JPH07144434A - 光走査装置及びそれを用いた電子写真装置 - Google Patents

光走査装置及びそれを用いた電子写真装置

Info

Publication number
JPH07144434A
JPH07144434A JP9948794A JP9948794A JPH07144434A JP H07144434 A JPH07144434 A JP H07144434A JP 9948794 A JP9948794 A JP 9948794A JP 9948794 A JP9948794 A JP 9948794A JP H07144434 A JPH07144434 A JP H07144434A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polarization
light
optical
incident
control means
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP9948794A
Other languages
English (en)
Inventor
Seiji Maruo
成司 丸尾
Tatsuya Sugita
辰哉 杉田
Akira Arimoto
昭 有本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Koki Holdings Co Ltd
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Hitachi Koki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd, Hitachi Koki Co Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP9948794A priority Critical patent/JPH07144434A/ja
Publication of JPH07144434A publication Critical patent/JPH07144434A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laser Beam Printer (AREA)
  • Mechanical Optical Scanning Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】実施例の中で詳述するように、本発明に先願し
て1ビーム内に2情報を独立制御し、走査位置手前で分
割して2箇所を独立走査するアイデアがある。この際、
直交する2偏光状態に2情報を持たせるものとし、偏光
状態分割手段としてPBSを用いた場合、PBSに対する
入射角に応じて、PBSにより定義される偏光座標系が
回転し、入射側が一定座標系では性能の劣化を生じる。 【構成】上記課題を解決するためにPBSに対する入射
角度に応じて、入射光の旋光制御を行うものである。 【効果】PBSに対する入射角に応じた、PBSにより
定義される偏光座標系が回転量に応じて、旋光制御を行
うことで高精度の光走査を実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は画像情報など多様な情報
を取り扱うことができる電子写真記録装置に係り、特
に、感光体上に精度良い静電潜像を形成する光走査装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の電子写真記録装置に使用される、
光走査装置は、単一のレーザ光源から再生したレーザ
を、単一の光学系を介して一次元走査するものが主流で
あった。しかし、特開平2−179603号公報や、特開平4−
305612号公報に開示されるように、1つの発光源の発光
変調制御によりP波とS波のそれぞれに異なる情報を持
たせ、そのレーザをPLZT素子からなる偏光方向変換
手段でP波またはS波の偏光方向を変更して、ポリゴン
ミラー,F−θレンズを介して、偏光ビームスプリッタ
(PBS)に導き、PBSにて、2つの光に分離して、
感光体に照射する構成になっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来例では、偏光
ビームスプリッタにはF−θレンズからの光が走査位置
に応じて入射角度が変化して入射されるが、光の入射角
に対する偏光光への影響に関しては何ら考慮されていな
かった。すなわち、直交する2つの偏光光のそれぞれ1
つずつに情報を持たせた場合、偏光状態を分離する手段
としてPBSを用いた場合、偏光ビームスプリッタに対
する入射角に応じて、P波,S波の偏光振動方向を決定
する偏光座標系が回転し、入射側を固定座標系とすると
入射角によってP波,S波の座標系の不一致が生じるこ
とになる。この座標系の不一致により出射光に歪が生
じ、レーザビームプリンタにおいて、光により感光体に
静電潜像を作成する場合、高精度の潜像が形成できなく
なる。
【0004】本発明の目的は、2つの偏光光が偏光ビー
ムスプリッタに入射する角度に応じて偏光座標系が変化
することを防止するための光走査装置構成とその方法を
提案し、高精度の画像を記録できる画像記録装置を実現
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、ビームスプリッタ等で構成される分光手段へ入射す
るレーザビームを、その入射角度に応じて旋光制御する
旋光制御手段を設けたもので、上記入射角は1ラインの
走査位置によって決まるものであり、ライン同期信号に
応じて、旋光制御する構成としたものである。
【0006】旋光手段の具体的例としては、アクティブ
な手段として、ファラデーロテータに代表されるよう
に、入射光の座標を回転可能なデバイスを用いて、動的
な電流制御によって旋光量を制御するものである。ま
た、スタティックな手段として、位相差がλ/2+nλ
(nは整数)となるように屈折率異方性と厚さを調整し
た、旋光フィルムや液晶セルに旋光軸の分布を持たせ
て、入射位置に応じた旋光量の分布を持たせることによ
って、入射位置に応じて旋光量を変化させてもよい。さ
らに、旋光の影響を低減するために偏光ビームスプリッ
タプリズムの頂角を大きくすると効果が大きい。
【0007】
【作用】上記のように、これまでの光学系を大幅に変更
することなく、ビームスプリッタに入射する光を、その
入射角に応じて旋光制御手段により旋光制御すること
で、ビームスプリッタへの入射角の違いによる、入射光
とビームスプリッタにおけるP波・S波の座標系の不一
致をなくし、ビームスプリッタから所望の分離光を出力
できるようにすることにより、高精度の静電潜像を作像
でき鮮明な印刷画像を得ることができる。
【0008】
【実施例】最初に、背景を含めた本発明の概要を、本発
明の光走査装置をレーザプリンタへ適応した実施例を用
いて説明する。
【0009】図1は本発明の光走査装置をレーザプリン
タへ適応した一実施例を示したものである。
【0010】図1には、1本のレーザ光源101を用い
レーザ光源101と回転多面鏡105の間に偏光・旋光手
段103を配置し、直線偏光のレーザ光の偏光方向を変
える。偏光・光量制御回路110は基本的には、外部か
ら入力された情報(印写情報)に基づいて、その発光量
と、情報を乗せる偏光(P偏光、又はS偏光)光を選択
し、その光量(レーザ光源101)と偏光量(偏光・旋
光手段103)を制御することにより偏光光111を生
成する。本発明においては、上記に加えて走査位置に対
応した旋光情報を、外部から入力された情報(印写情
報)と合わせて考慮して、光量(レーザ光源101)と
偏光・旋光量(偏光・旋光手段103)を制御すること
により、偏光光111を生成するところに特徴がある
(偏光光111はP偏光・S偏光の両成分を任意光量、
つまりP偏光・S偏光を独立情報として持つことが可能
である)。また、前記偏光光111を2つの感光ドラム
108,109(1つの感光体の2箇所であってもよ
い)に分光するために、感光ドラムの手前に、片方の偏
光を通しその他を反射する偏光ビームスプリッタ107
(以下PBSと略称する)を配置し、1つの感光体には
一方向の偏光光a112が、他方の感光体には偏光光b
113のみが照射されるように構成している。なお、図
中のコリメートレンズ102,シリンドリカルレンズ1
04,F−θレンズ106は、従来電子写真装置で用い
られている光学系と同様に感光ドラム108,109上
にスポットを一様に結像させるためのものである。
【0011】また、ライン同期信号受光部115は回転
多面鏡105が1回の走査を開始する時に回転多面鏡1
05からの光を受光して、その受光により書き出しタイ
ミングを取るために設けたものである。
【0012】上記構成において、レーザビームの走査方
向による、PBS107への入射角は、回転多面鏡105によ
る走査角度とF−θレンズ106の出力位置により決定
される。本発明では、PBS107に対する入射角変動に応じ
て、偏向量と旋光量を制御するものである。
【0013】図1の実施例では偏光・旋光手段103は
詳細に記載していないが、偏光手段とはS・P成分の比
率を任意に変化させることを目的とし、旋光手段とは偏
光手段によって生じた偏光光を光の振動面内で回転させ
ることを目的とする。具体的手段については、上記目的
を達成するものであるならば内容は問わない。そこで、
具体的構成例としては、まず、偏向手段と旋光手段がそ
れぞれ異なる装置で構成されている場合について説明す
る。
【0014】偏光手段は例えば、電気光学効果等を用い
る方法が考えられ、旋光手段は例えば、磁気光学効果を
用いることが考えられる。上記手段を偏光・旋光・光量
制御回路114により走査位置に応じて制御するもので
ある。
【0015】なお、偏光・旋光手段103における偏光
手段とはS・P成分の比率を変えるものであるから、座
標回転を行う旋光手段で偏光手段とS・P成分の比率を
変えることが可能であり、例えば磁気光学効果を用いた
旋光手段を用いれば、同一デバイスにおいて偏光手段と
旋光手段を兼ねることが可能である。この詳細について
は後述する。
【0016】まず本発明では、外部から入力された情報
(印写情報)に基づいて、その発光量と、情報を乗せる
偏光(P偏光、又はS偏光)光を選択し、その光量(レ
ーザ光源101)と偏光量(偏光・旋光手段103)を
制御することにより偏光光111を生成する方法に関し
て図2及び図3を用いて説明する。図2には電気光学効
果を利用した偏光手段を示している。図2には電気光学
効果を用いる光変調器として、光の進行方向と変調電界
方向が同じである縦型変調器を示しているが、横型の変
調器を用いても本発明と同じ効果が得られる。
【0017】図3は偏光・光量制御の状態を表した例で
ある。
【0018】(1)は偏光制御の状態を表した例、
(2)は偏光・光量制御の状態を示した例である。
(1)の偏光制御はP偏光からS偏光までの偏光状態の
遷移を(a)から(e)に示したものである。(a)に示す
ように屈折率n1とn2を電気光学的に制御することに
よって、n1方向とn2方向の位相差を制御して偏光状
態をP偏光からS偏光まで遷移させたものである。具体
的には、通常レーザ光源101を出た光は一方向に振動
しており直線偏光である。この光を偏光手段103aに
入射させる。その時、図2に示す、Kd2PO4結晶(偏
光手段103a)のz軸(x3)方向即ち入射から出射す
る方向に電界を加え、x1 またはx2 方向に直線偏向し
た入射光をx3 方向に伝搬させる。印加する電圧Vによ
り、x1 軸から±45°傾いた方向の屈折率が変化し、
入射光はx1 軸から±45°の方に偏向した位相速度の
異なる2種類の光に分かれて進行する。なお印加する電
圧Vの制御量は図1の感光体ドラムの光走査開始位置に
設けられている、ライン同期信号受光部115の信号に
基づいて発生されるタイミング信号によって決められる
ものである。すなわち、直線偏光方向に対し希望する偏
光量となるように、屈折率が変化する方向に対して45
°に電源電圧Vを印加し、印加する電圧によって生じ
る、屈折率差Δn(Δn=n1−n2)と、電気光学デ
バイス中の光路長の積により規定される位相差量により
偏光制御を行うものである。このような制御を行うこと
で、分光部の入射面により規定されるP偏光とS偏光を
任意比率で制御できる。
【0019】(2)は(1)の制御に光量制御を加えた
ものである。ここでいう光量制御とは、偏光状態はその
ままに光の強さを可変に制御することを意味する。すな
わち、(2)では(a)のP偏光状態の光を(1)で説
明した偏光制御を行って、(b)に示すように所望の偏
光量を得ているが、さらに、(c)に示すように光量を
制御して、それぞれの偏光方向に対する光量にするもの
である。この光量制御はレーザ光源の出射光の光量(強
度)を制御することによって所望の光量を得ることがで
きるものである。
【0020】一般に、偏光・光量制御した光は回転多面
鏡105とF−θレンズ106を介して、ビームスプリ
ッタ107に入力され、ここで、(d)に示すようにそ
れぞれの偏光方向の光に分光される。以上のように、任
意比率で任意の大きさに制御できることとなり、P偏光
とS偏光を独立に制御できることになる。
【0021】但し、前述の場合はそれぞれの偏光光は旋
光制御がされていないためPBS107への入射角の違いによ
り、光に歪が生じ高精度の出射光を得られなくなる場合
がある。
【0022】そこで、次に旋光制御を行うための装置と
その方法について説明する。
【0023】図4は旋光手段の一例で磁気光学効果を用
いたものである。マイクロ偏光子内蔵した光ファイバ
(Ga−YIG)701に対して、入射光702と出射光
703に平行な方向に、磁場制御部704により電流を
制御し、Ga−YIG701内の磁場の強さを制御し旋光量を
決定するものである。本方式の旋光手段を用いれば、偏
光手段と旋光手段を兼ねることができるが、先に述べた
偏光手段と組み合わせて用いることにより制御が簡単に
なり高精度の旋光制御が可能となる。なお、装置の小型
化を図る場合は本磁気光学効果を利用した旋光手段を偏
光手段と兼ねて用いれば良い。なお旋光制御手段として
はこの他にも他の構成のものも有りそれらに関しては後
述する。
【0024】図5は本発明における旋光座標系を示した
ものである。一般に回転多面鏡105で光を走査すること
により、PBS107に対して入射光の入射角が変化する。図
5の座標系は、入射光ベクトルを一定としてPBS107を回
転したとしたときの座標系を表したものである。上記座
標系は説明を簡便にするために用いるものであり、旋光
量としては等量となる。
【0025】ここで、各記号は、θ:PBSへの偏向入
射角,φ:プリズムの頂角,t:入射光ベクトル,n:
薄膜面の法線ベクトルを表している。なお、PBS107の構
造の詳細については、後で、図11を用いて詳述する。
【0026】なお、 n=(sinφ,−cosφ・sinθ,−cosφ・cosθ) t=(0,0,1) である。
【0027】ここで、入射光のPBS107の誘電多層薄膜面
におけるS偏光成分を(α,β,γ)とすると、S成分の
振動方向は、誘電多層薄膜面内に振動方向を持つことで
定義されることにより、 s・t=s・n=0 α2+β2+γ2=1 これを解くと、 α=(1+(sinφ/(cosφ・sinθ))2)−0.5 β=(sinφ/(cosφ・sinθ))α つまり、入射光の振動方向座標系は、 δ=tan−1(α/β) 回転した座標系に変換される。つまり、PBS107が本来有
しているP・S偏光を分離する性能を発揮するために
は、偏光入射角θに応じて入射光のP・S偏光座標系を
δだけ回転制御もしくは、回転保証する必要がある。
【0028】以上が旋光制御の光学的内容の詳細であ
る。次に旋光制御例について詳述する。以下の説明は旋
光手段に磁気光学効果を用いた例である。
【0029】図6は旋光制御回路の構成例である。
【0030】図6では、ライン同期信号受光部115か
らの信号が、同期信号生成部201に入力され、ここで
ライン同期信号を生成する。このライン同期信号は読み
出しアドレス生成部202に入力される。前記ライン同
期信号が入力されると読み出しアドレス生成部202で
は、入射位置−旋光制御量情報保存部203に予め記録
されているライン情報に対応したアドレス出力を開始す
る。すなわち、ライン同期信号は読み出しアドレス生成
部202のアドレス信号生成のリセット信号としての働
きをするものである。なお入射位置−旋光制御量情報保
存部203には、予め入射位置と旋光制御量の情報が保
存されており、前述の読み出しアドレス生成部202で
指定したアドレス信号に基づいて、そのアドレス信号に
該当する情報を出力する。その出力された情報に応じ
て、旋光制御電流生成部204で、磁場発生のための電
流制御を行うものである。
【0031】以上、図4に示す旋光手段を磁気光学効果
を例として、全体説明を行ってきた。ところで、旋光手
段には様々なバリエーションがあり、以下にその一部を
詳述する。
【0032】旋光制御を実現する手段は、先に説明し
た、磁気光学効果等を用いる動的な方法と、旋光性に分
布を持った旋光フィルム等を用いる静的な方法に大別さ
れる。先ず、動的な方法であるが、磁気光学効果を用い
る方法に関しては、ファラデー素子を磁気光学素子とし
て、バルク型を用いる方法,ファイバ型を用いる方法,
導波路型を用いる方法等が考えられる。また、λ/2波
長板等を走査周期に合わせて回転または上下かまたは左
右に移動させることも考えられる。なお、λ/2波長板
等を固定しておき、レーザ光源101を、走査周期に合
わせて回転することによっても同様の効果を得ることが
できる。次に、その方法についての具体例を図を用いて
説明する。
【0033】図7は旋光手段の他の例である。使用する
波長に合わせたλ/2板等の位相差板901を必要とさ
れる旋光量のθ/2だけ回転軸902を中心に回転制御
することによって入射光702を旋光させ、所望の出射
光を得るものである。本方式の効果は、光学部材の回転
もしくは上下または左右への移動といった、非常に簡単
な制御で、旋光制御が実現できることである。
【0034】続いて、静的な方法であるが、旋光フィル
ムを用いる方法に関しては、液晶ディスプレイ等で用い
られている、位相保証フィルムをパラメータ調整により
λ/2波長板として利用することができる。この際、旋
光量に分布を持たせるには、延伸した分子軸方向が旋光
軸となるため分子方向を可変にする必要がある。
【0035】図8は旋光フィルム801を用いた一例で
ある。図8では、高分子802は偏光ビームスプリッタ
107の入射光側に配置したものである。ここで使用し
た旋光フィルム801は、高分子802を延伸により分
子軸を揃えたもので、分子軸が揃ったことにより長軸方
向と端軸方向の屈折率差が生じ、これとフィルム厚を調
整することにより、入射光に対して位相差を発生させる
ものである。屈折率差とフィルム厚を調整することで、
λ/2板と同様に分子軸に対する旋光性を持たせたもの
である。なお、この旋光フィルムでは旋光量に所定の分
布を持たせるために分子軸に所定の方向に分布をさせる
必要があるが、これは分子方向が乱されない程度のアニ
ール等によりベース材料を変形させた後に、必要な分を
切り出す方法が考えられる。
【0036】本方式の効果は、特別な制御をすることな
く、液晶ディスプレイ等で汎用的に使われている、安価
な旋光フィルムを単純に配置するだけでよい点にある。
【0037】別法としては、単純平行配向の液晶セルを
用いることが考えられる。この際は、熱等を用いること
なく、ラビング方向を制御することで分子の配向軸方向
を決めることができる。
【0038】本方式の効果は、旋光フィルムと同様な点
と、配向軸方向の設定が簡易である点にある。
【0039】以上、各種旋光手段に関して説明してきた
が、レーザプリンタに利用した際の、画像データの高速
対応,製造の難易度,汎用性等を考慮すると、次に示す
光学系が有力である。
【0040】先ず、偏光デバイスとしては電気光学効果
を利用したEO(Electro−Optic)デバイス(バルク,
ファイバー,導波路問わず)が有力である。しかし、偏
光制御をかけた際に楕円偏光となり、単独では光軸回転
に対応できず、上述したようにファラデーロテータ等と
組み合わせる必要がある。この際、装置構成が大きく複
雑になってしまう欠点及び、例えば、磁気光学素子がバ
ルクなら、駆動する電流が大きくなり、その制御の高速
化が難しい問題点がある。上記問題の対応策として、E
Oデバイスの出射側にEOデバイスの光軸と45°傾け
た光軸を持つ使用波長に合わせたλ/4板をおくことが
考えられる。上記構成を取ることで、λ/4板をでた光
は、楕円偏光の長軸成分と短軸成分の比率で規定される
振動方向の直線偏光となり、光軸の回転に対応できるこ
とになる。
【0041】以下には旋光手段に、上述した構成を用い
た場合を詳述する。最初に、光学的な配置であるが、図
9に示すように電気光学変調器の後に、結晶軸E′x・
E′yが電気光学変調器の素子の結晶軸と同方向に設定
したλ/4板を配置するものとした。一般に、楕円偏光
はxおよびy軸方向に振動し、位相差が±π/2を持つ
二つの直線偏光の重なりによってできる偏光である。す
なわち、入射光E′は次式で与えられる。
【0042】E′=E′x+E′y E′x=Axeiτe±iπ/2 E′y=Ayeiτ ただし、τは下式で表されるような位相項である。
【0043】τ=ωt−(2π/λ0)nx+φ ここで、ωは角振動数、tは時間、λ0は真空中の波
長、nは媒質の屈折率、φは初期位相である。この光が
λ/4板を通ると、さらにπ/2の位相が付け加えられ
るから、位相はπか0になり、結局直線偏光となる。そ
の方位をψとすると tanψ=Az/Ay である。以上により、λ/4板を用いて電気光学変調器
からの出力楕円偏光を直線偏光とし、偏光入射角θに応
じて偏光制御量を可変とすることで、偏向入射角θに応
じたP・S偏光の座標軸の回転を保証することが可能と
なる。
【0044】以上述べてきた方法は、光学デバイスを用
いて旋光制御又は保証を行う方式であったが、以下に記
述するように、旋光の影響を低減することが可能な分光
手段を用いる方法も考えられる。具体的にはPBSの設
計条件に係わる。
【0045】図10は本発明における偏光膜入射角−旋
光量・消光比換算値特性を求めた結果を図示したもので
ある。ここで偏光膜入射角φとはプリズムに垂直入射
(偏光入射角θ=0)した場合の、多層薄膜面の法線と
入射光のなす角度である。これは、通常はプリズムの頂
角と等しく設定されている。図10の(1),(3)は上
式で計算される偏光膜入射角−旋光角特性を表したもの
である。(1)は偏光入射角θを30°固定とし、パラ
メータnはプリズム硝材の屈折率である。(2)はプリ
ズムの屈折率を1.52(BK7)固定とし、パラメータ
は偏向入射角θである。(2),(4)は旋光により生じ
る漏れ光により、消光比換算値を下式で示したものであ
る。
【0046】消光比換算値=初期光量/旋光漏れ光量 図10に示すように入射光に対する薄膜面の受け面φを
大きくすることで、性能の劣化を押さえることができ
る。例えば、図1のレーザプリンタの走査光学系に用い
ようとした場合、通常分光部に対する入射角は−20°
≦θ≦20°程度であり、消光比目標を50:1とすれ
ば、 φ≧55° の条件を満たせばよい。図10からも明らかなように、
偏光入射角φを大きく取ることで旋光性の影響を低減で
きる。
【0047】上述したPBS107を用いれば、偏光手段のみ
で旋光手段を省略することも可能となる。
【0048】以上が、旋光制御・保証の内容である。こ
こで、これまでの述べてきた内容は、PBSの性能が偏
向入射角に影響を受けない仮定をしてきた。しかし、実
際には偏向入射角が大きく変化すると、P・S偏光の分
離性能保証は難しい。
【0049】以下では、PBSの詳細構成を説明すると
共に、上記問題点(偏向入射角変化時のP・S偏光の分
離性能保証)の解決策を述べる。
【0050】図11に本発明における偏光ビームスプリ
ッタ107基本構成図の一例を示す。同図において、本
実施例での入射光の可変状況をも合わせて示している。
【0051】(1)は射視図であり、三角柱プリズム1
201,1202の間に、低屈折率と高屈折率の光学薄
膜材料を組み合わせた多層薄膜1203が蒸着されてい
る。 (2)は多層薄膜1203の詳細である。高屈折率薄膜
1210と低屈折率薄膜1211の誘電体薄膜が交互に
配置された構成となっている。この多層薄膜はブリュー
スター条件を満足する様に設定されている。すなわちP
偏光は透過し、S偏光は一部反射するように設定されて
いる。ここで、高屈折率層の屈折率をnH ,厚さを
H ,低屈折率層の屈折率をnL ,厚さをdL ,プリズ
ムの屈折率をnG とする。入射光が多層膜の第1層に対
してθG で入射し、多層膜の各境界に対してブリュース
ターの条件を満足していれば、 nH/cosθH=nL/cosθL が成り立つ。またSnellの屈折法則から nHsinθH=nLsinθL=nGsinθG が成り立つ。電子写真プリンタの光り書き込みに使われ
る波長λは、300〜1000nmの範囲にあり、通
常、前述の範囲の特定波長λ0 で用いられる。偏光プリ
ズムは特定の使用波長(λ0)で用いられるから、実効的
な光学膜厚(nd )がλ0/4 になる多層膜とすること
で、反射するS偏光を強め合うことができる。又、プリ
ズムと多層膜の両側の境界で生じるP成分の反射は、入
射面の両側からの反射光が逆位相になるようにすれば、
干渉で打ち消すことができる。このような条件を満たす
多層膜の具体的な構成は最初に述べた、高低屈折率膜の
交互の繰り返しであり、(LH)のm乗,(0.5HL0.5
H)のm乗,(0.5LH0.5L)のm乗、などがある。
又、高低2つの屈折率の膜厚がそれぞれ nHHcosθH=nLLcosθL=λ0/4 を満たす。又、q層膜の反射率は、数1で表される。
【0052】
【数1】
【0053】但し、ηp=ni/cosθi,ηs=ni・cos
θi、ここで、ni =媒質iの屈折率、θi =媒質iに
おける屈折角である。
【0054】(3)は側面図であり、入射角αで入射さ
れる入射光1204が、通常P偏光である透過光120
5と、通常S偏光である反射光1206に分離される。
以下に示す実施例においては、φ方向の入射角度は一定
とする。即ち、入射角度φ1207がプリズムの頂角と
等しくなる。
【0055】(4)は上面図であり、以下の本実施例に
おいては、図中θ方向の入射角が可変になるケースを検
討する。実際に多層薄膜1203に入射される角度は、
偏向角θで入射光−11208が入射された場合、プリ
ズム1201表面でスネルの法則に従って入射光−21
209となって入射される。
【0056】本発明の光学系においては、偏向走査入射
による多層薄膜面に対する、入射角変動を考える必要が
ある。図12は偏向入射角θ−入射角増加特性である。
【0057】本光学系においては、多層薄膜1203に
入射されるθ方向に可変な入射光は、多層薄膜が屈折率
異方性を持たないため、薄膜面の法線に対する角度に換
算できる。すなわち、偏向角θの増加を入射角φの増加
φ′に置き換えることができる。つまり、φ方向に置き
換えて、以下の式で示すφ′で入射したと考えて等価で
ある。但しnG はプリズム硝材の屈折率である。
【0058】
【数2】
【0059】sinθ=nGsinθ′ ここで、入射角の増加Δφは、以下で定義する。
【0060】Δφ=φ′ーφ 上記の際にΔφが小さいほど、偏光入射角θの影響を低
減できることとなり、消光比性能を保証しやすい。図1
2から明らかなように、偏光入射角θが大きいほどΔφ
は増加するが、θ=0での入射角φ(=ブリュースター
アングル(b.a.))が大きいほど、Δφの増加を押さえ
ることができる。
【0061】図13はnL ,nH ,nG とb.a.の関係
である。(a)はプリズムの硝材をBK7に固定した場
合の、nH をパラメータとした、nL −ブリュースター
アングル特性である。
【0062】(b)はnL ,nH をパラメータとした、
G とb.a.の関係である。(a)でプリズムの硝材を
BK7としたのは、(b)よりnG が小さい程b.a.を
増加でき、プリズム硝材が汎用的な屈折率の低い硝材と
して、BK7に一位に決定されるためである。全体を通
しては、nL ,nH が大きく、nG が小さい程b.a.を
増加できる。
【0063】具体的にPBS107の製作に当たっては、下記
3点を最適化することがポイントである。
【0064】(1)プリズム頂角の最適化 前述したように、プリズムの頂角を大きくする程、偏向
入射角θ変動に対する性能劣化を低減できる。しかし一
方、プリズム頂角を大きくすることは、有効帯域を低減
させるため、両者のバランスをとる必要がある。
【0065】(2)薄膜厚・組み合わせの最適化 通常基準薄膜厚dH0,dL0は前述したように、 dH0=λ/4/nH/cosθHL0=λ/4/nL/sinθL で決定されるが、入射角変化に対する性能保証は不十分
である。
【0066】上記主要因の内薄膜厚に関連しているの
は、偏向入射した際の光路長の増加にある。これは、基
本的に薄膜厚を基準薄膜厚値に対して薄くすることで対
応できる。しかし、偏向入射角θ範囲を持って変化する
ため、複数種類の膜厚を組み合わせることで、偏向入射
角θが可変になることに対するバランスをとる必要があ
る。
【0067】(3)薄膜配置の最適化 PBS107の薄膜は30層程度で構成されるが、その多重干
渉条件は光入射側の薄膜ほど性能に強い影響を及ぼす。
偏向入射角θに対して良好な性能を示す膜厚は(1)で
述べた光路長変化により決まっている。製造面から考え
ても余り多くの膜厚は使えないため、薄膜数と膜厚配置
のバランスをとる必要がある。
【0068】上記検討の結果、入射角0〜40°に渡っ
て消光比100以上のシミュレーション結果を得た。図
14が設計データ,図15が設計結果である。良好な性
能のPBSを得るために、上記(1)〜(3)全てのパ
ラメータに対する設計を行ったが、ここでの説明におい
ては、膜厚のみの差異を示す。具体的には、プリズム硝
材:BK7,nL :SiO2(n=1.46),nH:Z
nS(n=2.3),ブリュースターアングル:54.1
9° ,膜厚数:30層,使用波長:780nmで計算
している。通常設計と新規設計はプリズム仕様,接着材
仕様,反射防止コート膜仕様,接着材保証膜仕様に関し
ては同一条件とし、多層膜仕様のみを変えてある。具体
的には、通常設計では上述した基準薄膜厚dH0,dL0
交互に15層ずつ積むものとし、新規設計では、基準薄
膜厚に対して比率にして0.65 と0.85 薄くしたも
のを0.85 のものを内部に0.65 のものがサンドす
る形で構成した。
【0069】図15が、そのシミュレーション結果であ
る。横軸が入射波長λ,縦軸がS・P偏光の透過(T
p,Ts)反射(Rp,Rs)率である。理想的には全
波長領域に渡って、 Tp=Rs=100(%) Rp=Ts=0(%) になることである。(a−1)は通常設計で偏光入射角
θ=0、(a−2)は通常設計で偏光入射角θ=40、
(b−1)は新規設計で偏光入射角θ=0、(b−2)は
新規設計で偏光入射角θ=40の場合である。使用波長
780nm(図中太線部)の付近でどれだけ高性能を維
持できるかが、製造マージンと関連したポイントであ
る。図では5%程度のマージンを満たす範囲として、設
計波長780nm±40nmの範囲を網点で示した。通
常設計では偏向角θの増加に伴い著しく性能が劣化する
が、新規設計では偏向角θが増加しても性能を保証して
いることが分かる。本シミュレーションを通じて、 (1)膜厚は基準薄膜厚に対して、全体として薄い方に
シフトすることが有力 (2)基準薄膜厚に対して、2種類以上の異なった比率
の膜を組み合わせることが有力 (3)膜厚の配置は厚いものを中央に、両側に薄いもの
をサンドする配置が有力 (3)膜厚比率は0.5〜1.0の範囲が有力 以上が、本発明を有効ならしめるために必要なPBSの
条件である。
【0070】以下に、本発明をプリンタに適応した実施
例を詳細に説明する。
【0071】図16は本発明をプリンタに使用した際の
一システム構成例である。大きく光学系,現像系,転写
系,定着系よりなる。感光ドラム503−1,2は帯電
器506−1,2により帯電され、前述してきた光学系
504で発生したレーザ光を偏光分離手段でP偏光と、
S偏光に分離し、分離された露光光505−1,2によ
り潛像が形成される。なお、この露光光の光路長は、露
光光505−1,2がほぼ同じ距離になるように偏光分
離手段511の出力側に設けた反射鏡にて調整されてい
る。この後、第一,第二現像機507−1,2,508
−1,2により現像される。前記各現像機にはそれぞれ
異なる色のトナーがセットされており、現像により多色
の印刷が可能となるものである。現像されたトナーは転
写器509−1,2により中間転写媒体501に転写さ
れる。この後、用紙502に転写器903−3により転
写され、定着器510で定着される。なお、図示しては
いないが本装置は旋光制御手段を有する構成となってい
る。更に、静電潜像形成にレベルの異なる静電潛像を形
成することにより、中間転写体が1回転する間に5色以
上の現像が可能となる。また、このような構成にするこ
とにより、高精度で、高速のカラー印刷が可能となる。
なお、本図のように感光体をドラムではなく、ベルト状
にしてその周囲にそれぞれ色の異なるトナーを有する複
数の現像器を配置し、前記光走査装置でベルト上の2個
所を同時に露光することによって、4色分のカラー潜像
を形成し感光体を1回転する間にカラー画像を形成し且
つ記録用紙に転写することも可能である。
【0072】次に、カラー印刷の原理について詳細に説
明する。
【0073】フルカラーを実現するにはYMCK(Yell
ow,Mazenta,Cyan,blacK)の4情報を独立に制御する
必要がある。図17に本実施例における光学系の基本動
作に示す。本光学系は、以下に説明するように1ビーム
でフルカラー印刷が可能なことから、1ビームフルカラ
ー光学系と呼ぶものとする。本光学系では上部に示した
偏光・光量制御により、1ビーム内に2情報を制御し、
露光手前で2ビームに分離する。続いて、下部に示した
トライレベル現像により、1ビームで2情報を現像す
る。
【0074】第一に偏光・光量制御による1ビーム内の
2情報独立制御であるが、前述したように任意の偏光状
態を制御することにより、S・P偏光の比率を任意に制
御する。又、これに従来よりある任意の光量制御を加え
ることで、光の大きさを任意に制御する。つまりクロス
ニコルに振動方向を持つS・P偏光を、各々独立に制御
することが可能となる。最終的には露光位置手前におい
て、分光手段により独立した2情報としてS・P偏光に
分離する。
【0075】第二にトライレベル現像による1ビームで
の2情報現像を説明する。通常LPの現像においては、
露光した箇所にトナーを現像する反転現像、又は、露光
していない箇所にトナーを現像する正規現像のどちらか
が行われる。トライレベル現像は反転現像と正規現像を
同時に行うもので、この際、各現像が図に示すように別
の色を現像することで、1露光により2色を現像するも
のである。また、色を付けない場合に対応して露光の中
間レベルに、反転・正規どちらの現像にも現像されない
ホワイトレベルを設けている。トライレベルとは現像す
る2つのレベルと現像しない1レベル、合わせて3レベ
ルを持つことを意味する。
【0076】上述した分離したS・P偏光各々に、トラ
イレベル現像を行うことで、2ビーム×2色現像=4情
報現像を実現できる。本光学系では、レンズ等の共通化
による光学系全体の小型化と、マルチビームに対して光
学軸が一致していることにより、各色間の走査精度に差
がない高精度な光学系の実現できる。
【0077】図18に偏光・光量信号制御により得られ
る、S・P偏光出力と現像されるカラーの組み合わせを
示す。最上段の制御パターン〜に示す9パターンが
表現可能となる。
【0078】具体的には、偏光信号・光量信号を制御す
ることにより、分離独立した2情報としてP・S偏光出
力を得るものである。P・S偏光出力はトライレベル現
像のところで説明したように3レベルになっている。本
図ではP偏光によりCOLOR−1・2をS偏光によりCO
LOR−3・4を表現する方式となっている。これを実
現するための偏光信号と光量信号であるが、光量信号は
P・S偏光出力の足し合わせであり、偏光信号はP・S
偏光出力を比率を実現するための偏光量である。本制御
パターンにより、最終段において*で示す現像出力が得
られる。具体的には、WHITE,〜COLOR
−1〜4の単色,〜COLOR−1・2,COLO
R−3・4以外の2色による混色の組み合わせが可能と
なる。依然として1ビーム内の2情報での混色はできな
いが、1画素内を2分割し1ビーム内の2色を現像し、
定着時に溶融混色することが考えられる。
【0079】当然のことながら、図示したのは基本制御
量であり、これに偏向入射角に応じた旋光量を補正する
必要がある。
【0080】以下に、光学系を実際に製作し測定した結
果を示す。使用した光学系は、旋光制御法のところで説
明した、偏光・旋光手段にEOデバイスの光軸と45°
傾けた光軸を持つ使用波長に合わせたλ/4板を用いた
例である。
【0081】図19は1ビームフルカラー光学系の動作
確認の測定結果であり、図18に示した制御パターンの
実現を確認した結果である。横軸のEOM(Electro−O
pticModulator)規格化印加電圧とは、半波長電圧Vλ/
2を1と規格化した電圧値である。縦軸の規格受光光量
とは、図18に示したS・P偏光に分光した後での1ビ
ームの最大光量を1と規格化したものである。光量レベ
ル1〜5は、それぞれ規格受光光量2.0,1.5,1.
0,0.5,0倍となっている。規格受光光量の0が図
18のCOLOR−2・4レベルに、0.5 がWHIT
Eレベルに、1がCOLOR−1・3レベルに対応す
る。また、2.5 に対応する制御パターンを〜で示
した。この際、P偏光出力には網点を○内に施し、S偏
光と区別している。本結果より図18に示した様に、光
量レベルを5段階に制御すること、偏光量を5つのレベ
ルに制御することで、基本9パターンの動作を確認でき
た。なお、光量・偏光レベルはアナログ的に変えること
が可能であり、本動作を発展させた階調表現も可能とな
る。なお、図中簡単のために、旋光補正量は省略してあ
る。
【0082】図19において注目されるのは、EOM規
格電圧に対する、規格受光光量の非対象性である。必要
精度の問題があるものの、例えば規格電圧0.7±0.3
で使用することを考えると、40%の電圧低減が可能と
なる。例えば、現状のEOMを680nmのレーザで使
おうとした場合、低電圧駆動タイプのものでVλ/2は
200V程度である。このとき負荷容量は100pF程
度あり、これを100MHz以上の高周波で任意電圧に
駆動することは、現状技術で困難である。本発明の構成
をとることで駆動電圧が60%の140V程度になれ
ば、依然として負荷容量は大きいものの、周波数・駆動
電圧はビデオアンプで駆動可能な領域となる。将来的に
は、偏光デバイスが同波路化・レーザ内変調等になり、
駆動電圧は数V程度になると思われるが、バルクデバイ
スを使用する際には、極めて有力な構成となる。
【0083】以上、1ビームの光学系について説明して
きたが、本発明は入射角可変な全ての光学系に有効であ
る。2ビームを1ビームに合成しその後分離する方法も
考えられる。具体的には、それぞれ異なるレーザ光源か
ら出た光をそのレーザ光源側に設けたコリメートレンズ
で概略平行光にした後に、偏向調整部にて偏向調整を行
う。その後、光合成部にそれぞれの偏光光が入射され、
1つの光に合成される。この光合成部は、例えば偏向ビ
ームスプリッタで構成されており、偏向調整部は偏向ビ
ームスプリッタ107で所望の光量のS・P偏光となる
ように調整する。後の動作は図1と同様である。このよ
うな光学系においても、ビームスプリッタ107で偏光
状態に応じて分離するには、旋光制御が必要である。
【0084】続いて、図20は2ビーム光源を用いた光
学系の実施例である。2つのレーザ光源101から出射
されたレーザ光は、光合成部2007の間にそれぞれレ
ーザ光源からの光を平行光にするコリメートレンズ20
03,2004及び、それぞれの光をP偏光またはS偏
向する偏光調整部2005,2006が設けられてい
る。光を合成する部分は、先の説明と同様偏向ビームス
プリッタで構成されている。そのほかの部分は、ビーム
スプリッタ107がハーフミラー2101と互いにクロ
スニコルな光を通過させる偏光フィルム2102,21
03に置き替わっている点が図1と異なっているのみ
で、その他の部分は図1と同じである。本実施例では、
ハーフミラー2101で光を分ける際には、偏光状態は
一見関係ないように思われる。しかし、光学ガラス上に
金属薄膜や誘電体薄膜積層して構成されたハーフミラー
2101はP・S偏光を等量に分ける、すなわち偏光状
態に寄らず分けようとすると、入射角依存性を持ち、こ
の際も、性能を引き出すためには入射角に応じた旋光制
御もしくは保証が必要である。
【0085】つまり、本発明は反斜面に対して、反射面
から見たP・S偏光が変化する光学系全てに有効であ
る。
【0086】
【発明の効果】以上のように、PBSに対する入射角に
応じた、PBSにより定義される偏光座標系が回転量に
応じて、旋光制御もしくは保証を行うことで、高精度の
光学系を構成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学系基本構成図。
【図2】偏光制御光学系。
【図3】偏光・光量制御例。
【図4】旋光手段例−1。
【図5】旋光座標系。
【図6】旋光制御回路構成例。
【図7】旋光手段例−2。
【図8】旋光手段例−3。
【図9】偏光部の光学配置。
【図10】偏光入射角−旋光・消光比換算特性。
【図11】偏光ビームスプリッタの基本構成図。
【図12】偏光入射角−入射角増加特性。
【図13】材料−b.a.特性。
【図14】PBSの設計データ。
【図15】シミュレーション結果。
【図16】電子写真記録装置の構成例。
【図17】1ビームフルカラー光学系の基本動作。
【図18】信号・光量の制御方法と出力情報例。
【図19】1ビームフルカラー光学系の動作説明図。
【図20】2ビーム光学系の構成例を示した図である。
【符号の説明】
101,2001,2002…レーザ光源、102,2
003,2004…コリメートレンズ、103…偏光・
旋光手段、104…シリンドリカルレンズ、105…回
転多面鏡、106…F−θレンズ、107…ビームスプ
リッタ、108,109…感光ドラム、110…偏光・光
量制御回路、111,112,113…偏光光、114
…旋光制御回路、115…ライン同期信号受光部、20
1…同期信号生成部、202…読み出しアドレス生成
部、203…入射位置−旋光制御量情報保存部、204
…旋光制御電流生成部、501…中間転写媒体、502
…用紙、503−1,2…感光ドラム、504…光学
系、505−1,2…露光、506−1,2…帯電器、
507−1,2…第一現像機、508−1,2…第二現
像機、509−1,2,3…転写器、510…定着器、
511…偏光分離手段、701…Ga−YIG、70
2,1204…入射光、703…出射光、704…磁場
制御部、801…旋光フィルム、802…高分子、90
1…位相差板、902…回転軸、1200…入射角保証
PBS、1201…プリズム−1、1202…プリズム−
2、1203…多層薄膜、1205…透過光、1206
…反射光、1207…入射角φ、1208…入射光−
1、1209…入射光−2、1210…高屈折率薄膜、
1211…低屈折率薄膜、2005,2006…偏光調
整部、2007…光合成部、2101…ハーフミラー、
2102…偏光フィルム−1、2103…偏光フィルム
−2。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 有本 昭 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】単一のレーザ光源と,前記光源からのレー
    ザ光の2つの偏光光にそれぞれ異なる情報を与える、情
    報制御手段と,前記情報制御手段からの情報に基づいて
    偏光量を制御する偏光制御手段と,前記偏光制御された
    光を所定の照射面に走査照射するための走査手段と,前
    記走査された光を偏光状態に応じて2つの光に分光する
    分離手段を有する光走査装置において、前記走査手段か
    らの光を前記分離手段に入射する入射角に応じて前記レ
    ーザ光を旋光制御する旋光制御手段を前記偏光制御手段
    と前記分離手段との間に設けたことを特徴とする光走査
    装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記旋光制御手段とし
    て、印加磁場を制御することにより旋光量を制御する磁
    気光学素子を用いることを特徴とする光走査装置。
  3. 【請求項3】請求項1において、前記旋光制御手段とし
    て、前記レーザ光の入射位置に応じて偏光角を変化させ
    た位相保証フィルムを用いることを特徴とする光走査装
    置。
  4. 【請求項4】請求項1において、前記旋光制御手段とし
    て、分光手段の薄膜受け面角度φを 55°≦φ≦90° にすることで、性能劣化保証することを特徴とする光走
    査装置。
  5. 【請求項5】請求項1において、前記旋光制御手段とし
    て、偏光手段と直線偏光変換手段により旋光制御を行う
    ことを特徴とする光走査装置。
  6. 【請求項6】請求項5において、直線偏光変換手段が入
    射波長に合わせたλ/4板であることを特徴とする光走
    査装置。
  7. 【請求項7】請求項1において、分離手段が基準薄膜厚
    より薄い方向にシフトした誘電体薄膜を持った偏光ビー
    ムスプリッタであることを特徴とする光走査装置。
  8. 【請求項8】請求項7において、誘電体多層薄膜が基準
    薄膜厚に対する膜厚比として0.5〜1の範囲の、2種
    類以上の膜厚比よりなる多層薄膜により構成されている
    ことを特徴とする光走査装置。
  9. 【請求項9】感光体と,前記感光体表面を一様帯電する
    帯電器と,前記感光体表面に静電潜像を形成するため、
    前記帯電器で一様帯電された感光体表面を2個所同時に
    レーザビームを照射する光走査装置と,前記光走査装置
    で形成された静電潜像を色の異なるトナーにより現像す
    る複数の現像器と,前記現像されたトナー像を記録媒体
    上に転写する転写手段と,前記転写された記録媒体上の
    トナー像を定着する定着手段とを有する電子写真装置に
    おいて、前記光走査装置として、単一のレーザ光源と,
    前記光源からのレーザ光の2つの偏光光にそれぞれ異な
    る情報を与える、情報制御手段と,前記情報制御手段か
    らの情報に基づいて偏光量を制御する偏光制御手段と,
    前記偏光制御された光を前記感光体表面に走査照射する
    ための走査手段と,前記走査された光を偏光状態に応じ
    て2つの光に分光する分離手段を有し、前記走査手段か
    らの光を前記分離手段に入射する入射角に応じて前記レ
    ーザ光を旋光制御する旋光制御手段を前記偏光制御手段
    と前記分離手段との間に設けたことを特徴とする電子写
    真装置。
JP9948794A 1993-09-30 1994-05-13 光走査装置及びそれを用いた電子写真装置 Withdrawn JPH07144434A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9948794A JPH07144434A (ja) 1993-09-30 1994-05-13 光走査装置及びそれを用いた電子写真装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24422393 1993-09-30
JP5-244223 1993-09-30
JP9948794A JPH07144434A (ja) 1993-09-30 1994-05-13 光走査装置及びそれを用いた電子写真装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07144434A true JPH07144434A (ja) 1995-06-06

Family

ID=26440619

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9948794A Withdrawn JPH07144434A (ja) 1993-09-30 1994-05-13 光走査装置及びそれを用いた電子写真装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07144434A (ja)

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007163931A (ja) * 2005-12-15 2007-06-28 Samsung Electronics Co Ltd 光走査装置およびそれを用いた画像形成システム
JP2008276081A (ja) * 2007-05-07 2008-11-13 Ricoh Co Ltd 光路切換装置と光路切換制御方法と光走査装置及び画像形成装置
JP2009086596A (ja) * 2007-10-03 2009-04-23 Ricoh Co Ltd 光走査装置および画像形成装置
JP2010134411A (ja) * 2008-11-07 2010-06-17 Ricoh Co Ltd 偏光分離デバイス、偏光分離素子の製造方法、光走査装置及び画像形成装置
JP2010185904A (ja) * 2009-02-10 2010-08-26 Ricoh Co Ltd 光走査装置、および画像形成装置
JP2011007998A (ja) * 2009-06-25 2011-01-13 Ricoh Co Ltd 光書込装置及び画像形成装置
JP2011013463A (ja) * 2009-07-02 2011-01-20 Ricoh Co Ltd 偏光分離デバイス、光走査装置及び画像形成装置
JP2011033897A (ja) * 2009-08-03 2011-02-17 Ricoh Co Ltd 光走査装置及び画像形成装置
JP2011043661A (ja) * 2009-08-21 2011-03-03 Ricoh Co Ltd 偏光分離素子、偏光分離デバイス、光走査装置及び画像形成装置
US8368736B2 (en) 2009-06-30 2013-02-05 Ricoh Company, Limited Optical scanning device and image forming apparatus
US8531766B2 (en) 2009-07-02 2013-09-10 Ricoh Company, Limited Polarization-separation device, optical scanning apparatus, and image forming apparatus
JP2013257574A (ja) * 2013-07-18 2013-12-26 Ricoh Co Ltd 光走査装置及び画像形成装置
US8922863B2 (en) 2011-09-21 2014-12-30 Ricoh Company, Ltd. Optical scanning device and image forming apparatus

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007163931A (ja) * 2005-12-15 2007-06-28 Samsung Electronics Co Ltd 光走査装置およびそれを用いた画像形成システム
JP2008276081A (ja) * 2007-05-07 2008-11-13 Ricoh Co Ltd 光路切換装置と光路切換制御方法と光走査装置及び画像形成装置
JP2009086596A (ja) * 2007-10-03 2009-04-23 Ricoh Co Ltd 光走査装置および画像形成装置
US8351118B2 (en) 2008-11-07 2013-01-08 Ricoh Company, Ltd. Polarization splitting device, method of manufacturing polarization beam splitter, optical scanning device, and image forming apparatus
JP2010134411A (ja) * 2008-11-07 2010-06-17 Ricoh Co Ltd 偏光分離デバイス、偏光分離素子の製造方法、光走査装置及び画像形成装置
JP2010185904A (ja) * 2009-02-10 2010-08-26 Ricoh Co Ltd 光走査装置、および画像形成装置
JP2011007998A (ja) * 2009-06-25 2011-01-13 Ricoh Co Ltd 光書込装置及び画像形成装置
US8368736B2 (en) 2009-06-30 2013-02-05 Ricoh Company, Limited Optical scanning device and image forming apparatus
JP2011013463A (ja) * 2009-07-02 2011-01-20 Ricoh Co Ltd 偏光分離デバイス、光走査装置及び画像形成装置
US8531766B2 (en) 2009-07-02 2013-09-10 Ricoh Company, Limited Polarization-separation device, optical scanning apparatus, and image forming apparatus
JP2011033897A (ja) * 2009-08-03 2011-02-17 Ricoh Co Ltd 光走査装置及び画像形成装置
JP2011043661A (ja) * 2009-08-21 2011-03-03 Ricoh Co Ltd 偏光分離素子、偏光分離デバイス、光走査装置及び画像形成装置
US8922863B2 (en) 2011-09-21 2014-12-30 Ricoh Company, Ltd. Optical scanning device and image forming apparatus
JP2013257574A (ja) * 2013-07-18 2013-12-26 Ricoh Co Ltd 光走査装置及び画像形成装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2636960B2 (ja) ビーム変調装置
JPH07144434A (ja) 光走査装置及びそれを用いた電子写真装置
JP5061397B2 (ja) 光走査装置及び画像形成装置
JP5278253B2 (ja) 光走査装置及び画像形成装置
JP4606046B2 (ja) 光走査装置及び画像形成装置
US5363126A (en) Device and apparatus for high speed tracking in a raster output scanner
US5493326A (en) Method and apparatus for scan line skew correction using a gradient index electrooptic prism
JP2013068694A (ja) 光走査装置及び画像形成装置
US5668590A (en) Optical beam scanning system with rotating beam compensation
JPH06235878A (ja) 超小型機械式光変調器及び光学的インターレース出力を有する印刷装置
JPS6032019A (ja) レ−ザ光を用いる記録装置
EP0589651B1 (en) Optical device having an electrically variable refractive index for scan line skew correction in electrostatographic printing machines
JPH05224142A (ja) 光学出力装置におけるスポット位置制御のための電子光学制御装置とシステム
EP0589654B1 (en) Device and apparatus for scan line process direction control in a multicolor electrostatographic machine
JPH05232392A (ja) 電子光学制御装置を使用した光学出力装置におけるスポット位置制御方法
JP5081800B2 (ja) 光走査装置、画像形成装置及びレーザ描画装置
JPH07294837A (ja) 光走査装置
JPS62153934A (ja) 偏光式光像形成バ−
JP3247497B2 (ja) レーザプリンタ装置用の偏光ビームスプリッタ
JP2000003110A (ja) 画像形成装置および画像形成装置の制御方法
JPH02254409A (ja) 走査光学系とそれを用いたレーザービームプリンタ
JPH0862523A (ja) 光走査装置
JPH06265801A (ja) レーザプリンタ装置
JPH04294322A (ja) 光学装置
JPH07290761A (ja) 画像記録装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20010731