JPH0714504A - 電界放出素子の製造方法 - Google Patents
電界放出素子の製造方法Info
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- JPH0714504A JPH0714504A JP15353493A JP15353493A JPH0714504A JP H0714504 A JPH0714504 A JP H0714504A JP 15353493 A JP15353493 A JP 15353493A JP 15353493 A JP15353493 A JP 15353493A JP H0714504 A JPH0714504 A JP H0714504A
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- substrate
- insulating layer
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 再現性・均一性・量産性に優れた電界放出素
子の製造方法を提供する。 【構成】 (a)Si基板1上に、絶縁層2・ゲート層
3・剥離層4を順次積層させる。(b)剥離層4上に、
開口部6を有するレジスト層5を設ける。(c)ガスク
ラスターインビームによって、Si基板があらわれるま
で剥離層とゲート層と絶縁層に連続した孔を形成する。
(d)Si基板の上方からエミッタ材料を蒸着し、絶縁
層の空孔7内のSi基板上にエミッタ9を形成する。
(e)剥離層と共にエミッタ材料を除去する。回転する
基板の斜め上方から剥離物質を蒸着させる従来の斜め蒸
着法では、特に基板が広い場合に膜質の制御が困難だ
が、ガスクラスタイオンビームによれば膜質・開口形状
の均一な剥離層を形成できる。無害な不活性ガスを使う
ので、ゲート層や絶縁層の孔内を洗浄する必要がない。
子の製造方法を提供する。 【構成】 (a)Si基板1上に、絶縁層2・ゲート層
3・剥離層4を順次積層させる。(b)剥離層4上に、
開口部6を有するレジスト層5を設ける。(c)ガスク
ラスターインビームによって、Si基板があらわれるま
で剥離層とゲート層と絶縁層に連続した孔を形成する。
(d)Si基板の上方からエミッタ材料を蒸着し、絶縁
層の空孔7内のSi基板上にエミッタ9を形成する。
(e)剥離層と共にエミッタ材料を除去する。回転する
基板の斜め上方から剥離物質を蒸着させる従来の斜め蒸
着法では、特に基板が広い場合に膜質の制御が困難だ
が、ガスクラスタイオンビームによれば膜質・開口形状
の均一な剥離層を形成できる。無害な不活性ガスを使う
ので、ゲート層や絶縁層の孔内を洗浄する必要がない。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発光型表示装置、プリ
ンタ用光源、電子顕微鏡、電子ビーム露光装置、CRT
用電子銃、マイクロ波増幅管、センサーなど各種電子ビ
ーム応用装置の電子源として利用することができる電界
放出素子の製造方法に関するものである。
ンタ用光源、電子顕微鏡、電子ビーム露光装置、CRT
用電子銃、マイクロ波増幅管、センサーなど各種電子ビ
ーム応用装置の電子源として利用することができる電界
放出素子の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の電界放出素子としては、アメリカ
のSRIやフランスのLETIがマイクロチップディス
プレイとして発表した通称Spindt型カソードが知
られている。図3(a)〜(f)に、Spindt型カ
ソードの作製手順の一例を示す。
のSRIやフランスのLETIがマイクロチップディス
プレイとして発表した通称Spindt型カソードが知
られている。図3(a)〜(f)に、Spindt型カ
ソードの作製手順の一例を示す。
【0003】図3(a)に示すように、Si基板100
上に熱酸化膜からなる絶縁層101を形成し、その上に
Nbからなるゲート層102を形成する。
上に熱酸化膜からなる絶縁層101を形成し、その上に
Nbからなるゲート層102を形成する。
【0004】図3(b)に示すように、前記ゲート層1
02の上にレジスト103を塗布し、図示しないマスク
を介して露光した後に現像を行ない、所定パターンの孔
104を形成する。
02の上にレジスト103を塗布し、図示しないマスク
を介して露光した後に現像を行ない、所定パターンの孔
104を形成する。
【0005】図3(c)に示すように、SF6 等を用い
たRIEによりゲート層102に開口105を形成し、
続けてBHFで絶縁層101をエッチングしてSi基板
100に達する空孔106を形成する。
たRIEによりゲート層102に開口105を形成し、
続けてBHFで絶縁層101をエッチングしてSi基板
100に達する空孔106を形成する。
【0006】図3(d)に示すように、ゲート層102
上にAlの剥離層107を斜め蒸着で形成する。即ち、
Si基板100に垂直な開口105乃至空孔106の中
心軸Xに対してSi基板100にほぼ平行の浅い入射角
でAlを斜め蒸着させてゲート層102上に剥離層10
7を形成する。
上にAlの剥離層107を斜め蒸着で形成する。即ち、
Si基板100に垂直な開口105乃至空孔106の中
心軸Xに対してSi基板100にほぼ平行の浅い入射角
でAlを斜め蒸着させてゲート層102上に剥離層10
7を形成する。
【0007】図3(e)に示すように、Si基板100
の垂直上方からエミッタ材料であるMoを蒸着させ、空
孔106内のSi基板100上にコーン形状のエミッタ
108を形成する。
の垂直上方からエミッタ材料であるMoを蒸着させ、空
孔106内のSi基板100上にコーン形状のエミッタ
108を形成する。
【0008】図3(f)に示すように、剥離層107と
ともにゲート層102上に堆積したMoを除去し、電界
放出素子が完成する。
ともにゲート層102上に堆積したMoを除去し、電界
放出素子が完成する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来の製造方
法には次のような問題があった。 1)Alの剥離層107を斜め蒸着で形成しなければな
らない。これはゲート層102の開口105から空孔1
06内にAlが入らないようにするためである。もしA
lが空孔106内に蒸着されると、エミッタ108を作
製した後のAl剥離の工程で、エミッタ108も一緒に
剥離してしまうからである。しかしこの斜め蒸着法は、
その角度によりAlの膜質を変化させ、特に開口部の結
晶状態が変化すると、それが電界放出特性を決めるエミ
ッタ108の形成に影響を与える為、カソードのエミッ
ション特性の均一性、再現性、絶縁歩留まりに影響し、
極めて再現性が悪い。またディスプレイ用電子源等、大
型電界放出基板を作製する際には、その原理上、蒸着装
置を極めて大型にし、蒸着源と基板との距離を十分にと
らなければ、Alを均一な角度で斜め蒸着することはで
きない。このため、斜め蒸着法は、蒸着材料の使用量が
多く、装置の大型化の点で量産化には不向きである。
法には次のような問題があった。 1)Alの剥離層107を斜め蒸着で形成しなければな
らない。これはゲート層102の開口105から空孔1
06内にAlが入らないようにするためである。もしA
lが空孔106内に蒸着されると、エミッタ108を作
製した後のAl剥離の工程で、エミッタ108も一緒に
剥離してしまうからである。しかしこの斜め蒸着法は、
その角度によりAlの膜質を変化させ、特に開口部の結
晶状態が変化すると、それが電界放出特性を決めるエミ
ッタ108の形成に影響を与える為、カソードのエミッ
ション特性の均一性、再現性、絶縁歩留まりに影響し、
極めて再現性が悪い。またディスプレイ用電子源等、大
型電界放出基板を作製する際には、その原理上、蒸着装
置を極めて大型にし、蒸着源と基板との距離を十分にと
らなければ、Alを均一な角度で斜め蒸着することはで
きない。このため、斜め蒸着法は、蒸着材料の使用量が
多く、装置の大型化の点で量産化には不向きである。
【0010】2)従来のゲート層102の開口105の
加工工程では、開口105の穴径をパターニングし、N
b膜をSF6 等を用いたRIEにより穴を開け、続いて
ウエットエッチング法では緩衝フッ酸等により、または
ドライエッチング法ではCHF3 により、SiO2 の絶
縁層101にSi基板100まで空孔106を立て彫り
していた。しかしこの工程では、ゲート層102上、ゲ
ート層102の結晶粒界中および空孔106内部の絶縁
層101等の表面に、Fおよびそれらの化合物が残存す
る。これらの物質は、複雑なカソード基板の構造上、後
工程で完全に除去することが困難であり、最終的にカソ
ードの電子線放出時にそれらの各部分から放出され、エ
ミッタへのガス吸着汚染物質となり、電界放出素子の寿
命特性に悪影響を及ぼす。
加工工程では、開口105の穴径をパターニングし、N
b膜をSF6 等を用いたRIEにより穴を開け、続いて
ウエットエッチング法では緩衝フッ酸等により、または
ドライエッチング法ではCHF3 により、SiO2 の絶
縁層101にSi基板100まで空孔106を立て彫り
していた。しかしこの工程では、ゲート層102上、ゲ
ート層102の結晶粒界中および空孔106内部の絶縁
層101等の表面に、Fおよびそれらの化合物が残存す
る。これらの物質は、複雑なカソード基板の構造上、後
工程で完全に除去することが困難であり、最終的にカソ
ードの電子線放出時にそれらの各部分から放出され、エ
ミッタへのガス吸着汚染物質となり、電界放出素子の寿
命特性に悪影響を及ぼす。
【0011】本発明は、大型の基板上においても、再現
性、均一性、量産性に優れた電界放出素子を製造できる
電界放出素子の製造方法を提供することを目的としてい
る。
性、均一性、量産性に優れた電界放出素子を製造できる
電界放出素子の製造方法を提供することを目的としてい
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載された電
界放出素子の製造方法は、基板と、前記基板上に設けら
れた絶縁層と、前記絶縁層に形成された空孔の内部にお
いて前記基板上に設けられたエミッタ電極と、前記絶縁
層の上面に形成されて前記空孔に対応したゲート孔を有
するゲート電極を備えた電界放出素子の製造方法におい
て、前記基板上に絶縁層とゲート電極と剥離層を順次積
層して形成する工程と、前記剥離層の表面にレジスト層
を形成して該レジスト層に開口部を形成する工程と、前
記剥離層とゲート電極と絶縁層をガスクラスタイオンビ
ームで加工して前記ゲート孔及び空孔を形成する工程
と、前記剥離層側からエミッタ材料を蒸着して前記空孔
内にエミッタ電極を形成する工程と、前記剥離層上に被
着したエミッタ材料を該剥離層とともに除去する工程を
有することを特徴としている。
界放出素子の製造方法は、基板と、前記基板上に設けら
れた絶縁層と、前記絶縁層に形成された空孔の内部にお
いて前記基板上に設けられたエミッタ電極と、前記絶縁
層の上面に形成されて前記空孔に対応したゲート孔を有
するゲート電極を備えた電界放出素子の製造方法におい
て、前記基板上に絶縁層とゲート電極と剥離層を順次積
層して形成する工程と、前記剥離層の表面にレジスト層
を形成して該レジスト層に開口部を形成する工程と、前
記剥離層とゲート電極と絶縁層をガスクラスタイオンビ
ームで加工して前記ゲート孔及び空孔を形成する工程
と、前記剥離層側からエミッタ材料を蒸着して前記空孔
内にエミッタ電極を形成する工程と、前記剥離層上に被
着したエミッタ材料を該剥離層とともに除去する工程を
有することを特徴としている。
【0013】請求項2に記載された電界放出素子の製造
方法は、基板と、前記基板上に設けられた第一の絶縁層
と、前記第一の絶縁層に形成された空孔の内部において
前記基板上に設けられたエミッタ電極と、前記第一の絶
縁層の上面に形成されて前記空孔に対応したゲート孔を
有するゲート電極と、前記ゲート電極の上面に形成され
て前記ゲート孔に対応する空孔が形成された第二の絶縁
層と、前記第二の絶縁層の上面に形成された集束電極を
備えた電界放出素子の製造方法において、前記基板上に
第一の絶縁層とゲート電極と第二の絶縁層と集束電極と
剥離層を順次積層して形成する工程と、前記剥離層の表
面にレジスト層を形成して該レジスト層に開口部を形成
する工程と、前記剥離層と集束電極と第二の絶縁層とゲ
ート電極と第一の絶縁層をガスクラスタイオンビームで
加工して前記空孔を形成する工程と、前記剥離層側から
エミッタ材料を蒸着して前記空孔内にエミッタ電極を形
成する工程と、前記剥離層上に被着したエミッタ材料を
該剥離層とともに除去する工程を有することを特徴とし
ている。
方法は、基板と、前記基板上に設けられた第一の絶縁層
と、前記第一の絶縁層に形成された空孔の内部において
前記基板上に設けられたエミッタ電極と、前記第一の絶
縁層の上面に形成されて前記空孔に対応したゲート孔を
有するゲート電極と、前記ゲート電極の上面に形成され
て前記ゲート孔に対応する空孔が形成された第二の絶縁
層と、前記第二の絶縁層の上面に形成された集束電極を
備えた電界放出素子の製造方法において、前記基板上に
第一の絶縁層とゲート電極と第二の絶縁層と集束電極と
剥離層を順次積層して形成する工程と、前記剥離層の表
面にレジスト層を形成して該レジスト層に開口部を形成
する工程と、前記剥離層と集束電極と第二の絶縁層とゲ
ート電極と第一の絶縁層をガスクラスタイオンビームで
加工して前記空孔を形成する工程と、前記剥離層側から
エミッタ材料を蒸着して前記空孔内にエミッタ電極を形
成する工程と、前記剥離層上に被着したエミッタ材料を
該剥離層とともに除去する工程を有することを特徴とし
ている。
【0014】本発明によれば、前記各方法において、基
板はカソード電極を含んでいてもよいし、カソード電極
と抵抗層を含んでいてもよい。
板はカソード電極を含んでいてもよいし、カソード電極
と抵抗層を含んでいてもよい。
【0015】
【実施例】本発明の一実施例を図1及び図2を参照して
説明する。図1(a)に示すように、Si基板1の表面
にSiO2 の酸化膜からなる絶縁層2を形成し、その上
にNb膜からなるゲート電極としてのゲート層3を形成
する。ゲート層3の上には、アルミニウムからなる剥離
層4を真空蒸着又はスパッタ法等により形成する。
説明する。図1(a)に示すように、Si基板1の表面
にSiO2 の酸化膜からなる絶縁層2を形成し、その上
にNb膜からなるゲート電極としてのゲート層3を形成
する。ゲート層3の上には、アルミニウムからなる剥離
層4を真空蒸着又はスパッタ法等により形成する。
【0016】図1(b)に示すように、前記剥離層4の
上にレジスト層5を塗布し、図示しないマスクを介した
露光の後に現像して所定パターンの開口部6を形成す
る。
上にレジスト層5を塗布し、図示しないマスクを介した
露光の後に現像して所定パターンの開口部6を形成す
る。
【0017】所定パターンの開口部6が形成された前記
レジスト層5をマスクとして、ガスクラスターイオンビ
ームによって、図1(c)に示すようにSi基板1の表
面があらわれるまでエッチングを行い、絶縁層2の空孔
7と該空孔7に対応するゲート層3のゲート孔8を形成
する。なお、レジスト層5がエッチング終了後に剥離層
4の上に残るようにすれば、オーバーエッチングを防止
することができる。
レジスト層5をマスクとして、ガスクラスターイオンビ
ームによって、図1(c)に示すようにSi基板1の表
面があらわれるまでエッチングを行い、絶縁層2の空孔
7と該空孔7に対応するゲート層3のゲート孔8を形成
する。なお、レジスト層5がエッチング終了後に剥離層
4の上に残るようにすれば、オーバーエッチングを防止
することができる。
【0018】図2は、図1(c)の工程で用いられるガ
スクラスターイオンビーム装置11を示す。略筒状の本
体12の内部は、排気手段13,14,15によって高
真空状態に排気されるようになっている。該本体12の
一端にある導入部16は、内径0.1mm程度以下の細
いノズルを有しており、該ノズルから本体12の内部に
数気圧の圧力でガスが噴射されるようになっている。そ
して、このガスは、クラスター発生部17及びイオン化
部18に導かれる。ここで形成されたガスクラスターイ
オンは、偏向系19,19、レンズ系20、質量分離系
21及び加速管22を経て加速され、本体12内の他端
に設けられたターゲットとしての前記Si基板1に照射
される。
スクラスターイオンビーム装置11を示す。略筒状の本
体12の内部は、排気手段13,14,15によって高
真空状態に排気されるようになっている。該本体12の
一端にある導入部16は、内径0.1mm程度以下の細
いノズルを有しており、該ノズルから本体12の内部に
数気圧の圧力でガスが噴射されるようになっている。そ
して、このガスは、クラスター発生部17及びイオン化
部18に導かれる。ここで形成されたガスクラスターイ
オンは、偏向系19,19、レンズ系20、質量分離系
21及び加速管22を経て加速され、本体12内の他端
に設けられたターゲットとしての前記Si基板1に照射
される。
【0019】ここで、Si基板1に照射されるガスクラ
スターイオンにおいて、クラスターを構成している原子
の内、1個の原子が電荷を持っている。すなわち、数百
から数千個の原子の集団の内の1個の原子をイオン化さ
せるので、ガスクラスターイオンはあたかも数百から数
千倍の質量を持った塊としてターゲットに作用する。こ
の場合、クラスターを構成する原子は互いに弱く結合し
ており、その数を今Nとすると、エネルギーはN分の
1、電荷質量比もN分の1になるので、等価的に低エネ
ルギーが得られる。
スターイオンにおいて、クラスターを構成している原子
の内、1個の原子が電荷を持っている。すなわち、数百
から数千個の原子の集団の内の1個の原子をイオン化さ
せるので、ガスクラスターイオンはあたかも数百から数
千倍の質量を持った塊としてターゲットに作用する。こ
の場合、クラスターを構成する原子は互いに弱く結合し
ており、その数を今Nとすると、エネルギーはN分の
1、電荷質量比もN分の1になるので、等価的に低エネ
ルギーが得られる。
【0020】従って、本製造方法において絶縁層2とゲ
ート層3のエッチング工程にガスクラスターイオンビー
ムを用いると、次のような効果が得られる。 1)数eVから数百eVの低エネルギーのビームで照射
することが出来る。 2)小電流で多量の原子が輸送出来る。 3)絶縁物のエッチングが可能。 4)高いスパッタ率が得られる(百倍以上)。 5)エッチングガスとしてAr,CO2 ,N2 等反応性
や吸着性の弱いガスを用いることが出来る。
ート層3のエッチング工程にガスクラスターイオンビー
ムを用いると、次のような効果が得られる。 1)数eVから数百eVの低エネルギーのビームで照射
することが出来る。 2)小電流で多量の原子が輸送出来る。 3)絶縁物のエッチングが可能。 4)高いスパッタ率が得られる(百倍以上)。 5)エッチングガスとしてAr,CO2 ,N2 等反応性
や吸着性の弱いガスを用いることが出来る。
【0021】次に残ったレジスト層5を除去した後、図
1(d)に示すように、電子ビーム蒸着法等の手段によ
り、Si基板1に対して垂直上方からエミッタ材料とし
てのMoを蒸着し、絶縁層2の空孔7内にコーン形状の
エミッタ電極9を形成する。
1(d)に示すように、電子ビーム蒸着法等の手段によ
り、Si基板1に対して垂直上方からエミッタ材料とし
てのMoを蒸着し、絶縁層2の空孔7内にコーン形状の
エミッタ電極9を形成する。
【0022】最後に、図1(e)に示すように、剥離層
4とともにゲート層3上のMoを除去し、電界放出素子
10が完成する。
4とともにゲート層3上のMoを除去し、電界放出素子
10が完成する。
【0023】以上説明した一実施例では、基板としてS
i基板を用いたが、ガラス基板も利用できる。その場
合、ガラス基板の上面に金属薄膜からなるエミッタ用電
極を設け、その上にCVD等によってSiO2 等の絶縁
層を形成すればよい。さらに、エミッタ用電極と各エミ
ッタの間に抵抗層を設けるようにしてもよい。
i基板を用いたが、ガラス基板も利用できる。その場
合、ガラス基板の上面に金属薄膜からなるエミッタ用電
極を設け、その上にCVD等によってSiO2 等の絶縁
層を形成すればよい。さらに、エミッタ用電極と各エミ
ッタの間に抵抗層を設けるようにしてもよい。
【0024】前記一実施例は、Si基板1上にエミッタ
電極9とゲート層3の2極を有する構造の電界放出素子
10に関するものであったが、本発明の製造方法は3極
構造の素子にも適用しうる。例えば、前記ゲート層3の
上に第2の絶縁層を介して制御電極としての集束電極が
設けられ、ゲート層3のゲート孔8に対応する孔が第2
の絶縁層と集束電極に形成された電界放出素子の製造に
対しても本発明は有用である。
電極9とゲート層3の2極を有する構造の電界放出素子
10に関するものであったが、本発明の製造方法は3極
構造の素子にも適用しうる。例えば、前記ゲート層3の
上に第2の絶縁層を介して制御電極としての集束電極が
設けられ、ゲート層3のゲート孔8に対応する孔が第2
の絶縁層と集束電極に形成された電界放出素子の製造に
対しても本発明は有用である。
【0025】このような3極構造の電界放出素子の製造
方法においては、まず、基板上に第一の絶縁層とゲート
電極と第二の絶縁層と集束電極と剥離層を順次積層して
形成する。次に、前記剥離層の表面にレジスト層を形成
して該レジスト層に所定パターンの開口部を形成する。
そして、前記レジスト層をマスクとして、前記剥離層と
集束電極と第二の絶縁層とゲート電極と第一の絶縁層に
対し、前記基板に到達する連続した孔をガスクラスタイ
オンビームで形成する。
方法においては、まず、基板上に第一の絶縁層とゲート
電極と第二の絶縁層と集束電極と剥離層を順次積層して
形成する。次に、前記剥離層の表面にレジスト層を形成
して該レジスト層に所定パターンの開口部を形成する。
そして、前記レジスト層をマスクとして、前記剥離層と
集束電極と第二の絶縁層とゲート電極と第一の絶縁層に
対し、前記基板に到達する連続した孔をガスクラスタイ
オンビームで形成する。
【0026】上記の工程により、前記第1の絶縁層及び
ゲート電極には、前記第1実施例と同様の空孔及びゲー
ト孔が形成される。さらに第2の絶縁層、集束電極及び
剥離層にも、これら空孔及びゲート孔に対応する孔が形
成される。
ゲート電極には、前記第1実施例と同様の空孔及びゲー
ト孔が形成される。さらに第2の絶縁層、集束電極及び
剥離層にも、これら空孔及びゲート孔に対応する孔が形
成される。
【0027】次に、前記剥離層側からエミッタ材料を基
板に垂直に蒸着して前記空孔内にエミッタ電極を形成す
る。そして最後に、前記剥離層上に被着したエミッタ材
料を該剥離層とともに除去する。
板に垂直に蒸着して前記空孔内にエミッタ電極を形成す
る。そして最後に、前記剥離層上に被着したエミッタ材
料を該剥離層とともに除去する。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、基板上に積層させた絶
縁層やゲート電極等に、ガスクラスタイオンビームを用
いて基板に達する連続した開口部を容易に形成できる。
縁層やゲート電極等に、ガスクラスタイオンビームを用
いて基板に達する連続した開口部を容易に形成できる。
【0029】このため、従来のように、剥離層を膜質制
御の困難な斜め蒸着法で形成する必要がなく、面積の大
きい基板の全面にわたって膜質・開口形状の均一な剥離
層を形成できる。
御の困難な斜め蒸着法で形成する必要がなく、面積の大
きい基板の全面にわたって膜質・開口形状の均一な剥離
層を形成できる。
【0030】従って、エミッタ電極を再現性よく形成で
き、特性のよい電界放出素子を形成することができる。
また、工程、設備が簡略化されるので、量産性に優れて
いる。さらに、ガスクラスタイオンビームに使用される
ガスが、Ar,CO2 ,N2など無害な不活性ガスであ
ることから、ガスを貯蔵するための設備等が簡単で、電
界放出素子の製造工程に容易に組み込むことができる。
き、特性のよい電界放出素子を形成することができる。
また、工程、設備が簡略化されるので、量産性に優れて
いる。さらに、ガスクラスタイオンビームに使用される
ガスが、Ar,CO2 ,N2など無害な不活性ガスであ
ることから、ガスを貯蔵するための設備等が簡単で、電
界放出素子の製造工程に容易に組み込むことができる。
【0031】さらに、ガスクラスタインビームに使用さ
れる前述したような不活性ガスは、ハロゲン等のように
吸着性、反応性の強いガスと異なり、電界放出素子の特
性に悪影響を及ぼすことがないので、開口部の洗浄工程
を簡略化または不要とすることができる。
れる前述したような不活性ガスは、ハロゲン等のように
吸着性、反応性の強いガスと異なり、電界放出素子の特
性に悪影響を及ぼすことがないので、開口部の洗浄工程
を簡略化または不要とすることができる。
【図1】本発明の一実施例を示す工程図である。
【図2】本発明の一実施例で用いられるガスクラスタイ
オンビーム装置の概略図である。
オンビーム装置の概略図である。
【図3】従来の電界放出素子の製造方法の一例を示す工
程図である。
程図である。
1 基板としてのSi基板 2 絶縁層 3 ゲート電極としてのゲート層 4 剥離層 5 レジスト層 6 開口部 7 空孔 8 ゲート孔 9 エミッタ電極 10 電界放出素子
Claims (4)
- 【請求項1】 基板と、前記基板上に設けられた絶縁層
と、前記絶縁層に形成された空孔の内部において前記基
板上に設けられたエミッタ電極と、前記絶縁層の上面に
形成されて前記空孔に対応したゲート孔を有するゲート
電極を備えた電界放出素子の製造方法において、 前記基板上に絶縁層とゲート電極と剥離層を順次積層し
て形成する工程と、前記剥離層の表面にレジスト層を形
成して該レジスト層に開口部を形成する工程と、前記剥
離層とゲート電極と絶縁層をガスクラスタイオンビーム
で加工して前記ゲート孔及び空孔を形成する工程と、前
記剥離層側からエミッタ材料を蒸着して前記空孔内にエ
ミッタ電極を形成する工程と、前記剥離層上に被着した
エミッタ材料を該剥離層とともに除去する工程を有する
ことを特徴とする電界放出素子の製造方法。 - 【請求項2】 基板と、前記基板上に設けられた第一の
絶縁層と、前記第一の絶縁層に形成された空孔の内部に
おいて前記基板上に設けられたエミッタ電極と、前記第
一の絶縁層の上面に形成されて前記空孔に対応したゲー
ト孔を有するゲート電極と、前記ゲート電極の上面に形
成されて前記ゲート孔に対応する空孔が形成された第二
の絶縁層と、前記第二の絶縁層の上面に形成された集束
電極を備えた電界放出素子の製造方法において、 前記基板上に第一の絶縁層とゲート電極と第二の絶縁層
と集束電極と剥離層を順次積層して形成する工程と、前
記剥離層の表面にレジスト層を形成して該レジスト層に
開口部を形成する工程と、前記剥離層と集束電極と第二
の絶縁層とゲート電極と第一の絶縁層をガスクラスタイ
オンビームで加工して前記空孔を形成する工程と、前記
剥離層側からエミッタ材料を蒸着して前記空孔内にエミ
ッタ電極を形成する工程と、前記剥離層上に被着したエ
ミッタ材料を該剥離層とともに除去する工程を有するこ
とを特徴とする電界放出素子の製造方法。 - 【請求項3】 前記基板がエミッタ電極に通電するため
のカソード電極を含むことを特徴とする請求項1または
請求項2記載の電界放出素子の製造方法。 - 【請求項4】 前記基板がエミッタ電極に通電するため
のカソード電極と該カソード電極の上面または側面に形
成された抵抗層を含むことを特徴とする請求項1または
請求項2記載の電界放出素子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15353493A JP3152018B2 (ja) | 1993-06-24 | 1993-06-24 | 電界放出素子の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15353493A JP3152018B2 (ja) | 1993-06-24 | 1993-06-24 | 電界放出素子の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0714504A true JPH0714504A (ja) | 1995-01-17 |
JP3152018B2 JP3152018B2 (ja) | 2001-04-03 |
Family
ID=15564624
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15353493A Expired - Fee Related JP3152018B2 (ja) | 1993-06-24 | 1993-06-24 | 電界放出素子の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3152018B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7759251B2 (en) * | 2004-06-03 | 2010-07-20 | Tel Epion Corporation | Dual damascene integration structure and method for forming improved dual damascene integration structure |
US8172634B2 (en) | 2009-12-15 | 2012-05-08 | Honda Motor Co., Ltd. | Manufacturing method of field emission cathode |
US8242009B2 (en) | 2004-11-30 | 2012-08-14 | Spire Corporation | Nanophotovoltaic devices |
-
1993
- 1993-06-24 JP JP15353493A patent/JP3152018B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7759251B2 (en) * | 2004-06-03 | 2010-07-20 | Tel Epion Corporation | Dual damascene integration structure and method for forming improved dual damascene integration structure |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP3152018B2 (ja) | 2001-04-03 |
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