパターン
を100%ワークであるガラス基板に転移させるため
に、印刷用オフセットブランケットの表面印刷層に使用
するゴム材料を検討した結果、通常のアクリロニトリル
−ブタジエンゴムよりもシリコーンゴムが適しているこ
とが判明した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、シリコ
ーンゴムは環状のシロキサンをベースに充填剤、架橋剤
等を添加し架橋したものであるので、シリコーンゴム中
には低分子量の環状シロキサンが残存し、表面側にブリ
ードするという問題がある。すなわち、シリコーンゴム
中に含有される重合度3〜20の低分子量シロキサンが
架橋反応後、ゴムの表面からブリードしてくる。このよ
うな低分子量シロキサンは、非常に撥水性、電気絶縁性
に富んでいるため、タッチパネル等のゴム部品として用
いられた場合には接点障害をひき起こす原因となる。
【0005】一方、液晶カラーフィルター等において、
レッド、グリーン、ブルーの3色印刷法にてパターンを
形成させるためには3回印刷を行う必要があるが、シリ
コーンゴムの表面印刷層を使用した場合、シリコーンゴ
ムとガラスとが密着し、ゴム中からシロキサンなどの撥
水性の成分がガラスに転移し、2回目、3回目の印刷に
おいて、インキがガラス上ではじかれてしまい、うまく
印刷されないことがわかった。すなわち、1回目にレッ
ドを印刷し、次にグリーンを印刷する際に、レッドを印
刷した時点で非線画部分(グリーン、ブルーを印刷する
予定の部分)に低分子量シロキサン成分等の撥水性の物
質が転移しているため、2回目、3回目の印刷時におい
て、インキがガラス上ではじかれてしまう。
【0006】また、3色を印刷した後、各色のパターン
上にITO膜(透明電極膜)を蒸着する際、200℃程
度の高温にパターンがさらされるので、パターンを熱か
ら保護するために耐熱性の保護膜(例えば日本合成ゴム
社製のオプトマーSS)をスピーンコーターやロールコ
ーター等にてコーティングする。このとき、印刷したパ
ターンの表面が撥水性になっていると均一な膜をコーテ
ィングすることができず、ピンホールができる原因とな
る。従って、印刷パターンの表面も印刷時にブランケッ
ト表面のゴムと接触するため、ゴム表面の撥水性物質を
極力低減する必要がある。
【0007】通常、低分子量シロキサン成分を除去する
方法としては、二次加硫にて低分子量シロキサン成分を
飛ばしてしまう方法が一般に行われている。また、生ゴ
ムの段階で低分子量成分を強制的に吸引除去したシリコ
ーンゴムが低分子量シロキサン除去品として市販されて
いる。そこで、本発明者らは、シリコーンゴムの二次加
硫を200℃で24時間を最大として種々の条件で行
い、また低分子量シロキサン除去品であるシリコーンゴ
ムも各種入手して印刷試験を行い、ガラス表面の撥水性
を評価した。評価は、インキを用いずに洗浄ガラス(旭
ガラス社製のソーダライムガラス、厚さ1.1mm)の
上にブランケットを接触させ、転がした後、純水にてガ
ラス表面の接触角を測定し判断した。
【0008】その結果、二次加硫の条件を変えると、低
分子量シロキサンの量は減少したが、接触角の値から判
断すると、あまり改善された結果ではなかった。また、
低分子量シロキサン除去品についても、やや接触角は小
さくなったが、まだ充分ではなかった。従って、本発明
の主たる目的は、とくに液晶カラーフィルター等の精細
なパターンの多色印刷に適し、被印刷体表面でインキが
はじかれるのを防止した印刷用オフセットブランケット
およびその製造方法を提供することにある。
【0009】本発明の他の目的は、上記のような多色印
刷において、印刷したパターン表面に表面印刷層が接触
することにより、パターン表面をコーティングする保護
膜にピンホールができるのを防止した印刷用オフセット
ブランケットおよびその製造方法を提供することであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段および作用】本発明者ら
は、シリコーンゴムの二次加硫条件を変えた場合や低分
子量シロキサン除去品であるシリコーンゴムについて行
った前記撥水性試験の結果から、ガラス表面を汚染して
いる撥水性の汚染物質は低分子量シロキサンだけではな
いと考え、ガラス表面の汚染物質の分析を行ったとこ
ろ、低分子量のシロキサン以外にこれよりも分子量のや
や大きいオイル成分がかなり含まれていることが判っ
た。
【0011】そこで、本発明者らは、撥水性の原因にな
る低〜中分子量のシロキサンを効率よく除去する方法を
検討した結果、水以外の溶剤中で表面印刷層を超音波洗
浄してオフセットブランケットを圧着させた後のガラス
表面の純水での接触角を0〜30°の範囲にすることに
より、撥水成分となる低〜中分子量のシロキサンを殆ど
除去することができ、その結果、インキのはじきやパタ
ーン表面をコーティングする保護膜にピンホールができ
るのを防止できることがわかった。上述のような範囲の
接触角を有するシリコーンゴムの表面印刷層はこれまで
になかった新規なものである。
【0012】従って、本発明の印刷用オフセットブラン
ケットは、支持体層上に、シリコーンゴムからなる表面
印刷層を積層したものであって、前記表面印刷層が、こ
の表面印刷層をガラス表面に10kg/cm2で1分間圧着し
た後のガラス板表面上での純水による接触角が0〜30
°の範囲にあることを特徴とする。また、本発明の印刷
用オフセットブランケットの製造方法は、支持体層上
に、シリコーンゴムからなる表面印刷層を積層し架橋し
た後、この表面印刷層を溶剤(水を除く)で超音波洗浄
することを特徴とする。
【0013】前記接触角は、シリコーンゴムの表面印刷
層の表面洗浄性、とくに表面のシロキサン量の目安とし
て使用される。かかる接触角と3色(レッド、グリー
ン、ブルー)重ね印刷やオーバーコート剤がはじく条件
を詳細に試験したところ、ガラス表面の純水での接触角
が30°を超えると、インキやオーバーコート剤がガラ
ス表面ではじかれ、良好な印刷ができなくなる。これに
対して、接触角が30°以下となるシリコーンゴムを用
いれば、はじき等もなく、良好に印刷が行えることが判
った。一方、洗浄したガラス表面は、通常純水での接触
角が殆ど0に近い値をとる。従って、上述のように、接
触角が0〜30°となるシリコーンゴムを使用するのが
望ましい。
【0014】本発明におけるシリコーンゴムとしては、
例えばメチルビニル系シリコーンゴム、トリフロロプロ
ピル基を有するフロロシリコーンゴムおよびフェニル基
を有するフェニルシリコーンゴムからなる群より選ばれ
る1種または2種以上の混合物があげられるが、これら
のみに限定されるものではない。また、シリコーンゴム
は、従来公知の種々の形態で使用可能であり、例えば混
練可能なミラブルシリコーンゴム、室温にて架橋する室
温加硫型シリコーンゴム(RTVゴム)、射出成形可能
なLIM(Liquid Injection Molding) シリコーンゴム
等が使用可能である。なお、シリコーンゴムは、ポリジ
メチルシロキサンで重合度100〜800の低重合度の
液状シリコーンゴムをベースとしたRTVシリコーンゴ
ムや重合度6000〜10000のゲル状のシリコーン
生ゴムをベースとしたミラブルシリコーンゴム等が考え
られるが、いずれも生ゴムにエアロジル等の無水シリカ
系の補強性充填剤、タルク、マイカ等の増量充填剤、分
散促進剤等が配合されたゴムコンパウンドとして供給さ
れている。RTVシリコーンゴムは一般的にはポリジメ
チルシロキサンが多い。ミラブルシリコーンゴムは架橋
性と物性とのバランスをとるためにメチルビニル基を
0.1〜0.5モル%程度導入されたものが用いられて
いる。また、トリフロロプロピル基を導入したFVMQ
やフェニル基を導入したPVMQ等もあり、いずれも使
用可能であり、またこれらの混合物も同様に使用可能で
ある。
【0015】本発明における表面印刷層は、上記シリコ
ーンゴムに架橋剤( 加硫剤) を混合し、表面印刷層に成
形した後、架橋することで形成される。上記配合ゴム中
に含まれる架橋剤としては、例えば有機過酸化物系の架
橋剤を使用することもできる。かかる有機過酸化物系の
架橋剤としては、例えばベンゾイルパーオキサイド、ビ
ス2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ジクミ
ルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、
p−モノクロルベンゾイルパーオキサイド、2,5−ジ
メチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキ
サン、tert−ブチルクミルパーオキサイド等があげられ
る。
【0016】充填剤としては、例えば無水珪酸、炭酸カ
ルシウム、ハードクレー、硫酸バリウム、タルク、マイ
カ、アスベスト、グラファイト等の無機充填剤;再生ゴ
ム、粉末ゴム、アスファルト類、スチレン樹脂、にかわ
等の有機充填剤が挙げられる。表面印刷層の表面ゴム硬
度は、通常、JIS Aで20〜90、好ましくは40
〜70程度のものが使用され、硬度がこれを下回ると、
印刷中にゴムが変形してパターンを正確に転写できなく
なり、一方、硬度がこれを超えるとインキをゴムが受け
取りにくくなり、またガラス等への転移も充分でなくな
るため好ましくない。
【0017】また、表面印刷層の表面粗度は印刷パター
ンの形状に大きな影響を与えるので、できるかぎり細か
いほうが望ましい。通常、10点平均粗さ(RZ ) で3
μm以下、好ましくは1.5 μm以下である。本発明にお
いては、表面印刷層を支持体層上に積層する。支持体層
としては、例えばゴム材(ゴム糊)を含浸させた複数層
(3層またはそれ以上)の基布と、必要に応じて設けら
れる少なくとも1層の圧縮性層とを積層して作成された
ものがあげられる。
【0018】前記基布としては、例えば綿、ポリエステ
ル、レーヨン等の織布が使用されるが、伸びの少ないガ
ラス繊維や芳香族ポリアミド繊維(デュポン社製の登録
商標「ケブラー」)なども使用可能である。基布に含浸
させるゴム材としては、例えばアクリロニトリル−ブタ
ジエン共重合ゴムやクロロプレンゴム等があげられる。
これらのゴムは所定量の架橋剤、架橋促進剤および要す
れば増粘剤等を含有する。そして、ブレードコーティン
グ法等の適当な塗布手段にて上記ゴム剤を織布にコーテ
ィングする。ついで、支持体層の表面にプライマー層を
介して、上述した特定のゴム材料からなる表面印刷層形
成用ゴム糊を塗布し乾燥するか、あるいはカレンダー等
で成形したシート状物を積層する。得られた積層体は所
定の圧力と温度で加熱加圧して架橋させる。架橋は、通
常、140〜170℃で1〜5時間加熱して行われる。
【0019】上記圧縮性層は、中間の少なくとも1の基
布に、食塩等の水溶性粉体を溶解させたゴム糊を塗布
し、乾燥、架橋させた後、60〜100℃の温水に6〜
10時間浸漬し、上記水溶性粉体を溶出して乾燥させる
ことによって形成される。架橋後、表面印刷層を溶剤中
にて超音波洗浄する。使用可能な溶剤としては、水以外
の種々の溶剤、例えばN−メチル−2−ピロリドン(N
MP)、n−ヘキサン、四塩化炭素、クロロホルム、テ
トラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルス
ルホキシドなどがあげられ、とくにN−メチル−2−ピ
ロリドン(NMP)またはn−ヘキサンを使用するのが
好ましい。溶剤は単独で使用してよく、あるいは2種以
上を混合して使用してもよい。
【0020】超音波洗浄は、オフセットブランケットを
ガラス表面に圧着した後のガラス表面の純水での接触角
が前記範囲内になるような条件を選定して行うが、通
常、20〜100kHzの周波数で1分〜2時間程度行
うのがよい。また、必要に応じて1MHz程度の高周波
数で行ってもよい。さらに、単一周波数による超音波洗
浄のほか、2周波数を同時または交互に切り換えて超音
波洗浄を行ってもよい。使用する超音波洗浄装置は、例
えば、表面印刷層のみを洗浄できるように、表面印刷層
を下向きにして一定方向に移動させながら、下方から溶
剤を超音波で加振しながらスプレー式で表面印刷層に吹
き付ける、いわゆるライン型超音波洗浄装置であっても
よく、あるいは底部に超音波発振子を取り付けた洗浄槽
内に溶剤を入れ、この溶剤にオフセットブランケットを
浸漬して加振洗浄するものであってもよい。後者の場合
は表面印刷層のほか支持体層も含む全体が洗浄されるこ
とになる。
【0021】また、超音波洗浄は常温で行えばよいが、
必要に応じて加温してもよい。超音波洗浄後、乾燥して
本発明のオフセットブランケットを得る。得られたオフ
セットブランケットは直接または下貼材を介して転写胴
のシリンダの周面上に接着して使用される。なお、前記
した積層タイプの支持体層に代えて、ポリエチレンテレ
フタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポ
リプロピレン(PP)、ポリイミド、アルミニウム箔、
ステンレスシート等のフィルムやシート等を支持体層と
して用いてもよい。これらは圧縮性層を有していてもよ
い。
【0022】
【実施例】
実施例1 表面印刷層の材料として、ミラブルタイプでジメチルシ
ロキサン型のシリコーンゴム〔信越化学社製の「KE5
55U」、硬度(JIS A):50°〕をベースにし
たシリコーンゴムを用いて、このシリコーンゴム100
重量部に対して架橋剤〔信越化学社製の「C8A」,
2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキサンを80%含有したもの〕を0.6重量部の
割合で混合した。
【0023】ついで、シリコーンゴムを厚さ350μm
のポリエチレンテレフタレートフィルム上に750μm
の厚さで塗布し、表面の平滑な金型にて挟み込み、17
0℃で20分間加熱して架橋させ、総厚み1.0mmのオ
フセットブランケットを作製した。次に、オフセットブ
ランケットを、底部に超音波発振子を設置した超音波洗
浄槽(ステンレス槽)内のN−メチル−2−ピロリドン
(NMP)中に浸漬し、常温にて30分間、38kHz
にて超音波洗浄を行った。
【0024】このオフセットブランケットを平台印刷機
(紅羊社製のエクター600CL)に装着し、ソーダラ
イムガラス(厚さ1.1mm)上にインキのない状態で1
0kg/cm2で1分間圧着させた。上記ソーダライムガラス
は、イソプロピルアルコールと熱水中でそれぞれ30分
間超音波洗浄し、乾燥させたものを使用した。ついで、
ガラス表面で純水が形成する液滴の接触角を協和界面科
学(株)製の接触角測定装置(CA−A型機)を用いて
測定した。その結果を表1に示す。なお、洗浄直後のガ
ラス表面の接触角は3°と非常に低く、撥水性成分によ
って殆ど汚染されていなかった。 実施例2 超音波洗浄における溶剤としてn−ヘキサンを用い、か
つ超音波洗浄を60分間行ったほかは、実施例1と同様
にしてオフセットブランケットを得、表面印刷層のソー
ダライムガラスへの圧着後のガラス表面の接触角を測定
した。その結果を表1に示す。 実施例3 表面印刷層の材料として、常温硬化タイプ(RTV)で
ジメチルシロキサン型のシリコーンゴム〔信越化学社製
の「KE1604」、硬度(JIS A):40°〕を
ベースにしたシリコーンゴムを用いたほかは、実施例1
と同様にしてオフセットブランケットを得、表面印刷層
のソーダライムガラスへの圧着後のガラス表面の接触角
を測定した。その結果を表1に示す。
【0025】なお、各実施例で得たオフセットブランケ
ットの表面は非常に平滑な金型を用いたため、粗度がR
z =1.0μmと非常に平滑に仕上がった。 比較例1 超音波洗浄を行わなかったほかは、実施例1と同様にし
てオフセットブランケットを得、表面印刷層のソーダラ
イムガラスへの圧着後のガラス表面の接触角を測定し
た。その結果を表2に示す。 比較例2 実施例1において、超音波洗浄に代えて、二次加硫とし
て200℃で4時間加熱処理を行なったほかは、実施例
1と同様にしてオフセットブランケットを得、表面印刷
層のソーダライムガラスへの圧着後のガラス表面の接触
角を測定した。その結果を表2に示す。 比較例3 実施例1において、超音波洗浄用の溶剤として、NMP
に代えて純水を使用し、常温にて30分間超音波洗浄を
行ったほかは、実施例1と同様にしてオフセットブラン
ケットを得、表面印刷層のソーダライムガラスへの圧着
後のガラス表面の接触角を測定した。その結果を表2に
示す。 比較例4 実施例3と同じ常温硬化タイプ(RTV)でジメチルシ
ロキサン型のシリコーンゴムを使用し、かつ超音波洗浄
用の溶剤として、NMPに代えて純水を使用し、常温に
て30分間超音波洗浄を行ったほかは、実施例1と同様
にしてオフセットブランケットを得、表面印刷層のソー
ダライムガラスへの圧着後のガラス表面の接触角を測定
した。その結果を表2に示す。
【0026】印刷試験 各実施例および比較例で得たオフセットブランケットを
用いて、前記と同じ平台印刷機(紅羊社製のエクター6
00CL)にてレッド、グリーン、ブルーの順に印刷を
行い、グリーン、ブルーの印刷時にインキのはじきが生
じたか否かを目視にて観察し、インキはじき性を評価し
た。その結果を表1に併せて示す。ここで、「印刷障害
あり」とは、グリーン、ブルーの印刷時にインキがはじ
かれ良好に印刷できなかったことを意味し、「印刷障害
なし」とは、上記と反対に、インキのはじきがなく良好
に印刷できたことを意味している。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】表1、表2から、インキをはじく撥水性を
低減させるには、ガラス表面での純水による接触角が0
〜30°であるのが非常に有効であり、接触角が30°
を超える比較例1〜4では、インキはじきによる印刷障
害が発生することがわかる。また、接触角を0〜30°
にする上で、表面印刷層を水以外の溶剤にて超音波洗浄
することが非常に有効であることがわかる。その理由と
しては、超音波洗浄によって低分子量シロキサン成分か
ら相当分子量の大きいシロキサン、シリコーンオイル成
分までが表面印刷層の表面から除去されたためと思われ
る。
【0030】
【発明の効果】以上のように、本発明の印刷用オフセッ
トブランケットは、表面印刷層を圧着後のガラス表面の
接触角を0〜30°とすることにより、精細なパターン
の多色印刷に際し、被印刷体表面でインキがはじかれる
のを防止することができ、また印刷後においても、印刷
したパターン表面に表面印刷層が接触することによりパ
ターン表面をコーティングする保護膜にピンホールがで
きるのを防止することができる。
【0031】従って、スループットの高い印刷法による
電子部品や液晶カラーフィルターの製造が可能になる。
また、本発明の印刷用オフセットブランケットの製造方
法によれば、表面印刷層を溶剤(水を除く)中で超音波
洗浄することにより、表面印刷層からの撥水性成分が除
去されるため、前記接触角が0〜30°である表面印刷
層を有するオフセットブランケットを簡単に作製するこ
とができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体層上に、シリコーンゴムからなる表
    面印刷層を積層した印刷用オフセットブランケットであ
    って、前記表面印刷層が、この表面印刷層をガラス表面
    に10kg/cm2で1分間圧着した後のガラス板表面上での
    純水による接触角が0〜30°の範囲にあることを特徴
    とする印刷用オフセットブランケット。
  2. 【請求項2】支持体層上に、シリコーンゴムからなる表
    面印刷層を積層し架橋した後、この表面印刷層を溶剤
    (水を除く)で超音波洗浄することを特徴とする印刷用
    オフセットブランケットの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006163315A (ja) * 2004-12-10 2006-06-22 Ist:Kk 複合管状物およびその製造方法
JP2011219687A (ja) * 2010-04-14 2011-11-04 Shin-Etsu Chemical Co Ltd シリコーンゴム成形体の洗浄方法及びシリコーンゴム成形体

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JP2011219687A (ja) * 2010-04-14 2011-11-04 Shin-Etsu Chemical Co Ltd シリコーンゴム成形体の洗浄方法及びシリコーンゴム成形体

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