JPH07146948A - グラフ表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、グラフィック描画機能を有するグ
ラフ表示装置において、容易にグラフ表示処理を実行さ
せ、且つそのグラフトレース処理に際し、見易い座標値
表示及びトレースポイント表示を行なうことを目的とす
る。 【構成】 グラフィック表示部１２に対しユーザ指定さ
れたＸ及びＹ座標レンジに対応して算出された１表示ド
ット当たりのＸ座標ピッチ及びＹ座標ピッチを、指定さ
れた有効桁数に応じて丸め（ＲＲ）処理し、少ない桁数
の座標ピッチで前記座標レンジを再設定するので、各表
示ドットに対応するＸ，Ｙ座標値が扱い易く、容易にグ
ラフ表示処理が実行できると共に、グラフトレースに際
し表示されるグラフ上のＸ，Ｙ座標値も少ない桁数で非
常に見易くなり、しかも、座標レンジの範囲外となった
グラフ上の点は、表示部１２の枠に沿ったポイントマー
クＰｍで表示されるので、如何なるトレース位置もユー
ザは確認できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、グラフィック描画機能
を有するグラフ表示装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、例えば関数計算機能を備えた小型
電子式計算機等においては、入力された関数式に基づく
グラフ表示が行なえるグラフ表示装置を搭載したものが
実用化されている。

【０００３】このような装置においては、グラフィック
表示を行なう際に、その表示画面上でのＸ，Ｙ座標の座
標レンジは、ユーザがＸ軸側のＭｉｎ／Ｍａｘ値、及び
Ｙ軸側のＭｉｎ／Ｍａｘ値を入力して指定するようにな
っており、指定された各Ｍｉｎ／Ｍａｘ値の差を、それ
ぞれ表示画面の横及び縦の画素（ドット）数で割ること
により、Ｘ軸，Ｙ軸それぞれの１ドット当たりの座標ピ
ッチが算出される。

【０００４】すなわち、前記のように算出された各座標
ピッチで与えられるＸ，Ｙ座標に基づき、例えば入力さ
れた関数式に対して各表示ドット毎のＸ座標値を入力し
た際のＹ座標値を算出して順次表示することで、グラフ
表示が成されるもので、このグラフ表示状態において、
グラフトレースを実行すると、グラフ上の任意の表示ド
ットがポイント表示されると共に、その表示ポイントの
Ｘ，Ｙ座標が表示されるようになっている。

【０００５】図７は従来のグラフ表示装置による関数グ
ラフのトレース表示状態を示す図である。ここで、Ｘ軸
側の座標レンジは（−５〜５）に指定され、Ｙ軸側の座
標レンジは（−６〜６）にユーザ指定されており、この
指定座標レンジに従って算出された座標ピッチに基づく
各ドット毎のＸ，Ｙ座標に応じてグラフ表示が成される
と共に、グラフトレースの実行によりグラフ上のポイン
ト表示とそのポイント座標表示が行なわれたものであ
る。

【０００６】この場合、指定座標レンジをＸ方向の画素
数で割った座標ピッチは、大半が割り切れない端数とな
るために、各表示ドット毎のＸ座標を関数式に代入しＹ
座標を算出してグラフ表示するのに、扱い難いばかりで
なく、前記グラフトレースの実行に際し表示されるポイ
ント座標は、必要以上に桁数が多くなり非常に見ずらい
ものとなる。

【０００７】また、前記グラフトレースの実行に際して
は、カーソルキーの操作によりグラフ上のポイント位置
を移動させることができるが、グラフが表示画面から外
れている範囲に対しては、何等のポイント表示も成され
ず、現在のトレース位置が全く不明になる。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】従って、前記従来のグ
ラフ表示装置にあっては、下記に示す如く第１〜第３の
問題がある。第１に、ユーザ指定された座標レンジに対
して算出される１表示ドット当たりの座標ピッチは、表
示画素数できれいに割り切れることはまずなく、グラフ
表示に際し計算処理における数値の桁数が多く扱い難い
問題がある。

【０００９】第２に、座標ピッチそのものが桁数の多い
扱い難いものとなるため、グラフトレースの実行に際
し、ポイント表示に対応して表示されるＸ，Ｙ座標値
も、必要以上に桁数が多く非常に見ずらい問題がある。

【００１０】第３に、グラフトレースの実行に際し、グ
ラフが表示画面から外れている範囲に対し、そのトレー
ス位置が全く不明になる問題がある。本発明は前記課題
に鑑みなされたもので、第１の目的は、ユーザ指定され
た座標レンジに対し、桁数の多い座標ピッチが設定され
ることなく、容易にグラフ表示処理することが可能にな
る第１のグラフ表示装置を提供することにある。

【００１１】第２の目的は、グラフトレースの実行に際
し、桁数の多い座標ピッチが設定されることなく、見易
い桁数でポイント座標値を表示することが可能になる第
２のグラフ表示装置を提供することにある。

【００１２】第３の目的は、グラフトレースの実行に際
し、グラフが表示画面から外れている範囲に対しても、
トレース位置を表示することが可能になる第３のグラフ
表示装置を提供することにある。

【００１３】

【課題を解決するための手段】本発明に係わる第１のグ
ラフ表示装置は、ドットマトリクス式のグラフィック表
示画面を有する表示装置と、前記グラフィック表示画面
の座標レンジ（Ｘmin，Ｘmax ）（Ｙmin ，Ｙmax ）を
設定する座標レンジ設定手段と、前記グラフィック表示
画面の１ドット当たりの座標ピッチ（Δｘ）（Δｙ）を
算出する座標ピッチ算出手段と、この座標ピッチ算出手
段により算出された座標ピッチの値を指定した有効桁に
丸める桁丸め手段と、この桁丸め手段により更新された
座標ピッチの値に応じて前記グラフィック表示画面の座
標レンジを計算して再設定する座標レンジ再設定手段
と、この座標レンジ再設定手段により再設定された座標
レンジに応じてグラフを表示するグラフ表示手段とを備
えて構成したものである。

【００１４】本発明に係わる第２のグラフ表示装置は、
前記第１のグラフ表示装置に対し、さらに、グラフトレ
ース指定手段と、このグラフトレース指定手段によりト
レース指定された際、前記グラフ表示手段により表示さ
れたグラフ上の点をポイント表示すると共に、そのポイ
ント座標の値を表示するグラフトレース手段とを備えて
構成したものである。

【００１５】本発明に係わる第３のグラフ表示装置は、
前記第２のグラフ表示装置に対し、さらに、前記グラフ
トレース手段により表示すべきグラフ上のポイント位置
が前記グラフィック表示画面外となった場合、被表示ポ
イント位置に対応するグラフィック表示画面の辺にマー
ク表示する画面外トレース表示手段を備えて構成したも
のである。

【００１６】

【作用】前記第１のグラフ表示装置では、ユーザ指定さ
れた座標レンジに従って算出された座標ピッチの値が、
指定された有効桁に応じて丸められ、この新たな座標ピ
ッチにより再設定された座標レンジに応じてグラフ表示
されることになる。

【００１７】前記第２のグラフ表示装置では、さらに、
グラフトレースが指定実行されると、前記指定有効桁に
応じて丸められた座標ピッチに基づく各表示ドット毎の
Ｘ，Ｙ座標に応じて表示されたグラフ上の点がポイント
表示されると共に、そのポイント座標の値が表示される
ことになる。

【００１８】前記第３のグラフ表示装置では、さらに、
前記グラフトレースの指定実行によりグラフ上のポイン
ト表示位置が表示画面外となると、そのグラフ上で表示
すべきポイント位置に対応する表示画面の辺にマーク表
示がなされることになる。

【００１９】

【実施例】以下図面により本発明の一実施例について説
明する。図１はグラフ表示装置を示す外観図である。こ
のグラフ表示装置の装置本体１０は、例えばユーザが片
手で把持できる程度の大きさからなり、この装置本体１
０の正面には、キー入力部１１及びドットマトリクス式
の液晶画面からなるグラフィック表示部１２が設けられ
る。

【００２０】前記キー入力部１１には、電源の投入遮断
を行なうための「ＯＮ」キー１１ａ、グラフとして表示
したい関数式等を入力したり前記グラフィック表示部１
２におけるＸ軸及びＹ軸の座標レンジ（Ｘmin ，Ｘmax
）（Ｙmin ，Ｙmax ）を指定入力したりするための数
値・記号キー１１ｂ、グラフ表示に際し前記ユーザ指定
された座標レンジを指定された１表示ドット当たりの座
標ピッチ（Δｘ）（Δｙ）の有効桁数に応じて再設定す
るための「Ｒ．Ｒ．」(Range Round) キー１１ｃ、前記
座標レンジの再設定処理及びグラフ表示処理を実行させ
るための「ＥＸＥ」キー１１ｄ、前記グラフィック表示
部１２に表示されたグラフに対してグラフトレースを実
行するための「トレース」キー１１ｅ、及び前記グラフ
トレースの実行に際しポイント表示されるトレース位置
を移動させるためのカーソルキー「→」１１ｆ，「←」
１１ｇ等が備えられる。

【００２１】前記グラフィック表示部１２は、例えば縦
６３dots，横９５dotsの液晶表示画面を有し、前記数値
・記号キー１１ｂにより入力された関数式等に対応する
グラフが、前記ユーザ指定あるいは再設定されたＸ軸及
びＹ軸の各座標レンジに従って表示されるもので、前記
「トレース」キー１１ｅの操作に応じたグラフトレース
の実行に際しては、このグラフィック表示部１２に表示
されたグラフ上にポイント表示が成されると共に、その
ポイント位置のＸ，Ｙ座標値が表示される。

【００２２】図２は前記グラフ表示装置の電子回路の構
成を示すブロック図である。このグラフ表示装置の電子
回路には、ＣＰＵ（中央処理装置）２０が備えられ、こ
のＣＰＵ２０により回路各部の動作制御が実行される。

【００２３】前記ＣＰＵ２０には、前記キー入力部１１
及びグラフィック表示部１２の他、ＲＯＭ２１及びＲＡ
Ｍ２２が接続される。前記ＲＯＭ２１には、このグラフ
表示装置を動作させるための基本システムプログラムが
予め記憶されると共に、キー入力された関数式等に対応
してグラフ表示を行なうためのグラフ表示処理プログラ
ム、座標レンジの再設定を行なうためのレンジラウンド
処理プログラム、グラフトレースを行なうためのトレー
スプログラム等が予め記憶され、これら各プログラムに
従って前記ＣＰＵ２０による制御動作が実行される。

【００２４】前記ＲＡＭ２２には、キー入力レジスタや
表示レジスタ等の他、Ｘ軸の座標レンジが記憶設定され
るＸｍｉｎレジスタ２２ａ，Ｘｍａｘレジスタ２２ｂ、
Ｙ軸の座標レンジが記憶設定されるＹｍｉｎレジスタ２
２ｃ，Ｙｍａｘレジスタ２２ｄ、Ｘ方向１表示ドット当
たりの座標ピッチが記憶設定されるΔｘレジスタ２２
ｅ、Ｙ方向１表示ドット当たりの座標ピッチが記憶設定
されるΔｙレジスタ２２ｆ、グラフトレースの実行に際
しそのグラフ上でポイント表示されるトレース位置の
Ｘ，Ｙ座標が記憶されるＸレジスタ２２ｇ，Ｙレジスタ
２２ｈ、及び前記座標レンジの再設定処理に際し入力さ
れた数値データが前記各座標ピッチ（Δｘ）（Δｙ）の
有効桁数として記憶されるＦレジスタ２２ｉが備えられ
る。

【００２５】すなわち、前記キー入力部１１における数
値・記号キー１１ｂによりグラフとして表示したい関数
式等を入力すると共に、Ｘ軸及びＹ軸の座標レンジを入
力すると、Ｘ軸の最小及び最大レンジがそれぞれＲＡＭ
２２内のＸｍｉｎレジスタ２２ａ及びＸｍａｘレジスタ
２２ｂに書込まれ、Ｙ軸の最小及び最大レンジがそれぞ
れＹｍｉｎレジスタ２２ｃ及びＹｍａｘレジスタ２２ｄ
に書込まれる。

【００２６】ここで、「Ｒ．Ｒ．」キー１１ｃを操作せ
ずに「ＥＸＥ」キー１１ｄを操作してグラフ表示処理を
実行させた場合には、前記Ｘｍｉｎレジスタ２２ａ，Ｘ
ｍａｘレジスタ２２ｂ，Ｙｍｉｎレジスタ２２ｃ，Ｙｍ
ａｘレジスタ２２ｄにそれぞれ記憶された座標レンジに
従って、１表示ドット当たりの座標ピッチが算出され、
Δｘレジスタ２２ｅ，Δｙレジスタ２２ｆに記憶される
と共に、この座標ピッチΔｘ，Δｙ応じてＸ軸方向の各
表示ドットに対応するＸ座標が前記入力式に代入されて
そのＹ座標が順次算出され、グラフィック表示部１２に
グラフ表示される。

【００２７】次に、前記構成によるグラフ表示装置の動
作ついて説明する。図３は前記グラフ表示装置によるレ
ンジラウンド処理を示すフローチャートである。

【００２８】図４は前記グラフ表示装置によるグラフト
レース処理を示すフローチャートである。図５は前記グ
ラフ表示装置のレンジラウンド処理及びグラフトレース
処理に伴なうグラフ表示状態を示す図である。

【００２９】図６は前記グラフ表示装置のグラフトレー
ス処理に伴なう表示範囲外グラフのトレースマーク表示
状態を示す図である。すなわち、前記キー入力部１１に
おける数値・記号キー１１ｂによりグラフとして表示し
たい関数式を入力すると共に、Ｘ軸の座標レンジ（−５
〜５），Ｙ軸の座標レンジ（−６〜６）を入力すると、
Ｘ軸の最小レンジ（−５）及び最大レンジ（５）がそれ
ぞれＲＡＭ２２内のＸｍｉｎレジスタ２２ａ及びＸｍａ
ｘレジスタ２２ｂに書込まれ、Ｙ軸の最小レンジ（−
６）及び最大レンジ（６）がそれぞれＹｍｉｎレジスタ
２２ｃ及びＹｍａｘレジスタ２２ｄに書込まれる。

【００３０】ここで、「Ｒ．Ｒ．」キー１１ｃを操作す
ると、図３におけるレンジラウンド処理が起動されるも
ので、まず、数値・記号キー１１ｂを操作して１表示ド
ット当たりの座標ピッチに対する有効桁数を、例えば
“２”と指定入力すると、その有効桁数“２”はＲＡＭ
２２内のＦレジスタ２２ｉに書込まれる（ステップＳ１
→Ｓ２）。

【００３１】そして、「ＥＸＥ」キー１１ｄを操作する
と、前記Ｆレジスタ２２ｉに座標ピッチの有効桁“２”
の指定有りと判断され、前記Ｘｍｉｎレジスタ２２ａ，
Ｘｍａｘレジスタ２２ｂに記憶されたＸ座標レンジ（−
５〜５）及びＹｍｉｎレジスタ２２ｃ，Ｙｍａｘレジス
タ２２ｄに記憶されたＹ座標レンジ（−６〜６）に従っ
て１表示ドット当たりのＸ座標ピッチΔｘ及びＹ座標ピ
ッチΔｙが、下式（１）及び式（２）で示すように算出
される（ステップＳ３→Ｓ４→Ｓ５）。

【００３２】 Δｘ＝｛Ｘｍａｘ（５）−Ｘｍｉｎ（−５）｝ ／９４：Ｘ軸の表示ドット間隔数＝０．１０６３８… …式（１） Δｙ＝｛Ｙｍａｘ（６）−Ｙｍｉｎ（−６）｝ ／６２：Ｙ軸の表示ドット間隔数＝０．１９３５… …式（２） すると、前記ステップＳ５において算出されたＸ座標ピ
ッチΔｘ＝０．１０６３８…及びＹ座標ピッチΔｙ＝
０．１９３５…は、それぞれ前記ステップＳ２において
Ｆレジスタ２２ｉに予め記憶された座標ピッチの指定有
効桁数“２”に応じてその小数点以下の桁数が丸めら
れ、新たな座標ピッチΔｘ＝０．１１，Δｙ＝０．１９
として各対応するレジスタ２２ｅ，２２ｆに書込まれる
（ステップＳ６）。

【００３３】こうして、指定有効桁数“２”に応じて丸
め処理された新たな座標ピッチΔｘ＝０．１１，Δｙ＝
０．１９が求められると、下式（３）及び式（４）で示
すように、前記Ｘ軸の最小レンジＸｍｉｎ（＝−５）及
びＹ軸の最小レンジＹｍｉｎ（＝−６）を基準として、
新たなＸ座標レンジ及びＹ座標レンジが計算されて再設
定される（ステップＳ７）。

【００３４】 Ｘｍａｘ＝Ｘｍｉｎ（−５）＋９４×Δｘ（０．１１） ＝５．３４ …式（３） Ｙｍａｘ＝Ｙｍｉｎ（−６）＋６２×Δｙ（０．１９） ＝５．７８ …式（４） これにより、前記再設定されたＸ座標レンジ（−５〜
５．３４）及びＹ座標レンジ（−６〜５．７８）に対応
した１表示ドット毎のＸ座標値及びＹ座標値は、何れも
小数点以下の桁数が少ない扱い易い数値として与えられ
るもので、この桁数の少ないＸ軸に沿った１ドット毎の
Ｘ座標値が予め入力された関数式に代入されることで各
対応するＹ座標値が容易に算出され、図５で示すように
グラフ表示されるようになる。

【００３５】一方、前記Ｆレジスタ２２ｉに座標ピッチ
の有効桁数が書込まれていない場合は、前記ステップＳ
４において桁指定無しと判断され、前記ステップＳ５に
おける座標ピッチの計算処理と同様にして、Ｘ座標ピッ
チΔｘ＝０．１０６３８…及びＹ座標ピッチΔｙ＝０．
１９３５…が算出される（ステップＳ４→Ｓ８）。

【００３６】そして、この各座標ピッチΔｘ，Δｙの値
に応じて有効桁数が計算されて指定される（ステップＳ
９）。なお、有効桁数が書込まれていない場合は、予め
定められた値を指定するようにしてもよい。

【００３７】ここで、前記ステップＳ９により指定され
た有効桁数が、例えば“１”である場合には、前記各座
標ピッチΔｘ，Δｙが丸め処理され、新たな座標ピッチ
Δｘ＝０．１，Δｙ＝０．２として各対応するレジスタ
２２ｅ，２２ｆに書込まれる（ステップＳ１０）。

【００３８】こうして、新たな座標ピッチΔｘ＝０．
１，Δｙ＝０．２が求められると、前記同様にして、新
たなＸ座標レンジ及びＹ座標レンジが計算されて再設定
され（ステップＳ７）、桁数の少ないＸ軸に沿った１ド
ット毎のＸ座標値が予め入力された関数式に代入される
ことで各対応するＹ座標値が容易に算出されグラフ表示
されるようになる。

【００３９】一方、前記図３におけるレンジラウンド処
理を経て、例えば前記図５で示したようにグラフ表示さ
れた状態で、キー入力部１１の「トレース」キー１１ｅ
を操作すると、図４におけるグラフトレース処理が起動
される。

【００４０】すなわち、まず、Ｘ軸の最小レンジＸｍｉ
ｎ（＝−５）がレジスタ２２ａから読出されて初期トレ
ース位置に対応するＸ座標値としてＸレジスタ２２ｇに
書込まれた後、このＸ座標値（＝−５）がグラフ式ｆ
（ｘ）に代入されて対応するＹ座標値が算出されＹレジ
スタ２２ｈに書込まれる（ステップＡ１，Ａ２）。

【００４１】ここで、Ｙレジスタ２２ｈに書込まれたト
レース位置対応のＹ座標値がＹ軸の最小レンジＹｍｉｎ
以上か、そして、Ｙ軸の最大レンジＹｍａｘ以下かが判
断され、つまり、現在のＸ座標値に対応するグラフ上の
点が、グラフィック表示部１２における表示座標レンジ
の範囲内か否かが判断される（ステップＡ３，Ａ４）。

【００４２】このステップＡ３，Ａ４において、現在の
Ｘ座標値に対応するグラフ上の点が、表示座標レンジ内
と判断された場合には、そのＸ，Ｙ座標値の表示と共
に、対応するグラフ上の点が現在のトレース位置Ｐとし
てポイント表示される（ステップＡ５）。

【００４３】そして、カーソルキー「→」１１ｆを操作
した場合には、前記Ｘ座標値が前記Ｘ座標ピッチΔｘに
応じて加算更新され、また、カーソルキー「←」１１ｇ
を操作した場合には、前記Ｘ座標値が前記Ｘ座標ピッチ
Δｘに応じて減算更新されるもので、すると、前記更新
された現在のＸ座標値に応じて新たなＹ座標値が算出さ
れる（ステップＡ６→Ａ７，Ａ２）。

【００４４】ここで、例えば前記カーソルキー「→」１
１ｆの操作に応じて更新された現在のＸ座標値が“−
２．６９”で（ステップＡ６→Ａ７）、これをグラフ式
に代入して算出したＹ座標値が“−２．６９”である場
合には（ステップＡ２）、グラフィック表示部１２にお
ける表示座標レンジの範囲内と判断されるので（ステッ
プＡ３，Ａ４）、図５で示すように、そのＸ，Ｙ座標値
の表示と共に、対応するグラフ上の点が現在のトレース
位置Ｐとしてポイント表示される（ステップＡ５）。

【００４５】この後、さらに、カーソルキー「→」１１
ｆが操作されてＸ座標値が“２．３０”に更新されるこ
とで（ステップＡ６→Ａ７）、これをグラフ式に代入し
て算出したＹ座標値が“−８．１２”となり（ステップ
Ａ２）、Ｙ軸の最小レンジＹｍｉｎ（−６）を下回った
と判断された場合には（ステップＡ３）、図６で示すよ
うに、そのＸ，Ｙ座標値の表示と共に、表示座標レンジ
の範囲外となったグラフ上の点を対応指示するポイント
マークＰｍが、グラフ表示範囲の下枠に沿って表示され
るようになる（ステップＡ８）。

【００４６】一方、現在のＸ座標値をグラフ式に代入し
て算出したＹ座標値が（ステップＡ２）、Ｙ軸の最大レ
ンジＹｍａｘ（５．７８）を上回ったと判断された場合
には（ステップＡ３，Ａ４）、そのＸ，Ｙ座標値の表示
と共に、表示座標レンジの範囲外となったグラフ上の点
を対応指示するポイントマークＰｍが、グラフ表示範囲
の上枠に沿って表示されるようになる（ステップＡ
９）。

【００４７】これにより、前記グラフトレースに際して
は、前記指定有効桁に応じて丸め処理された座標ピッチ
に従って再設定された座標レンジにおいて、トレース位
置に対応するＸ，Ｙ座標値が表示されるので、必要に応
じた少ない桁数で見易いトレース座標表示が行なわれる
ようになる。

【００４８】また、表示座標レンジの範囲外となったグ
ラフ上の点は、そのトレース位置を対応指示するポイン
トマークＰｍとしてグラフ表示範囲の枠に沿って表示さ
れるので、如何なるトレース位置も明示されるようにな
る。

【００４９】したがって、上記構成のグラフ表示装置に
よれば、グラフィック表示部１２に対しユーザ指定され
たＸ及びＹ座標レンジに対応して算出された１表示ドッ
ト当たりのＸ座標ピッチ及びＹ座標ピッチを、指定され
た有効桁数に応じて丸め（ＲＲ）処理し、少ない桁数の
座標ピッチで前記座標レンジを再設定するので、各表示
ドットに対応するＸ，Ｙ座標値が扱い易く、容易にグラ
フ表示処理が実行できると共に、グラフトレースに際し
表示されるグラフ上のＸ，Ｙ座標値も少ない桁数で非常
に見易くなり、しかも、座標レンジの範囲外となったグ
ラフ上の点は、表示部１２の枠に沿ったポイントマーク
Ｐｍで表示されるので、如何なるトレース位置もユーザ
は確認できるようになる。

【００５０】

【発明の効果】本発明の第１のグラフ表示装置によれ
ば、ユーザ指定された座標レンジに従って算出された座
標ピッチの値が、指定された有効桁に応じて丸められ、
この新たな座標ピッチにより再設定された座標レンジに
応じてグラフ表示されるので、ユーザ指定された座標レ
ンジに対し、桁数の多い座標ピッチが設定されることな
く、容易にグラフ表示処理することが可能になる。

【００５１】本発明の第２のグラフ表示装置によれば、
さらに、グラフトレースが指定実行されると、前記指定
有効桁に応じて丸められた座標ピッチに基づく各表示ド
ット毎のＸ，Ｙ座標に応じて表示されたグラフ上の点が
ポイント表示されると共に、そのポイント座標の値が表
示されるので、グラフトレースの実行に際し、桁数の多
い座標ピッチが設定されることなく、見易い桁数でポイ
ント座標値を表示することが可能になる。

【００５２】本発明の第３のグラフ表示装置によれば、
さらに、前記グラフトレースの指定実行によりグラフ上
のポイント表示位置が表示画面外となると、そのグラフ
上で表示すべきポイント位置に対応する表示画面の辺に
マーク表示がなされるので、グラフトレースの実行に際
し、グラフが表示画面から外れている範囲に対しても、
トレース位置を表示することが可能になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係わるグラフ表示装置を示
す外観図。

【図２】前記グラフ表示装置の電子回路の構成を示すブ
ロック図。

【図３】前記グラフ表示装置によるレンジラウンド処理
を示すフローチャート。

【図４】前記グラフ表示装置によるグラフトレース処理
を示すフローチャート。

【図５】前記グラフ表示装置のレンジラウンド処理及び
グラフトレース処理に伴なうグラフ表示状態を示す図。

【図６】前記グラフ表示装置のグラフトレース処理に伴
なう表示範囲外グラフのトレースマーク表示状態を示す
図。

【図７】従来のグラフ表示装置による関数グラフのトレ
ース表示状態を示す図。

【符号の説明】

１０…装置本体、１１…キー入力部、１１ａ…「ＯＮ」
キー、１１ｂ…数値・記号キー、１１ｃ…「Ｒ．Ｒ．」
キー、１１ｄ…「ＥＸＥ」キー、１１ｅ…「トレース」
キー、１１ｆ…「→」キー、１１ｇ…「←」キー、１２
…グラフィック表示部、２０…ＣＰＵ（中央処理装
置）、２１…ＲＯＭ、２２…ＲＡＭ、２２ａ…Ｘｍｉｎ
レジスタ、２２ｂ…Ｘｍａｘレジスタ、２２ｃ…Ｙｍｉ
ｎレジスタ、２２ｄ…Ｙｍａｘレジスタ、２２ｅ…Δｘ
レジスタ、２２ｆ…Δｙレジスタ、２２ｇ…Ｘレジス
タ、２２ｈ…Ｙレジスタ、２２ｉ…Ｆレジスタ、Ｐ…ト
レース位置、Ｐｍ…ポイントマーク。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ドットマトリクス式のグラフィック表示
   画面を有する表示装置と、 前記グラフィック表示画面の座標レンジ（Ｘmin ，Ｘma
   x ）（Ｙmin ，Ｙmax）を設定する座標レンジ設定手段
   と、 前記グラフィック表示画面の１ドット当たりの座標ピッ
   チ（Δｘ）（Δｙ）を算出する座標ピッチ算出手段と、 この座標ピッチ算出手段により算出された座標ピッチの
   値を指定した有効桁に丸める桁丸め手段と、 この桁丸め手段により更新された座標ピッチの値に応じ
   て前記グラフィック表示画面の座標レンジを計算して再
   設定する座標レンジ再設定手段と、 この座標レンジ再設定手段により再設定された座標レン
   ジに応じてグラフを表示するグラフ表示手段と、を具備
   したことを特徴とするグラフ表示装置。
2. 【請求項２】 グラフトレース指定手段と、 このグラフトレース指定手段によりトレース指定された
   際、前記グラフ表示手段により表示されたグラフ上の点
   をポイント表示すると共に、そのポイント座標の値を表
   示するグラフトレース手段と、をさらに備えたことを特
   徴とする請求項１記載のグラフ表示装置。
3. 【請求項３】 前記グラフトレース手段により表示すべ
   きグラフ上のポイント位置が前記グラフィック表示画面
   外となった場合、被表示ポイント位置に対応するグラフ
   ィック表示画面の辺にマーク表示する画面外トレース表
   示手段をさらに備えたことを特徴とする請求項２記載の
   グラフ表示装置。