JPH0714130A - 回転ドラム装置 - Google Patents

回転ドラム装置

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Publication number
JPH0714130A
JPH0714130A JP15351293A JP15351293A JPH0714130A JP H0714130 A JPH0714130 A JP H0714130A JP 15351293 A JP15351293 A JP 15351293A JP 15351293 A JP15351293 A JP 15351293A JP H0714130 A JPH0714130 A JP H0714130A
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JP
Japan
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fixed
drum
rotary drum
attraction
yoke
Prior art date
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Application number
JP15351293A
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English (en)
Inventor
Nobusumi Kurihara
信純 栗原
Shosuke Oie
祥介 尾家
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Publication of JPH0714130A publication Critical patent/JPH0714130A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低騒音でモータ効率がよく、記録再生に関与
しない磁気回路の影響が磁気ヘッドに及ばない小型回転
ドラム装置を得る。 【構成】 固定ドラム1と、固定ドラム1の中心に一端
が固定された軸3と、軸に嵌合される回転ドラム9と、
回転ドラム9を動圧にてラジアル方向およびスラスト方
向に支持する流体軸受24、25と、回転ドラム9に固
定された複数の磁気ヘッド11と、回転ドラム9および
固定ドラム1にそれぞれ固着された一対のロータリトラ
ンス14、15と、回転ドラム9内に構成される回転駆
動モータと、回転部を固定部に吸引する吸引用磁気回路
からなる回転ドラム装置において、回転駆動モータは、
軸3の端面近傍に固定されたステータコイル21とステ
ータコイル21の上下に位置するように回転ドラム9に
固定されたモータロータ19およびバックヨーク23で
構成され、吸引用磁気回路は、吸着ヨーク35が固着さ
れた吸着マグネット36と吸着板38で構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、VTRやDATとい
った磁気テープに情報を記録・再生する磁気記録再生装
置に関するものである。近年上記磁気記録再生装置にお
いては小型化や記録密度向上の要望が強い。磁気記録再
生装置を構成する機構部品のひとつである回転ドラム装
置においては、軸方向の小型化、回転ドラムの小径化、
回転速度の高速化、磁気ヘッドおよびロータリトランス
の高性能化、そして低騒音化などが望まれる。この発明
は、上記要望を満足する回転ドラム装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図12は、例えば特開昭63−3116
19号、特開平2−90136号や特開平3−2256
14号などに示された従来の回転ドラム装置の断面図、
図13は、例えば特開平2−42616号に示された他
の従来回転ドラム装置の断面図である。
【0003】従来装置を示す図12において、1は固定
ドラムであり、2は固定ドラム1の外周面に形成された
磁気テープを案内するリード、3は焼きばめや圧入など
の手法により固定ドラム1の中心に設けられた軸であ
る。4は軸3に形成されたインナレース、5はインナレ
ース4に対応するアウタレースが形成された外輪、6は
軸3と外輪5間に位置し回転部を支持する鋼球で、軸
3、外輪5と鋼球6により軸一体軸受7を構成してい
る。8は外輪5に固定された回転部材、9はねじ10に
より回転部材8に固定された回転ドラム、11は回転ド
ラム9にねじ12により固定された磁気ヘッド、13は
回転ドラム9に螺合され端部が磁気ヘッド11の平面部
と当接している段差調整ねじである。
【0004】14は回転部材8に接着などの方法で固定
された回転側ロータリトランスで、磁気ヘッド11と電
気的に接続されている。15は固定ドラム1に接着など
の方法で固定された固定側ロータリトランスで、回転側
ロータリトランス14と対をなしている。
【0005】16はねじ17により回転ドラム9に固定
されたロータヨーク、18はロータヨーク16に固着さ
れたモータマグネットで、ロータヨーク16とモータマ
グネット18でモータロータ19を構成している。20
は軸3に固定されたブッシュ、21はねじ22によりブ
ッシュ20に固定されたステータコイルで、モータマグ
ネット18と対面して配置されている。23は回転ドラ
ム9に固定されたバックヨークで、このバックヨーク2
3とモータロータ18の間に上記ステータコイル21が
配置される位置関係となっている。
【0006】次に、図12に示す従来装置の動作につい
て説明する。回転ドラム9内に構成された回転駆動モー
タにおいてモータロータ19とバックヨーク23間で磁
気回路が構成されており、ステータコイル21に電流を
流すとモータロータ19とバックヨーク23が回動され
る方向に電磁力が発生し、回転ドラム9が軸3を回転中
心として回転する。このときモータロータ19とバック
ヨーク23は共に回転ドラム9に固定された状態で回転
するので互いの相対位置関係は変化せず、したがってバ
ックヨーク23内にうず電流が発生することがなくモー
タの効率が良い。また軸一体軸受7にはスラスト方向お
よびラジアル方向に予圧がかけられた状態で回転部材8
が固定されるので、外部から装置に対してスラスト方向
に衝撃が加わっても磁気ヘッド11の回転軌跡が所定位
置からずれることはない。
【0007】磁気テープに情報を記録する場合は、固定
側ロータリトランス15に記録情報に関連した電流を流
すと、回転側ロータリトランス14を介して磁気ヘッド
11に記録電流が流れて、リード2に案内されて走行し
ている磁気テープ(図示せず)に情報が記録される。磁
気テープに記録されている情報を再生する場合は、記録
時と逆の経路で情報が得られる。
【0008】従来の回転ドラム装置は以上のように構成
されているので、高速回転で使用すると主に軸受に起因
する振動や騒音が大きく、また寿命も短いといった問題
があった。
【0009】上記従来装置の問題を解消するために、軸
受に流体軸受を採用した他の従来装置が図13に示した
回転ドラム装置である。同図において、上記従来装置と
同一もしくは相当部分には同一符号を付す。図13にお
いて、1は固定ドラムであり、2は固定ドラム1の外周
面に形成されたリード、3は焼きばめや圧入などの手法
により固定ドラム1の中心に設けられた軸、24は軸3
の外周面に形成されたラジアル方向流体軸受、9はラジ
アル方向流体軸受24を介して軸3を回転中心とする回
転ドラム、11はねじ12により回転ドラム9に固定さ
れた磁気ヘッドである。
【0010】14は回転ドラム9に接着などの方法で固
着された回転側ロータリトランスで、磁気ヘッド11と
電気的に接続されている。15は固定ドラム1に接着な
どの方法で固着された固定側ロータリトランス、25は
回転ドラム9に固定されて軸3の端面と対向するスラス
ト方向流体軸受である。
【0011】16はねじ26によりスラスト方向流体軸
受25と共に回転ドラム9に固定されたロータヨーク、
18はロータヨーク16と同軸にロータヨーク16に固
着されたモータマグネットで、ロータヨーク16とモー
タマグネット18でモータロータ19を構成している。
27は固定ドラム1にねじ28にて固定されるステータ
台、29はねじ30によりステータ台27に固定される
ステータヨーク、31はステータヨーク29上に接着な
どの方法により固定されたステータコイルで、ステータ
ヨーク29とステータコイル31によりモータステータ
32を構成する。
【0012】次に、図13に示す他の従来装置の動作に
ついて説明する。回転ドラム9上部に構成された回転駆
動モータにおいてモータロータ19とモータステータ3
2間で磁気回路が構成されており、ステータコイル31
に電流を流すとモータロータ19が回動される方向に電
磁力が発生し、回転ドラム9が軸3を回転中心として回
転する。軸3と回転ドラム9間には通常グリスが封入さ
れており、ラジアル方向流体軸受24により軸3と回転
ドラム9間に動圧が生じ、回転ドラム9は軸3に対して
支持される。
【0013】またモータマグネット18とステータヨー
ク29間には吸引力が発生しており、モータマグネット
18と一体となった回転部が固定ドラム1側に吸引され
る。一方、スラスト方向流体軸受25と軸3の回転ドラ
ム9側の端面の間にも通常グリスが封入されており、回
転ドラム9の回転に伴いスラスト方向にも動圧が発生す
る。結果として、モータマグネット18とステータヨー
ク29間の吸引力および回転部全体の自重がスラスト方
向流体軸受25により発生する動圧と釣り合い、回転ド
ラム9は軸3のスラスト方向に支持される。
【0014】図13に示した従来回転ドラム装置は以上
のように構成されているので、回転ドラム9の回転速度
が大きくなるほどモータマグネット18の回転に伴いス
テータヨーク29内に発生するうず電流が増加し、いわ
ゆる鉄損が増えてモータとしての効率が悪化するという
問題があった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】従来の回転ドラム装置
は以上のように構成されているので、鋼球を用いた軸受
を採用すると、高回転時に振動や騒音が大きくなるとい
う問題があった。また流体軸受を採用すると、回転部を
固定部に吸引する必要が生じ、ステータヨーク29とモ
ータロータ19とからなるモータを用いるとモータ効率
が悪くなるといった問題があった。
【0016】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、高速回転に対応した小型の高性
能回転ドラム装置を得ることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】この発明に係る回転ドラ
ム装置は、固定ドラム、この固定ドラムに支承され、磁
気ヘッドが搭載された回転ドラム、上記固定ドラム側ま
たは上記回転ドラム側の一方に支持され、上記固定ドラ
ムと上記回転ドラムとが対向する部分の近傍に配置され
た吸着マグネット、該吸着マグネットが支持された側と
別のドラム側に支持され、上記吸着マグネットと対向し
て配置された吸着板とを備え、上記吸着マグネットと上
記吸着板により吸引用磁気回路が構成されたことを特徴
とするものである。
【0018】また、この発明は、上記手段に加えて、吸
着マグネットが固定ドラム側に支持されているときは上
記吸着マグネットと上記固定ドラムとの間に、上記吸着
マグネットが回転ドラム側に支持されているときは上記
吸着マグネットの磁気ヘッドと対向する面に吸着ヨーク
を備えてなることを特徴とするものである。
【0019】また、この発明は、固定ドラム、この固定
ドラムに支承され、磁気ヘッドが搭載された回転ドラ
ム、上記固定ドラム側に固定されたステータコイル、上
記回転ドラム側に固定され、上記ステータコイルを挟む
ように位置するモータロータ及びバックヨークから構成
された回転ドラム装置において、上記固定ドラム側に配
設された吸着マグネットと、上記回転ドラム側に配設さ
れた吸着板とにより吸引用磁気回路が構成され、上記回
転ドラムを上記固定ドラム側に吸引することを特徴とす
るものである。
【0020】また、この発明は、上記吸着マグネットに
は上記磁気ヘッドから離れた側に吸着ヨークが固着され
たことを特徴とするものである。
【0021】また、この発明は、固定ドラム、この固定
ドラムに支承され、磁気ヘッドが搭載された回転ドラ
ム、上記固定ドラム側に固定されたステータコイル、上
記回転ドラム側に固定され上記ステータコイルを挟むよ
うに位置するモータロータおよびバックヨークから構成
された回転ドラム装置において、上記回転ドラム側に配
設された吸着マグネットと、上記吸着マグネットの上記
磁気ヘッド側に固着された吸着ヨークと、上記固定ドラ
ム側に配設された吸着板とにより吸引用磁気回路が構成
され、上記回転ドラムを上記固定ドラム側に吸引するこ
とを特徴とするものである。
【0022】また、この発明は、固定ドラム、この固定
ドラムに支承され、磁気ヘッドが搭載された回転ドラ
ム、上記固定ドラム側に固定されたステータコイル、上
記回転ドラム側に固定され上記ステータコイルを挟むよ
うに位置するモータロータおよびバックヨークから構成
された回転ドラム装置において、上記回転ドラム側に
て、上記磁気ヘッドとほぼ同一平面内上にてドラム周方
向に上記磁気ヘッドと交互に配置された吸着マグネット
と、上記固定ドラム側に配設された吸着板とにより吸引
用磁気回路が構成され、上記回転ドラムを上記固定ドラ
ム側に吸引することを特徴とするものである。
【0023】また、この発明は、上記吸着マグネットに
吸着ヨークを備えたことを特徴とするものである。ま
た、この吸着マグネットに吸着ヨークを固着させたもの
である。
【0024】
【作用】この発明における回転ドラム装置によれば余計
なスペースを設けずに、所定の荷重にて回転ドラムを固
定ドラムに確実に押しつけることができる。
【0025】また、吸着マグネットに吸着ヨークを固着
したため、この磁力が磁気ヘッドに影響を与えることが
少ない。
【0026】また、回転ドラム駆動用の磁気回路とは別
に、吸引用磁気回路を設けたので、モータヨーク内部に
うず電流が発生せず、しかも所定の荷重にて回転ドラム
を固定ドラムに確実に押しつけることができる。
【0027】
【実施例】
実施例1.図1は本発明の回転ドラム装置の断面図、図
2は図1の回転ドラム装置の略組立図、図3は磁気ヘッ
ド位置での外部磁界と磁気ヘッドのインダクタンスとの
相関を示す図、図4および図5は磁気ヘッド近傍の磁束
を表す図である。同図において、上記従来装置と同一も
しくは相当部分には同一符号を付す。
【0028】図において、1は固定ドラムであり、2は
固定ドラム1の外周面に形成された磁気テープを案内す
るリード、3は焼きばめや圧入などの手法により固定ド
ラム1の中心に設けられた軸、24は軸3の外周面に形
成されたラジアル方向流体軸受、9はラジアル方向流体
軸受24を介して軸3を回転中心とする回転ドラム、1
1はねじ12により回転ドラム9に固定された磁気ヘッ
ド、13は回転ドラム9に螺合され端部が磁気ヘッド1
1の平面部と当接している段差調整ねじである。
【0029】14は回転ドラム9に接着などの方法で固
着された回転側ロータリトランスで、磁気ヘッド11と
電気的に接続されている。15は固定ドラム1に接着な
どの方法で固着された固定側ロータリトランスで、回転
側ロータリトランス14と対をなしている。25は固定
ドラム1に固着されたスラスト方向流体軸受で、回転ド
ラム9の端部9aと対面する。
【0030】16はねじ17により回転ドラム9に固定
されたロータヨーク、18はロータヨーク16と同軸に
ロータヨーク16に固着されたモータマグネットで、ロ
ータヨーク16とモータマグネット18でモータロータ
19を構成している。20は軸3と当接しているブッシ
ュ、21はねじ34によりブッシュ20と共に軸3に固
定されたシート状コイルで構成されたステータコイル
で、モータマグネット18と対面して配置されている。
23は回転ドラム9に固定されたバックヨークで、この
バックヨーク23とモータロータ19の間に上記ステー
タコイル21が配置される位置関係となっている。
【0031】35は固定ドラム1に固着された吸着ヨー
ク、36は吸着ヨーク35と一体に固着された吸着マグ
ネット、37は回転ドラム9に当接したスペーサ、38
はスペーサ37と当接しねじ39によりスペーサ37を
介して回転ドラム9に固定される吸着板で、吸着ヨーク
35および吸着マグネット36と共に吸引用磁気回路を
構成している。
【0032】回転側ロータリトランス14および固定側
ロータリトランス15は、多チャンネル化の際に装置の
小型化を図りやすいよう円筒型ロータリトランスを用い
ている。
【0033】次に、上記回転ドラム装置の動作について
説明する。モータマグネット18およびロータヨーク1
6とバックヨーク23により磁気回路が構成され、固定
部であるステータコイル21を磁束が貫いている。ステ
ータコイル21に電流を流すとモータロータ19が回動
される方向に電磁力が発生し、結果として回転ドラム9
が軸3を回転中心として回転する。このときモータロー
タ19とバックヨーク23は共に回転ドラム9に固定さ
れた状態で回転するので互いの相対位置関係は変化せ
ず、バックヨーク23内にうず電流が発生することはな
い。
【0034】回転駆動用磁気回路が上記のように構成さ
れているので、モータマグネット18とステータコイル
21の間では、回転ドラム9を固定ドラム1に吸引する
作用をする磁力は発生しない。しかし、固定ドラム1に
固定された吸着ヨーク35と吸着マグネット36および
回転ドラム9に固定された吸着板38とから構成される
吸引用磁気回路により、回転ドラム9と固定ドラム1の
間に吸引力が発生する。そして、この吸引力はスラスト
方向流体軸受25にて支承されている。この吸引用磁気
回路は流体軸受け下部に設けることも考えられるが、新
たにスペースを設ける必要があり、高さ方向及び幅方向
に装置が大きくなる可能性があり、また装置の組み立て
工程が複雑になる恐れもある。回転ドラム9と固定ドラ
ム1の対向する部分の近傍に吸引用磁気回路を設ける本
発明はこのような不具合もなく装置の小型化を可能にす
ることができ、組み立ても簡単である。
【0035】一方、装置の小型化のために装置内部品配
置は非常に密となり、吸着マグネット36と磁気ヘッド
11との間隔は非常に近いものとならざるを得ない。磁
気ヘッド11近傍に外部磁界があると、磁気ヘッド11
はその外部磁界の影響を受けて所望の特性が得られな
い。図3に磁気ヘッド11の性能を表す一つの指標であ
るヘッド・インダクタンスと磁気ヘッド近傍外部磁界と
の関係の一例を示すが、要求される磁気ヘッド11のイ
ンダクタンスを確保するためには磁気ヘッド11近傍の
磁界をある値以下に抑えなければならないことがわか
る。すなわち、磁気ヘッド11近傍に吸引用磁気回路を
配置する場合、吸引用磁気回路の磁界が磁気ヘッド11
に影響を与えないよう方策をとることが必要である。
【0036】吸着板38と吸着マグネット36を基本構
成とする吸引用磁気回路において、磁気回路近傍空間の
軸方向断面における磁束線を解析により求めた結果の一
例を、吸着マグネット36に吸着ヨーク35を固着した
場合の結果を図4に、吸着ヨークがない場合の結果を図
5にそれぞれ示す。ここで吸着マグネット36は希土
類、吸着板38および吸着ヨーク35は鉄系材料を想定
した。また図中、点Aは磁気ヘッド11が置かれる位置
を表す。任意の位置における磁界の強さは、所定断面積
を持つ空間内の磁束線数、すなわち磁束線密度が大きい
ほど強いといえる。吸着ヨーク35がない場合と比較し
て、吸着ヨーク35がある場合には点A近傍の磁束線密
度は低い。すなわち磁気ヘッド11への吸引用磁気回路
からの漏れ磁束を少なくするためには、吸着マグネット
36に吸着ヨーク35を固着することが有効な手段であ
ることがわかる。
【0037】実施例2.上記実施例1では、吸着板38
を回転部に、吸着マグネット36を固定部にそれぞれ固
定した場合について示したが、吸着マグネット36を回
転部に、吸着板38を固定部にそれぞれ固定した場合に
ついて、以下説明する。図6は本発明の実施例2を示す
回転ドラム装置の断面図である。
【0038】図において、11は回転ドラム9に固定さ
れた磁気ヘッド、37は回転ドラム9に当接したスペー
サ、38は接着などの方法で固定ドラム1に固着された
吸着板、36は吸着板38と対向するように配置された
吸着マグネット、35は吸着マグネット36の磁気ヘッ
ド11に近い面に固着された吸着ヨークで、吸着マグネ
ット36および吸着ヨーク35はスペーサ37を介して
ねじ39により回転ドラム9に固定されている。上記吸
着ヨーク35と吸着マグネット36および吸着板38に
より吸引用磁気回路が構成されている。なお、この吸引
用磁気回路以外の構成については、図1に示した実施例
1の構成と同一なので説明を省略する。
【0039】次に動作を説明する。図6に示した構成に
おいては、吸着マグネット36と吸着板38からなる吸
引用磁気回路により、回転ドラム9が固定ドラム1側に
吸引されて、図1に示した実施例1と同様の作用を得る
ことは明白である。
【0040】また、図6に示した構成においては、磁気
ヘッド11と吸着マグネット36が近接するので、吸着
マグネット36の磁気ヘッド11側の側面に吸着ヨーク
35を配することにより、吸引用磁気回路からの漏れ磁
束が磁気ヘッド11に影響を与えることがない。
【0041】実施例3.上記実施例1および実施例2で
は、磁気ヘッド11の下部に吸引用磁気回路を配置した
場合について示したが、吸引用磁気回路を磁気ヘッド1
1と略同一平面内に配置した場合について以下説明す
る。図7は本発明の実施例3を示す回転ドラム装置の断
面図、図8は図7に示した回転ドラム装置の回転部を磁
気ヘッド11取り付け方向からみた平面図、図9は図7
の回転ドラム装置の略組立図である。
【0042】図において、11は回転ドラム9に180
゜対向してねじ12により取り付けられた磁気ヘッド、
40は扇形形状をなした吸着マグネットで、41はこれ
ら吸着マグネット40を回転ドラム9に固定するねじで
ある。図8にて示したように、吸着マグネット40は磁
気ヘッド11の取り付け方向と90゜ずれた位置にお互
い180゜対向して取り付けられている。
【0043】38は固定ドラム1に取り付けられた円環
状の吸着板で、吸着マグネット40と所定距離隔てて配
設されており、上記吸着マグネット40と吸着板38に
より吸引用磁気回路が構成されている。なお、この吸引
用磁気回路以外の構成については、図1に示した実施例
1の構成と同一なので説明を省略する。
【0044】次に動作を説明する。図7に示した構成に
おいては、吸着マグネット40と吸着板38などからな
る吸引用磁気回路により、回転ドラム9が固定ドラム1
側に吸引されて、図1に示した実施例1と同様の作用を
得ることは明白である。
【0045】また、任意の位置における磁界の強さは磁
界源からの距離の2乗に反比例するので、図1で示した
ように磁気ヘッド11直下に吸引用磁気回路を構成する
より、図7で示すように磁気ヘッド11と吸引用マグネ
ット40を回転ドラム9の周方向に交互に配置する方が
磁気ヘッド11と吸引用磁気回路との距離が大きくと
れ、磁気ヘッド11近傍の外部磁界を小さく抑えること
ができる。また装置内のスペースのさらなる有効利用も
可能となる。
【0046】実施例4.上記実施例3に示す回転ドラム
装置において、図10に示すように、吸着マグネット4
0の回転ドラム9の周方向で磁気ヘッド11に近い面に
吸着ヨーク42を固着させれば、磁気ヘッド11への吸
引用磁気回路の漏れ磁束をさらに軽減できる。
【0047】実施例5.図1、図6および図7に示した
実施例では、軸3が固定ドラム1に固定され、回転ドラ
ム9を支持する軸受としてラジアル方向およびスラスト
方向共に流体軸受を採用した場合を示したが、軸が回転
する構成であっても、また軸受に鋼球を用いた構成であ
ってもよい。以下軸が回転し、スラスト方向軸受に鋼球
を用いた場合について説明する。図11は、本発明の実
施例5を示す回転ドラム装置の断面図である。
【0048】図において、1は固定ドラム、9は固定ド
ラム1と同軸上に配置される回転ドラム、11は回転ド
ラム9に固定された磁気ヘッド、43は固定ドラム1と
同軸上に固定ドラム1に固定されたブッシュ、44はブ
ッシュ43に固定される鋼球、45は一端を鋼球44と
接し、他端面近傍において焼きばめ、圧入などの方法に
より回転ドラム9に同心状に固定された軸、24は軸4
5に設けられたラジアル方向流体軸受である。
【0049】16はねじ17により回転ドラム9に固定
されたロータヨーク、18はロータヨーク16と同軸に
ロータヨーク16に固着されたモータマグネットで、ロ
ータヨーク16とモータマグネット18でモータロータ
19を構成している。23はモータロータ19と対面す
るように回転ドラム9に固定されたバックヨーク、27
は固定ドラム1にねじ28により固定されたステータ
台、21はねじ30によりステータ台27に固定された
シート状コイルで構成されたステータコイルで、このス
テータコイル21は上記モータロータ19とバックヨー
ク23の間に配置される位置関係となっている。
【0050】35は固定ドラム1に固着された吸着ヨー
ク、36は吸着ヨーク35と一体に固着された吸着マグ
ネット、37は回転ドラム9に当接したスペーサ、38
はスペーサ37と当接し、ねじ39によりスペーサ37
を介して回転ドラム9に固定される吸着板で、吸着ヨー
ク35および吸着マグネット36と共に吸引用磁気回路
を構成している。なお、他の構成については、図1に示
した実施例1の構成と同一なので説明を省略する。
【0051】次に動作について説明する。モータロータ
19とバックヨーク23およびステータコイル21によ
り構成される回転駆動用磁気回路により、うず電流損が
なく、回転ドラム9が軸45を中心として回転されるの
は、実施例1と同様である。軸45は回転ドラム9に固
定されており、回転ドラム9の回転に伴い軸45も回転
する。軸45と固定ドラム1間には通常グリスが封入さ
れており、軸45の回転に伴い軸45と固定ドラム1間
に動圧が生じ、回転ドラム9は固定ドラム1に対して軸
45を介して支持される。
【0052】また、吸着マグネット36および吸着板3
8で構成される吸引用磁気回路により、回転ドラム9は
固定ドラム1側に吸引される。このとき軸45の一端
が、固定ドラム1にブッシュ43を介して固定された鋼
球44と当接して、磁気ヘッド11の高さが決まると共
に、鋼球44はピポット軸受として軸45をスラスト方
向に支持する。
【0053】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、余計な
スペースを設けずに吸引用磁気回路を設置することがで
き、装置の小型化を図ることができると共に、吸着マグ
ネットと吸着板による吸引力により回転ドラムが固定ド
ラムに所定の荷重で確実に押し付けられ、磁気ヘッドの
高さを安定に保つことができる。さらに回転ドラム駆動
用の磁気回路とは別に吸引用磁気回路を設けているの
で、モータヨーク内部にうず電流を発生させることなく
所定の荷重にて回転ドラムが固定ドラム側に押しつけら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1を示す回転ドラム装置の断
面図である。
【図2】図1の回転ドラム装置の略組立図である。
【図3】磁気ヘッド位置での外部磁界と磁気ヘッドのイ
ンダクタンスとの相関を示す図である。
【図4】吸着マグネットに吸着ヨークを固着した場合の
吸引用磁気回路近傍の磁束を示す図である。
【図5】吸着マグネットに吸着ヨークを装着しない場合
の吸引用磁気回路近傍の磁束を示す図である。
【図6】この発明の実施例2を示す回転ドラム装置の断
面図である。
【図7】この発明の実施例3を示す回転ドラム装置の断
面図である。
【図8】図7の回転ドラム装置の回転部を磁気ヘッド取
り付け方向からみた平面図である。
【図9】図7の回転ドラム装置の略組立図である。
【図10】図7の回転ドラム装置の吸着マグネットの他
の実施例である。
【図11】この発明の実施例5を示す回転ドラム装置の
断面図である。
【図12】従来の回転ドラム装置の断面図である。
【図13】他の従来の回転ドラム装置の断面図である。
【符号の説明】
1 固定ドラム 9 回転ドラム 11 磁気ヘッド 19 モータロータ 21 ステータコイル 23 バックヨーク 35 吸着ヨーク 36 吸着マグネット 38 吸着板 なお、図中、同一符号は同一、または相当部分を示す。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定ドラム、この固定ドラムに支承さ
    れ、磁気ヘッドが搭載された回転ドラム、上記固定ドラ
    ム側または上記回転ドラム側の一方に支持され、上記固
    定ドラムと上記回転ドラムとが対向する部分の近傍に配
    置された吸着マグネット、該吸着マグネットが支持され
    た側と別のドラム側に支持され、上記吸着マグネットと
    対向して配置された吸着板とを備え、上記吸着マグネッ
    トと上記吸着板により吸引用磁気回路が構成されたこと
    を特徴とする回転ドラム装置。
  2. 【請求項2】 吸着マグネットが固定ドラム側に支持さ
    れているときは上記吸着マグネットと上記固定ドラムと
    の間に、上記吸着マグネットが回転ドラム側に支持され
    ているときは上記吸着マグネットの磁気ヘッドと対向す
    る面に吸着ヨークを備えてなることを特徴とする請求項
    1記載の回転ドラム装置。
  3. 【請求項3】 固定ドラム、この固定ドラムに支承さ
    れ、磁気ヘッドが搭載された回転ドラム、上記固定ドラ
    ム側に固定されたステータコイル、上記回転ドラム側に
    固定され、上記ステータコイルを挟むように位置するモ
    ータロータ及びバックヨークから構成された回転ドラム
    装置において、上記固定ドラム側に配設された吸着マグ
    ネットと、上記回転ドラム側に配設された吸着板とによ
    り吸引用磁気回路が構成され、上記回転ドラムを上記固
    定ドラム側に吸引することを特徴とする回転ドラム装
    置。
  4. 【請求項4】 吸着マグネットには上記磁気ヘッドから
    離れた側に吸着ヨークが固着されたことを特徴とする請
    求項3記載の回転ドラム装置。
  5. 【請求項5】 固定ドラム、この固定ドラムに支承さ
    れ、磁気ヘッドが搭載された回転ドラム、上記固定ドラ
    ム側に固定されたステータコイル、上記回転ドラム側に
    固定され上記ステータコイルを挟むように位置するモー
    タロータおよびバックヨークから構成された回転ドラム
    装置において、上記回転ドラム側に配設された吸着マグ
    ネットと、上記吸着マグネットの上記磁気ヘッド側に固
    着された吸着ヨークと、上記固定ドラム側に配設された
    吸着板とにより吸引用磁気回路が構成され、上記回転ド
    ラムを上記固定ドラム側に吸引することを特徴とする回
    転ドラム装置。
  6. 【請求項6】 固定ドラム、この固定ドラムに支承さ
    れ、磁気ヘッドが搭載された回転ドラム、上記固定ドラ
    ム側に固定されたステータコイル、上記回転ドラム側に
    固定され上記ステータコイルを挟むように位置するモー
    タロータおよびバックヨークから構成された回転ドラム
    装置において、上記回転ドラム側にて、上記磁気ヘッド
    とほぼ同一平面内上にてドラム周方向に上記磁気ヘッド
    と交互に配置された吸着マグネットと、上記固定ドラム
    側に配設された吸着板とにより吸引用磁気回路が構成さ
    れ、上記回転ドラムを上記固定ドラム側に吸引すること
    を特徴とする回転ドラム装置。
  7. 【請求項7】 吸着マグネットに吸着ヨークを備えたこ
    とを特徴とする請求項4記載の回転ドラム装置。
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