JP2534555B2 - 液晶性化合物及びそれを含む液晶組成物 - Google Patents

液晶性化合物及びそれを含む液晶組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は,表示素子又は電気光学素子に有用な液晶性
化合物及びそれを含有する液晶組成物に関する。
現在,液晶材料による表示素子は受光型の表示方式で
あり,消費電力の少ないことや,薄型の表示装置を作成
できる等の特長があり,広く実用に供されている。一方
発光型の表示方式で,大画面表示が可能で,高速応答を
特長とするEL(エレクトルミネッセンス)やプラズマデ
ィスプレイの開発も盛んである。
〔従来の技術〕
これまで表示素子に用いられてきた液晶は,ほとんど
がネマチック液晶で,その主流はTN〔ツイスト・ネマチ
ック(Twisted Nematic)〕型である。このTN型表示方
式は,小型低消費電力などの長所を有する反面,画像表
示の応答速度が遅いという欠点をも有している。受光
型,低消費電力といった液晶表示素子の特長を生かし,
なおかつ発光型ディスプレイに匹敵する応答性を確保す
るためには新しい液晶表示方式の開発が不可欠である。
その試みの一つに強誘電性の光スイッチング現象を利用
した表示デバイスが提案されている。
強誘電性は,分子の配列上分類されているカイラルス
メクチックC相,カイラルスメクチックI相,カイラル
スメクチックF相,カイラルスメクチックG相及びカイ
ラルスメクチックH相(以下それぞれSC 相,SI 相,SF
相,SG 相及びSH 相と略す)に発現し,強誘電性に
基づく応答は次式〔a〕 τ=η/Ps・E 〔a〕 (式中τは応答時間,θは液晶材料の粘度,Psは自発分
極,Eは電界を示す)として表されるため,理論上1μs
まで応答できる表示素子を得ることが可能である。
強誘電性液晶化合物としては,ドデシルベンジリデン
−p−アミノ−2−メチルブチルシンナメート(DBAMB
C)に代表されるシッフ塩基系の液晶性化合物あるいは
エステル系の液晶性化合物など多くの化合物が合成され
ている。
さらに実用的な表示素子材料として用いるために,い
くつかの液晶化合物を混合し,カイラルスメクチックC
相の温度範囲を拡大する研究を盛んに行われている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら,上記したシッフ塩基系の液晶性化合物
は,光による異性化,水分による加水分解を起し,液晶
性を示さなくなり,表示素子材料として好ましくない。
そこで配合によって,実用的な表示素子材料を得るため
に,カイラルスメクチックC相を示す温度範囲が広く,
その上限温度が高い液晶性化合物が強く望まれている。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者等は,上記観点から鋭意研究の結果,安定性
にすぐれ,他のスメクチック液晶化合物とよく混合し,
カイラルスメクチックC相を示す温度範囲が広く,その
上限温度が高い液晶化合物及びそれを含有する液晶組成
物を見出し,本発明に到った。
すなわち,本発明は,一般式〔I〕 (式中Rは不斉炭素原子を有する光学活性アルキル基
を,Rは炭素数1〜20の直鎖アルキル基を,Xは基 基−C≡C−又は基−CH2CH2−を,Yは基 基−C≡C−又は基−CH2CH2−をそれぞれ示す)で表わ
される液晶性化合物である。
また本発明は上記一般式〔I〕で表される化合物を少
なくとも一種含有することを特徴とする液晶組成物であ
る。
一般式〔I〕で表わされる化合物の典型例を具体的に
示すと,式中のX,Yの組合せにより,次のグループに分
けることができる。
(式中R及びRは前記と同じ意義を有する。) 一般式〔I〕で表わされる化合物の製造法は下記に詳
述するが,製造原料の一つとして光学活性にアルコール
が使用される。光学活性アルコールとしては,産業上の
汎用性を考えて,安価で入手できる,例えば1−メチル
ブタノール,2−メチルブタノール,3−メチルペンタノー
ル,4−メチルヘキサノール,1−メチルヘプタノール,5−
メチルヘプタノール,6−メチルオクタノール,1−メチル
プロパノールなどが使用される。
本発明の化合物の製造法の概略を示すと次のようにな
る。
〔作用〕 本発明の化合物は次の作用及び特徴を示す。
まず水分を含有する雰囲気下において,容易に分解さ
れるような基や,光によって異性化するような基をもた
ないので,湿気,光に対して非常に安定である。
次に本発明の化合物の多くは単独でもスメクチックC
相を示す温度範囲が広いので,本発明の化合物同志や,
本発明の化合物と既存のスメクチックC相を有する化合
物,例えばエステル系,ビフェニル系,ピリジン系の化
合物等を混合することにより,スメクチックC相を示す
温度範囲を,室温を含む幅広い範囲に拡張できる。従っ
て,実用的にはさらに,混合する強誘電性カイラルスメ
クチック液晶化合物の強誘電性を示す温度範囲が狭い場
合でも混合できるので,その化合物を選択できる範囲が
広くなる。また本発明の化合物に,それ自体では,強誘
電性を示さない光学活性化合物の混合も可能である。
また本発明によると,これをネマチック液晶に添加す
ることによって,ねじれた構造を誘起する能力を有す
る。ねじれた構造を有するネマチック液晶,すなわち,
カイラルネマチック液晶は,TN表示素子のいわゆるリバ
ース・ドメイン(reverse domain:しま模様)を生成す
ることがないので本発明の化合物をリバース・ドメイン
生成の防止剤として利用できる。
〔実 施 例〕
以下に実施例を例示して,本発明を説明するが,実施
例中の%は重量%を示すものとする。
製造例1 4−(テトラヒドロピラン−2−イル)フェ
ニルアセチレン〔B〕の合成 撹拌器,温度計及び還流冷却器を備えた500c.c.の三
つ口フラスコに,窒素気流中で4−(テトラヒドロピラ
ン−2−イル)ブロモベンゼン30.0g(0.117mol),2−
メチル−3−ブチン−2−オール15.0g(0.176mol),
トリフェニルホスフィン400mg(1.52m mol),ジクロロ
ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム200mg(0.2
85m mol)及びトリエチルアミン180mlを仕込み,撹拌溶
解し,ヨウ化銅50mgを加えた。室温で1時間撹拌後,徐
々に加熱し,内恩を90℃とした。この温度で10時間反応
させた。反応後,室温に戻し,トリエチルアミンを減圧
下留去し,残留物にエーテル300mlを加え,水洗し,無
水硫酸ナトリウムで乾燥させた。過後,エーテルを留
去し,残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(200メッシュのシリカゲル200g,展開溶媒:ベンゼン/
酢酸エチル=8/2)にかけ,次の化合物〔A〕を中間体
として得た(収率88%) この化合物〔A〕のIR及び1H−NMRスペクトルデータ
を次に示す。
撹拌器,温度計及び蒸留装置を備えた500c.c.の三つ
口フラスコに,窒素気流中で上記化合物〔A〕26.7g
(0.103mol),無水トルエン250ml及び水素化ナトリウ
ム(50%ヌジョール分散剤)100mgを仕込み,室温で30
分間撹拌した。徐々に加熱し,30分要して内温を70℃と
した。アセトン(副生物)の還流が始まり,トルエンと
共と留出しはじめるが,さらに加熱して留出温度がトル
エンの沸点となるまで反応を続けた。この間2時間を要
し,留出した溶媒は100mlであった。反応終了後,室温
に戻し,ベンゼン100mlを加えて水洗し,無水硫酸ナト
リウムで乾燥した。過後,有機溶媒を留去し,残留物
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(200メッシュ
のシリカゲル200g,展開溶媒:ベンゼン/ヘキサン=8/
2)にかけて化合物〔B〕を80%の収率で得た。
化合物〔B〕のIR及び1H−NMRスペクトルデータを次
に示す。
製造例2 4−アルコキシカルボニル−4′−ヒドロキ
シトラン〔E〕の合成 撹拌器,温度計及び還流冷却器を備えた200c.c.の三
つ口フラスコに,4−(テトラヒドロピラン−2−イル)
−フェニルアセチレン〔B〕6.7g(33m mol),アルキ
ル(p−ブロモ)ベンゾエート33m mol,トリフェニルホ
スフィン120mg(0.46m mol),ジクロロビス(トリフェ
ニルホスフィン)パラジウム60mg(0.085m mol)及びト
リエチルアミン70mlを仕込み,撹拌溶解し,ヨウ化銅10
mgを加えた。室温で1時間撹拌後,徐々に加熱し,内温
を90℃とした。この温度で8時間反応させた後,室温に
戻し,トリエチルアミンを減圧下留去し,残留物にエー
テル200mlを加え,水洗し,無水硫酸ナトリウムで乾燥
させた。過後,エーテルを留去し,残留物をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(200メッシュのシリカゲ
ル100g展開溶媒:ベンゼン/ヘキサン=8/2)にかけ,
次の化合物〔D〕を中間化合物として得た(収率80
%)。
撹拌器,温度計及び還流冷却器を備えた200c.c.の三
つ口フラスコに上記化合物〔D〕5.2g(13m mol),テ
トラヒドロフラン50ml及びエタノール50mlを仕込んで撹
拌溶解し,p−トルエンスルホン酸・9水和物50mg(0.26
m mol)を加えた。室温で5時間撹拌後,溶媒を減圧下
留去し,残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(200メッシュのシリカゲル,展開溶媒:ベンゼン/酢
酸エチル=9/1)にかけ,さらにヘキサンから再結晶し
て,4−アルコキシカルボニル−4′−ヒドロキシトラン
〔E〕80〜90%の収率で得た。その構造はIR及び1H−NM
Rスペクトルにより確認した。
結果を第1表に示す。
製造例3 4−アルコキシ−3−フルオロフェニルアセ
チレン〔H〕の合成 300c.c.の三つ口フラスコに4−アルコキシ−3−フ
ロオロブロモベンゼン41.2m mol,3−メチル−1−ブチ
ン−3−オール5.50g(65.4m mol),トリフェニルホス
フィン100mg,ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)
パラジウム触媒95mg(0.14m mol)及びトリエチルアミ
ン100mlを仕込んで撹拌溶解し,ヨウ化銅5mgを加えた。
室温で3時間撹拌後,徐々に加熱し,30分を要して内温
を90℃とした。この温度で20時間反応させた。反応後は
室温に戻し,トリエチルアミンを減圧下留去し,残留物
にエーテル100mlを加えて水洗,無水硫酸ナトリウムで
乾燥した。過後,エーテルを留去し,残留物をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(200メッシュのシリカ
ゲル100g,展開溶媒:ベンゼン)にかけて精製し,次の
化合物〔G〕を中間体として得た(収率90%)。
蒸留装置をも備えた200c.c.の三つ口フラスコに,窒
素気流中で上記化合物〔G〕37.9m mol,無水トルエン10
0ml及び水素化ナトリウム(60%ヌジョール分散剤)100
mgを仕込み,室温で30分間撹拌した。徐々に加熱し,30
分要して内温を70℃とした。アセトン(副生物)の還流
が始まり,トルエンと共に留出しはじめるが,さらに加
熱して,留出温度がトルエンの沸点となるまで反応を続
けた。この間2時間を要し,留出した溶媒は50mlであっ
た。反応終了後,室温に戻し,ベンゼン100ml加えて水
洗,無水硫酸ナトリウムで乾燥した。過後,有機溶媒
を留去し,残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(200メッシュのシリカゲル100g,展開溶媒:ヘキサ
ン)にかけて,4−アルコキシ−3−フルオロアセチレン
〔H〕を80〜97%の収率で得た。その構造はIR及び1H−
NMRスペクトルで確認した。
得られた隠化合物の性状と物性とを共に第2表に示
す。
製造例4 アルキル−p−ブロモフェニルテレフタレー
ト〔J〕の合成 滴下ロートをも備えた300c.c.の四つ口フラスコに,
窒素気流中,テレフタロイルジクロリド50.0m mol,無水
テトラヒドロフラン100mlを仕込み,0℃で撹拌溶解し
た。光学活性アルコール50.0m mol及びトリエチルアミ
ン50.0m molを溶解させたテトラヒドロフラン50ml溶液
を30分要して加え,その温度で2時間反応させた。次い
でp−ブロモフェノール50.0m mol及びトリエチルアミ
ン50.0m molを溶解させたテトラヒドロフラン50ml溶液
を加えその温度で2時間反応させた。反応終了後,室温
に戻し,過後,有機溶媒を減圧留去し,残留物にエー
テル200mlを加え,水洗,無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。過後,エーテルを留去し,残留物をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(200メッシュのシリカゲル100
g,展開溶媒:ベンゼン/ヘキサン=1/1)にかけ,さら
に石油エーテルから再結晶し,アルキル−p−ブロコフ
ェニルテレフタレート〔J〕を得た。化合物の構造は,I
R及び1H−NMRスペクトルで確認した。
結果を第3表に示す。
実施例1 4−アルコキシカルボニル−4′−(4″−
アルコキシ−3″−フルオロ)ベンゾイルオキシトラン
〔Ia〕の合成 撹拌器,温度計及び還流冷却器を備えた100c.c.の三
つ口フラスコに,3−フルオロ−4−アルコキシ安息香酸
1.3m mol,塩化チオニル1.0ml及びベンゼン10mlを仕込
み,80℃で1時間反応させた。反応終了後,減圧下に溶
媒及び過剰の塩化チオニルを留去し,相当する酸クロリ
ドを得た。
反応容器に製造例2で得られた4−アルコキシカルボ
ニル−4′−ヒドロキシトラン〔E〕1.3m mol,トリエ
チルアミン1.8m mol及び無水エーテル10mlを仕込み,窒
素気流下,撹拌溶解した。この溶液に上記で得られた酸
クロリドの無水エーテル5ml溶液を,水冷下加え,この
温度で1時間撹拌した。その後室温に戻し,エーテル10
mlを加えて水洗し,無水硫酸ナトリウムで乾燥した。
過後,エーテルを留去し,残留物をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(200メッシュのシリカゲル20g,展開
溶媒:ベンゼン/ヘキサン=8/2)にかけ,単離し,ヘ
キサンから再結晶して第4表の4−アルコキシカルボニ
ル−4′−(4″−アルコキシ−3″−フルオロ)ベン
ゾイルオキシトラン〔Ia〕を50〜80%の収率で得た。各
化合物の構造はIR及びNMRスペクトルデータで確認し
た。
例 〔化合物No.2〕 以上実施例1で得られた各化合物の相転移温度と共に
結果を第4表に示す。
実施例2 1−(4′−アルコキシカルボニル)フェニ
ル−2−〔4″−(4−アルコキシ−3−フルオ
ロ)ベンゾイルオキシ〕フェニルエタン〔Ib〕の合成 水素ガスを封入したゴム風船を備えた反応容器に,実
施例1で得た4−アルコキシカルボニル−4′−(4″
−アルコキシ−3″−フルオロ)ベンゾイルオキシトラ
ン〔Ia〕1.0m mol,5%パラジウム−炭素50mg及び酢酸エ
チル10mlを仕込み,水素ガス置換後,室温で撹拌,反応
させた。反応終了後,過,溶媒を減圧下留去,残留物
をヘキサンから再結晶し,第5表の1−(4′−アルコ
キシカルボニル)フェニル−2−〔4″−(4−アク
ロキシ−3−フルオロ)ベンゾイルオキシ〕フェニル
エタン〔Ib〕を56〜96%の収率で得た。各化合物の構造
はIR及び1H−NMRスペクトルにより確認した。
例 〔化合物No.8〕 以上実施例2で得られた各化合物の相転移温度と共に
結果を第5表に示す。
実施例3 4−(p−アルコキシカルボニル)ベンゾイ
ルオキシ−4′−アルコキシ−3′−フルオロトラン
〔Ic〕の合成 反応容器に,製造例3で得られた4−アルコキシ−3
−フルオロフェニルアセチレン〔H〕2.8m mol,製造例
4で得られたアルキルp−ブロモフェニルテレフタレー
ト〔J〕2.8m mol,トリフェニルホスフィン25.0mg,ジク
ロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム10.0mg
及びトリエチルアミン20mlを仕込み,窒素気流下,撹拌
溶解し,ヨウ化銅5.0mgを加えた。室温で1時間撹拌
後,徐々に加熱し,内温を90℃とした。その温度で8時
間反応させた。反応終了後,室温に戻し,トリエチルア
ミンを減圧下留去,残留物にエーテル20mlを加えて,水
洗,無水硫酸ナトリウムで乾燥した。過後,エーテル
を留去,残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(200メッシュのシリカゲル30g,展開溶媒:ベンゼン/
ヘキサン=1/1)にかけて精製し,さらにヘキサンより
再結晶し,第6表の4−(p−アルコキシカルボニル)
ベンゾイルオキシ−4′−アルコキシ−3′−フルオロ
トラン〔Ic〕を17〜73%の収率で得た。各化合物の構造
はIR及び1H−NMRスペクトルにより確認した。
例 〔化合物No.18〕 以上実施例3で得られた各化合物の相転移温度と共に
結果を第6表に示す。
実施例4 1−〔4′−(p−アルコキシカルボニル)
ベンゾイルオキシ〕フェニル−2−(4″−アルコキシ
−3″−フルオロ)フェニルエタン〔Id〕の合成 水素ガスを封入したゴム風船を備えた反応容器に,実
施例3で得られた4−(p−アルコキシカルボニル)ベ
ンゾイルオキシ−4′−アルコキシ−3′−フルオロト
ラン〔Ic〕1.0m mol,5%パラジウム−炭素50mg及び酢酸
エチル10mlを仕込み,水素ガス置換後,室温で撹拌,反
応させた。反応終了後,過し,溶媒を減圧下留去し,
残留物をヘキサンから再結晶し,第7表の1−〔4′−
(p−アルコキシカルボニル)ベンゾイルオキシ〕フェ
ニル−2−(4″−アルコキシ−3″−フルオロ)フェ
ニルエタン〔Id〕を58〜94%の収率で得た。各化合物の
構造はIR及び1H−NMRスペクトルにより確認した。
例 〔化合物No.29〕 以上実施例4で得られた各化合物の相転移温度と共に
結果を第7表に示す。
実施例5 化合物No.4(第4表),化合物No.11(第5表)及び
化合物No.18(第6表)の本発明の化合物を用いて下記
第8表の液晶組成物を調製し,その相転移温度を測定し
た結果,第8表に示す通りであった。
実施例6 実施例5の液晶組成物40%と次の構造式 で表わされる既知の液晶性化合物60%とからなる液晶組
成物を調製し,その相転移温度(℃)を測定した結果次
の通りであった。
エステル系液晶化合物のほかに,ビフェニル系,ピリ
ミジン系液晶化合物などとの混合によっても,融点を下
げ,SC 相の温度範囲を拡大することが可能であった。
〔発明の効果〕
実施例1〜4から明らかなように,本発明の化合物は
SC 相を呈し,また実施例5及び6の結果から,室温を
含む広い温度範囲のカイラルスメクチック液晶組成物を
得る上で,本発明の化合物は有効な成分となることは明
らかである。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式〔I〕 (式中Rは不斉炭素原子を有する光学活性アルキル基
    を,Rは炭素数1〜20の直鎖アルキル基を,Xは基 基−C≡C−又は基−CH2CH2−を,Yは基 基−C≡C−又は基−CH2CH2−をそれぞれ示す)で表わ
    される液晶性化合物。
  2. 【請求項2】一般式〔I〕において、Rが一般式 〔II〕 (式中mは0〜5の整数を,1は1〜5の整数を,*は不
    斉炭素原子をそれぞれ表す)で表わされる光学活性アル
    キル基である特許請求の範囲第1項記載の液晶性化合
    物。
  3. 【請求項3】一般式〔I〕 (式中Rは不斉炭素原子を有する光学活性アルキル基
    を,Rは炭素数1〜20の直鎖アルキル基を,Xは基 基−C≡C−又は基−CH2CH2−を,Yは基 基−C≡C−又は基−CH2CH2−をそれぞれ示す)で表わ
    される液晶性化合物を少なくとも1種含有することを特
    徴とする液晶組成物。
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