JPH0715179B2 - 立体トラスのジョイント構造 - Google Patents

立体トラスのジョイント構造

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JPH0715179B2
JPH0715179B2 JP33688489A JP33688489A JPH0715179B2 JP H0715179 B2 JPH0715179 B2 JP H0715179B2 JP 33688489 A JP33688489 A JP 33688489A JP 33688489 A JP33688489 A JP 33688489A JP H0715179 B2 JPH0715179 B2 JP H0715179B2
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JP
Japan
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bolt
bush
sleeve
joint
ring
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辰美 田中
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Matsuo Construction Co Ltd
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Matsuo Construction Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、橋梁や建築構造物の屋根等を構築する立体ト
ラスにおいて、上下の弦材及び斜材を集中連結するジョ
イント構造に関する。
〔従来の技術〕
大型のドーム等の建築構造物は、たとえば鋼管等を弦材
及び斜材として立体トラス構造によって構築されてい
る。立体トラス構造は、近来では最も効率のよい構築工
法でありまた強度面でも十分な点から広く採用されてい
る。
鋼管を弦材及び斜材として利用するのは、引張応力及び
圧縮応力が立体トラスの構造上で曲げや剪断よりも大き
く作用するため、座屈に強い部材とする必要性が要求さ
れるからである。そして、このような鋼管を用いるた
め、各弦材及び斜材を集中的に接合するジョイントは、
ボルト等を利用したピン接合構造に依らざるを得ない。
このような立体トラスに利用されるジョイントとして、
たとえば特公昭61-42059号に記載されたものがある。こ
れは、ジョイント本体と弦材との間に介装されてこれら
を連結するボルトの周りにスリーブを設けたものであ
る。そして、このスリーブの両端を弦材側及びジョイン
ト本体に突き当て、弦材に負荷される圧縮力をジョイン
ト本体に直接作用させることでこれを吸収させ、弦材の
強度を向上させるようにしている。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところが、実際のトラスの構築作業では、施工誤差によ
ってジョイント本体と弦材との接合にかなり手間をとる
ことが多い。たとえば、前記公報に記載のものでは、ス
リーブによってボルトの姿勢が拘束されているので、そ
の軸線をジョイント本体の雌ネジ孔に合わせるのに苦労
する。つまり、ボルトを雌ネジ孔に調心させるには、弦
材自体もその軸線上になる姿勢とする必要があり、弦材
が長ければ作業がかなり煩雑となる。
したがって、弦材の接合作業には、かなりの労力と熟練
を必要とし、施工性の向上を妨げる一つの原因ともなっ
ているのが実情である。
このような問題に対し、本出願人が、実願平1-54537号
によってジョイント本体と弦材との接続が容易に行える
ジョイント構造を提案した。これは、ジョイント本体に
ねじ込むボルトをその軸線方向に移動可能として一体回
転するスリーブによって外挿し、ボルトをトラス部材に
対して軸線が揺動可能な程度に螺合したものである。そ
して、このボルトの揺動によってジョイントの雌ネジ孔
に簡単に合わせることができる。
このような改良に加えて、ジョイント部分の接合作業が
簡単に行えるように工夫したものも既に開発されてい
る。しかし、従来のものは、接合の自由度を大きくする
ための特別の部材を複数組み合わせたものであり、本出
願人が提案したものでも接合用のボルトはキーを一体化
した特殊品とする必要があった。したがって、ジョイン
ト部分の接合作業は容易とはなっても、特殊品を採用す
ることからコストが高くなる。
そこで、本発明は、ジョイント部分の接続作業が簡単に
行えるようにすると同時にコストも低減できるジョイン
ト構造を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、ジョイントの本体及びトラス部材をボルトに
よって接合するジョイント構造であって、前記トラス部
材の接合端に、前記ボルトがそのヘッドをトラス部材の
中に残して遊嵌状に挿通する雌ネジ付きのブッシュを設
け、該ブッシュと前記本体との間において前記ボルトの
周りにスリーブを設け、前記ブッシュの雌ネジに螺合す
る雄ネジを形成した筒状のリングを、半径方向に突き出
るピンによって前記ボルトの周面に固定し、前記スリー
ブの内周壁に前記ピンが嵌まり込むキー溝を軸線方向に
形成し、更に、前記リングの雄ネジと前記ブッシュの雌
ネジとの間に半径方向の遊びを持たせていることを特徴
とする。
〔実施例〕
第1図は本発明の一実施例を示すジョイント構造の部分
断面図、第2図は第1図のI−I線位置での縦断面図で
ある。
ジョイントの本体1には所定の方向をその軸線が指向す
る雌ネジ孔1aが設けられ、この雌ネジ孔1aに螺合する高
張力のボルト2及びその周囲にはスリーブ3が配置され
ている。また、上下の弦材及び斜材となる鋼管等のトラ
ス部材4の端部にはボルトが螺合するブッシュ5が取り
付けられている。
第3図はボルト2,スリーブ3,及びブッシュ5を分解して
示す図である。
ボルト2は、雌ネジ孔1aにねじ込まれる雄ネジ2aとヘッ
ド2bとの間の周面にリング6を一体化している。このリ
ング6は第4図に示すようにボルト2への差し込み側の
外周面に雄ネジ6aを形成した筒体状である。そして、ピ
ン7を打ち込むピン挿通孔孔6bを開け、このピン7をボ
ルト2に設けたピン孔2cに打ち込むことによってリング
6はボルト2に一体化される。このようにリング6を利
用することによって、ボルト2は市販品を用いることが
でき、ピン孔2cを加工するだけで使用できる。
ブッシュ5は、ボルト2の本体部を遊嵌して遊びを持つ
ような内径の開口5aを軸線方向に開け、この開口5aの一
端側にはリング6の雄ネジ6aが螺合する雌ネジ5bが形成
されている。そして、第1図のようにトラス部材4の内
部側にボルトのヘッド2bが位置してリング6はブッシュ
5より外側に位置するように組み込まれる。このため、
実際の組立てでは、ボルト2を開口6aに通した後にリン
グ6を雄ネジ2a側から嵌め込み、ピン7によってこのリ
ング6をボルト2に固定する組み立て要領となる。そし
て、開口5aはボルト2の本体部よりも内径が少し大き
く、また雌ネジ5bはリング6の雄ネジ6aのピッチ円の径
よりも若干大きく、ねじ込んだときにボルト2がその半
径方向へ遊び持つようにして少しがたついて動けるよう
にする。そして、雄ネジ6aを雌ネジ5bに緩く嵌めるよう
にすれば、ブッシュ5の軸線に対してボルト2が捩じれ
た姿勢になるようにもしておく。これにより、第1図の
斜材側で示すようにボルト2を本体1の雌ネジ1aにねじ
込む前では、ボルト2はブッシュ5に対して遊びを持つ
ようになり、ボルト2はその軸線を或る程度揺動させる
ことができる。
スリーブ3は、第5図の断面図を示すように六角形状で
あり、軸線方向にボルト2が挿通する保持孔3aを貫設し
ている。この保持孔3aの内径はボルト2に一体化したリ
ング6の外径とほぼ同じであり、リング6及びこれに一
体化したボルト2がスリーブ3の中でも軸線方向へ摺動
可能である。そして、保持孔3aの内周壁にはリング6か
ら突き出たピン7が嵌まり込むキー溝3bが軸線方向の全
長に刻み込まれている。
これらのボルト2,ブッシュ5及びスリーブ3の部材のう
ち、ボルト2とブッシュ5とが先にトラス部材4の端部
に固定される。すなわち、ボルト2をブッシュ5の開口
5aに通した後、反対側からリング6を所定の位置に嵌め
込んでこれをピン7によって固定する。そして、リング
6の雄ネジ6aを第1図の斜材で示すようにブッシュ5の
雌ネジ5bにいっぱいにねじ込む。この後、ボルト2を一
体化したブッシュ5をトラス部材4の端部に溶接によっ
て固定し、ボルト2のヘッド2bをブッシュ5の端面から
離れた位置まで差し込む。
一方、スリーブ3は、そのキー溝3bにピン7を嵌まり込
むようにしてブッシュ5から突き出たボルト2に外挿す
る。このとき、スリーブ3は自由回転可能であり、スリ
ーブ3を回転させるとキー溝3bとピン7とによって回転
がボルト2に伝達され、ブッシュ5の雌ネジ5bに螺合し
ているリング6の雄ネジ6aを回転させ、ブッシュ5に対
してボルト2に送りを与える。
トラス部材4にボルト2,スリーブ3及びブッシュ5を装
着した後には、本体1に対する接続作業を開始する。こ
の作業は、第1図における斜材のようにボルト2の先端
が接続しようとする雌ネジ1aに一致するようにトラス部
材5の姿勢を設定することから始める。そして、スリー
ブ3を手で回してゆくと、ボルト2も回転して送りが与
えられ、ボルト2は雌ネジ孔1aの中に回転しながら進
み、第1図の水平材のようにボルト2を雌ネジ孔1aに螺
合連結させることができる。
ここで、ブッシュ5の雌ネジ5bの、ピッチ円径はリング
6の雄ネジ6aのそれよりも大きく、螺合したときにボル
ト2が遊びを持つ振る舞いをしてその姿勢を自在に変え
ることは既に説明した。すなわち、ボルト2の先端の指
向方向は、雄ネジ2aが雌ネジ1aに嵌まり込む初期の段階
で、ブッシュ5の軸線に一致するだけでなく或る範囲内
で首振り可能である。したがって、トラス部材5の軸線
が本体1の雌ネジ孔1aに正確に一致してなくても、ボル
ト2の姿勢の変化によって雌ネジ孔1aがこれを受容して
楽に接合の開始が行われる。
次いで、更にスリーブ3を回転させると、ボルト2が本
体1方向へ進んでリング6の雄ネジ6aはブッシュ5の雌
ネジ5bから離れ、最終的には第1図の水平材のように、
雄ネジ2aが雌ネジ孔1a内にねじ込まれ、ボルト2のヘッ
ド2bがブッシュ6の端面に当接する状態となる。そし
て、レンチ等の工具を用いてスリーブ3を更に締め上げ
ると、本体1に対してトラス部材5が強固に連結され
る。
以上の要領で構築されたトラスの連結状態においては、
スリーブ3の両端面がそれぞれ本体1の周面及びブッシ
ュ6に当接するので、トラス部材5に負荷される圧縮応
力は、ボルト2,スリーブ3及びブッシュ5によって本体
1へ直接負荷される。したがって、圧縮力の吸収が効果
的に行われるようになり、系全体の強度が向上する。
〔発明の効果〕
以上に説明したように、本発明では、ボルトに送りを与
える送りナットがボルトを自由に首振りできるように遊
びを持たせて保持している。このボルトの首振りによっ
て、ジョイント本体との接合時には、ボルトをジョイン
トの雌ネジ孔に容易に合わせることができる。したがっ
て、ジョイントに対してトラス部材の姿勢の自由度が大
きくなるので、労力の軽減が図れると共に施工性の向上
が可能となる。また、ボルトにリングを嵌めてこれを固
定するピンを利用してスリーブの回転を伝達するので、
市販のボルトにピン固定用のピン孔等を開けるだけでよ
く、従来のようにキーを一体化する等の特殊品とする必
要もない。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す立体トラスのジョイン
ト部分の部分断面図、第2図は第1図のI−I線位置で
の縦断面図、第3図はボルト,ブッシュ及びスリーブを
分解して示す図、第4図はリングのボルトへの固定を示
す図、第5図はブッシュを軸線方向に見た縦断面図であ
る。 1:本体、1a:雌ネジ孔 2:ボルト、2a:雄ネジ 2b:ヘッド、2c:ピン孔 3:スリーブ、3a:保持孔 3b:キー溝 4:トラス部材 5:ブッシュ、5a:開口 5b:雌ネジ 6:リング、6a:雄ネジ 6b:ピン挿通孔 7:ピン

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ジョイントの本体及びトラス部材をボルト
    によって接合するジョイント構造であって、前記トラス
    部材の接合端に、前記ボルトがそのヘッドをトラス部材
    の中に残して遊嵌状に挿通する雌ネジ付きのブッシュを
    設け、該ブッシュと前記本体との間において前記ボルト
    の周りにスリーブを設け、前記ブッシュの雌ネジに螺合
    する雄ネジを形成した筒状のリングを、半径方向に突き
    出るピンによって前記ボルトの周面に固定し、前記スリ
    ーブの内周壁に前記ピンが嵌まり込むキー溝を軸線方向
    に形成し、更に、前記リングの雄ネジと前記ブッシュの
    雌ネジとの間に半径方向の遊びを持たせていることを特
    徴とする立体トラスのジョイント構造。
JP33688489A 1989-12-25 1989-12-25 立体トラスのジョイント構造 Expired - Lifetime JPH0715179B2 (ja)

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JPH03115631A JPH03115631A (ja) 1991-05-16
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