JPH07150281A - ろう付け後強度およびろう付け性に優れたAl合金フィン材 - Google Patents

ろう付け後強度およびろう付け性に優れたAl合金フィン材

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JPH07150281A
JPH07150281A JP5329970A JP32997093A JPH07150281A JP H07150281 A JPH07150281 A JP H07150281A JP 5329970 A JP5329970 A JP 5329970A JP 32997093 A JP32997093 A JP 32997093A JP H07150281 A JPH07150281 A JP H07150281A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ろう付け工法によって製造される自動車用熱
交換器等に用いられる、ろう付け後強度およびろう付け
性に優れたAl合金フィン材を提供する。 【構成】 第1発明: 重量% で、Si:0.7 〜1.5%、Mn:
1.5 〜3%、V :0.01〜0.25% 、Zr:0.01〜0.25% 、およ
び、Cr:0.01〜0.25% を含有し、残りが、Alおよび不可
避不純物からなる化学成分組成を有する。第2発明: 重
量% で、Si:0.7〜1.5%、Mn:1.5 〜3%、V :0.01〜0.2
5% 、Zr:0.01〜0.25% 、および、Cr:0.01〜0.25% を
含有し、更に、Fe:0.2 〜1.5%、および、Ti:0.02〜0.
25% の内、少なくとも1 種を含有し、残りが、Alおよび
不可避不純物からなる化学成分組成を有する。第1発明
または第2発明の化学成分組成に、更に、Mg:0.05〜0.
3%を含有するもの。上記すべての発明に、更に、Zn:0.
3 〜2%、Sn:0.02〜0.2%、および、In:0.005 〜0.05%
の内、少なくとも1 種を含有するもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ろう付け工法によっ
て製造される自動車用熱交換器等に用いられるフィン材
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】Al合金は軽くて熱伝導性に優れ、且つ、
耐食性が良好であることから、自動車のラジエ−タ等の
熱交換器の製造に広く用いられている。アルミニウム合
金熱交換器は、例えば、Al−Mn系合金等からなる作動流
体通路材料(以下、管材という)に、これよりも電気化
学的に卑なアルミニウム合金のフィン材が、ろう付けに
より組み立てられている。そして、電気化学的に卑なフ
ィン材の犠牲陽極効果によって作動流体通路材料が防食
されている。
【0003】ろう付けは、管材とフィン材との組合せ体
をろう付け温度に、真空中で加熱するか、または、不活
性雰囲気中もしくは大気中でフラックスを用いて加熱す
ることによって行う。管材およびフィン材の少なくとも
一方には、Al−Si系またはAl−Si−Mg系等のろう材をク
ラッドしたブレ−ジングシ−トが用いられており、フィ
ン材は、ろう付け時の高温加熱によって強度が著しく低
下して変形したり、ろう材中のSi原子がフィン材中に拡
散して座屈したりする。このようなフィン材の著しい変
形および座屈は、ろう付け加熱時の材料の局部溶融によ
って発生する(以下、このような変形および座屈を生じ
ない性質をろう付け性という)。
【0004】アルミニウム合金熱交換器用のフィン材
は、ろう付け後の熱交換器使用時の風圧等に対して変形
しない十分な強度を必要とする。さらに、フィン素材製
造時の熱間加工性が優れていることが重要である。
【0005】そこで、上述したようなアルミニウム合金
熱交換器のフィン材の特性を改善するために、1%程度の
Mnを含有するAl−Mn系合金に、ろう付け後の強度を向上
させるために1%程度のSiを含有させたAl−Mn−Si系合金
に、更に、種々の元素を含有させた下記の技術が提案さ
れている。熱交換器Al合金製フィン材のろう付け後の強
度、および、ろう付性の改善に関する技術として、例え
ば、特開昭58-156197号公報( 以下、先行技術1 という)
、特開昭63-213646 号公報( 以下、先行技術2 という)
、および、特開平3-13550 号公報( 以下、先行技術3
という) がある。
【0006】先行技術1 は、フィンに用いるA3004 合金
に関し、ろう付け中に、Al- Si合金ろう材中のSiがフィ
ン材内部へ過拡散して局部溶融するためろう付け継手の
幅が著しく減少したり、継手の強度が低下するのを防止
し、超高圧用プレ−トフィン型熱交換器を提供すること
を目的とし、Cuを0.05〜0.25% 含有させたAl合金を開示
している。
【0007】先行技術2 は、フィン材と管材を真空ろう
付けした場合、フィン材中のZnの蒸発による管材に対す
る犠牲陽極効果の低下を防止すること、および、高温強
度(耐垂下性) およびろう付け後の強度を確保するため
に、Snを0.03〜0.15% 含有したAl合金製皮材を、Al合金
製芯材の両面にクラッドした複合材を開示している。
【0008】先行技術3 は、耐高温座屈性と、フィン材
を薄肉化した場合、強度不足のためフィンをコルゲ−ト
加工して管材を組付ける時にフィンが潰れる、所謂、常
温座屈の発生を防止するための高い強度とを兼備したフ
ィン材の製造を目的として、最終Cr、Zr、TiおよびV を
含有させ、且つ、最終冷間圧延前の焼鈍を240 〜300℃
未満という、冷間圧延前に行われる通常の焼鈍温度(300
〜450 ℃) より低温度で行う技術を開示している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、先行技
術1〜3ではいずれも、ろう付け後の強度を向上させる
ために含有させたSiがその効果を発揮するが、一方、ろ
う付け条件に依存してその条件によっては、フィン材を
ろう付け温度に加熱すると、フィン材中に固溶している
Siの作用で材料の固相線温度が低下し、局部溶融を引き
起こすことがある。このように、先行技術1〜3では、
ろう付性に問題があり、特に、このような現象はAl合金
フィン材の板厚が薄い場合に顕著となるため、最近高ま
りつつあるフィン材の薄肉化に対する要求に十分応えら
れない状態にある。
【0010】従って、この発明の目的は、上述した問題
点を解決し、ろう付け工法によって製造される自動車用
熱交換器等に用いられる、ろう付け後強度およびろう付
け性に優れたAl合金フィン材を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】ろう付け後強度およびろ
う付け性に優れたAl合金フィン材について、本発明者等
は鋭意研究を重ねた結果、次の知見を得た。即ち、Al−
Mn−Si系のAl合金中のMnには、SiがAl−Mn−Si系析出物
として析出するのを促進する作用があり、Siの固溶量を
抑制するので、Siの固溶によるAl合金の固相線温度の低
下を防ぐ効果があること、および、V 、Zr、およびCrの
3元素が共存すると、これら3元素がAl−Mn−Si系析出
物に取り込まれ、この析出物中のSi含有比率が増加し、
Siの固溶量が減少するため、Al合金の固相線温度の低下
が抑制される。
【0012】本発明は、上記知見に基づいてなされたも
のであり、この発明の目的を達成するために、Mnの含有
量を増加させたこと、および、V 、ZrおよびCrの3 元素
を共存させることを同時に満たすことに顕著な特徴を有
するものである。即ち、第1発明のAl合金フィン材は、
重量% で、Si:0.7 〜1.5%、Mn:1.5 〜3%、V :0.01〜
0.25% 、Zr:0.01〜0.25% 、および、Cr:0.01〜0.25%
を含有し、残りが、Alおよび不可避不純物からなる化学
成分組成を有することに特徴を有するものである。
【0013】第2発明のAl合金フィン材は、重量% で、
Si:0.7 〜1.5%、Mn:1.5 〜3%、V:0.01〜0.25% 、Z
r:0.01〜0.25% 、および、Cr:0.01〜0.25% を含有
し、更に、Fe:0.2 〜1.5%、および、Ti:0.02〜0.25%
の内、少なくとも1 種を含有し、残りが、Alおよび不可
避不純物からなる化学成分組成を有することに特徴を有
するものである。
【0014】第3発明のAl合金フィン材は、重量% で、
Si:0.7 〜1.5%、Mn:1.5 〜3%、V:0.01〜0.25% 、Z
r:0.01〜0.25% 、Cr:0.01〜0.25% 、およびMg:0.05
〜0.3%を含有し、残りが、Alおよび不可避不純物からな
る化学成分組成を有することに特徴を有するものであ
る。
【0015】第4発明のAl合金フィン材は、重量% で、
Si:0.7 〜1.5%、Mn:1.5 〜3%、V:0.01〜0.25% 、Z
r:0.01〜0.25% 、Cr:0.01〜0.25% 、およびMg:0.05
〜0.3%を含有し、更に、Fe:0.2 〜1.5%、および、Ti:
0.02〜0.25% の内、少なくとも1 種を含有し、残りが、
Alおよび不可避不純物からなる化学成分組成を有するこ
とに特徴を有するものである。
【0016】第5発明のAl合金フィン材は、重量% で、
Si:0.7 〜1.5%、Mn:1.5 〜3%、V:0.01〜0.25% 、Z
r:0.01〜0.25% 、および、Cr:0.01〜0.25% を含有
し、更に、Zn:0.3 〜2%、Sn:0.02〜0.2%、および、I
n:0.005 〜0.05% の内、少なくとも1 種を含有し、残
りが、Alおよび不可避不純物からなる化学成分組成を有
することに特徴を有するものである。
【0017】第6発明のAl合金フィン材は、重量% で、
Si:0.7 〜1.5%、Mn:1.5 〜3%、V:0.01〜0.25% 、Z
r:0.01〜0.25% 、および、Cr:0.01〜0.25% を含有
し、更に、Fe:0.2 〜1.5%、および、Ti:0.02〜0.25%
の内、少なくとも1 種、および、Zn:0.3 〜2%、Sn:0.
02〜0.2%、および、In:0.005 〜0.05% の内、少なくと
も1 種を含有し、残りが、Alおよび不可避不純物からな
る化学成分組成を有することに特徴を有するものであ
る。
【0018】第7発明のAl合金フィン材は、重量% で、
Si:0.7 〜1.5%、Mn:1.5 〜3%、V:0.01〜0.25% 、Z
r:0.01〜0.25% 、Cr:0.01〜0.25% 、およびMg:0.05
〜0.3%を含有し、更に、Zn:0.3 〜2%、Sn:0.02〜0.2
%、および、In:0.005 〜0.05%の内、少なくとも1 種を
含有し、残りが、Alおよび不可避不純物からなる化学成
分組成を有することに特徴を有するものである。
【0019】第8発明のAl合金フィン材は、重量% で、
Si:0.7 〜1.5%、Mn:1.5 〜3%、V:0.01〜0.25% 、Z
r:0.01〜0.25% 、Cr:0.01〜0.25% 、およびMg:0.05
〜0.3%を含有し、更に、Fe:0.2 〜1.5%、および、Ti:
0.02〜0.25% の内、少なくとも1 種、および、Zn:0.3
〜2%、Sn:0.02〜0.2%、および、In:0.005 〜0.05% の
内、少なくとも1 種を含有し、残りが、Alおよび不可避
不純物からなる化学成分組成を有することに特徴を有す
るものである。
【0020】
【作用】この発明のAl合金フィン材の化学成分組成を上
述した範囲内に限定した理由について述べる。 (1) Si:Siは、Al合金中に固溶し、あるいは、Al−Mn−S
i系化合物として析出して、ろう付け後の強度を向上さ
せる作用を有する。しかしながら、その含有量が0.7%未
満ではその効果が不十分であり、一方、1.5%超では固溶
量が過多となり固相線温度がろう付け温度以下になって
局部溶融を引き起こす。従って、Siの含有量は、0.7 〜
1.5%の範囲内とすべきである。
【0021】(2) Mn:Mnの含有量は従来技術と比較して
高く、本発明における最も特徴的な元素である。Mnは、
SiがAl−Mn−Si系化合物として析出するのを促進する作
用を有し、Siの固溶量を抑制するので、Siの固溶による
Al合金の固相線温度の低下を防ぎ、局部溶融を防止する
効果を有する。しかしながら、その含有量が1.5%未満で
はその効果が不十分であり、一方、3%超ではAl合金板素
材の製造工程中熱間加工工程で、熱間加工性が低下す
る。従って、Mnの含有量は、1.5 〜3%の範囲内とすべき
である。
【0022】(3) V 、ZrおよびCr:本発明においては、V
、ZrおよびCrの3 元素を共存させた化学成分組成にす
ることが、従来技術の技術思想と比較して特徴的なもの
である。V 、Zr、およびCrは、これら3元素が共存する
と、これら3元素がAl−Mn−Si系析出物に取り込まれ、
この析出物中のSi含有比率が増加し、Siの固溶量が減少
し、また、Al−Mn−Si系析出物の析出を促進するため、
Al合金の固相線温度の低下を抑制する作用を有し、局部
溶融を抑制する効果を有する。しかしながら、V、Zrお
よびCrの含有量はいずれも0.01% 未満では前記効果が不
十分であり、一方、V 、ZrおよびCrの含有量はいずれも
0.25% 超では、Al合金板素材の製造工程中熱間加工工程
で、熱間加工性が低下する。従って、V 、ZrおよびCrの
含有量はいずれも、0.01〜0.25% の範囲内とすべきであ
る。
【0023】(4) FeおよびTi:FeおよびTiは、Al−Mn−S
i系析出物を微細化する作用を有し、ろう付け後の強度
を向上させる効果を有する。しかしながら、Feの含有量
は0.2%未満、Tiの含有量は0.02% 未満ではその効果が不
十分であり、一方、Feの含有量は1.5%超、Tiの含有量は
0.25% 超では、Al合金板素材の製造工程中熱間加工工程
で、熱間加工性が低下する。従って、Feの含有量は0.2
〜1.5%、Tiの含有量は0.02〜0.25% の範囲内とすべきで
ある。
【0024】(5) Mg:Mgは、ろう付け後の強度を向上さ
せる効果を有する。しかしながら、その含有量が、0.05
% 未満ではろう付け後の強度向上の効果が不十分であ
り、一方、0.3%超では固相線温度がろう付け温度以下に
なり局部溶融を起こす。従って、Mgの含有量は、0.05〜
0.3%の範囲内とすべきである。
【0025】(6) Zn、SnおよびIn:Zn、SnおよびInは、
いずれもAl合金の電気化学的電位を卑にする作用を有
し、犠牲陽極効果を付与する。しかしながら、Znの含有
量は0.3%未満、Snの含有量は0.02% 未満、Inの含有量は
0.005%未満では、その効果が不十分であり、一方、Znの
含有量は2%超、Snの含有量は0.2%超、Inの含有量は0.05
% 超では、電気化学的電位が卑になり過ぎ、自己腐食速
度が大きくなり過ぎる。従って、Znの含有量は0.3 〜2
%、Snの含有量は0.02〜0.2%、Inの含有量は0.005 〜0.0
5% の範囲内にすべきである。
【0026】
【実施例】次に、この発明を実施例により、比較例と対
比しながら説明する。表1 および2 に示した本発明の範
囲内の化学成分組成を有するNo.I-1〜43、および、表3
および4 に示した本発明の範囲外の化学成分組成を有す
るNo.C-1〜25のAl合金溶湯を調製し、これより幅200 m
m、長さ400 mm、厚さ50mmの寸法のスラブを鋳造し、次
いで、スラブに均質化処理を施した後、熱間圧延によっ
て厚さ5mmの熱延板とし、更に、中間焼鈍および冷間圧
延を繰り返し施し、厚さ0.1 mmの冷延板とし、Al合金フ
ィン材を製造した。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】
【表4】
【0031】Al合金板素材の製造工程における熱間加工
性を評価するために、前記熱延板の表面のクラック発生
の有無を目視で検査した。
【0032】更に、前記厚さ0.1 mmのAl合金フィン材か
ら試験材を採取し、真空ろう付けに相当する条件であ
る、真空槽内圧力0.1Pa 、温度605 ℃で5 分間保持後冷
却する処理を施した後、所定の試験片を調製し、引張試
験、固相線温度の測定および孔食発生電位の測定に供し
た。固相線温度の測定には、島津製作所製DTA-50型試験
機を使用した。上記各種試験の測定結果を、表5 、6 お
よび7 に示した。
【0033】
【表5】
【0034】
【表6】
【0035】
【表7】
【0036】表1 〜7 から、下記事項が明らかである。 引張強さについて、比較Al合金フィン材の中には、そ
のNo. C-3 のように、強度不足のものが発生したが、本
発明Al合金フィン材には、そのような強度不足のものは
なく、また、従来Al合金フィン材と比較しても同等の優
れた強度が得られた。
【0037】固相線温度について、比較Al合金フィン
材のNo.C-1,4,5,7,9,14 および15は614 〜618 ℃であっ
て低く、従来Al合金フィン材と同程度に低く、ろう付け
性の向上はしなかった。これに対して、本発明Al合金フ
ィン材はいずれも638 〜655℃と高温度であって、ろう
付け性が著しく向上した。
【0038】孔食発生電位について、−1.10〜−0.60
V VSSCE が望ましい電位であるのに対して、比較Al合金
フィン材のNo.C-16 〜23は、−1.45〜−1.22V VSSCE で
あり、いずれも電気化学的電位が卑になり過ぎ、自己腐
食速度が大きくなり過ぎた。これに対して、本発明Al合
金フィン材の孔食腐食電位はすべて−0.98〜−0.77VVSS
CE であり、望ましい犠牲陽極効果が得られた。 熱延時のクラックについては、比較Al合金フィン材の
No.C-2,6,8および10〜13に発生したが、本発明Al合金フ
ィン材には発生しなかった。
【0039】上述したように、本発明Al合金フィン材
は、ろう付け性については、従来Al合金フィン材および
比較Al合金フィン材よりも著しく向上し、ろう付け後の
強度については、従来Al合金フィン材と同程度に優れて
おり、犠牲陽極効果については、従来および比較Al合金
フィン材と同等であり、しかもフィン材の製造過程にお
けるAl合金の熱間加工性についても従来および比較Al合
金フィン材と同等以上に優れていた。
【0040】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のAl合金フィ
ン材によれば、ろう付け加熱時に局部溶融を起こすこと
がなく、ろう付け不良の発生がなくなり、ろう付け性に
優れ、且つ、ろう付け後の強度についても従来合金フィ
ン材と同等に優れたAl合金フィン材が得られ、Al合金フ
ィン材の薄肉化に対する要求に十分応えることができ
る、工業上有用な効果がもたらされる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量% で、 シリコン( Si) :0.7 〜1.5%、 マンガン( Mn) :1.5 〜3 %、 バナジウム(V) :0.01〜0.25% 、 ジルコニウム(Zr):0.01〜0.25% 、および、 クロム( Cr) :0.01〜0.25% 、 を含有し、残りが、Alおよび不可避不純物からなる化学
    成分組成を有することを特徴とする、ろう付け後強度お
    よびろう付け性に優れたAl合金フィン材。
  2. 【請求項2】 重量% で、 シリコン( Si) :0.7 〜1.5%、 マンガン( Mn) :1.5 〜3 %、 バナジウム(V) :0.01〜0.25% 、 ジルコニウム(Zr):0.01〜0.25% 、および、 クロム( Cr) :0.01〜0.25% 、 を含有し、更に、 鉄( Fe) :0.2 〜1.5%、および、 チタン( Ti) :0.02〜0.25% 、 の内、少なくとも1種を含有し、残りが、Alおよび不可
    避不純物からなる化学成分組成を有することを特徴とす
    る、ろう付け後強度およびろう付け性に優れたAl合金フ
    ィン材。
  3. 【請求項3】 重量% で、 シリコン( Si) :0.7 〜1.5%、 マンガン( Mn) :1.5 〜3 %、 バナジウム(V) :0.01〜0.25% 、 ジルコニウム(Zr):0.01〜0.25% 、 クロム( Cr) :0.01〜0.25% 、および、 マグネシウム(Mg):0.05〜0.3%、 を含有し、残りが、Alおよび不可避不純物からなる化学
    成分組成を有することを特徴とする、ろう付け後強度お
    よびろう付け性に優れたAl合金フィン材。
  4. 【請求項4】 重量% で、 シリコン( Si) :0.7 〜1.5%、 マンガン( Mn) :1.5 〜3 %、 バナジウム(V) :0.01〜0.25% 、 ジルコニウム(Zr):0.01〜0.25% 、 クロム( Cr) :0.01〜0.25% 、および、 マグネシウム(Mg):0.05〜0.3%、 を含有し、更に、 鉄( Fe) :0.2 〜1.5%、および、 チタン( Ti) :0.02〜0.25% 、 の内、少なくとも1種を含有し、残りが、Alおよび不可
    避不純物からなる化学成分組成を有することを特徴とす
    る、ろう付け後強度およびろう付け性に優れたAl合金フ
    ィン材。
  5. 【請求項5】 重量% で、 シリコン( Si) :0.7 〜1.5%、 マンガン( Mn) :1.5 〜3 %、 バナジウム(V) :0.01〜0.25% 、 ジルコニウム(Zr):0.01〜0.25% 、および、 クロム( Cr) :0.01〜0.25% 、 を含有し、更に、 亜鉛(Zn) :0.3 〜2%、 錫(Sn) :0.02〜0.2%、および、 インジウム(In) :0.005 〜0.05% 、 の内、少なくとも1 種を含有し、残りが、Alおよび不可
    避不純物からなる化学成分組成を有することを特徴とす
    る、ろう付け後強度およびろう付け性に優れたAl合金フ
    ィン材。
  6. 【請求項6】 重量% で、 シリコン( Si) :0.7 〜1.5%、 マンガン( Mn) :1.5 〜3 %、 バナジウム(V) :0.01〜0.25% 、 ジルコニウム(Zr):0.01〜0.25% 、および、 クロム( Cr) :0.01〜0.25% 、 を含有し、更に、 鉄( Fe) :0.2 〜1.5%、および、 チタン( Ti) :0.02〜0.25% 、 の内、少なくとも1 種、および、 亜鉛(Zn) :0.3 〜2%、 錫(Sn) :0.02〜0.2%、および、 インジウム(In) :0.005 〜0.05% 、 の内、少なくとも1 種を含有し、残りが、Alおよび不可
    避不純物からなる化学成分組成を有することを特徴とす
    る、ろう付け後強度およびろう付け性に優れたAl合金フ
    ィン材。
  7. 【請求項7】 重量% で、 シリコン( Si) :0.7 〜1.5%、 マンガン( Mn) :1.5 〜3 %、 バナジウム(V) :0.01〜0.25% 、 ジルコニウム(Zr):0.01〜0.25% 、 クロム( Cr) :0.01〜0.25% 、および、 マグネシウム(Mg):0.05〜0.3%、 を含有し、更に、 亜鉛(Zn) :0.3 〜2%、 錫(Sn) :0.02〜0.2%、および、 インジウム(In) :0.005 〜0.05% 、 の内、少なくとも1 種を含有し、残りが、Alおよび不可
    避不純物からなる化学成分組成を有することを特徴とす
    る、ろう付け後強度およびろう付け性に優れたAl合金フ
    ィン材。
  8. 【請求項8】 重量% で、 シリコン( Si) :0.7 〜1.5%、 マンガン( Mn) :1.5 〜3 %、 バナジウム(V) :0.01〜0.25% 、 ジルコニウム(Zr):0.01〜0.25% 、 クロム( Cr) :0.01〜0.25% 、および、 マグネシウム(Mg):0.05〜0.3%、 を含有し、更に、 鉄( Fe) :0.2 〜1.5%、および、 チタン( Ti) :0.02〜0.25% 、 の内、少なくとも1 種、および、 亜鉛(Zn) :0.3 〜2%、 錫(Sn) :0.02〜0.2%、および、 インジウム(In) :0.005 〜0.05% 、 の内、少なくとも1 種を含有し、残りが、Alおよび不可
    避不純物からなる化学成分組成を有することを特徴とす
    る、ろう付け後強度およびろう付け性に優れたAl合金フ
    ィン材。
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