JPH0629032B2 - 電動式パワーステアリング装置のモータ制御装置 - Google Patents

電動式パワーステアリング装置のモータ制御装置

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JPH0629032B2
JPH0629032B2 JP9985988A JP9985988A JPH0629032B2 JP H0629032 B2 JPH0629032 B2 JP H0629032B2 JP 9985988 A JP9985988 A JP 9985988A JP 9985988 A JP9985988 A JP 9985988A JP H0629032 B2 JPH0629032 B2 JP H0629032B2
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signal
unit
steering
return
vehicle speed
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宰一郎 大下
豊彦 毛利
努 高橋
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Subaru Corp
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Fuji Heavy Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は、車両の操舵系にモータ駆動による補助操舵力
(パワーアシスト)を与える電動式パワーステアリング
装置のモータ制御装置に関するものである。
【従来の技術】
上述のような電動式パワーステアリング装置のモータ制
御装置としては、操舵系の捩りトルクを検出する捩りト
ルクセンサの他に車速を検出する車速センサと舵角を検
出する舵角センサとを設け、捩りトルクセンサの出力に
基づく指令信号を、上記車速センサの出力に基づき車速
の増大に伴って減少するよう補正すると共に、上記舵角
センサの出力から舵角の増大に伴って増大する戻し信号
を加算して、電動モータの回転方向,回転トルクを制御
するようにしたものが本件出願人により既に提案されて
いる(特開昭61−98675号公報参照)。
【発明が解決しようとする課題】
ところで上述のような従来の電動式パワーステアリング
装置のモータ制御装置では、ステアリングの中立位置へ
の自動復帰は車両の走行中に限られ、駐停車時には据切
り操作が軽くできるにすぎなかった。このため、ステア
リングが中立位置からズレた状態で駐停車してしまい、
それに気づかずに発進してあわてて転舵し直すなど操作
性が悪いという問題があった。 本発明は、上記のような問題点を解決するためになされ
たもので、駐停車時にステアリングが中立位置に自動復
帰でき、その際電動モータの保護も図れるようにした電
動式パワーステアリング装置のモータ制御装置を提供す
ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、操舵系の捩りト
ルクを検出する捩りトルクセンサと、車速を検出する車
速センサと、舵角を検出する舵角センサとを備え、上記
各センサの出力信号に基づく指令信号に応じて駆動制御
部により電動モータの回転方向,回転トルクを制御する
電動式パワーステアリング装置において、車両の駐停車
時にステアリングを中立位置に復帰させる復帰信号を、
上記駆動制御部へ指令信号として出力する中立位置復帰
指令部を有し、上記中立位置復帰指令部は、車速センサ
からの出力信号に基づき車速が略ゼロのときのみ舵角セ
ンサおよび舵角位相補償部からの出力信号をそのまま出
力する車速判別部と、捩りトルクセンサからの出力信号
に基づき捩りトルクが略ゼロのときのみ車速判別部から
の信号をそのまま出力する捩りトルク判別部と、上記捩
りトルク判別部からの信号を入力した後、所定の時間だ
け出力する時間制限部と、上記車速判別部,捩りトルク
判別部,時間制限部を介して入力される信号に基づき所
定特性の復帰信号を出力する復帰トルク値指示関数部
と、所定特性の舵角速度制限信号を出力する舵角速度対
応制限値指示関数部と、所定特性の経過時間の制限信号
を出力する時間対応制限値指示関数部と、上記復帰信号
と制限信号とを比較して絶対値が小さい方の信号を復帰
信号として前記モータの駆動制御部へ指令信号を出力す
る比較部とを有してなることを特徴とする。
【作用】
上記の構成を採用した本発明によれば、車両の駐停車時
に、ステアリングハンドルから手を離した場合には、捩
りトルクセンサからの出力信号がゼロになって中立位置
復帰指令部からの指令信号が出力することより、転舵状
態のステアリングは中立位置に復帰し、また駐停車状態
でもハンドルに手を添えてステアリングに捩りトルクを
発生させる場合には中立位置への復帰指令が出力しない
から、ハンドルの回転を適宜に止めたり、更にはパワー
アシストにより操舵することもできる。 また、ステアリングの中立位置への自動復帰は車速セン
サにより車速が略ゼロになってキャスタ効果による戻り
作用がない駐停車時にのみ作用するので、走行中のハン
ドリング感覚は通常の車両と同じであり、ハンドルの操
舵に違和感が派生しない。 この結果、ステアリングを操作したい時には通常の車両
と同じ感覚で違和感なく自由に操舵でき、且つ転舵状態
のままハンドルから手を離して駐停車した際にはステア
リングをモータ駆動力により中立位置に自動復帰できる
便利性を同時に満足できる。 また駐停車時にステアリングを中立位置に自動復帰でき
ることで再発進の際の操舵が安全,確実に行なえ、さら
にこの際に、復帰指令信号の出力は所定時間経過後に停
止するので、タイヤが障害物に当って転舵できない状況
時にモータに過負荷がかかっても、その過負荷は所定時
間経過後に解消しモータの保護が図られる。
【実施例】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて具体的に説明
する。 第1図において符号1はパワーアシスト用の電動モータ
であり、図示省略した操舵系のラック・ピニオン機構の
ピニオン軸に減速機,ジョイントなどを介して連結さ
れ、上記操舵系にアシスト力を付与できるようになって
いる。このような電動モータ1は、正負判別部21,絶対
値変換部22,デューティ制御部23,電機子電流検出部2
4,電動モータ駆動部25などを備える駆動制御部2によ
り、後述の指令信号に基づいて回転方向,回転トルクが
制御される。すなわち、指令信号は正負判別部21と絶対
値変換部22とに入力され、正負判別部21の判別信号が電
動モータ駆動部25に入力されることでモータ電流の方向
が指令信号に応じて切換え制御されると共に、絶対値変
換部22の出力信号がデューティ制御部23に入力してデュ
ーティ比が定められ、これが電動モータ駆動部25に入力
することで指令信号の大きさに応じた回転トルクが設定
されるようになっている。なお、上記電動モータ1の回
転トルクは、電機子電流検出部24が電動モータ1の電機
子電流を検出し、その検出値をデューティ制御部23にフ
ィードバックすることで一定の指示値に収束するように
制御される。 ここで、前記駆動制御部2へ指令信号を出力するものと
して、本実施例では、アシスト指令部3,戻し指令部
4,位相補償指令部5,舵角位相補償指令部6,中立位
置復帰指令部7が設けられている。 アシスト指令部3は、基本的には操舵系の捩りトルクの
大きさおよび方向に応じたアシスト信号を発生するもの
で、ステアリング系(操舵系)の例えばピニオンに設置
されてその捩りトルクの方向および大きさを検出する捩
りトルクセンサ31と、この捩りトルクセンサ31の出力電
圧信号(第2図参照)に基づいて、基本的には第3図の
グラフの実線で示すような特性のアシスト信号、すなわ
ち、捩りトルクの大きさが所定値以下では出力せず、所
定値を越えると捩りトルクの方向に応じた極性で捩りト
ルクの値に応じて増減するアシスト信号を出力するアシ
ストトルク値指示関数部32とを備える。 また、アシスト指令部3には、車両の速度を検出する車
速センサ33が設けられると共に、この車速センサ33の出
力電圧信号に基いて、第4図のグラフに示すように車速
の増大に伴い減少する特性の加算定数信号Svを発生す
る加算定数関数部34、およびこの加算定数信号Svと前
記捩りトルクセンサ31の出力信号とを入力してアシスト
トルク値指示関数部32へ出力する加算演算部35が設けら
れる。そして、この加算演算部35が捩りトルクセンサ31
の出力信号の極性に合わせてこれに加算定数信号Svを
加減算処理することで、第3図のグラフに示す特性は車
速をパラメータとしてX軸方向に平行移動されるように
なっている。すなわち右切りの場合の特性を例示すれ
ば、第5図の実線に示すようにアシストトルク値指示関
数部32の出力は、同一捩りトルクにおいて車速の増大に
伴い絶対値が減少し、同一車速では捩りトルクの絶対値
の増加に伴い出力の絶対値が増大する。そしてこのよう
な出力特性を、車速に応じて第5図の破線に示すように
補正すべく、乗算定数関数部36,乗算演算部37が設けら
れている。この乗算定数関数部36は、車速センサ33の出
力電圧信号に基いて第6図に示す特性の乗算定数信号、
すなわち、車速が0では乗算定数が1であり、車速の増
大に伴って次第に定数が0に近づいて減少する特性の乗
算定数信号を発生するものである。また、乗算演算部37
は、前記アシストトルク値指示関数部32の出力に上記乗
算定数を乗算処理するものであり、この乗算演算部37か
らのアシスト信号itは、車速に応じて、第5図の破線に
示すようになる。 なお、アシスト信号は、トルク信号,車速信号を入力す
るマップ形式でも良い。 次に、戻し指令部4は、操舵系の転舵角に応じて舵角を
中立(直進)位置に戻す方向の戻し信号を発生するもの
であり、操舵系のたとえば、ラック・ピニオン機構にお
けるラックの移動量に基いて転舵角を検出する舵角セン
サ41,およびこの舵角センサ41の出力電圧信号に基いて
第7図のグラフに示す特性の戻し信号iθを出力する戻
しトルク値指示関数部42を備えている。 位相補償指令部5は、前記捩りトルクセンサ31の出力信
号を入力し、その微分値に比例する信号を発する位相補
償部51,およびこの位相補償部51の出力信号に基いて例
えば第8図のグラフに示すような特性のアシスト補助信
号iaを出力する位相補償指示関数部52を備え、本実施例
では位相補償部51の出力信号が、さらに捩りトルクセン
サ31の出力信号に加えられて加算演算部35に入力され、
アシストトルク値指示関数部32への入力信号に影響を与
える。 さらに舵角位相補償指令部6は、転舵操作の速度に応じ
て舵の進む方向と逆方向の減衰信号を発生するものであ
り、前記舵角センサ41の出力信号を入力し、その微分値
に比例する信号を発する舵角位相補償部61と、この舵角
位相補償部61の出力信号に基いて、例えば第9図のグラ
フに示す特性の減衰信号iを出力する舵角位相補償指
示関数部62とを備えてなる。 ここで中立位置復帰指令部7は、車両の駐停車の際にス
テアリングを中立位置に自動復帰させる復帰信号inを指
令信号として発生するもので、前記舵角センサ41および
舵角位相補償部61からの出力電圧がそれぞれ車速判別部
71,捩りトルク判別部72,時間制限部73を介して入力さ
れる復帰トルク値指示関数部74および舵角速度対応制限
値指示関数部75と、上記時間制限部73から信号入力する
時間対応制限値指示関数部76とを備えると共に、これら
の指示関数部74,75,76から信号入力する比較部77を備え
てなる。 車速判別部71は、前記車速センサ33の出力信号に基づい
て車速が略ゼロとなったときのみ前記舵角センサ41およ
び舵角位相補償部61からの出力電圧信号をそのまま出力
し、それ以外では出力を規制するようになっている。ま
た捩りトルク判別部72は、前記捩りトルクセンサ31の出
力信号に基づいて捩りトルクが略ゼロ(例えばハンドル
端部で0.3Kgf以下)のときのみ車速判別部71からの信号
をそのまま出力し、それ以外では出力を規制するように
なっている。さらに時間制限部73は、捩りトルク判別部
72からの信号を入力した後、例えば5秒間だけ出力する
と共に、その経過時間を前記時間対応制限値指示関数部
76に信号出力するようになっている。 一方、復帰トルク値指示関数部74は、第10図(a)のグラ
フに示す特性の復帰信号を出力する。すなわち、舵角O
の中立位置付近を除いて右転舵領域では負の値(左切り
方向)、左転舵領域では正の値(右切り方向)であり、
その絶対値が例えば±45°の範囲で漸次増大してそれ
を超えると略一定値となる復帰信号を出力するようにな
っている。つぎに舵角速度対応制限値指示関数部75は、
前記復帰信号と極性が同じで絶対値のみが第10図(b)の
グラフに示すように舵角速度が例えば180°/sec程度
に至るまでの間に漸減する特性の制限信号を出力する。
また時間対応制限値指示関数部76は、前記復帰信号と極
性が同じて絶対値のみが第10図(c)のように経過時間が
例えば0.5secに至る間に漸増して、それ以後は一定値と
なる特性の制限信号を出力する。そして比較部77では、
以上の復帰信号と制限信号とを比較してそのうち絶対値
が小さい方の信号を復帰信号inとして出力するようにな
っている。 また本実施例においては、前記戻し指令部4からの戻し
信号iθおよび舵角位相補償指令部6からの減衰信号i
の出力を規制する車速判別部8が設けられる。この車
速判別部8は、上記戻し信号iθと減衰信号iとの加
算信号を入力し、前記車速センサ33の出力信号に基づい
て車速が例えば5km/h以上では上記加算信号をそのま
ま出力するが、車速が5km/h以下では加算信号の出力
を規制するようになっている。 そして、上記車速判別部8の規制をうけた状態で、アシ
スト指令部3からのアシスト信号itと、位相補償指令部
5からのアシスト補助信号iaと、戻し指令部4からの戻
し信号iθと、舵角位相補償指令部6からの減衰信号i
と、中立位置復帰指令部7からの復帰信号inとの加算
信号が指令信号として駆動制御部2へ出力されるよう構
成してある。 以上のような構成では、転舵操作に伴い操舵系に捩りト
ルクが発生すると、捩りトルクセンサ31がこれを検出し
て出力信号が発生するが、この時、車速センサ33および
舵角センサ41からの各情報によって、上記出力信号に基
づくアシスト信号itに補正を加える。そしてこのアシス
ト信号itの正負判別および絶対値に応じたデューティ比
制御を通じて、電動モータ1の回転方向,回転トルクが
制御される。ここで捩りトルクとアシスト信号itとの関
係をみると、基本的には、第3図のグラフに示すとおり
であり、例えば右切りの際の捩りトルクに対しては正の
アシスト信号が捩りトルクの増加に伴い増大するように
出力する。従って、電動モータ1は、右切りを補助する
回転方向に捩りトルクの大きさに応じた出力トルクで回
転駆動され、右切りの際の操舵力が軽減される。なお、
左切りの際には負のアシスト信号に基いて電動モータ1
が左切りを補助する回転方向に制御されることで、右切
りの場合と同様に作用する。 ここで捩りトルクとアシスト信号との関数特性は、本実
施例では車速センサ33の出力信号に基づいて変化する。
例えば、右切りの捩りトルクに対するアシスト信号の特
性グラフを示す第5図において、車速0の状態をM
示すと、車速がV,Vと増加するにつれ、加算定数
関数部34からの加算定数信号Svの加算処理に基づいて
特性グラフはM,Mと第5図のX軸方向へ平行移動
して変化する。そして乗算定数信号の乗算処理により特
性グラフMはmに、Mはmに傾きを小さくする
ように変化する。従って、捩りトルクの大きさが同一の
場合、アシスト信号の大きさは車速の増大に伴って減少
する。このことは、同一捩りトルクに対する電動モータ
1の出力トルクが車速の増加に従って減少することを意
味し、車両の低速走行時には、充分なパワーアシストが
得られるものでありながら、高速走行時には、操舵力過
剰となることがなく、従って、転舵時にハンドルが軽す
ぎて不安感を持つということがなくなる。 一方、転舵操作に伴い、舵角センサ41が転舵角を検出
し、これに基づいて第7図に示す特性、すなわち、舵角
0の中立位置の近傍では出力せず、この範囲を越えて左
右の転舵角±θの範囲では比例的に増大し、±θ
越えると一定値となり、右転舵領域では負の値(左切り
方向)、左転舵領域では正の値(右切り方向)となる戻
し信号iθを出力する。 また、車両が半径の小さなカーブを急ハンドルで走行す
るなど、転舵速度が速いとき、転舵角θが急激に変化す
ることから、そのことが舵角位相補償部61で検出され、
その検出信号に基いて減衰信号iが舵角位相補償指示
関数部62から出力される。これは、第9図に示す特性と
なる。 ここで車速5km/h以上では、車速判別部8の作用により
上記戻し信号iθ,減衰信号iは、アシスト信号itを
減少するように加えられる。そのため急転舵の際にハン
ドルが軽すぎて不安感を持つということがなくなる。ま
た、例えば、右転舵角θ1で保舵している場合には、前
述した捩りトルクセンサ31の出力信号に基く正のアシス
ト信号itと、舵角センサ41の出力信号に基づく負の戻し
信号iθとの加算信号により電動モータ1の制御が行
なわれる。ここでアシスト信号itのグラフを第3図の実
線で示すとすれば、上記加算信号は破線で示すようにな
る。従って、右転舵角θの保舵状態を解除すると、捩
りトルクTが激減することで加算信号は第3図の破線に
沿って直ちに負の値(左切り方向)になる。これにより
電動モータ1に左切り方向のトルクが発生して減速機な
どの摩擦力や、モータの慣性モーメントなどを相殺する
ことになり、このため車両の走行時(5km/h以上)には
キャスタ効果などにより操舵系は直進状態へスムーズに
復元し得るなどハンドル戻り動作が良好となる。そし
て、転舵角θの減少に伴い戻し信号iθの大きさは次第
に0に近づくべく減少し、転舵角が中立位置に戻ると、
電動モータのトルクは消失する。 一方、急旋回(高G旋回)からのハンドル戻り時には、
モータ慣性のためハンドルが中立を越える場合もある。
しかし、舵角位相補償指令部6から減衰信号iが出力
すると、この減衰信号はハンドルの回転方向と逆の出力
トルクを指令するためハンドルが戻り過ぎることもな
く、高速走行時などにおけるハンドル手放し状態からの
収束性も向上する。 次に、車両の停止状態などにおける転舵操作、すなわち
据切り操舵について説明すると、この場合、接地抵抗が
大きいことから転舵操作に伴い捩りトルクが急増し、捩
りトルクセンサ31の出力電圧もそれに比例して急増す
る。すると、この捩りトルクの急増傾向が位相補償指令
部5の位相補償部51で検出され、捩りトルクの増加度に
応じた出力信号が捩りトルクセンサ31の出力信号に加算
されるようになる。従って、捩りトルクTが小さく、こ
れに伴うアシスト信号itが未だ発生しない段階において
も、捩りトルクの変化度合が大きければアシスト信号it
が直ちに出力されるようになり、据切り操舵に際しては
電動モータ1は応答遅れなく直ちに起動するようにな
り、また自励振動の発生も防止される。 そして据切り操舵時には、車速が5km/h以下であって、
戻し指令部4の戻し信号iθおよび舵角位相補償指令部
6からの減衰信号iが車速判別部8により規制される
ことから、エネルギの労費がなく軽快な操舵が実現され
る。 また、前記位相補償部51から出力信号が発せられると、
位相補償指示関数部52からは第8図に示す特性のアシス
ト補助信号iaが出力される。すなわち捩りトルクの変化
度合が所定値内では比例的に増減し、所定値を越えると
一定値となるアシスト補助信号iaが捩りトルクの変化の
方向に応じて直ちに出力されるのである。従って左右転
舵を繰返す場合などにおいては、アシスト補助信号iaが
直ちに出力して電動モータ1の起動,停止時の慣性力を
吸収するようになっている。 さてここで、車両が駐停車する際の制御を第11図のフロ
ーチャートに沿って説明する。まず車速判別部71により
車速が略ゼロ(車速センサ33の検出能力に応じて若干幅
がある)となったか否かが判別され(S1)、YESの場合
は続いて捩りトルク判別部72により捩りトルクが略ゼロ
になった否かが判別される(S2)。ここでYESであれば
運転者に操舵意志が無く、車両が駐停車の状態となった
と判断して次のステップ(S3)に進むが、ステップ(S1),
(S2)でNOの場合は中立位置復帰指令部7のリセットを
行う(S4)。 ステップ(S3)では時間制限部73により所定時間(5秒
間)以内か否かが判定され、所定時間経過してNOの場
合はエンドに至る。ここでYESであればその時間内だ
け復帰トルク値指示関数部74,舵角速度対応制限値指示
関数部75,時間対応制限地指示関数部76によりそれぞれ
復帰信号,制限信号が出力され(S5,S6,S7)、これらは比
較部77により比較され、そのうち絶対値の小さい信号が
復帰信号inとして出力される(S8)。 このような制御により、転舵状態のまま駐停車すると、
舵角センサ41の出力信号に基づく復帰信号inにより電動
モータ1が所定時間(5秒間)だけ駆動され、ステアリ
ングは中立位置へ自動復帰する。その際、当初の転舵角
が大きくて復帰トルク値指示関数部74からの復帰信号の
絶対値が大きいときでも、最初の0.5秒間は時間対応制
限値指示関数部76から絶対値が漸次増加する制限信号が
比較部77から出力し、また舵角速度が上昇するとそれに
伴い絶対値が漸減する制限信号が比較部77から出力する
ことで、ステアリングホィールがいきなり急激に回転す
ることがなく安全である。 またこのような駐停車時における中立位置への自動復帰
の際、タイヤが障害物に当って転舵できないときでも、
所定時間経過すれば復帰信号が消失して電動モータ1の
駆動が停止されるので、電動モータ1が過負荷で損傷す
ることがない。
【発明の効果】
以上に説明したように本発明によれば、車両の駐停車時
に、ステアリングハンドルから手を離した場合には、捩
りトルクセンサからの出力信号がゼロになって中立位置
復帰指令部からの指令信号が出力することより、転舵状
態のステアリングは中立位置に復帰し、また駐停車状態
でもハンドルに手を添えてステアリングに捩りトルクを
発生させる場合には中立位置への復帰指令が出力しない
から、ハンドルの回転を適宜に止めたり、更にはパワー
アシストにより操舵することもできる。 また、ステアリングの中立位置への自動復帰は車速セン
サにより車速が略ゼロになってキャスタ効果による戻り
作用がない駐停車時にのみ作用するので、走行中のハン
ドリング感覚は通常の車両と同じであり、ハンドルの操
舵に違和感が派生しない。 この結果、本発明によると、ステアリングを操作したい
時には通常の車両と同じ感覚で違和感なく自由に操舵で
き、且つ転舵状態のままハンドルから手を離して駐停車
した際にはステアリングをモータ駆動力により中立位置
に自動復帰できる便利性を同時に満足できる。 また、駐停車時に転舵状態のステアリングを中立位置に
自動復帰できることで再発進の際の操舵が安全,確実に
行なえ、さらに、この際に、復帰指令信号の出力は所定
時間経過後に停止するので、タイヤが障害物に当って転
舵できない状況時にモータに過負荷がかかっても、その
過負荷は所定時間経過後に解消しモータの保護が図られ
る等の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す構成ブロック図、第2
図は捩りトルクセンサの出力信号の特性グラフ、第3図
はアシスト信号の基本特性グラフ、第4図は加算定数信
号の特性グラフ、第5図はアシスト信号の特性変化を示
すグラフ、第6図は乗算定数信号の特性グラフ、第7図
は戻し信号の特性グラフ、第8図はアシスト補助信号の
特性グラフ、第9図は減衰信号の特性グラフ、第10図
(a)は復帰信号の基本特性グラフ,同図(b),(c)はそれぞ
れ舵角速度および時間に対応した制限信号の特性グラ
フ、第11図は中立位置復帰指令部の作動を示すフロー
チャートである。 1……電動モータ 2……駆動制御部 21……正負判別部、22……絶対値変換部 23……デューティ制御部、24……電機子電流検出部 25……電動モータ駆動部 3……アシスト指令部 31……捩りトルクセンサ、32……アシストトルク値指示
関数部、33……車速センサ、34……加算定数関数部、35
……加算演算部、36……乗算定数関数部、37……乗算演
算部 4……戻し指令部 41……舵角センサ、42……戻しトルク値指示関数部 5……位相補償指令部 51……位相補償部、52……位相補償指示関数部 6……舵角位相補償指令部 61……舵角位相補償部、62……舵角位相補償指示関数部 7……中立位置復帰指令部 71……車速判別部、72……捩りトルク判別部、73……時
間制限部、74……復帰トルク値指示関数部、75……舵角
速度対応制限値指示関数部、76……時間対応制限値指示
関数部、77……比較部 8……車速判別部。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】操舵系の捩りトルクを検出する捩りトルク
    センサと、車速を検出する車速センサと、舵角を検出す
    る舵角センサとを備え、上記各センサの出力信号に基づ
    く指令信号に応じて駆動制御部により電動モータの回転
    方向,回転トルクを制御する電動式パワーステアリング
    装置において、 車両の駐停車時にステアリングを中立位置に復帰させる
    復帰信号を、上記駆動制御部へ指令信号として出力する
    中立位置復帰指令部を有し、 上記中立位置復帰指令部は、車速センサからの出力信号
    に基づき車速が略ゼロのときのみ舵角センサおよび舵角
    位相補償部からの出力信号をそのまま出力する車速判別
    部と、捩りトルクセンサからの出力信号に基づき捩りト
    ルクが略ゼロのときのみ車速判別部からの信号をそのま
    ま出力する捩りトルク判別部と、上記捩りトルク判別部
    からの信号を入力した後、所定の時間だけ出力する時間
    制限部と、上記車速判別部,捩りトルク判別部,時間制
    限部を介して入力される信号に基づき所定特性の復帰信
    号を出力する復帰トルク値指示関数部と、所定特性の舵
    角速度制限信号を出力する舵角速度対応制限値指示関数
    部と、所定特性の経過時間の制限信号を出力する時間対
    応制限値指示関数部と、上記復帰信号と制限信号とを比
    較して絶対値が小さい方の信号を復帰信号として前記モ
    ータの駆動制御部へ指令信号を出力する比較部とを有し
    てなることを特徴とする電動式パワーステアリング装置
    のモータ制御装置。
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