JPH07152108A - 裏引き層を有する写真要素およびその製造方法 - Google Patents

裏引き層を有する写真要素およびその製造方法

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JPH07152108A
JPH07152108A JP6224956A JP22495694A JPH07152108A JP H07152108 A JPH07152108 A JP H07152108A JP 6224956 A JP6224956 A JP 6224956A JP 22495694 A JP22495694 A JP 22495694A JP H07152108 A JPH07152108 A JP H07152108A
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JP6224956A
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David F Jennings
フランシス ジェニングス デビッド
Charles C Anderson
チェスター アンダーソン チャールズ
Benneth C Onuh
チュクウーメカ オヌー ベネス
Mario D Delaura
デニス デローラ マリオ
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Eastman Kodak Co
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 グラフィックアーツの従来技術の欠点および
制限を克服する、画像生成マスターとして有用な新規写
真要素を提供する。 【構成】 その一方の面に放射線感受性ハロゲン化銀乳
剤層を有し、反対面に、順に、ラテックス下引き層およ
び裏引き層を有する寸法的に安定なポリエステルフィル
ムを含んでなる、グラフィックアーツの分野の画像生成
マスターとして有用な写真要素。裏引き層は、ゼラチ
ン、マット剤、フィルター色素およびブロックされたゼ
ラチン硬化剤を含んでなる。前記写真要素ので製造で、
高温加熱を用いて、ブロックされたゼラチン硬化剤を活
性化し、それにより裏引き層を硬化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般的に写真、特に、
グラフィックアーツの分野における画像生成マスターと
して有用な新規写真要素に関する。より具体的には、本
発明は、一方の面に放射線感受性ハロゲン化銀乳剤層お
よび反対面に裏引き層を有する支持体を含んでなる寸法
的に安定な写真要素、およびそのような写真要素を製造
する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】グラフィックアーツの分野では、画像生
成マスターとして、寸法的に安定なポリエステルフィル
ム支持体を含んでなるハロゲン化銀写真要素を用いるこ
とが良く知られている。そのような要素では、その寸法
安定性が卓越しているので、ポリエステルフィルムが用
いられる。しかし、そのようなフィルムと上に位置する
親水性コロイド層との強固な結合を達成するのが困難な
ため、通常、ポリエステルフィルム支持体と上に位置す
る写真層(ハロゲン化銀乳剤層もしくは裏引き層等)と
の間にラテックス下引き層の使用を必要とする。ポリエ
ステルフィルム支持体と塗膜組成物との接着を促進する
のに使用するラテックス下引き層は、写真技術において
非常に良く知られている。この目的に有用な組成物は、
塩化ビニリデン/アクリロニトリル/アクリル酸ターポ
リマーもしくは塩化ビニリデン/メチルアクリレート/
イタコン酸ターポリマー等の塩化ビニリデンの共重合体
を包含する。このような組成物は、数々の特許明細書、
例えば、米国特許第2,627,088号、同2,69
8,235号、同2,698,240号、同2,94
3,937号、同3,143,421号、同3,20
1,249号、同3,271,178号、同3,44
3,950号、および3,501,301号等の各明細
書に記載されている。ラテックス下引き層は、当該技術
分野において、「ゼラチン下引き」と典型的に呼ばれて
いるゼラチンを含んでなる第二の下引き層で、典型的に
上塗りされる。そして、バインダーとして、ゼラチンも
しくはその他の親水性コロイドを含有するハロゲン化銀
乳剤層等の機能層を、ゼラチン下引きの上に適用する。
【0003】グラフィックアーツの分野において画像生
成マスターとして用いられる写真要素は、支持体として
用いられるポリエステルフィルムは、典型的に、その両
側に機能層を有するので、通常その両側に、ラテックス
下引き層およびゼラチン下引き層が与えられる。従っ
て、このタイプの典型的な写真要素は、一方の面に、ラ
テックス下引き層、ゼラチン下引き層およびハロゲン化
銀乳剤層並びに反対面にラテックス下引き層、ゼラチン
下引き層および裏引き層を有する。
【0004】一方の面に、ハロゲン化銀乳剤層および反
対面に裏引き層を含んでなる写真要素では、裏引き層
は、多くの要件を満足しなければならず、これらの全て
の要件を同時に適合することは極めて困難であることが
わかっている。グラフィックアーツ画像生成マスターに
使用するのに適合する裏引き層の典型的な必須の要件
は、以下の通りである: (1)裏引き層は、過度のカールを防止するように機能
しなければならない。これは、フィルム支持体の反対面
の層の膨張および収縮力のバランスを取るようにこの裏
引き層を設計することによって、典型的に行われる。フ
ィルム支持体の両側の力が等しい場合、カールが本質的
に除かれる。しかし、湿度変化にともない、この写真要
素に膨張および収縮を起こし、それにより寸法安定性を
弱める力に、そのような裏引き層が加わる場合に、この
技法を用いる深刻な問題が存在する。
【0005】(2)裏引き層は、残留する色素汚れを残
さないで、有効にハレーション防止を与えるように機能
しなければならない。裏引き層中にフィルター色素を組
み入れることにより、ベースから空気境界に反射する光
により画像が劣化することに対して、保護を与えるのに
役に立つことができる。写真要素が、室光もしくは明る
い安全光下で取り扱われるタイプである場合、裏引き層
中のフィルター色素もまた、望ましくない露光を防止す
るように作用する。処理後の残留色素汚れが無いよう
に、処理工程でそのような色素が除かれることが、極め
て重要である。低い透水性を有する裏引き層は、処理時
に色素の溶解および移動を抑制するので、この要件は、
裏引き層に使用できるバインダーの選択を厳格に制限す
る。
【0006】(3)裏引き層は、グラフィックアーツに
おいて「オペークする(opaqing) 」として知られる、処
理時の画像欠陥を修正するのに使用する水性インクを吸
収するように機能しなければならない。グラフィックア
ーツ作業においては、画像欠陥に対して保証する必要が
非常に高い。ある例では、グラビア印刷輪転機上に食刻
した画像を形成するのに、この写真要素を用いる場合が
ある。これらの条件下で、輪転機の画像欠陥を修正する
ことは、最も困難であり、費用がかかる。ユーザーは、
オペークインクを自由に使用する傾向があり、オペーク
を取り除くことが必要な場合は、画像にはダメージを与
えられないので、オペークするための好ましい側は、こ
の要素の裏側である。従って、裏引き層が水性インク受
容性であることが非常に望ましい。
【0007】(4)裏引き層は、真空引落し(vacuum dr
awdown) プロセスで、有効な真空密着を促進するように
機能しなければならない。Nitschke等の、米国特許第
4,997,735号(1991年3月5日発行)明細
書に記載されるように、グラフィックアーツにおいて画
像生成マスターとして用いられるハロゲン化銀写真要素
は、二つの写真要素を並置して、そしてそれらの間を真
空に吸引すること(通常、当該技術分野において、真空
フレームとして知られている装置において)を必要とす
る密着露光プロセスにおいて、一般的に用いられる。有
効な真空密着を促進するために、適当に表面を粗くす
る。これは、通常、裏引き層中にマット剤を組み入れる
ことにより達成される。米国特許第4,997,735
号明細書に、指摘されるように、裏引き層のバインダー
として高濃度のゼラチンを使用すると、所望する真空引
落し効率を達成することが困難になる。そのような効率
を達成するために、米国特許第4,997,735号明
細書では、低レベルのバインダーを使用する。又、支持
体の裏引き層側にゼラチン層を持たない要素における、
ポリウレタン類、酢酸セルロース類およびポリ(メタク
リレート)等の疎水性ポリマーバインダーの使用も述べ
ている。これは、非常に効率的な真空引落しを提供する
が、グラフィックアーツにおいて用いられる水性オペー
クインクがそのような疎水性裏引き層に十分に濡れない
もしくは接着しないので、オペーク性能が低い欠点を有
する。さらに、そのような裏引き層は、非常に限定され
た透水性を有し、これにより、処理時に、フィルター色
素の溶解および移動を厳しく抑制する。この問題は、非
常に短い処理時間を使って生産性を高めるグラフィック
アーツの分野において、特に深刻である。
【0008】(5)裏引き層は、写真要素の処理に使用
される水性アルカリ性現像液に耐性を有するように機能
しなければならない。従って、裏引き層は、現像液およ
びその他の処理液に溶解してはならない。さらに、裏引
き層は、写真要素を処理する場合、軟らかくなってネバ
ネバになるのに対抗するために十分に堅牢でなければな
らない。軟質で粘着性の表面は、現像機に生じる汚れを
拾うので、望ましくない。このように、例えば、表面が
軟質で粘着性の場合、現像機のローラーから異物を容易
に運ぶことができる。これらの問題を避けるために、裏
引き層を塗布して、製造プロセスで十分に硬化する方が
良い。
【0009】製造プロセスでは、ハロゲン化銀乳剤層を
塗布する前に行う塗布工程において、裏引き層を塗布す
ることが、非常に都合が良い。この方法によると、裏引
き層を塗布するのに伴って、無駄になるもの(例えば、
仕様外の、もしくは受け入れ難い欠陥を有する生成物)
は、製品に塗布したハロゲン化銀写真乳剤のコストより
むしろ、フィルム支持体のコストである。これは、大き
な費用削減を意味する。硬化プロセスもしくはキュアリ
ング(curing)プロセスを長くする必要無しに、裏引き層
が、短時間で最終特性を達成することもまた重要であ
る。この場合、費用のかかるハロゲン化銀乳剤層を塗布
する前に、そして、時間の遅れ無しにまたは硬化もしく
はキュアリングを見越した在庫管理の必要性無しに、裏
引き層の物性を試験することができる。
【0010】米国特許第4,977,065号明細書に
は、二つの連続する塗布工程において塗布されるカール
防止裏引き層を有する耐水性支持体材料の製造方法が記
載されている。このボトム層は、ゼラチンおよびクロム
(III)塩硬化剤を含んでなり、上部の層(即ち、ボ
トム層を十分に乾燥した後に塗布される)は、クロム塩
(III)硬化した非ゼラチン層を含んでなる。追加の
硬化剤として、グリオキサールもまた添加することがで
きる。伝えるところによれば、この方法は、水分吸収の
極端に低いカールコントロール裏引きを提供する。しか
し、水分吸収の極端に低いカールコントロール裏引き層
は、ハレーション防止色素の完全な溶解のためにも、そ
して塗布、乾燥および水性オペークインクの付着のため
にも望ましくない。
【0011】米国特許第5,077,185号明細書に
は、機能的に結合したカルボキシル基、多官能基のアジ
リジン架橋剤、ハレーション防止色素およびマットビー
ズを有する水溶性導電性ポリマーを含んでなるグラフィ
ックアーツ写真要素の裏引き層が記載されている。伝え
るところによれば、この層は、帯電防止、ハレーション
防止特性、並びに低色素汚れおよび改良された寸法安定
性を提供する。この層が、カールコントロールを与える
ことは報告されなかった。
【0012】欧州特許出願第514903号明細書(1
992年11月25日発行)には、本来ゼラチンである
ボトム層およびバインダーとしてアクリレートポリマー
ラテックスを含んでなる最上層を含んでなるグラフィッ
クアーツ写真要素に有用であると伝えられる裏引き層が
記載されている。しかし、良好なオペークおよび良好な
色素溶解のために、そのような疎水性最上層は望ましく
ない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、グラフィッ
クアーツにおいて従来技術の欠点および制限を克服す
る、画像生成マスターとして有用な新規写真要素を提供
する目的に向けられている。又、本発明の目的は、その
ような写真要素を製造する新規なかつ改良された方法を
提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明に従うと、グラフ
ィックアーツの分野において、画像生成マスターとして
有用な写真要素は、それの一方の面に放射線感受性ハロ
ゲン化銀乳剤層を有し、反対面に、順に、ポリエステル
フィルムの直接上に位置するラテックス下引き層および
ラテックス下引き層の直接上に位置する裏引き層を有す
る寸法的に安定なポリエステルフィルムを含んでなり、
前記裏引き層は: (a)少なくとも300mg/m2 の量のゼラチン、
(b)マット剤、(c)フィルター色素、および(d)
ブロックされたゼラチン硬化剤、を含んでなる。
【0015】本発明の裏引き層は: (1)カール防止、(2)ハレーション防止供与、
(3)真空引落しプロセスにおける、有効な真空密着の
促進、(4)画像欠陥の修正に用いられる水性インクの
吸収、そして(5)写真要素の処理に用いる、水性アル
カリ性現像液に対する耐性、に有効である。
【0016】本明細書で用いられる「ブロックされたゼ
ラチン硬化剤」の語は、加熱時に活性硬化化学種を放出
する硬化剤を意味する。このような硬化剤は、写真技術
の分野では、良く知られている。本発明の裏引き層は、
水性オペークインクの吸収を容易にする、並びにフィル
ター色素の溶解および移動を促進する、ゼラチンの実質
的濃度(即ち、少なくとも300mg/m2 )を用い
る。それは、効率的に真空密着を促進するためにマット
剤を使用、ハレーション防止を提供するためにフィルタ
ー色素を使用する。最も重要なことは、それが、ブロッ
クされたゼラチン硬化剤を用いて、写真要素の製造時
に、ゼラチンの効率的かつ急速な硬化を提供して、水性
アルカリ性処理液に対し有効に耐性を有し、そして汚れ
を拾い上げる問題を避けるように非粘着性である硬化さ
れた層を提供することである。
【0017】本発明の裏引き層は、単一層もしくは二つ
以上の層からなることができる。例えば、裏引き層は、
上部層および下部層からなることができ、下部層は、ゼ
ラチン、フィルター色素、およびブロックされたゼラチ
ン硬化剤を含んでなり、上部層は、ゼラチン、マット
剤、およびブロックされたゼラチン硬化剤を含んでな
る。この配列は、上部層が、フィルター色素の拡散に対
する障壁として作用するので、フィルター色素が、表面
にほとんど拡散しないという利点、さらに、マット剤
が、最も効果的な裏引き層の上部に存在するという利点
を有する。別の適当な配列は、同一の組成であるが、塗
布作業を容易にするために別々に塗布される、上部層お
よび下部層を有することである。そのように、複式の層
に分けることが必要かどうかは、使用するコーティング
装置のタイプに主として依存する。従って、例えば、グ
ラビアコーティング技法を用いて、裏引き層の全ての成
分を、必要なレベルの乾燥塗布量を与える単一層の形に
容易に塗布することができる。
【0018】裏引き層が、ラテックス下引き層の上に直
接に位置することが、本発明の重要な特徴である。従っ
て、裏引き層を受け止める支持体の面には、ポリエステ
ルフィルムは、上記のような、通常のラテックス下引き
層を有するが、通常のゼラチン下引き層は必要でなく、
省略される。これにより、ラテックス下引き層、ラテッ
クス下引き層の上に位置するゼラチン下引き層、および
ゼラチン下引き層の上に位置する裏引き層を含んでなる
従来技術の要素に比べて、要素の構成が簡単になる。本
発明の写真要素では、ハロゲン化銀乳剤層を受け止める
支持体の面は、典型的に、ラテックス下引き層およびゼ
ラチン下引き層の両方を有する。
【0019】本発明は、又、グラフィックアーツの分野
において画像生成マスターとして有用な写真要素の新規
な製造方法を提供し、前記写真要素は、その一方の面に
放射線感受性ハロゲン化銀乳剤層、そしてその反対面に
裏引き層を有する、寸法的に安定な支持体を含んでな
る。新規な製造方法は: (a)その一方の面にラテックス下引き層を有する寸法
的に安定なポリエステルフィルムを提供すること; (b)前記ラテックス下引き層の直接上に位置する裏引
き層を形成することであって、前記裏引き層は:(1)
少なくとも300mg/m2 の量のゼラチン、(2)マ
ット剤、(3)フィルター色素、(4)ブロックされた
ゼラチン硬化剤、を含んでなり、 (c)(1)裏引き層を乾燥する、(2)ブロックされ
たゼラチン硬化剤を活性化し、それにより裏引き層を硬
化する、(3)前記ポリエステルフィルムを加熱緩和(h
eat relax)する、そして(4)ラテックス下引き層への
裏引き層の接着を促進する、のに十分な温度および時間
で、写真要素を加熱すること; (d)前記ポリエステルフィルムの反対面に放射線感受
性ハロゲン化銀乳剤層を塗布すること、の工程を含んで
なる。
【0020】本発明の新規製造方法の鍵となる特徴は、
加熱工程である。ハロゲン化銀乳剤層を塗布する前に裏
引き層を塗布するので、この写真要素を相対的に高い温
度(例えば、ハロゲン化銀乳剤が耐えることができな
い、100℃より高い温度)で加熱することができる。
高温加熱は、急速に裏引き層を乾燥するだけでなく、ブ
ロックされたゼラチン硬化剤を活性化し、そしてこの工
程に要求される短い時間内で、完了するように硬化反応
を行わせる。高温加熱は、又、裏引き層をラテックス下
引き層に強固に結合し、それにより層分離が生じるリス
クを避けるために、非常に重要である。十分に加熱する
ことにより、ポリエステルフィルムを加熱緩和する十分
な時間を与えることができ、それにより所望する寸法安
定性を促進することができる。高温加熱工程が、裏引き
層とラテックス下引き層との結合を促進するので、介在
するゼラチン下引き層の使用は、必要無く、これによ
り、著しくコストを削減する。
【0021】本発明の新規な製造方法は、裏引き層の塗
布を、フィルムベース製造操作の一部として実施する場
合に、特に有益である。従って、次の増感操作では、フ
ィルムベースの一方の面を塗布することが必要なだけで
ある。このことは、増感操作において、放射線感受性乳
剤層および裏引き層の両方の塗布を実施する従来技術の
方法に対比して、増感操作を非常に簡単にする。
【0022】
【具体的な態様】ポリ(エチレンテレフタレート)もし
くはポリ(エチレンナフタレート)等のポリエステルフ
ィルムは、優れた強度および寸法安定性等の多くの特性
(本発明の支持体としての使用を特に有利にする)を有
している。本発明において有利に使用することができる
ポリエステルフィルム支持体は、周知であり、広く用い
られる材料である。このようなフィルム支持体は、典型
的に、二塩基性飽和脂肪カルボン酸もしくはそれらの誘
導体を有する二価アルコールを縮合することにより誘導
される高分子ポリエステルから調製される。ポリエステ
ル類を調製するのに使用する適当な二価アルコールは、
当該技術分野において良く知られており、ヒドロキシル
基が、末端炭素原子上にあり、炭素数2〜12を有す
る、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、トリメチレングリコール、ヘキサメチレングリコー
ル、デカメチレングリコール、ドデカメチレングリコー
ル、および1,4−シクロヘキサンジメタノール等のグ
リコール類を包含する。ポリエステル類を調製するのに
使用することができる二塩基酸は、当該技術分野におい
て良く知られており、炭素数1〜16を有する二塩基酸
を包含する。適当な二塩基酸の具体的な例は、アジピン
酸、セバシン酸、イソフタル酸、およびテレフタル酸を
包含する。上に列挙される酸のアルキルエステルもまた
十分に用いることができる。
【0023】本発明に用いることができるシート形態の
ポリエステル樹脂の特に好ましい例は、ポリ(エチレン
テレフタレート)、ポリ(シクロヘキサン 1,4−ジ
メチレンテレフタレート)、およびポリ(エチレンナフ
タレート)である。本発明の実施に用いられるポリエス
テルフィルムの厚さは決ってない。例えば、約0.05
〜約0.25mmの厚さのポリエステルフィルムを用い
て十分な成果を得ることができる。
【0024】ポリエステル写真フィルム支持体製造の典
型的なプロセスでは、スリットダイを通してポリエステ
ルを溶融押出し、非晶質状に急冷し、横および縦に引っ
張ることにより延伸し、そして、寸法拘束してヒートセ
ットする。指向的に延伸してヒートセットすることに加
えて、このポリエステルフィルムを次の熱緩和処理に供
して、寸法安定性および表面平滑性をさらに改良するこ
とができる。
【0025】本発明では、このポリエステルフィルム
に、裏引き層が塗布されているラテックス下引き層を一
方の面に提供することが必須である。この下引き層は、
裏引き層と支持体とのしっかりとした結合を確実にす
る。今までに指摘したように、ラテックス下引き層は、
良く知られており、写真技術の分野において広く使用さ
れている。本発明の目的のための好ましいクラスのラテ
ックスポリマーは、カルボキシル官能基を有する塩化ビ
ニリデン含有ポリマーである。そのようなポリマーの例
は、(1)塩化ビニリデンと、アクリル酸もしくはメタ
クリル酸等の不飽和カルボン酸とのコポリマー、(2)
塩化ビニリデンとイタコン酸のモノメチルエステル等の
不飽和カルボン酸の半エステルとのコポリマー、(3)
塩化ビニリデン、イタコン酸、およびエチルアクリレー
トもしくはメチルメタクリレート等のアルキルアクリレ
ートまたはアルキルメタクリレートとの、ターポリマ
ー、および(4)塩化ビニリデン、アクリロニトリルも
しくはメタクリロニトリル、およびアクリル酸もしくは
メタクリル酸等の不飽和カルボン酸とのターポリマーで
ある。このタイプの好ましいポリマーは、塩化ビニリデ
ンを少なくとも50モル%、より好ましくは少なくとも
70%含有するものである。特に好ましい、カルボキシ
ル官能基を有する塩化ビニリデン含有ポリマーは、塩化
ビニリデン70〜90モル%、メチルメタクリレート5
〜25モル%、そしてイタコン酸1〜10モル%のター
ポリマーである。
【0026】ラテックス下引き層は、例えば、約10〜
約100mg/m2 の乾燥塗布量の典型的に非常に薄い
層である。本発明では、裏引き層は、下引き層の直接上
に位置する。即ち、介在するゼラチン下引き層の必要は
無い。本発明の裏引き層が、バインダーとしてゼラチン
を含有することが必須である。今まで説明したように、
疎水性バインダーは、グラフィックアーツの画像生成マ
スターとして有用な写真要素の有効な裏引き層の要件に
適合しない。アルカリ処理したゼラチン(家畜骨もしく
は皮ゼラチン)、酸処理したゼラチン(豚皮ゼラチン)
およびアセチル化ゼラチンもしくはフタル化ゼラチン等
のゼラチン誘導体を、有効に用いることができる。
【0027】ゼラチンを本発明の裏引き層に、少なくと
も300mg/m2 、より好ましくは約400〜約30
00mg/m2 、最も好ましくは約500〜約1500
mg/m2 の乾燥塗布量で組み入れる。300mg/m
2 より少ないゼラチン量は、カールに対して十分な保護
を与えない。一方、過剰の厚いゼラチン裏引き層は、寸
法安定性を低下させるであろう。
【0028】ゼラチンに加えて、この裏引き層は、マッ
ト剤、フィルター色素およびブロックされたゼラチン硬
化剤を含んで成る。用いられるこれらの成分の量は決っ
ていない。典型的に、マット剤は、約2〜約30mg/
2 の量で用い、フィルター色素は、約10〜約200
mg/m2 の量で用い、そしてブロックされたゼラチン
硬化剤は、ゼラチン重量の約0.5〜約10%、好まし
くは1〜5%の量で用いる。
【0029】マット剤は、写真要素において非常に一般
的に用いられ、多種多様の薬剤が写真技術の分野で知ら
れている。マット剤は、写真要素に不整面を与え、それ
により、この要素の表面を修正もしくは書込み可能にす
るように十分な表面粗さにする。表面粗さはまた、隣合
う面の貼り付きから写真材料の表面を保護するのに望ま
しく、写真材料を急速に取扱いかつ運ぶための装置での
使用を可能にする望ましい摩擦係数を与える。さらに、
マット剤は、マット剤の間隔効果のために、写真材料の
表面ともう一つの物質との接触範囲が相対的に小さいの
で、焼付けおよび引き延ばし時のニュートンリングの形
成を防止するのに有効である。複写する必要がある原
画、もしくは印刷版の画像を組み付ける印刷版を有する
画像を含んで処理されるフィルム要素と、未露光写真要
素とを並置することを必要とするリソグラフィック写真
処理では、マット剤により与えられるフィルム要素の面
の粗さは、フィルム要素と原画もしくは印刷版との間の
相対的に速い真空引落を可能する。
【0030】本発明の裏引き層に、有機もしくは無機の
いずれのマット剤も使用することができる。適当な平均
粒径は、約0.5〜約10μmの範囲である。有機マッ
ト剤の例は、アクリル酸およびメタクリル酸のポリマー
エステル等[例えば、ポリ(メチルメタクリレー
ト)]、セルロースアセトプロピオネート、セルロース
エーテル、エチルセルロース等のセルロースエステル、
ポリ(酢酸ビニル)、スチレンポリマーおよびコポリマ
ー等のポリビニル樹脂等のポリマーの粒子(しばしば、
ビーズ形状)である。無機マット剤の例は、ガラス、二
酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化ア
ルミニウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等の粒子で
ある。マット剤および使用方法は、米国特許第3,41
1,907号および同3,754,924号各明細書に
さらに記載されている。
【0031】写真要素におけるフィルター色素の使用
は、非常に良く知られている。これらの色素を用いて、
ハレーションに対する保護を与え、そして/もしくは望
ましくない露光を最小限にすることができる。有用なフ
ィルター色素は、オキソノール類、シアニン類、メロシ
アニン類、アリーリデン類等を包含する。本発明に用い
るフィルター色素を拡散性もしくは非拡散性とすること
ができるが、残留色素汚れを避けるために、写真処理時
に可溶性である方が良い。拡散性色素は、好ましくは、
写真処理の前の色素遊走を防止するために、媒染剤と共
に写真要素に組み入れられる。有用な色素は、米国特許
第2,274,782号明細書に記載のピラゾロンオキ
ソノール色素、米国特許第2,956,879号明細書
に記載の可溶性のジアリールアゾ色素、米国特許第3,
423,207号および同3,384,487号各明細
書に記載の可溶性のスチリルおよびブタジエニル色素、
米国特許第2,527,583号明細書に記載のメロシ
アニン色素、米国特許第3,486,897号、同3,
652,284号および同3,718,472号各明細
書に記載のメロシアニンおよびオキソノール色素、米国
特許第3,976,661号明細書に記載のエナミノヘ
ミオキソノール色素、並びに、米国特許第3,723,
154号明細書に記載のシアノメチルスルホン誘導され
たメロシアニン類、米国特許第2,739,888号、
同3,253,921号、同3,250,617号およ
び同2,739,971号各明細書に記載のチアゾリド
ン類、ベンゾトリアゾール類およびチアゾロチアゾール
類、米国特許第3,004,896号明細書に記載のト
リアゾール類、並びに米国特許第3,215,597
号、および同4,045,229号各明細書に記載のヘ
ミオキソノール類、等の紫外線吸収剤を包含する。有用
な媒染剤は、例えば、米国特許第3,282,699
号、同3,455,693号、同3,438,779号
および同3,795,519号各明細書に記載されてい
る。
【0032】本発明の特定の態様では、フィルター色素
は、米国特許第4,092,168号明細書および国際
公開第WO88/04794号明細書に記載される固形
粒子分散フィルター色素である。このような色素は、次
式:
【0033】
【化1】
【0034】(式中、Dは、発色光吸収成分であって、
yが0でない場合は、芳香環を含んで成っていても、も
しくはいなくても良く、yが0である場合は、芳香環を
含んで成る、Aは、Dに直接もしくは間接に結合する芳
香環であり、Xは、イオン性原子を伴うAもしくはDの
芳香環部分のいずれかの置換基であり、yは、0〜4で
あり、そしてnは、1〜7である)によって記載するこ
とができ、pH8以上で、実質的に水溶性である。上記
式にに従う色素において、Xは、エタノールおよび水の
50/50体積基本混合物で、4〜11のpKaを有す
るのが好ましい。上記式に従う色素はまた、Xが非イオ
ン性形態のとき、0〜6の対数分配係数(logp)を
有するのが好ましい。
【0035】本発明に用いる好ましい可溶性フィルター
色素は、次式(各場合において、Mは、カチオンを表わ
す):
【0036】
【化2】
【0037】
【化3】
【0038】
【化4】
【0039】を包含する。ゼラチン硬化剤および写真要
素におけるその使用は、James の「The Theory of the
Photographic Process」第4版、1977, ページ77-87(Ma
cMillan Publishing Company, New York, N.Y.) に記載
されている。多種多様のゼラチン硬化剤が、多くの特許
明細書に記載されている。裏引き層でのゼラチン硬化剤
の使用に関する要素が、例えば、米国特許第4,97
7,065号明細書に議論されている。米国特許第4,
977,065号明細書に記載されるように、写真技術
の分野で知られている大部分のゼラチン硬化剤は、ゆっ
くりと反応するので、塗膜が十分に硬化して処理可能に
なる前に、数日もしくは数週間必要とするかもしれな
い。また前記特許明細書に記載されるように、中温で急
速作用するゼラチン硬化剤も知られている。これらの両
方のタイプのゼラチン硬化剤は、緩速作用硬化剤は長期
間に渡る培養期間を必要とし、急速作用硬化剤は、望ま
しくない短いポットライフ(pot life)を示すので、本発
明では有利でない。
【0040】本発明は、ブロックされたゼラチン硬化剤
の使用に基づく。そのような化合物は、室温でゼラチン
を硬化しないか、もしくは、本の僅かにゆっくりと硬化
するが、加熱により活性化され、それにより、ゼラチン
を急速に硬化することができる。ブロックされたゼラチ
ン硬化剤を用いると、高温においてのみ、ゼラチンと迅
速に反応する化学種が生成されるので、優れた塗膜溶液
ポットライフを得ることができ、保持タンク、供給ライ
ンもしくは塗布装置内でのゼラチンの早まった架橋を防
止する。また、それにより、完全に硬化したベーキング
層を達成する培養期間の必要を避ける。
【0041】ブロックされたゼラチン硬化剤は、写真の
技術分野において良く知られている。そのような硬化剤
の特に好ましい例は、2,3−ジヒドロキシ−1,4−
ジオキサン(DHD)である。ゼラチンの硬化における
この化合物の使用は、例えば、米国特許第2,870,
013号明細書に記載されている。1,4−ジオキサン
類および写真用ゼラチンを硬化するそれらの使用に関し
ては、米国特許第3,819,608号明細書に記載さ
れている。前記特許明細書に記載されるように、1,4
−ジオキサン硬化剤を、グリオキサールを、1,2−オ
クタンジオール、3−クロロ−1,2−プロパンジオー
ル、3−n−ブトキシ−1,2−プロパンジオール、2
−フェニル−1,2−エタンジオール、3−フェノキシ
−1,2−プロパンジオール、トランス−1,2−シク
ロヘキサンジオールおよびカテコール等のジオール類に
反応させて調製することができる。
【0042】この1,4−ジオキサン類は、熱的に開裂
可能なゼラチン硬化剤先駆体としてはたらき、活性なゼ
ラチン硬化剤を生成する。ゼラチン、マット剤、フィル
ター色素およびブロックされたゼラチン硬化剤に追加し
て、種々の光学的成分を、本発明の裏引き層中に含める
ことができる。これらは、湿潤剤、金属イオン封鎖剤、
分散助剤および殺虫剤を含む。
【0043】本発明の実施では、当該技術分野における
周知のコーティング方法(例えば、スロットホッパーコ
ーティング、グラビアコーティング、スキムパン/エア
ナイフコーティング等)を用いて、裏引き層をラテック
ス下引き層の上に塗布する。このプロセスで鍵となる工
程は、裏引き層の乾燥である。特に、裏引き層を、
(1)裏引き層を乾燥する、(2)ブロックされたゼラ
チン硬化剤を活性化し、それにより裏引き層を硬化す
る、(3)ポリエステルフィルムを加熱緩和する、そし
て(4)ラテックス下引き層と裏引き層との接着を促進
する、のに十分な温度および時間で加熱する。裏引き層
を乾燥する適当な方法は、高温エアーインピンジメント
(impingement) によることである。約100℃〜約15
0℃の範囲の温度および約30秒〜約10分間の時間を
典型的に用いる。裏引き層の乾燥は、冷却硬化によるゼ
ラチンの前凝固無しにに実施する。即ち、ゼラチンを、
ゾル形態から乾燥する。必要ならば、乾燥を、二工程以
上で実施することができる。例えば、適当な方法は、約
120℃で約1分加熱して、裏引き層を乾燥し、そし
て、追加的に約2分間、温度を約135℃に上げて、ポ
リエステルフィルムを加熱緩和し、そして裏引き層が完
全に硬化されることを確実にすることである。
【0044】写真要素を形成するため、本明細書に記載
する裏引き層をコートしたポリエステルフィルムを、そ
の反対面を一層以上の放射線感受性ハロゲン化銀乳剤層
で塗布する。この乳剤層は、親水性透水性コロイド中に
分散したハロゲン化銀を含んでなる。適当な親水性コロ
イドは、ゼラチン等の天然物およびアクリルアミドポリ
マーもしくはポリ(ビニルピロリドン)等の合成ポリマ
ー物質の両方を包含する。中間層、フィルター層および
保護上塗り層等の、その他の層を必要に応じて含むこと
ができる。写真要素に用いるいずれのハロゲン化銀も使
用することができ、例えば、臭化銀、塩化銀、沃化銀、
塩臭化銀、塩沃化銀、臭沃化銀および塩臭沃化銀を包含
する。
【0045】本発明の写真要素では、必要に応じて、支
持体とハロゲン化銀乳剤層との間に帯電防止層を含むこ
とができる。そのような帯電防止層の調製では、ハロゲ
ン化銀画像生成要素において有用であるとして知られて
いる、多種多用のタイプの導電性金属含有粒子を用い
る。そのような金属含有粒子は、V25 、TiO2
SnO2 、Al23 、ZrO2 、In23 およびZ
nO等の金属酸化物、TiB2 、ZrB2 、NbB2
TaB2 、CrB2 、MoB、WBおよびLaB 6 等の
金属ホウ化物、ZrN、TiN、およびHfN等の金属
窒化物、並びに、TiC、WC、HfCおよびZrC等
の金属炭化物を包含する。金属酸化物が好ましく、特に
好ましい例は、アンチモンドープした酸化チタン、アル
ミニウムドープした酸化亜鉛およびニオブドープした酸
化チタンを包含する。帯電防止層を形成する便利な方法
は、導電性金属含有粒子をハロゲン化銀乳剤層の下に位
置するゼラチン下引き層に組み入れることである。
【0046】既に開示したように、本発明の写真要素の
製造では、高温加熱工程を用いて、ブロックされたゼラ
チン硬化剤を活性にし、それにより、迅速に裏引き層を
硬化する。本発明の製造方法は、ハロゲン化銀乳剤層を
塗布する前に、裏引き層を、塗布し、硬化することを必
要とする。この理由は、ハロゲン化銀乳剤層が、裏引き
層を急速に硬化するために必要な高温に耐えられないか
らである。最初に裏引き層を塗布することにより、もち
ろん、高温加熱して上記の利点を達成することができ
る。
【0047】次の試験を実施して、処理液に十分な耐性
を有する完全に硬化した裏引き層を得るために、本発明
の製造方法において、ブロックされたゼラチン硬化剤を
用いる重要性を説明する。以下に明記するように、ゼラ
チンおよび硬化剤を含有する水性塗膜組成物を、0.1
mmの厚さを有し、かつその上に塩化ビニリデン/メチ
ルアクリレート/イタコン酸の83/15/2ターポリ
マーを含有する0.1μm厚の下引き層を有する、ポリ
エチレンテレフタレートフィルム上に塗布した。この水
性塗膜組成物は、2重量%総固形分を含んでおり、12
0℃で45秒間乾燥(冷却硬化によるゼラチンの前凝固
はない)すると、乾燥塗膜重量は300mg/m2 であ
った。その後、この温度を133℃まで上げ、そのレベ
ルで2分間維持した。裏引き層の硬化を、塗布したフィ
ルムを、それぞれ30℃に維持されている現像液、定着
液および蒸留水のそれぞれに30秒間浸漬することによ
りテストした。その後、この裏引き層を、ネオプレンラ
バーパッドと激しく擦り合わせて、その耐久性を、1が
最良性能および5が最悪を表わす、1〜5の尺度で記録
した。塗膜の品質もまた評価した。
【0048】このテストに用いた硬化剤は、次のもので
ある: (1)2,3−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサン (2)硫酸カリウムクロムドデカヒドレート (3)ヘキサメトキシメチルメラミン(CYMEL 300 の商
品名で、AmericanCyanamid Companyから市販されてい
る) 得られた結果を表Iに概括する。
【0049】
【表1】
【0050】注:*このテストでは、133℃での2分
間の加熱工程を省略した。 表Iのデータによって、示されるように、2,3−ジヒ
ドロキシ−1,4−ジオキサン(本発明の目的のために
好ましい硬化剤)を使用することにより、硬化剤の最適
濃度より少なく使用したテスト1および2、並びに13
3℃で2分間の加熱工程を省略したテスト番号7を除い
て、評価1の優れた硬化および良好な品質の両方が得ら
れた。テスト8〜10において、ゼラチン硬化剤とし
て、硫酸カリウムクロムドデカヒドレートを使用するこ
とにより、非常に劣った硬化評価を有する塗膜が得られ
た。この化合物(通常、クロムミョウバンカリウムと呼
ばれる)は、ゼラチン硬化剤として普通に用いられる
が、ブロックされた硬化剤ではない。これは、ゼラチン
層を完全に硬化するのに相対的に長い期間を要する。化
合物、ヘキサメトキシメチルメラミン(これもまた、ゼ
ラチン硬化剤として通常用いられる)は、テスト11〜
13において、優れた硬化評価を得たが、この塗膜は、
グラフィックアーツの画像生成マスターとして使用しよ
うとする写真要素において、非常に望ましくないレチキ
ュレーションパターンを表わした。この理由のために、
塗膜品質を、「不良」と評価した。従って、ヘキサメト
キシメチルメラミンは、本発明の製造プロセスで用いら
れる温度で、急速に硬化することができるが、品質の要
求に適合することができない。テスト3〜6の高温乾燥
し、そして加熱緩和した要素は、優れたフィルム品質お
よび透明度を有し、そしてこの塗膜は、写真処理溶液に
曝した後も、丈夫でかつ非粘着性であった。
【0051】上記のテストは、クロムミョウバンカリウ
ムおよびヘキサメトキシメチルメラミン等の周知かつ広
く使用されているゼラチン硬化剤が、物性に悪影響を与
えることなく裏引き層の急速硬化を達成する高温加熱工
程の使用を基礎とし、その高温加熱の結果として活性な
硬化核種を放出するブロックされたゼラチン硬化剤の使
用を必要とする本発明の製造方法に、有用でないことを
証明する。
【0052】次のテストを実施して、良好なカールコン
トロールおよび良好なオペークインク受容性を達成する
ために、本発明の裏引き層のバインダーとしてゼラチン
を用いる重要性を説明する。以下に示す量で、ゼラチン
および2,3−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサン(D
HD)を含有する水性塗膜組成物を、0.1mmの厚さ
を有し、かつその上に塩化ビニリデン/メチルアクリレ
ート/イタコン酸の83/15/2ターポリマーを含有
する0.1μm厚の下引き層を有する、ポリエチレンテ
レフタレートフィルム上に塗布した。この塗膜を、12
0℃で45秒間乾燥し、この要素を133℃で2分間加
熱緩和した。比較として、裏引き層にゼラチンの代わり
に、疎水性アクリルコポリマー(ELVACITE 2041 の商標
で、E. I. duPont de Nemoursand Company から販売さ
れている)を含有する、同様の塗膜を調製した。
【0053】カールをコントロールする裏引き層の能力
を、相対湿度15%および50%での、ANSIカール
値の差として定義されるカール幅を測定することにより
決定した。ANSIカール値は、100/Rに等しい
(Rは、4−インチロングサンプルのインチで表わした
曲率の半径)。数字が大きくなればなるほど、カールコ
ントロールの度合が大きくなる。
【0054】オペークテストは、小さなブラシを用い
て、裏引き層上に、水性オペーク調合物(Eastman Koda
k Company から供給される KODAK Opaque Red )のコン
トロールされた量を塗布することを必要とした。このオ
ペークを、いくつかの異なる量で塗布し、裏引き層とオ
ペークとの乾燥接着を、乾燥したオペークを指の爪で引
っかくことにより、1〜5の尺度で評価した。評価1が
最良で、5は最悪である。得られた結果を表IIに概括
する。
【0055】
【表2】
【0056】表IIのデータで示されるように、ゼラチ
ンおよび2,3−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサンを
含有するテスト14〜23の裏引き層が、疎水性アクリ
ルコポリマーを用いたテスト24の裏引き層よりも、オ
ペークテストおよびカールテストの両方で非常に良好な
結果を与えた。
【0057】
【実施例】以下の実施例により、本発明をさらに説明す
る。例1 本発明の範囲内の写真要素(要素1とする)を、以下に
示すように調製し、その性能を、本発明の範囲外の写真
要素(それぞれ、比較要素A、B、C、DおよびEとす
る)と比較した。
【0058】要素1は、そのそれぞれの面に塩化ビニリ
デン/メチルアクリレート/イタコン酸の83/15/
2ターポリマーを含有する0.1μm厚の下引き層を有
する、0.1mm厚のポリエチレンテレフタレートフィ
ルムを含んでなっていた。この下引きしたフィルムは、
一方の面に、順に、E1 、E2 およびE3 として次に示
される層で塗布されていた。反対面には、この下引きし
たフィルムは、順に、B1 およびB2 として次に示され
る層で塗布されていた。
【0059】1 −この層は、フィルター色素を含有
し、かつ1:1の比で、ゼラチンおよびブチルアクリル
コポリマーラテックスを含有する、800mg/m2
乾燥塗膜を有した。2 −この層は、ゼラチンおよびブチルアクリレートコ
ポリマーラテックスのマトリックスに分散した微粒子ハ
ロゲン化銀粒子を含んでなっていた。ゼラチン対ラテッ
クスの比は、1:1であり、総マトリックス乾燥塗膜重
量は、1800mg/m2 であった。ビス(ビニルスル
ホニル)メタン硬化剤を、ゼラチン重量に対して1.5
%の濃度で、この層に組み込んだ。この層は、ハロゲン
化銀の分光感度を変えるために、増感色素も含有した。
【0060】3 −この層は、乾燥塗膜重量450mg
/m2 を有し、ゼラチン、ビス(ビニルスルホニル)メ
タン硬化剤1.5重量%および平均粒子径4μmを有す
るポリメチルメタクリレートビーズ塗布量、10mg/
2 を、含有した。1 −この層は、ゼラチン400mg/m2 、50mg
/m2 のフィルター色素D3、界面活性剤13.5mg
/m2 、およびゼラチン重量に対して3%の2,3−ジ
ヒドロキシ−1,4ジオキサンを含有した。塗布した
後、この層を約30秒間120℃で乾燥し、以下に説明
する層B2 を直ちに塗布した。
【0061】2 −この層は、ゼラチン400mg/m
2 、平均粒子径4μmを有するポリメチルメタクリレー
トビーズ10mg/m2 、界面活性剤13.5mg/m
2 、およびゼラチン重量に対して3%の2,3−ジヒド
ロキシ−1,4ジオキサンを含有した。約30秒間12
0℃で乾燥し、そして、この要素を133℃で2分間加
熱緩和した。
【0062】比較要素Aは、一方の面に順に、層E1
よびE2 として以下に示される層を塗布し、反対面に順
に、層B1 およびB2 として以下に示される層を塗布し
た、同じ下引きされたフィルム支持体を含んでなってい
た。1 −この層は、ゼラチンおよびブチルアクリレートコ
ポリマーラテックスのマトリックスに分散した微粒子ハ
ロゲン化銀粒子を含んでなっていた。ゼラチンに対する
ラテックスの比は、0.7:1であり、総マトリックス
乾燥塗膜重量は、1800mg/m2 であった。ビス
(ビニルスルホニル)メタン硬化剤を、ゼラチン重量に
対して1.5%の濃度で、この層に組み込んだ。この層
は、ハロゲン化銀の分光感度を変えるために、増感色素
も含有した。
【0063】2 −この層は、乾燥塗膜重量450mg
/m2 を有し、ゼラチン、ビス(ビニルスルホニル)メ
タン硬化剤1.5重量%および平均粒子径4μmを有す
るポリメチルメタクリレートビーズ、塗布量10mg/
2 を、含有した。1 −この層は、ゼラチン、ブチルアクリレートコポリ
マーラテックス、ビス(ビニルスルホニル)メタン硬化
剤、および可溶性フィルター色素を含有した。乾燥塗膜
重量は、1800mg/m2 であった。
【0064】2 −この層は、乾燥塗膜重量450mg
/m2 を有し、ゼラチン、ビス(ビニルスルホニル)メ
タン硬化剤1.5重量%および平均粒子径4μmを有す
るポリメチルメタクリレートビーズ、塗布量10mg/
2 を、含有した。比較要素Aの製造では、層B1 およ
びB2 を、多層スライドホッパーコーティング方法によ
って同時に塗布し、ゼラチンを冷却硬化して凝固し、そ
して温度50℃で乾燥した。
【0065】比較要素Bは、一方の面に順に、層E1
よびE2 として以下に示される層を塗布し、反対面に順
に、層B1 およびB2 として以下に示される層を塗布し
た、同じ下引きされたフィルム支持体を含んでなってい
た。1 −この層は、ゼラチンに分散した微粒子ハロゲン化
銀粒子および分光増感色素を含んでなり、乾燥塗膜重量
1800mg/m2 を有した。ビス(ビニルスルホニ
ル)メタン硬化剤を、ゼラチン重量に対して1.5%の
濃度で、この層に組み込んだ。
【0066】2 −この層は、乾燥塗膜重量450mg
/m2 を有し、ゼラチン、ビス(ビニルスルホニル)メ
タン硬化剤1.5重量%および平均粒子径4μmを有す
るポリメチルメタクリレートビーズ、塗布量10mg/
2 を、含有した。1 −この層は、ゼラチン、ビス(ビニルスルホニル)
メタン硬化剤、および可溶性フィルター色素を含有し、
乾燥塗膜重量は、1800mg/m2 であった。 2
−この層は、乾燥塗膜重量450mg/m2 を有し、ゼ
ラチン、ビス(ビニルスルホニル)メタン硬化剤1.5
重量%および平均粒子径4μmを有するポリメチルメタ
クリレートビーズ、塗布量10mg/m2 を、含有し
た。
【0067】比較要素Cは、一方の面に順に、層E1
2 およびE3 として以下に示される層を塗布し、反対
面に、層B1 を塗布した、同じ下引きされたフィルム支
持体を含んでなっていた。1 −この層は、ゼラチン、ブチルアクリルコポリマー
ラテックスおよびフィルター色素を含有する、乾燥塗膜
重量800mg/m2 を有し、ゼラチン対ラテックス比
1:1を有した。
【0068】2 −この層は、ゼラチンおよびブチルア
クリレートコポリマーラテックスのマトリックスに分散
した微粒子ハロゲン化銀粒子および分光増感色素を含ん
でなっていた。ラテックス対ゼラチンの比は、1:1で
あり、総マトリックス乾燥塗膜重量は、1800mg/
2 であった。ビス(ビニルスルホニル)メタン硬化剤
を、ゼラチン重量に対して1.5%の濃度で、この層に
組み込んだ。
【0069】3 −この層は、乾燥塗膜重量450mg
/m2 を有し、ゼラチン、ビス(ビニルスルホニル)メ
タン硬化剤1.5重量%および平均粒子径4μmを有す
るポリメチルメタクリレートビーズ塗布量、10mg/
2 を、含有した。1 −この層は、有機溶媒調合物から塗布したELVA
CITE 2041アクリルコポリマー750mg/m
2 を含んでなっており、110℃で乾燥した。
【0070】比較要素Dは、一方の面に順に、比較要素
Cの層E1 、E2 およびE3 と同じ層E1 、E2 および
3 を塗布し、反対面に、以下に説明する層B1 を塗布
した、同じ下引きされたフィルム支持体を含んでなって
いた。1 −この層は、ゼラチン200mg/m2 、平均粒子
サイズ4μmを有するポリメチルメタクリレートビーズ
10mg/m2 、50mg/m2 のフィルター色素D3
およびゼラチン重量に対して3%の2,3−ジヒドロキ
シ−1,4−ジオキサンを含有した。この層を120℃
で約30秒間乾燥し、その後、この要素を133℃で約
2分間加熱緩和した。
【0071】比較要素Eは、一方の面に順に、比較要素
Aの層E1 およびE2 と同じ層E1およびE2 を塗布
し、反対面に、以下に説明する層B1 を塗布した、同じ
下引きされたフィルム支持体を含んでなっていた。1 −この層は、乾燥塗膜重量750mg/m2 を有し
た。それを次の調合物を塗布することにより形成し、1
20℃で2分間乾燥した。
【0072】 成分 重量% 脱イオン水 46.44 色素D3(固形物1.92%) 43.68 VERSA TL 3* 5.00 PHOPLEX WL81(固形物42%)** 2.20 H2 SO4 (7.1%溶液) 2.10 PFAZ 322*** 0.64 ポリマーマットビーズ(固形物40%) 0.04 注: * National Starch and Chemical Co.製の、スチ
レンスルホン酸ナトリウム/マレイン酸無水物3:1コ
ポリマーパウダーの商標。 ** Rohm & Haas Company 製の、アクリルコポリマ
ーラテックスの商標。 *** Sybron Chemicals, Inc.製の、多官能価アジリ
ジンの商標。
【0073】要素1は、本発明を表わす。比較要素A
は、ゼラチンおよびラテックスポリマーからなる通常の
裏引き層を有する。比較要素Bは、ゼラチンを含有する
がラテックスポリマー有しない裏引き層を有する。比較
要素Cは、ラテックスポリマーを含有するがゼラチンを
有しない裏引き層を有する。比較要素Dは、本発明の裏
引き層と同様の裏引き層を有するが、本発明で必要とさ
れる最小限の300mg/m2 より少ないゼラチンを含
有する。比較要素Eは、米国特許第5,077,185
号明細書に記載されるものと同様の裏引き層を有する。
【0074】要素1および比較要素A〜Eのそれぞれに
ついて、上記のように、オペークおよびカールコントロ
ールのテストを行った。それぞれについて、以下の手順
に従って、寸法安定性、硬度/接着性およびハレーショ
ン防止性能もまたテストした。
【0075】寸法安定性 フィルムサンプルを、流延フィルム支持体の縦方向に1
5cmの長さでカットし、別に、横方向に15cmサン
プルをカットした。各カットサンプルを、湿度コントロ
ールおよびサンプル長さ測定の正確な計器を有するチャ
ンバーに入れた。チャンバーの湿度を低湿度から高湿度
にそして再度戻して循環させ、フィルムサンプルの長さ
変化を測定した。縦方向および横方向サンプルの長さ変
化の平均を、湿度の関数として計算し、寸法安定性を、
不良、並、良もしくは優として評価する。
【0076】硬度/接着性 新しいフィルムサンプル(裏引き層を塗布後、1日内)
を、故意に、典型的な十分に維持されていないフィルム
プロセッサーの異物(例えば、劣化した処理液、写真フ
ィルムから浸出した成分、微生物等)で汚した通常のフ
ィルム現像機で処理する(35℃処理液)。各フィルム
サンプルを、テスト順序が結果に作用するのを防止する
ためにランダムな順序で、現像した。このサンプルを、
フィルム現像時の、裏引き層の異物拾い上げ耐性につい
て評価した。硬度を、フィルムサンプルを、典型的なフ
ィルム現像液に、35℃で、30秒間浸漬し、そして、
荷重した鉄筆を裏引き層全体に引きずり、鉄筆が裏引き
層を引っかく重量を記録することにより評価した。この
フィルムを、不良、並、良もしくは優として評価する。
【0077】ハレーション防止性能 ハレーション防止層として有効にはたらく裏引き層の能
力を、画像生成処理に必要なフィルムの典型的な物理的
ハンドリング時に、この層が色素をどれだけ良く保持す
るか、そして、フィルム現像工程で、色素をどれだけ放
出(色素を漂白する)するか、を測定することにより評
価する。比較要素Cの裏引き層は、水溶性/漂白性色素
の使用に適合せず、このテストで評価できなかった。疎
水性メチルマタクリレートコポリマーからなる裏引き層
が、フィルム現像液に対して、浸透性でないとして知ら
れているので、色素漂白について、不良の評価を与え
た。色素ハンドリングおよび色素漂白について、フィル
ムを、不良、並、良もしくは優として評価した。
【0078】要素1および比較要素A〜Eの評価におい
て得られた結果を次の表IIIに概括する。
【0079】
【表3】
【0080】それぞれのテストの評価が少なくとも
「良」であった場合は、満足できるとして、性能を定義
する。この基準で、いくつかの性能面で比較例は、すべ
て不完全であった。これを、表IVに概括する。本発明
に従う裏引き層のみが、グラフィックアーツの分野にお
いて重要であると指摘されているフィルム属性の全てに
おいて、満足な性能を同時に提供できることが、はっき
りとわかる。
【0081】
【表4】
【0082】表IVによって示されるように、ゼラチン
およびラテックスポリマーを含有する通常の裏引き層
(比較要素Aのような)は、寸法安定性、接着性および
硬度に関して、満足できない性能を示す。裏引き層から
ラテックスポリマーが除かれている場合(比較要素Bの
ように)は、寸法安定性はさらに落ちる。裏引き層から
ゼラチンを除くと(比較要素Cのように)、寸法安定
性、接着性および硬度に関しては、優れた性質を与える
が、オペーク、カールおよびハレーション防止性能に関
しては、不十分な性能である。比較例Dのような要素
(ゼラチンの塗布量が不十分)は、カール、オペークお
よび色素ハンドリングに関して、満足できない挙動を示
す。比較例Eのような要素(機能的に結合したカルボキ
シル基を有するポリマーおよび多官能アジリジン架橋剤
の使用にたよる)は、接着性、硬度、色素ハンドリン
グ、オペークおよび色素カールに関して、満足できない
挙動を示す。少なくとも300mg/m2 の量のゼラチ
ン、マット剤、フィルター色素およびブロックされたゼ
ラチン硬化剤を含んでなる、本発明の範囲内の要素のみ
が、グラフィックアーツの非常に要求の厳しい環境にお
いて、この要素の使用を容易にする条件として指定され
た特性を全て同時に提供する、困難な目標に適合するこ
とができる。
【0083】例2 例1に説明する下引きしたポリエチレンテレフタレート
フィルムの一方の面を、固形分5.3重量%を含有する
裏引き層組成物で塗布し、その後、121℃で4分間、
乾燥して加熱処理した。この裏引き層は、ゼラチン80
0mg/m2 、平均粒子径4μmのポリメチルメタクリ
レートビーズ、塗布量10mg/m2 、塗布量50mg
/m2 のフィルター色素D3、およびゼラチン重量に対
して3%の量の2,3−ジヒドロキシ1,4−ジオキサ
ンを含んでなっていた。このように調製した要素を、以
下、「要素2」という。フィルター色素D3を次式:
【0084】
【化5】
【0085】を有する等量の固形シアン色素で置き換え
たことのだけ異なる類似の要素もまた調製した(以下、
「要素3」という)。寸法安定性、接着性、硬度、オペ
ーク、カール、色素ハンドリングおよび色素漂白に関す
る、要素2および3の性能を、すでに述べたものと同様
にして測定した。要素2および要素3の両方とも、これ
らの各テストにおいて「良」と評価した。
【0086】
【発明の効果】本発明は、従来技術よりも多くの利点を
有する。それは、裏引き層を、完全に硬化した状態に急
速に変える高温加熱工程に基づいており、その活性化が
加熱によって引き起こされる硬化剤の使用に依存する。
長期間に渡って作用する通常のゼラチン硬化剤は、その
ような製造プロセスでは実用性がない。そのような急速
硬化を実現するのに必要な高温を使用することができる
ことは、ハロゲン乳剤を塗布する工程の前に、裏引き層
の塗布および硬化の工程を実施することに依存する。こ
の裏引き層は、相対的に厚く、ゼラチン、マット剤およ
びフィルター色素を含み、グラフィックアーツの分野に
おいて有用な画像生成マスターの厳しい要求の全てに同
時に適合する。この製造方法は、製品を長期に培養する
必要なしに、有効な裏引き層を提供するための、低コス
トおよび高効率の方法を提供する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ベネス チュクウーメカ オヌー アメリカ合衆国,ニューヨーク 14605, ロチェスター,ホリスター ストリート 76 (72)発明者 マリオ デニス デローラ アメリカ合衆国,ニューヨーク 14464, ハムリン,クロス ホロー ドライブ 87

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グラフィックアーツの分野の画像生成マ
    スターとして有用な写真要素であって、 前記写真要素が、それの一方の面に放射線感受性ハロゲ
    ン化銀乳剤層を有し、反対面に、順に、前記ポリエステ
    ルフィルムの直接上に位置するラテックス下引き層およ
    び前記ラテックス下引き層の直接上に位置する裏引き層
    を有する寸法的に安定なポリエステルフィルムを含んで
    なり、前記裏引き層は: (a)少なくとも300mg/m2 の量のゼラチン、 (b)マット剤、 (c)フィルター色素、および (d)ブロックされたゼラチン硬化剤、 を含んでなり:前記裏引き層が、 (1)カール防止、 (2)ハレーション防止供与、 (3)真空引落プロセスにおける、有効な真空密着の促
    進、 (4)画像欠陥の修正に用いられる水性インクの吸収、
    そして (5)前記写真要素の処理に用いられる水性アルカリ性
    現像液の耐性、 に役に立つ、写真要素。
  2. 【請求項2】 グラフィックアーツの分野の画像生成マ
    スターとして有用な写真要素の製造方法であって;前記
    写真要素が、それの一方の面に放射線感受性ハロゲン化
    銀乳剤層を有し、それの反対面に裏引き層を有する寸法
    的に安定なポリエステルフィルムを含んでなり、前記裏
    引き層は、 (1)カール防止、 (2)ハレーション防止供与、 (3)真空引落プロセスにおける、有効な真空密着の促
    進、 (4)画像欠陥の修正に用いられる水性インクの吸収、
    そして (5)前記写真要素の処理に用いられる水性アルカリ性
    現像液の耐性、 に役に立ち、前記製造方法が: (a)それの一方の面にラテックス下引き層を有する寸
    法的に安定なポリエステルフィルムを提供すること、 (b)前記ラテックス下引き層の直接上に位置する裏引
    き層を形成することであって、前記裏引き層は:(1)
    少なくとも300mg/m2 の量のゼラチン、(2)マ
    ット剤、(3)フィルター色素、(4)ブロックされた
    ゼラチン硬化剤、を含んでなり、 (c)(1)前記裏引き層を乾燥する、(2)前記ブロ
    ックされたゼラチン硬化剤を活性化し、それにより前記
    裏引き層を硬化する、(3)前記ポリエステルフィルム
    を加熱緩和する、そして(4)前記ラテックス下引き層
    への前記裏引き層の接着を促進する、のに十分な温度お
    よび時間で、前記写真要素を加熱すること; (d)前記裏引き層の反対の前記ポリエステルフィルム
    の面に放射線感受性ハロゲン化銀乳剤層を塗布するこ
    と、の工程を含んでなる製造方法。
JP6224956A 1993-09-23 1994-09-20 裏引き層を有する写真要素およびその製造方法 Pending JPH07152108A (ja)

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