JP2003039849A - 印刷用ブランケットおよび印刷方法 - Google Patents

印刷用ブランケットおよび印刷方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】支持体層上に、シリコーンゴムを含む表面ゴム
層を積層してなる印刷用ブランケットにおいて、インキ
溶剤によるシリコーンゴムの膨潤が阻止され、連続印刷
しても印刷精度の低下しないブランケットと、印刷方法
を提供する。 【解決手段】シリコーンゴムにアナターゼ型二酸化チタ
ンの微粉末をゴム材料100重量部に対して10〜50
0重量部の割合で含有させ、かつ二酸化チタン微粉末を
表面に一部露出させて表面ゴム層を作製し、それを支持
体層上に積層して成るブランケット、およびこれを用い
てその表面に紫外線照射による光洗浄を行いながら印刷
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平版オフセット印
刷やグラビアオフセット印刷に使用される印刷用オフセ
ットブランケットに関し、より詳細には液晶やPDP
(プラズマディスプレィ)等の精細なパターンの電極印
刷に適した印刷用オフセットブランケットに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】一般に、オフセット印刷は、精密印刷を
効率的に実施できることが要求される。例えば、レッ
ド、グリーン、ブルーの3色からなる液晶カラーフィル
ターのように透明なガラス表面に印刷されたインキ層を
透過光でみる場合、インキ層の膜厚にばらつきがある
と、それが原因で透過光に濃淡が発生し、画質がばらつ
く原因になる。このような膜厚のばらつきを防止するた
めには、平版オフセット印刷またはグラビア印刷によ
る、ガラス表面へのレッド、グリーン、ブルーの3色印
刷に際して、版上のインキがオフセットブランケットを
介してガラス表面に完全に転写されることが必要であ
る。しかしながら、通常、アクリロニトリル−ブタジエ
ン共重合ゴム(NBR)等のゴム材料を表面印刷層(表
面ゴム層)とするオフセットブランケットでは、インキ
がブランケットの表面に残り、ガラス上とブランケット
上とに分離するため、インキ層の表面に必然的に凹凸が
発生し、膜厚のばらつきが生じる。
【0003】そこで、オフセット印刷を精密に行うため
に、オフセットブランケットの表面ゴム層としてシリコ
ーンゴムを用いることが開発されている。さらに、その
シリコーンゴム層の改良も試みられていて、例えば、特
開平10−315653号公報には、特定量のフェニル
基を有するフェニルメチルビニルポリシロキサンと、比
表面積が一定以上の補強性微粒子シリカと、平均粒径の
特定された石英微粉末とを含有するシリコーンゴムを用
いることが提案されている。
【0004】一般的に、平板オフセット印刷では、1回
で印刷されるインキの膜厚みが約0.5μmほどである
が、ブランケットの表面ゴムにシリコーンゴムを用いる
ときはブランケットに移ったインキを100%基板に転
移させることが可能であって、インキ厚みのある印刷を
行うことができる。しかも、インキの分断が1回しか起
らないために印刷物形状が非常に良好であり、約20μ
mの非常に微細な形状も印刷で再現可能である。
【0005】しかし、シリコーンゴムを用いると、連続
印刷を行うとインキ中の溶剤がブランケット表面にしみ
こんで膨潤し、本来の良好な離型性が損なわれるという
問題が発生する。このために、表面の濡れ性が大きくな
り印刷パターンの線幅が広くなったり、基板にインキが
転移せずにブランケット上に一部残ることで印刷膜厚の
ムラ等が発生する。従来、シリコーンゴム層がインク溶
剤を吸収して膨潤することを避けるために、印刷中に発
生するインク溶剤をブランケット胴体に設けた連続孔を
通して真空中に除去するように設計されたブランケット
が提案されている(特開平8−34176号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】シリコーンゴムを表面
ゴム層として用いる印刷用ブランケットに関して、従来
にも増して印刷精度を向上させることが求められている
が、とりわけ上述のように印刷体を持続して安定的に得
るために、シリコーンゴム層がインク溶剤によって膨潤
し経時変化することを防止する手段が要望されている。
前記の特開平8−34176号公報の方法は、シリコー
ンゴム層の構成自体は従来どおりであり、ブランケット
の構造を変えることによりインク溶剤との接触を避けよ
うとするものである。
【0007】そこで本発明の主たる目的は、ブランケッ
トの機械的構造は従来どおりであってもよいが、インキ
溶剤で膨潤され難いシリコーンゴム層を形成させて、経
時的に安定して精密印刷が可能である印刷用ブランケッ
トを提供しようとするものである。また、本発明の他の
目的は、上記の印刷用ブランケットを用いる印刷精度の
高い印刷方法を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために、インキ溶剤が表面印刷層のシリコー
ンゴム中に吸収される前に、分解揮発させる方法を種々
検討し、最初にシリコーンゴムを加熱して溶剤を蒸発、
乾燥することを試みたが、乾燥後にブランケットの表面
温度が高くなり、凹版が熱により膨張し印刷精度が悪く
なるという問題が見られた。そこで、加熱乾燥すること
なく、表面状態を良好に維持する方法につき検討を続け
たところ、シリコーンゴム中に含まれる溶剤は二酸化チ
タンの光触媒反応により分解され、表面を光洗浄するこ
とで均一に保つことが可能であるとの知見を得た。本発
明は、この知見に基いてさらに検討して完成されたもの
である。
【0009】すなわち、本発明の印刷用ブランケット
は、支持体層上に、少なくともシリコーンゴムを含む表
面ゴム層を積層してなる印刷用ブランケットであって、
前記表面ゴム層がアナターゼ型二酸化チタンの微粉末を
ゴム材料100重量部に対して10〜500重量部の割
合で含有し、かつアナターゼ型二酸化チタン微粉末が表
面に一部露出されていることを特徴とする。本発明の印
刷用ブランケットにおいて、アナターゼ型二酸化チタン
微粉末がシリコーンゴムを含む表面ゴム層に混合されて
いて、その一部が表面に露出されていることが重要であ
る。通常、ゴム材料にアナターゼ型二酸化チタン微粉末
を混合してゴム層を形成しても、その最表層面にまで露
出してくることはない。そこで本発明では、表面ゴム層
を形成後、表面を化学的研磨(ケミカルエッチング)や
物理的研磨、放電加工、ショットプラスティング法等で
最表層のシリコーンゴムを除去してアナターゼ型二酸化
チタンを露出させ、これによって非常に良好な光触媒活
性を発揮させるものである。
【0010】本発明によると、シリコーンゴム自体は前
記二酸化チタンの強力な酸化還元反応に対して十分な耐
性を示しつつ、ゴムの中あるいは表面に付着する有機溶
剤のみが効率よく分解される。従って、印刷中にインキ
溶剤が表面ゴム層に出てきても、分解除去されるので、
シリコーンゴムの膨潤は殆ど完全に阻止することが可能
である。二酸化チタンにはアナターゼ型とルチル型があ
り、本発明においては光学活性の高いアナターゼ型を用
いる。
【0011】シリコーンゴム中のアナターゼ型二酸化チ
タンの添加量は、光触媒効果と添加後のゴム硬度への影
響を考慮して決定される。このためには、前記のとお
り、ゴム材料100重量部に対して10〜500重量部
の割合で含有させることにより、良好な光触媒効果を
得、かつゴム硬度も通常印刷する上で支障を来さない程
度に維持される。アナターゼ型二酸化チタンの添加量が
10重量部に達しないときは十分な光触媒活性が得られ
ず、一方500重量部を超えるとJIS Aゴム硬度が
80を超えることになり印刷性が悪くなる。
【0012】上記の本発明の印刷用ブランケットにおい
て、前記アナターゼ型二酸化チタン微粉末の一次平均粒
子径が1〜50nmであり、シリコーンゴムを含む表面
ゴム層のJISA硬度は前記のとおり80以下であるこ
とが好ましい。さらに、本発明の印刷用ブランケット
は、シリコーンゴムを含む表面ゴム層と支持体層の積層
体からなり、前記表面ゴム層のJISA硬度が20〜8
0であり、その厚みが100〜1500μmであること
が好ましい。
【0013】前記表面ゴム層の表面粗さは、10点平均
粗さ(JIS B 0601−1982)で好ましくは
0.01〜3.0μmに調整される。シリコーンブラン
ケットの表面性は印刷性に大きく影響を及ぼすので、本
発明では前記アナターゼ型二酸化チタン微粉末を添加
し、かつ平均粗さを前記の範囲に調整することが望まし
い。平均粗さが3μmを超えると印刷形状が大きく乱
れ、また0.01μmに達しないときは基板との接触面
積が大きくなることから印刷時に粘着性が強くなり、い
ずれも良好な印刷が期待できなくなる。
【0014】一方、JIS A硬度が20に達しないと
きは、表面ゴム層の変形が大きくなり印刷精度が劣化
し、80を超えるとインキ転移性が悪くなる。表面ゴム
層の厚みは、厚過ぎると印刷時にゴム層が変形して印刷
精度が低下し、薄過ぎると硬くなってインキ転移性が悪
くなることから、前記の範囲に調整することが好まし
い。次に、本発明の印刷方法は、上記いずれかの印刷用
ブランケットを用いて、その表面に200〜400nm
の紫外線を照射して光洗浄しながら印刷することを特徴
とする。このように波長が400nm以下である紫外線
を照射することにより、二酸化チタン表面近傍の有機物
が効率よく分解され、精度の高い印刷を持続することが
できる。
【0015】
【発明を実施するための形態】本発明に使用されるシリ
コーンゴムとしては、従来公知である種々の形態のシリ
コーンゴムが使用可能であり、例えば混練加工が可能な
ミラブル型シリコーンゴム、常温にて硬化する室温加硫
型(RTV)シリコーンゴム(低温加硫型(LTV)を
含む)、加熱硬化型シリコーンゴム(HTV)、射出成
形可能なLIM(Liquid Injection Molding)シリコー
ンゴムなどが挙げられる。
【0016】液状シリコーンゴムは1液型と2液型との
分かれるが、支持体層等との接着性の上からは1液型の
方が良好であり、とりわけ縮合型はNBR等のゴム層に
対して高い接着性を示す。ただし、2液型であっても基
材との間に適切なプライマー(シランカップリング剤
等)を用いることで、1液型と同等の接着を得ることが
できる。2液型のシリコーンゴムを使用するときは、使
用前に主剤と硬化剤とを充分に混合し、充分に脱泡す
る。また、2液型は、主剤と硬化剤を混合するとその時
点から硬化反応が始まるので、迅速に作業を行うように
する。
【0017】シリコーンゴムは、ポリメチルシロキサン
で重合度100〜800程度の低重合度の液状シリコー
ンゴムをベースにしたミラブル型シリコーンゴムなどが
考えられるが、いいずれも生ゴムエアロジル等の無水シ
リカ系の補強性充填剤、タルク、マイカ等の増量充填
剤、分散促進剤等が配合されたゴムコンパウンドとして
供給されている。RTVシリコーンは一般的にはポリジ
メチルシロキサンが多く、ミラブル型シリコーンゴムは
架橋性や物性のバランスをとるためにメチルビニル基を
0.1〜0.5モル%程度導入したものが用いられてい
る。また、トリフロロプロピル基を導入したPVMQ等
も使用可能であり、またこれらの混合物も同様に使用可
能である。本発明においては、とりわけ硬化の際に副生
物を全く発生せず、寸法精度において優れているという
面から触媒でラジカル反応させる常温硬化型の付加型シ
リコーンゴムが望ましい。
【0018】表面ゴム層は、上記シリコーンゴムに加硫
剤あるいは架橋剤を混合し、成形した後に、常法により
加硫あるいは硬化することによって形成される。上記加
硫剤あるいは架橋剤としては、例えばベゾイルパーオキ
サイド、ビス2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイ
ド、ジクミルパーオキサイド、ジt−ブチルパーオキサ
イド、p−モノクロロベンゾイルパーオキサイド、2,
5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)
ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイドなどの有機
過酸化物系の架橋剤が挙げられる。また、シリコンゴム
とその他のポリマーをブレンドする場合、有機過酸化物
の架橋剤が用いられる。
【0019】充填剤としては、無水珪酸、含水珪酸、炭
酸カルシウム、ハードクレー、硫酸バリウム、タルク、
グラファイト等の無機充填剤や再生ゴム、粉末ゴム、ア
スファルト類、スチレン樹脂、にかわ等の有機充填剤等
が挙げられる。本発明におけるアナターゼ型二酸化チタ
ンは、市販品を用いることができ、例えば石原産業製の
STシリーズ(ST−01、ST−21、ST31、S
T−41)やチタン工業製のPCシリーズ、日本エアロ
ジルのP25などが挙げられる。
【0020】本発明における表面ゴム層は、そのゴム材
料がシリコーンゴムであってそこにアナターゼ型二酸化
チタンが添加されて表面にも露出されているものである
が、このこと以外は基本的に従来の方法に準じて、加硫
剤あるいは架橋剤と所望の添加剤を混合し、層成形した
後に常法により加硫または硬化することで形成される。
本発明の印刷用ブランケットは、上記構成からなる表面
ゴム層を支持体層上に積層したものである。前記支持体
層としては、例えばゴム材(ゴム糊)を含浸させた複数
層の基布と、必要に応じて設けられる少なくとも1層の
圧縮性層とを積層して作成されたものがあげられる。
【0021】前記基布は綿、ポリエステル、レーヨン等
の織布である。含浸されるゴム材としては、例えばアク
リロニトリル−ブタジエン共重合ゴムやクロロプレンゴ
ム等があげられる。これらのゴムは所定量の加硫剤、加
硫促進剤および要すれば増粘剤等を含有する。そして、
ブレードコーティング法等の適当な塗布手段にて上記ゴ
ム剤を織布にコーティングする。ついで、支持体層の表
面にプライマー層を介して、上述した特定のゴム材料か
らなる表面ゴム層形成用ゴム糊を塗布し乾燥するか、あ
るいはカレンダー等で成形したシート状物を積層する。
得られた積層体は所定の圧力と温度で加熱加圧して加硫
させ、支持体層内に圧縮性層を有するオフセットブラン
ケットを得る。上記圧縮性層は、中間の少なくとも1の
基布に、食塩等の水溶性粉体を溶解させたゴム糊を塗布
し、乾燥、加硫させた後、60〜100℃の温水に6〜
10時間浸漬し、上記水溶性粉体を溶出して乾燥させる
ことによって形成される。
【0022】また、かかる積層タイプの支持体層に代え
て、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ホリカー
ボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、アルミニ
ウム箔、ステンレスシート等のフィルムやシート等を支
持体層として用いてもよい。本発明における表面ゴム層
は、その表面を化学的研磨(ケミカルエッチング)や物
理的研磨、放電加工、ショットプラスティング法等で最
表層部のシリコーンゴムを除去してアナターゼ型二酸化
チタンを露出させる。また、表面粗さは10点平均粗さ
で表すとき、好ましくは0.01〜3.0μmに調整す
る。得られたオフセットブランケットは直接または下貼
材を介して転写胴のシリンダの周面上に接着して使用さ
れる。
【0023】なお、本発明のオフセットブランケットに
インキを転移する版としては、従来のPS版、水なし平
板などが使用される。とくに液晶やPDP(プラズマデ
ィスプレィ)の電極印刷には、水なし平板が好適に使用
される。すなわち、水とインキが反発する性質を利用し
て画線を形成する通常のPS版では、水とインキが接触
し乳化状態となることが避けられないため、水中に含ま
れるアルカリ成分がインキ内に浸入すると、液晶の寿命
を縮める原因となる。これに対して、水なし平板(厳密
には凹版)では、水を使用せずに、アルミニウム箔等の
支持体上に設けたシリコーンゴムなどのインキ反発層を
非画線部として使用し、画線部となる非画線部間の空隙
(セル)内にインキをつけ、次いでオフセットブランケ
ットの表面に転移して印刷が行われる。
【0024】
【実施例】以下に、比較例と共に実施例を挙げて本発明
をさらに具体的に説明する。 実施例1 ブランケットの作製:シリコーンゴム[常温硬化型シリ
コーンゴム付加型、商品名;信越化学製 KE1600
A(主剤),B(硬化剤)]を用いて、この100重量
部に対して、アナターゼ型二酸化チタン微粉末(商品
名:石原産業製ST−01、 一次粒子径;7nm)1
00重量部を添加し、注型し、常温下放置し硬化させて
表面ゴム層を作製した。このゴム層の表面を硫酸による
エッチング処理を行って、アナターゼ型二酸化チタン微
粉末を露出させた。この表面ゴム層は、JISA硬度が
60、厚み300μmで、表面粗さが10点平均粗さ
(JIS B 0601−1982)で0.1μmに調
整した。
【0025】印刷試験:上記の印刷用ブランケットを用
いて凹版オフセット印刷法により、導電性ペーストイン
キを基板上にパターン印刷した。導電性ペーストとして
は、エチルセルロース樹脂を用い、銀粉末、有機溶剤
(酢酸ブチルカルビトール)を分散させ三本ロールによ
り印刷用インキを調製した。印刷パターンは、ガラス製
基板を用いて、線幅80μm、線間隔360μmのスト
ライプパターンを印刷した。印刷に際して、10枚印刷
毎に250nmの紫外線をブランケット全面に5分間照
射し、表面を洗浄しながら行った。
【0026】これによって、ブランケット上へ転移した
インキは100%完全にガラス基板ヘ転移し、形状は非
常に良好で膜厚みも安定していた。印刷されたパターン
は、線幅80μm、膜厚み(未焼成)で10μmであっ
た。連続印刷性が良好であり、ほとんど形状の変化もな
く、出来上がった印刷電極は、線幅、膜厚、抵抗ともに
安定したものであった。 実施例2 実施例1において、紫外線照射工程のみを5枚印刷後に
2分照射したこと以外は実施例1と同一条件で印刷試験
を行った。その結果、安定性よく連続印刷ができた。
【0027】比較例1 実施例1において、アナターゼ型二酸化チタン微粉末を
添加せずに、シリコーンゴムよりなる表面ゴム層(常温
硬化型シリコーンゴム付加型、ゴム厚み300μm、J
ISA硬度60)を有するブランケットを作製した。こ
のブランケットを用いて、実施例1と同様にして連続印
刷試験を行った。その結果、100枚印刷した時点でシ
リコーンゴムが膨潤し、インキ受理性が変化し、パター
ンの線幅が徐徐に太くなる傾向が認められた。
【0028】
【発明の効果】以上のように、本発明の印刷用ブランケ
ットは、連続印刷を行っても、シリコーンゴムを含む表
面ゴム層がインキ溶剤によって膨潤を起こすことがな
い。従って、シリコーンゴムを用いたことによる精度の
高い印刷を連続して実施することができる。とりわけ、
本発明の印刷用オフセットブランケットは、版から転移
したインキをほぼ完全にガラス板上に転移できるという
シリコーンゴムの特性を損なうことなく、液晶やPDP
(プラズマディスプレイ)等の精細なパターンの電極印
刷に適する。この結果、スループットの高い印刷法によ
る電子部品や液晶カラーフィルターの製造が可能にな
る。また本発明の印刷方法によれば、廃液が全く発生せ
ず、設備コストも安価である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C250 FA09 FB23 2H114 AA03 AA04 AA05 CA04 DA05 DA08 DA62 DA64 DA75 EA03 EA08 FA01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体層上に、少なくともシリコーンゴム
    を含む表面ゴム層を積層してなる印刷用ブランケットで
    あって、前記表面ゴム層がアナターゼ型二酸化チタンの
    微粉末をゴム材料100重量部に対して10〜500重
    量部の割合で含有し、かつアナターゼ型二酸化チタン微
    粉末が表面に一部露出されていることを特徴とする印刷
    用ブランケット。
  2. 【請求項2】前記アナターゼ型二酸化チタン微粉末の一
    次平均粒子径が1〜50nmであり、表面シリコーンゴ
    ムのJISA硬度が80以下である請求項1記載の印刷
    用ブランケット。
  3. 【請求項3】表面シリコーンゴム層と支持体層の積層体
    からなり、前記表面ゴム層のJISA硬度が20〜80
    であり、その厚みが100〜1500μmである請求項
    1または2記載の印刷用ブランケット。
  4. 【請求項4】前記表面ゴム層の表面粗さが10点平均粗
    さで0.01〜3.0μmである請求項1〜3のいずれ
    かに記載の印刷用ブランケット。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載の印刷用ブ
    ランケットを用いて、その表面に200〜400nmの
    紫外線を照射して光洗浄しながら印刷することを特徴と
    する印刷方法。
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