JPH07154256A - A/d変換装置及び物理量検出装置 - Google Patents

A/d変換装置及び物理量検出装置

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JPH07154256A
JPH07154256A JP5296565A JP29656593A JPH07154256A JP H07154256 A JPH07154256 A JP H07154256A JP 5296565 A JP5296565 A JP 5296565A JP 29656593 A JP29656593 A JP 29656593A JP H07154256 A JPH07154256 A JP H07154256A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 動作条件の変動に伴い生じる数値化誤差を自
己補正可能なA/D変換装置及びこのA/D変換装置を
備えた物理量検出装置を提供する。 【構成】 磁気変化を検出する物理量検出装置を、発振
器16,18から磁気変化に応じて変化する発振周波数
のパルス信号CKA,CKBを出力させ、カウンタ・デ
コーダ部22,24により、各パルス信号CKA,CK
Bから、磁気変化に対応して位相差が変化するパルス信
号PA,PCと、パルス信号PAに対して発振器16の
発振周波数に応じた所定の位相差を有するパルス信号P
Bとを生成し、更に、パルス位相差符号化回路30に
て、パルス信号PAとPCとの位相差、及びパルス信号
PAとPBとの位相差を夫々数値化して、除算器50に
より、その数値化されたデジタル値DC,DBの比率D
D(=DB/DC)を求め、この値DDから磁気変化を
表す検出信号POを生成するように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、入力信号のレベル又は
位相差を数値化するA/D変換装置及びこのA/D変換
装置を備えた物理量検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば車両用エンジン制御装
置等、制御対象の動作状態を各種センサにより検出し
て、制御対象をフィードバック制御する制御装置では、
高精度な制御を実現するためにマイクロコンピュータ等
の論理演算回路が使用されている。そして、こうした制
御装置では、センサにより得られたアナログ検出信号を
そのまま取り扱うことができないため、その検出信号を
数値化するA/D変換装置が使用されている。
【0003】また従来より、例えば特開平3−1255
14号公報,特開平3−220814号公報等に開示さ
れているように、検出対象物の位置や回転速度等の物理
量を検出する物理量検出装置(センサ)として、検出対
象物の物理量の変化に応じて特性が変化する検出素子
と、検出素子の特性変化に応じて発振周波数が変化する
発振回路とからなる一対の発振装置を用いて、物理量の
変化に応じて位相差が変化する2個のパルス信号を生成
し、このパルス信号の位相差を、パルス位相差符号化回
路(時間A/D変換装置)により数値化して出力する物
理量検出装置が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、こうし
た時間A/D変換装置や一般のA/D変換装置を用いて
入力信号のレベルや位相差を数値化する場合、電源電圧
や周囲温度等の動作条件が変動すると、A/D変換装置
の動作特性が変化して、数値化した値が実際とは異なる
値になってしまうことがあった。
【0005】例えば、上記時間A/D変換装置を備えた
物理量検出装置を自動車に搭載してエンジン制御等の各
種制御を行う場合、バッテリ出力が低下している状態で
スタータスイッチをオンしたり、電源供給ラインに誘導
ノイズが重畳されると、物理量検出装置の電源電圧が変
動するため、こうした電源電圧の変動時に物理量検出装
置により得られた値は実際の物理量とは対応しなくな
り、この状態ではエンジン等の制御対象を誤制御してし
まうことになる。
【0006】本発明は、こうした問題に鑑みなされたも
ので、動作条件の変動に伴い生じる数値化誤差を自己補
正可能なA/D変換装置及びこのA/D変換装置を備え
た物理量検出装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めになされた請求項1に記載のA/D変換装置は、入力
信号を数値化するA/D変換手段と、該A/D変換手段
に、数値化すべき数値化信号と共に、所定の基準信号を
入力し、これら各信号を夫々数値化させる信号入力手段
と、上記A/D変換手段にて数値化された上記数値化信
号及び上記基準信号の値を夫々読み込み、上記数値化信
号の上記基準信号に対する比率を演算して、該演算結果
を上記数値化信号の真の値として出力する演算手段と、
を備えたことを特徴としている。
【0008】また請求項2に記載のA/D変換装置は、
請求項1に記載のA/D変換装置において、上記A/D
変換手段として、2個のパルス信号の位相差を数値化す
る時間A/D変換手段を備え、上記信号入力手段が、該
時間A/D変換手段に対して、数値化すべき位相差を有
する2個の数値化パルスと、該2個の数値化パルスの内
の一方の数値化パルスに対して所定の位相差を有する基
準パルスとを夫々入力し、上記2個の数値化パルスの位
相差、及び上記所定の位相差を有する数値化パルスと基
準パルスとの位相差、を夫々数値化させることを特徴と
している。
【0009】次に請求項3に記載の物理量検出装置は、
請求項2に記載のA/D変換装置を備えた物理量検出装
置であって、検出対象の物理量を検出する検出素子と、
該検出素子による物理量の検出値に応じて位相差が変化
する2個のパルス信号を上記数値化パルスとして生成す
る数値化パルス生成手段と、該数値化パルス生成手段と
同一条件で動作し、該数値化パルス生成信号が生成した
2個の数値化パルスの内の一方の数値化パルスに対して
所定の位相差を有する基準パルスを生成する基準パルス
生成手段と、を備えたことを特徴としている。
【0010】
【作用及び発明の効果】上記のように構成された請求項
1に記載のA/D変換装置においては、まず信号入力手
段が、A/D変換手段に対して、数値化すべき数値化信
号と共に所定の基準信号を入力し、これら各信号を夫々
数値化させる。すると、演算手段が、A/D変換手段に
て数値化された数値化信号及び基準信号の値を夫々読み
込み、数値化信号の基準信号に対する比率を演算して、
その演算結果を数値化信号の真の値として出力する。
【0011】すなわち、電源電圧や周囲温度等の動作条
件の変動によってA/D変換手段による数値化結果に誤
差が生じた場合、その誤差の比率は、数値化した信号に
よらず一定となる。従って、A/D変換手段に、値の異
なる2種の信号を夫々数値化させた場合、各信号の数値
化結果は、動作条件の変動によって誤差が生じるもの
の、その比率は、動作条件の変動にかかわらず常に一定
の値となる。そこで、本発明では、A/D変換手段に、
数値化すべき数値化信号と基準信号とを夫々入力して数
値化させ、その数値化結果から、数値化信号の基準信号
に対する比率を求め、この比率を数値化信号の値とする
のである。
【0012】従って、本発明によれば、A/D変換手段
の動作条件が変動しても、数値化結果としては常に数値
化信号に対応した値を得ることができるようになる。ま
た、本発明によれば、A/D変換手段の電源電圧や周囲
温度等の動作条件の変動に対する数値化誤差を補正する
ことができるだけでなく、A/D変換手段の製造上のば
らつきや電磁ノイズ等の外乱による数値化誤差も補正す
ることができる。
【0013】次に、請求項2に記載のA/D変換装置に
おいては、A/D変換手段として、2個のパルス信号の
位相差を数値化する時間A/D変換手段を備えており、
信号入力手段が、この時間A/D変換手段に対して、数
値化すべき位相差を有する2個の数値化パルスと、該2
個の数値化パルスの内の一方の数値化パルスに対して所
定の位相差を有する基準パルスとを夫々入力することに
より、時間A/D変換手段に、2個の数値化パルスの位
相差、及び上記所定の位相差を有する数値化パルスと基
準パルスとの位相差、を夫々数値化させる。
【0014】つまり、本発明のA/D変換装置は、時間
A/D変換手段により2個のパルス信号の位相差を数値
化する時間A/D変換装置であるため、時間A/D変換
手段に対して、数値化すべき位相差を有する2個の数値
化パルスと、この数値化パルスの一方と所定の位相差を
有する基準パルスとを入力することにより、2個の数値
化パルスの位相差(数値化すべき位相差)と、所定の位
相差を有する数値化パルスと基準パルスとの位相差(基
準となる位相差)とを夫々数値化させ、その後は、請求
項1に記載のA/D変換装置と同様、演算手段の動作に
よって、数値化パルスと基準パルスとの位相差に対する
2個の数値化パルスの位相差の比率を求めて、この比率
を数値化パルスの位相差を表わす真の値として出力する
のである。
【0015】従って、本発明によれば、請求項1に記載
のA/D変換装置と同様、時間A/D変換手段の動作条
件が変動したとしても、数値化結果として、常に数値化
すべき位相差に対応した値を得ることができる。また次
に請求項3に記載の物理量検出装置は、請求項2に記載
のA/D変換装置を備えている。そして、検出素子が検
出対象の物理量を検出し、数値化パルス生成手段が、検
出素子による物理量の検出値に応じて位相差が変化する
2個のパルス信号を数値化パルスとして生成し、基準パ
ルス生成手段が、数値化パルス生成信号が生成した2個
の数値化パルスの内の一方の数値化パルスに対して所定
の位相差を有する基準パルスを生成する。
【0016】従って、これら各パルス生成手段にて生成
された2個の数値化パルスと基準パルスとが信号入力手
段を介して時間A/D変換手段に入力され、時間A/D
変換手段により、物理量に応じた位相差を有する2個の
数値化パルスの位相差、及び所定の位相差を有する数値
化パルスと基準パルスとの位相差が夫々数値化され、演
算手段の動作によって、基準となる位相差に対する物理
量に応じた位相差の比率が求められ、その値が、物理量
を表わす真の値として出力されることになる。
【0017】この結果、本発明によれば、検出素子にて
検出した物理量を、時間A/D変換手段の動作条件の変
動に影響されることなく、常に正確に数値化して出力す
ることができるようになり、この出力値を利用して各種
制御を実行する場合の制御精度を向上することが可能と
なる。
【0018】また、基準パルス生成手段は、数値化パル
ス生成手段と同一条件で動作するため、数値化パルス生
成手段の動作条件が変動して、時間A/D変換手段に入
力される2個の数値化パルスの位相差が実際の物理量と
は対応しなくなった場合には、時間A/D変換手段に入
力される基準パルスと数値化パルスとの位相差も、その
動作条件の変動に応じて変化する。
【0019】この結果、本発明によれば、数値化パルス
生成手段の動作条件が変動したとしても、時間A/D変
換手段に入力される上記各パルスの位相差の比率が変動
することはなく、従って、数値化パルス生成手段の動作
条件に影響されることなく、常に実際の物理量に対応し
た値を出力することができるようになる。
【0020】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面と共に説明す
る。まず図1は、本発明が適用された物理量検出装置の
構成を表わすブロック図である。なお、本実施例の物理
量検出装置は、時間A/D変換手段として特開平3−2
20814号公報に開示されたパルス位相差符号化回路
を備え、物理量として磁気の変化を検出するものであ
る。
【0021】図1に示す如く、本実施例の物理量検出装
置は、作用する磁気の強度に応じて抵抗値が変化する一
対の磁気抵抗素子12,14を備えている。これら各磁
気抵抗素子12,14は、同一形状を有し、同じ磁気の
変化に対して抵抗値が逆方向に変化するよう、互いに9
0度ずらせて配置されている。
【0022】次に、これら各磁気抵抗素子12,14
は、夫々、各磁気抵抗素子12,14の抵抗変化に応じ
て発振周波数が変化する一対の発振器16,18に接続
されている。各発振器16,18は、波形整形回路を内
蔵しており、各磁気抵抗素子12,14の抵抗値によっ
て決定される発振周波数に等しい周波数のパルス信号C
KA,CKB(図5参照)を生成して、各パルス信号C
KA,CKBを、夫々、カウンタ・デコーダ部22,2
4に出力する。
【0023】ここで、発振器16からのパルス信号CK
Aを受けるカウンタ・デコーダ部22は、図2に示す如
く、パルス信号CKAをカウントしてカウント信号C1
A 〜C4A を出力するカウンタ22aと、このカウン
ト信号C1A 〜C4A を受け、カウンタ22aによる計
数値が計数開始後所定値(本実施例では9)に達するま
での間、パルス信号PA(図5参照)を出力すると共
に、計数値が所定値(本実施例では8)に達したときに
パルス信号PC(図5参照)を出力するデコーダ22b
とから構成されている。
【0024】また、図示しないが、発振器18からのパ
ルス信号CKBを受けるカウンタ・デコーダ部24は、
上記カウンタ・デコーダ部22と略同様に、パルス信号
CKBをカウントするカウンタと、このカウンタによる
計数値が所定値(本実施例では5)に達したときにパル
ス信号PC(図5参照)を出力するデコーダとから構成
されている。
【0025】なお、カウンタ・デコーダ部22内のデコ
ーダ22bは、パルス信号PA,PCを出力するだけで
なく、カウンタ22aによる計数値が所定値(本実施例
では9)に達したときに、カウンタ22a及びカウンタ
・デコード部24内のカウンタを共にリセットさせるリ
セット信号RSTを出力すると共に、これら両カウンタ
による次回の計数の開始の同期をとるために、発振器1
8に対して同期信号Syncを出力する。
【0026】そして、上記各カウンタ・デコーダ部2
2,24から出力されるパルス信号PA〜PCの内、パ
ルス信号PAは、パルス位相差符号化回路30にそのま
ま入力され、パルス信号PB及びPCは、OR回路26
を介して、パルス位相差符号化回路30及びレジスタ回
路40に入力される。
【0027】次に、パルス位相差符号化回路30は、図
3に示す如く、NAND回路及び偶数個の反転回路(イ
ンバータ)をリング状に連結したリング遅延パルス発生
回路32と、カウンタ34と、パルスセレクタ36と、
エンコーダ38とから構成されており、パルス信号PA
は、リング遅延パルス発生回路32を構成するNAND
回路の一方に入力され、パルス信号PB及びPCは、パ
ルスセレクタ36に入力される。
【0028】このパルス位相差符号化回路30は、特開
平3−220814号に開示されたものと略同様であ
り、次のように動作する。まず、リング遅延パルス発生
回路32のNAND回路にはパルス信号PAが入力され
ているため、パルス信号PAがLow レベルであれば、N
AND回路の出力がHighレベルに固定される。次にパル
ス信号PAがHighレベルになると、NAND回路の出力
がHighレベルからLow レベルに反転し、その後、NAN
D回路の出力に連結されたインバータの出力が順次反転
して行く。またインバータは偶数段であるため、最終段
のインバータの出力はLow レベルとなり、NAND回路
にLow レベルの信号が入力される。この結果、NAND
回路の出力はLow レベルからHighレベルに反転し、再
度、NAND回路の出力に連結されたインバータの出力
が順次反転する。
【0029】つまり、リング遅延パルス発生回路32で
は、パルス信号PAがHighレベルでなければ、各インバ
ータの出力が所定レベルに固定(リセット)され、パル
ス信号PAがHighレベルになると、リングを形成してい
る各回路による遅延時間を伴って、パルス信号PAが周
回することになる。
【0030】またリング遅延パルス発生回路32は、そ
の経路の途中から、パルス信号PAが通過したNAND
回路及びインバータの段数によって遅延時間が決まると
ころの複数の遅延パルスを、パルスセレクタ36に出力
する。そして、パルスセレクタ36は、パルス信号P
B,PCが入力される度に、パルス信号PAが達してい
る段の遅延パルスを選択し、この選択した遅延パルスに
対応する信号をエンコーダ38に出力する。するとエン
コーダ38は、その入力に対応する2進数のデジタル信
号を出力する。
【0031】またリング遅延パルス発生回路32内での
パルス信号PAの周回回数は、カウンタ34によりカウ
ントされ、カウンタ34は、そのカウント結果を、エン
コーダ38の出力の上位ビットとして出力する。なお、
このカウンタ34は、入力信号の立上がり及び立下がり
の両エッジでカウント動作する。
【0032】この結果、パルス位相差符号化回路30か
らは、パルス信号PAの立ち上がりからパルス信号PB
の立ち上がりまでの時間、及びパルス信号PAの立ち上
がりからパルス信号PCの立ち上がりまでの時間、に夫
々対応したデジタル値DB,DC(図5参照)が順次出
力されることになる。
【0033】次にレジスタ回路40は、OR回路26を
介して入力されるパルス信号PB,PCを受けて、パル
ス位相差符号化回路30から順次出力されるデジタル値
DB,DCを夫々ラッチするものであり、パルス位相差
符号化回路30からのデジタル値を直接ラッチするレジ
スタ42と、このレジスタ42にラッチされたデジタル
値をラッチするレジスタ44とにより、所謂シフトレジ
スタとして構成されている。
【0034】つまり、このレジスタ回路40では、パル
ス位相差符号化回路30からデジタル値DBが出力され
ると、パルス信号PBによって、その値DBを一旦レジ
スタ42にラッチし、次にパルス位相差符号化回路30
からデジタル値DCが出力されると、パルス信号PCに
よって、その値DCをレジスタ42にラッチすると共
に、レジスタ42が今までラッチしていたデジタル値D
Bをレジスタ44にシフトさせる。
【0035】従って、上記カウンタ・デコーダ22,2
4がリセット信号RSTによりリセットされるタイミン
グでは、レジスタ42によりパルス信号PAとPCとの
位相差を表わすデジタル値DCがラッチされ、レジスタ
44によりパルス信号PAとPBとの位相差を表わすデ
ジタル値DBがラッチされることになる。
【0036】次にこのようにレジスタ回路40にてラッ
チされたデジタル値DB,DCは、除算器50に入力さ
れる。この除算器50は、デジタル値DBをデジタル値
DCにて除算(DD=DB/DC)し、その除算結果D
Dを、磁気抵抗素子12,14に作用している磁気の強
度を表わす値として出力するものであり、前述の演算手
段に相当する。
【0037】すなわち、まず、レジスタ回路40にてラ
ッチされたデジタル値DB,DCの内、パルス信号PA
とパルス信号PBとの位相差を表わすデジタル値DB
は、発振器18から出力されるパルス信号CKBの5個
分の時間に対応し、発振器18の発振周波数,換言すれ
ば磁気抵抗素子14が検出した磁気強度に応じて変化す
るため、当該装置にて検出すべき磁気変化は、このデジ
タル値DBの変化から検出することができる。
【0038】しかし、電源電圧や周囲温度等、当該装置
の動作条件が変動すると、発振器18の発振周波数や、
パルス位相差符号化回路30内のNAND回路,インバ
ータ等の動作時間が変化して、パルス位相差符号化回路
30により得られるデジタル値DBも変動する。例え
ば、図5に示す如く、電源電圧VDDが変動した場合、実
際には磁気変化が生じていないにもかかわらず、デジタ
ル値DBが50から40へと変化することがある。従っ
て、デジタル値DBだけでは磁気変化を正確に検出する
ことができない。
【0039】そこで本実施例では、発振器18と同一条
件で動作する発振器16からのパルス信号CKAによ
り、パルス信号PAに対してパルス信号CKAの8個分
の時間に対応した位相差を有するパルス信号PCを生成
し、その位相差をパルス位相差符号化回路30にて数値
化することにより、動作条件の変動に応じてデジタル値
DBと同じ比率で変化するデジタル値DCを生成し、更
に除算器50において、デジタル値DBをデジタル値D
Cにて除算することにより、実際に磁気が変化した場合
にのみ変化するデジタル値DDを生成しているのであ
る。
【0040】この結果、図5に示す如く、例えば電源電
圧VDDの変動によってデジタル値DBが50から40へ
と変化した場合には、デジタル値DCが100から80
へと同じ比率で変化し、除算器50にて得られるデジタ
ル値DDは一定値(0.5)となる。
【0041】なお、デジタル値DCは、発振器16の発
振周波数,換言すれば磁気抵抗素子12が検出した磁気
強度に応じて変化するため、磁気変化が生じた場合に
は、デジタル値DBとは逆方向に変化する。従って、実
際に磁気変化が生じた場合には、デジタル値DDはその
変化量に応じて大きく変化することになる。
【0042】次に、上記のように除算器50にて生成さ
れたデジタル値DDは、デジタルコンパレータ60に入
力される。デジタルコンパレータ60は、図4に示す如
く、除算器50から入力されたデジタル値DDをラッチ
するラッチ回路62と、このラッチ回路62にてラッチ
された前回のデジタル値DD(i-1) と除算器50から今
回入力されたデジタル値DDとの差を演算する減算器6
4と、減算器64による演算結果が正か負かを表わす符
号ビット信号を、磁気変化を表わす検出信号POとして
出力するフリップフロップ回路66とから構成されてい
る。
【0043】つまり、このデジタルコンパレータ60で
は、除算器50にて得られた磁気の変化に応じて変化す
るデジタル値DDが増加から減少及び減少から増加へと
転じるときにレベルが反転する信号を生成して、これを
検出信号POとして外部に出力するのである。従って、
本実施例の物理量検出装置によれば、この検出信号PO
から磁気変化を検出することができるようになる。
【0044】以上説明したように、本実施例の物理量検
出装置においては、発振器16,18から磁気変化に応
じて変化する発振周波数のパルス信号CKA,CKBを
出力させ、カウンタ・デコーダ部22,24により、こ
れら各パルス信号CKA,CKBに基づき、磁気変化に
対応して位相差が変化するパルス信号PA,PCとパル
ス信号PAに対して発振器16の発振周波数に応じた所
定の位相差を有するパルス信号PBとを生成し、パルス
位相差符号化回路30にて、パルス信号PAとPCとの
位相差、及びパルス信号PAとPBとの位相差を夫々数
値化して、除算器50により、その数値化されたデジタ
ル値DC,DBの比率DD(=DB/DC)を求め、こ
の値DDから磁気変化を検出するようにされている。
【0045】従って、本実施例の物理量検出装置によれ
ば、図6に示す如く、電源電圧VDD等の変動によって、
パルス位相差符号化回路30によって数値化されたデジ
タル値DB,DCが変動しても、除算器50によって得
られるデジタル値DDが変動することはなく、デジタル
コンパレータ60から出力される磁気変化を表わす検出
信号POが変化することはない。
【0046】つまり、磁気変化が生じた場合には、パル
ス信号PAとパルス信号PBとの位相差を表わすデジタ
ル値DBが変化するため、デジタルコンパレータ60に
このデジタル値DBをそのまま入力すれば、磁気変化に
応じて変化する検出信号POを得ることができる。とこ
ろが、このようにすると、電源電圧VDD等の装置の動作
条件が変動したとき、その変動に応じてデジタル値DB
も変化するため、デジタルコンパレータ60から出力さ
れる検出信号POは、図6に点線で示すように、実際に
は磁気変化が生じていないにもかかわらず変化するよう
になり、この検出信号POを受ける制御装置は、制御対
象を誤制御してしまうことになる。しかし、本実施例で
は、電源電圧VDD等の装置の動作条件が変動しても、デ
ジタルコンパレータ60から出力される検出信号POは
変化せず、実際に磁気変化が生じた場合にだけ、検出信
号POが変化するようになるため、制御装置側で磁気変
化を正確に検知して制御対象を制御することができ、当
該装置の動作条件の変化による誤制御を確実に防止する
ことができるようになる。
【0047】以上、本発明の一実施例について説明した
が、本発明はこうした物理量検出装置だけでなく、上述
のパルス位相差符号化回路30のように2個のパルス信
号の位相差を数値化する時間A/D変換装置や、入力信
号の電圧レベルを数値化するA/D変換装置にもそのま
ま適用することができる。
【0048】また上記実施例では、物理量検出装置が磁
気変化を検出するものであるとして説明したが、上記実
施例の検出回路を使用すれば、検出対象となる物理量が
磁気以外のものであっても、上記実施例と同様に検出す
ることができる。例えば、磁気抵抗素子12,14の代
わりに歪ゲージ抵抗線を使用すれば、物理量として歪を
検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の物理量検出装置全体の構成を表わすブ
ロック図である。
【図2】実施例のカウンタ・デコーダ部22の構成を表
わすブロック図である。
【図3】実施例のパルス位相差符号化回路の構成を表わ
すブロック図である。
【図4】実施例のデジタルコンパレータの構成を表わす
ブロック図である。
【図5】実施例の物理量検出装置の動作を表わすタイム
チャートである。
【図6】実施例の物理量検出装置におけるデジタル値D
Bの補正動作を表わすタイムチャートである。
【符号の説明】
12,14…磁気抵抗素子 16,18…発振器 22,24…カウンタ・デコーダ部 26…OR回路 30…パルス位相差符号化回路 32…リング遅延パ
ルス発生回路 34…カウンタ 36…パルスセレクタ 38…エ
ンコーダ 40…レジスタ回路 50…除算器 60…デジタ
ルコンパレータ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力信号を数値化するA/D変換手段
    と、 該A/D変換手段に、数値化すべき数値化信号と共に、
    所定の基準信号を入力し、これら各信号を夫々数値化さ
    せる信号入力手段と、 上記A/D変換手段にて数値化された上記数値化信号及
    び上記基準信号の値を夫々読み込み、上記数値化信号の
    上記基準信号に対する比率を演算して、該演算結果を上
    記数値化信号の真の値として出力する演算手段と、 を備えたことを特徴とするA/D変換装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のA/D変換装置におい
    て、 上記A/D変換手段として、2個のパルス信号の位相差
    を数値化する時間A/D変換手段を備え、 上記信号入力手段が、該時間A/D変換手段に対して、
    数値化すべき位相差を有する2個の数値化パルスと、該
    2個の数値化パルスの内の一方の数値化パルスに対して
    所定の位相差を有する基準パルスとを夫々入力し、上記
    2個の数値化パルスの位相差、及び上記所定の位相差を
    有する数値化パルスと基準パルスとの位相差、を夫々数
    値化させることを特徴とするA/D変換装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のA/D変換装置を備え
    た物理量検出装置であって、 検出対象の物理量を検出する検出素子と、 該検出素子による物理量の検出値に応じて位相差が変化
    する2個のパルス信号を上記数値化パルスとして生成す
    る数値化パルス生成手段と、 該数値化パルス生成手段と同一条件で動作し、該数値化
    パルス生成信号が生成した2個の数値化パルスの内の一
    方の数値化パルスに対して所定の位相差を有する基準パ
    ルスを生成する基準パルス生成手段と、 を備えたことを特徴とする物理量検出装置。
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