JPH0715470B2 - ロドプシン薄膜の光化学反応検出方法 - Google Patents

ロドプシン薄膜の光化学反応検出方法

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JPH0715470B2 JP2045410A JP4541090A JPH0715470B2 JP H0715470 B2 JPH0715470 B2 JP H0715470B2 JP 2045410 A JP2045410 A JP 2045410A JP 4541090 A JP4541090 A JP 4541090A JP H0715470 B2 JPH0715470 B2 JP H0715470B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は、ロドプシンを光センサーや光情報認識素子な
どとして利用するのに有用なモノクローナル抗体に関す
るもので、ロドプシン薄膜の光化学反応を検出する方法
を提供するものである。
【従来の技術】
生体の情報処理を担う物質の多くは、蛋白質であり、ア
セチルコリンレセプターやロドプシンなどがある。光情
報処理機構のトリガーである視物質ロドプシンは、脊椎
動動から無脊椎動動まで広く分布している膜蛋白質で、
光センサーや光情報認識素子などの素材として注目され
ている。ロドプシンは、オプシン蛋白質と11−シスレチ
ナールで構成され、光を受けるとレチナールがトランス
体に変化してメタロドプシンに変わる。また色覚に係わ
る色素蛋白質も同様な変化をする。例えば、タコロドプ
シンは、青色光を受けると光生産物のメタロドプシンと
ロドプシンの混合物になり、吸収極大波長が475nmから5
00nmへ移動する。そして580nm以上の赤色光を照射する
と、メタロドプシンをロドプシンに再生でき、吸収極大
波長が475nmに戻る(津田基乏,バイオキミカ エト
バイオフィジカ アクタ(Biochimica et Biophisica A
cta),578,372−380(1979)。即ち、タコロドプシンで
は、赤あるいは青色光を遊ぶことで2つの状態を交互に
制御でき光センサーや光メモリー等に利用できると考え
られる。また色覚に係わる色素蛋白質もロドプシンと同
様な光化学反応を行う。即ち、視覚にかかわるロドプシ
ン様物質は、色彩情報処理素子の素材として注目されて
いる。 ロドプシンを光センサーや光メモリーとして利用するた
めには、ロドプシンを薄膜固定して、その光化学反応を
検出できなければならない。蛋白質を薄膜化する方法と
してラングミュア・ブロジェト法(以下LB法と略す)が
ある。そして牛ロドプシンをLB法でガラス基板上に積層
して光化学反応を分光光学的に測定した報告がある(コ
レンブロト,ジャーナル メンブレン バイオロジ(J.
Membrane Biol.),Vol.37,235−262(1977))。卵フォ
スファチジルコリン膜内にロドプシンを取り込み、これ
を水面上に展開してガラス基板上に10層(片面5層)を
移しとりロドプシン薄膜を調製したが、該ガラス基板1
枚のみでは分光光学的に光化学反応を測定できず、4〜
6枚重ねてロドプシンの光化学反応を検出した。本発明
者らは、ジギトニンで抽出精製したタコロドプシンをLB
法で薄膜化を試みたが、石英ガラス基板上に数層しかの
せられず、免疫学的に存在を確認したが、分光学的にタ
コロドプシンの光化学反応を検出できなかった(セカン
ドインターナショナル シンポジウム バイオエレクト
ロニック アンド モレキュラー エレクトロニック
デバイシズ(2nd International Symposium on Bioele
toronic and Molecular Electronic Devices)pp.83〜8
6,12月12−14日,1988)。
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術は、基板上に蛋白質を多重層膜化すること
が難しい点について配慮されておらず、ロドプシン薄膜
の光化学反応を直接検出できない問題があった。ところ
で、酵素免疫測定法(Enzyme Linked Immunsorbent Ass
ay:以下ELISAと略す)は、二次抗体に標識したパーオキ
シダーゼなどの酵素の反応により一次抗体の抗原抗体反
応を増幅できるため微量の抗原を測定できる。また、免
疫蛍光法は、蛍光色素をカップリングさせた抗体により
感度よく組織中の抗原を染色判別できる。そこで本発明
者らは、ロドプシンとメタロドプシンに対して親和性の
異なる抗体を造成できれば、該抗体をプローブとしてロ
ドプシン薄膜の光化学反応を検出できると考えた。 本発明は、ロドプシンの光化学反応に伴うロドプシン蛋
白質の変化を認識できるモノクローナル抗体を造成する
ことにより、ロドプシン薄膜の光化学反応を検出する方
法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
発明者らは、タコロドプシンの抗ロドプシン抗体を生産
するハイブリドーマを各種造成し、その特性を検討した
結果、ロドプシンとメタロドプシンに対して親和性の異
なるモノクローナル抗体を見いだし、これにより薄膜化
したタコロドプシンの光化学変化を検出することがで
き、本発明に至った。 以下、本発明を詳細に説明する。 抗ロドプシンモノクローナル抗体は、いわゆる細胞融合
法により造成されるハイブリドーマを培養することで生
産できる。抗体産生細胞と骨髄腫細胞との間でハイブリ
ドーマを造成し、抗ロドプシン抗体を産生するものをク
ローン化することで抗ロドプシンモノクローナル抗体産
生ハイブリドーマを樹立できる。これをマウス腹腔また
は培養容器内で増殖させることで該抗体を得ることがで
きる。 抗体産生細胞は、ロドプシンやメタロドプシンあるいは
ロドプシンとメタロドプシンの混合物を抗原として免疫
されたマウス脾臓細胞を使用する。免疫抗原は、粗精製
または精製標品が利用できる。粗精製標品は、眼球網膜
の視細胞感桿分体やジギトニンやシュガーエステルなど
の膜蛋白質抽出剤で該感桿分体より抽出した蛋白質抽出
液である。精製標品は、該蛋白抽出液をイオン交換クロ
マトグラフィー及びアフィニティークロマトグラフィー
より得られる。ロドプシン,メタロドプシンあるいはロ
ドプシンとメタロドプシンの混合物の調製は、起源の動
物種にそれぞれにあった方法をとれば良い。たとえば、
タコロドプシンではロドプシンとメタロドプシンの混合
物は、該粗精製あるいは精製標品溶液に青色光を照射す
ることで調製できる。そして580nm以上の赤色光を該粗
精製あるいは精製標品溶液にに照射すればロドプシンを
調製できる。またメタロドプシンは、pH10以上の該粗精
製あるいは精製標品溶液にオレンジ光を射後、pHを7以
下に下げることで調製できる。これら抗原とアジュバン
トとを混合して赤色安全光下でマウスに注射して免疫す
る。免疫は、皮下,静脈,または腹腔に1回あたり該抗
原を蛋白質量で40〜100μg、2〜3週間おきに2〜4
回注射することで行える。なお、ジギトニンやシュガー
エステルなどの膜蛋白質抽出剤は、毒性を持つものもあ
るので、事前に検査して毒性があるものについては、生
体許容量を調べることが必要である。また、マウス個体
に対して毒性の強い該抽出剤が抗原に含有される場合
は、生体外免疫法を採用すると良い。 細胞融合は、ケラーとミルシュタインらの方法に準じて
行える。融合パートナーは、BALB/cマウス由来のX63細
胞、P3U1細胞,NS−1細胞及びSP2細胞などのミエローマ
細胞を利用できる。予め培養した該ミエローマ細胞に対
して該マウス脾臓のB細胞を2〜10倍混合して遠心後、
上清を完全に吸引除去しミエローマ細胞とB細胞との混
合ペレットを得る。このペレットを良くほぐして、予め
37℃で加温した30〜50%ポリエチレングリコール(分子
量1000〜4000)を加え30〜37℃で反応させる。次いで、
血清を含まない培地を滴下混合して反応を止める。さら
に血清を含まない培地を多量に添加した後、遠心分離に
より細胞を回収する。該細胞をHAT培地に懸濁し、96穴
プレートに分注して37℃で培養する。培養3〜4日後よ
り2日毎に培養液の半量を吸引除去して新鮮なHAT培地
を添加して、ハイブリドーマのみを増殖させる。該ハイ
ブリドーマが充分に増殖した後に、 ELISAにより該抗原に対する抗体を産生するものを選抜
する。そして限界希釈法によってクローニング、抗体産
生クローンを得る。該クローンを予めプリスタンを投与
したBALB/cマウス腹腔へ移植し、10〜14日後に腹水を採
取することで抗体が得られる。また、該クローンを動物
細胞培養装置などで培養することでも抗体を生産でき
る。そして抗体は、腹水または培養液から硫安分画,イ
オン交換クロマトグラフィーなどの工程を経て精製され
る。 精製標品より調製したロドプシン及びメタロドプシンの
両抗原を用いて該抗体と競合反応させて親和性の有無を
ELISAで検定し、親和性に差のある抗体を選別する。 該抗ロドプシン抗体と抗原抗体反応を検出する方法とを
組み合わせて、ロドプシン薄膜の光化学反応を検出す
る。例えば、タコロドプシンにおいては次のようにして
光化学反応を検出できる。ロドプシン薄膜に赤色光ある
いは青色光を照射後に、ロドプシンとメタロドプシンに
対して親和性の異なる抗タコロドプシンモノクローナル
抗体で抗原抗体反応を行いELISAや螢光体方法などで該
薄膜に結合した抗体量を測定する。そして赤色光あるい
は青色光を照射したロドプシン薄膜での該抗体の結合量
を比較することで、即ち、結合量の差を検定することで
ロドプシン薄膜の光化学反応を検出できる。
【作用】
本発明は、ロドプシンとメタロドプシンに対して親和性
の異なる抗ロドプシンモノクローナル抗体と異なる波長
の光を照射したロドプシン薄膜と抗原抗体反応させ、そ
の抗原抗体反応を増幅して測定できる方法と組み合わせ
ることで、ロドプシン薄膜の光化学反応の検出を可能に
したものである。
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本
発明はこれら実施例に限定されるものではない。 実施例1 次の手法により抗タコロドプシン抗体を調製し、ロドプ
シンとメタロドプシンに対して親和性の異なる抗体を選
抜した。 1)抗原の精製 ミズダコ(Paroctopus defleini)の眼球から剥離した
網膜から視細胞の外節を回収し、ショ糖浮遊遠心分離に
より感桿分体を得た。次いで、該感桿分体ペレットを緩
衝液で懸濁し遠心分離する操作を繰り返して洗浄した。
そして該感桿分体を2%ジギトニン溶液に懸濁し1時間
振盪してロドプシンを抽出し、遠心分離により残渣を除
去して抽出液を得た。 ジギノニン抽出液からDEAE−Sephacel(ファルマシア社
製)によるイオン交換クロマトグラフィー及びCon A
−Sepharose(ファルマシア社製)を用いたアフィニテ
ィクロマトグラフィーによりロドプシンを単離した。 該精製溶液を0.1%ジギトニン含有リン酸緩衝食塩水で
希釈して、まず赤色光を照射してロドプシン溶液を調製
した。スライドオブジェクターにセットした赤色光フィ
ルター(東芝製ガラスフィルター;R−62)から1cmの距
離に該希釈液を置き、赤色光を照射し、該希釈液の吸収
極大値が475nm付近であることを分光光度計(日立製)
で確認しロドプシン溶液とした。次に、該希釈液からメ
タロドプシン溶液を調製した。該希釈液にpHが10.5程度
になるように20%炭酸ソーダ液を添加後、オレンジガラ
スフィルター(東芝製ガラスフィルター;O−58)を介し
て赤色光を照射し、該希釈液の吸収極大値を375nm付近
に移動させた。次いで、18%リン酸一カリウム溶液でpH
を6.5とし、吸収極大値がメタロドプシンの吸収極大値
(512nm)になることを確認して、メタロドプシン溶液
とした。 2)マウスの免疫 該ロドプシン溶液のジギトニン濃度をセントリコン30K
(アミコン社製)にて0.1%以下にし、さらにリン酸緩
衝食塩水で希釈して蛋白質濃度を200μg/mlとした。次
いで、青色ガラスフィルター(東芝製ガラスフィルタ
ー;V−44)を介して青色光を照射して、ロドプシンとメ
タロドプシン混合溶液とした。これを希釈して下記方法
でBALB/cマウスの腹腔に注射し、タコロドプシンを感作
した。感作方法を第1表に示す。 間隔 1回目<‐‐2週間‐‐>2回目<‐‐2週間‐‐>3
回目<‐‐2週間‐‐>最終回 アジュバント:N−acetylmuramyl−L−alany−D−isog
lutamine(シグマ社製) 3)細胞融合 最終免疫から3日後、該マウスから脾臓を摘出し脾臓細
胞とミエローマ細胞を以下の操作により融合した。 脾臓細胞2×108個、ミエローマ細胞4×107個となるよ
うに両細胞懸濁液を混合して、遠心分離(1800rpm,5
分)により混合ペレットを得た。完全に上清を除いた
後、該ペレットを混合した。これに予め37℃で加温した
50%ポリエチレングリコール1500(ベーリンガーマンハ
イム社製)1mlを1分かけて滴下した。そして1分間撹
拌した後、該培地1mlを1分かけて滴下した。さらに該
培地8mlを3分かけて滴下した後、遠心分離(1000rpm,5
分)により細胞を回収した。 該ペレットを牛血清20%を含有するHAT培地40mlに懸濁
して、96穴マイクロプレート(コーング社製)の各ウェ
ルに100μ分注した。4日後、HAT培地を100μ添加
し、それ以後2日ごとに50%の割合で新鮮なHAT培地と
交換した。培養10日目以後、2日毎に牛血清10%を含有
するHT培地で50%の割合で培地交換した。 4)ハイブリドーマの選抜 ハイブリドーマが増殖して大きいコロニーを形成したウ
ェルについて上清をサンプリングして、ELISAによりロ
ドプシンとメタロドプシン混合抗原に対する抗体を産生
するハイブリドーマを選抜した。 予めポリL−リジンでコートしたマイクロタイタープレ
ートの各ウェルにロドプシンとメタロドプシン混合抗原
(蛋白質濃度0.01mg/ml)50μを分注し、4℃で約18
時間静置した。そして1%グルタルアルデヒドを50μ
分注して1分後、リン酸緩衝食塩水で3回洗浄した。さ
らにブロッキング液(リン酸緩衝食塩水で四分の一に希
釈したブロックエース(大日本製薬製))200μを加
えて、37℃で1時間静置し、各ウェルの未吸着部分をブ
ロックした。リン酸緩衝食塩水で3回洗浄して該上清10
0μを加え、37℃で1時間静置した。0.1%ツィーン20
を含有するリン酸緩衝食塩水で3回洗浄後、ビオチン化
抗マウスイムノグロブリン抗体(ベクターステイン社製
ABCキット)溶液100μを添加して37℃で1時間静置し
た。リン酸緩衝食塩水で3回洗浄後、ビオチン化ペルオ
キシダーゼとアビジン混合溶液を100μ添加して37℃
で30分静置した。そしてリン酸緩衝衝食塩水で3回洗浄
後、0.00%過酸化水素水含有オルトフェニレンジアミン
の0.1Mくえん酸緩衝液(pH5.4)を加えて波長412nmの吸
光度を測定した。なお、並行して0.1%ジギトニン溶液
でELISAを行った。 この結果、ロドプシンとメタロドプシン混合抗原に対す
る抗体を産生するハイブリドーマ42検体を得た。次い
で、該検体について限界希釈法によりクローニングして
8株のクローンを得た。 5)モノクローナル抗体の調製 抗体精製を容易にするため該クローンを無血清培地(ER
DF培地,極東製薬製)で3日毎に継代培養を行った。い
ずれのクローンも安定して抗体を生産した。 各細胞株についてタッピング培養フラスコ(池本理化
製)を用いて浮遊培養した。フラスコ容量は200mlで仕
込み容量は70mlとした。そして温度を37℃,タッピング
撹拌子の振盪数を毎分350回とし、フラスコの気相を5
%CO2空気で置換した。そして、1日毎に新鮮培地と交
換した。 各培養液を限外濾過膜(分画分子量200,000;東洋アドバ
ンティク社製)により約五分の一に濃縮後、硫酸アンモ
ニウムによる塩析及びリン酸緩衝食塩水に対する透析に
より粗抗体液を得た。次いでモノクローナル抗体分取装
置(バイオラッド社製)にて精製した。 6)モノクローナル抗体の特性 抗体のクラス及びサブクラス 各抗体のクラス及びサブクラスをマウスモノクローナル
抗体アイソタイピングキット(アマシャム社製)にて検
定した。その結果を第2表に示す。8種抗体の内、IgG
クラスが4種及びIgMクラスが4種であった。さらにIgG
クラスのものは、IgG1のサブクラスが3種、IgG2aのサ
ブクラスが1種であった。なお、各抗体とも軽鎖はカッ
パー型であった。 ロドプシンとメタロドプシンへの親和性の差 該抗体につき、ロドプシン及びメタロドプシンで競合反
応させて、親和性を検討した。 予め96穴イムノプレートの各ウェルをポリL−リジンで
コートし、ロドプシンあるいはメタロドプシン溶液(0.
1%ジギトニン含有)を50μ添加して、37℃に1時間
置いた。次いで、1%グルタルアルデヒド溶液を50μ
添加して1分後、リン酸緩衝食塩水で3回洗浄した。さ
らにブロッキング液(リン酸緩衝食塩水で四分の一に希
釈したブロックエース(大日本製薬製))200μを加
えて、37℃で1時間静置し、各ウェルの未吸着部分をブ
ロックした。リン酸緩衝食塩水で3回洗浄後、各抗体溶
液25μと適宜希釈したロドプシン溶液25μあるいは
メタロドプシン溶液25μとを加え、37℃で1時間静置
した。0.1%ツィーン20を含有するリン酸緩衝食塩水で
3回洗浄後、ビオチン化抗マウスイムノグロブリン抗体
(ベクターステイン社製ABCキット)溶液100μ添加し
て37℃で1時間静置した。リン酸緩衝食塩水で3回洗浄
後、ビオチン化ペルオキシダーゼとアビジン混合溶液を
100μ添加して37℃で30分静置した。そしてリン酸緩
衝食塩水で3回洗浄後、0.001%過酸化水素水含有オル
トフェニレンジアミンの0.1Mくえん酸緩衝液(pH5.4)
を加えて波長412nmの吸光度を測定した。 測定結果を第1図に示す。縦軸は、遊離抗原が固定抗原
への抗体の結合を阻害した量を遊離抗原のロドプシンと
メタロドプシンの比で示した。横軸は、遊離抗原の量を
示す。第1図は、固定抗原をロドプシンとした場合のも
ので、固定抗原をメタロドプシンとしても殆ど同じ結果
があった。 R1,R2,R3.R5,R7及びR8抗体は、遊離抗原のロドプシンと
メタロドプシンによる差はないのに対して、R4及びR6抗
体は、遊離抗原のメタロドプシンでより阻害された。即
ち、両抗体は、メタロドプシンに対して親和性が高いこ
とが明らかとなった 認識部位 上記2抗体について認識部位を検討した。 まずタコロドプシンのトリプシン限定分解生成物に対す
るイムノブロットを行った。その結果、両抗体とも分子
量28,000の分解生成物を認識した。ところで、タコロド
プシンの1次構造は、アブジュドルフらにより解明さ
れ、7本のヘリックスがや膜を貫通した2次構造が推定
されている(フェブスレターズ(FEBS Letters),232
巻,No.1,pp.69〜72(1988))。分子量28,000の断片
は、N未端の1番目から5番目までのヘリックスを含む
領域である。そこでこの領域にある膜外に出た部位、即
ち、親水性領域のペプチドを合成し、カルボジイミドで
牛血清アルブミン(BSA)と結合し、該抗体との交差反
応の有無をELISAで検討した。なお、ペプチドの合成
は、ペプチド合成装置(ファルマシア製)でFmoc法によ
り行った。 第3表に牛血清アルブミン(BSA)結合ペプチドに対す
る交差反応を示した測定結果を示す。このときのペプチ
ドのアミノ酸配列は下記の通りである。なお、第3表に
は他の抗体の結果についても併記した。 R4及びR6抗体が、該ペプチドと交差反応することが分か
った。そして該ペプチドは、3番目と4番目のヘリック
スを結ぶ親水性領域であることから、両抗体はこの部分
を認識していると考えられた。 (合成ペプチドのアミノ酸配列) N末端 Val−Ile−Gly−Arg−Pro−Met−Ala−Ala−Se
r−Lys−Lys−Met−Ser C末端 実施例2 R4抗体を用いて、タコロドプシン薄膜の光化学反応の有
無を検討した。 タコロドプシン薄膜の造成は次の通りである。ラングミ
ュアトラフ(ジョイスレーベル社製)に純水を張り、こ
れに0.2%ジギトニン含有タコロドプシン溶液100μを
展開して、50mN/mまで圧縮した。タコロドプシン溶液の
π−A曲線は、ジギトニンのみのものと比べ表面圧の上
昇割合が大きく、気液界面上にタコロドプシン分子がパ
ッキングされていることを確認できた。そこで20mN/mk
で石英基板をディピングスピード5mm/minで4回上下し
て、液面上の膜を該基板上に移した。該タコロドプシン
薄膜に安全赤色光下で赤色あるいは青色光を照射して、
それぞれELISAにより光化学反応の有無を検討した。 分析操作は、安全赤色光下で行った。まず、タコロドプ
シン薄膜付きの該石英基板をブロッキング液に浸漬し、
37℃で1時間加温した。ついで、リン酸緩衝食塩水で洗
浄後、R4抗体溶液に浸漬し、37℃で1時間加熱した。そ
して、実施例1の親和性の検定法と同様に操作を進め
た。最後に 0.001%過酸化水素水含有オルトフェニレンジアミン溶
液(pH5.4)に該石英基板を浸し、溶液の吸光度を波長4
12nmで測定した。なお、コントロールとしてR7抗体及び
抗ジニトロフェニル抗体についても同様な操作を行っ
た。 タコロドプシン薄膜の光化学反応の検定の測定結果を第
4表に示す。R7抗体では赤色光と青色光照射したタコロ
ドプシン薄膜で吸光度に変化はないが、R4抗体では青色
光の場合の方が吸光度値が高く、赤色光と青色光照射し
たタコロドプシン薄膜で吸光度に違いがあり、光化学反
応による変化があることが明らかとなった。 以上、ロドプシンおよびメタロドプシンで親和性の異な
る抗体と酵素免疫測定方法等の抗原抗体反応を増幅でき
る方法とを組み合わせることで、薄膜化したタコロドプ
シンの光化学反応を検出できた。
【発明の効果】
本発明によれば、ロドプシン薄膜の光化学反応を検出で
きることから、ロドプシンを用いた光センサーや光メモ
リーなどの光情報を出力するトランスデューサーを提供
することができ、ロドプシン薄膜を用いた光情報処理素
子を構築できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、抗タコロドプシン抗体におけるロドプシンと
メタロドプシンの親和性の有無を示した線図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 範夫 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所基礎研究所内 (56)参考文献 J.Cell.Biol 101 5pt. 2 222a 1985

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ロドプシンとメタロドプシンに対して親和
    性の異なる抗ロドプシンモノクローナル抗体を、異なる
    波長の光を照射した二つのロドプシン薄膜のそれぞれに
    作用させ、それぞれの薄膜での抗体結合量を比較して、
    ロドプシンの光化学反応を検出することを特徴とするロ
    ドプシン薄膜の光化学反応検出方法。
  2. 【請求項2】上記ロドプシンが頭足類のロドプシンであ
    ることを特徴とする請求項1記載のロドプシン薄膜の光
    化学反応検出方法。
  3. 【請求項3】上記ロドプシンがタコロドプシンであるこ
    とを特徴とする請求項1または2記載のロドプシン薄膜
    の光化学反応検出方法。
  4. 【請求項4】上記メタロドプシンに対して親和性の高い
    抗タコロドプシン抗体を使用することを特徴とする請求
    項1記載のロドプシン薄膜の光化学反応検出方法。
  5. 【請求項5】蛋白質に結合した下記ペプチドと交差反応
    する抗タコロドプシン抗体を使用することを特徴とする
    請求項4記載のロドプシン薄膜の光化学反応検出方法。 N末端 Val−Ile−Gly−Arg−Pro−Met−Ala−Ala−Se
    r−Lys−Lys−Met−Ser C末端
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