JPH0714717B2 - 電動式パワーステアリング装置のモータ制御装置 - Google Patents

電動式パワーステアリング装置のモータ制御装置

Info

Publication number
JPH0714717B2
JPH0714717B2 JP12407288A JP12407288A JPH0714717B2 JP H0714717 B2 JPH0714717 B2 JP H0714717B2 JP 12407288 A JP12407288 A JP 12407288A JP 12407288 A JP12407288 A JP 12407288A JP H0714717 B2 JPH0714717 B2 JP H0714717B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
steering
unit
angular velocity
return
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP12407288A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH01293273A (ja
Inventor
宰一郎 大下
豊彦 毛利
努 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Subaru Corp
Original Assignee
Fuji Jukogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Jukogyo KK filed Critical Fuji Jukogyo KK
Priority to JP12407288A priority Critical patent/JPH0714717B2/ja
Priority to US07/341,043 priority patent/US4979114A/en
Priority to DE3912926A priority patent/DE3912926A1/de
Priority to GB8909013A priority patent/GB2220179A/en
Publication of JPH01293273A publication Critical patent/JPH01293273A/ja
Publication of JPH0714717B2 publication Critical patent/JPH0714717B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は、車両の操舵系にモータ駆動による補助操舵力
(パワーアシスト)を与える電動式パワーステアリング
装置のモータ制御装置に関するものである。
【従来の技術】
上述のような電動式パワーステアリング装置のモータ制
御装置としては、操舵系の捩りトルクを検出する捩りト
ルクセンサの他に車速を検出する車速センサと舵角を検
出する舵角センサとを設け、捩りトルクセンサの出力に
基づく指令信号を、上記車速センサの出力に基づき車速
の増大に伴って減少するよう補正すると共に、上記舵角
センサの出力から舵角の増大に伴って増大する戻し信号
を加算して、電動モータの回転方向,回転トルクを制御
するようにしたものが本件出願人により既に提案されて
いる(特開昭61−98675号公報参照)。
【発明が解決しようとする課題】
ところで上述のような従来の電動式パワーステアリング
装置のモータ制御装置では、ステアリングの中立位置へ
の自動復帰は車両の走行中に限られ、駐停車時には切り
操作が軽くできるにすぎなかった。このため、ステアリ
ングが中立位置からズレた状態がどうかわかりにくく、
またズレたまま駐停車した場合、それに気づかずに発進
してあわてて転舵し直すなど操作性が悪いという問題が
あった。 そこで本発明は、車両の駐停車時にステアリングを中立
位置に自動復帰でき、その際、タイヤの接地路面の摩擦
係数μの変化や、車両重量の変化などの外乱に影響され
ず、かつステアリングホイールの回転フィーリングがよ
く、安全である電動式パワーステアリング装置のモータ
制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
この目的のため本発明による電動式パワーステアリング
装置のモータ制御装置は、操舵系の捩りトルクを検出す
る捩りトルクセンサと、車速を検出する車速センサと、
舵角を検出する舵角センサとを備え、上記各センサの出
力信号に基づく指令信号に応じて駆動制御部によりパワ
ーアシスト用の電動モータの回転方向、回転トルクを制
御する電動式パワーステアリング装置において、車両の
駐停車の際にステアリングを中立位置に自動復帰させる
復帰信号を指令信号として出力する中立位置復帰指令部
を備え、上記中立位置復帰指令部は、車速センサ及び捩
りトルクセンサから信号入力し、両者の値が略ゼロのと
き車両の駐停車時と判断して上記舵角センサからの検出
舵角及び実舵角速度の各信号を通過させる中立位置復帰
判別部と、上記中立位置復帰判別部を通過した検出舵角
の信号を入力し、検出舵角の絶対値の増大に対して、検
出舵角の絶対値が所定値以内では漸次増大し、所定値を
超えると略一定値となる特性の目標舵角速度を信号出力
する目標舵角速度指示関数部と、上記目標舵角速度指示
関数部からの目標舵角速度及び上記中立位置復帰判別部
を通過した実舵角速度の各信号を入力し、目標舵角速度
に対する実舵角速度の偏差量を演算してその偏差量を信
号出力する偏差量演算部と、上記偏差量演算部から偏差
量を信号入力し、該偏差量の絶対値の増大に対して、偏
差量の絶対値が所定値以内では絶対値が増大し、所定値
を越えると絶対値が一定となる特性の復帰信号を出力す
る復帰トルク値指示関数部とを有することを特徴として
いる。
【作 用】
このような手段では、車両を駐停車する捩りトルクセン
サ及び車速センサの検出値が略ゼロとなり、中立位置復
帰指令部における中立位置復帰判別部は、舵角センサか
らの検出舵角の信号及び実舵角速度の各信号を通過させ
る。そこで目標舵角速度指示関数部は、上記検出舵角の
信号を入力し、検出舵角の絶対値の増大に対して、検出
舵角の絶対値が所定値以内では漸次増大し、所定値を超
えると略一定値となる特性の目標舵角速度を偏差量演算
部に信号出力する。また、偏差量演算部は、上記目標舵
角速度及び中立位置復帰判定部を通過した実舵角速度の
各信号を入力して目標舵角速度に対する実舵角速度の偏
差量を信号出力する。そしてこの偏差量の信号を入力し
た復帰トルク値指示関数部は、偏差量の絶対値の減少に
伴い、偏差量の絶対値が所定値を超えている範囲では一
定の絶対値で、偏差量の絶対値が所定値以内になると偏
差量の絶対値の減少に対して絶対値が減少する特性の復
帰信号を指令信号として出力する。そしてこの指令信号
が駆動制御部に入力することで、パワーアシスト用の電
動モータの回転方向、回転トルクが制御されたステアリ
ングは中立位置に自動復帰する。 ここで、ステアリングを中立位置に自動復帰させる中立
位置復帰指令部は、目標舵角速度指示関数部によって、
目標舵角速度を、検出舵角の絶対値が所定値を超えてい
る際には略一定値で、検出舵角の絶対値が所定値以内で
は検出舵角の減少にともなって漸次減少する特性に設定
しており、また、実舵角速度の信号を偏差量演算部にフ
ィードバックして目標舵角速度の信号との偏差量を演算
し、この偏差量を復帰トルク値指示関数部に入力するこ
とによって、復帰トルク値指示関数部における特性関数
に基づいて復帰信号を出力している。ここでこの復帰ト
ルク値指示関数部によれば、偏差量が所定値以下の場合
は偏差量が小さくなるとそれに応じて漸次減少する復帰
信号を出力し、偏差量が所定値を超えると一定の値の復
帰信号を出力するようにしている。 このような特性のフィードバック制御を採用することに
よる特徴を説明すると、ステアリングの自動復帰の初期
段階では、検出舵角が大きい場合でも目標舵角速度を一
定値に抑えることができ、また自動復帰の始動時には実
舵角速度がゼロに近いので目標舵角速度と実舵角速度の
偏差量が大きくなるが、復帰トルク値指示関数部の関数
特性によって復帰信号を一定値に抑えることができるの
で、ステアリングの自動復帰の始動を緩やかに行うこと
ができる。 そして目標舵角速度指示関数部によって設定される目標
舵角速度に追従するように実舵角速度が制御されるが、
目標舵角速度は、検出舵角の絶対値の減少に伴い絶対値
が減少する特性に設定されるので、自動復帰によるステ
アリングホイールの回転は中立位置へ復帰するに従つて
次第に緩やかになるから、フィーリングがよく安全であ
ると共に、中立位置付近での振動もなく減衰性の良好な
制御が実現できる。 さらに、タイヤの接地路面の摩擦係数μが小さかった
り、車両重量が軽い等の影響で設定された目標舵角速度
に対し、実舵角速度が大きくなつてしまう場合には、偏
差量に応じて目標舵角速度になるようハンドルの回転を
止める方向の信号を出力する。また、目標舵角速度に対
し実舵角速度が小さい場合には、偏差量に応じて目標舵
角速度になるようハンドルの回転を増す方向の信号を出
力するので、復帰信号が大きくなり過ぎてハンチングを
起こすような不都合がなく、安定性の面でも良好な制御
が実現できる。
【実施例】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて具体的に説明
する。 第1図において符号1はパワーアシスト用の電動モータ
であり、図示省略した操舵系のラック・ピニオン機構の
ピニオン軸に減速機,ジョイントなどを介して連結さ
れ、上記操舵系にアシスト力を付与できるようになって
いる。このような電動モータ1は、正負判別部21,絶対
値変換部22,デューティ制御部23,電機子電流検出部24,
電動モータ駆動部25などを備える駆動制御部2により、
後述の指令信号に基づいて回転方向,回転トルクが制御
される。すなわち、指令信号は正負判別部21と絶対値変
換部22とに入力され、正負判別部21の判別信号が電動モ
ータ駆動部25に入力されることでモータ電流の方向が指
令信号に応じて切換え制御されると共に、絶対値変換部
22の出力信号がデューティ制御部23に入力してデューテ
ィ比が定められ、これが電動モータ駆動部25に入力する
ことで指令信号の大きさに応じた回転トルクが設定され
るようになっている。なお、上記電動モータ1の回転ト
ルクは、電機子電流検出部24が電動モータ1の電機子電
流を検出し、その検出値をデューティ制御部23にフィー
ドバックすることで一定の指示値に収束するように制御
される。 ここで、前記駆動制御部2へ指令信号を出力するものと
して、本実施例では、アシスト指令部3,戻し指令部4,位
相補償指令部5,舵角位相補償指令部6,中立位置復帰指令
部7が設けられている。 アシスト指令部3は、基本的には操舵系の捩りトルクの
大きさおよび方向に応じたアシスト信号を発生するもの
で、ステアリング系(操舵系)のピニオンとハンドルの
間に設置されてその捩りトルクの方向および大きさを検
出する捩りトルクセンサ31と、この捩りトルクセンサ31
の出力電圧信号(第2図参照)に基づいて、基本的には
第3図のグラフの実線で示すような特性のアシスト信
号、すなわち、捩りトルクの大きさが所定値以下では出
力せず、所定値を越えると捩りトルクの方向に応じた極
性で捩りトルクの値に応じて増減するアシスト信号を出
力するアシストトルク値指示関数部32とを備える。ま
た、アシスト指令部3には、車両の速度を検出する車速
センサ33が設けられると共に、この車速センサ33の出力
電圧信号に基いて、第4図グラフに示すように車速の増
大に伴い減少する特性の加算定数信号Svを発生する加算
定数関数部34、およびこの加算定数信号Svと前記捩りト
ルクセンサ31の出力信号とを入力してアシストトルク値
指示関数部32へ出力する加算演算部35が設けられる。そ
して、この加算演算部35が捩りトルクセンサ31の出力信
号の極性に合わせてこれに加算定数信号Svを加減算処理
することで、第3図のグラフに示す特性は車速をパラメ
ータとしてX軸方向に平行移動されるようになってい
る。すなわち右切りの場合の特性を例示すれば、第5図
の実線に示すようにアシストトルク値指示関数部32の出
力は、同一捩りトルクにおいて車速の増大に伴い絶対値
が減少し、同一車速では捩りトルクの絶対値の増加に伴
い出力の絶対値が増大する。そしてこのような出力特性
を、車速に応じて第5図の破線に示すように補正すべ
く、乗算定数関数部36,乗算演算部37が設けられてい
る。この乗算定数関数部36は、車速センサ33の出力電圧
信号に基いて第6図に示す特性の乗算定数信号、すなわ
ち、車速が0では乗算定数が1であり、車速の増大に伴
って次第に定数が0に近づいて減少する特性の乗算定数
信号を発生するものである。また、乗算演算部37は、前
記アシストトルク値指示関数部32の出力に上記乗算定数
を乗算処理するものであり、この乗算演算部37からのア
シスト信号itは、車速に応じて、第5図の波線に示すよ
うになる。また、アシストトルクitはトルクと車速信号
を入力値とするマップ指示にしてもよい。 次に、戻し指令部4は、操舵系の転舵角に応じて舵角を
中立(直進)位置に戻す方向の戻し信号を発生するもの
であり、操舵系のたとえば、ラック・ピニオン機構にお
けるラックの移動量に基いて転舵角を検出する舵角セン
サ41,およびこの舵角センサ41の出力電圧信号に基いて
第7図のグラフに示す特性の戻し信号iθを出力する戻
しトルク値指示関数部42を備えている。 位相補償指令部5は、前記捩りトルクセンサ31の出力信
号を入力し、その微分量に比例する信号を発する位相補
償部51,およびこの位相補償部51の出力信号に基いて例
えば第8図のグラフに示すような特性のアシスト補助信
号iaを出力する位相補償指示関数部52を備え、本実施例
では位相補償部51の出力信号が、さらに捩りトルクセン
サ31の出力信号に加えられて加算演算部35に入力され、
アシストトルク値指示関数部32への入力信号に影響を与
える。 さらに舵角位相補償指令部6は、転舵操作の速度に応じ
て舵の進む方向と逆方向の減衰信号を発生するものであ
り、前記舵角センサ41の出力信号を入力し、その微分量
に比例する信号を発する舵角位相補償部61と、この舵角
位相補償部61の出力信号に基いて、例えば第9図のグラ
フに示す特性の減衰信号iを出力する舵角位相補償指
示関数部62とを備えてなる。 ここで中立位置復帰指令部7は、車両の駐停車の際にス
テアリングを中立位置に自動復帰させる復帰信号inを指
令信号として発生するもので、前記舵角センサ41および
舵角位相補償部61からの出力電圧がそれぞれ中立位置復
帰判別部としての車速判別部71,捩りトルク判別部72,時
間制限部73を介して入力される目標舵角速度指示関数部
74および偏差量演算部75と、この偏差量演算部75から信
号入力する復帰トルク値指示関数部76とを備えてなる。 車速判別部71は、前記車速センサ33の出力信号に基づい
て車速が略ゼロとなったときのみ前記舵角センサ41およ
び舵角位相補償部61からの出力電圧信号をそのまま出力
し、それ以外では出力を規制するようになっている。ま
た捩りトルク判別部72は、前記捩りトルクセンサ31の出
力信号に基づいて捩りトルクが略ゼロ(例えばハンドル
端部で0.3kgf以下)のときのみ車速判別部71からの信号
をそのまま出力し、それ以外では出力を規制するように
なっている。さらに時間制限部73は、捩りトルク判別部
72からの信号を入力した後、例えば0.2秒の待ち時間を
経て5秒間だけ出力するようになっている。 一方、目標舵角速度指示関数部74は第10図のグラフに示
す特性の目標舵角速度cを信号出力する。すなわち、
舵角0の中立位置付近を除いて右転舵領域では負の値
(左切り方向)、左転舵領域では正の値(右切り方向)
であり、その絶対値が所定値(例えば±45゜)の範囲で
漸次増大してそれを超えると略一定値となる目標舵角速
度cを信号出力するようになっている。つぎに偏差量
演算部75は、時間制限部73からの舵角速度信号に基づく
復帰舵角速度を前記目標舵角速度指示関数部74からの
目標舵角速度cと比較し、その偏差量(c−)を
復帰トルク値指示関数部76に信号出力する。なおこの場
合、c,は共に右切り回転で正,左切り回転で負の値
をとるものとする。 復帰トルク値指示関数部76は前記偏差量(c−)に
応じて第11図のグラフに示す特性の復帰信号inを出力す
る。すなわち偏差量(c−)がゼロ付近を除いて正
の値となる場合には正の値(右切り方向)であり、負の
値となる場合には負の値(左切り方向)であって、偏差
量(c−)の絶対値が所定値以内では比例的に絶対
値が増大し、所定値を超えると絶対値が一定となる復帰
信号inを出力するようになっている。 また復帰開始時には、一般にはほぼゼロのため(−
θ)が大きく、急激にinが大きくなるのでinまたはc
の立上りは所定の(例えば0.2sec)時間で立上げる。 また本実施例においては、前記戻し指令部4からの戻し
舵角iθおよび舵角位相補償指令部6からの減衰信号i
の出力を規制する車速判別部8が設けられる。この車
速判別部8は、上記戻し信号iθと減衰信号iとの加
算信号を入力し、前記車速センサ33の出力信号に基づい
て車速が例えば5km/h以上では上記加算信号をそのまま
出力するが、車速が5km/h以下では加算信号の出力を規
制するようになっている。 そして、上記車速判別部8規制をうけた状態で、アシス
ト指令部3からのアシスト信号itと、位相補償指令部5
からのアシスト補助信号iaと、戻し指令部4からの戻し
信号iθと、舵角位相補償指令部6からの減衰信号i
と、中立位置復帰指令部7からの復帰信号inとの加算信
号が指令信号として駆動制御部2へ出力されるよう構成
してある。 以上のような構成では、転舵操作に伴い操舵系に捩りト
ルクが発生すると、捩りトルクセンサ31がこれを検出し
て出力信号を発生するが、この時、車速センサ33および
舵角センサ41からの各情報によって、上記出力信号に基
づくアシスト信号itに補正を加える。そしてこのアシス
ト信号itの正負判別および絶対値に応じたデューティ比
制御を通じて、電動モータ1の回転方向,回転トルクが
制御される。ここで捩りトルクとアシスト信号itとの関
係をみると、基本的には、第3図のグラフに示すとおり
であり、例えば右切りの際の捩りトルクに対しては正の
アシスト信号が捩りトルクの増加に伴い増大するように
出力する。従って、電動モータ1は、右切りを補助する
回転方向に捩りトルクの大きさに応じた出力トルクで回
転駆動され、右切りの際の操舵力が軽減される。なお、
左切りの際には負のアシスト信号に基いて電動モータ1
が左切りを補助する回転方向に制御されることで、右切
りの場合と同様に作用する。 ここで捩りトルクとアシスト信号との関数特性は、本実
施例では車速センサ33の出力信号に基づいて変化する。
例えば、右切り捩りトルクに対するアシスト信号の特性
グラフを示す第5図において、車速0の状態をMoで示す
と、車速がV1,V2と増加するにつれ、加算定数関数部34
からの加算定数信号Svの加算処理に基づいて特性グラフ
はM1,M2と第5図のX軸方向へ平行移動して変化する。
そして乗算定数信号の乗算処理により特性グラフM1はm1
に、M2はm2に傾きを小さくするように変化する。従っ
て、捩りトルクの大きさが同一の場合、アシスト信号の
大きさは車速の増大に伴って減少する。このことは、同
一捩りトルク対する電動モータ1の出力トルクが車速の
増加に従って減少することを意味し、車両の低速走行時
には、充分なパワーアシストが得られるものでありなが
ら、高速走行時には、操舵力過剰となることがなく、従
って、転舵時にハンドルが軽すぎて不安感を持つという
ことがなくなる。 一方、転舵操作に伴い、舵角センサ41が転舵角を検出
し、これに基づいて第7図に示す特性、すなわち、舵角
0の中立位置の近傍では出力せず、この範囲を越えて左
右の転舵角±θoの範囲では比例的に増大し、±θoを
越えると一定値となり、右転舵領域では負の値(左切り
方向)、左転舵領域では正の値(右切り方向)となる戻
し信号iθを出力する。 また、車両が半径の小さなカーブを急ハンドルで走行す
るなど、転舵速度が速いとき、転舵角θが急激に変化す
ることから、そのことが舵角位相補償部61で検出され、
その検出信号に基いて減衰信号iが舵角位相補償指示
関数部62から出力される。これは、第9図に示す特性と
なる。 ここで車速5km/h以上では、車速判別部8の作用により
上記戻し信号iθ,減衰信号iは、舵角の絶対値が増
加する方向に転舵した場合、アシスト信号itを減少する
ように加えられる。そのため急転舵の際にハンドルが軽
すぎて不安感を持つということがなくなる。例えば、右
転舵角θで保舵している場合には、前述した捩りトル
クセンサ31の出力信号に基く正のアシスト信号itと、舵
角センサ41の出力信号に基づく負の戻し信号iθとの
加算信号により電動モータ1の制御が行なわれる。ここ
でアシスト信号itのグラフを第3図の実線で示すとすれ
ば、上記加算信号は破線で示すようになる。従って、右
転舵角θの保舵状態を解除すると、捩りトルクTが激
減することで加算信号は第3図の破線に沿って直ちに負
の値(左切り方向)になる。これにより電動モータ1に
左切り方向のトルクが発生して減速機などの摩擦力や、
モータの慣性モーメントなどを相殺することになり、こ
のため車両の走行時(5km/h以上)にはキャスタ効果と
合わせて操舵系は直進状態へスムーズに復元し得るなど
ハンドル戻り動作が良好となる。そして、転舵角θ減少
に伴い戻し信号iθの大きさは次第に0に近づくべく減
少し、転舵角が中立位置に戻ると、電動モータのトルク
は消失する。 一方、急旋回(高G旋回)からハンドル戻り時には、モ
ータ慣性のためハンドルが中立を越える場合もある。し
かし、舵角位相補償指令部6から減衰信号iが出力す
ると、この減衰信号はハンドルの回転方向と逆の出力ト
ルクを指令するためハンドルが戻り過ぎることもなく、
高速走行時などにおけるハンドル手放し状態からの収束
性も向上する。 次に、車両停止状態などにおける転舵操作、すなわち据
切り操舵について説明すると、この場合、接地抵抗が大
きいことから転舵操作に伴い捩りトルクが急増し、捩り
トルクセンサ31の出力電圧もそれに比例して急増する。
すると、この捩りトルクの魚増傾向が位相補償指令部5
の位相補償部51で検出され、捩りトルクの増加度に応じ
た出力信号が捩りトルクセンサ31の出力信号に加算され
るようになる。従って、捩りトルクTが小さく、これに
伴うアシスト信号itが未だ発生しない段階においても、
捩りトルクの変化度合が大きければアシスト信号itが直
ちに出力されるようになり、据切り操舵に際しては電動
モータ1は応答遅れなく直ちに起動するようになり、自
励振動の発生が防止される。 そして据切り操舵時には、車速が5km/h以下であって、
戻し指令部4の戻し信号iθおよび舵角位相補償指令部
6からの減衰信号iが車速判別部8により規制される
ことから、エネルギの労費がなく軽快な操舵が実現され
る。 また、前記位相補償部51から出力信号が発せられると、
位相補償指示関数部52からは第8図に示す特性のアシス
ト補助信号iaが出力される。すなわち捩りトルクの変化
度合が所定値内では比例的に増減し、所定値を越えると
一定値となるアシスト補助信号iaが捩りトルクの変化の
方向に応じて直ちに出力されるのである。従って左右転
舵を繰返す場合などにおいては、アシスト補助信号iaが
直ちに出力して電動モータ1の起動,停止時の慣性力を
吸収するようになっている。 さてここで、車両が駐停車する際の制御を第12図のフロ
ーチャートに沿って説明する。まず車速判別部71により
車速が略ゼロ(設定値はヒステリシスを持つ)となった
か否かが判別され(S1)、YESの場合は続いて捩りトル
ク判別部72により捩りトルクが略ゼロになった否かが判
別される(S2)。ここでYESであれば運転者に操舵意志
が無く、車両が駐停車の状態となったと判断して次のス
テップ(S3)に進むが、ステップ(S1),(S2)でNOの
場合は中立位置復帰指令部7のリセットを行う(S4)。 ステップ(S3)では時間制限部73により待ち時間(0.2
秒間)以内か否かが判定され、待ち時間を経過してNOで
あれば、さらに所定時間(5秒間)以内か否かが判定さ
れ(S5)、所定時間経過してNOの場合はエンドに至る。
ここでYESであればその時間内だけ以下の制御が行なわ
れる。すなわち目標舵角速度指示関数部74に実舵角θの
入力処理が行なわれ(S6)、目標舵角速度cのサーチ
が行なわれる(S7)。つづいて偏差量演算部75に対する
目標舵角速度cおよび復帰舵角速度の入力処理が行
なわれ(S8)、偏差量(c−)の演算が行なわれる
(S9)。これに基づいて復帰トルク値指示関数部76から
復帰信号inが出力される(S10)。 このような制御により、転舵状態のまま駐停車すると、
復帰信号inにより電動モータ1が待ち時間(0.2秒間)
を経て所定時間(5秒間)だけ駆動され、ステアリング
は中立位置へ自動復帰する。その際、当初の転舵角が大
きくても復帰舵角速度は目標舵角速度cに追従して
舵角の復帰と共に漸次ゼロへ近づいて減少するから、ス
テアリングホィールは次第に緩やかに回転して自動復帰
するのであってフィーリングが良く安全である。そして
制御中に待ち時間を設けたので自動復帰動作が一拍おい
て開始するようになり、切換えがスムーズである。 またこのような駐停車時における中立位置への自動復帰
の際、タイヤが障害物に当って転舵できないときでも、
所定時間経過すれば復帰信号が消失して電動モータ1の
駆動が停止されるので、電動モータ1が過負荷で損傷す
ることがない。
【発明の効果】
以上説明したとおり本発明によれば、車両を駐停車する
と中立位置復帰指令部がステアリングを中立位置に復帰
させる復帰信号を指令信号として出力し、この指令信号
が駆動制御部に入力することで、パアーアシスト用の電
動モータの回転方向、回転トルクが制御されてステアリ
ングは中立位置に自動復帰する。従つて、車両の再発進
に際しての操舵を安全かつ確実に行うことができる。 ここで、上記中立位置復帰指令部は、目標舵角速度指示
関数部によつて、目標舵角速度を、検出舵角の絶対値が
所定値を超えている際には略一定値で、検出舵角の絶対
値が所定値以内では検出舵角の減少にともなつて漸次減
少する特性に設定している。また、実舵角速度の信号を
偏差量演算部にフィードバツクして目標舵角速度の信号
との偏差量を演算し、この偏差量を復帰トルク値指示関
数部に入力することによつて、復帰トルク値指示関数部
における特性関数に基づいて復帰信号を出力している。
そしてこの復帰トルク値指示関数部によれば、偏差量が
所定値以下の場合は偏差量が小さくなるとそれに応じて
漸次減少する復帰信号を出力し、偏差量が所定値を超え
ると一定の値の復帰信号を出力するようにしている。従
つて、このような制御特性に従つてステアリングの自動
復帰を行うと、ステアリングの自動復帰の初期段階で
は、検出舵角が大きいい場合でも目標舵角速度を一定値
に抑えることができ、また自動復帰の始動時には実舵角
速度がゼロに近いので目標舵角速度と実舵角速度の偏差
量が大きくなるが、復帰トルク値指示関数部の関数特性
によつて復帰信号を一定値に抑えることができるので、
ステアリングの自動復帰の始動を緩やかに行うことがで
きる。そして目標舵角速度指示関数部によつて設定され
る目標舵角速度に追従するように実舵角速度が制御され
るが、目標舵角速度は、検出舵角の絶対値の減少に伴い
絶対値が減少する特性に設定されるので、自動復帰によ
るステアリングホイールの回転は中立位置へ復帰するに
従つて次第に緩やかになるから、フイーリングがよく安
全であると共に、中立位置付近での振動もなく減衰性の
良好な制御が実現できる。 さらに、タイヤの接地路面の摩擦係数μの変化や車両重
量の変化などの外乱の影響が大で設定される目標舵角速
度と実舵角速度の偏差量が大きくなつてしまう場合で
も、偏差量に応じて目標舵角速度に一致させる復帰信号
を出力するようにしているので、復帰信号が大きくなり
過ぎてハンチングを起こすような不都合がなく、安定性
の面でも良好な制御が実現できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す構成ブロック図、第2
図は捩りトルクセンサの出力信号の特性グラフ、第3図
はアシスト信号の基本特性グラフ、第4図は加算定数信
号の特性グラフ、第5図はアシスト信号の特性変化を示
すグラフ、第6図は乗算定数信号の特性グラフ、第7図
は戻し信号の特性グラフ、第8図はアシスト補助信号の
特性グラフ、第9図は減衰信号の特性グラフ、第10図は
目標舵角速度の特性グラフ、第11図は復帰信号の特性グ
ラフ、第12図は中立位置復帰指令部の作動を示すフロー
チャートである。 1……電動モータ 2……駆動制御部 21……正負判別部、22……絶対値変換部 23……デューティ制御部、24……電機子電流検出部 25……電動モータ駆動部 3……アシスト指令部 31……捩りトルクセンサ、32……アシストトルク値指示
関数部、33……車速センサ、34……加算定数関数部、35
……加算演算部、36……乗算定数関数部、37……乗算演
算部 4……戻し指令部 41……舵角センサ、42……戻しトルク値指示関数部 5……位相補償指令部 51……位相補償部、52……位相補償指示関数部 6……舵角位相補償指令部 61……舵角位相補償部、62……舵角位相補償指示関数部 7……中立位置復帰指令部 71……車速判別部、72……捩りトルク判別部、73……時
間制限部、74……目標舵角速度指示関数部、75……偏差
量演算部、76……復帰トルク値指示関数部 8……車速判別部。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B62D 119:00 (56)参考文献 特開 昭61−1579(JP,A) 特開 昭59−220455(JP,A) 特開 昭55−76760(JP,A) 特開 昭62−283069(JP,A) 実開 昭58−142180(JP,U) 特公 昭53−26731(JP,B2)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】操舵系の捩りトルクを検出する捩りトルク
    センサと、車速を検出する車速センサと、舵角を検出す
    る舵角センサとを備え、上記各センサの出力信号に基づ
    く指令信号に応じて駆動制御部によりパワーアシスト用
    の電動モータの回転方向、回転トルクを制御する電動式
    パワーステアリング装置において、 車両の駐停車の際にステアリングを中立位置に自動復帰
    させる復帰信号を指令信号として出力する中立位置復帰
    指令部を備え、 上記中立位置復帰指令部は、 車速センサ及び捩りトルクセンサから信号入力し、両者
    の値が略ゼロのとき車両の駐停車時と判断して上記舵角
    センサからの検出舵角及び実舵角速度の各信号を通過さ
    せる中立位置復帰判別部と、 上記中立位置復帰判別部を通過した検出舵角の信号を入
    力し、検出舵角の絶対値の増大に対して、検出舵角の絶
    対値が所定値以内では漸次増大し、所定値を超えると略
    一定値となる特性の目標舵角速度を信号出力する目標舵
    角速度指示関数部と、 上記目標舵角速度指示関数部からの目標舵角速度及び上
    記中立位置復帰判別部を通過した実舵角速度の各信号を
    入力し、目標舵角速度に対する実舵角速度の偏差量を演
    算してその偏差量を信号出力する偏差量演算部と、 上記偏差量演算部から偏差量を信号入力し、該偏差量の
    絶対値の増大に対して、偏差量の絶対値が所定値以内で
    は絶対値が増大し、所定値を越えると絶対値が一定とな
    る特性の復帰信号を出力する復帰トルク値指示関数部と
    を有することを特徴とする電動式パワーステアリング装
    置のモータ制御装置。
JP12407288A 1988-04-21 1988-05-20 電動式パワーステアリング装置のモータ制御装置 Expired - Lifetime JPH0714717B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12407288A JPH0714717B2 (ja) 1988-05-20 1988-05-20 電動式パワーステアリング装置のモータ制御装置
US07/341,043 US4979114A (en) 1988-04-21 1989-04-20 Motor control apparatus for electric power steering system
DE3912926A DE3912926A1 (de) 1988-04-21 1989-04-20 Motorsteuervorrichtung fuer eine elektrische servolenkeinrichtung
GB8909013A GB2220179A (en) 1988-04-21 1989-04-20 Motor control apparatus for electric power steering system.

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12407288A JPH0714717B2 (ja) 1988-05-20 1988-05-20 電動式パワーステアリング装置のモータ制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH01293273A JPH01293273A (ja) 1989-11-27
JPH0714717B2 true JPH0714717B2 (ja) 1995-02-22

Family

ID=14876244

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12407288A Expired - Lifetime JPH0714717B2 (ja) 1988-04-21 1988-05-20 電動式パワーステアリング装置のモータ制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0714717B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02290774A (ja) * 1989-02-17 1990-11-30 Koyo Seiko Co Ltd 動力舵取装置
JP2524875Y2 (ja) * 1990-03-05 1997-02-05 株式会社明和製作所 自走式移動台車
JPH03128561U (ja) * 1990-04-09 1991-12-25
KR19980031290A (ko) * 1996-10-31 1998-07-25 김영귀 주차 차량의 시동시 바퀴정렬방법
JP4513226B2 (ja) * 2001-04-10 2010-07-28 トヨタ自動車株式会社 運転操作装置
FR2892086B1 (fr) * 2005-10-19 2009-08-21 Peugeot Citroen Automobiles Sa Systeme d'aide a la manoeuvre pour un vehicule automobile.
JP2007145248A (ja) * 2005-11-29 2007-06-14 Showa Corp 電動パワーステアリング装置
JP2012101705A (ja) * 2010-11-11 2012-05-31 Tokai Rika Co Ltd 車載通信機

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58142180U (ja) * 1982-03-23 1983-09-24 日産自動車株式会社 パワ−ステアリング制御装置
JPS59220455A (ja) * 1983-05-26 1984-12-11 Nissan Motor Co Ltd パワ−ステアリング装置のセルフセンタリング機構
JPS611579A (ja) * 1984-06-13 1986-01-07 Nissan Motor Co Ltd 動力操舵装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH01293273A (ja) 1989-11-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2618240B2 (ja) 電動式パワーステアリング装置のモータ制御装置
JPH0629033B2 (ja) 電動式パワーステアリング装置のモータ制御装置
JP2568817B2 (ja) 電動式パワ−ステアリング装置のモ−タ制御装置
JP3705227B2 (ja) 車輌用自動操舵装置
US5182711A (en) Motor control system for electric power steering apparatus
US4979114A (en) Motor control apparatus for electric power steering system
US5528497A (en) Vehicle steering control system
EP1172278B1 (en) Electric power steering system for vehicle
JPH0319104B2 (ja)
JP2592610B2 (ja) 電動式パワーステアリング装置のモータ制御装置
JPH0714717B2 (ja) 電動式パワーステアリング装置のモータ制御装置
JP3887078B2 (ja) 車両の操舵反力制御装置
JPS62194973A (ja) 電動式パワ−ステアリング装置のモ−タ制御装置
JPH0667739B2 (ja) 電動式パワーステアリング装置のモータ制御装置
JPH0714718B2 (ja) 電動式パワーステアリング装置のモータ制御装置
JPH0629032B2 (ja) 電動式パワーステアリング装置のモータ制御装置
JPH0240537B2 (ja) Sharyoyodendopawasutearingusochinoseigyohoshiki
JP3469313B2 (ja) 自動操舵装置の制御装置
JPH1148998A (ja) 電動パワーステアリング装置
JP2598269B2 (ja) 電動式パワーステアリング装置のモータ制御装置
JPH0647383B2 (ja) 電動式パワ−ステアリング装置のモ−タ制御装置
JPH10264833A (ja) 操舵制御装置
JP3638182B2 (ja) 操舵装置の電動機制御装置
JP3013640B2 (ja) 電動モータ駆動式四輪操舵装置
JPH02296575A (ja) 車両操舵系の中立位置復帰装置