JPH07145341A - コーティング組成物 - Google Patents

コーティング組成物

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JPH07145341A
JPH07145341A JP29159093A JP29159093A JPH07145341A JP H07145341 A JPH07145341 A JP H07145341A JP 29159093 A JP29159093 A JP 29159093A JP 29159093 A JP29159093 A JP 29159093A JP H07145341 A JPH07145341 A JP H07145341A
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JP29159093A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Katayama
哲也 片山
Sadahiko Shiragami
貞彦 白神
Hirotoshi Miyazaki
弘年 宮崎
Hitoshi Maruyama
均 丸山
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 塗工前の準備工程での水溶液安定性が良好
で、原紙へ塗工することにより、少ない塗布量で紙の表
面強度を上げ、印刷時の紙粉の発生防止、不透明度の向
上、およびすぐれた印刷適性を与え、さらにオフセット
印刷時に輪転機に粘着するのを防止するすぐれたコーテ
ィング組成物の開発。 【構成】 (a)ポリビニルアルコール,でんぷんおよ
びポリアクリルアミドから選ばれた少なくとも一種の表
面強度向上成分100重量部と、疎水性基とポリオキシ
アルキレン基を1分子内に有する少なくとも一種の剥離
剤成分1〜15重量部と、(c)ポリオキシアルキレン
基とイオン性基を1分子内に有する分散剤成分0.001
〜3重量部を主剤とするコーティング組成物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コーティング組成物、
特に紙用のコーティング剤に関する。さらに詳しくは、
紙をオフセット印刷する際に、紙がオフセット輸転機に
粘着したり、巻きついたりするトラブルを防止すること
のできるすぐれたコーティング組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、紙の市場において故紙の配合割合
が年々増加の傾向を辿っており、紙の品質の問題が大き
くクローズアップされてきている。特にオフセット印刷
時の紙粉発生の問題、さらには不透明度,表面強度,イ
ンキ着肉性等に問題が生じ、その対策が種々講じられて
いる。例えば内添サイズ剤の使用、パルプ構成などの原
質調整による改良、さらにはでん粉,ポリビニルアルコ
ール(以下、ポリビニルアルコールをPVAと略記する
ことがある)、ポリアクリルアミドなどをゲートロール
コーターで塗工する外添の方法が採用されている。これ
らのうち、オフセット印刷が一般的になり、一般紙,ス
ポーツ紙のカラー印刷が進んでいるなかですぐれた印刷
適性を与える外添方法が広く採用されてきている。
【0003】塗工剤としてのPVAは、各種バインダ
ー,接着剤あるいは表面処理糊剤として広く使用されて
おり、造膜性および強度において他の糊剤の追従を許さ
ぬすぐれた性能を有することが知られている。特に紙用
コーティング剤としては、紙の表面強度の向上、印刷適
性にすぐれた効果をあげている。一方、でん粉について
は、PVAよりも表面強度の向上効果が低いためにPV
Aの数倍の塗布量を必要とすることが多い。このような
紙表面にコーティング剤を塗布する外添方法による問題
点は、印刷時にオフセット印刷に使用される湿し水によ
り、紙に塗布されているコーティング剤であるポリマー
が糊化し、オフセット輸転機に粘着あるいは付着した
り、巻きついたりするトラブル(以下、“再湿接着”と
略称する)が発生することであった。また、でん粉やポ
リアクリルアミドについては、PVAと比較して同一塗
布量では“再湿接着”性はやや低いが、塗工紙の物性を
あげるためにPVAの数倍(2〜3倍)の塗布量を必要
としており、このような塗布量ではPVAと同様または
それ以上の“再湿接着”の問題を抱えることとなり、そ
の点はまだ解決されていない。これに対して少ない塗布
量で紙の表面強度をあげ、印刷時の紙粉防止、不透明度
の向上およびすぐれた印刷適性を与え、さらにオフセッ
ト印刷時に輪転機に粘着するのを防止しうるコーティン
グ組成物として、既に、PVAに特定のオキシエチレン
/オキシプロピレン比を有する化合物を添加する方法
(特開平5−59689号公報)、PVAあるいはでん
粉から選ばれる表面強度向上成分と、少なくとも1種の
ノニオン性化合物からなる剥離剤成分とからなる組成物
(特願平5−43887号明細書)、PVAあるいはで
ん粉から選ばれる表面強度向上成分100重量部に対し
て、特定の疎水性基とポリアルキレンオキサイド基を有
する化合物から選ばれた少なくとも1種の剥離剤成分1
〜15重量部からなるコーティング組成物(特願平4−
257738号明細書)が提案されているが、これらの
組成物はオフセット印刷時に輪転機に粘着するのを防止
する剥離剤として使用される化合物が水溶液の状態で安
定性に欠け、水溶液の状態で保存している際に液−液相
分離を起こし、剥離濃度むらが生じることがあるため、
塗工された紙のオフセット適性にばらつきを生じるとい
う欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、塗工前の準
備工程での水溶液安定性が良好で、原紙へ塗工すること
により、少ない塗布量で紙の表面強度を上げ、印刷時の
紙粉の発生防止、不透明度の向上、およびすぐれた印刷
適性を与え、さらにオフセット印刷時に輸転機に粘着す
るのを防止するすぐれたコーティング組成物を提供する
ことを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる現状
に鑑み、鋭意検討した結果、PVAと粘着抑制機能を有
する特定のアルキレンオキサイド付加物を配合してなる
組成物に、さらにイオン性基を有する特定のアルキレン
オキサイド付加物を添加した組成物が、原紙のコーティ
ング剤としてすぐれた性能を発揮し、上記問題を解決で
きることを見出した。本発明はかかる知見に基いて完成
したものである。すなわち本発明は、(a)ポリビニル
アルコール,でん粉およびポリアクリルアミドから選ば
れた少なくとも一種の表面強度向上成分100重量部
と、(b)下記一般式(I)〜(V)
【0006】
【化3】
【0007】〔ここで、R1 ,R3 ,R4 およびR5
それぞれ炭素数10〜24のアルキル基を示し、R2
水素またはメチル基を示す。nおよびmはそれぞれ1〜
10の範囲にありかつn+m=2〜20を満たす整数で
あり、pおよびqはそれぞれ0〜15の範囲にありかつ
p+q=2〜20を満たす整数であり、rは1〜15の
整数であり、sおよびtはそれぞれ1または2でありか
つs+t=3を満たす。また、Aは(CH2 CH2 O)
u を示し、Bは(CH(CH3)CH2 O)v を示し、X
は連結基を示す。なお、uおよびvは3〜100の整数
を示し、yは12〜120の整数を示す。〕のいずれか
で表される化合物から選ばれた少なくとも一種の剥離剤
成分1〜15重量部と、(c)下記一般式(VI)
【0008】
【化4】
【0009】〔ここで、R6 は炭素数6以上のアルキル
基またはアリール基を示し、R7 は水素またはメチル基
を示し、oは0〜40の整数を示し、Zはカルボン酸,
その塩,スルホン酸,その塩,リン酸,その塩,亜リン
酸,その塩,アミノ基,その塩あるいは第4級アンモニ
ウム塩を示す。〕で表される分散剤成分0.001〜3重
量部を主剤とするコーティング組成物を提供するもので
ある。
【0010】本発明のコーティング組成物は、前記のよ
うに(a),(b)および(c)成分を主剤とするもの
である。ここで(a)成分であるPVAは、様々な方法
で製造したものを用いることができるが、通常はポリビ
ニルエステルの加水分解あるいはアルコリシス(加アル
コール分解)によって製造されたものが充当される。こ
のポリビニルエステルには、ビニルエステルの単独重合
体、二種以上のビニルエステルの共重合体、およびビニ
ルエステルと他のエチレン性不飽和単量体との共重合体
などが含まれる。ここでビニルエステルとしては、ギ酸
ビニル,酢酸ビニル,プロピオン酸ビニル,バーサティ
ック酸ビニル,ピバリン酸ビニル等が使用できるが、な
かでも工業的に製造され安価な酢酸ビニルが好適に使用
される。本発明において(a)成分として使用するPV
Aは、他の単量体と共重合を行ってもよく、また連鎖移
動剤を使用してポリマー末端を修飾したものでもよい。
ビニルエステルと共重合可能なエチレン性不飽和単量体
としては、様々なものがあり、特に制限はないが、例え
ば、α−オレフィン,ハロゲン含有単量体,カルボン酸
含有単量体,(メタ)アクリル酸エステル,ビニルエー
テル,スルホン酸基含有単量体,アミド基含有単量体,
アミノ基含有単量体,第4級アンモニウム塩基含有単量
体,シリル基含有単量体,水酸基含有単量体,アセチル
基含有単量体等が挙げられる。
【0011】上記(a)成分としてのPVAは、その重
合度については特に制限はないが、通常は粘度平均重合
度200〜20000であり、好ましくは300〜50
00、さらに好ましくは500〜4000である。重合
度が200未満では塗工した新聞原紙の紙物性が充分に
改善されないことがある。なお、ここで粘度平均重合度
とは、JIS K−6726に準じて測定した値であ
る。また、このPVAのけん化度は、特に制限はない
が、通常は60〜100モル%、好ましくは80〜10
0モル%、さらに好ましくは94〜100モル%であ
る。けん化度は“再湿接着”と大きな相関があり、湿し
水が印刷インキとともに新聞塗工原紙に付与されるとけ
ん化度の低い方が湿し水によって糊化しやすい傾向にあ
る。したがって、高いけん化度のPVAが好ましく使用
される。
【0012】本発明に使用するでん粉は、加工されてい
ないコーンスターチ,馬鈴薯でん粉,タピオカでん粉,
小麦粉でん粉,さつまいもでん粉等の生でん粉、α化
(糊化すみ)でん粉,酸化でん粉,エステル化でん粉,
エーテル化でん粉,グラフトでん粉、カルボキシメチル
化でん粉等の加工でん粉のいずれでもよい。これらので
ん粉は、水または熱水に充分溶解し、紙に塗工した場合
に性能を向上させることが必要である。その意味から、
特に酸化でん粉が最もよく使用される。また、水溶液に
したときの溶液粘度は、特に限定はないが、50℃での
10%水溶液のB型粘度(ブルックフィールド粘度)は
2〜300センチポイズであり、5〜100センチポイ
ズであるのが好ましい。
【0013】また、本発明に(a)成分として使用しう
るポリアクリルアミドは、アクリルアミドの単独重合体
あるいはアクリルアミドを主成分とする共重合体であっ
てよい。これらのポリアクリルアミドの水溶液としたと
きの溶液粘度は、特に限定はないが、50℃での10%
水溶液のB型粘度は、通常、5〜1000センチポイズ
であり、10〜300センチポイズであるのが好まし
い。
【0014】次に、本発明のコーティング組成物におけ
る(b)成分は、上記一般式(I)〜(V)のいずれか
で表される化合物の一種または二種以上から構成され
る。この(b)成分は、組成物の“再湿接着”を抑制す
る成分であり、剥離剤あるいは粘着抑制剤等として機能
する。まず、一般式(I)で表される化合物は、高級脂
肪酸アミドのアルキレンオキサイド付加物であり、式中
のR1 は炭素数10〜24のアルキル基であり、好まし
くは炭素数14〜18のアルキル基である。このR1
炭素数10未満のアルキル基では、本発明の組成物の
“再湿接着”に対する剥離性能(つまり、粘着抑制能)
が失われ、逆に炭素数24を超えるアルキル基では、組
成物の剥離性能はよくなるが、塗工した紙物性、特に表
面強度,印刷時の紙粉防止の点で問題が生ずる。また式
中のR2 は水素原子またはメチル基であり、好ましくは
水素原子であるが、複数のR2 はそれぞれ同じであって
も異なるものであってもよい。つまり、アルキレンオキ
サイドの部分については、エチレンオキサイドあるいは
プロピレンオキサイドであるが、エチレンオキサイドと
プロピレンオキサイドとの共重合体であってもよい。ア
ルキレンオキサイド部分の重合度mおよびnは、それぞ
れ1〜10の整数である。このmまたはnが上記範囲外
では、(a)成分であるPVAや水との相溶性が不良に
なったり、“再湿接着”に対する性能(剥離性能、つま
り粘着抑制能)が発現しなかったりするため好ましくな
い。この一般式(I)で表される化合物の具体例として
は、C1123CON(CH 2 CH2 OH)・(CH2
2 OH),C1123CON(CH2 CH2 O)2H・
(CH2 CH2 OH),C1531CON(CH2 CH2
OH)・(CH2 CH 2 OH),C1531CON(CH
2 CH2 O)2H・(CH2 CH2 O)3H,C1735CO
N(CH2 CH2 O)2H・(CH2 CH2 O)3H,C17
35CON(CH2 CH2 O)3H・(CH2 CH2 O)4
H,C1735CON(CH(CH3)CH 2 O)2H・(C
2 CH2 O)4H等が挙げられる。
【0015】一般式(II)で表される化合物は、ポリオ
キシアルキレンアルキルアミン(アルキルアミンのアル
キレンオキサイド付加物)であり、式中のR3 は炭素数
10〜24のアルキル基、好ましくは炭素数14〜18
のアルキル基である。このR 3 が炭素数10未満のアル
キル基では、本発明の組成物の“再湿接着”に対する剥
離性が失われ、逆に炭素数24を超えるアルキル基で
は、組成物の剥離性能はよくなるが、塗工した紙物性、
特に表面強度,印刷時の紙粉防止の点で問題が生ずる。
また式中のR2 は前述したとおりであり、したがって一
般式(II)の化合物におけるアルキレンオキサイドの部
分については、エチレンオキサイドあるいはプロピレン
オキサイドであるが、エチレンオキサイドとプロピレン
オキサイドとの共重合体であってもよい。アルキレンオ
キサイド部分の重合度pおよびqは、それぞれ0〜15
の範囲にありかつp+q=2〜20を満たす整数であ
る。このpまたはqが上記範囲外では、(a)成分であ
るPVAや水との相溶性が不良になったり、“再湿接
着”に対する性能が発現しなかったりするため好ましく
ない。この一般式(II)で表される化合物の具体例とし
ては、C1225N(CH2 CH2 OH)・(CH2 CH
2 OH),C1225N(CH2 CH2 O)2H・(CH 2
CH2 OH),C1633N(CH2 CH2 OH)・(C
2 CH2 OH),C 1633N(CH2 CH2 O)2H・
(CH2 CH2 O)3H,C1837N(CH2 CH2 O)2
H・(CH2 CH2 O)3H,C1837N(CH2 CH2
O)3H・(CH 2 CH2 O)4H,C1837N(CH2
2 O)5H・(CH2 CH2 O)5H,C 1837N(CH
(CH3)CH2 O)2H・(CH2 CH2 O)4H等が挙げ
られる。なお、上記一般式(II)の化合物は、通常は上
述のようなモノアルキルアミンのジ(アルキレンオキサ
イド)付加物であるが、pおよびqのいずれかが0のと
きはジアルキルアミンのモノ(アルキレンオキサイド)
付加物となる。
【0016】一般式(III)で表される化合物は、高級脂
肪酸のアルキレンオキサイド付加物(高級脂肪酸にアル
キレンオキサイドを付加したエステル化合物)であり、
式中のR4 は、炭素数10〜24のアルキル基であり、
好ましくは炭素数14〜18のアルキル基である。この
4 が炭素数10未満のアルキル基では、本発明の組成
物の“再湿接着”に対する剥離性が失われ、逆に炭素数
24を超えるアルキル基では、組成物の剥離性能はよく
なるが、塗工した紙物性、特に表面強度,印刷時の紙粉
防止の点で問題が生ずる。また式中のR2 は前述したと
おりであり、したがって一般式(III)の化合物における
アルキレンオキサイドの部分については、エチレンオキ
サイドあるいはプロピレンオキサイドであるが、エチレ
ンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合体であ
ってもよい。アルキレンオキサイド部分の重合度rは、
1〜15の整数である。このrが上記範囲外では、
(a)成分であるPVAや水との相溶性が不良になった
り、“再湿接着”に対する性能が発現しなかったりする
ため好ましくない。この一般式(III)で表される化合物
の具体例としては、C1123COO(CH 2 CH2 O)3
H,C1123COO(CH2 CH2 O)5H,C1531
OO(CH 2 CH2 O)5H,C1531COO(CH2
2 O)7H,C1531COO(CH(CH3)CH2 O)8
(CH2 CH2 O)4H,C1735COO(CH2 CH2
O)3H,C1735COO(CH2 CH2 O)5H,C17
35COO(CH2 CH2 O)7H,C1735COO(CH
2 CH2 O)10 H等が挙げられる。
【0017】一般式(IV)で表される化合物は、アルキ
ル基含有リン酸エステルと一般式(II)のポリオキシア
ルキレンアルキルアミンの塩であり、式中のR5 は、炭
素数10〜24のアルキル基であり、好ましくは炭素数
14〜18のアルキル基である。このR5 が炭素数10
未満のアルキル基では、本発明の組成物の“再湿接着”
に対する剥離性が失われ、逆に炭素数24を超えるアル
キル基では、組成物の剥離性能はよくなるが、塗工した
紙物性、特に表面強度,印刷時の紙粉防止の点で問題が
生ずる。また、sおよびtはそれぞれ1または2であり
かつs+t=3を満たす。なお、上記一般式(IV)の化
合物におけるポリオキシアルキレンアルキルアミン部分
のR2 ,pおよびqは、前述した一般式(II)の化合物
の場合と同様である。この一般式(IV)の化合物におい
て、アルキル基含有リン酸エステル部分とポリオキシア
ルキレンアルキルアミン部分の割合は、特に限定はない
が、酸塩基当量点前後が好ましい。またこの一般式(IV)
の化合物は、1重量%の水溶液または分散液のpHが6.
5〜8.5であることが好ましい。上記一般式(IV)で表さ
れる化合物の具体例としては、(C1225O)P(O)
(OH)2・C1837N(CH2 CH2 O)2H(CH2
2 O)3H,(C1837O)P(O)(OH)2・C12
25N(CH2 CH2 O)2H(CH2 CH2 O)3H等が挙
げられる。
【0018】さらに、一般式(V)で表される化合物
は、エチレンオキサイド単位をA、プロピレンオキサイ
ド単位をBとしたときに、A−B,A−B−X−B−
A,(A−B)y −X,A−X−B,A−X−B−X−
A,B−X−A−X−Bの構成のブロックポリマーであ
る。また、場合によってはA−(A−)X−B,A−X
−B(−B)のように連結基Xに単位Aまたは単位Bが
複数個結合したブロックポリマーも使用可能である。上
記式中、yは12〜120の整数を示す。ここで単位A
の重合度uは3〜100、好ましくは3〜30、より好
ましくは5〜20の整数であり、単位Bの重合度vは1
0〜120、好ましくは20〜80、より好ましくは2
0〜60の整数である。また、単位Aの重量を単位Bの
重量で割った値A/Bが0.05〜0.15であるのが好ま
しい。この範囲を外れると再湿接着力が増大して好まし
くない。ここで、Xは単位A,Bをつなぐ連結基であ
り、エチレングリコール,プロピレングリコール,グリ
セリン,ジエチレングリコール,ジプロピレングリコー
ル,ジグリセリンなどの多価アルコール類に由来する
基、あるいはアミンや多価アミン類に由来する基などが
挙げられる。また、上記一般式(V)の化合物におい
て、X基は特に無くてもよく、直接、単位Aと単位Bが
結合していてもよい。上記一般式(V)で表される化合
物の分子量は、500〜5000であるのが好ましく、
1000〜3000であるのがより好ましい。上記一般
式(V)で表される化合物の具体例としては、(CH
(CH3)CH2O)40 −X−(CH2 CH2 O)5H(X
はジグリセリンによる連結基),HO(CH2 CH
2 O)2・(CH(CH3)CH2 O)34 ・(CH2 CH2
O)3H,HO(CH2 CH2 O)10 ・(CH(CH3)C
2 O)34 ・(CH2 CH2 O)10 H,HO(CH2
2 O)8・(CH(CH3)CH2 O)17 ・(CH2 CH
2 O)8H,HO(CH2 CH2 O)2・(CH(CH3)C
2 O)34 ・(CH2 CH2 O)3H等が挙げられる。
【0019】これらの一般式(I)〜(V)で表される
化合物は、通常はいずれも一つの構造式を有する単一の
化合物ではなく、炭素数の異なる数種のアルキル基を含
んだり、アルキレンオキサイド部分の重合度が均一でな
く、ある重合度の分布を持つ混合物がほとんどである。
そのため本発明の(b)成分は、同一種類の中の単独も
しくは数種の混合物または異種間の化合物の混合物を使
用することができる。なお、この(b)成分のなかで
は、特に一般式(II),(IV)あるいは(V)で表され
る化合物が好ましく、とりわけ一般式(V)で表される
化合物が好ましい。上記(b)成分に相当する剥離剤あ
るいは粘着抑制剤等として、この(b)成分の代わりに
他の成分、例えばパラフィンワックス,動植物ワック
ス,微晶ワックス,ペトロラタムなどのワックスやその
エマルジョン、または高級脂肪酸アミドや高級脂肪酸の
グリセライド,シリコン系剥離剤,フッ素系の剥離剤な
どを使用しても、“再湿接着”に対する性能は得られて
も、塗布した紙物性の向上が全く発現しなかったり、原
紙に塗工する際、相分離したり、発泡したり、ロールに
筋やムラが生じたりするなど、工程上の問題点が多く発
生し、本発明の目的を達成することができない。
【0020】本発明のコーティング組成物においては、
(a)成分であるPVA100重量部に対して、上記
(b)成分を1〜15重量部、好ましくは2〜5重量部
の割合で配合する。(b)成分の配合割合が1部未満で
は、“再湿接着”に対する性能が充分でなく、オフセッ
ト輪転機への粘着,巻き付きが生じる可能性があり好ま
しくない。また15重量部を超えると、塗工紙の紙物性
の改善に問題があり、表面強度,紙粉対策,印刷適性の
低下につながり望ましくない。
【0021】本発明のコーティング組成物は、さらに
(c)成分として上記一般式(VI)で表される化合物を
含む。(c)成分は、分散剤として機能するものであ
り、1分子中にノニオン成分であるアルキレンオキサイ
ド部分とイオン性基部分を共に有している活性剤であ
る。ここでR6 は、炭素数6以上のアルキル基またはア
リール基を示し、好ましくは炭素数8〜20のアルキル
基あるいは炭素数6〜18のアリール基である。またo
で示されるアルキレンオキサイド単位の繰り返し数は0
〜40、好ましくは1〜30、より好ましくは2〜20
である。さらに、Zで示されるイオン性基としては、カ
ルボン酸,その塩,スルホン酸,その塩,リン酸,その
塩,亜リン酸,その塩,アミノ基,その塩あるいは第4
級アンモニウム塩が挙げられる。R6 が炭素数5以下の
アルキル基であってもPVAに対して10%といった大
量使用すると水溶液安定性は向上できるが、塗工紙の短
時間での吸水性が大きくなり、オフセット印刷時の紙表
面強度が低下したり、オフセットインキ中への湿し水の
乳化量が増大し、オフセット印刷時いわゆる水負けを起
こしたりすることがあるので、使用できない。oで示さ
れるアルキレンオキサイド単位の繰り返し数は0であっ
ても水溶液安定性は向上できる。しかしながら、表面強
度向上成分(a)に対して少量の分散剤(c)使用量で
分散安定化効果を得るには、アルキレンオキサイド単位
の繰り返し数が1以上であるのが好ましく、さらにより
好ましいアルキレンオキサイド単位の繰り返し数は3以
上である。また、oで示されるアルキレンオキサイド単
位の繰り返し単位数が40より多い分散剤を使用する
と、水溶液安定性は良好であるが、塗工紙の短時間での
吸水性が大きくなり、オフセット印刷時の紙表面強度が
低下したり、オフセットインキ中への湿し水の乳化量が
増大し、オフセット印刷時いわゆる水負けを起こしたり
することがあるので、使用できない。さらに、Zで示さ
れるイオン性基が存在しないと、水溶液安定性は向上し
ない。(c)成分は、(a)成分である上記の表面強度
向上成分100重量部に対して0.001〜3重量部の割
合で配合される。(c)成分の配合量が0.001重量部
未満であると“再湿接着”に対する性能が充分でなく、
オフセット輪転機への粘着,巻き付きが生じる可能性が
あり好ましくない。また、この配合割合が3重量部を越
えると、水溶液安定性は良好なままだが、塗工紙の短時
間での吸水性が大きくなり、オフセット印刷時の紙表面
強度が低下したり、オフセットインキ中への湿し水の乳
化量が増大し、オフセット印刷時いわゆる水負けを起こ
したりすることがある。
【0022】本発明のコーティング組成物を調製するに
あたっては、その調製法は特に制限はないが、PVA,
でん粉およびポリアクリルアミドから選ばれた一種又は
二種以上の表面強度向上成分(a)の粉末を上記(b)
成分および(c)成分と混合する方法、PVA,でん粉
およびポリアクリルアミドから選ばれた一種又は二種以
上の表面強度向上成分の水溶液を調製した後、(b)成
分および(c)成分を投入混合する方法など種々の方法
を採用することができる。
【0023】本発明のコーティング組成物を原紙に塗工
する方法についても、特に制限はなく、従来公知の各種
方法によればよいが、通常は、本発明のコーティング組
成物の0.2〜10%水溶液をゲートロールコーターで塗
布する方法が採用される。原紙への本発明の組成物の塗
布量は、各種状況により異なるが、通常は片面で0.01
〜5g/m2 、好ましくは0.05〜2g/m2 である。
【0024】本発明のコーティング組成物は、上述の如
く(a)成分であるPVA,でん粉およびポリアクリル
アミドから選ばれた少なくとも一種の表面強度向上成
分、(b)成分である上記一般式(I)〜(V)のいず
れかで表される剥離剤および(c)成分である上記一般
式(VI)で表される分散剤を含んでいることが必須の条
件であるが、それ以外にも溶媒,各種添加剤,他の水溶
性樹脂あるいは高分子水性分散体等を含有することがで
きる。溶媒としては水が好ましく用いられるが、これに
各種アルコール,ケトン,ジメチルホルムアミド,ジメ
チルスルホキシドなどの溶媒を併用することもできる。
また、添加剤としては、各種消泡剤,各種防カビ剤,各
種防腐剤,pH調節剤などが挙げられる。水溶性樹脂と
しては、カルボキシメチルセルロース,ヒドロキシエチ
ルセルロースなどのセルロース誘導体、その他アクリル
系重合体、ピロリドン基含有重合体があり、高分子水性
分散体としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマル
ジョンなどの各種分散体、さらに無機顔料としてはホワ
イトカーボン,クレー,炭酸カルシウムなどがあり、こ
れらを本発明に支障のない範囲で添加することができ
る。
【0025】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明する。なお、実施例中、特に断りのないかぎり
「%」および「部」は重量基準を表わす。 〔塗工紙の再湿接着後の剥離強度の測定方法〕各実施例
および比較例に記載した割合で(a)表面強度向上成
分,(b)剥離剤成分および(c)分散剤成分を含む水
溶液を作製し、坪量43.3g/m2 ,厚さ61μm,密
度0.71g/cm3 の原紙に、コーティング剤を試験用
ゲートロールコーター(熊谷理機工業(株)製)で片面
に所定量塗布した後、80℃のロータリードライヤーで
1分間乾燥した。次いで、塗工面に水を含んだスポンジ
ロールで、約50g/m2 の水を表面に塗布し、水を塗
布していない別の塗工紙を塗布面どうし合わせて、50
0g/cm2 の圧力で10分間圧締した。20℃,65
%RHで約2時間風乾後、オートグラフでT型剥離強度
を引張速度100mm/minで測定し、“再湿接着”
に対する評価とした。さらに、塗工液の安定性の評価と
して、これに使用した液を50℃で3日間静置した後、
サイホンを用いて中層の液を静かに取り出し、同様の方
法で再湿接着力を評価し、この再湿接着力を溶液調製直
後の再湿接着力で割った値が2以上と大きく変わってい
る場合は、剥離剤の液中の分布にむらがあるとして塗工
液の安定性が不良であると評価した。
【0026】〔塗工紙の表面強度の測定方法〕再湿接着
後の剥離強度測定用に塗工した紙を20℃,65%RH
の恒温恒湿室内にて1週間調湿した後、20℃,65%
RHの恒温恒湿室内にてIGT印刷適性試験機によりビ
ッキングオイルM,印圧35kg/cm,スプリングド
ライブMにより測定した。この数値が大きいほど表面強
度が高いものである。 〔塗工紙のオフセット適性評価方法〕各実施例および比
較例に記した(a)表面強度向上成分,(b)剥離剤成
分および(c)分散剤成分を用いて濃度0.01%の水溶
液を作製し、水溶液とオフセットインキを1:1の重量
比で混合し、10分間よく攪拌した後、インキ相の含水
率を測定し、含水率15〜35%の範囲を合格、35%
より大きくなると不合格とした。 〔塗工液の安定性(剥離剤分布測定方法)〕各実施例及
び比較例のうちいくつかについて例示のコーティング剤
の濃度4%の水溶液を作製し、50℃で3日間静置した
後、上層,中層及び下層の液を取り出し、NMRにより
溶液中に存在するPVAと剥離剤の比率を測定し、、剥
離剤の各層での分布むらを評価し、最も剥離剤の少ない
層の剥離剤濃度を仕込み剥離剤濃度で割った値が0.9以
上である場合を良好(表には○で示す。)、それ以下を
不良(表には×で示す。)と評価した。
【0027】実施例1 (a)成分として、粘度平均重合度1750,けん化度
99.6モル%のPVA100部,(b)成分としてジグ
リセリンとポリプロピレンオキサイドとポリエチレンオ
キサイドとの付加物(CH(CH3)CH2 O)40 ─X−
(CH2 CH2O)5 H(ここでXはジグリセリンによ
る連結基)5部および分散剤としてC1225−O−(C
2 CH2 O)4−SO3 Na 0.05部を粉末で混合し
た後、攪拌下に水に投入し加熱溶解して3%水溶液を作
成した。この溶液を用いて原紙にゲートロールコーター
で塗工し、塗布量0.4g/m2 (片面)の塗工紙を得
た。この塗工紙の“再湿接着”、溶液安定性の評価とし
て上記測定法により液調製直後および3日静置後の剥離
強度を測定したところ、液調製直後および3日静置後の
いずれも良好で再湿接着性と溶液安定性は良好であると
結論した。さらに、この塗工紙の表面強度をIGT表面
強度で測定し紙剥げ開始速度で評価したところ250c
m/secと良好であった。また、この組成の溶液のオ
フセット適性を評価したところ、インキ相の含水率は2
2%で良好であった。以上の結果を第1表に示した。本
発明のコーティング組成物は、水溶液安定性が良好で塗
工した紙の表面強度を上げ、さらには湿し水を付与した
ときの粘着強度,接着性を大きく低減し、オフセット印
刷適性も良好であることが分かる。
【0028】実施例2 実施例1で使用したPVAの代わりに粘度平均重合度1
750,けん化度98.7モル%のPVAを用い、(c)
成分としてステアリルアミンのポリエチレンオキサイド
付加物C9 19−O−(CH2 CH2 O)10SO3 Na
0.5部を用いた以外は、実施例1と同様にして塗工
紙を得、剥離強度,表面強度,オフセット印刷適性など
を評価した。結果を第1表に示す。
【0029】実施例3 実施例1で使用したPVAの代わりに酸化でん粉(日本
食品加工株式会社製KS−3800、10%水溶液の5
0℃におけるB型粘度17センチポイズ)を用い、塗布
量1g/m2 (片面)とした以外は、実施例1と同様に
して塗工紙を得、剥離強度,表面強度,オフセット印刷
適性などを評価した。結果を第1表に示す。
【0030】実施例4 実施例1で使用したPVAの代わりに市販のポリアクリ
ルアミド(星光化学工業株式会社製X−コートP−18
0S)を用い、塗布量1g/m2 (片面)とした以外
は、実施例1と同様にして塗工紙を得、剥離強度,表面
強度,オフセット印刷適性などを評価した。結果を第1
表に示す。
【0031】実施例5 実施例1で使用した剥離剤の代わりにエチレンオキサイ
ドとプロピレンオキサイドのブロック共重合体H(OC
2 CH2 2 ・(CH(CH3)CH2 O)34・(CH
2 CH2 O)3Hを10部用い、分散剤を0.1部とした以
外は、実施例1と同様にして塗工紙を得、剥離強度,表
面強度,オフセット印刷適性などを評価した。結果を第
1表に示す。
【0032】実施例6 実施例1で用いたPVA100部と剥離剤3部および分
散剤0.03部を用いた以外は、実施例1と同様にして塗
工紙を得、剥離強度,表面強度,オフセット印刷適性な
どを評価した。結果を第1表に示す。
【0033】比較例1〜4 実施例1〜4にそれぞれ使用した表面強度向上成分のみ
を用い、剥離剤および分散剤を使用しなかったこと以外
は、実施例1〜4とそれぞれ同様にして、塗工紙を得、
剥離強度,表面強度,オフセット印刷適性などを評価し
た。結果を第2表に示す。紙の表面強度は良好である
が、剥離強度が非常に大きく“再湿接着”が大きいこと
がわかる。
【0034】実施例7 粘度平均重合度1750,けん化度99.6モル%のPV
A100部と、剥離剤としてステアリン酸アミドのポリ
エチレンオキサイド付加物C1735CON(CH2 CH
2 O) m H・(CH2 CH2 O) n H(ここで、m+n
=5)5部と、分散剤としてC1225−O−(CH2
2 O)4−SO3 Na 0.05部を粉末で混合した後、
攪拌下に水に投入し加熱溶解して3%水溶液を作成し
た。この溶液を用いて原紙にゲートロールコーターで塗
工し、塗布量0.4g/m2 (片面)の塗工紙を得た。こ
の塗工紙の“再湿接着”、溶液安定性の評価として上記
測定法により液調製直後および3日静置後の剥離強度を
測定したところ、液調製直後および3日静置後のいずれ
も良好で再湿接着性と溶液安定性は良好であると結論し
た。また、この組成の溶液のオフセット適性を評価した
ところ、インキ相の含水率は24%で良好であった。さ
らに、この塗工紙の表面強度をIGT表面強度で測定し
紙剥げ開始速度で評価した(インキ:M、速度B)とこ
ろ250cm/secと良好であった。以上の結果を第
3表に示した。また、ゲートロールコーターで塗工する
際の、溶液の相分離製および発泡性について目視で評価
したところ良好であった。以上の結果から、本発明のコ
ーティング組成物は、水溶液安定性が良好で塗工した紙
の表面強度を上げ、さらには湿し水を付与したときの粘
着,接着性を大きく低減し、オフセット印刷適性も良好
であることが分かる。
【0035】実施例8 (a)成分として粘度平均重合度1750,けん化度9
8.7モル%のPVAを100部用い、(b)成分として
ステアリルアミンのポリエチレンオキサイド付加物C18
37N(CH2 CH2 O)p H・(CH2 CH2 O)q
H(ここでp+q=5)を10部用い、(c)成分とし
てC9 19−C6 4 −O−(CH2 CH2 O)10 −S
3 Na 0.1部を用いた以外は、実施例7と同様にし
て水溶液安定性,剥離強度,表面強度,オフセット印刷
適性を評価した。結果を第3表に示した。
【0036】実施例9 実施例8で使用した(b)成分の代わりにステアリン酸
プロピレンオキサイド、ポリエチレンオキサイド共重合
付加物 C1837COO(CH(CH3)CH2O)8
(CH2 CH2 O)4Hを用いた以外は、実施例7と同様
にして水溶液安定性,剥離強度,表面強度,オフセット
印刷適性を評価した。結果を第3表に示した。
【0037】実施例10 (a)成分として実施例8で用いたPVAを用い、
(b)成分としてセチルホスフェートとステアリルアミ
ンのポリエチレンオキサイド付加物との塩(C16
33O)P(O)(OH)2・C1837N(CH2 CH
2 O)p H・(CH2 CH2O)q H(ここでp+q=
5)を用いた他は、実施例7と同様にして水溶液安定
性,剥離強度,表面強度,オフセット印刷適性を評価し
た。結果を第3表に示した。
【0038】比較例5 実施例7で使用したPVAおよび剥離剤のみを用い、分
散剤を使用しなかったこと以外は、実施例7と同様にし
て水溶液安定性,剥離強度,表面強度,オフセット印刷
適性を評価した。結果を第4表に示した。紙の表面強度
および剥離強度は良好であるが、水溶液安定性が悪い。
また、水溶液安定性を評価した中層液を用いて塗工した
紙の剥離強度を測定したところ、大きく相分離が発生す
ると“再湿接着”が大きくなることが分かる。
【0039】比較例6 分散剤としてC1225−O−(CH2 CH2 O)4−SO
3 Na 0.0005部を用いた以外は、実施例7と同様
にして水溶液安定性,剥離強度,表面強度,オフセット
印刷適性を評価した。結果を第4表に示した。紙の表面
強度および剥離強度は良好であるが、水溶液安定性が悪
い。また、水溶液安定性を評価した中層液を用いて塗工
した紙の剥離強度を測定したところ、大きく相分離が発
生すると“再湿接着”が大きくなることが分かる。
【0040】比較例7 実施例7で使用したPVA,剥離剤および分散剤を用
い、分散剤を5部使用した以外は、実施例7と同様にし
て水溶液安定性,剥離強度,表面強度,オフセット印刷
適性を評価した。結果を第4表に示した。水溶液安定
性,紙の表面強度および剥離強度は良好であるが、オフ
セット印刷適性が悪くなる。
【0041】比較例8 実施例4で使用したポリアクリルアミドおよび実施例7
で使用した剥離剤のみを用い、分散剤を使用しなかった
こと以外は、実施例7と同様にして水溶液安定性,剥離
強度,表面強度,オフセット印刷適性を評価した。結果
を第4表に示した。紙の表面強度および剥離強度は良好
であるが、水溶液安定性が悪い。また、水溶液安定性を
評価した中層液を用いて塗工した紙の剥離強度を測定し
たところ、大きく相分離が発生すると“再湿接着”が大
きくなることが分かる。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】
【表4】
【0046】
【表5】
【0047】
【表6】
【0048】
【表7】
【0049】
【表8】
【0050】
【表9】
【0051】
【表10】
【0052】
【表11】
【0053】なお、表中の記号は、下記の意味を示す。 EO=エチレンオキサイド PO=プロピレンオキサイド X =ジグリセリン
【0054】
【発明の効果】以上のように、本発明のコーティング組
成物は、塗工前の準備工程での水溶液安定性が良好で、
原紙に塗工することにより、オフセットインキへの水の
乳化混入傾向を変えることなく、少ない塗布量で紙の表
面強度を上げ、印刷時の紙粉発生を効果的に防止するこ
とにより優れた印刷適性を与え、さらにオフセット印刷
時に輪転機に粘着したり、巻きついたりするトラブルを
防止することができ、すぐれた印刷適性を付与すること
ができる。したがって、本発明のコーティング組成物
は、工業的価値が極めて高いものであり、その利用価値
は高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D21H 19/60 (72)発明者 丸山 均 大阪府大阪市北区梅田1丁目12番39号 株 式会社クラレ内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)ポリビニルアルコール,でん粉お
    よびポリアクリルアミドから選ばれた少なくとも一種の
    表面強度向上成分100重量部と、(b)下記一般式
    (I)〜(V) 【化1】 〔ここで、R1 ,R3 ,R4 およびR5 はそれぞれ炭素
    数10〜24のアルキル基を示し、R2 は水素またはメ
    チル基を示す。nおよびmはそれぞれ1〜10の範囲に
    ありかつn+m=2〜20を満たす整数であり、pおよ
    びqはそれぞれ0〜15の範囲にありかつp+q=2〜
    20を満たす整数であり、rは1〜15の整数であり、
    sおよびtはそれぞれ1または2でありかつs+t=3
    を満たす。また、Aは(CH2 CH2 O)u を示し、B
    は(CH(CH3)CH2 O)v を示し、Xは連結基を示
    す。なお、uおよびvは3〜100の整数を示し、yは
    12〜120の整数を示す。〕のいずれかで表される化
    合物から選ばれた少なくとも一種の剥離剤成分1〜15
    重量部と、(c)下記一般式(VI) 【化2】 〔ここで、R6 は炭素数6以上のアルキル基またはアリ
    ール基を示し、R7 は水素またはメチル基を示し、oは
    0〜40の整数を示し、Zはカルボン酸,その塩,スル
    ホン酸,その塩,リン酸,その塩,亜リン酸,その塩,
    アミノ基,その塩あるいは第4級アンモニウム塩を示
    す。〕で表される分散剤成分0.001〜3重量部を主剤
    とするコーティング組成物。
  2. 【請求項2】 一般式(V)のブロックポリマーにおい
    て、A/Bが重量比で0.05〜0.15である請求項1記
    載のコーティング組成物。
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