JPH071429A - 導電性無機質成形体の製造方法 - Google Patents

導電性無機質成形体の製造方法

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JPH071429A
JPH071429A JP14761493A JP14761493A JPH071429A JP H071429 A JPH071429 A JP H071429A JP 14761493 A JP14761493 A JP 14761493A JP 14761493 A JP14761493 A JP 14761493A JP H071429 A JPH071429 A JP H071429A
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JP
Japan
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sheet
fiber
conductive
impregnated
fiber sheet
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Application number
JP14761493A
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English (en)
Inventor
Sadahiro Obata
貞宏 小幡
Takamasa Shintani
隆政 新谷
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B28WORKING CEMENT, CLAY, OR STONE
    • B28BSHAPING CLAY OR OTHER CERAMIC COMPOSITIONS; SHAPING SLAG; SHAPING MIXTURES CONTAINING CEMENTITIOUS MATERIAL, e.g. PLASTER
    • B28B3/00Producing shaped articles from the material by using presses; Presses specially adapted therefor
    • B28B3/20Producing shaped articles from the material by using presses; Presses specially adapted therefor wherein the material is extruded
    • B28B3/26Extrusion dies
    • B28B3/2645Extrusion dies using means for inserting reinforcing members

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  • Shielding Devices Or Components To Electric Or Magnetic Fields (AREA)
  • Manufacturing Of Electric Cables (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】電気伝導性に優れ、且つ層剥離を起こすことが
なく構造材としての強度にも優れた導電性無機質成形体
を連続的に製造する方法を提供する。 【構成】目付量20g/m2 、開孔部直径5mm、開孔
面積率5.2%の開孔部を有する繊維シート1を、普通
ポルトランドセメント100重量部と水60重量部から
なる水硬性無機物質ペースト5を充填した含浸槽4を通
過させ、水硬性無機物質ペーストを含浸し、2mm間隔
のゴム製の二本ロール6を通過して含浸シートを得た
後、クロスヘッドダイ7に導く。各々の押出機2、2よ
り、基層成形用材料と導電層成形用材料を押し出して、
クロスヘッドダイ中にて、水硬性無機物質ペーストを含
浸させた繊維シート1の両面に、基層及び導電層を積層
する。これを温度30℃、湿度95%の雰囲気中で4日
間養生して一体硬化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電磁波遮蔽性能が要求
さるインテリジェントビル、医療施設、電波暗室、電子
計算機室、発電所、工場等の壁、床、天井等の建築部材
に好適に用いられる導電性無機質成形体の製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、電子機器、医療機器等より放射さ
れる電磁波や、放送局、OA機器、コードレス電話等の
無線通信源から放射される電磁波によって様々な弊害が
生じている。そのため、ビル全体を電磁波遮蔽して、外
来電磁波に対する障害を除こうとする試みがなされてい
る。このような方法として、ビルの主要構成材料である
コンクリート等の電気伝導性を十分向上せしめれば、電
磁波遮蔽は可能となることが提言されている。一方、ビ
ル建築においては、工数や人件費の低減のために、プレ
キャスト板(以下、PC板という)等の予め成形された
部材を用いた工法が多く用いられるようになっている。
【0003】ここで、一般にセメントモルタルやコンク
リート等の水硬性無機物質配合物からなる無機質成形体
に電磁波遮蔽性能を付与する手段としては、大別して、
水硬性無機物質ペースト中に導電性繊維や強磁性粉末等
を混入する方法と、水硬性無機物質配合物中にエキスパ
ンドメタルや導電性繊維シートを埋設する方法の2つが
ある。
【0004】しかしながら、コンクリート等に電気伝導
性を付与するために、その素材であるセメントモルタル
中に金属繊維を添加し、これを用いてコンクリート構造
体としたとき、電食により電気伝導度が徐々に低下して
しまって、長期にわたる帯電防止性能や電磁波遮蔽性能
を保障することができず、又、軽量化を図ることができ
ず、従って、コンクリート等の導電性付与材料として金
属繊維は適当でないという問題点がある。そこで、コン
クリートに対する導電性付与材料としては、電食の心配
のない炭素繊維チョップや炭素繊維シートが用いられて
きた。
【0005】炭素繊維チョップや炭素繊維シートを用い
て電磁波遮蔽性能を有する無機質成形体を製造する方法
としては、例えば、特開昭61─199909号公報に
は、炭素繊維チョップを含んだモルタルをPC板の打込
み型枠の内面に薄膜状に吹き付けてモルタル層を形成
し、そのモルタル層の硬化前に配筋を行い、コンクリー
トを打設して養生硬化させることによる、耐熱性に富
み、電磁波遮蔽性能を有するPC板の成形方法が提案さ
れている。
【0006】又、実開昭64─12833号公報には、
セメントモルタル又はコンクリートに強磁性体を混入
し、且つ打設時にエキスパンドメタル又は導電性繊維シ
ートからなる織布あるいはメッシュを型枠内に配設して
セメントモルタル又はコンクリートを養生硬化すること
によって、広範囲にわたる電磁波を遮蔽することができ
るプレキャストコンクリートパネルの成形方法が提案さ
れている。
【0007】又、特開昭58─183209号公報に
は、スクリュー式真空押出機を用いて、成形品の所望部
分に補強材を挿入する特殊押出機による押出方法が提案
されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
61─199909号公報に記載の方法では、吹き付け
層と後で打設した層との層間において層剥離を生じるお
それがある。
【0009】又、実公昭64─12833号公報に記載
の方法では、導電性繊維からなる織布を用いた場合に
は、織布の内部まで水硬性無機物質配合物が含浸しにく
いので、導電性繊維からなる織布と水硬性無機物質配合
物の硬化層との付着強度が低く、経時の疲労の結果、層
剥離が生じ易く、又、導電繊維からなるメッシュを用い
た場合には、メッシュに隙間があって電磁波遮蔽性能に
劣るので、セメントモルタルやコンクリートにその分だ
け余計に粉末状あるいはフレーク状の強磁性体を混入し
なければならず、構造材としての強度が充分でないとい
う問題点がある。
【0010】又、特開昭58─183209号公報に記
載の如く、特殊押出機による押出形成品は、注型する場
合等に比べて添加水量が少なく、シート状の補強材は押
出機に導入される際に何の処理もされていないために、
緻密な繊維シートを用いる場合には、その内部まで水硬
性無機物質配合物が含浸されず、繊維シート内部で層剥
離を生じるおそれがある。
【0011】本発明は、上記の如き従来の問題点を解消
し、基層と導電層との間の接着性を向上せしめることに
より、電気伝導性に優れ、且つ層剥離を起こすことがな
く構造材としての強度にも優れた導電性無機質成形体を
連続的に製造する方法を提供することを目的としてなさ
れたものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、開孔面積率2
〜25%の多数の貫通孔を有する繊維シートに水硬性無
機物質ペーストを含浸し、含浸シートを得る工程、含浸
シートの両面に、押出機よりそれぞれ押し出した水硬性
無機物質からなる基層と、水硬性無機物質と炭素繊維か
らなる導電層を積層して積層シートを得る工程及び積層
シートを一体硬化する工程からなる導電性無機質成形体
の製造方法である。
【0013】本発明においては、まず、開口面積率2〜
25%の多数の貫通孔を有する繊維シートに水硬性無機
物質ペーストを含浸し、含浸シートを得る工程を有す
る。
【0014】この工程において用いられる繊維シートの
形態は、織布、不織布のいずれであってもよいが、織布
の方がストランド内部に水硬性無機物質ペーストが含浸
しにくく、繊維シート付近での剥離が生じ易い傾向があ
るため、不織布の形態が好適に使用される。
【0015】繊維シートの目付量は、20〜100g/
2 が好ましく、25〜80g/m 2 が更に好ましい。
目付量が20g/m2 未満の場合には、基層と導電層の
層間における応力緩和がなされず、層剥離防止の効果を
得にくく、逆に、100g/m2 を超える場合には、水
硬性無機物質ペーストが含浸しにくくなる傾向がある。
【0016】繊維シートの開孔面積率、つまり開孔面積
の合計が全面積に占める割合は、2〜25%、好ましく
は5〜20%の多数の貫通孔を有するものが使用され
る。面積開孔率が2%未満の場合には、貫通孔を通じて
の基層と導電層との間の接着性の向上を図ることができ
ず、逆に、25%を超える場合には、両層間の膨張収縮
によって生じる応力緩和の効果を得にくい。
【0017】繊維シートの貫通孔の形状は、例えば、円
形、楕円形、長方形、正方形、星型、三角形、菱形等の
いずれでも構わない。貫通孔の大きさは、繊維シートの
大きさ、基層と導電層との間の厚さ等により適宜決定す
ればよいが、その形状が円形の場合には、その直径が好
ましくは2〜200mm、更に好ましくは5〜50mm
である。
【0018】直径が2mm未満の場合には、貫通孔を通
じての基層と導電層との間の接着性を向上しにくくな
り、逆に、200mmを超える場合には、貫通孔を設け
るために打ち抜かれ、廃棄される材料が多くなる。
【0019】貫通孔の形状が円形以外の場合には、開孔
面積率が上記の円形の場合に準じて換算するようにして
その大きさを決定すればよい。貫通孔の数は、貫通孔の
1つ当りの大きさによって異なるが、開孔面積率2〜2
5%となるように選択すればよい。
【0020】繊維シートに使用される繊維としては、耐
アルカリ性であれば特に限定されることなく使用するこ
とができ、例えば、セラミックス繊維、ガラス繊維、鉱
物繊維、炭素繊維、ビニル繊維、アクリル繊維、ポリプ
ロピレン繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維等が挙
げられ、これらは単独で使用してもよいし、2種以上併
用してもよい。
【0021】その繊維の繊維長は、3〜100mmが好
ましく、10〜50mmが更に好ましい。繊維長が3m
m未満の場合には、繊維シートを形成しにくくなり、逆
に、100mmを超える場合には、繊維シートの繊維分
布にばらつきを生ずる傾向がある。
【0022】又、繊維の繊維径は、1〜20μmが好ま
しく、5〜15μmが更に好ましい。繊維径が1μm未
満の場合には、繊維シートが嵩高となり易く、逆に、2
0μmを超える場合には、繊維シートに隙間があき、電
磁波遮蔽性能が低下する傾向がある。
【0023】この工程において用いられる水硬性無機物
質ペーストは、水硬性無機物質と水からなるものであ
る。水硬性無機物質としては、水を混ぜることによって
硬化性を示すものであれば特に限定されることなく使用
することができ、その具体例としては、普通ポルトラン
ドセメント、特殊ポルトランドセメント、アルミナセメ
ント、ローマンセメント等の単味セメント、耐酸セメン
ト、耐火セメント、水ガラスセメント、マグネシアセメ
ント等の特殊セメント、石膏、石灰等のが挙げられ、こ
れらは通常単独で使用しても、2種以上併用してもよ
い。
【0024】水硬性無機ペーストにおける水の配合量
は、水硬性無機物質100重量部に対して、20〜20
0重量部が好ましく、30〜100重量部が更に好まし
い。水の配合量が20重量部未満の場合には、繊維シー
ト中に充分含浸させることが難しくなり、逆に、200
重量部を超える場合には、得られる導電性無機質成形体
の強度を損なう傾向がある。
【0025】繊維シートに水硬性無機物質ペーストを含
浸させるには、通常、水硬性無機物質ペーストを充填し
た含浸槽中に繊維シートを含浸した後、適宜二本ロール
等を通過させることより過剰の水硬性無機物質ペースト
を除去する方法等が採用されるが、繊維シート中に水硬
性無機物質ペーストを含浸することができれば、スプレ
ー法等も適宜採用することができる。
【0026】本発明においては、含浸シートの両面に、
押出機よりそれぞれ押し出した基層と水硬性無機物質と
炭素繊維からなる導電層を積層して積層シートを得る工
程を有する。
【0027】この工程において、基層と導電層を形成す
る水硬性無機物質としては、上記の水硬性無機物質が使
用され、必要に応じて、混和材や骨材等が配合される。
【0028】混和材としては、例えば、炭酸カルシウ
ム、マイカ、セピオライト、ウォラストナイト、フライ
アッシュ、高炉スラグ、シリカヒューム、シリカフラワ
ー、ベントナイト、粘土、AE剤、分散剤、減水剤、防
水剤、増感剤等が挙げられる。これらの混和剤は、単独
で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
【0029】骨材としては、水に溶解せず、水硬性無機
物質の硬化反応を阻害しないものならば特に限定されず
使用することができ、例えば、珪砂、川砂等が挙げられ
る。これらの骨材は、単独で使用してもよいし、2種以
上併用してもよい。
【0030】混和材や骨材の配合量は、必要とする性能
に応じて適宜量使用すればよいが、水硬性無機物質10
0重量部に対して、200重量部以下が好ましい。配合
量が200重量部を超える場合には、水硬性無機物質の
硬化を損なう傾向がある。
【0031】水硬性無機物質中には、更に必要に応じて
補強繊維が配合されてもよい。補強繊維としては、耐ア
ルカリ性であれば特に限定されることなく使用すること
ができ、例えば、セラミックス繊維、ガラス繊維、鉱物
繊維、炭素繊維、ビニル繊維、アクリル繊維、ポリプロ
ピレン繊維、ポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、ア
ラミド繊維、レーヨン繊維等が挙げられる。これらの補
強繊維は単独で使用してもよいし、2種以上併用しても
よい。
【0032】補強繊維の繊維長は、特に限定されるもの
ではないが、3〜40mmが好ましく、5〜15mmが
更に好ましい。繊維長が3mm未満の場合には、補強効
果が不充分となり、逆に、40mmを超える場合には、
配合した補強繊維が相互に絡まりあって凝集が生じ、均
一に分散することが難しくなる傾向がある。
【0033】補強繊維の配合量は、水硬性無機物質10
0重量部に対して10重量部以下が好ましい。配合量が
10重量部を超える場合には、配合した補強繊維が相互
に絡まりあって凝集が生じ、均一に分散することが難し
くなる傾向がある。
【0034】水硬性無機物質中には、水が配合される。
水の配合量は、水硬性無機物質100重量部に対して、
15〜200重量部が好ましく、20〜150重量部が
更に好ましい。配合量が15重量部未満の場合には、水
硬性無機物質を均一に混合することが難しくなり、押出
機や金型内に詰まるため、安定して成形することができ
ず、逆に、200重量部を超えると、保形性が失われた
り、得られる導電性無機質成形体の強度が低下する傾向
がある。
【0035】この工程において、導電層形成用に用いら
れる炭素繊維は、得られる導電性無機質成形体に電気伝
導性を付与するために配合されるものであって、PAN
系、ピッチ系レーヨン系及びカーボンウィスカー系等が
挙げられる。これらは単独で使用されてもよいし、又2
種類以上併用されてもよい。
【0036】炭素繊維の繊維長は、4〜30mmが好ま
しく、6〜25mmが更に好ましい。繊維長が4mm未
満の場合には、電気伝導性を確保するために多量に配合
する必要があり、又、水硬性無機質組成物を用いて導電
層を製造する際の作業性の低下をきたすとともに、電気
伝導性の低い導電性無機質成形体しか得ることができな
い傾向があり、逆に、30mmを超える場合には、分散
性が低下し、得られる導電性無機質成形体の電気伝導性
が不均一になる傾向がある。
【0037】又、炭素繊維の繊維径は、直径1〜20μ
mが好ましく、5〜15μm更に好ましい。繊維径が1
μm未満の場合には、炭素繊維の分散性が低下し、得ら
れる導電性硬化体の電気伝導性が不均一になる傾向があ
り、逆に、20μmを超える場合には、同一量を配合し
た場合の炭素繊維同士の接触点が少なくなり、得られる
導電性無機質成形体の電気伝導性が低下する傾向があ
る。
【0038】同一繊維長、同一繊維径の炭素繊維を同一
量だけ配合した場合、得られる導電性無機質成形体の電
気伝導性は、使用される炭素繊維の電気伝導率に左右さ
れる。従って、体積抵抗率が小さい炭素繊維が好ましく
使用されるが、炭素繊維の体積抵抗率は、5×10-5
10-2Ω・cmが好ましく、10-4〜10-3Ω・cmが
更に好ましい。体積抵抗率が5×10-5Ω・cm未満の
場合には、黒鉛化を進める必要があるために炭素繊維が
脆くなり、繊維破断を起こし易くなり、逆に、10-2Ω
・cmを得られる導電性無機質成形体の電気伝導性が低
下する傾向がある。
【0039】炭素繊維の配合量は、水硬性無機物質10
0重量部に対して、0.2〜10重量部が好ましく、
0.5〜5重量部が更に好ましい。配合量が0.5重量
部未満の場合には、電気伝導経路が十分に形成できない
ために、得られる導電性無機質成形体の電気伝導性が低
下し、逆に、10重量部を超える場合には、炭素繊維の
凝集が生じ、均一に分散しないために、得られる導電性
無機質成形体の電気伝導性が低下する傾向がある。
【0040】本発明においては、積層シートを一体硬化
する工程を有する。硬化方法としては、自然乾燥法、加
熱乾燥法、蒸気養生法等が適宜採用される。
【0041】以下、本発明の例を図面を参照して説明す
る。図1は、本発明に使用する多数の貫通孔を有する繊
維シートの一例を示す斜視図であり、図2は図1に示す
繊維シートのA−A′線に沿う断面図である。1は繊維
シートであり、多数個の円形の貫通孔11が設けられて
いる。貫通孔11の形状は円形に限定されるものではな
い。多数個の貫通孔11は、その開孔面積率が2〜25
%であるような大きさとされている。
【0042】図3は、本発明の工程を説明する平面図で
あり、図4はその正面図である。まず、第1工程におい
て、多数の開孔部11を有する繊維シート1を、水硬性
無機物質ペースト5を充填した含浸層4中にターンロー
ル3をターンさせるようにして連続して通過させて繊維
シート1中に水硬性無機物質ペーストを含浸させた後、
二本ロール6を通過させることにより所望の含浸シート
を得る。
【0043】次に、第2工程において、水硬性無機物質
ペースト5を含浸させた繊維シート1を、クロスヘッド
ダイ7中に導いて、そのクロスヘッドダイ7中にて、繊
維シートの両外方に、それぞれ、基層成形用材料及び導
電層形成用材料を用いて押出機2、2より押し出した水
硬性無機物質からなる基層8、水硬性無機物質及び炭素
繊維からなる導電層9を積層して積層シートを得る。こ
の際、繊維シート1中には、基層8及び導電層9と同質
材料の水硬性無機物質ペーストが予め含浸されているこ
とにより、その上に積層された基層8及び導電層9の一
部が繊維シート1中に容易に含浸される。
【0044】最後の工程にて、得られた積層シートを、
図示しない養生炉内に導いて、一体硬化させて導電性無
機質成形体を得る。これにより、得られた導電性無機質
成形体10は、図5に示す如く、基層102と導電層1
03の相対する面は、繊維シート101の貫通孔101
の部分では、その貫通孔101aを通じて、基層102
と導電層103が直接接着され、残りの部分では、繊維
シート101を挟むようにして間接接着されている。
又、基層102と導電層103が繊維シート101を挟
むようにして間接接着されている部分においても、基層
102と導電層103の一部が繊維シート101中に含
浸された状態で一体硬化されているので、繊維シート1
01と基層102間及び繊維シート101と導電層10
3間が強固に接着されている。
【0045】このようにして得られた導電性無機質成形
体10に、膨張収縮力が作用した場合に、基層102と
層103との間で線膨張率が異なっていても、その応力
を繊維シート101を挟むようにして強固の接着力にて
間接接着されている部分で繊維シート101が吸収する
と共に、基層102と導電層103とは、繊維シート1
01の貫通孔101aの部分ではその貫通孔101aを
通じて、残りの部分では、繊維シート101を介して強
固に接着されているので、基層102と導電層103と
の間、繊維シート101と基層102間、繊維シート1
01と導電層103間、繊維シート101内で、それぞ
れ、層剥離を引き起こすことがない。
【0046】
【作用】本発明の導電性無機質成形体の製造方法は、開
孔面積率2〜25%の多数の貫通孔を有する繊維シート
に水硬性無機物質ペーストを含浸し、含浸シートを得る
工程、含浸シートの両面に、押出機よりそれぞれ押し出
した水硬性無機物質からなる基層と、水硬性無機物質と
炭素繊維からなる導電層を積層して積層シートを得る工
程及び積層シートを一体硬化する工程からなることによ
り、得られた導電性無機質成形体は、電気伝導性に優れ
ており、且つ、基層と導電層の相対する面が、繊維シー
トの貫通孔の部分では、その貫通孔を通じて基層と導電
層が直接接着され、残りの部分では、基層と導電層の一
部が繊維シート中に含浸された状態で一体固硬化され強
固に接着されているので、膨張収縮力が作用した場合
に、基層と層との間で線膨張率が異なっていても、その
応力を繊維シートを挟むようにして強固の接着力にて間
接接着されている部分で繊維シートが吸収すると共に、
基層と導電層との間、繊維シートと基層間、繊維シート
と導電層間、繊維シート内が強固に接着されていて、そ
れぞれ、層剥離を引き起こすことがなく、構造材として
の強度にも優れている。
【0047】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。実施例1〜4
【0048】普通ポルトランドセメント(見掛け比重
3.17g/cm3 )100重量部と、JIS3号珪砂
(見掛け比重1.49g/cm3 )10重量部と、ヒド
ロキシメチルセルロース(信越化学社製、商品名「メト
ローズ90SH30000」)3重量部と、ビニロン繊
維(クラレ社製、商品名「RKW182」、繊維径14
μm、繊維長6mm)5重量部と、水40重量部からな
る基層成形用材料を準備した。
【0049】普通ポルトランドセメント(見掛け比重
3.17g/cm3 )100重量部と、JIS3号珪砂
(見掛け比重1.49g/cm3 )10重量部と、ヒド
ロキシメチルセルロース(信越化学社製、商品名「メト
ローズ90SH30000」)3重量部と、炭素繊維
(見掛け比重1.77g/cm3 、繊維径7μm、繊維
長6mm)1重量部と、水50重量部からなる導電層成
形用材料を準備した。
【0050】表1に示した、目付量、開孔部直径、開孔
面積率を有する繊維シート1を、図3,4に示す如く、
普通ポルトランドセメント(見掛け比重3.17g/c
3)100重量部と水60重量部からなる水硬性無機
物質ペースト5を充填した含浸槽4を通過させることに
より、水硬性無機物質ペーストを含浸させた後、2mm
間隔のゴム製の二本ロール6を通過させて含浸シートを
得た後、クロスヘッドダイ7に導いた。各々の押出機
2、2より、基層成形用材料と導電層成形用材料を押し
出して、クロスヘッドダイ中にて、含浸シート1の両面
に、基層及び導電層を積層し、積層シートを得た。
【0051】得られた積層体より、大きさ50mm×1
50mm、厚さ20mmのサンプルを切り出した。この
サンプルを温度30℃、湿度95%の雰囲気中で4日間
養生して一体硬化し、図5に示す如き、多数の開孔部1
01aを有する繊維シート101を介して、基層102
と導電層103が積層されたして導電性無機質成形体1
0を得た。
【0052】得られた導電性無機質成形体を105℃の
雰囲気中で48時間保持して乾燥させた後、乾湿繰り返
し試験(ISO/DIS 9125法)にて、乾湿繰り
返しを行い、10サイクル毎に状態を確認し、破壊が生
じた繰り返し数を表1に併せて示した。尚、ISO/D
IS 9125法とは、25℃で1時間保持し、40℃
/Hrの昇温速度で65℃まで昇温して、1時間保持
後、水を噴霧しながら冷却させ、40℃/Hrの降温速
度で25℃まで冷却させ、これを1サイクルとして、乾
湿繰り返しを行う試験法である。
【0053】比較例1,2 表1に示した目付量の、開孔部を有さない炭素繊維シー
トを用いたこと以外は、実施例1〜4と同様にして、導
電性無機質成形体を得た。得られた導電性無機質成形体
について、実施例1と同様にして乾湿繰り返し試験を行
った。その結果を表1に併せて示した。
【0054】比較例3,4 表1に示した目付量、開孔部を有する炭素繊維シートを
用いたこと以外は、実施例1〜4と同様にして、導電性
無機質成形体を得た。得られた導電性無機質成形体につ
いて、実施例1と同様にして乾湿繰り返し試験を行っ
た。その結果を表1に併せて示した。
【0055】比較例5〜7 表1に示した目付量、開孔部を有する炭素繊維シートを
用い、炭素繊維シートに水硬性無機質ペーストを含浸さ
せなかったこと以外は、実施例1〜4と同様にして、導
電性無機質成形体を得た。得られた導電性無機質成形体
について、実施例1と同様にして乾湿繰り返し試験を行
った。その結果を表1に併せて示した。
【0056】
【表1】
【0057】表1からも明らかな如く、実施例1〜4の
場合には、いずれも、乾湿繰り返し試験における耐層剥
離性に優れているのに対して、比較例1〜7の場合に
は、いずれも、乾湿繰り返し試験における耐層剥離性が
劣っている。
【0058】
【発明の効果】本発明の導電性無機質成形体の製造方法
は、上記の如き構成であるので、電気伝導性に優れ、且
つ層剥離を起こすことがなく構造材としての強度にも優
れた導電性無機質を連続的に製造することができる。
【0059】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる繊維シートの一例を示す斜視図
である。
【図2】図1に示す繊維シートのA−A′線に沿う断面
図である。
【図3】本発明の工程を説明する平面図である。
【図4】本発明の工程を説明する正面図である。
【図5】本発明により得られた導電性無機質成形体の一
例を示す断面図である。
【符号の簡単な説明】
1、101 繊維シート 2 押出機 3 ガイドロール 4 含浸槽 5 水硬性無機物質ペースト 6 二本ロール 7 クロスヘッドダイ 8、102 基層 9、103 導電層 10 導電性無機質成形体 11、101a 開孔部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開孔面積率2〜25%の多数の貫通孔を
    有する繊維シートに水硬性無機物質ペーストを含浸し、
    含浸シートを得る工程、含浸シートの両面に、押出機よ
    りそれぞれ押し出した水硬性無機物質からなる基層と、
    水硬性無機物質と炭素繊維からなる導電層を積層して積
    層シートを得る工程及び積層シートを一体硬化する工程
    からなることを特徴とする導電性無機質成形体の製造方
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11342554A (ja) * 1998-06-02 1999-12-14 Mitsubishi Kagaku Form Plastic Kk 複合積層体及び吸音パネル
WO2020193150A1 (de) * 2019-03-25 2020-10-01 Technische Universität Dresden Verfahren und vorrichtung zur herstellung eines bewehrten betonbauteils sowie betonbauteil

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CN113613855A (zh) * 2019-03-25 2021-11-05 德累斯顿理工大学 用于制造增强混凝土构件的方法和装置以及混凝土构件

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