JPH07150904A - 蒸気タービンノズル - Google Patents

蒸気タービンノズル

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JPH07150904A
JPH07150904A JP29920293A JP29920293A JPH07150904A JP H07150904 A JPH07150904 A JP H07150904A JP 29920293 A JP29920293 A JP 29920293A JP 29920293 A JP29920293 A JP 29920293A JP H07150904 A JPH07150904 A JP H07150904A
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plate
drain
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Tadashi Tanuma
唯士 田沼
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 作動蒸気中に含まれる蒸気ドレンによる侵食
攻撃からノズル板の背面壁を保護する。 【構成】 翼素形状のノズル板4aの一端部をノズル外
輪に固設し、その他端部をノズル内輪に固設し、環状輪
内に列状に設置した蒸気タービンノズルにおいて、ノズ
ル板4aの背面壁12に沿って蒸気ドレンせき止め突出片
9を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は蒸気タービンノズルに
かかり、とりわけ蒸気中に含まれるドレンが回転羽根に
流れないように好適に処理する蒸気タービンノズルの改
良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の原子力用タービン、地熱用タービ
ン、あるいは火力用タービンのうちタービン低圧部で
は、作動蒸気の温度が低いことも手伝って、各タービン
の段落を通過中、液滴まじりの蒸気ドレンが生成されて
いる。この蒸気ドレンは回転羽根の遠心力の影響を受け
て次段落の回転羽根に流れるときはその先端部に至り、
ここで液滴によるアクックを受け、回転羽根腐食やター
ビン効率低下の一因になっている。
【0003】従来、タービンの段落を通過中に生成され
る蒸気ドレンを捕獲する技術には図9に示すものが使用
されている。図は、軸流タイプのタービン段落の一部を
示し、タービン段落はタービンロータ5の軸方向に沿っ
て設けられているタービンノズル4、タービン回転羽根
6の対により構成されている。タービンノズル4は、翼
素形状のノズル板4aであり、このノズル板4aの内部
は中実タイプと中空タイプとがある。
【0004】ノズル板4aの一端部は、ノズル外輪2に
固設され、また他端部はノズル内輪3に固設され、ノズ
ル板4aの一枚一枚は環状輪の中に組み込まれている。
また、環状輪の中に組み込まれたノズル板4aの蒸気下
流側には、タービン回転羽根6が設けられ、タービン回
転羽根6はタービンロータ5から突き出たディスク5a
に植設されてタービン段落を構成している。
【0005】ノズル板4aを挟設するノズル外輪2は、
そのノズル板4aの高さに沿ってスラント状のブロック
として形成されており、ブロック間には蒸気ドレンキャ
ッチャー1と連通する蒸気ドレン口7,8が設けられて
いる。そして、これら蒸気ドレン口7,8は、図示しな
い真空の復水器に結ばれている。
【0006】このような構成のタービン段落において、
タービン回転羽根4を通過中の作動蒸気は、ここで仕事
をする間に液滴を含む蒸気ドレンが生成されるが、この
蒸気ドレンはタービン回転羽根の遠心力により吹き飛ば
され、スラント状のノズル外輪2に沿って蒸気ドレン口
7,8に案内されて、ここから蒸気ドレンキャッチャー
1を経て機外に送り出されている。したがって、次段落
には蒸気ドレンの流れは比較的少なくなり、タービン回
転羽根6の蒸気ドレンによる侵食問題は少なくなってき
ていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、タービン最
終段落に、長翼のタービン回転羽根を設置すると、作動
蒸気が通過する横断断面積が増してその蒸気量も増え、
蒸気ドレンの生成量も増える。
【0008】このため、従来の蒸気ドレンの捕獲技術で
はもはや限界に達しており、蒸気ドレンの生成量増加に
伴う対策が求められている。このような情況下、蒸気ド
レンの挙動メカニズムを究明するため、モデルタービン
を用いて実験を行ったところ次のようなことが判明し
た。すなわち、ノズル外輪2のスラント面からノズル板
4aの先端部にかけて作動蒸気の湿り度が高くなるにつ
れて蒸気ドレンが集中的に集まってくる。集まった蒸気
ドレンのうち、一部は前段落のタービン回転羽根の遠心
力により吹き飛ばされ、ドレンキャッチャーで捕獲でき
なかったものであり、他の一部は蒸気ドレンの周方向速
度成分の速度ベクトルがタービン回転羽根の遠心力の影
響を受けてドレンキャッチャーを跳び越えたものであ
り、残りはノズル板の腹壁に衝突した蒸気ドレンがその
背壁との圧力差により誘起する二次流れの影響のために
背壁に廻り込むものである。
【0009】このようにして集まった蒸気ドレンは、ノ
ズル板の先端部分を通過するとき、二次流れによりノズ
ル板の背壁に引き寄せられ、その背壁からノズル板後縁
部を経てタービン回転羽根の先端に衝突し、こうして侵
食問題が発生する。また、これとは別に、ノズル板の腹
壁、背壁に流れる作動蒸気中に含まれる液滴が次段落の
タービン回転羽根の先端に衝突して侵食問題が発生する
場合もある。
【0010】かかる侵食問題に対処する技術として、例
えば特公昭49-9522 号公報に見られるように、ノズル板
の翼壁にスリット状の開口を設け、この開口を経て集め
た蒸気ドレンを系外に排出するものがある。
【0011】かかる構造のものは、蒸気ドレンを好適に
吸い込むことが実験レベルで確認されているものの、ノ
ズル板の腹壁、背壁の圧力差が十分小さい部分を除い
て、開口が存在するがゆえに作動蒸気の流れに乱れが生
起し、この乱れの影響のために長年使用の結果、開口縁
から亀裂の発生を見ることがある。
【0012】また、他の対処法として、例えば実公昭55
-18485号公報のように、ノズル板の翼壁に水抽出孔を設
けたものがあるが、かかる技術を実験により観察して見
ると、ノズル板の翼壁を伝わって流れる水の挙動は翼壁
の局部部分を伝わって流れることの方が多く、このため
不必要に蒸気だけを水抽出孔で吸い込んでしまい、ター
ビン内部効率の低下を招来している。
【0013】この発明は、かかる点を考慮してなされた
ものであって、翼壁を伝わって流れる蒸気ドレンがノズ
ル板間の通路に生起する二次流れによりノズル板の背壁
に廻り込まないようにする一方、タービン回転羽根の侵
食を低減し、もっとタービン内部効率低下を防止した蒸
気タービンノズルを公表することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】この発明にかかる蒸気ド
レンノズルは、上述課題を解決するために、請求項1に
記載したように、翼素形状のノズル板の一端部をノズル
外輪に固設し、その他端部をノズル内輪に固設し、環状
輪内に設置した蒸気タービンノズルにおいて、上記ノズ
ル板の背面壁に沿って蒸気ドレンせき止め突出片を設け
たものである。
【0015】また、上述課題を解決するために、この発
明にかかる蒸気タービンノズルは、請求項1記載の内容
を明確にする請求項2および3のように、蒸気ドレンせ
き止め突出片をノズル板の背面壁と一体に形成する一
方、ノズル板の背面壁の途中を基点にしてノズル板の後
縁部を経て突き出るように延設したものであり、さらに
ノズル板の背面壁に沿う起点位置を、ノズル板の前縁部
から後縁部までの側面投影寸法をCx 、蒸気ドレンせき
止め突出片の基点位置からノズル板の後縁部までの側面
投影寸法をLx とするとき、
【0016】
【数2】Lx /Cx ≧1/2 の関係式を満たすようにしたものである。さらに、この
発明にかかる蒸気タービンノズルは、上述課題を解決す
るために、請求項1,2,3の記載内容に加えて、請求
項4に記載したように、蒸気ドレンせき止め突出片を、
ノズル板の背面壁に沿って設ける一方、ノズル板の背面
壁に対し鉤状に一体的に形成したものである。
【0017】さらに、この発明にかかる蒸気タービンノ
ズルは、上述課題を解決するために、請求項1乃至4の
記載内容に加えて、請求項5に記載したように、翼素形
状のノズル状の一端部をノズル外輪セグメント片に固設
し、その他端部をノズル内輪セグメント片に固設すると
ともに、ノズル外輪セグメント片はノズル外周リングに
ボルト結合する一方、ノズル内輪セグメント片はノズル
内周リングにボルト結合する環状輪内に設置した蒸気タ
ービンノズルにおいて、ノズル外輪セグメント片、ノズ
ル外周リング、ノズル板の一端部により囲む領域にポケ
ット部を形成する囲い板を上記ノズル板の一端部に覆設
し、この囲い板にノズル板の背面壁に沿うように溝を設
ける一方、この溝から上記ポケット部に蒸気ドレンを導
くドレン口を設けたものである。
【0018】また、さらに、この発明にかかる蒸気ター
ビンノズルは、上述課題を解決するために、請求項1乃
至5記載の内容に加えて、請求項6に記載したように、
翼素形状であって、中空部を備えるノズル板の一端部を
覆設するノズル外輪セグメント片に固設し、その他端部
を覆設するノズル内輪セグメント片に固設するととも
に、ノズル外輪セグメント片はノズル外周リングにボル
ト結合する一方、ノズル内輪セグメント片はノズル内周
リングにボルト結合する環状輪内に内置した蒸気タービ
ンノズルにおいて、上記ノズル板の一端部を覆設するノ
ズル外輪セグメント片に、その中空部の蒸気ドレンを外
部に導く蒸気ドレン通路を穿設したものであり、さらに
請求項7に記載したように、蒸気ドレン通路の入口側に
ガイド片を設けたものである。
【0019】
【作用】請求項1に記載したこの発明にかかる蒸気ター
ビンノズルにおいては、蒸気ドレンを含む作動蒸気が環
列状設置のノズル板間で形成された蒸気通路を流れる間
に、ノズル板の腹面壁に衝突し、この蒸気通路に生起す
る二次流れの影響を受け、隣列設のノズル板の背面壁に
向って流れる。しかしながら隣列設のノズル板の背面壁
には蒸気ドレンせき止め突出片が設けられているため、
この蒸気ドレンせき止め突出片がバリヤとなり、ノズル
板の背面壁は蒸気ドレンからの侵食攻撃を受けることが
ない。
【0020】この場合、蒸気ドレンせき止め突出片は、
請求項2乃至4に記載したように、ノズル板の背面壁の
途中を起点にしてノズル板の後縁部を経て突き出るよう
に延設し、しかもノズル板の背面壁に対し鉤状に一体的
に形成しているので、衝突後の蒸気ドレンは取付状態が
安定した蒸気ドレンせき止め突出片に沿って流れる。し
たがってノズル板の背面壁は、効果的に、安定状態の下
で蒸気ドレンからの侵食攻撃を受けることがない。
【0021】請求項5に記載したこの発明にかかる蒸気
タービンノズルにおいては、蒸気ドレンを含む作動蒸気
はタービン回転羽根の遠心力の影響を受けて次段落のノ
ズル板の外端部分(ノズル板の高さ方向先端)に集まる
傾向にあり、かかる点を考慮して、作動蒸気中に含まれ
る蒸気ドレンを吸い込むためにノズル板の一端部にポケ
ット部を形成したものである。すなわち、ノズル外輪セ
グメント片、ノズル外周リング、ノズル板により囲む領
域にポケット部を形成する囲い板を設け、この囲い板に
溝を設ける一方、この溝にドレン口を設けたものであ
る。
【0022】かかる構成において、ノズル外端部分に集
まってくる蒸気ドレンは、溝を伝ってドレン口からポケ
ット部に案内されるので、蒸気ドレンは良好に捕獲する
ことができる。
【0023】請求項6に記載したこの発明にかかる蒸気
ドレンノズルにおいては、中空部を備えるノズル板で一
旦捕獲された蒸気ドレンを、ノズル外輪セグメント片に
設けた蒸気ドレン通路を経て引き抜くようにしているの
で、中空部に溜る蒸気ドレンによる侵食攻撃の心配はな
い。
【0024】この場合、請求項7に記載したように、蒸
気ドレン通路の入口側にガイド片が設けられているの
で、中空部の内外部の圧力差が効果的に利用でき、また
蒸気ドレン通路の入口の蒸気ドレンによる侵食攻撃も少
なくなる。
【0025】
【実施例】以下、この発明にかかる蒸気タービンノズル
の実施例を図1乃至図8を用いて説明するが、図9と同
一構成部分には同一符号を付してある。図1乃至図3
は、この発明にかかる蒸気タービンノズルの第1実施例
を示す略示図である。
【0026】図1は、タービンロータ5の軸方向に沿っ
て配置した段落を構成し、段落はタービンノズル4とタ
ービン回転羽根6との対からなり、軸方向に沿って翼長
が高くなるようにしている。
【0027】タービンノズル4は、翼素形状のノズル板
4aであって、このノズル板4aは両端部をノズル外輪
2、ノズル内輪3により固設されている。ノズル外輪
2、ノズル内輪3は、ともに環状輪であり、この環状輪
内にノズル板4aが列状に設置されている。
【0028】ノズル板4aを保持するノズル外輪2の環
状輪は、ブロック化されており、ブロック間相互にはド
レン口7,8が蒸気ドレンキャッチャー1とともに開設
されている。
【0029】上記ノズル板4を固設するノズル外輪2の
部分には植込部10から突き出た蒸気ドレンせき止め突出
片9が設けられている。この蒸気ドレンせき止め突出片
9は、図2に示すように、ノズル板4aの背面壁12の途
中を基点にしてその背面壁12に沿って設けられ、ノズル
板4aの後縁部11を経て突き出るように長く延びてい
る。ノズル板4aの背面壁12に沿って長く延びる蒸気ド
レンせき止め突出片9の基点位置は、図1にもあるよう
に、ノズル板4aの前縁部から後縁部までの側面投影寸
法をCx 、蒸気ドレンせき止め突出片の基点位置からノ
ズル板の後縁部までの側面投影寸法をLx とするとき、
【0030】
【数3】Lx /Cx ≧1/2 に選定することが、実験による蒸気ドレンの挙動から見
て好ましい。図2は、作動蒸気中に含まれている蒸気ド
レンを流線11aをもってあらわしたものである。
【0031】一方、ノズル板4aの背面壁12に沿って設
けられた蒸気ドレンせき止め突出片9は、図3に示すよ
うに、ノズル板4aの背面壁12に対し、鉤状に一体的に
形成したもので、その植込部10はノズル外輪2に凹入固
設されている。
【0032】このような構成の蒸気タービンノズルにお
いて、作動蒸気中に含まれている蒸気ドレンは図2に示
す流線11aとして列状配置のノズル板4a間の蒸気通路
11bを通過中、ノズル板4aの腹面壁13に衝突してから
隣設列状配置のノズル板4aの背面壁12に流れるもの、
あるいはノズル板4aの前縁部11cに衝突後、隣設列状
配置のノズル板4aの背面壁12に直接流れるもの、さら
に前縁部11cからその背面壁12aに流れるもの等諸種挙
動を異にしていても、蒸気ドレンせき止め突出片9によ
りノズル板4aの背面壁12は蒸気ドレンの侵食攻撃を防
ぐことができる。こうして、蒸気ドレンせき止め突出片
9により進路を阻まれた蒸気ドレンは、以後、蒸気ドレ
ンせき止め突出片9に沿って後流側に流れていく。ま
た、図3に示すように、タービン回転羽根の遠心力によ
り吹き飛ばされ、ノズル外輪2に沿って流れる蒸気ドレ
ンを含む作動蒸気の流線11aは、蒸気ドレンせき止め突
出片9により進路が阻まれ、こうしてノズル板4aの背
面壁12は蒸気ドレンの侵食攻撃に安定保持状態の下、対
処することができる。
【0033】図4は、この発明にかかる蒸気タービンノ
ズルの蒸気ドレンせき止め突出片9の他の実施例を示す
略示図であり、ノズル板4aの背面壁12に横断して一体
的に蒸気ドレンせき止め突出片9を設けたものである。
この構成によればノズル外輪2に沿って流れる蒸気ドレ
ンの流線11aは蒸気ドレンせき止め突出片9によりその
進路を阻まれ、上述実施例と同様に効果的に蒸気ドレン
侵食攻撃から対処することができる。
【0034】図5乃至図6はこの発明にかかる蒸気ター
ビンノズルの他の実施例を示す略示図である。この実施
例は、組立てタイプの蒸気タービンノズルに適用されて
いる。
【0035】図中、ノズル板4aの内端は、ノズル内輪
セグメント片16に、またその外輪はノズル外輪セグメン
ト片15aに固設されている。また、ノズル内輪セグメン
ト片16はボルトを介してノズル内周リング16aに結合さ
れ、さらにノズル外輪セグメント片15はボルトを介して
ノズル外周リング15aに結合されている。また、ノズル
外周リング15aにはボルトを介してリング片15bが設け
られて蒸気ドレン口7を形成している。
【0036】このような組立てタイプの蒸気タービンノ
ズルにおいて、ノズル外輪セグメント片15、ノズル外周
リング15a、ノズル板4aにより囲む領域に、ポケット
部20を形成する囲い板19が設けられており、この囲い板
19は、図6に示すように、溝20aを設け、この溝20aに
沿ってドレン口20bが穿設され、蒸気ドレンを効果的に
吸い込むようになっている。すなわち、蒸気ドレン口
7,8により捕獲できなかった蒸気ドレンの流線11a
は、溝20aに案内され、ここを伝ってドレン口20bから
ポケット部20に送られている。ポケット部20に集められ
た蒸気ドレンは、支柱18により形成された通路を経て蒸
気ドレン口8に案内されている。
【0037】したがって、タービン回転羽根の遠心力に
より吹き飛ばされ、蒸気ドレン口7により捕獲できなか
った残りの蒸気ドレンを捕獲するにはきわめて効果的で
ある。
【0038】図7乃至図8は、この発明にかかる蒸気タ
ービンノズルの他の実施例を示す略示図であり、中空タ
イプのノズル板4aの適用したものである。すなわち、
中空部21を備えたノズル板4aは、ノズル外輪セグメン
ト片15と一体的に作製したものであり、ノズル外輪セグ
メント片15の相互間に蒸気ドレン通路21aを穿設してい
る。
【0039】この構成によれば、ノズル板4aの腹面壁
13または背面壁12に設けた吸い込口(ともに図示せず)
を経て中空部21に集められた蒸気ドレンの流線11aは、
入口21bを経て蒸気ドレン通路21aからノズル外周リン
グ15aの隙間に案内され、こうして中空部21の蒸気ドレ
ンは真空状態の復水器(図示せず)に効果的に案内する
ことができる。
【0040】この場合、蒸気ドレン通路21aの入口21b
側にガイド片21cを設けておけば蒸気ドレン通路の圧力
差が一段と高まり、この圧力差を巧みに利用すれば中空
部21に集められた蒸気ドレンの流線11aは一段と好まし
く蒸気ドレン通路20に案内することができる。
【0041】
【発明の効果】以上の説明のとおり、この発明にかかる
蒸気タービンノズルは、列状配置のノズル板間の蒸気通
路に二次流れにより、蒸気ドレンを含む作動蒸気がノズ
ル板の背面壁に押し流された場合でも蒸気ドレンせき止
め突出片で蒸気ドレンの進路を阻げることができる。し
たがってノズル板の背面壁は蒸気ドレンによる侵食攻撃
から防ぐことができる。
【0042】また、組立てタイプの蒸気タービンノズル
においては、ノズル板の高さ方向の先端部にポケット部
を設けているので、蒸気ドレン口により捕獲できなかっ
た残りの蒸気ドレンを効果的に捕獲でき、次段落のター
ビンノズル翼、タービン回転羽根は蒸気ドレンの侵食攻
撃を防ぐことができる。
【0043】また、中空部を備える蒸気タービンノズル
においては、ノズル外輪セグメント相互に設けた蒸気ド
レン通路により、さらに蒸気ドレン通路の入口に設けた
ガイド片により中空部の蒸気ドレンを外部に案内できる
ので、侵食腐食の心配はない。
【0044】以上のとおり、この発明にかかる蒸気ター
ビンノズルは、諸種の構造を有して、蒸気ドレンを好適
に処理でき、このため侵食防止は無論のこと、タービン
の内部効率を一段と高く向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる蒸気タービンノズルの第1実
施例を示す図示断面図。
【図2】図1のA矢視方向から見た展開平面図。
【図3】図2のB−B矢視切断部分断面図。
【図4】蒸気ドレンせき止め突出片の他の実施例を示す
略示部分断面図。
【図5】組立てタイプのタービンノズルに適用したこの
発明にかかる蒸気タービンノズルの実施例を示す略示断
面図。
【図6】図5のC矢視方向から見た展開平面図。
【図7】中空部を備えた蒸気タービンノズルの蒸気ドレ
ン処理の態様を示す略示断面図。
【図8】中空部を備えた蒸気タービンノズルの蒸気ドレ
ン処理の他の態様を示す略示断面図。
【図9】従来の実施例を示す蒸気タービンノズルの略示
断面図。
【符号の説明】 2 ノズル外輪 3 ノズル内輪 4a ノズル板 6 タービン回転羽根 9 蒸気ドレンせき止め突出片 11 後縁部 11c 前縁部 12 背面壁 13 腹面壁 15 ノズル外輪セグメント片 15a ノズル外周リング 16 ノズル内輪セグメント片 16a ノズル内周リング 19 囲い板 20 ポケット部 20a 溝 20b ドレン口 21 中空部 21a 蒸気ドレン通路 21c ガイド片

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 翼素形状のノズル板の一端部をノズル外
    輪に固設し、その他端部をノズル内輪に固設し、環状輪
    内に設置した蒸気タービンノズルにおいて、上記ノズル
    板の背面壁に沿って蒸気ドレンせき止め突出片を設けた
    ことを特徴とする蒸気タービンノズル。
  2. 【請求項2】 蒸気ドレンせき止め突出片は、ノズル板
    の背面壁と一体的に形成する一方、ノズル板の背面壁の
    途中を基点にしてノズル板の後縁部を経て突き出るよう
    に延設していることを特徴とする請求項1記載の蒸気タ
    ービンノズル。
  3. 【請求項3】 ノズル板の背面壁に沿う蒸気ドレンせき
    止め突出片の起点位置は、ノズル板の前縁部から後縁部
    までの側面投影寸法をCx 、蒸気ドレンせき止め突出片
    の基点位置からノズル板の後縁部までの側面投影寸法を
    Lx とするとき、 【数1】Lx /Cx ≧1/2 の関係式を満たしていることを特徴とする請求項1記載
    の蒸気タービンノズル。
  4. 【請求項4】 蒸気ドレンせき止め突出片は、ノズル板
    の背面壁に沿って設ける一方、ノズル板の背面壁に対し
    鉤状に一体的に形成したことを特徴とする請求項1また
    は2記載の蒸気タービンノズル。
  5. 【請求項5】 翼素形状のノズル板の一端部をノズル外
    輪セグメント片に固設し、その他端部をノズル内輪セグ
    メント片に固設するとともに、ノズル外輪セグメント片
    はノズル外周リングにボルト結合する一方、ノズル内輪
    セグメント片はノズル内周リングにボルト結合する環状
    輪内に設置した蒸気タービンノズルにおいて、ノズル外
    輪セグメント片、ノズル外周リング、ノズル板の一端部
    により囲む領域にポケット部を形成する囲い板を上記ノ
    ズル板の一端部に覆設し、この囲い板にノズル板の背面
    壁に沿うように溝を設ける一方、この溝から上記ポケッ
    ト部に蒸気ドレンを導くドレン口を設けたことを特徴と
    する蒸気タービンノズル。
  6. 【請求項6】 翼素形状であって、中空部を備えるノズ
    ル板の一端部を覆設するノズル外輪セグメント片に固設
    し、その他端部を覆設するノズル内輪セグメント片に固
    設するとともに、ノズル外輪セグメント片はノズル外周
    リングにボルト結合する一方、ノズル内輪セグメント片
    はノズル内周リングにボルト結合する環状輪内に内置し
    た蒸気タービンノズルにおいて、上記ノズル板の一端部
    を覆設するノズル外輪セグメント片に、その中空部の蒸
    気ドレンを外部に導く蒸気ドレン通路を穿設したことを
    特徴とする蒸気タービンノズル。
  7. 【請求項7】 蒸気ドレン通路の入口側にガイド片を設
    けたことを特徴とする請求項6記載の蒸気タービンノズ
    ル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011506841A (ja) * 2007-12-20 2011-03-03 シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト 動翼のエロージョン防護シールド板
JP2014095309A (ja) * 2012-11-08 2014-05-22 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 蒸気タービン
US10648367B2 (en) 2017-07-12 2020-05-12 Mitsubishi Hitachi Power Systems, Ltd. Steam turbine drain structure and method of modifying the same

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