JPH07145297A - 塩化ビニル系樹脂組成物 - Google Patents
塩化ビニル系樹脂組成物Info
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- JPH07145297A JPH07145297A JP29555193A JP29555193A JPH07145297A JP H07145297 A JPH07145297 A JP H07145297A JP 29555193 A JP29555193 A JP 29555193A JP 29555193 A JP29555193 A JP 29555193A JP H07145297 A JPH07145297 A JP H07145297A
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- Japan
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- vinyl chloride
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- ethylene
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 航空機用等の内部材として使用し得る難燃
性、発煙性及び燃焼時の低毒性を有し、しかも加工性、
耐衝撃性にも優れた塩化ビニル系樹脂組成物を提供す
る。 【構成】 エチレン−酢酸ビニル共重合体に塩化ビニル
モノマーがグラフト共重合されてエチレン、酢酸ビニル
及び塩化ビニルの重量比が２．０／１．０／９７〜２５
／２０／５５である塩化ビニル系グラフト共重合体、エ
チレン及び塩化ビニルの重量比が１．０／９９．０〜１
０．０／９０．０のエチレン−塩化ビニル共重合体樹
脂、及び、塩素含有量が５０〜７１重量％の塩化ビニル
系樹脂からなる群より選択される１種１００重量部、並
びに、水酸化マグネシウム、ハイドロタルサイト、酸化
アンチモン化合物、モリブデン化合物及び臭素系化合物
よりなる群から選択される１種以上の化合物５０〜１２
０重量部からなる塩化ビニル系樹脂組成物。
性、発煙性及び燃焼時の低毒性を有し、しかも加工性、
耐衝撃性にも優れた塩化ビニル系樹脂組成物を提供す
る。 【構成】 エチレン−酢酸ビニル共重合体に塩化ビニル
モノマーがグラフト共重合されてエチレン、酢酸ビニル
及び塩化ビニルの重量比が２．０／１．０／９７〜２５
／２０／５５である塩化ビニル系グラフト共重合体、エ
チレン及び塩化ビニルの重量比が１．０／９９．０〜１
０．０／９０．０のエチレン−塩化ビニル共重合体樹
脂、及び、塩素含有量が５０〜７１重量％の塩化ビニル
系樹脂からなる群より選択される１種１００重量部、並
びに、水酸化マグネシウム、ハイドロタルサイト、酸化
アンチモン化合物、モリブデン化合物及び臭素系化合物
よりなる群から選択される１種以上の化合物５０〜１２
０重量部からなる塩化ビニル系樹脂組成物。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、難燃性、低発煙性及び
低発熱性に優れ、かつ加工性、耐衝撃性にも優れた塩化
ビニル樹脂系組成物に関する。
低発熱性に優れ、かつ加工性、耐衝撃性にも優れた塩化
ビニル樹脂系組成物に関する。
【０００２】
【従来の技術】本来、塩化ビニル樹脂は難燃性の素材と
して使用されているが、近年、使用目的の多様化と高度
化から低発熱性かつ低発煙性を有するものへの要求が高
まり、塩化ビニル樹脂単独の性能に難燃剤、低発煙剤を
添加し又は樹脂の難燃性向上のための種々の方法が提案
されている。
して使用されているが、近年、使用目的の多様化と高度
化から低発熱性かつ低発煙性を有するものへの要求が高
まり、塩化ビニル樹脂単独の性能に難燃剤、低発煙剤を
添加し又は樹脂の難燃性向上のための種々の方法が提案
されている。
【０００３】上記難燃性塩化ビニル系樹脂組成物として
は、例えば、特公昭５６−５２６１号公報には難燃剤と
可塑剤を添加した軟質塩化ビニル系樹脂組成物が開示さ
れ、特開昭５３−１０５５５４号公報にはアルミナ三水
和物及び次炭酸ビスマスを含有する塩化ビニル系樹脂組
成物が開示され、また特開平１−２０４９４２号公報に
はリン系難燃材を添加した硬質塩化ビニル系樹脂組成物
が開示されている。しかしながら、これらの技術では、
例えば、現在の航空機等への部材の難燃基準に達する程
度の難燃性は得られていないのが現状である。
は、例えば、特公昭５６−５２６１号公報には難燃剤と
可塑剤を添加した軟質塩化ビニル系樹脂組成物が開示さ
れ、特開昭５３−１０５５５４号公報にはアルミナ三水
和物及び次炭酸ビスマスを含有する塩化ビニル系樹脂組
成物が開示され、また特開平１−２０４９４２号公報に
はリン系難燃材を添加した硬質塩化ビニル系樹脂組成物
が開示されている。しかしながら、これらの技術では、
例えば、現在の航空機等への部材の難燃基準に達する程
度の難燃性は得られていないのが現状である。
【０００４】ところで、塩化ビニル系樹脂を燃焼した場
合には塩化水素が発生し、これが環境に与える影響が問
題視されてより、自動車部材、航空機部材として使用し
た場合の事故時等の有毒ガス発生の問題の解決が強く望
まれている。
合には塩化水素が発生し、これが環境に与える影響が問
題視されてより、自動車部材、航空機部材として使用し
た場合の事故時等の有毒ガス発生の問題の解決が強く望
まれている。
【０００５】一般に塩化ビニル系樹脂に炭酸カルシウム
等の無機系充填剤を多量に添加すると、燃焼時の塩化水
素発生量は抑制されるが、耐衝撃性等の機械物性低下が
著しいことが知られている。つまり、難燃性、低発煙
性、及び発生塩化水素量を満足させるために添加する無
機又は有機系難燃剤が、塩化ビニル系樹脂の耐衝撃性を
低下させ、また耐衝撃性を向上させるために添加するア
クリル系及びＭＢＳ系等の強化剤が、難燃性を低下させ
る等の問題があるために、両物性ともに満足させること
ができなかったのである。
等の無機系充填剤を多量に添加すると、燃焼時の塩化水
素発生量は抑制されるが、耐衝撃性等の機械物性低下が
著しいことが知られている。つまり、難燃性、低発煙
性、及び発生塩化水素量を満足させるために添加する無
機又は有機系難燃剤が、塩化ビニル系樹脂の耐衝撃性を
低下させ、また耐衝撃性を向上させるために添加するア
クリル系及びＭＢＳ系等の強化剤が、難燃性を低下させ
る等の問題があるために、両物性ともに満足させること
ができなかったのである。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、航空機用等の内部材として使用し得る難燃性、発煙
性及び燃焼時の低毒性を有し、しかも加工性、耐衝撃性
にも優れた塩化ビニル系樹脂組成物を提供することを目
的とする。
み、航空機用等の内部材として使用し得る難燃性、発煙
性及び燃焼時の低毒性を有し、しかも加工性、耐衝撃性
にも優れた塩化ビニル系樹脂組成物を提供することを目
的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、特定組
成の塩化ビニル系グラフト共重合体樹脂に、一定量の難
燃剤を含有させてなる塩化ビニル系樹脂組成物にある。
以下、本発明を詳述する。
成の塩化ビニル系グラフト共重合体樹脂に、一定量の難
燃剤を含有させてなる塩化ビニル系樹脂組成物にある。
以下、本発明を詳述する。
【０００８】本発明においては、塩化ビニル系グラフト
共重合体が用いられる。塩化ビニル系グラフト共重合体
は、エチレン−酢酸ビニル共重合体に塩化ビニルモノマ
ーがグラフト共重合されたものである。
共重合体が用いられる。塩化ビニル系グラフト共重合体
は、エチレン−酢酸ビニル共重合体に塩化ビニルモノマ
ーがグラフト共重合されたものである。
【０００９】上記塩化ビニル系グラフト共重合体に含有
されるエチレン、酢酸ビニル及び塩化ビニルの重量比
は、２．０／１．０／９７〜２５／２０／５５の範囲で
ある。上記比率をはずれると本発明の塩化ビニル系樹脂
組成物から得られる成形品の難燃性、機械特性、耐熱性
等のバランスが悪くなり、本発明の目的を達成すること
ができないので、上記範囲に限定される。より好ましく
は、５．０／２．０／９３〜１０／６／８４である。
されるエチレン、酢酸ビニル及び塩化ビニルの重量比
は、２．０／１．０／９７〜２５／２０／５５の範囲で
ある。上記比率をはずれると本発明の塩化ビニル系樹脂
組成物から得られる成形品の難燃性、機械特性、耐熱性
等のバランスが悪くなり、本発明の目的を達成すること
ができないので、上記範囲に限定される。より好ましく
は、５．０／２．０／９３〜１０／６／８４である。
【００１０】上記塩化ビニル系グラフト共重合体の重合
は、通常のラジカル重合法で重合されたエチレン−酢酸
ビニル共重合体に、ラジカル重合開始剤、分散剤、塩化
ビニルモノマー等を添加し、水中で行う通常の懸濁重合
法が特に好ましい。上記塩化ビニル系グラフト共重合体
の重合度は、特に限定されないが、成形性及び機械特性
の関係から５００〜１３００が好ましい。
は、通常のラジカル重合法で重合されたエチレン−酢酸
ビニル共重合体に、ラジカル重合開始剤、分散剤、塩化
ビニルモノマー等を添加し、水中で行う通常の懸濁重合
法が特に好ましい。上記塩化ビニル系グラフト共重合体
の重合度は、特に限定されないが、成形性及び機械特性
の関係から５００〜１３００が好ましい。
【００１１】本発明においては、水酸化マグネシウム、
ハイドロタルサイト、酸化アンチモン化合物、モリブデ
ン化合物及び臭素系化合物よりなる群から選択される１
種以上の難燃剤が用いられる。上記難燃剤の添加量は５
〜１２０重量部である。添加量が少なすぎると難燃性に
対する効果が小さくなり、多すぎると成形性の低下及び
衝撃性の低下等の諸問題が発生するため、上記範囲に限
定される。
ハイドロタルサイト、酸化アンチモン化合物、モリブデ
ン化合物及び臭素系化合物よりなる群から選択される１
種以上の難燃剤が用いられる。上記難燃剤の添加量は５
〜１２０重量部である。添加量が少なすぎると難燃性に
対する効果が小さくなり、多すぎると成形性の低下及び
衝撃性の低下等の諸問題が発生するため、上記範囲に限
定される。
【００１２】上記難燃剤のうち、酸化アンチモン化合物
としては特に限定されるものではなく、例えば、二酸化
アンチモン、三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五
酸化アンチモン等が挙げられる。また、モリブデン化合
物としては特に限定されるものではなく、例えば、三酸
化モリブデン、二硫化モリブデン、アンモニウムモリブ
デード等が挙げられる。また、臭素系化合物としては特
に限定されるものではなく、例えば、テトラブロモビス
フェノールＡ、テトラブロムエタン、テトラブロムブタ
ン、テトラブロモエタン、その他高ブロム含有芳香族化
合物等が挙げられる。
としては特に限定されるものではなく、例えば、二酸化
アンチモン、三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五
酸化アンチモン等が挙げられる。また、モリブデン化合
物としては特に限定されるものではなく、例えば、三酸
化モリブデン、二硫化モリブデン、アンモニウムモリブ
デード等が挙げられる。また、臭素系化合物としては特
に限定されるものではなく、例えば、テトラブロモビス
フェノールＡ、テトラブロムエタン、テトラブロムブタ
ン、テトラブロモエタン、その他高ブロム含有芳香族化
合物等が挙げられる。
【００１３】本発明においては、これらに加えて、塩素
化塩化ビニル樹脂を併用添加することができる。
化塩化ビニル樹脂を併用添加することができる。
【００１４】本発明の塩化ビニル系樹脂組成物の成形方
法は、従来公知の方法で良く、例えば押出成形、プレス
成形、カレンダー成形、ブロー成形等が挙げられる。
法は、従来公知の方法で良く、例えば押出成形、プレス
成形、カレンダー成形、ブロー成形等が挙げられる。
【００１５】本発明の塩化ビニル系樹脂組成物を成形す
る際には、鉛系、有機錫系、無機系等の通常の塩化ビニ
ル樹脂用として使用される安定剤、例えば二塩基性亜リ
ン酸塩、三塩基性硫酸鉛、有機錫メルカプト、有機錫マ
レート、カルシウム／亜鉛系化合物、及び金属石鹸が添
加されてもよく、その添加量は上記塩化ビニル系グラフ
ト共重合体１００重量部に対して１〜５重量部が好まし
い。その他、必要に応じて、ポリエチレン系、エステル
系、モンタン酸系等のワックス類、ステアリン酸、ステ
アリン酸カルシウム等の滑剤や紫外線吸収剤等が添加さ
れてもよい。
る際には、鉛系、有機錫系、無機系等の通常の塩化ビニ
ル樹脂用として使用される安定剤、例えば二塩基性亜リ
ン酸塩、三塩基性硫酸鉛、有機錫メルカプト、有機錫マ
レート、カルシウム／亜鉛系化合物、及び金属石鹸が添
加されてもよく、その添加量は上記塩化ビニル系グラフ
ト共重合体１００重量部に対して１〜５重量部が好まし
い。その他、必要に応じて、ポリエチレン系、エステル
系、モンタン酸系等のワックス類、ステアリン酸、ステ
アリン酸カルシウム等の滑剤や紫外線吸収剤等が添加さ
れてもよい。
【００１６】本発明２においては、エチレン−塩化ビニ
ル共重合体が、本発明１における塩化ビニル系グラフト
共重合体の代わりに使用される。上記エチレン−塩化ビ
ニル共重合体を構成する単量体であるエチレン及び塩化
ビニルの重量比は、１．０／９９．０〜１０．０／９
０．０である。上記比率をはずれると成形品の難燃性、
機械特性及び耐衝撃性等のバランスが悪くなるので、上
記比率に限定される。さらに好ましくは４．０／９６．
０〜８．０／９２．０である。
ル共重合体が、本発明１における塩化ビニル系グラフト
共重合体の代わりに使用される。上記エチレン−塩化ビ
ニル共重合体を構成する単量体であるエチレン及び塩化
ビニルの重量比は、１．０／９９．０〜１０．０／９
０．０である。上記比率をはずれると成形品の難燃性、
機械特性及び耐衝撃性等のバランスが悪くなるので、上
記比率に限定される。さらに好ましくは４．０／９６．
０〜８．０／９２．０である。
【００１７】上記エチレン−塩化ビニル共重合体の重合
方法は、通常のラジカル重合法によることができ、耐圧
器中に水、塩化ビニルモノマー、分散剤、ラジカル重合
開始剤、エチレン等を添加し、４０℃から８０℃の高温
水中で行う通常の懸濁重合法が特に好ましい。さらに収
率を上げるために、エチレンの分割添加重合が好まし
い。上記エチレン−塩化ビニル共重合体の重合度は、特
に限定されないが、成形性及び機械特性の関係から５０
０〜１３００が好ましい。
方法は、通常のラジカル重合法によることができ、耐圧
器中に水、塩化ビニルモノマー、分散剤、ラジカル重合
開始剤、エチレン等を添加し、４０℃から８０℃の高温
水中で行う通常の懸濁重合法が特に好ましい。さらに収
率を上げるために、エチレンの分割添加重合が好まし
い。上記エチレン−塩化ビニル共重合体の重合度は、特
に限定されないが、成形性及び機械特性の関係から５０
０〜１３００が好ましい。
【００１８】本発明３においては、塩素含有量が５０〜
７１重量％の塩化ビニル系樹脂が、本発明１における塩
化ビニル系グラフト共重合体の代わりに使用され、更に
衝撃改良剤が添加される。
７１重量％の塩化ビニル系樹脂が、本発明１における塩
化ビニル系グラフト共重合体の代わりに使用され、更に
衝撃改良剤が添加される。
【００１９】上記塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニ
ル樹脂、後塩素化塩化ビニル樹脂又は塩化ビニルと共重
合可能な重合性単量体が共重合された塩化ビニル共重合
体が挙げられる。
ル樹脂、後塩素化塩化ビニル樹脂又は塩化ビニルと共重
合可能な重合性単量体が共重合された塩化ビニル共重合
体が挙げられる。
【００２０】上記塩化ビニル共重合体を得るための重合
方法は、ラジカル重合開始剤、分散剤等を添加し、水中
で行う通常のラジカル懸濁重合法が特に好ましい。この
場合、塩化ビニルと共重合可能な重合性単量体とともに
共重合するときに添加する単量体としては、反応性二重
結合を有し、ラジカル重合開始剤により塩化ビニルと共
重合可能な単量体であれば特に限定さるものではなく、
例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン等のα−オレ
フィン類；酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニル
エステル類；ブチルビニルエーテル、セチルビニルエー
テル等のビニルエーテル類；メチルアクリレート、エチ
ルアクリレート等のアクリル酸エステル類；メチルメタ
アクリレート、エチルメタアクリレート、フェニルメタ
クリレート等のメタクリル酸エステル類；スチレン、α
−メチルスチレン等の芳香族ビニル類；塩化ビニリデ
ン、ふっ化ビニル等のハロゲン化ビニル類；Ｎ−フェニ
ルマレイミド、Ｎ−シクロヘキシルマレイミド等のＮ−
置換マレイミド類等が挙げられる。これらは単独で又は
併用して使用することができる。
方法は、ラジカル重合開始剤、分散剤等を添加し、水中
で行う通常のラジカル懸濁重合法が特に好ましい。この
場合、塩化ビニルと共重合可能な重合性単量体とともに
共重合するときに添加する単量体としては、反応性二重
結合を有し、ラジカル重合開始剤により塩化ビニルと共
重合可能な単量体であれば特に限定さるものではなく、
例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン等のα−オレ
フィン類；酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニル
エステル類；ブチルビニルエーテル、セチルビニルエー
テル等のビニルエーテル類；メチルアクリレート、エチ
ルアクリレート等のアクリル酸エステル類；メチルメタ
アクリレート、エチルメタアクリレート、フェニルメタ
クリレート等のメタクリル酸エステル類；スチレン、α
−メチルスチレン等の芳香族ビニル類；塩化ビニリデ
ン、ふっ化ビニル等のハロゲン化ビニル類；Ｎ−フェニ
ルマレイミド、Ｎ−シクロヘキシルマレイミド等のＮ−
置換マレイミド類等が挙げられる。これらは単独で又は
併用して使用することができる。
【００２１】また、後塩素化する方法は、通常の後塩素
化方法で良く、工業的に好ましいのは水懸濁塩素化方法
である。上記塩化ビニル系樹脂の重合度は特に限定され
ないが、成形性及び機械的物性の点から５００〜１３０
０が好ましい。
化方法で良く、工業的に好ましいのは水懸濁塩素化方法
である。上記塩化ビニル系樹脂の重合度は特に限定され
ないが、成形性及び機械的物性の点から５００〜１３０
０が好ましい。
【００２２】本発明で使用される衝撃改良剤は、塩素化
ポリエチレン、ＭＢＳ樹脂、ＡＢＳ樹脂及びアクリル系
衝撃改良剤よりなる群から選択される。上記塩素化ポリ
エチレンの塩素化度は、塩素化度が小さいと塩化ビニル
との相溶性が低下するために耐衝撃性の発現が小さく、
逆に塩素化度が高いと発生する塩酸量が多くなることも
あり好ましくないので、２０〜５０重量％が好ましく、
さらに好ましくは３０〜４０重量％である。上記衝撃改
良剤の添加量は、多すぎると発生する煙量が増大し、少
なすぎると耐衝撃性発現効果が小さくなるので、１〜２
０重量部が好ましく、さらに好ましくは５〜１０重量部
である。
ポリエチレン、ＭＢＳ樹脂、ＡＢＳ樹脂及びアクリル系
衝撃改良剤よりなる群から選択される。上記塩素化ポリ
エチレンの塩素化度は、塩素化度が小さいと塩化ビニル
との相溶性が低下するために耐衝撃性の発現が小さく、
逆に塩素化度が高いと発生する塩酸量が多くなることも
あり好ましくないので、２０〜５０重量％が好ましく、
さらに好ましくは３０〜４０重量％である。上記衝撃改
良剤の添加量は、多すぎると発生する煙量が増大し、少
なすぎると耐衝撃性発現効果が小さくなるので、１〜２
０重量部が好ましく、さらに好ましくは５〜１０重量部
である。
【００２３】
【実施例】以下に実施例及び比較例を掲げて本発明を更
に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定
されるものではない。 実施例１〜３ エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニルグラフト共重合体
（徳山積水工業社製ＴＧＨ１１００、エチレン：酢酸ビ
ニル：塩化ビニル＝７：２：９１（重量比））１００重
量部、ポリエチレン系滑剤（アライドシグナル社製ＡＣ
−３１６Ａ）１．２重量部、エステル系滑剤（ヘキスト
社製Ｗａｘ−ＯＰ）１重量部、ブチル錫メルカプト安定
剤（三共有機合成社製ＪＦ−１０Ｂ）３重量部、アクリ
ル系加工助剤（ローム＆ハース社製Ｋ−１２５）５重量
部、その他表１中に示した所定量の添加剤を加えて混合
した。その混合物を１８５℃のロール混練機で約３分間
混練した後に１９０℃で約６分間、１５０ｋｇ／ｃｍ2
の圧力でプレス成形し、厚み約３ｍｍの板を得た。その
板を以下の試験方法で評価した。結果を表１に示した。
に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定
されるものではない。 実施例１〜３ エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニルグラフト共重合体
（徳山積水工業社製ＴＧＨ１１００、エチレン：酢酸ビ
ニル：塩化ビニル＝７：２：９１（重量比））１００重
量部、ポリエチレン系滑剤（アライドシグナル社製ＡＣ
−３１６Ａ）１．２重量部、エステル系滑剤（ヘキスト
社製Ｗａｘ−ＯＰ）１重量部、ブチル錫メルカプト安定
剤（三共有機合成社製ＪＦ−１０Ｂ）３重量部、アクリ
ル系加工助剤（ローム＆ハース社製Ｋ−１２５）５重量
部、その他表１中に示した所定量の添加剤を加えて混合
した。その混合物を１８５℃のロール混練機で約３分間
混練した後に１９０℃で約６分間、１５０ｋｇ／ｃｍ2
の圧力でプレス成形し、厚み約３ｍｍの板を得た。その
板を以下の試験方法で評価した。結果を表１に示した。
【００２４】(1) 発熱性 ＴＨＲ；ＡＳＴＭ Ｅ９０６（ＯＨＩＯ ＳＴＡＴＥ
ＵＮＩＶＥＲＳＩＴＹＣＡＬＯＲＩＭＥＴＥＲ）による
２分間のＴｏｔａｌ Ｈｅａｔ Ｒｅｌｅａｓｅ（単
位；ｋＷ・ｍｉｎ／ｃｍ2 ） ＨＲＲ；ＡＳＴＭ Ｅ９０６（ＯＨＩＯ ＳＴＡＴＥ
ＵＮＩＶＥＲＳＩＴＹＣＡＬＯＲＩＭＥＴＥＲ）による
５分間のＰｅａｋ Ｈｅａｔ Ｒｅｌｅａｓｅ Ｒａｔ
ｅ（単位；ｋＷ／ｃｍ2 ） (2) 発煙性 ＡＳＴＭ Ｅ６６２−７９ ＮＢＳスモークチャンバー
測定による４分間の煙濃度 Ｄｓ (3) 発生ＨＣｌ量測定 ＮＢＳスモークチャンバーで燃焼４分後の時のＨＣｌ濃
度をドレーゲル検知管で測定した。 (4) Ｉｚｏｄ衝撃性 ＪＩＳ Ｋ−７１１０
ＵＮＩＶＥＲＳＩＴＹＣＡＬＯＲＩＭＥＴＥＲ）による
２分間のＴｏｔａｌ Ｈｅａｔ Ｒｅｌｅａｓｅ（単
位；ｋＷ・ｍｉｎ／ｃｍ2 ） ＨＲＲ；ＡＳＴＭ Ｅ９０６（ＯＨＩＯ ＳＴＡＴＥ
ＵＮＩＶＥＲＳＩＴＹＣＡＬＯＲＩＭＥＴＥＲ）による
５分間のＰｅａｋ Ｈｅａｔ Ｒｅｌｅａｓｅ Ｒａｔ
ｅ（単位；ｋＷ／ｃｍ2 ） (2) 発煙性 ＡＳＴＭ Ｅ６６２−７９ ＮＢＳスモークチャンバー
測定による４分間の煙濃度 Ｄｓ (3) 発生ＨＣｌ量測定 ＮＢＳスモークチャンバーで燃焼４分後の時のＨＣｌ濃
度をドレーゲル検知管で測定した。 (4) Ｉｚｏｄ衝撃性 ＪＩＳ Ｋ−７１１０
【００２５】(5) 真空成形性 布施真空社製真空成形機ＣＵＰＦ−１０１１−ＰＷＢ 成形温度；１８０℃、加熱時間；１６０秒 評価用金型；直径１５０ｍｍ、高さ８０ｍｍの凸型円柱
状木製型 型どおり成形可能された場合を○、型どおり成形可能さ
れなかった場合を×とした。 (6) 熱変形温度（ＨＤＴ）ＪＩＳ Ｋ−７２０７ なお、表１中のＨＡ−３４Ｆは塩素化塩化ビニル（徳山
積水工業社製、塩素化度＝６４．８％）、Ｓ−２００１
はアクリル系衝撃改良剤（三菱レーヨン社製）、アルカ
マイザー２は協和化学社製、ＡＰ−７５はアンモニウム
ポリフォスフェート及びトリス（２−ヒドロキシエチ
ル）イソシアヌレート混合物（Ｈｏｅｃｈｓｔ社製、重
量比＝７１：２９）を表す。
状木製型 型どおり成形可能された場合を○、型どおり成形可能さ
れなかった場合を×とした。 (6) 熱変形温度（ＨＤＴ）ＪＩＳ Ｋ−７２０７ なお、表１中のＨＡ−３４Ｆは塩素化塩化ビニル（徳山
積水工業社製、塩素化度＝６４．８％）、Ｓ−２００１
はアクリル系衝撃改良剤（三菱レーヨン社製）、アルカ
マイザー２は協和化学社製、ＡＰ−７５はアンモニウム
ポリフォスフェート及びトリス（２−ヒドロキシエチ
ル）イソシアヌレート混合物（Ｈｏｅｃｈｓｔ社製、重
量比＝７１：２９）を表す。
【００２６】
【表１】
【００２７】実施例４〜６、比較例６〜９ エチレン−塩化ビニル共重合樹脂（徳山積水工業社製Ｖ
Ｅ−ＨＭ。エチレン：塩化ビニル＝４：９６（重量
比）、重合度８００）１００重量部、ポリエチレン系滑
剤（アライドシグナル社製ＡＣ−３１６Ａ）１．２重量
部、エステル系滑剤（ヘキスト社製Ｗａｘ−ＯＰ）１重
量部、ブチル錫メルカプト安定剤（三共有機合成社製Ｊ
Ｆ−１０Ｂ）３重量部、アクリル系加工助剤（ローム＆
ハース社製Ｋ−１２５）５重量部、その他表３中に示し
た添加剤を加えて混合した。その混合物を１８５℃のロ
ール混練機で約３分間混練した後に１９０℃で約６分
間、１５０ｋｇ／ｃｍ2 の圧力でプレス成形し、厚み約
３ｍｍの板を得た。その板を同様の試験方法で評価し
た。結果を表２に示した。
Ｅ−ＨＭ。エチレン：塩化ビニル＝４：９６（重量
比）、重合度８００）１００重量部、ポリエチレン系滑
剤（アライドシグナル社製ＡＣ−３１６Ａ）１．２重量
部、エステル系滑剤（ヘキスト社製Ｗａｘ−ＯＰ）１重
量部、ブチル錫メルカプト安定剤（三共有機合成社製Ｊ
Ｆ−１０Ｂ）３重量部、アクリル系加工助剤（ローム＆
ハース社製Ｋ−１２５）５重量部、その他表３中に示し
た添加剤を加えて混合した。その混合物を１８５℃のロ
ール混練機で約３分間混練した後に１９０℃で約６分
間、１５０ｋｇ／ｃｍ2 の圧力でプレス成形し、厚み約
３ｍｍの板を得た。その板を同様の試験方法で評価し
た。結果を表２に示した。
【００２８】
【表２】
【００２９】実施例７〜１０、比較例１０〜１１ ポリ塩化ビニル樹脂（徳山積水工業社製ＴＳ−８００
Ｅ、重合度８００）１００重量部、ポリエチレン系滑剤
（アライドシグナル社製ＡＣ−３１６Ａ）１．２重量
部、エステル系滑剤（ヘキスト社製Ｗａｘ−ＯＰ）１重
量部、ブチル錫メルカプト安定剤（三共有機合成社製Ｊ
Ｆ−１０Ｂ）３重量部、アクリル系加工助剤（ローム＆
ハース社製Ｋ−１２５）５重量部、その他表２中に示し
た添加剤を加えて混合した。その混合物を１８５℃のロ
ール混練機で約３分間混練した後に１９０℃で約６分
間、１５０ｋｇ／ｃｍ2 の圧力でプレス成形し、厚み約
３ｍｍの板を得た。その板を同様の試験方法で評価し
た。結果を表３に示した。
Ｅ、重合度８００）１００重量部、ポリエチレン系滑剤
（アライドシグナル社製ＡＣ−３１６Ａ）１．２重量
部、エステル系滑剤（ヘキスト社製Ｗａｘ−ＯＰ）１重
量部、ブチル錫メルカプト安定剤（三共有機合成社製Ｊ
Ｆ−１０Ｂ）３重量部、アクリル系加工助剤（ローム＆
ハース社製Ｋ−１２５）５重量部、その他表２中に示し
た添加剤を加えて混合した。その混合物を１８５℃のロ
ール混練機で約３分間混練した後に１９０℃で約６分
間、１５０ｋｇ／ｃｍ2 の圧力でプレス成形し、厚み約
３ｍｍの板を得た。その板を同様の試験方法で評価し
た。結果を表３に示した。
【００３０】
【表３】
【００３１】
【発明の効果】本発明によれば、航空機用等の内部材と
して使用し得るほど難燃性、発煙性、燃焼時の低毒性を
有し、しかも加工性、耐衝撃性にも優れた塩化ビニル系
樹脂組成物を提供することができる。
して使用し得るほど難燃性、発煙性、燃焼時の低毒性を
有し、しかも加工性、耐衝撃性にも優れた塩化ビニル系
樹脂組成物を提供することができる。
Claims (3)
- 【請求項１】 エチレン−酢酸ビニル共重合体に塩化ビ
ニルモノマーがグラフト共重合され、エチレン、酢酸ビ
ニル及び塩化ビニルの重量比が２．０／１．０／９７〜
２５／２０／５５である塩化ビニル系グラフト共重合体
１００重量部、並びに、水酸化マグネシウム、ハイドロ
タルサイト、酸化アンチモン化合物、モリブデン化合物
及び臭素系化合物よりなる群から選択される１種以上の
難燃剤５０〜１２０重量部からなることを特徴とする塩
化ビニル系樹脂組成物。 - 【請求項２】 エチレン及び塩化ビニルの重量比が１．
０／９９．０〜１０．０／９０．０のエチレン−塩化ビ
ニル共重合体１００重量部、並びに、水酸化マグネシウ
ム、ハイドロタルサイト、酸化アンチモン化合物、モリ
ブデン化合物及び臭素系化合物よりなる群から選択され
る１種以上の難燃剤５０〜１２０重量部からなることを
特徴とする塩化ビニル系樹脂組成物。 - 【請求項３】 塩素含有量が５０〜７１重量％の塩化ビ
ニル系樹脂１００重量部、水酸化マグネシウム、ハイド
ロタルサイト、酸化アンチモン化合物、モリブデン化合
物及び臭素系化合物よりなる群から選択される１種以上
の難燃剤５０〜１２０重量部、並びに、塩素化ポリエチ
レン、ＭＢＳ樹脂、ＡＢＳ樹脂及びアクリル系衝撃改良
剤よりなる群から選択される１種以上の衝撃改良剤１〜
２０重量部からなることを特徴とする塩化ビニル系樹脂
組成物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP29555193A JPH07145297A (ja) | 1993-11-25 | 1993-11-25 | 塩化ビニル系樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP29555193A JPH07145297A (ja) | 1993-11-25 | 1993-11-25 | 塩化ビニル系樹脂組成物 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07145297A true JPH07145297A (ja) | 1995-06-06 |
Family
ID=17822112
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP29555193A Pending JPH07145297A (ja) | 1993-11-25 | 1993-11-25 | 塩化ビニル系樹脂組成物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH07145297A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2018059045A (ja) * | 2015-10-19 | 2018-04-12 | 三井化学株式会社 | 樹脂組成物、該組成物からなる成形体およびパイプ |
-
1993
- 1993-11-25 JP JP29555193A patent/JPH07145297A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2018059045A (ja) * | 2015-10-19 | 2018-04-12 | 三井化学株式会社 | 樹脂組成物、該組成物からなる成形体およびパイプ |
| US10414915B2 (en) | 2015-10-19 | 2019-09-17 | Mitsui Chemicals, Inc. | Resin composition, and molded article and pipe formed from said composition |
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