JPH07153689A - 半導体およびその作製方法 - Google Patents

半導体およびその作製方法

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JPH07153689A
JPH07153689A JP6162704A JP16270494A JPH07153689A JP H07153689 A JPH07153689 A JP H07153689A JP 6162704 A JP6162704 A JP 6162704A JP 16270494 A JP16270494 A JP 16270494A JP H07153689 A JPH07153689 A JP H07153689A
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宏勇 張
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 信頼性の高い結晶性珪素膜を用いたTFTを
得る。 【構成】 基板11上の下地膜12上に島状に形成され
た非晶質珪素膜13と酸化珪素膜14とを形成し、その
上から珪化ニッケル膜15を成膜する。そして加熱処理
することによりニッケルシリサイドを16の部分に形成
し、その後珪化ニッケル膜15を取り除く。そして、熱
アニールすることによって、17で示すような基板に平
行な方向への結晶成長を行わせ、結晶性珪素膜を得る。
そしてこの結晶性珪素膜を利用してTFTを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本明細書で開示する発明は、結晶
性を有する薄膜珪素半導体を用いた半導体装置およびそ
の作製方法に関する。例えば、ガラス等の絶縁基板上に
設けられたTFT(薄膜トランジスタ)およびその作製
方法に関する。また本明細書で開示簾発明は、薄膜半導
体を用いたバイポーラトランジスタやダイオード、さら
にはキャパシタや抵抗体に利用することができる。
【0002】
【従来の技術】ガラス等の絶縁基板上にTFTを形成す
る構成を利用したものとして、これらのTFTを画素の
駆動に用いるアクティブ型液晶表示装置やイメージセン
サー等が知られている。
【0003】これらの装置に用いられるTFTには、薄
膜状の珪素半導体を用いるのが一般的である。薄膜状の
珪素半導体としては、非晶質珪素半導体(a−Si)か
らなるものと結晶性を有する珪素半導体からなるものの
2つに大別される。非晶質珪素半導体は作製温度が低
く、気相法で比較的容易に作製することが可能で量産性
に富むため、最も一般的に用いられているが、導電率等
の物性が結晶性を有する珪素半導体に比べて劣るため、
今後より高速特性を得る為には、結晶性を有する珪素半
導体からなるTFTの作製方法の確立が強く求められて
いた。尚、結晶性を有する珪素半導体としては、多結晶
珪素、微結晶珪素、結晶成分を含む非晶質珪素、結晶性
と非晶質性の中間の状態を有するセミアモルファス珪素
等が知られている。
【0004】これら結晶性を有する薄膜状の珪素半導体
を得る方法としては、 (1) 成膜時に結晶性を有する膜を直接成膜する。 (2) 非晶質の半導体膜を成膜しておき、レーザー光
のエネルギーにより結晶性を有せしめる。 (3) 非晶質の半導体膜を成膜しておき、熱エネルギ
ーを加えることにより結晶性を有せしめる。 と言った方法が知られている。しかしながら、(1)の
方法は良好な半導体物性を有する膜を基板上に全面に渡
って均一に成膜することが技術上困難であり、また成膜
温度が600℃以上と高いので、安価なガラス基板が使
用できないというコストの問題もあった。また、(2)
の方法は、現在最も一般的に使用されているエキシマレ
ーザーを例にとると、レーザー光の照射面積が小さいた
め、スループットが低いという問題がまずあり、また大
面積基板の全面を均一に処理するにはレーザーの安定性
が充分ではなく、次世代の技術という感が強い。(3)
の方法は、(1)、(2)の方法と比較すると大面積に
対応できるという利点はあるが、やはり加熱温度として
600℃以上の高温にすることが必要であり、安価なガ
ラス基板を用いることを考えると、さらに加熱温度を下
げる必要がある。特に現在の液晶表示装置の場合には大
画面化が進んでおり、その為ガラス基板も同様に大型の
物を使用する必要がある。この様に大型のガラス基板を
使用する場合には、半導体作製に必要不可欠な加熱工程
における縮みや歪みといったものが、マスク合わせ等の
精度を下げ、大きな問題点となっている。特に現在最も
一般的に使用されているコーニング7059ガラスの場
合には、歪み点が593℃であり、従来の加熱結晶化方
法では大きな変形を起こしてしまう。また、温度の問題
以外にも現在のプロセスでは結晶化に要する加熱時間が
数十時間以上にも及ぶので、さらにその時間を短くする
ことも必要である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本明細書で開示する発
明は、上記の問題を解決する手段を提供するものであ
る。より具体的には非晶質珪素からなる薄膜を加熱によ
り結晶化させる方法を用いた、結晶性を有する珪素半導
体からなる薄膜の作製方法において、結晶化に必要な温
度の低温化と時間の短縮を両立するプロセスを提供する
ことをその目的とする。勿論、本明細書で開示する発明
で提供されるプロセスを用いて作製した結晶性を有する
珪素半導体は、従来技術で作製されたものと同等以上の
物性を有し、TFTの活性層領域にも使用可能なもので
あることは言うまでもないことである。
【0006】〔発明の背景〕本発明人らは、上記従来の
技術の項で述べた、非晶質の珪素半導体膜をCVD法や
スパッタ法で成膜し、該膜を加熱によって結晶化させる
方法について、以下のような実験及び考察を行った。
【0007】まず実験事実として、ガラス基板上に非晶
質珪素膜を成膜し、この膜を加熱により結晶化させるメ
カニズムを調べると、結晶成長はガラス基板と非晶質珪
素との界面から始まり、ある程度の膜厚以上では基板表
面に対して垂直な柱状に進行することが認められた。
【0008】上記現象は、ガラス基板と非晶質珪素膜と
の界面に、結晶成長の基となる結晶核(結晶成長の基と
なる種)が存在しており、その核から結晶が成長してい
くことに起因すると考察される。このような結晶核は、
基板表面に微量に存在している不純物金属元素やガラス
表面の結晶成分(結晶化ガラスと呼ばれるように、ガラ
ス基板表面には酸化珪素の結晶成分が存在していると考
えられる)であると考えられる。
【0009】そこで、より積極的に結晶核を導入するこ
とによって結晶化温度の低温化が可能ではないかと考
え、その効果を確認すべく、他の金属を微量に基板上に
成膜し、その上に非晶質珪素からなる薄膜を成膜、その
後加熱結晶化を行う実験を試みた。その結果、幾つかの
金属を基板上に成膜した場合においては結晶化温度の低
下が確認され、異物を結晶核とした結晶成長が起こって
いることが予想された。そこで低温化が可能であった複
数の不純物金属について更に詳しくそのメカニズムを調
査した。
【0010】結晶化は、初期の核生成と、その核からの
結晶成長の2段階に分けて考えることができる。ここ
で、初期の核生成の速度は、一定温度において点状に微
細な結晶が発生するまでの時間を測定することによって
観測されるが、この時間は上記不純物金属を成膜した薄
膜ではいずれの場合も短縮され、結晶核導入の結晶化温
度低温化に対する効果が確認された。しかも予想外のこ
とであるのだが、核生成後の結晶粒の成長を加熱時間を
変化させて調べたところ、ある種の金属を成膜後、その
上に成膜した非晶質珪素薄膜の結晶化においては、核生
成後の結晶成長の速度までが飛躍的に増大することが観
測された。このメカニズムについては後ほど詳しく述べ
ることにする。
【0011】いずれにしろ、上記2つの効果により、あ
る種の金属を微量に成膜した上に非晶質珪素からなる薄
膜を成膜、その後加熱結晶化した場合には、従来考えら
れなかったような、580℃以下の温度で4 時間程度の
時間で十分な結晶性が得られることが判明した。この様
な効果を有する不純物金属の中で、最も効果が顕著であ
り、我々が選択した材料がニッケルである。
【0012】ニッケルがどの程度の効果を有するのか一
例を挙げると、なんら処理を行なわない、即ちニッケル
の微量な薄膜を成膜していない基板上(コーニング70
59)にプラズマCVD法で形成された非晶質珪素から
なる薄膜を窒素雰囲気中での加熱によって、結晶化する
場合、その加熱温度として600℃とした場合、加熱時
間として10時間以上の時間を必要としたが、ニッケル
の微量な薄膜を成膜した基板上の非晶質珪素からなる薄
膜を用いた場合には、4時間程度の加熱において同様な
結晶化状態を得るこができた。尚この際の結晶化の判断
はラマン分光スペクトルを利用した。このことだけから
も、ニッケルの効果が非常に大きいことが判るであろ
う。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記説明から判る様に、
ニッケルの微量な薄膜を成膜した上から、非晶質珪素か
らなる薄膜を成膜した場合、結晶化温度の低温化及び結
晶化に要する時間の短縮が可能である。そこで、このプ
ロセスをTFTの製造に用いることを前提に、さらに詳
細な説明を加えていくことにする。
【0014】まずニッケル微量添加の方法について説明
する。ニッケルの微量添加は、基板上に微量なニッケル
薄膜を成膜し、その後非晶質珪素を成膜する方法でも、
先に非晶質珪素を成膜し、その上から微量なニッケル薄
膜を成膜する方法でも、両者同様に低温化の効果が有
り、その成膜方法はスパッタ法でも、蒸着法でも可能
で、成膜方法は問わないことが判明している。ただし、
基板上に微量なニッケル薄膜を成膜する場合、7059
ガラス基板の上から直接微量なニッケル薄膜を成膜する
よりは、同基板上に酸化珪素の薄膜を成膜し、その上に
微量なニッケル薄膜を成膜した場合の方が効果がより顕
著である。この理由として考えられることとして、珪素
とニッケルが直接接触していることが今回の低温結晶化
には重要であり、7059ガラスの場合には珪素以外の成分
がこの両者の接触あるいは反応を阻害するのではないか
ということが挙げられる。
【0015】また、微量添加の方法としては、非晶質珪
素の上または下に接して薄膜を形成する以外に、イオン
注入によってニッケルを添加してもほぼ同様の効果が確
認された。ニッケルの量については、1×1015ato
ms/cm3 以上の量の添加において低温化が確認され
ているが、1×1021atoms/cm3 以上の添加量
においては、ラマン分光スペクトルのピークの形状が珪
素単体の物とは明らかに異なることから、実際に使用可
能であるのは1×1015atoms/cm3 〜5×10
19atoms/cm3 の範囲であると思われる。また、
半導体物性として、TFTの活性層に使用することを考
えると、この量を1×1015atoms/cm3 〜1×
1019atoms/cm3 に抑えることが必要である。
【0016】続いて、ニッケル微量添加を行った場合の
結晶成長及び結晶形態の特色について述べ、そこから推
測される結晶化機構について説明を加える。
【0017】上述の通り、ニッケルを添加しない場合に
は、基板界面等の結晶核からランダムに核が発生し、そ
の核からの結晶成長も同様にランダムで、作製方法によ
っては(110)或いは(111)に比較的配向した結
晶が得られることが判明しており、当然ながら薄膜全体
に渡ってほぼ均一な結晶成長が観測される。
【0018】まずこの機構を確認すべく、DSC(示差
走査熱量計)による解析を行った。プラズマCVD法で
基板上に成膜した非晶質珪素薄膜を、基板についたまま
試料容器に充填し、一定速度で昇温していった。する
と、およそ700℃前後で明確な発熱ピークが観察さ
れ、結晶化が観測された。この温度は、昇温速度を変え
ると当然シフトするが、例えば10℃/minの速度で
行った場合には700.9℃から結晶化が開始した。次
に昇温速度を3種類変えたものを測定し、それらから小
沢法によって初期核生成後の結晶成長の活性化エネルギ
ーを求めた。すると、およそ3.04eVという値が得
られた。また、反応速度式を理論曲線とのフィッティン
グから求めたところ、無秩序核生成とその成長モデルに
よって、最も良く説明されることが判明し、基板界面等
の結晶核からランダムに核が発生し、その核からの結晶
成長というモデルの妥当性が確認された。
【0019】前述と全く同様の測定を、ニッケルを微量
添加したものについても行ってみた。すると、10℃/
minの速度で昇温を行った場合には619.9℃から
結晶化が開始し、それら一連の測定から求めた結晶成長
の活性化エネルギーはおよそ1.87eVであって、結
晶成長が容易となっていることが数値的にも明らかとな
った。また、理論曲線とのフィッティングから求めた反
応速度式は、一次元的界面律速のモデルに近く、結晶成
長に一定方向の方向性を有することが示唆された。
【0020】上記熱分析によって得られたデータを下記
表1に示す。
【0021】この表1に示す活性化エネルギーは、試料
を加熱していく段階で、試料から放出される熱量を計測
し、その結果から小沢法と呼ばれる解析手段によって算
出したものである。
【0022】
【表1】
【0023】上記表1における活性化エネルギーは、結
晶化のし易さを示すパラメータであり、その値が大きい
程結晶化はしにくく、またその値が小さい程結晶化がし
易いことを示す。表1を見ると、ニッケル添加の試料
は、結晶化が進むにつれて活性化エネルギーが低下する
ことが見てとれる。即ち、結晶化が進んでいくにつれ
て、結晶化がより行ない易くなることが示されている。
一方、ニッケル無添加の従来の方法による結晶性珪素膜
の場合は、結晶化が進行するにつれて、活性化エネルギ
ーが高くなることが示されている。これは、結晶化が進
行するにつれて、より結晶化しにくくなることを示して
いる。また、活性化エネルギーの平均値を比較すると、
ニッケル添加によって結晶化させた珪素膜の値はニッケ
ル無添加の結晶性珪素膜の場合の約62%であり、この
ことからもニッケル添加の非晶質珪素膜の結晶化のし易
さが示唆される。
【0024】次に、今回のニッケル微量添加したものの
結晶形態についてTEM(透過型電子顕微鏡)で観察し
た結果を示す。TEM観察の結果から判明した特徴的な
現象として、ニッケルを添加した領域と、その近傍の部
分で結晶成長が異なるということが挙げられる。即ち、
ニッケルを添加した領域について、断面から観察する
と、モアレあるいは格子像とみられる縞が基板にほぼ垂
直に観測され、このことは添加したニッケルあるいはそ
の珪素との化合物が結晶核となり、ニッケルを添加して
いないものと同様に基板にほぼ垂直に柱状の結晶が成長
することを示すものと考えられる。また、ニッケルを添
加した周辺の領域においては、基板に平行な方向に針状
あるいは柱状に結晶成長している様子が観察された。
【0025】次いで、ニッケルを添加した領域の近傍の
結晶形態の観察結果を示す。まず、ニッケルを直接微量
添加していない領域が結晶化すること自体が予想外であ
ったのであるが、ニッケル微量添加部分、その近傍の横
方向の結晶成長部分(以後横成長部分と略)、更に遠方
の非晶質部分( かなり離れた部分では低温結晶化は行わ
れず、非晶質部分が残る) について、ニッケルの濃度を
SIMS( 二次イオン質量分析法) により調べた所、図
4に示すように横成長部分(Lateral growth)はニッケ
ル微量添加部分から少ない濃度が検出され、非晶質部分
(a-Si)は更に約1桁少ない量が観測された。すなわち、
ニッケルはかなり広範囲に渡って拡散しているが、特に
ニッケルが直接添加された領域においては、ニッケル濃
度が高く、横成長部分(基板に平行に結晶成長した部
分)のニッケル濃度はそれより低いことが分かる。
【0026】また、ニッケルを添加した領域の近傍の表
面TEM像の観察より、この基板に平行な横成長は、ニ
ッケルを微量添加した領域から、大きいものでは数百μ
mも成長することが観測され、時間の増加及び温度が高
くなるに比例して成長量も増大することも判った。例と
して、550℃4時間においては約20μm程度の成長
が観測された。この結晶成長は、針状あるいは柱状に行
われるもので、その先端部にはニッケルが集中的に存在
していることも確認された。
【0027】以上の実験事実さらに観測事実に基づき、
発明者らは以下のような機構により結晶化が進行すると
考えている。
【0028】まず、核発生が起こるが、この際の活性化
エネルギーがニッケルの微量添加により低減される。こ
のことはニッケルを添加することにより、より低温から
結晶化が発生していることから自明であって、この理由
としてはニッケルの異物としての効果以外にも、ニッケ
ルと珪素からなる金属間化合物の内の一つが、結晶シリ
コンと格子定数が近いことに起因している可能性もある
と考えている。また、この核発生はニッケルの添加した
領域全面についてほぼ同時に発生するため、結果として
結晶成長は面のまま成長するような機構となり、この場
合反応速度式は一次元的界面律速過程となり、基板に概
略垂直な柱状の結晶が得られる。しかしながら、膜厚に
制限されること、及び応力等の影響で、完全に揃った結
晶軸を有するとまではいかない。
【0029】しかしながら、基板に水平方向は、垂直方
向と比較して均質であるため、柱状あるいは針状の結晶
がニッケル添加部分を核として横方向に揃って成長す
る。勿論この場合も反応速度式は一次元界面律速型とな
ることが予想される。結晶成長の活性化エネルギーは、
前述の通りニッケルを添加することにより低減されてい
るため、この横方向の成長速度は非常に速いことが期待
され、事実そうなっている。
【0030】次に、上記ニッケル微量添加部分とその近
傍の横成長部分についての電気特性を説明する。ニッケ
ル微量添加部分の電気特性は、導電率に関してはほぼニ
ッケルを添加していない膜、即ち600℃程度で数十時
間結晶化を行ったものと同程度の値であり、また導電率
の温度依存性から活性化エネルギーを求めたところ、ニ
ッケルの添加量を前述の様に1017atoms/cm3
〜1018atoms/cm3 程度とした場合には、ニッ
ケルの準位に起因すると思われる様な挙動は観測されな
かった。即ち、この実験事実からは、上記の濃度であれ
ばTFTの活性層等として使用が可能であることが考察
される。
【0031】それに対し、横成長部分は、導電率がニッ
ケル微量添加部分と比較して1桁以上高く、結晶性を有
する珪素半導体としてはかなり高い値を有していた。こ
のことは、電流のパス方向が結晶の横成長方向と合致し
たため、電極間で電子が通過する間に存在する粒界が少
ないあるいは殆ど無かったことによるものと考えられ、
透過電子線顕微鏡写真の結果と矛盾無く一致する。即
ち、キャリアの移動が針状または柱状に成長した結晶の
粒界に沿ったものとなるので、キャリアは移動しやすい
状態が実現されている、と考えることができる。
【0032】また、ニッケルが添加された領域と同様
に、針状あるいは柱状に結晶成長した先端部におけるニ
ッケル濃度は高いことが確かめられている。このことか
ら、この部分を利用してTFT等のデバイスを形成した
場合には、ニッケルの影響を受けることが予想される。
従って、基板に平行な方向に結晶成長した結晶性珪素膜
の結晶成長始点と結晶成長終点は利用せず、その中間領
域を利用することが有用である。
【0033】そこで、本明細書で開示する発明は、例え
ば図1に示すように、まず結晶化をさせんとする非晶質
珪素膜13とその上の酸化珪素膜14とを島状に形成
し、その上面に珪化ニッケル膜等の微量元素を含んだ膜
15を形成し、非晶質珪素膜側面16において、ニッケ
ルシリサイドを形成し、この部分から結晶成長を矢印1
7で示すように行わせ、ニッケル濃度が高い10や18
の領域を利用せずにTFT等のデバイスを形成すること
を特徴とするものである。
【0034】即ち本明細書で開示する発明は、基板と平
行な方向に結晶成長した領域の結晶成長始点と結晶成長
終点(先端部)とを避けて、その中間領域を利用するこ
とにより、キャリアの移動し易い結晶性珪素膜を利用す
ると同時に、ニッケルの濃度の低い領域を利用するもの
である。具体的には、結晶化を助長するための金属元素
が導入された領域と、基板に平行な方向に結晶成長した
結晶成長終期部分とを結晶化の後に取り除く(例えばエ
ッチングする)ことによって、金属元素の少ない領域を
利用するものである。
【0035】また、本明細書で開示する発明で用いられ
る基板上の結晶性珪素膜は、単結晶珪素でなはいことは
重要である。即ち、薄膜状に結晶化した結晶性珪素膜で
あって、しかもその結晶成長が基板に平行な方向に行わ
れていることが特徴であり、単結晶珪素とは本質的に異
なるものである。従って、特に本明細書で開示する発明
における結晶性珪素膜を結晶性を有する非単結晶珪素膜
ということができる。
【0036】本明細書で開示する発明に利用することの
できる結晶化を助長させる元素としては、8族元素であ
るFe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、
Ptを用いることができる。また3d元素であるSc、
Ti、V、Cr、Mn、Cu、Znも利用することがで
きる。さらに、実験によれば、Au、Ag、においても
結晶化の作用が確認されている。特に上記元素の中で、
顕著な効果が得られ、その作用で結晶化した結晶性珪素
膜を用いてTFTの動作が確認されているのがNiであ
る。
【0037】以下に本明細書で開示する発明について説
明する。本明細書で開示する構成の一つは、基板上に非
単結晶半導体膜を形成する工程と、前記非単結晶半導体
膜上に絶縁膜を形成する工程と、パターニングを行ない
前記非単結晶半導体膜と絶縁膜とからなる島状の積層を
形成する工程と、結晶化を助長する金属元素を含む膜を
形成する工程と、前記非単結晶半導体膜の側面から結晶
化を行う工程と、を有することを特徴とする。
【0038】上記構成において、基板としては、他絶縁
表面を有する基板である各種ガラス基板、石英基板、そ
の他絶縁基板、絶縁表面を有する半導体基板、絶縁表面
を有する金属基板を用いることができる。
【0039】上記構成の具体的な例を図1に示す。図1
(A)には、島状に形成された非晶質珪素半導体膜13
の端部16(島状領域の側面)に結晶化を助長する金属
元素であるニッケルを含んだ膜(珪化ニッケル膜)15
が形成された状態が示されている。そして(B)には、
加熱処理により16の領域にニッケルシリサイド層を形
成し、さらに珪化ニッケル膜を取り除き、さらに加熱処
理を施すことにより、16の領域より基板11に並行な
方向に矢印17で示されるような結晶成長が行われる様
子が示されている。そして(C)の工程において、18
に示されるニッケルシリサイドが形成された部分、即ち
結晶成長開始部分を除去する様子が示されている。
【0040】図1に示す例においては、結晶成長開始部
分18を取り除く構成が示されているが、10で示され
るような結晶成長終期部分(18からの結晶成長は10
の部分でぶつかり、そこで結晶成長は停止する)を取り
除くことはさらに有効である。これは、結晶成長開始部
分18と結晶成長終期部分10には、高濃度でニッケル
元素が含まれているからである。またこのような構成を
採用することによって、ニッケルの濃度の少ない領域を
活性層とした半導体装置を得ることができる。
【0041】また、上記のような方法で結晶成長が行わ
れた珪素膜は、矢印17で示されるような結晶成長が行
われるので、全体が基板に対して概略平行な方向に結晶
成長した結晶性珪素膜とすることができる。
【0042】本明細書開示する他の発明の構成は、結晶
性珪素膜よりなる活性層を有し、前記活性層はその側面
より結晶成長が行われており、前記結晶成長の結晶成長
開始部分および/または結晶成長終期部分は除去されて
いることを特徴とする。
【0043】上記構成において、活性層とは、半導体装
置の主要な部分を構成する半導体層のことをいう。例え
ば、薄膜トランジスタトランジスタのソース領域、ドレ
イン領域、チャネル形成領域の少なくとも一つを構成す
る半導体層のことをいう。
【0044】この活性層の側面より結晶成長が行われて
いるというのは、例えば図1に示すように、島状に形成
された珪素半導体層13(この島状に形成された半導体
層13は活性層を構成することになる)の側面16から
矢印17で示されるように結晶成長が行われた状態をい
う。
【0045】上記構成において、結晶成長方向に沿って
ソース/ドレイン領域を形成することは有効である。こ
れは、結晶の成長方向にキャリアが移動するようにする
ことで、キャリアの移動が粒界の影響を受けにくい構成
とすることができるからである。
【0046】結晶の成長方向にキャリアが移動するよう
にすると、キャリアの移動が粒界の影響を受けにくい構
成とできるのは、結晶成長が針状または柱状に行われて
いるからである。
【0047】上記のように結晶成長した珪素膜中にニッ
ケル濃度は、結晶成長開始部分においては、2×1019
atoms/cm3 以上である。また結晶成長終期部分における
ニッケル濃度も2×1019atoms/cm3 と同程度以上であ
る。
【0048】図4に示すのは、非晶質珪素膜の一部分を
マスクのよって露呈させ、その部分にプラズマ処理によ
ってニッケルを導入(具体的には、極薄い珪化ニッケル
膜が形成される)し、さらに550℃、4時間の加熱処
理によって結晶成長させた場合において、結晶化した珪
素膜の各部分のニッケル濃度をSIMS(2次イオン分
析法)によって調べた結果である。プラズマ処理という
のは、ニッケルを多く含有した平行平板型電極を用いて
水素プラズマ生成し、電極間に配置した試料上にニッケ
ル元素を微量に堆積させる技術である。
【0049】この場合もニッケルが選択的に導入された
領域から数十μm程度の横方向成長(図1の矢印17で
示されるような基板に平行な方向への結晶成長)が起こ
る。図4のLateral growthと表記されているのがこの横
方向成長した領域のニッケル濃度である。またPlasma t
reatedと表記されているのが、プラズマ処理において直
接プラズマに曝され、ニッケルが直接非晶質珪素膜上に
堆積した部分のニッケル濃度である。この部分は、図1
でいう結晶成長開始部分16の領域に相当する。なお図
1の17で示されるような結晶成長が行われた領域のニ
ッケル濃度は、図4のLateral growthと表記されている
ものとほぼ同様なものであることが確認されている。
【0050】また、a-Siと表記されているのは、プラズ
マには直接曝されず、かつ横方向成長も行われず、非晶
質状態であった部分のニッケル濃度である。
【0051】図4より、横方向成長した領域のニッケル
濃度は、直接ニッケルが導入された領域に比較してニッ
ケル濃度は小さいことが分かる。また図4より、横成長
方向への結晶成長が行われた領域は、ニッケル濃度が概
略1×1018atoms/cm3 以上であり、8×1018atoms/
cm3 以下であることが分かる。また、a-Siで表記される
データのバラツキを考えるならば下限は1×1018atom
s/cm3 とすることができ、上限のマージンを考えるなら
ば上限は1×1019atoms/cm3 とすることができる。
【0052】
【作用】基板に平行な方向へ結晶成長した結晶の先端部
には、結晶化を助長させる金属元素が集中して存在する
ので、この先端部と成長始点(金属元素が添加された部
分)との中間領域にデバイスを形成することで、キャリ
アを高移動度で動かすことができると同時に、キャリア
の移動に影響を与えると思われる金属元素の濃度を低く
することができる構成が実現できる。
【0053】
【実施例】
〔実施例1〕本実施例は、ガラス基板上に形成された結
晶性珪素膜を用いたPチャネル型TFT(PTFTとい
う)とNチャネル型TFT(NTFTという)とを相補
型に組み合わせた回路を形成する例である。本実施例の
構成は、アクティブ型の液晶表示装置の画素電極のスイ
ッチング素子や周辺ドライバー回路、さらにはイメージ
センサや集積回路に利用することができる。また本実施
例で示す基本的な構成は、絶縁ゲイト型電界効果半導体
装置に限らず、バイポーラトランジスタやダイオードに
利用することができる。また、これらの半導体装置と抵
抗やキャパシタとを集積化した回路に応用することもで
きる。
【0054】図1及び図2に本実施例の作製工程の断面
図を示す。まず、基板(コーニング7059)11上に
スパッタリング法によって厚さ2000Åの酸化珪素の
下地膜12を形成する。つぎにプラズマCVD法により
公知の非晶質珪素膜13を1000Å(500〜150
0Å)の厚さに形成する。つぎに酸化珪素膜14を10
00Å(200〜2000Å)の厚さにスパッタリング
法によって形成する。ここでパターニングを行ない、非
晶質珪素膜13と酸化珪素膜14とが積層され、島状に
パターニングされた形状を形成する。(図1(A))
【0055】上記工程の後、スパッタリング法によっ
て、厚さ5〜200Å、例えば100Åの珪化ニッケル
膜(化学式NiSix 、0.4≦x≦2.5、例えば、
x=2.0)15を形成する。この珪化ニッケル膜は、
非晶質珪素膜の側面に成膜されることが重要である。ま
たその成膜方法も、蒸着法、CVD法、プラズマ処理に
よる方法を採用することができる。こうして、図1
(A)の形状を得る。また、結晶化を助長する金属とし
て、ニッケル以外のものを用いる場合には、それらの材
料を用いたスパッタリング法や蒸着法、さらにはプラズ
マ処理やCVD法を用いて薄膜15を形成すればよい。
【0056】次に加熱処理を行ない、16の領域にニッ
ケルシリサイドの領域を形成する。この加熱処理は、4
50度、1時間の条件で行った。この加熱処理は、30
0〜600度で行えばよい。そして、珪化ニッケル膜1
5を除去する。これを水素還元雰囲気下(好ましくは、
水素の分圧が0.1〜1気圧),550℃、または不活
性雰囲気化(大気圧),550℃、で4時間アニールし
て結晶化させる。この際、基板11に対して平行な方向
に17で示されるような結晶成長が行われる。(図1
(B))
【0057】また、上記工程において、ニッケルシリサ
イドを形成することなしに、550度、4時間の熱アニ
ールを行ない、直接非晶質珪素膜13の側面(16で示
される部分)から結晶成長を行わせ、しかる後に珪化ニ
ッケル膜15を取り除いてもよい。このような工程を採
用した場合、ニッケルシリサイド16を形成するのと同
時に結晶化を行わすことになる。ただしこの場合、熱ア
ニールの際にニッケルが拡散するという懸念がある。
【0058】上記のような工程の結果、非晶質珪素膜を
結晶化させて、結晶性珪素膜(図1(C)の13で示さ
れる)を得ることができる。その後、等方性のエッチン
グを行ない、結晶化された珪素膜13の側面18をサイ
ドエッチングする。これは、この部分はニッケルシリサ
イドとなっており、ニッケルの濃度が高い(濃度でいえ
ば、1021/cm3 以上)からである。このように、ニ
ッケルシリサイドとなっている領域を除去することは、
TFT等のデバイスを形成する際には非常に重要であ
る。例えば、この工程の後にソース/ドレイン領域形成
のためのイオン注入工程や、ソース/ドレイン領域の活
性化の工程等があるが、この工程で珪素膜13に熱が不
可避に加わるので、珪素膜中のニッケル濃度が高い領域
からニッケルがさらに拡散することが考えられる。特に
ニッケルシリサイドが形成されている場合は、この部分
からかなりのニッケルが拡散するものと考えられ、この
ことはTFTの動作に影響を与えるものと考えられる。
従って、上記のようにニッケルシリサイド部分を結晶化
の後に取り除くことは有用である。
【0059】つぎに、酸化珪素膜14を取り除き、図1
(D)の形状を得る。この状態で結晶化された珪素膜1
3の中央部には、両側から結晶成長した先端部が重なり
合う部分が存在する。この部分には、ニッケルが高濃度
で存在しているので、この部分をTFTのチャネル形成
領域に利用することは好ましくない。
【0060】つぎに、図2(A)に示すように、スパッ
タリング法によって厚さ1000Åの酸化珪素膜201
をゲイト絶縁膜として成膜する。スパッタリングには、
ターゲットとして酸化珪素を用い、スパッタリング時の
基板温度は200〜400℃、例えば350℃、スパッ
タリング雰囲気は酸素とアルゴンで、アルゴン/酸素=
0〜0.5、例えば0.1以下とする。
【0061】次に、スパッタリング法によって、厚さ6
000〜8000Å、例えば6000Åのアルミニウム
(0.1〜2%のシリコンを含む)を成膜する。そし
て、アルミニウム膜をパターニングして、ゲイト電極1
9、21を形成する。さらに、このアルミニウムの電極
の表面を陽極酸化して、表面に酸化物層20、22を形
成する。この陽極酸化は、酒石酸が1〜5%含まれたエ
チレングリコール溶液中で行う。得られた酸化物層2
0、22の厚さは2000Åである。なお、この酸化物
層20と22とは、後のイオンドーピング工程におい
て、オフセットゲイト領域を形成する厚さとなるので、
オフセットゲイト領域の長さを上記陽極酸化工程で決め
ることができる。
【0062】次に、イオン注入によって、活性層領域
(ソース/ドレイン、チャネルを構成する)に一導電型
を付与する不純物を添加する。このドーピング工程にお
いて、ゲイト電極19とその周囲の酸化層20、ゲイト
電極21とその周囲の酸化層22をマスクとして不純物
(燐およびホウ素)を注入する。ドーピングガスとし
て、フォスフィン(PH3 )およびジボラン(B2
6 )を用い、前者の場合は、加速電圧を60〜90k
V、例えば80kV、後者の場合は、40〜80kV、
例えば65kVとする。ドース量は1×1015〜8×1
15cm-2、例えば、燐を2×1015cm-2、ホウ素を
5×1015cm-2とする。ドーピングに際しては、一方
の領域をフォトレジストで覆うことによって、それぞれ
の元素を選択的にドーピングする。この結果、N型の不
純物領域26と28、P型の不純物領域23と25が形
成され、Pチャネル型TFT(PTFT)の領域とNチ
ャネル型TFT(NTFT)との領域を形成することが
できる。
【0063】その後、レーザー光または強光の照射によ
ってアニール行う。レーザー光としては、KrFエキシ
マレーザー(波長248nm、パルス幅20nsec)
を用いるが、他のレーザーであってもよい。レーザー光
の照射条件は、エネルギー密度が200〜400mJ/
cm2 、例えば250mJ/cm2 とし、一か所につき
2〜10ショット、例えば2ショット照射する。このレ
ーザー光の照射時に基板を200〜450℃程度に加熱
することは有用である。このレーザアニール工程におい
て、先に結晶化された領域にはニッケルが拡散している
ので、このレーザー光の照射によって、再結晶化が容易
に進行し、P型を付与する不純物がドープされた不純物
領域23と25、さらにはNを付与する不純物がドープ
された不純物領域26と28は、容易に活性化させるこ
とができる。
【0064】この工程を、強光の照射によって行う場合
には、赤外線(例えば1.2μm)を用いることが有効
である。赤外線は珪素へは吸収されやすく、1000度
以上の熱アニールにも匹敵する効果的なアニールを行う
ことができる。その反面、ガラス基板へは吸収されにく
いので、ガラス基板を高温に加熱することがなく、また
短時間の処理ですむので、ガラス基板の縮みが問題とな
る工程においては最適な方法であるといえる。
【0065】続いて、厚さ6000Åの酸化珪素膜29
を層間絶縁物としてプラズマCVD法によって形成し、
これにコンタクトホールを形成して、金属材料、例え
ば、窒化チタンとアルミニウムの多層膜によってTFT
の電極及び配線30、31、32を形成する。最後に、
1気圧の水素雰囲気で350℃、30分のアニールを行
い、TFTを相補型に構成した半導体回路を完成する。
(図2(B))
【0066】上記に示す回路は、PTFTとNTFTと
を相補型に設けたCMOS構造であるが、上記作製工程
において、独立したTFTを2つ同時に作製し、中央で
切断することにより、2つのTFTを同時に形成するこ
とも可能である。
【0067】このような構成においては、ソース/ドレ
イン間を移動するキャリアの移動方向が、チャネル形成
領域の結晶成長方向と概略同じ方向であるので、高移動
度のTFTを得ることができる。即ちキャリアは針状あ
るいは柱状の結晶の結晶粒界に沿って移動するので、そ
の移動に際し受ける抵抗を低減することができ、高移動
度を有するTFTを得ることができる。
【0068】〔実施例2〕本実施例は、アクティブ型の
液晶表示装置において、Nチャネル型TFTをスイッチ
ング素子として各画素に設けた例である。以下において
は、一つの画素について説明するが、他に多数(一般に
は数十万)の画素が同様な構造で形成される。また、N
チャネル型ではなくPチャネル型でもよいことはいうま
でもない。また、液晶表示装置の画素部分に設けるので
はなく、周辺回路部分にも利用できる。また、イメージ
センサや他の装置に利用することもできる。
【0069】本実施例の作製工程の概略を図1及び図3
に示す。即ち、図1の(A)〜(D)さらには図3
(A)、図3(B)と作製工程は進む。本実施例におい
て、基板201としてはコーニング7059ガラス基板
(厚さ1.1mm、300×400mm)を使用した。
また図1(A)〜(D)までの作製工程は、前述の実施
例1で説明したのと同様の工程であるので、ここでは省
略する。
【0070】図1(D)に示すように、結晶化された珪
素膜13を得た後、パターニングにより素子間分離を行
なう。この素子間分において、珪素膜13の中央部分を
除去するようにすると、この珪素膜13の中央部分に高
濃度で存在するニッケル元素を除去することができ、有
用である。こうして、図3(A)に示すように活性層領
域(図3では、33、34、35で構成される)を確定
し、さらにゲイト絶縁膜となる酸化珪素膜301を形成
する。この酸化珪素膜は、スパッタリング法によるもの
でもよいが、ここでは、テトラ・エトキシ・シラン(T
EOS)を原料として、酸素雰囲気中でのプラズマCV
D法によって形成する。酸化珪素膜の厚さは、1000
Åとする。
【0071】次に、公知のシリコンを主成分とした膜を
CVD法で形成し、パターニングを行うことによって、
ゲイト電極30を形成する。その後、N型の不純物とし
て、リンをイオン注入法で注入し、自己整合的にソース
領域33、チャネル形成領域34、ドレイン領域35を
形成する。そして、レーザー光または強光の照射によっ
て、イオン注入のために結晶性の劣化した珪素膜の結晶
性を改善させる。このときにはレーザー光のエネルギー
密度は250〜300mJ/cm2 とする。このレーザ
ー照射によって、このTFTのソース/ドレインのシー
ト抵抗は300〜800Ω/cm2 となる。また強光を
用いる場合には、赤外線を用いたランプアニールを行う
のが有効である。
【0072】その後、酸化珪素によって層間絶縁物36
を形成し、さらに、画素電極37をITOによって形成
する。そして、コンタクトホールを形成して、TFTの
ソース/ドレイン領域にクロム/アルミニウム多層膜で
電極38、39を形成し、このうち一方の電極39はI
TO電極37にも接続するようにする。最後に、水素中
で200〜300℃で2時間アニールして、水素化を完
了する。このようにして、TFTを完成する。この工程
は、同時に他の多数の画素領域においても同時に行われ
る。
【0073】本実施例で作製したTFTは、ソース領
域、チャネル形成領域、ドレイン領域を構成する活性層
として、キャリアの流れる方向に結晶成長させた結晶性
珪素膜を用いているので、結晶粒界をキャリアが横切る
ことがない構成とすることができる。即ちキャリアが針
状あるいは柱状の結晶の結晶粒界に沿って移動すること
になるから、キャリアの移動度の高いTFTを得ること
ができる。
【0074】また、図1(C)の工程において、ニッケ
ルシリサイドの領域を除去し、さらに、図1(D)から
図3(A)に至る工程において、珪素膜13の中央部分
10を避けて活性層を確定することで、活性層中にニッ
ケル濃度の多い領域が無い構成とすることができ、TF
Tの信頼の向上を得ることができる。即ち、18の部分
にはニッケルシリサイドが形成されており、また10の
部分には、結晶成長終期部分がぶつかった領域となって
いるので、ニッケルが高濃度で存在する。従って、この
部分をエッチングによって取り除き、TFTを形成する
ことは重要である。またTFTに限らず、この部分を利
用して半導体装置、例えば薄膜ダイオードを形成するこ
とも有用である。
【0075】
【効果】島状に形成された非晶質珪素膜の側面に結晶化
を助長する金属元素の膜を形成し、この部分から結晶成
長させることで、非晶質珪素膜全体を、基板に平行な方
向に結晶成長させた珪素膜とすることができる。そし
て、この金属元素の膜を取り除いた後に、結晶化された
珪素膜を利用してTFTを構成することで、高移動度を
有するTFTを得ることができる
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の作製工程を示す。
【図2】 実施例の作製工程を示す。
【図3】 実施例の作製工程を示す。
【図4】 珪素膜中のニッケル濃度を示す。
【符号の説明】
11・・・・ガラス基板 12・・・・下地膜(酸化珪素膜) 13・・・・珪素膜 14・・・・酸化珪素膜 15・・・・珪化ニッケル膜 16・・・・ニッケルシリサイド 17・・・・結晶化方向 18・・・・サイドエッチング部分 19・・・・ゲイト電極 20・・・・酸化物層 201・・・ゲイト絶縁膜 21・・・・ゲイト電極 22・・・・酸化物層 23・・・・ソース/ドレイン領域 24・・・・チャネル形成領域 25・・・・ドレイン/ソース領域 26・・・・ドレインソース領域 27・・・・チャネル形成領域 28・・・・ソース/ドレイン領域 29・・・・層間絶縁物 30・・・・ソース/ドレイン電極 31・・・・ドレインソース電極 32・・・・ソース/ドレイン電極 30・・・・ゲイト電極 301・・・ゲイト絶縁膜 33・・・・ソース/ドレイン領域 34・・・・チャネル形成領域 35・・・・ドレイン/ドレイン領域 36・・・・層間絶縁物 37・・・・ITO電極(画素電極) 38・・・・ソース/ドレイン電極 39・・・・ドレイン/ソース電極
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年10月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 半導体装置およびその作製方

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に非単結晶半導体膜を形成する工
    程と、 前記非単結晶半導体膜上に絶縁膜を形成する工程と、 パターニングを行ない前記非単結晶半導体膜と絶縁膜と
    からなる島状の積層を形成する工程と、 結晶化を助長する金属元素を含む膜を形成する工程と、 前記非単結晶半導体膜の側面から結晶化を行う工程と、 を有する半導体装置の作製方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、結晶化の後に、金属
    元素を含む膜を除去し、全体が基板に対して概略平行な
    方向に結晶成長した結晶性珪素膜を得ることを特徴とす
    る半導体装置の作製方法。
  3. 【請求項3】 請求項1において、結晶化した非単結晶
    半導体膜を用いて薄膜トランジスタを形成することを特
    徴とする半導体装置の作製方法。
  4. 【請求項4】 請求項3において、薄膜トランジスタの
    ソース/ドレイン領域を結晶成長が行われた方向に概略
    沿って形成することを特徴とする半導体装置の作製方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項1において、結晶成長開始部分と
    結晶成長終期部分とを除去する工程と、 結晶化を助長する金属元素濃度の少ない領域を利用して
    半導体装置を形成する工程と、 を有することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  6. 【請求項6】 結晶性珪素膜よりなる活性層を有し、 前記活性層はその側面より結晶成長が行われており、 前記結晶成長の結晶成長開始部分および/または結晶成
    長終期部分は除去されていることを特徴とする半導体装
    置。
  7. 【請求項7】 結晶性珪素膜よりなる活性層を有し、 前記活性層はその側面より結晶成長が行われていること
    を特徴とする半導体装置。
  8. 【請求項8】 請求項6または請求項7において、結晶
    成長方向に沿ってソース/ドレイン領域が形成されてい
    ることを特徴とする半導体装置。
  9. 【請求項9】 請求項6または請求項7において、活性
    層中にはチャネル形成領域が形成されていることを特徴
    とする半導体装置。
  10. 【請求項10】請求項6または請求項7において、結晶
    成長は針状または柱状に行われていることを特徴とする
    半導体装置。
  11. 【請求項11】請求項6または請求項7において、活性
    層中にはニッケル元素が含まれており、前記ニッケル元
    素の濃度は4×1017(atoms/cm3) 〜1×1019(atoms
    /cm3) であることを特徴とする半導体装置。
  12. 【請求項12】請求項6または請求項7において、活性
    層中にはニッケル元素が含まれており、前記ニッケル元
    素の濃度は1×1018(atoms/cm3) 〜8×1018(atoms
    /cm3) であることを特徴とする半導体装置。
  13. 【請求項13】請求項6または請求項7において、結晶
    成長は針状または柱状に行われており、 活性層中にはニッケル元素が含まれており、 前記ニッケル元素の濃度は4×1017(atoms/cm3) 〜1
    ×1019(atoms/cm3)であることを特徴とする半導体装
    置。
  14. 【請求項14】請求項6または請求項7において、結晶
    成長は針状または柱状に行われており、 活性層中にはニッケル元素が含まれており、 前記ニッケル元素の濃度は1×1018(atoms/cm3) 〜8
    ×1018(atoms/cm3)であることを特徴とする半導体装
    置。
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