JPH07155775A - オゾンを用いた水処理方法 - Google Patents

オゾンを用いた水処理方法

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JPH07155775A
JPH07155775A JP30315193A JP30315193A JPH07155775A JP H07155775 A JPH07155775 A JP H07155775A JP 30315193 A JP30315193 A JP 30315193A JP 30315193 A JP30315193 A JP 30315193A JP H07155775 A JPH07155775 A JP H07155775A
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JP
Japan
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water
ozone
glycine
reaction
radical
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Application number
JP30315193A
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English (en)
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Takeo Shigeniwa
竹生 茂庭
Mitsumasa Okada
光正 岡田
Nobuyuki Motoyama
本山  信行
Takayuki Morioka
崇行 森岡
Ryutaro Takahashi
龍太郎 高橋
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】水中に含まれる微量有機物質を効率よく除去す
るために、グリシンを添加して、酸化力の高いヒドロキ
シラジカル(OH・)の生成を促進させる。 【構成】反応槽に導入する直前の被処理水に、グリシン
を注入した後、反応槽内にオゾンを散気することによ
り、グリシンとオゾンによるヒドロキシラジカル生成反
応、およびグリシンとヒドロキシラジカル(OH・)に
よるヒドロペルオキシラジカル(HO2 ・)生成反応を
有する連鎖反応によって、ヒドロキシラジカル(OH
・)を生成し、水中の微量有機物質を効率よく分解する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水中に含まれる微量有
機物を除去するために、浄水プロセスで行なうオゾン処
理に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、水に対する人々の意識が急速に高
まっており、上水では安全でおいしい水を、下水では再
利用を目的とする清澄度の高い処理水を得るため、各種
水処理方法が検討されている。上水では、水源である河
川や湖沼の富栄養化により水道水がかび臭いという問題
が生じている。これは、藍藻類に由来するジオスミン、
またはジメチルイソボルネオール(以下、2−MIBと
する)などの所謂かび臭物質が原因であり、かび臭に対
する最少値濃度は5〜20ng/l程度の非常に低濃度
である。浄水場はこの対策として、主に活性炭による吸
着処理を行なっているが、活性炭の使用量の増加に伴う
コストアップや、処理操作が煩雑であることなどから、
これに代わる方法として、オゾンを用いた水処理、生物
による水処理等の高度処理の検討を進めており、一方、
下水についてもトイレや車両等の洗浄水、またはお堀の
水などの景観水としての利用の他に、浄水場における負
荷の軽減や環境保全の観点から、オゾンを用いた水処
理、膜を用いた水処理等の高度処理の検討がなされてい
る。
【0003】このような状況において、オゾンを用いた
水処理は、上記のような水処理上の問題を解決するため
に有力な手段とみられている。それは、オゾンを用いた
水処理は、電気系統の制御で安定した処理を行なうこと
ができ、かつオゾンの注入量制御がしやすいという長所
があるからである。しかし、設備の導入に伴う処理コス
トの増大や、新たに大型の反応槽を建設するための広い
土地を必要とするなどの問題もある。したがって、オゾ
ンによる水処理を導入しようとする処理場にとっては、
設備の建設費のみならず敷地の確保が深刻な問題となっ
ている。そのため、オゾンを用いた水処理を実施するに
当たっては、反応槽の小型化、即ち、反応の効率化を実
現するための様々な処理方法が考えられている。
【0004】一般に、水中でのオゾンによる酸化反応
は、オゾン分子の直接反応とオゾンの自己分解によって
生じるヒドロキシラジカル(OH・)とヒドロペルオキ
シラジカル(HO2 ・)によることは周知の通りであ
る。特にヒドロキシラジカルは、オゾンより強い酸化力
を示すことから、これを増加させることが反応の効率化
につながることになる。この反応の効率化について、有
効な方法としては次の点を挙げることができる。
【0005】(1) 被処理水のpHを上げる。 (2) H2 2 を添加する。 (3) 紫外線を照射する。 (4) 放射線を照射する。 (5) 超音波を照射する。
【0006】(6) 金属イオンや金属酸化物などの触媒を
使用する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前に述べたヒドロキシ
ラジカル(OH・)の生成を促進させる (1)〜(6) の方
法は、反応の効率化という点では効果があるが、いずれ
もコスト高になるということから、これらの方法が実用
化された例は殆どなく、上水や下水などのように大量の
水を処理する場合には、対応可能な大量の薬品を注入す
る必要があり、これに伴うコストアップや設備の増設な
どによって、その効果が半減してしまうという問題があ
る。
【0008】本発明は上述の点に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、グリシンの添加により酸化力の高い
ヒドロキシラジカル(OH・)の生成を促進し、微量有
機物質の分解を効率よく行なうことができるオゾンを用
いた水処理方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明の方法は、被処理水にグリシンを注入した
後、オゾンを散気させて水処理を行なうものである。
【0010】
【作用】本発明の方法は、オゾンより酸化力の高いヒド
ロキシラジカル(OH・)を効率よく生成させるという
観点に基づく方法であり、グリシンとオゾンによるヒド
ロキシラジカル生成反応、およびグリシンとヒドロキシ
ラジカル(OH・)によるヒドロペルオキシラジカル
(HO2 ・)生成反応を有するラジカル連鎖反応によっ
て、効率的にヒドロキシラジカル(OH・)を生成し、
微量有機物質を効率よく分解するものである。
【0011】
【実施例】はじめに、オゾンの自己分解反応について説
明する。純水中でのヒドロキシラジカル(OH・)は、
以下に示すようなオゾンの自己分解反応によって生成す
る。 O3 + H2 O → HO3 + +OH- HO3 + + OH- → 2 HO2 ・ O3 + HO2 ・ → OH・ +2O2 これに対して、水中に共存物質がある場合のヒドロキシ
ラジカル(OH・)生成反応は、図1に示したラジカル
連鎖反応モデル、および下記〜に示すラジカル連鎖
反応式による。反応式〜に対応する個所を図1に併
記してある。ここで、Xは共存物質であり本発明の方法
に適用されるグリシンを表わし、また、Aは除去対象物
である微量有機物質を示す。
【0012】 上記〜のラジカル連鎖反応式におけるヒドロキシラ
ジカル(OH・)の生成反応は、に示すグリシンXと
溶存オゾンO3 との反応によるものと、に示すグリシ
ンXとヒドロキシラジカル(OH・)とにより生成した
ヒドロペルオキシラジカル(HO2 ・)に起因するお
よびの反応によるものである。即ち、本発明の水処理
方法は、グリシンの添加により酸化力の高いヒドロキシ
ラジカル(OH・)の生成を促進し、微量有機物質の分
解を効率的に行なうものである。
【0013】以下に、上水で問題となっているかび臭物
質の除去について、本発明の方法を具体的実例により説
明する。図2は、本発明の方法を検証するために使用し
た実験装置について、一部を断面で示した模式図であ
る。図2において、蓋付きの反応槽は、高さ70c
m,内径20cmの円筒形で、その内壁に邪魔板2を設
けてあり、実効容積は20lである。反応槽は、二重
構造になっており、外部に設けた恒温水槽3からポンプ
4により水を循環し、20℃に調節する。オゾン発生器
5により生成したオゾン化空気は、流量計6を経てガラ
ス製ボールディフューザー7を通して反応槽内に一様
に散気させ、反応槽内は攪拌モーター8および攪拌羽
根9によって攪拌する。反応に使用されなかったオゾン
ガスは、反応槽から排オゾン分解塔10に導かれ、こ
こで酸素に分解される。また、オゾンガス濃度はオゾン
濃度計11で測定し、測定試料は、サンプリング口12
から採水することができる。
【0014】まず、反応槽内にリン酸二水素カリウム
およびリン酸水素二ナトリウムを用いてpH=7に調整
したリン酸緩衝液に、市販の2−MIBを純水に溶解さ
せた標準溶液を添加し、初期濃度をほぼ300ng/l
とした後、グリシンを全有機炭素(以下TOCとする)
濃度で0〜0.72mg/lの範囲の濃度になるように
添加する。反応槽内を恒温水槽3からの循環により、
所定温度とした後、攪拌モーター8と攪拌羽根9により
反応槽内を一様に混合する。
【0015】その後、オゾン発生器5から濃度1.7g
/Nm3 のオゾン化空気を15l/minで反応槽
に注入する。ここでオゾン注入率(オゾンガス濃度×ガ
ス流量×注入時間×被処理水量)は一定とした。
【0016】以上により2−MIBの分解に及ぼすグリ
シンの添加効果を図3の関係図に示す。図3において、
横軸はグリシンのTOC濃度、縦軸は相対反応速度定数
を示している。ここで、相対反応速度定数とは、添加物
質(ここではグリシン)がないときのかび臭物質の反応
速度定数を1とした場合の相対値を示すものである。し
たがって、相対反応速度定数が1より大きいときは、添
加物質によりかび臭物質の分解が促進されていることを
示す。この結果によれば、グリシンの少量の添加により
2−MIBの反応速度は大きくなり、TOC濃度0.7
2mg/lで4倍程度の促進効果を有することがわか
る。
【0017】図4は、同様にしてジオスミンについて行
なった実験結果であり、横軸をグリシンのTOC濃度、
縦軸を相対反応速度定数として示した関係図である。図
4からも2−MIBの場合と同様に、グリシンの添加に
より分解が促進されていることがわかる。図3,図4に
示すように、本発明における効果の程度は、被処理水中
のグリシン濃度が大きく影響する。したがって、目標と
する処理性能を得るためには、オゾンと接触する前にグ
リシンを添加し、グリシン濃度を一定にする必要があ
る。
【0018】以上述べた如く、本発明の方法は、グリシ
ンとオゾンによるヒドロキシラジカル(OH・)生成反
応、およびグリシンとヒドロキシラジカル(OH・)に
よるヒドロペルオキシラジカル(HO2 ・)生成反応を
有するラジカル連鎖反応によって、効率的にヒドロキシ
ラジカル(OH・)を生成し、かび臭物質等の微量有機
物質を効率よく分解するものであり、被処理水が特定さ
れておらず、また被処理水のpHを調整する必要もな
い。即ち本発明の方法は、前処理および後処理を必要と
せず処理を行なうことができるという利点を有する。
【0019】なお、実施例では上水の場合について述べ
たが、本発明の方法は、かび臭物質等の微量有機物を対
象としているので、下水に適用しても同様の有効性を有
するものであり、COD、BODなどの低減を促進する
ことができる。また、グリシンを添加する効果は、原水
による影響も予想されることから、前述のように効果的
な濃度を選定する必要があり、グリシンの注入に際して
は、オゾンによる処理の前段で原水に注入し、かつグリ
シン注入時の原水中に酸化剤が残留していないこと、さ
らにグリシンを注入した原水をオゾン処理する前に、酸
化処理や吸着処理がないようにすることが肝要である。
【0020】
【発明の効果】以上述べてきたように、本発明の方法に
よれば、オゾンを用いた水処理システムにグリシンを注
入する設備を付加し、原水にグリシンを注入し共存させ
ることにより、上水ではかび臭物質等を、下水ではCO
D、BODなど不特定の微量有機物質の分解を促進する
ことを可能とし、この結果、反応槽を小型化することが
でき、施設の敷地面積がより小さくて済むという利点を
有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】共存物質が存在する場合のラジカル連鎖反応を
示す模式図
【図2】本発明の方法を検証するために用いた実験装置
の模式図
【図3】2−MIBについてグリシンと相対反応速度定
数との関係図
【図4】ジオスミンについてグリシンと相対反応速度定
数との関係図
【符号の説明】 反応槽 2 邪魔板 3 恒温水槽 4 ポンプ 5 オゾン発生器 6 流量計 7 ボールディフューザー 8 攪拌モーター 9 攪拌羽根 10 排オゾン分解塔 11 オゾン濃度計 12 サンプリング口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森岡 崇行 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 (72)発明者 高橋 龍太郎 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被処理水にオゾンを散気し、被処理水中に
    含まれる微量有機物質を酸化分解するに当たり、被処理
    水にグリシンを注入して行なうことを特徴とするオゾン
    を用いた水処理方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の方法において、グリシンは
    オゾンと接触する前に、被処理水に注入することを特徴
    とするオゾンを用いた水処理方法。
JP30315193A 1993-12-03 1993-12-03 オゾンを用いた水処理方法 Pending JPH07155775A (ja)

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