JPH07145174A - ジオキサボリナン系化合物、それらの製造方法、該化合物を含む液晶組成物および該組成物を用いた液晶光変調装置 - Google Patents

ジオキサボリナン系化合物、それらの製造方法、該化合物を含む液晶組成物および該組成物を用いた液晶光変調装置

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JPH07145174A
JPH07145174A JP5291931A JP29193193A JPH07145174A JP H07145174 A JPH07145174 A JP H07145174A JP 5291931 A JP5291931 A JP 5291931A JP 29193193 A JP29193193 A JP 29193193A JP H07145174 A JPH07145174 A JP H07145174A
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Withdrawn
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JP5291931A
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English (en)
Inventor
Mitsuru Kawada
満 川田
Takashi Sagawa
隆司 佐川
Yoshitaka Uesugi
嘉孝 上杉
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 【構成】 下記一般式(I) 【化1】 〔式中、R1は置換されていてもよい炭素数1〜14の
アルキル基を示し、R2は電子吸引基、炭素数1〜8の
アルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、水素原子の
一部または全部がハロゲン原子で置換された炭素数1〜
8のアルキル基、同アルコキシ基から選ばれた一種を示
し、X,Y,Zはそれぞれ同一もしくは異なる置換され
ていてもよい芳香族または非芳香族の炭素同素環または
複素環を示し、lは0,1または2を示し、m,nはそ
れぞれ1または2を示し、Qは単結合、エーテル結合、
またはエステル結合を示す。〕で表わされるジオキサボ
リナン系化合物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液晶相を示し、かつ低粘
性の新規な液晶化合物およびそれを少なくとも一種含む
液晶組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶化合物は液晶相では誘電率異方性や
光学的異方性を示す。液晶相にはネマチック液晶相、ス
メクチック液晶相、コレステリック液晶相等があり、こ
のうちネマチック液晶相を利用した応用製品が最も広く
実用化されている。すなわち、これらの特性を利用した
応用製品は調光ガラスをはじめとして、サインディスプ
レイならびに電卓、時計、ワープロ等のフラットパネル
ディスプレイなどへと展開され、最近のエレクトロニク
ス分野の進歩とともに多岐にわたりその発展は著しい。
液晶化合物を駆動させる方法の違いにより、動的散乱型
(DS型)、ねじれネマチック型(TN型)、超ねじれ
ネマチック型(STN型)、ゲスト−ホスト型(GH
型)等に分類される。これらに利用される液晶材料は当
然物理化学的安定性、とくに熱、光、水分、空気等に対
する安定性が要求される。また、液晶材料は室温を含む
できるだけ幅広い温度範囲で所望の液晶相を示し、目的
に応じた動作電圧、応答性等の物性が実用レベルで満足
されなければならない。すなわち、一般的には液晶表示
素子を駆動させるのに必要なしきい電圧や飽和電圧がな
るべく低いこと、また応答速度を早くするためにはでき
るだけ液晶材料の粘度が低い方が良い。従来から提案さ
れている、6−置換−1,2,4,3,4−テトラヒド
ロナフタリン−2−カルボニトリル(特開昭56−57
754号公報、構造式は下式)はネマチック液晶組成物
の誘電異方性(Δε)を増大させる添加剤として有用で
あり、また6−シアノ−2−(4−アルキルフェネチ
ル)ナフタレン(特開昭61−246158号公報、構
造式は下式)や6−シアノ−2−置換ナフタレン(特開
昭61−268661号公報、構造式は下式)は屈折率
異方性(Δn)の大きなネマチック液晶組成物の構成成
分として有用である。
【0003】
【化6】
【0004】(特開昭56−57754号公報)
【0005】
【化7】
【0006】(特開昭61−246158号公報)
【0007】
【化8】
【0008】(特開昭61−268661号公報)しか
し、単品化合物で上記の諸物性を満たすことは不可能
で、数種の液晶化合物や非液晶化合物を混合して、実用
的要求特性を獲得しているのが現状である。これら実用
的要求特性を満足させる液晶組成物を構築するにあたっ
て、できるだけ良好な諸物性を有する単品化合物を開発
することはきわめて重要である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的はこの様
な実用的な液晶組成物を開発するにあたって、有用な新
規液晶化合物を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、式(I)で表
わされる新規化合物を合成することに成功し、そしてこ
の化合物(I)が予想外にも安定なネマチック相を示し
さらに屈折率異方性(Δn)が大きいことを見い出し、
本発明を完成するに至った。すなわち、下記一般式
(I)
【0011】
【化9】
【0012】〔式中、R1は置換されていてもよい炭素
数1〜14のアルキル基を示し、R2は電子吸引基、炭
素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ
基、水素原子の一部または全部がハロゲン原子で置換さ
れた炭素数1〜8のアルキル基、同アルコキシ基から選
ばれた一種を示し、X,Y,Zはそれぞれ同一もしくは
異なる置換されていてもよい芳香族または非芳香族の炭
素同素環または複素環を示し、lは0,1または2を示
し、m,nはそれぞれ1または2を示し、Qは単結合、
エーテル結合、またはエステル結合を示す。〕で表わさ
れるジオキサボリナン系化合物、それらの製造方法、該
誘導体を含む液晶組成物および該組成物を用いた液晶光
変調装置である。前記一般式(I)において、R1は置
換されていてもよい炭素数1〜14のアルキル基を示
す。該アルキル基は直鎖または分枝のいずれであっても
よく、具体的には、例えばメチル、エチル、n−プロピ
ル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘ
プチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−
ウンデシル、n−ドデシル、n−トリデシル、n−テト
ラデシル等の直鎖状アルキル基ならびにイソプロピル、
イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソ
ペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、イソヘ
キシル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、5
−メチルヘキシル、2,3,5−トリメチルヘキシル、
2,7,8−トリメチルデシル、4−エチル−5−メチ
ルノニル等の分枝状のアルキル基を挙げることができ
る。なかでも直鎖状で炭素数が3〜6のアルキル基、例
えばプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシルが好まし
い。また、これらの基は例えばハロゲンで水素原子の一
部または全部が置換されていてもよい。
【0013】R2は電子吸引基、炭素1〜8のアルキル
基、炭素数1〜8のアルコキシ基、水素原子の一部また
は全部がハロゲン原子で置換された炭素数1〜8のアル
キル基、同アルコキシ基から選ばれた一種を示す。
【0014】該電子吸引基は、例えば、ハロゲン原子、
シアノ基、カルボン酸エステル基、カルボン酸基、ニト
ロ基、アルデヒド基、カルボニル基を挙げることができ
る。この中で、F、Cl、Br、Iのハロゲン原子、シ
アノ基が好ましい。該アルキル基は直鎖状または分枝状
のいずれであってもよく、具体的には、例えば、メチ
ル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチ
ル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチルの直鎖
状アルキル基、ならびにイソプロピル、イソブチル、s
ec−ブチル、tert−ブチル、イソペンチル、ネオ
ペンチル、tert−ペンチル、イソヘキシル、1−メ
チルペンチル、2−メチルペンチル、5−メチルヘキシ
ル等の分枝状のアルキル基を挙げることができる。この
中で、直鎖状で炭素数が1〜4のアルキル基、メチル、
エチル、n−プロピル、n−ブチルが好ましい。
【0015】該アルコキシ基は、上記の直鎖状または分
枝状のアルキル基が酸素原子を介して結合したものが例
示される。例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、
ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチル
オキシ、オクチルオキシ等の直鎖状または分枝状のアル
コキシ基を挙げることができる。この中で、メトキシ、
エトキシ、n−プロポキシ、n−ブトキシが好ましい。
水素原子の一部または全部がハロゲン原子で置換された
炭素数1〜8のアルキル基および炭素1〜8のアルコキ
シ基は、上記のアルキル基およびアルコキシ基の水素原
子の一部または全部がフッ素原子、塩素原子、臭素原
子、ヨウ素原子で置換されたものである。その例示とし
ては、上記のアルキル基の例示およびアルコキシ基の例
示がハロゲンで一部または全部が置換されたものが全て
挙げられる。この中でCF3基、OCF3基が特に好まし
い。X、Yはそれぞれ置換されていてもよい芳香族また
は非芳香族の炭素同素環又は複素環を示す。その具体例
は、
【0016】
【化10】
【0017】があるが、5〜6員環のもので次の
【0018】
【化11】
【0019】が好ましい。またこれらの環には、置換基
として、ハロゲン、シアノ基等が置換していてもよく、
好ましいハロゲン原子として特にフッ素原子が挙げられ
る。また、XとYは同一であっても異なっていてもよ
い。lは0,1または2を示し、mとnはそれぞれ1ま
たは2を示す。この中でlが0または1であり、m及び
nが1であるものが好ましい。Qで示される骨格内結合
については、単結合、エーテル結合、エステル結合が含
まれる。この場合のカルボン酸エステル結合については
順エステル結合と逆エステル結合があるがいずれでもよ
い。本発明の特に好ましい態様は、下記一般式(I’)
及び(II’)
【0020】
【化12】
【0021】〔式中、R11は直鎖状で炭素数が3〜6の
アルキル基を示し、R21はハロゲン原子、メトキシ基、
CF3基を示す。〕で表わされる化合物である。本発明
の化合物は、湿気、酸素ガス、光に対して安定であり、
空気中においても保存安定性に優れるとともに電圧保持
率も高いなど、物理的化学的安定性が高く、安定なネマ
チック液晶相を示すとともに、化合物内に三重結合が導
入されているため屈折率異方性(△n)が大きいという
特徴を有する。したがって、本発明の化合物は、液晶表
示素子等を駆動させるのに必要なしきい電圧や飽和電圧
に関して、液晶組成物の低電圧化に有効な添加剤であ
り、実用的な液晶組成物を構築するにあたって、有用な
一成分として用いることができる。
【0022】本発明の化合物は単独で液晶化合物として
用いることができるし、さらには他の液晶混合物に添加
することによって、他の液晶混合物の液晶活性を増強す
ることができる。本発明の液晶化合物は、従来公知の液
晶化合物、例えば、エステル系、エーテル系、カルボニ
ル系、ビフェニル系、フェニルシクロヘキサン系、複素
環系等の液晶化合物との相溶性に優れているため、これ
らの液晶化合物に添加配合することにより、優れた特性
を示す液晶組成物を構築することができる。
【0023】本件化合物を添加しうる液晶混合物として
は、例えば「Flussige Kristalle
in Tabellen」I&II VEB Verla
g.Leipzigや「液晶デバイスハンドブック」
(日本学術新興会第142委員会編、日刊工業新聞社)
または「フルカラー液晶表示技術」(トリケップス出版
部編、株式会社トリケップス)等に述べられているネマ
チック液晶、または市販のネマチック液晶化合物などが
挙げられる。その場合の本発明の化合物の添加量は、通
常0.5%〜50%程度、好ましくは5%〜20%程度
である。本発明の化合物を添加しうる液晶混合物として
は限定されないが、例えば以下のA、B、C、D、Eな
る組成を持った混合物を挙げることができる。また、市
販の混合液晶ZLI−1565(メルク社製)等も挙げ
られる。 〔液晶混合物A〕
【0024】
【化13】
【0025】〔液晶混合物B〕
【0026】
【化14】
【0027】〔液晶混合物C〕
【0028】
【化15】
【0029】〔液晶混合物D〕
【0030】
【化16】
【0031】〔液晶混合物E〕
【0032】
【化17】
【0033】本発明でいう液晶光変調装置とは、液晶組
成物を使用した液晶素子および表示装置であり、具体的
には液晶シャッター、光学位相フィルター、ディスプレ
イなどが挙げられる。以下に本発明の一般式(I)で表
される化合物の製造法を代表的な例について説明する。
本発明は、これらの方法によって限定されるものではな
い。 製造例 下記一般式(II)
【0034】
【化18】
【0035】〔式中、R2,Y,Z,m,nは前記と同
意義を有する。〕で表わされる化合物と、下記一般式
(III)
【0036】
【化19】
【0037】〔式中、R1,Q,X,lは前記と同意義
を表わす。〕で表わされる化合物をトルエン中で還流さ
せることによって、目的とする本発明の一般式(I)の
化合物を製造するものである。ここで、上記一般式(I
I)で表わされる化合物は例えば、次の様にして製造さ
れる。下記一般式(III)
【0038】
【化20】
【0039】〔式中、R2,Z,nは前記と同意義を有
し、Halはハロゲン原子を示す。〕で表わされる化合
物にヒドロキシアセチレンを反応させてアセチレン基を
導入し、生成物に下記一般式(IV)
【0040】
【化21】
【0041】〔式中、Y,mは前記と同意義を表わ
す。〕で表わされる化合物を反応させて、下記一般式
(V)
【0042】
【化22】
【0043】を生成し、該一般式(V)で表わされる化
合物にマグネシウム金属を反応させ、次いでトリメトキ
シホウ素を反応、最後に加水分解に付し、上記一般式
(II)が製造される。上記一般式(I)で示される化合
物の製造方法を更に詳しく説明すると、例えば次に示す
経路により製造することができる。すなわち、2−置換
−1,3−プロパンジオールと置換ボロン酸とを脱水縮
合させることにより製造できる。
【0044】
【化23】
【0045】通常、本脱水縮合は本反応に対して不活性
な溶媒〔例えばヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化
水素類、ハロゲン化炭化水素類(クロロホルム、塩化メ
チレン、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等)、エ
ーテル類(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジ
オキサン等)、酢酸エチル、アセトニトリル等が挙げら
れる〕中単に加熱し、生成する水を系外へ除去すると容
易に進行する。以上、本発明の一般式(I)で表わされ
る化合物の代表的製造例について述べたが、これらの製
造法に限定されるものではない。上述の方法により生成
した本発明の目的化合物(I)は、通常用いられている
分離精製手段、例えば抽出、転溶、カラムクロマトグラ
フィー、液体クロマトグラフィー、再結晶などの手段を
用いて反応液から分離精製することができる。
【0046】
【実施例】以下本発明を実施例により詳細に説明するが
これに限定されない。 実施例1
【0047】
【化24】
【0048】p−クロロヨードベンゼン50g(2.1
0×10-1mol)と3−メチル−1−ブチン−3−オ
ル26.46g(3.15×10-1mol)をトリエチ
ルアミン500ml中に溶解し、触媒としてトリフェニ
ルホスフィン0.05g(2.10×10-4mol)、
ビストリフェニルホスフィンパラジウムジクロライド
0.29g(4.19×10-4mol)、ヨウ化銅1.
00g(5.29×10-3mol)を添加し窒素雰囲気
下室温で一昼夜反応させた。反応終了後、酢酸エチルで
抽出し有機層を2N−塩酸水により洗浄、水洗を経てか
ら酢酸エチルを留去し、残留物をシリカゲルクロマトグ
ラフィー(展開溶媒:クロロホルム)精製し、固体の下
記化合物(1)39.95g(収率97.9%)を得
た。
【0049】
【化25】
【0050】1H−NMR(200MHz,CDCl3) δ:7.36,7.32(d,2H),7.29,7.
24(d,2H),2.18(S,1H),1.61
(S,6H) で得られた化合物(1)39.95g(2.05
×10-1mol)を乾燥トルエン400ml中に溶解し
たものの中に60%水素化ナトリウム(油性)1.15
g(2.87×10-2mol)を添加し窒素雰囲気下で
3時間加熱還流した。冷却後、水洗し、トルエンを留去
後シリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサ
ン)精製し、白色結晶の下記化合物(2)17.08g
(収率60.9%)を得た。
【0051】
【化26】
【0052】1H−NMR(200MHz,CDCl3) δ:7.44,7.40(d,2H),7.32,7.
27(d,2H),3,10(s,1H) で得られた化合物(2)6g(4.39×10-2
mol)とp−ブロモヨードベンゼン11.83g
(4.18×10-2mol)をトリエチルアミン170
ml中に溶解し、触媒としてトリフェニルホスフィン
0.011g(4.18×10-5mol)、ビストリフ
ェニルホスフィンパラジウムジクロライド0.059g
(8.36×10-5mol)、ヨウ化銅0.20g
(1.05×10-3mol)を添加し、窒素雰囲気下室
温で一昼夜反応させた。反応終了後クロロホルムで抽出
し、よく水洗した後、溶媒を留去し、クロロホルムにて
再結晶を行い白色りん片状晶の下記化合物(3)10.
91g(収率85.2%)を得た。元素分析結果を表1
に示す。
【0053】
【表1】
【0054】
【化27】
【0055】1H−NMR(200MHz,CDCl3) δ:7.51,7.43(d,2H),7.40,7.
30(d,2H),7,47(s,2H) で得られた化合物(3)6g(2.06×10-2
mol)を乾燥テトラヒドロフラン300mlに溶解
し、窒素雰囲気下−78℃で1.6M n−ブチルリチ
ウムのヘキサン溶液14.1ml(2.26×10-2
ol)を添加し15分間反応させた。ホウ酸トリメチル
4.27g(4.11×10-2mol)を加え−78℃
で1時間反応させた後、0℃になるまで徐々に温度を上
げ3時間反応させた。次に2N−硫酸水を加え室温にて
30分間撹拌し反応を終了した。反応液を酢酸エチルで
抽出し、溶媒を留去し、得られた固形物を水、ヘキサン
の順で洗浄し下記化合物(4)4.24g(収率80.
3%)を得た。
【0056】
【化28】
【0057】 で得られた化合物(4)10g
(3.90×10-3mol)と2−n−ヘキシル−1,
3−プロパンジオール0.62g(3.70×10-3
をトルエン50ml中に溶解し還流冷却器付き共沸脱水
器を備えた三ツ口フラスコにて還流温度で2時間共沸脱
水する。反応終了後トルエンを留去し、残留物をシリカ
ゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム)精
製後エタノール−クロロホルムにて再結晶を行い白色結
晶のジオキサボリナン化合物1.01g(収率68.2
%)元素分析結果を表2に示す。1 H−NMR(200MHz,CDCl3) δ:7.77,7.73(d,2H),7.51,7.
47(d,2H),7.48,7.43(d,2H),
734,7.29(d,2H),4.21,4.19,
4.15,4.13(dd,2H),3.81,3.7
6,3.71(t,2H),2.18〜1.96(m,
1H),1.47〜1.12(m,1H),0.92〜
0.85(n,3H)
【0058】
【表2】
【0059】実施例2 下記化合物を製造した。
【0060】
【化29】
【0061】 実施例1で合成したボロン酸(4)
0.6g(2.34×10-3mol)と2−(4’−n
−ペンチルオキシフェニル)−1,3−プロパンジオー
ル0.56g(2.34×10-3mol)をトルエン5
0ml中に溶解し還流冷却器付き共沸脱水器を備えた三
ツ口フラスコにて還流温度で2時間共沸脱水する。反応
終了後トルエンを留去し、残留物をシリカゲルクロマト
グラフィー(展開溶媒:クロロホルム)精製後ヘキサン
で洗浄しエタノール−クロロホルムにて再結晶を行い白
色針状晶の目的物0.45g(収率42.1%)を得
た。元素分析結果を表3に示す。1 H−NMR(200MHz:CDCl3) δ:7.81,7.77(d,2H),7.53,7.
49(d,2H),7.48,7.44(d,2H),
7.34,7.30(d,2H),7.16,7.11
(d,2H),6.91,6.86(d,2H),4.
31〜4.21(dd,2H),4.26,4.16,
4.08(t,2H),3.98,3.94,3.91
(t,2H),3.33〜3.18(m,1H),1.
84〜1.72(m,2H),1.53〜1.27
(m,4H),0.96,0.93,0.89(t,3
H)
【0062】
【表3】
【0063】実施例3 下記化合物を製造した。
【0064】
【化30】
【0065】 p−メトキシヨードベンゼン17.5
3g(7.49×10-2mol)と3−メチル−1−ブ
チン−3−オール9.45g(1.12×10-1mo
l)をトリエチルアミン100ml中に溶解し、触媒と
してトリフェニルホスフィン0.02g(7.49×1
-5mol)、ビストリフェニルホスフィンパラジウム
クロライド0.105g(1.50×10-4mol)、
ヨウ化銅0.357g(1.87×10-3mol)を添
加し窒素雰囲気下室温で一昼夜撹拌反応させた。反応終
了後酢酸エチルで抽出し有機層を2N−塩酸水により洗
浄、水洗を経てから酢酸エチルを留去し、残留物をシリ
カゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム)
精製し固体の下記化合物(5)13.18g(y=9
8.1%)を得た。
【0066】
【化31】
【0067】1H−NMR(200MHz:CDCl3) δ:7.37,7.33(d,2H),6.85,6.
80(d,2H),3.80(s,3H),2.10
(s,1H),1.61(s,6H) で得られた化合物(5)13.98g(7.35
×10-2mol)を乾燥トルエン100ml中に溶解し
たものの中に60%水素化ナトリウム(油性)0.59
g(1.47×10-2mol)を添加し窒素雰囲気下で
3時間加熱還流した。冷却後水洗しトルエンを留去後シ
リカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホル
ム)精製し白黄色結晶の下記化合物(6)7.60g
(収率78.2%)を得た。
【0068】
【化32】
【0069】1H−NMR(200MHz:CDCl3) δ:7.45,7.41(d,2H),6.86,6.
82(d,2H),3.81(s,3H),2.99
(s,1H) で得られた化合物(6)7.60g(5.75×
10-2mol)とp−ブロモヨードベンゼン15.48
g(5.47×10-2mol)をトリエチルアミン30
0ml中に溶解し、触媒としてトリフェニルホスフィン
0.14g(5.47×10-4mol)、ビストリフェ
ニルホスフィンパラジウムジクロライド0.077g
(1.09×10-4mol)、ヨウ化銅0.26g
(1.37×10-3mol)を添加し窒素雰囲気下室温
で一昼夜撹拌反応させた。反応終了後クロロホルムで抽
出しよく水洗した後、溶媒を留去し残留物をヘキサンに
て洗浄しクロロホルムで再結晶を行うことにより下記化
合物(7)13.25g(収率80.3%)を得た。
【0070】
【化33】
【0071】1H−NMR(200MHz,CDCl3) δ:7.49,7.45(d,2H),7.38,7.
34(d,2H),7.48,7.44(d,2H),
6.90,6.86(d,2H),3.83(s,3
H) で得られた化合物(7)6g(2.09×10-2
mol)を乾燥テトラヒドロフラン260mlに溶解し
窒素雰囲気下−78℃で1.6M n−ブチルリチウム
のヘキサン溶液13.1(2.30×10-2mol)を
添加し15分間反応させた。ホウ酸トリメチル3.26
g(3.13×10-2mol)を加え−78℃で1時間
反応させた後0℃になるまで徐々に温度を上げ3時間反
応させた。次に2N−硫酸水を加え室温にて30分撹拌
し反応を終了した。反応液を酢酸エチルで抽出し溶媒を
留去し得られた固形物を水、ヘキサンの順で洗浄し下記
化合物(8)4.08g(収率77.4%)を得た。
【0072】
【化34】
【0073】 で得られた化合物(8)1.0g
(3.97×10-3mol)と2−n−ヘキシル−1,
3−プロパンジオール0.64g(3.97×10-3
ol)をトルエン50ml中に溶解し還流冷却器付き共
沸脱水器を備えた三ツ口フラスコにて還流温度で2時間
共沸脱水する。反応終了後トルエンを留去し、残留物を
シリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホル
ム)精製後エタノール−クロロホルムにて再結晶を行い
白色結晶のジオキサボリナン化合物0.83g(収率5
5.7%)を得た。1 H−NMR(200MHz,CDCl3) δ:7.76,7.71(d,2H),7.50,7.
46(d,2H),7.49,7.45(d,2H),
4.21,4.19,4.15,4.13(dd,2
H),3.81,3.76,3.71(t,2H),
3.83(s,3H),2.19〜1.96(m,1
H),1.47〜1.13(m,10H),0.93〜
0.81(t,3H)
【0074】
【表4】
【0075】物性測定 上記実施例で得られた化合物の相転移温度および相の判
定は、偏光顕微鏡による目視観察と示差走査熱量計(D
SC)を併用して行った。また、ΔnおよびΔεについ
ては文献法に準じて測定した。得られた結果を表5に示
す。
【0076】
【表5】
【0077】
【発明の効果】本発明の化合物であるジオキサボリナン
系化合物は新規な化合物であり、液晶フラットパネルデ
ィスプレイ等に使用される液晶組成物を調製するにあた
り有用な一成分である。本発明の化合物は物理的化学的
安定性が高く、安定なネマチック相を示すとともに、屈
折率異方性(Δn)が大きいという特徴を有する。した
がって、本件化合物は液晶表示素子等を駆動させるのに
必要なしきい電圧や飽和電圧に関して、液晶組成物の低
電圧化に有効な添加剤であり、実用的な液晶組成物を構
築するにあたって、有用な一成分として提供される。す
なわち、他の多くの液晶化合物、例えばエステル系、エ
ーテル系、カルボニル系、ビフェニル系、フェニルシク
ロヘキサン系、複素環系等の液晶化合物との相溶性が良
好で、これらを含む液晶組成物に添加してN−I点を上
昇させたり、他の物性を改良することができる。このよ
うに液晶フラットパネルディスプレイ等に使用される液
晶組成物を構築するにあたって、本発明は一成分として
有用な化合物を提供すると共に、該化合物を少なくとも
1種含む実用的液晶組成物をも提供するものである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年2月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】
【化10】

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I) 【化1】 〔式中、R1は置換されていてもよい炭素数1〜14の
    アルキル基を示し、R2は電子吸引基、炭素数1〜8の
    アルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、水素原子の
    一部または全部がハロゲン原子で置換された炭素数1〜
    8のアルキル基、同アルコキシ基から選ばれた一種を示
    し、X,Y,Zはそれぞれ同一もしくは異なる置換され
    ていてもよい芳香族または非芳香族の炭素同素環または
    複素環を示し、lは0,1または2を示し、m,nはそ
    れぞれ1または2を示し、Qは単結合、エーテル結合、
    またはエステル結合を示す。〕で表わされるジオキサボ
    リナン系化合物。
  2. 【請求項2】 R1が直鎖状で炭素数3〜6のアルキル
    基である請求項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】 R2の電子吸引基がハロゲン原子、シア
    ノ基、またはニトロ基である請求項1記載の化合物。
  4. 【請求項4】 R2がメトキシ基、CF3基またはOCF
    3基である請求項1記載の化合物。
  5. 【請求項5】 X,Y,Zがそれぞれ芳香族または非芳
    香族の5または6員環である請求項1記載の化合物。
  6. 【請求項6】 X,Y,Zがそれぞれ 【化2】 である請求項5記載の化合物。
  7. 【請求項7】 X,Y,Zの少なくとも一つがハロゲン
    原子で置換されたベンゼン環である請求項1記載の化合
    物。
  8. 【請求項8】 Xが 【化3】 である請求項5記載の化合物。
  9. 【請求項9】 R1が直鎖状で炭素数が3〜6のアルキ
    ル基であり、X,Y及びZがベンゼン環であり、lが0
    または1であり、m及びnが1であり、R2が塩素原
    子、フッ素原子、メトキシ基またはCF3基である請求
    項1記載の化合物。
  10. 【請求項10】 下記一般式(II) 【化4】 〔式中、R2,Y,Z,m,nは前記と同意義を有す
    る。〕で表わされる化合物と、下記一般式(III) 【化5】 〔式中、R1,Q,X,lは前記と同意義を表わす。〕
    で表わされる化合物を反応させることを特徴とする請求
    項1記載の化合物の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項1に記載の化合物の少なくとも
    1種を含有してなることを特徴とする液晶組成物。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の液晶組成物を少な
    くとも一対の基板の間に配置されたことよりなる液晶光
    変調装置。
JP5291931A 1993-11-22 1993-11-22 ジオキサボリナン系化合物、それらの製造方法、該化合物を含む液晶組成物および該組成物を用いた液晶光変調装置 Withdrawn JPH07145174A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7635595B2 (en) * 2002-05-30 2009-12-22 Lakowicz Joseph R Fluorescent probes for saccharrides
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CN114989204A (zh) * 2022-06-16 2022-09-02 西北工业大学 一种葡萄糖响应自修复凝胶用的二苯乙炔类液晶态交联剂的制备方法

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