JPH07149315A - 果菜物包装機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】果菜物の絞り包装が機械的に行え、包装作業の
省力化及び能率アップを図ることのできる果菜物包装機
を提供する。 【構成】フィルム繰出し台上に繰出された包装フィルム
の中心部にレタスを押込み、同台のレタス投入孔下に待
機するバケットにレタスの芯部を上向けて載置すると共
に、同孔に固定した上下段の各フィルム折曲げ板により
レタスの芯側に対して集束する方向に包装フィルムの各
側辺部を折曲げる。次に、フィルム絞込み機構の各フィ
ルム絞り板を駆動して、バケットに載置されたレタスの
芯側に対して絞り込む方向に包装フィルムの各側辺部を
押圧した状態のまま垂直降下する。フィルム折重ね機構
の各フィル折重ね板を移動して、バケットに載置された
レタスの芯部上面に包装フィルムの各角隅部を扁平状態
のまま交互に折重ねて加熱溶着するので、早取りレタス
等の果菜物を適宜サイズに絞り込んで包装することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、例えば、レタスやキ
ャベツ等の果菜物を包装する作業に用いられる果菜物包
装機に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、上述例のようなレタスを包装する
場合、例えば、図８に示すように、生産者から持ち込ま
れたレタスＬを、適宜大きさに形成した合成樹脂製の包
装フィルムＦにより１個ずつ一括包装し、同包装フィル
ムＦの各角隅部Ｆａ…を一つに集束して包装する方法が
ある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、近年では、葉
が大きく開いた早取りレタスＬが柔らかく、出荷量が増
加する傾向にあるが、上述した包装方法により早取りレ
タスＬを包装する場合、大きく開いた葉を取り除かなけ
れば各レタスＬ…を適宜サイズに包装することができ
ず、葉が開いた状態のまま一括包装すると各レタスＬ…
の包装サイズが不揃いとなり、各レタスＬ…の箱詰め間
隔が安定せず、運搬時に於いて、多数個の各レタスＬ…
が横揺れしたり、上下動したりするため、レタスＬの商
品価値が損なわれてしまうという問題点を有している。

【０００４】また、包装フィルムＦの各角隅部Ｆａ…を
一つに集束した場合、その部分に隙間や皺等ができやす
く完全密封することが困難である。包装フィルムＬの集
束部分から侵入する外気がレタスＬに接触すると、ガス
や異臭等がフィルム内部に発生し、レタスＬの鮮度が短
期間で損なわれてしまう。且つ、包装されたレタスＬの
芯部Ｌａを外側から視認して鮮度判定するので、包装フ
ィルムＬの集束部分に皺ができると、包装フィルムＬの
外側からレタスＬの芯部Ｌａを視認することが困難とな
り、レタスＬの鮮度判定が行えなくなるという問題点も
有している。

【０００５】この発明は上記問題に鑑み、果菜物全体を
芯側に絞り込んだ状態のまま包装フィルムにより一括包
装するので、果菜物を適宜サイズに絞り包装できると共
に、絞り包装が機械的に行え、包装作業の省力化及び能
率アップを図ることができる果菜物包装機の提供を目的
とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この発明は、上記フィル
ム繰出し台の投入孔に、上記果菜物の芯側に対して包装
フィルムの各折曲げ側縁部を集束する方向に折曲げるフ
ィルム折曲げ手段を設け、上記フィルム繰出し台の下部
に、上記果菜物の芯側に対して包装フィルムの各折重ね
側縁部を絞り込む方向に押圧するフィルム絞込み手段を
設けた果菜物包装機であることを特徴とする。

【０００７】

【作用】この発明は、フィルム繰出し台上に繰出された
包装フィルムで果菜物全体を囲繞して、同フィルム繰出
し台の投入孔直下に待機するバケットに果菜物を載置し
た後、フィルム折曲げ手段により、バケットに載置され
た果菜物の芯側に対して集束する方向に包装フィルムの
各折曲げ側縁部を折曲げながら垂直降下する。フィルム
絞込み手段により、バケットに載置された果菜物の外周
面に対して包装フィルムの各折曲げ側縁部を絞り込む方
向に押圧する。フィルム折重ね手段により、バケットに
載置された果菜物の芯部上面に包装フィルムの各折重ね
側縁部を扁平状態のまま交互に折重ねて加熱溶着するの
で、早取りレタス等の果菜物を適宜サイズに絞り込んで
包装することができる。

【０００８】

【発明の効果】この発明によれば、果菜物全体を芯側に
絞り込んだ状態のまま包装フィルムにより一括包装する
ので、例えば、葉が大きく開いた早取りレタスを適宜サ
イズに絞り込んで包装することができる。適宜サイズに
絞り包装された多数個の各果菜物を箱詰め間隔に整列し
て箱詰めするので、運搬時に於いて、多数個の各果菜物
が横揺れしたり、上下動したりせず、果菜物の商品価値
が損なわれるのを防止できると共に、果菜物の絞り包装
が機械的に行え、包装作業の省力化及び能率アップを図
ることができる。

【０００９】しかも、包装フィルムの各角隅部を扁平し
た状態のまま交互に折重ねて加熱溶着するので、包装フ
ィルムの折重ね部分に皺ができにくく、包装フィルムの
外側から果菜物の芯部を容易に視認することができ、包
装フィルムを剥離せずに果菜物の鮮度判定が行えると共
に、包装フィルムを剥離するまで果菜物に外気が触れ
ず、ガスや異臭等の発生を防止することができ、包装時
の新鮮な状態を長期間保つことができる。

【００１０】

【実施例】この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳
述する。図面は果菜物の一例としてレタスを包装する作
業に用いられる果菜物包装機を示し、図１、図２、図３
に於いて、この果菜物包装機１は、ロール状に巻回され
た合成樹脂製の包装フィルムＦをフィルム繰出し台２上
に繰出しするフィルム繰出し機構３と、フィルム繰出し
台２上に繰出された包装フィルムＦを適宜長さに切断す
るフィルム切断機構４と、レタスＬの芯部Ｌａ上面に包
装フィルムＦの各角隅部Ｆａ…を交互に折重ねるフィル
ム折重ね機構５と、レタスＬの芯部Ｌａ上面に折重ねら
れた包装フィルムＦの各角隅部Ｆａ…を加熱溶着するフ
ィルム溶着機構６と、バケット４５に載置されたレタス
Ｌを垂直昇降するバケット昇降機構７と、バケット４５
に載置されたレタスＬ全体を包装フィルムＦにより絞り
包装するフィルム絞込み機構８とから構成される。

【００１１】上述のフィルム繰出し機構３は、後述する
包装フィルムＦの横幅寸法よりも長尺に形成した２枚の
各引出し板９ａ，９ｂを上下に対接し、同引出し板９ａ
の上面側両端部に２本の各ガイド軸１０，１０を垂直摺
動自在に軸受し、同各ガイド軸１０，１０の下端部を引
出し板９ｂの上面側両端部に固定し、同引出し板９ａの
上面側中央部に固定した挾持用シリンダ１１のピストン
ロッドを引出し板９ｂの上面側中央部に固定して、同挾
持用シリンダ１１の作動により、後述するフィルム切断
機構４の切断位置直前に繰出された包装フィルムＦの繰
出し側端部を挾持固定する閉位置と、同包装フィルムＦ
の挾持固定を解除する開位置とに各引出し板９ａ，９ｂ
を上下動する。

【００１２】且つ、フィルム繰出し台２の短手側前端部
に軸架した支軸１２の両端部に各スプロケット１３，１
３を固定し、同フィルム繰出し台２の短手側後端部に軸
架した支軸１４の両端部に各スプロケット１５，１５を
固定し、同各スプロケット１３，１３と各スプロケット
１５，１５との間に張架した各移動用チェーン１６，１
６上に引出し板９ａの両端部を連結固定し、フィルム繰
出し台２の長手側両端部に架設した各ガイドレール１
７，１７上に引出し板９ａの下面側両端部を前後摺動自
在に係合して、後端側下部に配設した減速機付き移動用
モータ１８の駆動力により、各スプロケット１９，２０
及び駆動チェーン２１を介して２本の各移動用チェーン
１６，１６をフィルム繰出し方向に周回させ、後述する
フィルム切断機構４の切断位置直前に繰出された包装フ
ィルムＦの前端側を挾持固定する前進位置と、フィルム
繰出し台２上に包装フィルムＦを適宜長さ繰出しする後
退位置とに上下の各引出し板９ａ，９ｂを前後動する。

【００１３】且つ、フィルム繰出し台２の短手側前端部
に軸架した２本の各支持ローラ２２，２２上に、ロール
状に巻回された合成樹脂製の包装フィルムＦを回転可能
に載置して、上述したフィルム繰出し機構３の各引出し
板９ａ，９ｂにより包装フィルムＦの前端側を挾持固定
して適宜長さ繰出すことにより、後述するフィルム切断
機構４の切断位置に包装フィルムＦを繰出し供給する。

【００１４】前述のフィルム切断機構４は、フィルム繰
出し台２の上面側前端部に包装フィルムＦの横幅寸法よ
りも幅広間隔に隔てて各ガイド軸２３，２３を立設し、
同各ガイド軸２３，２３上に包装フィルムＦの横幅寸法
よりも長尺に形成した刃固定板２５の両端部を垂直摺動
自在に係合し、同刃固定板２５の長手側後縁部に包装フ
ィルムＦの横幅寸法よりも若干長尺に形成したフィルム
切断刃２６を上向きに固定している。

【００１５】且つ、各ガイド軸２３，２３の上端部に切
固定板２５と対向して取付け板２７を上下開閉自在に連
結し、同取付け板２７の長手側後縁部にフィルム切断刃
２６と対向して合成ゴム等で形成した各押圧パッド２４
…を固定すると共に、フィルム繰出し台２の下面側前端
部に固定した切断用シリンダ２８のピストンロッドを刃
固定板２５の下面側中央部に固定して、同切断用シリン
ダ２８の作動により、上述したフィルム繰出し機構３の
繰出し動作が許容される降下位置と、同フィルム繰出し
機構３により繰出された包装フィルムＦを切断する上昇
位置とにフィルム切断刃２６を上下動する。

【００１６】前述のフィルム折重ね機構５は、図４、図
５に示すように、フィルム繰出し台２に形成したレタス
投入孔２ａの直下位置に、同台下部に架設したフィルム
折重ね台２９の上面側中央部に後述するバケット４５の
出没が許容される大きさ及び形状のバケット出没孔２９
ａを形成している。且つ、フィルム折重ね台２９に形成
したバケット出没孔２９ａの上面側周縁部に、同バケッ
ト出没孔２９ａを中心として４枚の各フィルム折重ね板
３０…を所定等間隔に隔てて十字に配設し、同フィルム
折重ね台２９の上面側四隅部に配設した各折重ね用シリ
ンダ３１…のピストンロッドを各フィルム折重ね板３０
…の後端部に連結して、同各折重ね用シリンダ３１…の
作動により、バケット出没孔２９ａの孔中心に対して互
い違いに重合する前進位置と、同バケット出没孔２９ａ
よりも外側に退避した後退位置とに各フィルム折重ね板
３０…を前後移動する。

【００１７】上述の各フィルム折重ね板３０…は、フィ
ルム折重ね台２９に形成したバケット出没孔２９ａの上
面側周縁部に、同バケット出没孔２９ａを中心として２
本の各ガイドレール３２，３２を夫々敷設し、同各ガイ
ドレール３２，３２の長手側対向面に形成したへ字形の
各ガイド溝３２ａ，３２ａに、フィルム折重ね板３０の
後端部に軸支した各ガイドローラ３３，３３を夫々係合
して、４枚の各フィルム折重ね板３０…を互い違いに重
合する高さ位置にガイドする。

【００１８】且つ、フィルム折重ね台２９上に配設した
各フィルム折重ね板３０…の間にバケット出没孔２９ａ
を中心として４本の各エア噴射管３４…を十字に配設
し、同バケット出没孔２９ａの孔中心に向けて各エア噴
射管３４…の吐出方向を設定すると共に、同各エア噴射
管３４…を、例えば、コンプレッサーや送気用ブロワ等
のエア供給手段（図示省略）に接続している。

【００１９】且つ、フィルム折重ね台２９上に配設した
各フィルム折重ね板３０…間と対応する位置であって、
フィルム繰出し台２に形成したレタス投入孔２ａの下面
側周縁部に、台形に形成した４枚の各フィルム折曲げ板
３５…及び楕円形に形成した４枚の各フィルム折曲げ板
３６…を上下段に固定し、同レタス投入孔２ａを中心と
して上段側の各フィルム折曲げ板３５…及び下段側の各
フィルム折曲げ板３６…を十字に配設すると共に、上段
側の各フィルム折曲げ板３５…及び下段側の各フィルム
折曲げ板３６…を上下動可能に設けている。

【００２０】前述のフィルム溶着機構６は、適宜位置に
配設したフィルム折重ね板３５の上面側基端部に溶着用
シリンダ３７を固定し、同溶着用シリンダ３７のピスト
ンロッドを可動板３８の下面側基端部に固定し、同可動
板３８の下面側先端部に後述するバケット４５に載置さ
れたレタスＬの芯部Ｌａ上面と対向して加熱ヘッド３９
を固定し、同加熱ヘッド３９の下面側にレタスＬの芯部
Ｌａを中心とする周囲と対向してリング状の加熱ヒータ
４０を固定している。すなわち、溶着用シリンダ３７の
作動により、後述するバケット４５に載置されたレタス
Ｌの芯部Ｌａを中心として包装フィルムＦの各角隅部Ｆ
ａ…を加熱ヒータ４０で加熱溶着する降下位置と、同バ
ケット４５に載置されたレタスＬの芯部Ｌａ上面に対し
て適宜間隔に離間した上昇位置とに加熱ヘッド３９を上
下動する。

【００２１】前述のバケット昇降機構７は、フィルム折
重ね台２９に形成したバケット出没孔２９ａの下面側周
縁部にネジ軸４２及びガイド軸４３を平行して垂直軸支
し、同各軸４２，４３上にバケット昇降台４４の外周縁
部を垂直摺動自在に係合すると共に、同バケット昇降台
４４の上面側前端部に立設した各支持板４４ａ，４４ａ
にバケット４５の下面側両端部を前後回動自在に軸支
し、同バケット昇降台４４の上面側後端部とバケット４
５の下面側後端部との間にコイルスプリング４６を張架
して、同コイルスプリング４６の弾性力により、バケッ
ト４５全体を上向き姿勢に起立する方向に常時牽引する
と共に、バケット昇降台４４の上面側に立設したストッ
パ４４ｂによりバケット４５全体を上向き姿勢に起立し
た位置に回動規制する。

【００２２】且つ、下部一側に配設した減速機付き昇降
用モータ４７の駆動力により、各スプロケット４８，４
９及び駆動チェーン５０を介してネジ軸４２を正逆回転
させ、フィルム繰出し台２のレタス投入孔２ａよりも若
干下方にバケット４５を上昇停止した上昇位置と、フィ
ルム折重ね台２９のバケット出没孔２９ａよりも若干下
方にバケット４５を降下停止した中間位置と、バケット
４５全体を横向き姿勢に横転する降下位置とにバケット
昇降台４４を垂直昇降する。

【００２３】且つ、ガイド軸４３の後方位置に、上述し
たバケット昇降台４４に近接して反射型の各光電センサ
Ｓ1 ，Ｓ2 ，Ｓ3 を上昇位置、中間位置、降下位置に配
設し、同各光電センサＳ1 ，Ｓ2 ，Ｓ3 から出力される
検知信号に基づいてバケット昇降台４４を各位置に昇降
停止する。同時に、バケット昇降台４４を降下位置まで
垂直降下したとき、バケット４５の一側後端部に突設し
たカムローラ５１と、降下位置の一側部に立設したカム
板５２とが当接し、コイルスプリング４６の牽引力に抗
して、バケット４５全体が横向き姿勢に横転される。

【００２４】前述のフィルム絞込み機構８は、四角形に
形成したバケット４５の上面側四隅部に４枚の各レタス
受け板５３…を立設すると共に、上述した各フィルム折
重ね板３０…間と対応する位置であって、バケット４５
の上面側四辺部に４枚の各フィルム絞り板５４…を開閉
自在に軸支し、同各フィルム絞り板５４…の絞り面側に
合成ゴム等で形成した各押圧板５５…を貼着している。

【００２５】且つ、バケット４５の上面側中央部にカム
板５６を上下動自在に軸支し、同カム板５６の外周縁部
に形成した係止溝５６ａと、各フィルム絞り板５４…の
軸支側端部に形成した各係止片５４ａ…とを係止すると
共に、同バケット４５の下面側中心部に固定した絞り用
シリンダ５７のピストンロッドをカム板５６の下面側中
心部に固定して、同絞り用シリンダ５７の作動によりカ
ム板５６を上下動して、バケット４５に敷設された包装
フィルムＦを絞り包装する閉位置と、同バケット４５に
対してレタスＬの載置及び排出が許容される開位置とに
各フィルム絞り板５４…を開閉する。

【００２６】且つ、フィルム折重ね台２９に形成したバ
ケット出没孔２９ａの上面側周縁部に、バケット４５に
載置されるレタスＬと対向して反射型の光電センサＳ4
を配設している。すなわち、未包装のレタスＬをバケッ
ト４５上に載置したとき、左右の各フィルム絞り板５
４，５４に形成した各検出孔５４ｂ，５４ｂを介してレ
タスＬの有無を光電センサＳ4 で検知し、同光電センサ
Ｓ4 から出力される検知信号に基づいて昇降用モータ４
７を駆動及び絞り用シリンダ５７を作動し、バケット４
５に敷設された包装フィルムＦを各フィルム絞り板５４
…で絞り包装しながら垂直降下する。

【００２７】図示実施例は上記の如く構成するものとし
て、以下、果菜物包装機１によるレタスＬの包装動作を
説明する。先ず、図１及び図２に示すように、バケット
昇降機構７の昇降用モータ４７を上昇駆動して、フィル
ム絞込み機構８の各フィルム絞り板５４…を閉じた状態
のままバケット４５全体を垂直上昇し、フィルム折重ね
台２９のバケット出没孔２９ａよりも上方に各フィルム
絞り板５４…の全体が突出する上昇位置にバケット４５
を停止したとき、フィルム絞込み機構８の絞り用シリン
ダ５７を開作動して、適宜大きさのレタスＬが載置され
る開角度に各フィルム絞り板５４…を開放する。

【００２８】次に、図３に示すように、フィルム繰出し
機構３の移動用モータ１８を前進駆動して、上下の各引
出し板９ａ，９ｂを開いた状態のままフィルム切断機構
４の切断位置まで前進移動させ、挾持用シリンダ１１を
閉作動して、フィルム切断機構４の切断位置に繰出され
た包装フィルムＦを上下の各引出し板９ａ，９ｂで挾持
する。この後、移動用モータ１８を後退駆動して、包装
フィルムＦを挾持した状態のまま上下の各引出し板９
ａ，９ｂを初期位置まで後退移動させ、同各引出し板９
ａ，９ｂで挾持した包装フィルムＦをフィルム繰出し台
２に繰出す。

【００２９】次に、レタスＬ全体が包装される大きさの
包装フィルムＦをフィルム繰出し台２上に繰出した後、
フィルム切断機構４の切断用シリンダ２８を作動して、
フィルム繰出し台２上に繰出された包装フィルムＦをフ
ィルム切断刃２６で切断する。この後、フィルム繰出し
機構３の挾持用シリンダ１１を復帰作動して、上下の各
引出し板９ａ，９ｂによる包装フィルムＦの挾持固定を
解除する。

【００３０】次に、図６に示すように、フィルム繰出し
台２上に繰出された包装フィルムＦの上面側中心部に選
別済みのレタスＬを載置し、同フィルム繰出し台２に形
成したレタス投入孔２ａに対してレタスＬを強制的に押
込むと共に、同フィルム繰出し台２のレタス投入孔２ａ
とレタスＬの芯部Ｌａとを同一中心にして、同孔直下に
上昇停止したバケット４５にレタスＬの芯部Ｌａを上向
きして載置する。且つ、フィルム繰出し台２のレタス投
入孔２ａに固定した各フィルム折曲げ板３５…と各フィ
ルム折曲げ板３６…とで、バケット４５に載置されたレ
タスＬの芯側に対して包装フィルムＦの各側辺部Ｆｂ…
を集束する方向に折曲げガイドする。

【００３１】同時に、光電センサＳ4 から出力される検
知信号に基づいて、バケット昇降機構７の昇降用モータ
４７を降下駆動及びフィルム絞込み機構８の絞り用シリ
ンダ５７を閉作動し、バケット４５に載置されたレタス
Ｌの芯側に対して包装フィルムＦの各側辺部Ｆｂ…を４
枚の各フィルム絞り板５４…により押付けた状態のまま
垂直降下する。或いは、作動スイッチ（図示省略）の手
動操作により、バケット昇降機構７の昇降動作及びフィ
ルム絞込み機構８の絞り動作を制御してもよい。

【００３２】次に、バケット４５に敷設された包装フィ
ルムＦの各側辺部Ｆｂ…を各フィルム折曲げ板３５…及
び各フィルム折曲げ板３６…で折曲げながら垂直降下
し、フィルム折重ね台２９のバケット出没孔２９ａより
も上方に各フィルム絞り板５４…の先端部が若干突出す
る中間位置にバケット４５を停止した後、図４、図５に
示すように、フィルム折重ね機構５の各折重ね用シリン
ダ３１…を順次作動して、バケット４５に載置されたレ
タスＬの芯部Ｌａ上面に対して包装フィルムＦの各角隅
部Ｆａ…を扁平状態のまま４枚の各フィルム折重ね板３
０…により交互に折重ねる。且つ、各エア噴射管３４…
から吐出するエアを包装フィルムＦの各側辺部Ｆｂ…に
吹付けて、各フィルム折重ね板３０…による折重ねを容
易にする。

【００３３】次に、フィルム溶着機構６の溶着用シリン
ダ３７を作動して、バケット４５に載置されたレタスＬ
の芯部Ｌａを中心として、同レタスＬの芯部Ｌａ上面に
折重ねられた包装フィルムＦの各角隅部Ｆａ…を加熱ヘ
ッド３９の加熱ヒータ４０によりリング状に加熱溶着す
ることで、図７に示すように、合成樹脂製の包装フィル
ムＦによりレタスＬ全体を一括包装することができる。
この後、各折重ね用シリンダ３１…及び溶着用シリンダ
３７を復帰作動して、各フィルム折重ね板３０…及び加
熱ヘッド３９を初期位置に復帰させる。

【００３４】次に、バケット昇降機構７の昇降用モータ
４７を垂直駆動して、フィルム折重ね台２９のバケット
出没孔２９ａよりも下方に各フィルム絞り板５４…の全
体が没入する降下位置にバケット４５を停止させ、同バ
ケット４５に突設したカムローラ５１と、降下位置に立
設したカム板５２とを当接して、バケット４５全体をコ
イルスプリング４６の牽引力に抗して横向き姿勢に横転
させる。且つ、フィルム絞込み機構８の絞り用シリンダ
５７を開作動して、包装済みのレタスＬが放出される開
角度に各フィルム絞り板５４…を開放し、同バケット４
５に載置されたレタスＬを次工程（図示省略）に排出供
給する。この後、フィルム絞込み機構８の絞り用シリン
ダ５７を閉作動して、各フィルム絞り板５４…を初期状
態に復帰させ、バケット昇降機構７の昇降用モータ４７
を上昇駆動して、フィルム折重ね台２９のバケット出没
孔２９ａよりも上方に各フィルム絞り板５４…を突出し
た上昇位置にバケット４５を停止させる。

【００３５】以下同様に、各機構３，４，５，６，７，
８を順次駆動して、等階級別に選別されたレタスＬを合
成樹脂製の包装フィルムＦにより順次包装すると共に、
包装済みのレタスＬを次工程（図示省略）に排出供給す
る。この後、図８に示すように、包装済みのレタスＬを
箱形態に組立てられた段ボール箱Ｂ内に整列して箱詰め
する。

【００３６】以上のように、バケット４５に載置された
レタスＬを芯側に絞り込んだ状態のまま包装フィルムＦ
により一括包装するので、葉が大きく開いた早取りレタ
スＬを適宜サイズに絞り込んで包装することができる。
適宜サイズに絞り包装された多数個の各レタスＬ…を箱
詰め間隔に整列して箱詰めするので、運搬時に於いて、
多数個の各レタスＬ…が横揺れしたり、上下動したりせ
ず、レタスＬの商品価値が損なわれるのを防止できると
共に、レタスＬの絞り包装が機械的に行え、包装作業の
省力化及び能率アップを図ることができる。

【００３７】しかも、包装フィルムＦの各角隅部Ｆａ…
を扁平した状態のまま交互に折重ねて加熱溶着するの
で、包装フィルムＦの折重ね部分に皺ができにくく、包
装フィルムＦの外側からレタスＬの芯部Ｌａを容易に視
認することができ、包装フィルムＦを剥離せずにレタス
Ｌの鮮度判定が行えると共に、包装フィルムＦを剥離す
るまでレタスＬに外気が触れず、ガスや異臭等の発生を
防止することができ、包装時の新鮮な状態を長期間保つ
ことができる。

【００３８】この発明の構成と、上述の実施例との対応
において、この発明の果菜物は、実施例のレタスＬに対
応し、以下同様に、包装フィルムの折重ね側縁部は、包
装フィルムＦの角隅部Ｆａに対応し、包装フィルムの折
曲げ側縁部は、包装フィルムＦの側辺部Ｆｂに対応し、
フィルム折曲げ手段は、各フィルム折曲げ板３５…と、
各フィルム折曲げ板３６…とに対応し、フィルム絞込み
手段は、フィルム絞込み機構８及び各フィルム絞り板５
４…と、カム板５６と、絞り用シリンダ５７とに対応す
るも、この発明は、上述の実施例の構成のみに限定され
るものではない。

【００３９】上述の実施例では、フィルム繰出し台２に
繰出される包装フィルムＦを適宜大きさに切断して使用
するが、例えば、予め適宜大きさに形成された多数枚の
各包装フィルムＦ…をフィルム繰出し台２上に１枚ずつ
繰出して、選別済みのレタスＬを１個ずつ包装するもよ
い。

【図面の簡単な説明】

【図１】果菜物包装機の内部構造を示す側面図。

【図２】バケット昇降機構の昇降動作及び横転動作を示
す側面図。

【図３】フィルム繰出し機構の繰出し動作を示す平面
図。

【図４】フィルム折重ね機構の配置状態を示す平面図。

【図５】フィルム折重ね機構の折重ね動作を示す側面
図。

【図６】包装フィルムの折曲げ状態を示す平面図。

【図７】本発明の方法により包装されたレタスの包装状
態を示す斜視図。

【図８】従来方法により包装されたレタスの包装状態を
示す斜視図。

【符号の説明】

Ｆ…包装フィルム Ｆａ…角隅部 Ｆｂ…側辺部 Ｌ…レタス Ｌａ…芯部 １…果菜物包装機 ２…フィルム繰出し台 ２ａ…レタス投入孔 ３…フィルム繰出し機構 ４…フィルム切断機構 ５…フィルム折重ね機構 ６…フィルム溶着機構 ７…バケット昇降機構 ８…フィルム絞込み機構 ２９…フィルム折重ね台 ２９ａ…バケット出没孔 ３０…フィルム折重ね板 ３５，３６…フィルム折曲げ板 ３９…加熱ヘッド ４５…バケット ５４…フィルム絞り板 ５６…カム板 ５７…絞り用シリンダ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮植 和行 愛媛県松山市高岡町66番地 石井工業株式 会社内 (72)発明者 大野 政雄 愛媛県松山市高岡町66番地 石井工業株式 会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】フィルム繰出し台上に繰出された包装フィ
   ルムで果菜物全体を囲繞して、該フィルム繰出し台の投
   入孔直下に待機するバケットに果菜物を載置した後、該
   バケットに載置された果菜物の芯部上面に対して包装フ
   ィルムの各折重ね側縁部をフィルム折重ね手段で交互に
   折重ねて加熱溶着する果菜物包装機であって、上記フィ
   ルム繰出し台の投入孔に、上記果菜物の芯側に対して包
   装フィルムの各折曲げ側縁部を集束する方向に折曲げる
   フィルム折曲げ手段を設け、上記フィルム繰出し台の下
   部に、上記果菜物の芯側に対して包装フィルムの各折重
   ね側縁部を絞り込む方向に押圧するフィルム絞込み手段
   を設けた果菜物包装機。