JP2001028340A - 薄膜トランジスタを有する装置 - Google Patents

薄膜トランジスタを有する装置

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 非晶質珪素膜をガラス基板に歪を与えない温
度以下で結晶化して作製する薄膜トランジスタを有する
装置。 【解決手段】 ガラス基板101上に酸化珪素下地膜1
02を形成し、マスク103の間隙100のみにIn薄
膜を作り、非晶質珪素膜104をCVD成膜した後、55
0℃で4時間のアニールにより、Inの効果で基板10
1に平行方向105に導電率の良い結晶化を行い、更に
ランプ加熱により、緻密な結晶膜とする。この上に酸化
珪素絶縁膜106を成膜し、ゲート電極107,109
を形成し表面酸化して絶縁膜108,110としこれを
マスクにそれぞれN型、P型の不純物を注入してN領域
114,116及びP領域111,113を形成してN
型TFT、P型TFTとする。(In以外の金属類につ
いては明細書に詳述)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラス等の絶縁基
板上に設けられたTFT(薄膜トランジスタ)を有する
半導体装置及びその作製方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ガラス等の絶縁基板上にTFTを有する
半導体装置としては、これらのTFTを画素の駆動に用
いるアクティブ型液晶表示装置やイメージセンサー等が
知られている。
【0003】これらの装置に用いられるTFTには、薄
膜状の珪素半導体を用いるのが一般的である。薄膜状の
珪素半導体としては、非晶質珪素半導体(a−Si)か
らなるものと結晶性を有する珪素半導体からなるものの
2つに大別される。非晶質珪素半導体は作製温度が低
く、気相法で比較的容易に作製することが可能で量産性
に富むため、最も一般的に用いられているが、導電率等
の物性が結晶性を有する珪素半導体に比べて劣るため、
今後より高速特性を得る為には、結晶性を有する珪素半
導体からなるTFTの作製方法の確立が強く求められて
いた。尚、結晶性を有する珪素半導体としては、多結晶
珪素、微結晶珪素、結晶成分を含む非晶質珪素、結晶性
と非晶質性の中間の状態を有するセミアモルファス珪素
等の非単結晶珪素半導体が知られている。以下において
は、これら結晶性を有する非単結晶珪素半導体を結晶性
珪素ということとする。
【0004】これら結晶性を有する薄膜状の珪素半導体
を得る方法としては、 (1) 成膜時に結晶性を有する膜を直接成膜する。 (2) 非晶質の半導体膜を成膜しておき、レーザー光
のエネルギーにより結晶性を有せしめる。 (3) 非晶質の半導体膜を成膜しておき、熱エネルギ
ーを加えることにより結晶性を有せしめる。 と言った方法が知られている。しかしながら、(1)の
方法は良好な半導体物性を有する膜を基板上に全面に渡
って均一に成膜することが技術上困難であり、また成膜
温度が600℃以上と高いので、安価なガラス基板が使
用できないというコストの問題もあった。また、(2)
の方法は、現在最も一般的に使用されているエキシマレ
ーザーを例にとると、レーザー光の照射面積が小さいた
め、スループットが低いという問題がまずあり、また大
面積基板の全面を均一に処理するにはレーザーの安定性
が充分ではなく、次世代の技術という感が強い。(3)
の方法は、(1)、(2)の方法と比較すると大面積に
対応できるという利点はあるが、やはり加熱温度として
600℃以上の高温にすることが必要であり、安価なガ
ラス基板を用いることを考えると、さらに加熱温度を下
げる必要がある。特に現在の液晶表示装置の場合には大
画面化が進んでおり、その為ガラス基板も同様に大型の
物を使用する必要がある。この様に大型のガラス基板を
使用する場合には、半導体作製に必要不可欠な加熱工程
における縮みや歪みといったものが、マスク合わせ等の
精度を下げ、大きな問題点となっている。特に現在最も
一般的に使用されている7059ガラスの場合には、歪
み点が593℃であり、従来の加熱結晶化方法では大き
な変形を起こしてしまう。また、温度の問題以外にも現
在のプロセスでは結晶化に要する加熱時間が数十時間以
上にも及ぶので、さらにその時間を短くすることも必要
である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
を解決する手段を提供するものである。より具体的には
非晶質珪素からなる薄膜を加熱により結晶化させる方法
を用いた、結晶性を有する珪素半導体からなる薄膜の作
製方法において、結晶化に必要な温度の低温化と時間の
短縮を両立するプロセスを提供することをその目的とす
る。勿論、本発明で提供されるプロセスを用いて作製し
た結晶性を有する珪素半導体は、従来技術で作製された
ものと同等以上の物性を有し、TFTの活性層領域にも
使用可能なものであることは言うまでもないことであ
る。
【0006】〔発明の背景〕本発明人らは、上記従来の
技術の項で述べた、非晶質の珪素半導体膜をCVD法や
スパッタ法で成膜し、該膜を加熱によって結晶化させる
方法について、以下のような実験及び考察を行った。
【0007】まず実験事実として、ガラス基板上に非晶
質珪素膜を成膜し、この膜を加熱により結晶化させるメ
カニズムを調べると、結晶成長はガラス基板と非晶質珪
素との界面から始まり、ある程度の膜厚以上では基板表
面に対して垂直な柱状に進行することが認められた。
【0008】上記現象は、ガラス基板と非晶質珪素膜と
の界面に、結晶成長の基となる結晶核(結晶成長の基と
なる種)が存在しており、その核から結晶が成長してい
くことに起因すると考察される。このような結晶核は、
基板表面に微量に存在している不純物金属元素やガラス
表面の結晶成分(結晶化ガラスと呼ばれるように、ガラ
ス基板表面には酸化珪素の結晶成分が存在していると考
えられる)であると考えられる。
【0009】そこで、より積極的に結晶核を導入するこ
とによって結晶化温度の低温化が可能ではないかと考
え、その効果を確認すべく、他の金属を微量に基板上に
成膜し、その上に非晶質珪素からなる薄膜を成膜、その
後加熱結晶化を行う実験を試みた。その結果、幾つかの
金属を基板上に成膜した場合においては結晶化温度の低
下が確認され、異物を結晶核とした結晶成長が起こって
いることが予想された。そこで低温化が可能であった複
数の不純物金属について更に詳しくそのメカニズムを調
査した。
【0010】結晶化は、初期の核生成と、その核からの
結晶成長の2段階に分けて考えることができる。ここ
で、初期の核生成の速度は、一定温度において点状に微
細な結晶が発生するまでの時間を測定することによって
観測されるが、この時間は上記不純物金属を成膜した薄
膜ではいずれの場合も短縮され、結晶核導入の結晶化温
度低温化に対する効果が確認された。しかも予想外のこ
とであるのだが、核生成後の結晶粒の成長を加熱時間を
変化させて調べたところ、ある種の金属を成膜後、その
上に成膜した非晶質珪素薄膜の結晶化においては、核生
成後の結晶成長の速度までが飛躍的に増大することが観
測された。このメカニズムについては後ほど詳しく述べ
ることにする。
【0011】いずれにしろ、上記2つの効果により、あ
る種の金属を微量に成膜した上に非晶質珪素からなる薄
膜を成膜、その後加熱結晶化した場合には、従来考えら
れなかったような、580℃以下の温度で4 時間程度の
時間で十分な結晶性が得られることが判明した。この様
な効果を有する不純物金属の一例として、インジウム、
錫、アンチモン、ゲルマニウム、タリウム、鉛、ビスマ
ス、亜鉛が挙げられる。これらはいずれも族あるいは周
期が珪素と近く、珪素と容易に化合物を形成する金属材
料である。また、共通しているのは比較的低融点の材料
であることで、以後本明細書中ではこれらを称して「低
融点金属」と略すことにする。また、これ以外の元素で
実験の結果低温化の効果の有った材料としてはランタノ
イドが挙げられる。これらは水素吸蔵合金として使用さ
れており、水素に対する反応が高いという共通点があ
る。そこでこれらを本明細書中では「触媒金属」と呼ぶ
ことにする。また本発明者らの知見によれば、3族、4
族、5族の元素の中で、上記物性を備えている材料であ
れば、原理的には、上記触媒金属として利用できる。即
ち、3族元素である、B、Al、Ga、In、Tl、S
c、Y、ランタノイドが、4族元素である、C、Ge、
Sn、Pb、Ti、Zr、Hfが、5元素であるN、
P、As、Sb、Bi、V、Nb、Taを用いうる。し
かし好ましくは、前述のインジウム(In)、錫(S
n)、アンチモン(Sb)、ゲルマニウム(Ge)、タ
リウム(Tl)、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)、亜鉛
(Zn)を用いることがその効果を顕著に得るためには
有用である。また、亜鉛は2族の元素であるが、その融
点の低さから上記低融点金属として利用できる。
【0012】低融点金属材料として、代表的な錫がどの
程度の効果を有するのか一例を挙げると、なんら処理を
行なわない、即ち錫の微量な薄膜を成膜していない基板
上(コーニング7059)にプラズマCVD法で形成さ
れた非晶質珪素からなる薄膜を窒素雰囲気中での加熱に
よって、結晶化する場合、その加熱温度として600℃
とした場合、加熱時間として10時間以上の時間を必要
としたが、錫の微量な薄膜を成膜した基板上の非晶質珪
素からなる薄膜を用いた場合には、1時間程度の加熱に
おいて同様な結晶化状態を得るこができた。尚この際の
結晶化の判断はラマン分光スペクトルを利用した。この
ことだけからも、錫の効果が非常に大きいことが判るで
あろう。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記説明から判る様に、
低融点金属あるいは触媒金属の微量な薄膜を成膜した上
から、非晶質珪素からなる薄膜を成膜した場合、結晶化
温度の低温化及び結晶化に要する時間の短縮が可能であ
る。そこで、このプロセスをTFTの製造に用いること
を前提に、さらに詳細な説明を加えていくことにする。
尚、後ほど詳述するが、低融点金属の薄膜は基板上のみ
ならず非晶質珪素上に成膜しても同様の効果を有するこ
と、及びイオン注入でも同様であったことから、今後本
明細書ではこれら一連の処理を「低融点金属微量添加」
及び「触媒金属微量添加」と呼ぶことにする。また非晶
質珪素薄膜の成膜時に添加する方法でもよい。
【0014】まず低融点金属について、その添加の方法
について説明する。低融点金属の微量添加は、基板上に
微量な低融点金属薄膜を成膜し、その後非晶質珪素を成
膜する方法でも、先に非晶質珪素を成膜し、その上から
微量な低融点金属薄膜を成膜する方法でも、両者同様に
低温化の効果が有り、その成膜方法はスパッタ法でも、
蒸着法でも可能で、成膜方法は問わないことが判明して
いる。ただし、基板上に微量な低融点金属薄膜を成膜す
る場合、7059ガラス基板の上から直接微量な低融点
金属薄膜を成膜するよりは、同基板上に酸化珪素の薄膜
を成膜し、その上に微量な低融点金属薄膜を成膜した場
合の方が効果がより顕著である。この理由として考えら
れることとして、珪素と低融点金属が直接接触している
ことが今回の低温結晶化には重要であり、7059ガラ
スの場合には珪素以外の成分がこの両者の接触あるいは
反応を阻害するのではないかということが挙げられる。
また、触媒金属についても全く同様の添加方法が可能で
ある。
【0015】また、微量添加の方法としては、非晶質珪
素の上または下に接して薄膜を形成する以外に、イオン
注入によって添加してもほぼ同様の効果が確認された。
低融点金属の量としては、例えば錫については、1×1
15atoms/cm3 以上の量の添加において低温化
が確認されているが、1×1021atoms/cm3
上の添加量においては、ラマン分光スペクトルのピーク
の形状が珪素単体の物とは明らかに異なることから、実
際に使用可能であるのは1×1015atoms/cm3
〜5×1019atoms/cm3 の範囲であると思われ
る。また、半導体物性として、TFTの活性層に使用す
ることを考えると、この量を1×1015atoms/c
3 〜1×1019atoms/cm3 に抑えることが必
要である。
【0016】続いて、まず低融点金属微量添加を行った
場合に推測される結晶化機構について説明を加える。
【0017】上述の通り、低温結晶化用触媒金属を添加
しない場合には、基板界面等の結晶核からランダムに核
が発生し、その核からの結晶成長も同様にランダムで、
作製方法によっては(110)或いは(111)に比較
的配向した結晶が得られることが報告されており、当然
ながら薄膜全体に渡ってほぼ均一な結晶成長が観測され
る。
【0018】まずこの機構を確認すべく、DSC(示差
走査熱量計)による解析を行った。プラズマCVDで基
板上に成膜した非晶質珪素薄膜を、基板についたまま試
料容器に充填し、一定速度で昇温していった。すると、
およそ700℃前後で明確な発熱ピークが観察され、結
晶化が観測された。この温度は、昇温速度を変えると当
然シフトするが、例えば10℃/minの速度で行った
場合には700.9℃から結晶化が開始した。次に昇温
速度を3種類変えたものを測定し、それらから小沢法に
よって初期核生成後の結晶成長の活性化エネルギーを求
めた。すると、およそ3.04eVという値が得られ
た。また、反応速度式を理論曲線とのフィッティングか
ら求めたところ、無秩序核生成とその成長モデルによっ
て、最も良く説明されることが判明し、基板界面等の結
晶核からランダムに核が発生し、その核からの結晶成長
というモデルの妥当性が確認された。
【0019】前述と全く同様の測定を、低融点金属を添
加したもの、ここでは例として錫を微量添加したものに
ついても行ってみた。すると、10℃/minの速度で
昇温を行った場合には625.5℃から結晶化が開始
し、それら一連の測定から求めた結晶成長の活性化エネ
ルギーはおよそ2.3eVであって、結晶成長が容易と
なっていることが数値的にも明らかとなった。
【0020】ここで、結晶化開始温度が低温化されるこ
とについては、前述の通り異物の効果として比較的容易
に考えられるのであるが、結晶成長の活性化エネルギー
まで下がった原因は何であろうか。この理由として、発
明者らは以下の様な理由を考えている。非晶質珪素の結
晶化における律速過程について、一般的には珪素原子の
自己拡散であると言われている。もしそれが事実である
ならば、拡散速度をより高くしてやれば良いこととな
る。しかしながら、非晶質珪素からの結晶化の場合に
は、水溶液等からの結晶の析出と異なり、非常に粘性の
高い濃厚溶液からの結晶化と考えるべきであって、結晶
部分とその周辺で密度の差が非常に小さく、原子は容易
には移動することができない。この様な環境において原
子に易動度を与えるためには次の3つの方法が考えられ
る。 1.非晶質膜の粘性を変化させて、より珪素原子が動き
やすい環境にする。 2.欠陥あるいは空孔等を大量に導入し、珪素原子が動
きやすい環境にする。 3.クーロン力等を作用させ、結晶化の駆動力を変化さ
せる。 これら3つはそれぞれ独立したものではなく、添加する
材料によってこれらの内の2つあるいは3つを同時に満
たすものも有ると考えられる。ここで、今回添加した低
融点金属材料は、その殆どが上記1.については満たし
ているものと考えられる。また、3、5族材料について
は、電気的中性の原理を満たす為に、正あるいは負を帯
びた空孔等を作ることが予想され、2を満たすことが予
想される。また同様に3、5族は、それらに起因する準
位の生成によりフェルミレベルをシフトさせ、非晶質中
と結晶部分とでそのシフト量が異なった場合(一般的に
は、非晶質中のミッドギャップの準位の影響で異なるも
のと考えられる)、そのシフト量の違いに起因した駆動
力が発生し、結晶化温度の低温化が可能となるものと考
えられる。この機構を支持する結果として、3、5族を
同時に添加した場合には低温化が起こりづらいことが挙
げられる。次に、触媒金属を添加した場合の結晶化機構
について説明を加える。この場合もDSCによる結晶成
長の活性化エネルギーの測定を行った結果、約2.1e
Vと低下しており、やはり結晶化が促進されていること
が判明した。この理由としては、以下の機構を考えてい
る。前述の通り、これらの「触媒金属」は水素との反応
性が非常に高い。其故に、珪素と結合している水素と優
先的に結合し、その結果ダングリングボンドを大量に生
成することが予想される。この大量のダングリングボン
ドは、原子に易動度を与えるための前述の方法の2.を
満たしていると考えられる。また珪素とランタノイドの
電気陰性度の違いに起因して、電気的中性の原理を満た
すべく空孔等が発生することも考えられ、そうでない場
合にもダングリングボンドが電気的に強く帯電している
ことが必要である。その場合には前述の3.によって、
フェルミレベルの移動に伴う駆動力が発生する可能性が
あるものと予想される。
【0021】次いで、上記低融点金属あるいは触媒金属
微量添加によって得られた結晶性珪素膜の結晶形態につ
いて説明を加える。両者ともほぼ同様の結晶形態を示し
たことから、これらはいずれも珪素原子の移動し易さに
起因している結果と思われる。添加した金属(低融点金
属、触媒金属の両者とも)は結晶化温度以下でかなり広
い領域に拡散する。このことは、SIMS(二次イオン
質量分析)によって確認されている。そしてその結果、
これら拡散領域においても結晶化温度の低温化が達成さ
れている。そして、この直接添加領域と、その拡散領域
においては結晶形態がことなることが明らかとなった。
即ち、直接添加領域は基板に垂直方向に結晶成長するの
に対し、その周辺の拡散領域は結晶が基板に水平方向に
成長する様が確認された。これらは、いずれも結晶の初
期核生成の違いによるものであろうと推測している。即
ち、直接添加部分は、それらの異物が結晶核になり、そ
こから柱状に結晶成長が起こるのに対し、周辺の拡散領
域は、結晶核は前述の縦方向に成長した直接添加部分で
あって、そこから成長が始まるために必然的に横方向に
成長が起こっているものと解釈されるからである。以
下、本明細書において、このように低温結晶化用触媒金
属の直接添加領域から周辺に伸びた横方向の結晶成長領
域を「横成長」領域と呼ぶことにする。
【0022】次に、上記金属、例として低融点金属であ
るインジウムを使用した場合の、微量添加部分とその近
傍の横成長部分についての電気特性を説明する。微量添
加部分の電気特性は、導電率に関しては添加していない
膜、即ち600℃程度で数十時間結晶化を行ったものと
同程度の値であり、また導電率の温度依存性から活性化
エネルギーを求めたところ、錫の添加量を前述の様に1
17atoms/cm 3 〜1018atoms/cm3
度とした場合には、インジウム(In)の準位に起因す
ると思われる様な挙動は観測されなかった。即ち、この
実験事実からは、上記の濃度であればTFTの活性層等
として使用が可能であることが考察される。
【0023】それに対し、横成長部分は、導電率が直接
微量添加部分と比較して1桁以上高く、結晶性を有する
珪素半導体としてはかなり高い値を有していた。このこ
とは、電流のパス方向が結晶の横成長方向と合致したた
め、電極間で電子が通過する間に存在する粒界が少ない
あるいは殆ど無かったことによるものと考えられ、透過
電子線顕微鏡写真の結果と矛盾無く一致する。即ち、キ
ャリアの移動が針状または柱状に成長した結晶の粒界に
沿ったものとなるので、キャリアは移動しやすい状態が
実現されている、と考えることができる。また、横方向
成長した領域のInの濃度は、Inが直接添加された領
域よりもその濃度が約1桁低かった。これは、Inの影
響を受けずにさらに結晶性珪素膜を利用するためには有
用なことである。
【0024】では最後に、上述の各種特性を踏まえた上
でTFTに応用する方法について説明する。ここでTF
Tの応用分野としてはTFTを画素の駆動に用いるアク
ティブマトリックス型液晶表示装置を想定するものとす
る。
【0025】前述の様に、最近の大画面のアクティブマ
トリックス型液晶表示装置においては、ガラス基板の縮
みを抑えることが重要であるが、本発明の低温結晶化用
触媒金属微量添加プロセスを用いることにより、ガラス
の歪み点に比較して十分に低い温度で結晶化が可能であ
り、特に好適である。本発明を用いれば、従来非晶質珪
素を用いていた部分を、低融点金属あるいは触媒金属を
微量添加し、500〜550℃程度で4時間程度結晶化
させることにより、結晶性を有する珪素に置き換えるこ
とが容易に可能である。勿論、デザインルール等をそれ
相応に変更する必要はあるが、装置、プロセス共従来の
物で十分に対応可能であり、そのメリットは大きいもの
と考えられる。
【0026】しかも、今回の発明を用いれば、画素に用
いるTFTと、周辺回路のドライバーを形成するTFT
とを、それぞれ特性に応じた結晶形態を利用して作り分
けることも可能であり、アクティブ型液晶表示装置への
応用に特にメリットが多い。画素に用いるTFTは、そ
れほどのモビリティは必要とされておらず、それよりは
オフ電流が小さいことの方がメリットが大きい。そこで
本発明を用いる場合には、画素に用いるTFTとなるべ
き領域に低融点金属あるいは触媒金属微量添加を行うこ
とによって、結晶を縦方向に成長させ、その結果チャネ
ル方向に粒界を多数形成してオフ電流を低下させること
が可能である。それに対して、周辺回路のドライバーを
形成するTFTは、今後ワークステーションへの応用等
を考えた場合には、非常に高いモビリティが必要であ
る。そこで本発明を応用する場合には、周辺回路のドラ
イバーを形成するTFTの近傍に低融点金属あるいは触
媒金属の微量添加を行い、そこから一方向に結晶を成長
させ、その結晶成長方向をチャネルの電流のパス方向と
揃えることにより、非常に高いモビリティを有するTF
Tを作製することが可能である。また、図4に示すの
は、触媒金属としてNiを用い結晶性珪素膜を得た例に
おける、結晶化後のNi濃度をSIMSで調べた例であ
る。図4を見ると、Niが添加された領域(Plasma tre
ated)におけるNi濃度よりも、基板に平行な方向に結
晶成長した部分(Lateral growth)におけるNi濃度の方
が低いことがわかる。またa-SiはNiを何ら添加しない
非晶質珪素膜のデータであり、バックグランドの値であ
ると解釈される。本発明の場合も、この図4のデータと
基本的に同じ傾向のデータが得られるものと考えられ、
このことからも基板に平行な方向に結晶成長した領域を
利用することは有用であると考えられる。
【0027】3族の元素を利用して珪素膜の結晶化を行
った場合、結晶化の後において膜中にこの3族元素が残
留するので、P型の導電型を有した結晶性珪素膜を得る
ことができる。同様に5族の元素を利用して結晶化を行
った場合、N型の導電型を有した結晶性珪素膜を得るこ
とができる。これらの一導電型を有した結晶性珪素膜の
導電率は、結晶化に際して導入される3族または5族の
元素の添加量によって制御することができる。また、さ
らに一導電型を付与する不純物を添加して導電型と導電
率を制御するのでもよい。
【0028】また例えば、3族の元素であるInを10
0の領域に選択的に導入し、その後非晶質珪素膜104
を形成し、さらに550度、4時間の加熱によって結晶
化を行った場合、100の領域から矢印105で示すよ
うに基板に平行な方向に結晶成長が行われる。この際、
Inは結晶成長とともに拡散するので、結晶化が行われ
た領域にはInが存在する。その濃度は、2×1017
2×1019cm-3程度であるので、その領域は結晶化す
るとともに、P型化する。またInの導入量や結晶化に
従って拡散した位置を選択することによって、P+ 領域
やP- 領域を得ることができる。そしてこの領域を利用
してTFTを形成することで、チャネル形成領域がP+
型またはP- 型のTFTを得ることができる。同様に、
上記のInの代わりに5族の元素であるSbを用いた場
合、チャネル形成領域がN+ 型またはN- 型のTFTを
得ることができる。このように、チャネル形成領域の導
電型をP- 型またはN- 型とすることは、TFTのVth
を制御することができ有用である。
【0029】本発明は、結晶化のための微量元素である
前述の低融点金属あるいは触媒金属の微量添加を行い、
そこから基板に平行な方向に1次元的な結晶成長を行わ
せ、その1次元的な結晶成長が行われた領域を利用して
電子デバイスを構成することを特徴とする。特にこの領
域の結晶性を有する薄膜珪素半導体を用いて絶縁ゲイト
型電界効果トランジスタを形成する際に、そのチャネル
形成領域において、キャリアが移動する方向と珪素膜の
結晶成長方向とを概略揃えることによって、高移動度を
有するTFTを得ることができる。また、この基板に平
行な方向に結晶成長した結晶性珪素膜を利用して、ダイ
オード、トランジスタを集積化して形成することは有用
である。さらにまた、同一基板上にキャパシタ、抵抗等
を集積化することもできる。またこれらは、安価なガラ
ス基板を利用して構成できるという別な特徴を有する。
【0030】
【作用】薄膜珪素半導体を用いた半導体装置において、
膜の平面方向に針状または柱状に結晶成長した結晶性珪
素膜の結晶成長方向をキャリアの移動方向と概略揃える
ことにより、キャリアの移動を結晶粒界に沿った方向と
することができ、キャリアを高移動度で動かすことがで
きる。
【0031】
【実施例】以下の実施例においては、3族の元素である
Inと5族の元素であるSb、さらには4族の元素であ
るSnを微量添加して珪素膜の結晶化を行う例を示す
が、他の3族または5族、さらには4族元素、さらには
Znを利用する場合でも、以下の実施例と同様である。
そしてこの際、これら微量元素の添加量は、結晶化した
後の珪素膜中における濃度が、2×1017〜2×1019
cm-3となるようにすればよい。
【0032】〔実施例1〕本実施例は、ガラス基板上に
結晶性珪素膜を用いたPチャネル型TFT(PTFTと
いう)とNチャネル型TFT(NTFTという)とを相
補型に組み合わせた回路を形成する例である。本実施例
の構成は、アクティブ型の液晶表示装置の画素電極のス
イッチング素子や周辺ドライバー回路、さらにはイメー
ジセンサやその他集積回路に利用することができる。
【0033】図1に本実施例の作製工程の断面図を示
す。まず、基板(コーニング7059)101上にスパ
ッタリング法によって厚さ2000Åの酸化珪素の下地
膜102を形成する。つぎにメタルマスクまたは酸化珪
素膜等によって形成されたマスク103を設ける。この
マスク103は、スリット状に下地膜102を100で
示す領域において露呈させる。即ち、図1(A)の状態
を上面から見ると、スリット状に下地膜102は露呈し
ており、他ぼ部分はマスクされている状態となってい
る。
【0034】上記マスク103を設けた後、蒸着法によ
って、厚さ5〜200Å、例えば20ÅのInの薄膜を
100の領域に選択的に成膜する。なお、実際には、2
0Åの均一な厚さにIn膜を成膜することは困難であ
り、またその正確な厚さを計測することも困難である
が、蒸着源の減少分からその概略の厚さを概算すること
ができる。この工程は、3族の元素であるInを微量に
導入し、このInが導入された領域から後に形成する非
晶質珪素膜を結晶化させるためである。
【0035】つぎに、プラズマCVD法によって、厚さ
500〜1500Å、例えば1000Åの真性(I型)
の非晶質珪素膜104を成膜する。そして、これを水素
還元雰囲気下(好ましくは、水素の分圧が0.1〜1気
圧),550℃、または不活性雰囲気化(大気圧),5
50℃、で4時間アニールして結晶化させる。この際、
Inの薄膜が選択的に成膜された100の領域において
は、基板101に対して垂直方向に結晶性珪素膜104
の結晶化が起こる。そして、領域100以外の領域で
は、矢印105で示すように、領域100から横方向
(基板と平行な方向)に結晶成長が行われる。例えば図
2の100で示す領域にInを導入した場合、矢印10
5で示すように1次元的に結晶成長が行われる。またこ
の結晶成長は、針状あるいは柱状に行われる。
【0036】そしてこの結晶化を助長させ、さらに緻密
な結晶性珪素膜を得るために、上記加熱アニールの後に
ランプ加熱によるアニールを行う。このアニールは、
1.2μmの赤外光を用いて行う。また、このアニール
の時間は5分以内とする。赤外光は、珪素には効率良く
吸収され、珪素の膜質改善には大きな効果を得ることが
できる。一方、ガラス基板には吸収されにくいので、珪
素に対して選択的にエネルギーを与えるとともに、ガラ
ス基板はあまり加熱しないという有意性が得られる。こ
のランプ加熱によるアニールに用いられる光としては、
タングステンハロゲンランプ光(波長0.5μm〜3.
5μm)等を用いることができる。このランプ加熱によ
るアニールによって、緻密な結晶性珪素膜を得ることが
できる。また、上記ランプ加熱の代わりにレーザー光を
用いたアニールを行うことも可能である。このランプ加
熱によるアニールは、結晶性の改善、特に膜中の欠陥を
大きく減少できるという効果がある。
【0037】上記工程の結果、非晶質珪素膜を結晶化さ
せて、結晶性珪素膜104を得ることができる。その
後、素子間分離を行い、TFTのソース/ドレイン領
域、チャネル形成領域が形成される活性層の領域を確定
する。本実施例においては、約40μm以上にわたって
基板に平行な方向への結晶成長が見られたので、それぞ
れの活性層の長さ(ソース/ドレイン方向の長さ)を4
0μmとした。この場合、チャネルの中心とニッケルが
導入された位置との距離は約20μmとなるが、この距
離を設定することで、活性層中(特にチャネル形成領
域)でのInの濃度を選択することができる。
【0038】つぎに、スパッタリング法によって厚さ1
000Åの酸化珪素膜106をゲイト絶縁膜として成膜
する。スパッタリングには、ターゲットとして酸化珪素
を用い、スパッタリング時の基板温度は200〜400
℃、例えば350℃、スパッタリング雰囲気は酸素とア
ルゴンで、アルゴン/酸素=0〜0.5、例えば0.1
以下とする。
【0039】この工程の後、先程のランプ加熱によるア
ニールを再度行う。これは、酸化珪素膜より成るゲイト
絶縁膜106と結晶性珪素膜104との界面特性を改善
するためである。勿論、このランプ加熱のアニールによ
っても結晶性珪素膜104の結晶性はさらに改善され
る。周知のように、絶縁ゲイト型電界効果トランジスタ
のゲイト絶縁膜とチャネル形成領域(図1においては、
112と115がチャネル形成領域となる結晶性珪素膜
部分である)との界面特性を改善すること、具体的に
は、その領域における欠陥や準位を極力低減させること
は重要である。よって、このゲイト絶縁膜106の形成
後に行われるランプ加熱によるアニールは大きな効果を
得ることができる。また、ランプ加熱の代わりにレーザ
ー光の照射によるアニールを行ってもよい。
【0040】つぎに、スパッタリング法によって、厚さ
6000〜8000Å、例えば6000Åのアルミニウ
ム(0.1〜2%のシリコンを含む)を成膜する。そし
て、パターニングを行い、ゲイト電極107、109を
形成する。さらに、このアルミニウムの電極の表面を陽
極酸化して、表面に酸化物層108、110を形成す
る。この陽極酸化は、酒石酸が1〜5%含まれたエチレ
ングリコール溶液中で行った。得られた酸化物層10
8、110の厚さは2000Åであった。なお、この酸
化物108と110とは、後のイオンドーピング工程に
おいて、オフセットゲイト領域を形成する厚さとなるの
で、オフセットゲイト領域の長さを上記陽極酸化工程で
決めることができる。勿論このゲイト電極は、珪素を主
成分とするもの、さらには珪素と金属とのシリサイドを
有するもの、金属を主成分とするもの、珪素と金属との
積層を有する構造であってもよい。
【0041】次に、イオンドーピング法(イオン注入
法)によって、活性層領域(ソース/ドレイン、チャネ
ルを構成する)に一導電型を付与する不純物を添加す
る。このドーピング工程において、ゲイト電極107と
その周囲の酸化層108、ゲイト電極109とその周囲
の酸化層110をマスクとして不純物(燐およびホウ
素)を注入する。ドーピングガスとして、フォスフィン
(PH3 )およびジボラン(B2 6 )を用い、前者の
場合は、加速電圧を60〜90kV、例えば80kV、
後者の場合は、40〜80kV、例えば65kVとす
る。ドース量は1×10 15〜8×1015cm-2、例え
ば、燐を2×1015cm-2、ホウ素を5×1015とす
る。ドーピングに際しては、一方の領域をフォトレジス
トで覆うことによって、それぞれの元素を選択的にドー
ピングする。この結果、N型の不純物領域114と11
6、P型の不純物領域111と113が形成され、Pチ
ャネル型TFT(PTFT)の領域とNチャネル型TF
T(NTFT)との領域を形成することができる。
【0042】その後、レーザー光の照射によってアニー
ル行う。レーザー光としては、KrFエキシマレーザー
(波長248nm、パルス幅20nsec)を用いた
が、他のレーザーであってもよい。レーザー光の照射条
件は、エネルギー密度が200〜400mJ/cm2
例えば250mJ/cm2 とし、一か所につき2〜10
ショット、例えば2ショット照射する。このレーザー光
の照射時に基板を200〜450℃程度に加熱すること
は有用である。このレーザアニール工程において、先に
結晶化された領域にはニッケルが拡散しているので、こ
のレーザー光の照射によって、再結晶化が容易に進行
し、P型を付与する不純物がドープされた不純物領域1
11と113、さらにはNを付与する不純物がドープさ
れた不純物領域114と116は、容易に活性化させる
ことができる。
【0043】またこのソース/ドレイン領域のアニール
方法として、前述のランプ加熱によるアニール方法も有
効である。このランプ加熱(例えば1.2μmの赤外光
を用いる)は前述のように、珪素を選択的に加熱するの
で、ガラス基板の加熱を極力避けたい本実施例のような
工程には有用である。
【0044】続いて、厚さ6000Åの酸化珪素膜11
8を層間絶縁物としてプラズマCVD法によって形成
し、これにコンタクトホールを形成して、金属材料、例
えば、窒化チタンとアルミニウムの多層膜によってTF
Tの電極・配線117、120、119を形成する。最
後に、1気圧の水素雰囲気で350℃、30分のアニー
ルを行い、TFTを相補型に構成した半導体回路を完成
する。(図1(D))
【0045】上記に示す回路は、PTFTとNTFTと
を相補型に設けたCMOS構造であるが、上記工程にお
いて、2つのTFTを同時に作り、中央で切断すること
により、独立したTFTを2つ同時に作製することも可
能である。
【0046】図2に、図1(D)を上面から見た概要を
示す。図2における符号は図1の符号に対応する。図2
に示すように結晶化の方向、即ち結晶成長するのは矢印
105で示す方向である。この方向は、ソース/ドレイ
ン領域の概略の方向(ソース領域とドレイン領域を結ん
だ線方向)であり、この構成においては、TFTの動作
時に、キャリアがソース/ドレイン間を針状あるいは柱
状に成長した結晶に沿って移動する。即ちキャリアは針
状あるいは柱状の結晶の結晶粒界に概略沿って移動す
る。従って、キャリアが移動する際に受ける抵抗を低減
することができ、高移動度を有するTFTを得ることが
できる。
【0047】本実施例においては、Inを導入する方法
として、非晶質珪素膜104下の下地膜102上に選択
的に薄膜(極めて薄いので、膜として観察することは困
難である)として形成し、この部分から結晶成長を行わ
す方法を採用したが、非晶質珪素膜104を形成後に、
選択的にIn薄膜を成膜する方法でもよい。即ち、結晶
成長は非晶質珪素膜の上面から行ってもよいし、下面か
ら行ってもよい。またInの導入方法としては、プラズ
マ処理、Inのイオン注入、さらには結晶化させる珪素
膜の成膜時にInを微量に添加する方法でもよい。
【0048】〔実施例2〕本実施例は、アクティブ型の
液晶表示装置において、Nチャネル型TFTをスイッチ
ング素子として各画素に設けた例である。以下において
は、一つの画素について説明するが、他に多数(一般に
は数十万)の画素が同様な構造で形成される。また、N
チャネル型ではなくPチャネル型でもよいことはいうま
でもない。また、液晶表示装置の画素部分に設けるので
はなく、周辺回路部分にも利用できる。また、イメージ
センサや他の集積回路に利用することができる。即ち薄
膜トランジタと利用するのであれば、特にその用途が限
定されるものではない。
【0049】また本実施例においては、結晶化のための
微量元素としてInを用い、結晶化した珪素膜をP-
とすることによって、形成されるNチャネル型TFTの
特性を制御することを特徴とする。ここで、Inの代わ
りにSbを用いればチャネル形成領域をN- 型とするこ
とができる。またその導電率は、これら微量元素の導入
量、さらには導入された位置からの距離、さらには結晶
化条件(拡散の度合いが変化する)によって定めること
ができる。
【0050】本実施例の作製工程の概略を図3に示す。
本実施例において、基板201としてはガラス基板(厚
さ1.1mm、300×400mm)を使用した。ま
ず、下地膜203(酸化珪素)をスパッタリング法で2
000Åの厚さに形成する。この後選択的にInを導入
するために、メタルマスクや酸化珪素膜、またはフォト
レジスト等により、マスク203を形成する。そして、
蒸着法によりIn薄膜を成膜する。このIn膜は、厚さ
5〜200Å、例えば20Åの厚さに形成する。このよ
うにして、選択的に領域204に珪素膜を結晶化させる
ための微量元素Inが導入される。
【0051】この後、LPCVD法もしくはプラズマC
VD法で非晶質珪素膜205を1000Åの厚さに形成
し、400℃で1時間脱水素化を行った後、加熱アニー
ルによって結晶化を行う。このアニール工程は、水素還
元雰囲気下(好ましくは、水素の分圧が0.1〜1気
圧)、550℃で4時間行う。またこの加熱アニール工
程を窒素等の不活性雰囲気中で行ってもよい。
【0052】このアニール工程において、非晶質珪素膜
205下の一部の領域(204の領域)には、In膜が
形成されているので、この部分から結晶化が起こる。こ
の結晶化の際、図3(B)の矢印で示すように、In薄
膜が成膜されている部分204では、基板201に垂直
方向に珪素の結晶成長が進行する。また、同様に矢印で
示されるように、In薄膜が成膜されいていない領域
(領域205以外の領域)においては、基板に対し、平
行な方向に結晶成長が行われる。即ち横方向成長が行わ
れる。この後実施1と同様なランプ加熱によってアニー
ルを行い、珪素膜の結晶性の改善(緻密化)を行う。
【0053】こうして、結晶性珪素よりなる半導体膜2
05を得ることができる。次に、上記半導体膜205を
パターニングして島状の半導体領域(TFTの活性層)
を形成する。この際、チャンネル形成領域209が形成
される部分とInが導入される204との距離を設定す
ることにより、チャネル形成領域209におけるInの
濃度を決めることができる。即ちその距離を長くすれ
ば、チャネル形成領域209におけるIn濃度を小さく
することができ、その距離を短くすれば、チャネル形成
領域におけるIn濃度を高くすることができる。勿論こ
の場合、珪素膜205が結晶化している領域でなければ
ならない。
【0054】さらにテトラ・エトキシ・シラン(TEO
S)を原料として、酸素雰囲気中のプラズマCVD法に
よって、酸化珪素のゲイト絶縁膜(厚さ700〜120
0Å、典型的には1000Å)206を形成する。基板
温度はガラスの縮みやソリを防止するために400℃以
下、好ましくは200〜350℃とする。この後、実施
例1と同様に赤外光の照射によるランプ加熱を1分〜5
分行い、半導体膜205とゲイト絶縁膜206との界面
特性を向上させる。
【0055】次に、公知の珪素を主成分とした膜をCV
D法で形成し、パターニングを行うことによって、ゲイ
ト電極207を形成する。その後、N型の不純物とし
て、リンをイオン注入でドーピングし、自己整合的にソ
ース領域208、チャネル形成領域209、ドレイン領
域210を形成する。そして、KrFレーザー光を照射
することによって、イオン注入のために結晶性の劣化し
た珪素膜の結晶性を改善させる。このときにはレーザー
光のエネルギー密度は250〜300mJ/cm 2 とす
る。このレーザー照射によって、このTFTのソース/
ドレインのシート抵抗は300〜800Ω/cm2 とな
る。この工程も、レーザー光を用いる代わりに、赤外光
のランプ加熱で行うことができる。
【0056】その後、酸化珪素によって層間絶縁物21
1を形成し、さらに、画素電極212をITOによって
形成する。そして、コンタクトホールを形成して、TF
Tのソース/ドレイン領域にクロム/アルミニウム多層
膜で電極213、214を形成し、このうち一方の電極
213はITO212にも接続するようにする。最後
に、水素中で200〜300℃で2時間アニールして、
シリコンの水素化を完了する。このようにして、TFT
を完成する。この工程は、同時に他の多数の画素領域に
おいても同時に行われる。
【0057】本実施例で作製したTFTは、ソース領
域、チャネル形成領域、ドレイン領域を構成する活性層
として、キャリアの流れる方向に結晶成長させた結晶性
珪素膜を用いているので、結晶粒界をキャリアが横切る
ことがなく、即ちキャリアが針状あるいは柱状の結晶の
結晶粒界に沿って移動することになるから、キャリアの
移動度の高いTFTを得ることができる。
【0058】〔実施例3〕本実施例は、実施例2に示す
TFTにおいて、結晶の成長方向に対して垂直な方向に
ソース/ドレインを設けた例である。即ち、キャリアの
移動する方向が結晶成長方向とは垂直になっており、針
状あるいは柱状の結晶の結晶粒界を横切るようにしてキ
ャリアが移動する構成とした例である。このような構成
とすると、ソース/ドレイン間の抵抗を高くすることが
できる。これは、針状あるいは柱状に結晶成長した結晶
の結晶粒界を横切るようにキャリアが移動しなければな
らないためである。本実施例の構成を実現するには、実
施例2に示す構成において、単にTFTをどのような向
きで設けるかを設定すればよい。
【0059】〔実施例4〕本実施例は、実施例2に示す
構成において、TFTを設ける向き(ここではソース/
ドレイン領域を結ぶ線で定義する。即ち、キャリアの流
れる向きでTFTの方向を決めることとする)を結晶性
珪素膜の基板表面に対する結晶成長方向と任意の角度で
設定することにより、TFTの特性を選択することを要
旨とする。
【0060】前述のように、結晶の成長方向にキャリア
を移動させる場合、キャリアは結晶粒界に沿って移動す
るので、その移動度を向上させることができる。一方、
結晶の成長方向に対して垂直な方向にキャリアを移動さ
せる場合には、キャリアが多数の粒界を横切らなければ
ならないので、キャリアの移動度は低下する。
【0061】そこで、この2つの状態の間を選択するこ
とによって、即ち結晶成長方向とキャリアの移動する方
向との角度を0〜90°の範囲において設定することに
より、キャリアの移動度を制御することができる。また
別な見方をするならば、上記結晶成長方向とキャリアの
移動する方向との角度を設定することにより、ソース/
ドレイン領域間の抵抗を制御できることになる。勿論こ
の構成は、実施例1に示す構成にも利用することができ
る。この場合、図2に示すスリット状のIn微量添加領
域100が0〜90°の範囲で回転し、矢印105で示
す結晶の成長方向と、ソース/ドレイン領域を結ぶ線と
の角度が0〜90°範囲で選択されることになる。そし
て、この角度が、0°に近い場合は移動度が大きく、ソ
ース/ドレイン間の電気抵抗が小さい構成とすることが
できる。またこの角度が90°に近い場合、移動度が小
さく、ソース/ドレイン間の抵抗、即ちチャネル形成領
域の抵抗が大きい構成とすることができる。
【0062】〔実施例5〕本実施例は、図3に示す実施
例2の作製工程において、In薄膜を下地膜202上全
面に形成することで、珪素膜全面において、基板に垂直
な方向に結晶成長をさせる例である。TFTの作製は、
マスク203を設けずにIn薄膜を下地膜202上全面
に形成し、かかる後に実施例2で説明したように非晶質
珪素膜205を形成し、さらに結晶化工程を経て、TF
Tを作製する。
【0063】本実施例のTFTの概略の断面は、図3
(D)に示すものと異なるものではないが、ソース/ド
レイン領域208、210とチャネル形成領域209と
が形成される活性層において、針状あるいは柱状の結晶
の成長方向が、基板201に対して垂直に成されてい
る。この為、ソース領域(208または210)とドレ
イン領域(210または208)との間を移動するキャ
リアは、針状あるいは柱状の結晶の結晶粒界を横切る形
で移動することになる。従って、ソース/ドレイン間の
抵抗が若干高いTFTとなる。このようなTFTは、移
動度は100cm2/Vs以下であるが、オフ電流が小
さいので、電荷保持を行うことを目的とする液晶表示装
置の画素用TFTに最適な形式となる。
【0064】しかしながら、本実施例のようなTFT
は、活性層中におけるInの濃度を制御することが困難
であるので、歩留りや信頼性に問題がある。この問題
は、Inの導入量を制御できる方法(例えばイオン注入
法)を利用することで改善することができる。
【0065】〔実施例6〕本実施例は、加熱による珪素
膜の結晶化のための微量元素である3族または5族の元
素の他に珪素イオンの注入により、さらに結晶化を促進
させる例である。本実施例の作製工程を図1を用いて説
明する。また特に断らない限り個々の作製工程における
作製条件や膜厚は、実施例1で説明したのと同様であ
る。
【0066】まずガラス基板101上に下地膜(酸化珪
素膜)を形成し、さらにマスク103を形成し、選択的
に結晶化のための触媒元素であるInを薄膜として露呈
した100の領域に形成する。つぎにマスク103を取
り除き、非単結晶珪素膜ここでは非晶質珪素膜104を
プラズマCVD法によって形成する。次に4族の元素で
ある珪素をイオン注入法により、全面に打ち込む。この
際、投影飛程が珪素膜104と下地膜102との界面近
傍の基板側になるようにする。イオン注入の加速電圧は
60kVし、ドーズ量は2×1015cm-2とする。この
結果、基板(下地膜も含む)と非晶質珪素膜104との
界面近傍を中心に徹底的に非晶質化が行われ、結晶化核
となるべき存在を極力無くすことができる。
【0067】ここでSiイオンを用いるのは、Siイオ
ンが珪素に対して電気的に中性の不純物であるからであ
る。またそのドーズ量は5×1014〜5×1016イオン
cm -2とすればよい。
【0068】この後、非晶質珪素膜104を550度、
4時間の加熱により結晶化させる。この際、100の領
域から矢印105で示すような基板に平行な方向への結
晶成長が起こる。この結晶成長は、針状あるいは柱状に
行われる。この結晶成長の際、基板と非晶質珪素膜との
界面を中心に結晶成長の核になる結晶成分(非晶質珪素
膜といっても、程度も問題として結晶成分は存在する)
が先の珪素イオンの注入によって排除されているので、
100の領域から基板に平行な方向に行われる結晶成長
が珪素膜104と下地膜102との界面から発生する結
晶成長によって阻害されることなく、配向性の良好な、
即ち結晶成長方向の揃った結晶成長を行わすことができ
る。
【0069】後は実施例1で説明したように、PTFT
及びNTFTを形成することで、相補型に形成されたT
FT回路を完成する。本実施例のように、配向性の良好
な結晶性珪素膜において、その結晶成長方向とキャリア
の移動する方向とが概略揃うようにTFTを形成した場
合、キャリアが結晶粒界に沿って移動するので、その移
動の際に結晶粒界の影響を殆ど受けない構成とすること
ができる。即ち、高速動作を得ることができる。
【0070】本実施例においてさらに結晶性の向上が得
られ、移動度の高いTFTが得られたのは、3族の元素
であるInの導入領域からの基板に平行な方向への結晶
成長において、この結晶成長を阻害する基板に垂直方向
への結晶成長を助長する結晶成分が前もって徹底的に除
去されていたので、基板に平行な方向への結晶成長が優
先的に行われたためであると考えられる。特に基板に垂
直な方向に柱状に結晶成長する際の結晶核が存在する珪
素膜と基板との界面近傍を徹底的に非晶質化したことが
有効であったと考えられる。
【0071】〔実施例7〕本実施例は、アクティブ型の
液晶表示装置において、周辺ドライバー回路を3族また
は5族元素の微量添加により結晶化させた実施例1また
は実施例2にその作製工程を示すTFTで構成し、画素
部分に設けられるTFTを公知の非晶質珪素(アモルフ
ァスシリコン)を用いたTFTで構成する例である。
【0072】公知のように、アクティブ型の液晶表示装
置において、周辺ドライバー回路部分のTFTは、高移
動度(100cm2 /Vs以上)を有し、多くのオン電
流を流せるTFTが必要とされるが、画素部分に設けら
れるTFTは、電荷保持のために小さなオフ電流と光照
射による誤動作を避けるために比較的小さな移動度(1
0cm2 /Vs程度)を有することを要求される。
【0073】この要求は、周辺回路部分を実施例1や実
施例2で説明したTFTで構成し、画素部分を公知の非
晶質珪素膜を利用したTFT(a−SiTFT)で形成
することで、ある程度満足される。しかし、非晶質珪素
膜を利用したTFTは、その移動度は1cm2 /Vs以
下であるので、その点で問題が残る。
【0074】〔実施例8〕本実施例は、実施例7をさら
に発展させたもので、周辺回路部分のTFTは、実施例
1や実施例2で示した100cm2 /Vs以上の高移動
度を有するTFTで構成し、画素部分のTFTを実施例
5で示したTFTで構成する例である。
【0075】実施例5に示したTFTは、基板に垂直な
方向に結晶成長を行わすことによって、キャリアの流れ
に対して、結晶粒界が垂直になるようにし、キャリアが
多数の結晶粒界を横切るように構成したTFTである。
このようなTFTは、キャリアの移動が結晶粒界によっ
て阻害されるので、移動度は低下する。しかし、オフ電
流は小さくなるので、電荷保持率を高めることができ、
画素用のTFTとしては適する。
【0076】なお本実施例において、周辺回路部分のT
FTの移動度をさらに高めるのであれば、その領域に実
施例7で示したような中性元素のイオン注入を併用すれ
ばよい。
【0077】〔実施例9〕本実施例は、実施例1または
実施例2において、結晶化を促進させる微量元素とし
て、4族元素であるSnを用いた例である。Snの他に
は、C、Ge、Pbを利用することができる。本実施例
においても、実施例1や実施例2と同様にSnを蒸着に
より薄膜として導入するが、Snのイオンを非晶質珪素
膜に注入し、直接Snを珪素膜中に導入するのでもよ
い。
【0078】
【効果】基板上に設けられ、しかも基板表面に平行な方
向に結晶成長した結晶性を有する非単結晶珪素半導体膜
をTFTに利用するに際して、TFT内を移動するキャ
リアの流れの方向を結晶成長が行われた方向と合わせる
ことにより、キャリアの移動が針状または柱状に成長し
た結晶の結晶粒界に沿って(平行に)移動する構成とす
ることができ、高移動度を有するTFTを得ることがで
きる。さらにこれらのTFTを600度以下の低温で形
成することができるので、基板として安価なガラス基板
を利用することができる。
【0079】また、必要とする移動度を有するTFTを
選択的に作り分けることができる。具体的には、 1.基板に平行な方向に結晶成長した結晶性珪素膜を用
いて、結晶粒界に沿った方向にキャリアが移動するよう
にTFTを作製する。 2.基板に平行な方向に結晶成長した結晶性珪素膜を用
いて、結晶粒界を横切ってキャリアが移動するようにT
FTを作製する。 3.基板に垂直な方向に結晶成長した領域にTFTを作
製する。 4.部分的に結晶化のための元素を導入することで、選
択的に結晶性珪素膜を形成し、その結晶性珪素膜を利用
することで、特定の部分のTFTを高移動度TFTとす
る。 特に、結晶化のための元素が導入された領域から離れた
領域の結晶性珪素膜は、1次元的な配向性を有している
ので、この領域を利用して、高移動度を有するTFTを
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の作製工程を示す。
【図2】 実施例の概要を示す。
【図3】 実施例の作製工程を示す。
【図4】 結晶性珪素膜中の金属元素濃度を示す。
【符号の説明】
101 ガラス基板 102 下地膜(酸化珪素膜) 103 マスク 104 珪素膜 105 結晶化の方向 106 ゲイト絶縁膜 107 ゲイト電極 108 陽極酸化層 109 ゲイト電極 110 陽極酸化層 111 ソース/ドレイン領域 112 チャネル形成領域 113 ドレイン/ソース領域 114 ソース/ドレイン領域 115 チャネル形成領域 116 ドレイン/ソース領域 117 電極 118 層間絶縁物 120 電極 119 電極 201 ガラス基板 202 下地膜(酸化珪素膜) 203 マスク 204 ニッケル微量添加領域 205 珪素膜 206 ゲイト絶縁膜 207 ゲイト電極 208 ソース/ドレイン領域 209 チャネル形成領域 210 ドレイン/ソース領域 211 層間絶縁物 213 電極 214 電極 212 ITO(画素電極)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/336 G02F 1/136 500 // G02F 1/1368

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】薄膜トランジスタを有する装置であって、
    前記薄膜トランジスタは、絶縁表面上のシリコンを有す
    る半導体膜と、一導電性を有する前記半導体膜中の一対
    の不純物領域と、前記半導体膜の前記一対の不純物領域
    の一部上に金属を含む物質と、を有しており、前記金属
    を含む物質がB、Al、Ga、In、Tl、Sc、Y、ランタノイド
    元素、C、Sn、Pb、Ti、Zr、Hf、N、P、As、Sb、Bi、V、
    NbおよびTaから選択される1種または複数種の元素から
    なることを特徴とする装置。
  2. 【請求項2】薄膜トランジスタを有する装置であって、
    前記薄膜トランジスタは、絶縁表面上のシリコンを有す
    る半導体膜と、一導電性を有する前記半導体膜中の一対
    の不純物領域と、前記半導体膜の前記一対の不純物領域
    の一部上にゲルマニウムを含む物質を有することを特徴
    とする装置。
  3. 【請求項3】薄膜トランジスタを有する装置であって、
    前記薄膜トランジスタは、絶縁表面上のシリコンを有す
    る半導体膜と、一導電性を有する前記半導体膜中の一対
    の不純物領域と、前記半導体膜の前記一対の不純物領域
    の一部上に金属を含む物質と、前記半導体膜の前記一対
    の不純物領域と電気的に接続されている配線と、を有し
    ており、前記金属を含む物質がB、Al、Ga、In、Tl、S
    c、Y、ランタノイド元素、C、Sn、Pb、Ti、Zr、Hf、N、
    P、As、Sb、Bi、V、NbおよびTaから選択される1種また
    は複数種の元素からなることを特徴とする装置。
  4. 【請求項4】薄膜トランジスタを有する装置であって、
    前記薄膜トランジスタは、絶縁表面上のシリコンを有す
    る半導体膜と、一導電性を有する前記半導体膜中の一対
    の不純物領域と、前記半導体膜の前記一対の不純物領域
    の一部上にゲルマニウムを含む物質と、前記半導体膜の
    前記一対の不純物領域の組と電気的に接続されている配
    線からなることを特徴とする装置。
  5. 【請求項5】薄膜トランジスタを有する装置であって、
    前記薄膜トランジスタは、絶縁表面上のシリコンを有す
    る半導体膜と、一導電性を有する前記半導体膜中の一対
    の不純物領域と、金属を含む物質が直接添加されている
    部分を有する前記半導体膜と、前記部分に電気的に接続
    された配線と、を有しており前記金属を含む物質がB、A
    l、Ga、In、Tl、Sc、Y、ランタノイド元素、C、Sn、P
    b、Ti、Zr、Hf、N、P、As、Sb、Bi、V、NbおよびTaから
    選択される1種または複数種の元素からなることを特徴
    とする装置。
  6. 【請求項6】薄膜トランジスタを有する装置であって、
    前記薄膜トランジスタは、絶縁表面上のシリコンを有す
    る半導体膜と、一導電性を有する前記半導体膜中の一対
    の不純物領域と、ゲルマニウムを含む物資が直接添加さ
    れている部分を有する前記半導体膜と、前記部分に電気
    的に接続された配線とからなることを特徴とする装置。
  7. 【請求項7】絶縁表面上に形成されたシリコンを有する
    半導体膜と、前記半導体膜中に形成された第一のソース
    領域、第一のドレイン領域および第一のチャネル形成領
    域とを有する第一の薄膜トランジスタと、前記半導体膜
    中に形成された第二のソース領域、第二のドレイン領域
    および第二のチャネル形成領域とを有する第二の薄膜ト
    ランジスタと、を有する装置であって、前記半導体膜の
    一部には、金属を含む物質が直接添加されており、前記
    半導体膜の一部は、前記第一のドレイン領域の一部およ
    び前記第二のソース領域の一部であり、前記金属を含む
    物質がB、Al、Ga、In、Tl、Sc、Y、ランタノイド元素、
    C、Sn、Pb、Ti、Zr、Hf、N、P、As、Sb、Bi、V、Nbおよ
    びTaから選択される1種または複数種の元素からなるこ
    とを特徴とする装置。
  8. 【請求項8】絶縁表面上に形成されたシリコンを有する
    半導体膜と、前記半導体膜中に形成された第一のソース
    領域、第一のドレイン領域および第一のチャネル形成領
    域とを有する第一の薄膜トランジスタと、前記半導体膜
    中に形成された第二のソース領域、第二のドレイン領域
    および第二のチャネル形成領域とを有する第二の薄膜ト
    ランジスタと、を有する装置であって、前記半導体膜の
    一部にはゲルマニウムを含む物質が直接添加されてお
    り、前記半導体膜の一部は、前記第一のドレイン領域の
    一部および前記第二のソース領域の一部であることを特
    徴とする装置。
  9. 【請求項9】絶縁表面上に形成されたシリコンを有する
    半導体膜と、前記半導体膜中に形成された第一のソース
    領域、第一のドレイン領域および第一のチャネル形成領
    域とを有する第一の薄膜トランジスタと、前記半導体膜
    中に形成された第二のソース領域、第二のドレイン領域
    および第二のチャネル形成領域とを有する第二の薄膜ト
    ランジスタと、を有する装置であって、前記半導体膜の
    一部には、金属を含む物質が直接添加されており、前記
    半導体膜の一部は前記第一のドレイン領域の一部および
    第二のソース領域の一部であり、前記第一のドレイン領
    域の一部および第二のソース領域に接触している配線を
    有し、前記金属を含む物質がB、Al、Ga、In、Tl、Sc、
    Y、ランタノイド元素、C、Sn、Pb、Ti、Zr、Hf、N、P、
    As、Sb、Bi、V、NbおよびTaから選択される1種または複
    数種の元素からなることを特徴とする装置。
  10. 【請求項10】絶縁表面上に形成されたシリコンを有す
    る半導体膜と、前記半導体膜中に形成された第一のソー
    ス領域、第一のドレイン領域および第一のチャネル形成
    領域とを有する第一の薄膜トランジスタと、前記半導体
    膜中に形成された第二のソース領域、第二のドレイン領
    域および第二のチャネル形成領域とを有する第二の薄膜
    トランジスタと、を有する装置であって、前記半導体膜
    の一部には、ゲルマニウムを含む物質が直接添加されて
    おり、前記半導体膜の一部は前記第一のドレイン領域の
    一部および第二のソース領域の一部であり、前記第一の
    ドレイン領域の一部および第二のソース領域に接触して
    いる配線を有することを特徴とする装置。
  11. 【請求項11】前記薄膜トランジスタがアクティブ型の
    液晶表示装置の画素電極に接続されていることを特徴と
    する請求項1乃至10のいずれか一に記載の装置。
  12. 【請求項12】前記薄膜トランジスタがアクティブ型の
    液晶表示装置でドライバ回路を構成していることを特徴
    とする請求項1乃至10のいずれか一に記載の装置。
  13. 【請求項13】イメージセンサーである請求項1乃至10
    のいずれか一に記載の装置。
  14. 【請求項14】前記金属を含む物質の濃度が2×1017
    ら2×1019atoms/cm3の範囲であることを特徴とする請求
    項1、請求項3、請求項5、請求項7または請求項9に
    記載の装置。
  15. 【請求項15】前記ゲルマニウムを含む物質の濃度が2
    ×1017から2×1019atoms/cm3の範囲であることを特徴と
    する請求項2、請求項4、請求項6、請求項8または請
    求項10に記載の装置。
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