JPH07155825A - 冷延鋼板付着油の除去処理装置 - Google Patents

冷延鋼板付着油の除去処理装置

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JPH07155825A
JPH07155825A JP33886693A JP33886693A JPH07155825A JP H07155825 A JPH07155825 A JP H07155825A JP 33886693 A JP33886693 A JP 33886693A JP 33886693 A JP33886693 A JP 33886693A JP H07155825 A JPH07155825 A JP H07155825A
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JP
Japan
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cold
rolling
rolling oil
rolled steel
steel sheet
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JP33886693A
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English (en)
Inventor
Norio Yano
教生 矢野
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 冷延鋼板に付着した圧延油を、化学洗浄や電
解洗浄によることなく、従来のロールによる払拭やエア
ーブローによって簡単に除去する。 【構成】 冷間圧延工程で圧延した冷延鋼板26に付着
した圧延油の除去処理装置において、冷間圧延工程の最
終圧延スタンドの出側に電極箱22を配設し、冷延鋼板
26と電極箱22内に圧延油を連続供給して充満させる
圧延油供給機構と、電極箱22内の電極23と冷延鋼板
26間に圧延油を介して直流電流を印加し、冷延鋼板2
6に電場をかけて分極させる直流電源装置25を設け
る。 【効果】 焼鈍前工程の化学洗浄や電解洗浄を省略で
き、コストの低減ならびに生産能率の向上を図ることが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、冷延鋼板に付着して
いる油分や鉄粉等を減少させ、電解洗浄や化学洗浄を省
略できる冷延鋼板付着油の除去処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】冷間圧延工程においては、ライン速度が
生産性向上のために高速化され、それに伴って高温まで
潤滑性が劣化しない耐熱性の圧延油が使用されている。
圧延油は、通常油脂、合成エステル、界面活性剤、極圧
剤、酸化防止剤等を混合したもので、低濃度の乳化油に
して多量ワークロールやバックアップロールに吹付け、
潤滑と冷却を行っている。また、使用後の圧延油は、再
びタンクに回収して循環使用しているため、徐々に劣化
すると共に、鋼板から生じたFe粉も混入している。冷
間圧延機における潤滑は、図4に示すとおり、流体潤滑
と境界潤滑の混合状態にあると考えられ、流体潤滑は粘
度効果、境界潤滑は吸着耐圧効果の影響が大きい。
【0003】図5は冷間圧延機レバースミルの主要構成
を示すもので、51は入側コイルコンベア、52は入側
コイルカー、53は入側テンションリールで、入側コイ
ルコンベア51で搬送された熱間圧延コイル54は、入
側コイルカー52によって入側テンションリール53ま
で搬送装着される。55は水切り装置、56はレバース
ミル本体、57は出側テンションリールで、入側テンシ
ョンリール53に装着された熱間圧延コイル54は、巻
戻されたのち水切り装置55で鋼板表面を清浄にしたの
ち、レバースミル本体56で所定の板厚に圧延され、出
側テンションリール57に巻取られる。58は出側コイ
ルカー、59は出側コイルコンベアで、出側テンション
リール57に巻取られた冷間圧延コイル60は、出側コ
イルカー58によって出側テンションリール57から脱
着され、出側コイルコンベア59に積載されて次工程に
搬送される。
【0004】冷間圧延された鋼板に付着した圧延油の除
去方法としては、最終圧延スタンドまたはその前後で焼
鈍時に鋼板表面に付着している圧延油の蒸発を促進する
薬剤を含む温水を加圧噴射し、薄鋼板表面に付着してい
る油分および鉄分を洗浄減量せしめ、かつ蒸発を促進す
る薬剤を後半に塗布する工程を設ける方法(特開昭56
−169781号公報)、鋼板上方から上下ワークロー
ルの接触点と、上ワークロールとバックアップロールと
の接触点、あるいはそれらの近傍に向かって高速ジェッ
トエアーを供給し、該高速ジェットエアーにより上ワー
クロール近傍における鋼板上面上に空気の噴射層を形成
せしめ、上ワークロールから滴下する圧延油を鋼板に接
触する以前に吹き飛ばすと同時に、鋼板上面に付着した
圧延油を払拭除去する方法(特公昭57−5605号公
報)、冷間圧延直後の鋼板の表裏面に、70〜150℃
熱水を全面に亘って噴射し、鋼板の表裏面上の圧延油や
鉄粉等を洗い流す方法(特開昭64−22411号公
報)等が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記冷間圧延機の圧延
油は、循環使用するので変質劣化、不純物濃度が上昇
し、鋼板付着油は低級酸に移行して鋼板の防錆性が低下
する。また、圧延油の鋼板付着界面状態は、図6に示す
とおり、(a)図のヘルムホルツ二重層や(c)図、
(d)図のStern二重層の形態と考えられ、圧延油
の鋼板への吸着力が大きい。なお、(b)図は拡散二重
層である。このため、鋼板付着油は、上記特開昭56−
169781号公報、特公昭57−5605号公報およ
び特開昭64−22411号公報などの処理方法では剥
離し難く、発錆や焼鈍時にスマッジやカーボン析出が生
じている。そのため、図7に示すとおり、冷延鋼板61
を酸タンク62、アルカリタンク63にに浸漬したの
ち、アルカリスプレー64によるアルカリ洗浄し、ホッ
トウオーマ65で温水洗浄する化学洗浄や、図8に示す
とおり、ペイオフリール71で巻戻された冷延鋼板72
をホットコースティックタンク73、クリーニングタン
ク74に浸漬したのち、ホットリンスタンク75で洗浄
したのち、リンガーロールで払拭し、ドライヤー76で
乾燥したのちテンションリール77に巻取る電解洗浄に
よって、焼鈍前に鋼板付着油の除去を行っているので、
コスト高となるばかりでなく、生産能率が低下してい
る。
【0006】この発明の目的は、冷間圧延された冷延鋼
板に付着した圧延油を、化学洗浄や電解洗浄によること
なく、従来のロールによる払拭やエアーブローによって
簡単に除去できる冷延鋼板付着油の除去処理装置を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく種々試験研究を重ねた。その結果、冷間圧
延後の冷延鋼板に圧延油を充満した箱内で電場をかけ、
正か負の分極を増やしてやると誘電率の大きい水分子が
冷延鋼板界面に吸着し、誘電率の低い圧延油が冷延鋼板
界面から剥離すること、冷延鋼板から剥離した圧延油を
従来のロールによる払拭やエアーブローによって簡単に
除去できることを究明し、この発明に到達した。
【0008】すなわちこの発明は、冷間圧延工程で圧延
した、冷延鋼板に付着した圧延油の除去処理装置におい
て、冷間圧延工程の最終圧延スタンドの出側に電極箱を
配設し、冷延鋼板と電極箱内に圧延油を連続供給して充
満させる圧延油供給機構と、電極箱内の電極と冷延鋼板
間に圧延油を介して直流電流を印加し、冷延鋼板に電場
をかけて分極させる直流電源装置を設けたことを特徴と
する冷延鋼板付着油の除去処理装置である。
【0009】
【作用】この発明の冷延鋼板付着油の除去処理装置は、
冷間圧延工程の最終圧延スタンドの出側に電極箱を配設
し、冷延鋼板と電極箱内に圧延油を連続供給して充満さ
せる圧延油供給機構と、電極箱内の電極と冷延鋼板間に
圧延油を介して直流電流を印加し、冷延鋼板に電場をか
けて分極させる直流電源装置を設けたことによって、圧
延油供給機構を起動して冷延鋼板と電極箱内に圧延油を
連続供給して充満させ、しかるのち直流電源装置を操作
して電極箱内の電極と冷延鋼板間に圧延油を介して直流
電流を印加し、冷延鋼板に電場をかけて正か負の分極を
増やしてやると、誘電率の大きい水分子が冷延鋼板界面
に吸着し、誘電率の低い圧延油が冷延鋼板界面から剥離
するから、冷延鋼板に付着した圧延油が剥離浮遊する。
剥離した圧延油と浮遊圧延油は、従来のロールによる払
拭やエアーブローによって簡単に除去することができ
る。
【0010】この発明において電極箱内の電極と冷延鋼
板間に印加する直流電圧は、電極箱内の電極と冷延鋼板
間の隙間20mm程度で、鋼板が陽極、電極が陰極の場
合1〜4V、鋼板が陰極、電極が陽極の場合は4〜12
V程度で、電流密度0.2〜1.5A/m2程度で数秒
間電場をかけるのが好ましい。
【0011】
【実施例】
実施例1 図1に示すとおり、ステンレス鋼SUS27からなる電
極板1と一般構造用圧延鋼板2とを油濃度2.2%、温
度52℃の圧延油3中に浸漬し、表1に示すとおり、電
極板1と一般構造用圧延鋼板2との距離を4〜40mm
に変化させ、電極板1と一般構造用圧延鋼板2を陽極ま
たは陰極となして直流電流を印加し、電圧1〜6V、電
流密度0.2A/m2以上かつ2.0秒間の電場をか
け、一般構造用圧延鋼板2の電場処理のラボ試験を実施
した。その場合における圧延油中の電圧と電流密度を測
定した。その結果を図2に示す。なお、図2中のA、
B、Cは、一般構造用圧延鋼板2が陽極、電極が陰極
で、極間距離Lが4mm>、20mm、40mmの場
合、D、E、Fは、一般構造用圧延鋼板2が陰極、電極
が陽極で、極間距離Lが4mm>、19mm、38mm
の場合を示す。そして電場処理後の一般構造用圧延鋼板
2の付着油をエアーブローし、そのまま焼鈍したのち表
面を目視観察したところ、スマッジ、カーボン析出は皆
無であった。
【0012】
【表1】
【0013】図2に示すとおり、電極板1と一般構造用
圧延鋼板2との距離が20mm程度で、一般構造用圧延
鋼板2が陽極、電極板1が陰極の場合は1〜4V、一般
構造用圧延鋼板2が陰極、電極板1が陽極の場合は4〜
12Vの電圧で、電流密度を0.2〜1.5A/m2程
度で、数秒間電場をかけるのが好ましい。
【0014】実施例2 図3はこの発明の冷延鋼板付着油の除去処理装置を備え
た冷間圧延機レバースミルの全体構成図である。図3に
おいて、11は入側コイルコンベア、12は入側コイル
カー、13は入側テンションリールで、入側コイルコン
ベア11で搬送された熱間圧延コイル14は、入側コイ
ルカー12によって入側テンションリール13まで搬送
装着される。16はレバースミル本体、17は出側テン
ションリールで、入側テンションリール13に装着され
た熱間圧延コイル14は、巻戻されたのちレバースミル
本体16で往復圧延されて所定の板厚に圧延され、出側
テンションリール17に巻取られる。18は出側コイル
カー、19は出側コイルコンベアで、出側テンションリ
ール17に巻取られた冷間圧延コイル20は、出側コイ
ルカー18によって出側テンションリール17から脱着
され、出側コイルコンベア19に積載されて次工程に搬
送される。
【0015】21、22はレバースミル本体6の前後の
鋼板の上下面と所定間隔を持って配置した電極箱で、そ
れぞれ4本の電極板23が設けられている。24は電極
箱21、22に図示しない圧延油供給機構からの圧延油
を供給する圧延油供給管、25は直流電源装置で、電極
板23および冷延鋼板26間に低電圧の直流電流を印加
できるよう構成されている。27は電極箱21の上流に
配置し圧延油吸収ロール28とエアーブローノズル29
からなる水切り装置、30は電極箱22の下流に配置し
た圧延油吸収ロール31とエアーブローノズル32から
なる水切り装置で、冷延鋼板26の表裏面付着物を除去
するよう構成する。
【0016】上記のとおり構成したことによって、レバ
ースミル本体16で所定板厚に圧延された冷延鋼板26
は、レバースミル本体16の出側に設けた電極箱22内
に図示しない圧延油供給機構から圧延油供給管24を介
して圧延油を連続供給し、電極箱22内に圧延油を充満
させた状態となし、直流電源装置25を操作して電極板
23および冷延鋼板26間に圧延油を介して低電圧の直
流電流を印加し、電極箱22内で冷延鋼板26の表裏面
に電場をかける。電場を大きくすると冷延鋼板26は分
極し、圧延油中の誘電率の大きい水分子が冷延鋼板26
界面に吸着し、誘電率の低い圧延油が冷延鋼板26界面
から剥離する。冷延鋼板26界面から剥離した遊離圧延
油は、他の遊離圧延油と共に後続の圧延油吸収ロール3
1とエアーブローノズル32からなる水切り装置30に
よって除去され、出側テンションリール17に巻取られ
る。出側テンションリール17に巻取られた冷間圧延コ
イル20は、出側コイルカー18によって出側テンショ
ンリール17から脱着され、出側コイルコンベア19に
積載されて次工程に搬送される。この場合、冷延鋼板2
6の表裏面付着物は、化学洗浄や電解洗浄を省略してそ
のまま焼鈍しても、スマッジやカーボン析出がない程度
まで除去される。
【0017】実施例3 上記実施例2に記載のレバースミルを使用し、板厚2.
2mm、板幅1000mmの熱延鋼板を、圧延速度36
0m/minで合成エステル、乳化剤および極圧剤から
なる油濃度2.2〜2.5%の圧延油を供給しながら板
厚1.1mmまで圧延した。圧延後の冷延鋼板を、横1
000mm、縦500mm、厚さ5mmの電極板を4枚
備えた横1200mm、縦2200mm、厚さ200m
mの電極箱を、電極と冷延鋼板との距離が20mmで上
下に設置し、電極箱内に圧延油を連続供給して充満流出
させながら、5Vの直流電流を圧延油を介して電流密度
1A/m2で電極板と冷延鋼板に連続印加して電場処理
した。鋼板に付着した圧延油は、電場処理することによ
り冷延鋼板から剥離して鋼板表面上に浮遊状態となり、
電極箱の下流に配置した圧延油吸収ロールとエアーブロ
ーノズルからなる水切り装置で除去できた。得られた冷
延鋼板を、そのまま焼鈍し、スマッジ、カボーン析出状
況を目視観察すると共に、フキトリ試験を実施した。そ
の結果を従来法と比較し表2に示す。なお、表2中の焼
鈍後のスマッジ、カーボン析出欄および焼鈍後のフキト
リ試験欄の○は良好、×は不良を示す。
【0018】
【表2】
【0019】表2に示すとおり、本発明例においては、
従来例に比較し、圧延油除去処理後の鋼板付着油量が1
/8以下で、鋼板鉄粉不着量も1/6以下となり、化学
洗浄や電解洗浄を行うことなくそのまま焼鈍しても、ス
マッジやカーボン析出がなく、焼鈍後の鋼板表面の清浄
度が良好であった。
【0020】
【発明の効果】以上述べたとおり、この発明の冷延鋼板
付着油の除去処理装置によれば、冷延鋼板の表面に付着
した圧延油の大部分を除去することができ、焼鈍前工程
の化学洗浄や電解洗浄を省略でき、コストの低減ならび
に生産能率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で用いたラボ試験装置の説明図であ
る。
【図2】実施例1における冷延鋼板の電場処理における
圧延油中の電圧と電流密度と極間距離と極別を示すグラ
フである。
【図3】この発明の冷延鋼板付着油の除去処理装置を備
えた冷間圧延機レバースミルの全体構成図である。
【図4】ロール隙下の潤滑状態および油膜厚挙動説明図
である。
【図5】冷間圧延機レバースミルの全体構成図である。
【図6】いろいろな電気二重層モデルの説明図で、
(a)図はヘルムホルツ二重層、(b)図は拡散二重
層、(c)図、(d)図はStern二重層である。
【図7】化学洗浄ラインの全体構成図である。
【図8】電解洗浄ラインの全体構成図である。
【符号の説明】
1 電極板 2 一般構造用圧延鋼板 11、51 入側コイルコンベア 12、52 入側コイルカー 13、53 入側テンションリール 14、54 熱間圧延コイル 16、56 レバースミル本体 17、57 出側テンションリール 18、58 出側コイルカー 19、59 出側コイルコンベア 20、60 冷間圧延コイル 21、22 電極箱 23 電極板 24 圧延油供給管 25 直流電源装置 26、61、72 冷延鋼板 27、30、55 水切り装置 28、31 圧延油吸収ロール 29、32 エアーブローノズル 62 酸タンク 63 アルカリタンク 64 アルカリスプレー 65 ホットウオーマ 71 ペイオフリール 73 ホットコースティックタンク 74 クリーニングタンク 75 ホットリンスタンク 76 ドライヤー 77 テンションリール

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷間圧延工程で圧延した冷延鋼板に付着
    した圧延油の除去処理装置において、冷間圧延工程の最
    終圧延スタンドの出側に電極箱を配設し、冷延鋼板と電
    極箱内に圧延油を連続供給して充満させる圧延油供給機
    構と、電極箱内の電極と冷延鋼板間に圧延油を介して直
    流電流を印加し、冷延鋼板に電場をかけて分極させる直
    流電源装置を設けたことを特徴とする冷延鋼板付着油の
    除去処理装置。
JP33886693A 1993-12-01 1993-12-01 冷延鋼板付着油の除去処理装置 Pending JPH07155825A (ja)

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